JP2005122517A - エネルギー需要予測方法、エネルギー需要予測装置、エネルギー需要予測プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

エネルギー需要予測方法、エネルギー需要予測装置、エネルギー需要予測プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】
過学習を防止して学習精度を向上させて、予測精度を高めたエネルギー需要予測方法、エネルギー需要予測装置、エネルギー需要予測プログラム、記録媒体を提供する。
【解決手段】
過去の実績データを収集するデータ収集処理手順と、過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手順と、平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手順と、実績データ・平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測データを生成する予測処理手順と、予測データを保存する予測結果保存処理手順と、を有するエネルギー需要予測方法とした。
また、これら手順と同等の手段のデータ収集処理手段と、データ平滑化処理手段と、学習処理手段と、予測処理手段と、予測結果保存処理手段として機能するエネルギー需要予測装置、エネルギー需要予測プログラムおよび記録媒体とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、家屋、ビルディング、または、工場など需要家のエネルギー需要を予測するためのエネルギー需要予測方法、エネルギー需要予測装置、エネルギー需要予測プログラムおよび記録媒体に関する。
家屋、ビル、工場など需要家は、各種のエネルギーを利用している。例えば、空調エネルギー、電気エネルギー、給湯エネルギー等である。これら様々なエネルギーの需要に関し、未来のエネルギーの需要が予測されて、各種制御に利用されている。例えば、蓄熱システムを持つビルや工場では、翌日の空調エネルギー予測に基づき、安い深夜電力を用いて蓄熱することでコストを削減している。このようなエネルギー需要の予測ではニューラルネットワークなど各種の予測モデルを用いる予測手法が利用される。
また、エネルギーに係るものではないが、例えば、特許文献1(発明の名称:ニューラルネットワークの学習方法および販売予測装置)では、販売の予測に用いられるニューラルネットワークの学習方法について開示されている。
特開平8−272762号公報(段落番号0012〜0021)
ニューラルネットワークでは、実績データ、または、実績データから算出された教師データを用いて学習が行われる。しかしながら、実績データはノイズを含んでばらつきが生じることがある。
例えば、エネルギー量が小さい場合のエネルギーの実績データは、エネルギー量の変動が大きく非常に大きなばらつきが生じることがある。
また、冷温水で空調する空調システムについては、計測方法の問題により実績データにばらつきが生じる。冷温水による空調で使用するエネルギー量の実績データは、冷温水器から供給される温度と循環して戻ってきた温度の差に流量を乗じて算出される。従って冷温水の循環経路が長い場合には正確なエネルギー量が予測できず、その結果、計測されたエネルギー量の実績データは変動が大きくなり、ばらつきを生じる傾向がある。
このように実績データがばらつきを生じる場合、ニューラルネットワークの学習に問題が生じていた。
ニューラルネットワークを学習させる場合、ニューラルネットワークは、学習対象となる実績データや教師データを学習しすぎると、データ中のノイズ成分までも覚える過学習(オーバーフィッティング)と呼ばれる状態になり、学習対象とした実績データや教師データをこのニューラルネットワークに入力した場合には、学習した通りの出力が得られて出力誤差が小さいが、未知データに対しては逆に出力誤差が増えてしまう。このように、ばらつきが大きい実績データをそのまま用いて学習を行っても予測精度がなかなか上がらないという問題がある。
特許文献1の発明は、教師データTnを平滑化処理するものであり、教師データTnは現在の実績値と、この実績値に隣接する(±1時点の)予測値との平滑化処理である。このように予測値を用いる教師データであるため、ニューラルネットワークにより予測値を算出させる手間を要したり、また、教師データ自体が予測値によるものであり、学習が正確でないおそれがあるという問題もあった。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、過学習を防止して学習精度を向上させることで、予測精度を高めるようにしたエネルギー需要予測方法、エネルギー需要予測装置、エネルギー需要予測プログラムおよび記録媒体を提供することにある。
本発明のエネルギー需要予測方法は、
エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測方法であって、
過去の実績データを収集するデータ収集処理手順と、
過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手順と、
平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手順と、
実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手順と、
予測データを保存する予測結果保存処理手順と、
を有することを特徴とする。
また、本発明のエネルギー需要予測装置は、
エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測装置であって、
過去の実績データを収集するデータ収集処理手段と、
過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手段と、
平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手段と、
実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手段と、
予測データを保存する予測結果保存処理手段と、
を有することを特徴とする。
また、本発明のエネルギー需要予測プログラムは、
エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測プログラムであって、
過去の実績データを収集するデータ収集処理手段と、
過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手段と、
平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手段と、
実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手段と、
予測データを保存する予測結果保存処理手段と、
してコンピュータに機能させるプログラムであることを特徴とする。
また、本発明の記録媒体は、
エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測プログラムがコンピュータに読み取り可能に記録された記録媒体であって、
過去の実績データを収集するデータ収集処理手段と、
過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手段と、
平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手段と、
実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手段と、
予測データを保存する予測結果保存処理手段と、
してコンピュータに機能させるプログラムを記録したことを特徴とする。
以上のような本発明によれば、過学習を防止して学習精度を向上させることで、予測精度を高めるようにしたエネルギー需要予測方法、エネルギー需要予測装置およびエネルギー需要予測プログラムを提供することができる。
以下、本発明の最良の形態のエネルギー需要予測方法、エネルギー需要予測装置、エネルギー需要予測プログラム、および、記録媒体について図を参照しつつ説明する。
まず、エネルギー需要予測方法について図を参照しつつ説明する。図1はエネルギー需要予測方法を説明するフローチャートである。
ステップS10は、過去の実績データ、カレンダデータ、未来の予報データを収集するデータ収集処理手順である。
このデータ収集処理手順により、予測に必要な過去の実績データ、カレンダデータ、および、未来の予報データが収集される。
ステップS11は、過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手順である。
このデータ平滑化処理手順は、過去の実績データを移動平均処理、もしくは、スプライン処理により平滑化する。この処理では、時系列的に連続する複数の実績データにより平滑化される。この場合、負荷・気象というように多数種類の実績データがあるが、全種類の実績データを平滑化してもよく、また、平滑化が必要ない種類の実績データ(例えば気象の実績データ)に関しては平滑化しなくてもよい。通常は、ばらつきの大きい実績データ(例えば負荷)のみ平滑化し、ばらつきの少ない実績データ(例えば気象)は平滑化しない。
ステップS12は、平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手順である。
学習処理では、ニューラルネットワークの学習を行う。学習アルゴリズムはバックプロパゲーション法など各種の学習方法を用いることができる。ノイズの少ない平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行うことで、過学習を防止し、未知データに対しても誤差の少ないニューラルネットワークを構築することができる。
なお、ステップS11において平滑化しなかったデータ項目については、平滑化していない実績データを用いることになる。
ステップS13は、実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手順である。
予測処理では、上記のように平滑化された平滑化実績データを用いて未来のエネルギー需要を予測してもよいし、平滑化していない実績データを用いて予測してもよい。さらには、平滑化実績データと実績データとを併用して予測してもよい。また、予測時に未来の予報データをニューラルネットワークに入力しても良い。
ステップS14は、予測データを保存する予測結果保存処理手順である。
予測結果保存処理では、これら予測データをデータベースに保存する。
エネルギー需要予測方法はこれら手順を有するものである。
続いて、エネルギー需要予測装置について図を参照しつつ説明する。図2は、本形態のエネルギー需要予測装置である。
エネルギー需要予測装置は、入出力装置1、予測・学習装置2と、データベース装置3と、気象予報端末4と、気象実績端末5と、エネルギー負荷集計装置6と、LAN7と、を備えている。
入出力装置1は、キーボード、ディスプレイ、MO(Magnet Optical Disc)、FD(Flexible Disc)などからなり、各種データの入力や出力・表示を行う。また、LAN7を経由して、情報の入出力を行う。
予測・学習装置2は、上述したようなエネルギー需要予測プログラムの各手順(データ収集処理手順、データ平滑化処理手順、学習処理手順、予測処理手順、予測結果保存処理手順)を実行するようなプログラムを搭載しており、データ収集処理手段、データ平滑化処理手段、学習処理手段、予測処理手段、予測結果保存処理手段としてエネルギー需要予測装置を機能させる。
データベース装置3は、予測に必要な様々なデータ(過去の実績データ、カレンダデータ、未来の予報データ)や予測結果である予測データを保存するための装置である。
気象予測端末4は、気象予報の受信、もしくは、手入力により気象予報を得て、未来の予報データを得るための装置である。これら未来の予報データは、データベース装置3に保存される。
気象実績端末5は、気象の実績データを収集する装置である。気象会社から配信される実績データを受信してもよいし、独自の温度計や湿度計などの気象センサーから気象に係る実績データを収集してもよい。実績データは、データベース装置3に保存される。
エネルギー負荷集計装置6は、各エネルギー負荷を集計して実績データを得る装置である。実績データは、データベース装置3に保存される。
このようなエネルギー需要予測装置では、気象予測端末4を介して収集した未来の気象の予報データ、気象実績端末5を介して収集した過去の気象の実績データ、エネルギー負荷集計装置6を介して収集した過去の負荷の実績データ、および、カレンダデータが、データベース装置3に蓄積されており、予測・学習装置2はこれら実績データおよびカレンダデータを予測・学習装置2内のメモリなどのデータ保存部(図示せず)に収集するデータ収集処理手段として機能する。予測・学習に必要な過去の実績データ、および、カレンダデータを収集する。また、未来の予報データも収集される。
予測・学習装置2は、エネルギー負荷に係る過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手段として機能する。過去の実績データを移動平均処理、もしくは、スプライン処理により平滑化する。ここで全ての実績データを平滑化する、または、平滑化が必要ない実績データに関しては平滑化しないという処理を選択的に行う。通常は、ばらつきの大きい実績データのみ平滑化し、ばらつきの少ない実績データ(例えば気象)は平滑化しない。
予測・学習装置2は、平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手段として機能する。学習処理では、ニューラルネットワークの学習を行う。ノイズの少ない平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行うことで、過学習を防止し、未知データに対しても誤差の少ないニューラルネットワークを構築することができる。なお、平滑化処理が選択されなかったデータについては(例えば気象)、平滑化していない実績データを用いる。
予測・学習装置2は、エネルギー負荷・気象に係る実績データ(または平滑化実績データ)、カレンダデータ、および、未来の予報データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手段として機能する。予測処理では、平滑化実績データを用いて未来のエネルギー需要を予測してもよく、平滑化していない実績データを用いて予測してもよく、さらには、平滑化実績データおよび実績データ共に用いて予測してもよい。
予測・学習装置2は、予測データを保存する予測結果保存処理手段として機能する。算出された予測データをデータベース装置3に保存する。
エネルギー需要予測装置はこのようにしてエネルギー需要を予測することとなる。なお、本発明は上記に示す装置構成に限定されるものではなく、例えば、入出力装置1、予測・学習装置2と、データベース装置3と、気象予報端末4、気象実績端末5と、エネルギー負荷集計装置6と、を含む一台のコンピュータとしても良い。上記したデータ収集処理手段、データ平滑化処理手段、学習処理手段、予測処理手段、予測結果保存処理手段としてコンピュータを機能させれば、コンピュータによりエネルギー需要予測を行わせることができる。
また、エネルギー需要予測プログラムは、エネルギー需要予測装置をデータ収集処理手段、データ平滑化処理手段、学習処理手段、予測処理手段、予測結果保存処理手段としてエネルギー需要予測装置を機能させるプログラムである。このようなエネルギー需要予測プログラムが記録された記録媒体(例えば、CD−ROM,MO,FD,HDというような磁気,光,光磁気により記録再生される媒体)を用いてエネルギー需要予測装置にエネルギー需要予測プログラムをインストールしてもよく、また、インターネット等のネットワーク・LAN7を介してエネルギー需要予測装置にエネルギー需要予測プログラムをインストールしても良い。
続いて本発明の実施例について図を参照しつつ説明する。図3は本実施例のエネルギー需要予測システムの構成図である。本実施例では、図2で示すエネルギー需要予測装置の入出力装置1,予測・学習装置2,データベース装置3が、図3で示す空調負荷予測システム8に実装される構成である。
続いて本実施例のエネルギー需要予測システムについて詳しく説明する。
気象予報端末4は、毎日、翌日分までの1時間単位の気象予報データ(予報データである)を受信する。
気象実績端末5は、30分ごとの気象実績データ(実績データである)を計測・集計する。
エネルギー負荷集計装置6は、30分ごとにLAN7に接続されている空調機91,空調機92,・・・,空調機9nにアクセスして空調負荷実績データ(実績データである)を計測・集計する。
データベース装置3は、これら気象予報データ、空調実績データ、および、気象実績データを逐次蓄積する。この場合、日時についてのカレンダーデータが関連づけられて記録される。
空調負荷予測システム8の予測・学習装置2は先に説明したようなエネルギー需要予測プログラムが搭載されたコンピュータである。つまり、先に説明したデータ収集処理手段,データ平滑化処理手段,学習処理手段,予測処理手段,予測結果保存処理手段として各部を機能させる。
続いてエネルギー需要予測システムによる予測について図を参照しつつ説明する。図4はニューラルネットワークの構成図である。空調負荷予測システム8の予測・学習装置2に構築された予測モデルは、特に図示しないが、3階層型のニューラルネットワークである。このニューラルネットワークの入力データは、図4および表1で示すようになる。
Figure 2005122517
ここに入力は気温(学習時は気象実績データ・予測時は気象予報データ)、不快指数(学習時は気象実績データ・予測時は気象予報データ)、操業フラグ(工場の操業状態についてフラグ1,フラグ2で表されており、空調負荷実績データに含まれる)、および、熱負荷(23時消費熱量であり、空調負荷実績データに含まれる)である。操業フラグのフラグ1とは半休もしくは全休の日は1、それ以外は0である数値データであり、また、操業フラグのフラグ2は、全休のときに1、それ以外は0である数値データである。
また、不快指数は、気温と湿度とにより次式を用いて算出している。
(数1)
不快指数=0.81×気温+0.01×湿度(0.99×気温−14.3)+46.3
予測するエネルギー負荷を示す出力データは、図4に示すように、1日30分単位の空調用の熱負荷予測値(予測データ)であり、毎日0時の時点において、0時30分から24時までの48点分の空調負荷の予測を表す予測データである。ニューラルネットワークの48点分の出力が、最終的な30分ごとの空調負荷である。
なお、本実施例では、ニューラルネットワークを1つだけ用いているが、0時30分を予測するネットワーク、1時を予測するネットワーク・・・24時を予測するネットワークなど48個のニューラルネットワークを個別に構築して予測してもよい。
続いて予測・学習装置2は、データ収集処理手段として機能し、学習・予測に用いる気象実績データ、負荷実績データ、カレンダーデータ、および、気象予報データをデータベース装置3から収集する。本実施例では、表1に示すデータ項目(気温、不快指数、操業フラグ、熱負荷、日時等)をデータベース装置3から収集する。
続いて予測・学習装置2は、データ平滑化処理手段として機能し、一部のデータの平滑化処理を行う。30分ごとの熱負荷を表す空調負荷実績データには、大きなばらつきが認められたため、平滑化処理を行い、次式の平滑化処理を行っている。
(数2)
Tn=(Yn−1+Y+Yn+1)/3
ここで、
:n時点の空調負荷実績データ
n−1:30分前の空調負荷実績データ
n+1:30分後の空調負荷実績データ
:ニューラルネットワークの学習に用いる時点nの平滑化実績データ(教師データ)
他の気象実績データは平滑化処理を行わなかった。通常は、ばらつきの大きいエネルギー負荷データのみ平滑化し、気象のようにばらつきの少ないデータは平滑化しない。
このように平滑化処理は単純であるため、市販の表計算ソフト等を利用して簡単に平滑化実績データを生成することができる。
続いて予測・学習装置2は、学習処理手段として機能し、上記の通り1部のデータを平滑化実績データとし、残りをそのまま実績データとして、ニューラルネットワークの学習を行う。学習アルゴリズムはバックプロパゲーション法である。このように、ばらつきが多い実績データに代えて、ばらつきが少ない平滑化実績データを用いて学習をするため、過学習するおそれがなくなり、精度良い予測を行うニューラルネットワークとすることができる。
なお、この学習処理では、一般的なバックプロパゲーション法を用いているため、市販のニューラルネットワークのツールを適用することも可能である。
続いて予測・学習装置2は、予測処理手段として機能し、学習済みのニューラルネットワークを用いて予測を行っている。ここで、予測時に用いた気象予報データ、空調実績データ、気象実績データ、および、カレンダーデータは平滑化処理を行っていないデータを用いた。本実施例では、毎日1回0時時点において、0時30分〜24時までの熱負荷を予測した。予測結果について図を参照しつつ説明する。図5は熱負荷についての予測と実績を比較するための負荷−時間線図である。
負荷の実績値を表す実績データについては実線で表し、平滑化処理を行わない実績データのみで学習したニューラルネットワークで予測した負荷の予測データについて一点鎖線で表し、また、平滑化処理を行なった実績データも用いて学習したニューラルネットワークで予測した負荷の予測データを破線(点線)で表す。
平滑化処理を行わない実績データのみで学習したニューラルネットワークで予測した負荷の予測データ(一点鎖線)は、ばらつきが大きく、実績値と離れている。しかしながら、平滑化処理を行なった平滑化実績データを用いて学習したニューラルネットワークで予測した負荷の予測データ(破線・点線)は、ばらつきが小さく、予測データは滑らかであり、誤差も小さい。
続いて予測・学習装置2は、予測結果保存処理手段として機能し、予測データをデータベース装置3に登録保存する。
これら予測データを解析して、エネルギー需要を予測することができる。
このような本発明と特許文献1の発明とについて比較し、その課題を詳細に記し、本発明との差異と、本発明の有効性と、を記す。
特許文献1の発明の請求項2において、ニューラルネットワークの教師データTnは現在の実績値と±1時点の予測値On−1とOn+1との平滑化処理である。この発明の特徴より以下の問題点が2点生じる(特許文献1の発明の請求項1は誤差関数の発明であるので、プログラム改造が必要であるのは自明である)。
(1)学習プログラムの改造が必要である。
教師データTnを作成するためには、予測値On−1とOn+1を算出する必要がある。ニューラルネットワークの学習は、通常数千回〜数百万回必要であるが、その1回ごとの学習のたびに予測値On−1とOn+1を算出しなければならない。これを実現する方法として、2つの方法が考えられる。1つは、学習プログラムを改造する方法である。もっとも現実的な方法はであるが、専門家によるプログラム改造が必要である問題点がある。もう1つの方法は、市販のツールだけを用いて実現する方法であり、学習1回ごとに予測値On−1とOn+1を算出して画面もしくはテキストファイルに出力し、教師データTnを手作業で作成し(テキストファイルを作成)、そのテキストファイルに書かれた教師データTnを用いてツールで学習する方法である。しかしながら、この方法では、テキストファイルを介した処理が学習1回ごとに行われるため、バッチ処理により自動化できたとしても数千回〜数百万回の繰り返し処理が要求されるニューラルネットワークの学習では学習時間の観点から現実的ではない(バッチ処理を行うにしても、バッチ処理プログラムの作成が必要であるのはいうまでもない)。つまり、特許文献1の発明では、学習プログラムの改造が必須であると言える。
(2)学習時間が増加する問題がある。
学習が行われていないニューラルネットワークは、適切な予測を行うことができない。特許文献1の発明において、学習初期段階の予測値On−1とOn+1は学習していないので不適切な出力をする。つまり、学習初期段階の教師データTnは不適切な値である。不適切な教師データTnを用いて学習するため、ニューラルネットワークの学習も不適切であるのは自明である。すなわち特許文献1の発明では、平滑化係数kが1に近づけば近づくほど、学習が困難になり、学習時間が増大する問題が発生する。平滑化係数が0もしくは0に近ければ学習時間の増加の可能性が低くなるが、特許文献1の発明の予測精度の利点が生まれない。特許文献1の発明の効果を得るためには、適切なkの値を設定する必要があるが、その方法は明記されていない。
本発明では、学習データTnは、時系列データの単なる平滑化処理であるため、市販のツールによる学習が可能である。また、学習時間増加の問題も生じない。むしろ平滑化処理を行うことにより、学習データ中のノイズも緩和され、問題そのものが単純化されるため、学習時間が短縮化される利点がある。
以上、本発明の最良形態・実施例について説明した。このように、ノイズが多くてばらつきの大きいエネルギー負荷の実績データに対し、平滑化するデータ加工を行うことでノイズ成分を少なくして、ニューラルネットワークがノイズを学習し過学習状態になるのを防止し、その結果、ニューラルネットワークの予測精度を向上させることができる。
また、本発明では、実績データの前処理に関する発明であるので、例えば、ニューラルネットワークの学習アルゴリズムの変更などは必要でなく、従来のニューラルネットワークのツールにそのまま適用することもでき、一般的な技術者ならだれでも実施できる利点がある。
さらにニューラルネットワークの学習アルゴリズムの変更という複雑なプログラムの改良のための長い期間も不要であり、システム開発のためのコストアップ要因を抑えることができる。
また、本発明は、データのばらつきを考慮した予測ができる特徴をもつ。つまり、ばらつきのある負荷、特に空調機のエネルギー負荷の予測精度を従来の発明よりも高めることが可能である。その結果、深夜の蓄熱量を適切に計画することが可能になり、蓄熱システムの運用コスト削減に効果がある。
また、予測データを用いた制御システムがある場合、予測精度が低いと不適切な制御を行うおそれがあるが、本発明により生成した予測データは予測精度が高く、これら予測データを用いる制御システムの制御性能を向上させることが可能である。
エネルギー需要予測方法を説明するフローチャートである。 本発明を実施するための最良の形態のエネルギー需要予測装置の構成図である。 本実施例のエネルギー需要予測システムの構成図である。 ニューラルネットワークの構成図である。 熱負荷についての予測と実績を比較するための負荷−時間線図である。
符号の説明
1:入出力装置
2:予測・学習装置
3:データベース装置
4:気象予報端末
5:気象実績端末
6:エネルギー負荷集計装置
7:LAN
8:空調負荷予測システム
9:空調システム
91:空調機
92:空調機
9n:空調機

Claims (4)

  1. エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測方法であって、
    過去の実績データを収集するデータ収集処理手順と、
    過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手順と、
    平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手順と、
    実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手順と、
    予測データを保存する予測結果保存処理手順と、
    を有することを特徴とするエネルギー需要予測方法。
  2. エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測装置であって、
    過去の実績データを収集するデータ収集処理手段と、
    過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手段と、
    平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手段と、
    実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手段と、
    予測データを保存する予測結果保存処理手段と、
    を有することを特徴とするエネルギー需要予測装置。
  3. エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測プログラムであって、
    過去の実績データを収集するデータ収集処理手段と、
    過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手段と、
    平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手段と、
    実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手段と、
    予測データを保存する予測結果保存処理手段と、
    してコンピュータに機能させるプログラムであることを特徴とするエネルギー需要予測プログラム。
  4. エネルギー需要の予測を行うためのエネルギー需要予測プログラムがコンピュータに読み取り可能に記録された記録媒体であって、
    過去の実績データを収集するデータ収集処理手段と、
    過去の実績データを平滑化して平滑化実績データを生成するデータ平滑化処理手段と、
    平滑化実績データを用いてニューラルネットワークの学習を行う学習処理手段と、
    実績データまたは平滑化実績データをニューラルネットワークに入力してエネルギー需要の予測に関する予測データを生成する予測処理手段と、
    予測データを保存する予測結果保存処理手段と、
    してコンピュータに機能させるプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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