JP2005117893A - ハイブリッド同期/誘導発電機発電プラント - Google Patents

ハイブリッド同期/誘導発電機発電プラント Download PDF

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Abstract

【課題】 超伝導(SC)コイル(32)を有するロータ(22)を有する少なくとも1つの同期発電機(18)に結合された、誘導発電機(20)などの少なくとも1つの発電機を含む発電装置(12)を具備する発電プラント(10)を提供する。
【解決手段】 誘導発電機(20)及びSC同期発電機(18)は、SC同期発電機(18)が誘導発電機(20)に無効電力を供給するように結合されている。誘導発電機(20)のVARに対する必要条件を満たし、且つ誘導発電機(20)に相対的に大きなエアギャップ(30)を持たせることを許容するのに十分な無効電力がSC同期発電機(18)により発生されるのが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は一般に発電機器及び発電システムに関する。特に、本発明は、1つ以上の超伝導同期発電機と組み合わせて1つ以上の誘導発電機を利用し、超伝導同期発電機は誘導発電機のVAR条件に適合するのに十分な無効電力を発生するように動作される発電プラントに関する。
電力の発生に使用される大型タービン駆動発電機のほぼ全てが同期発電機である。同期発電機は、一般に、ロータ及びステータを具備する。ロータは、ロータの周囲に支持されている巻き付けコイルにより発生される磁束線の発生源として作用し、ステータは複数の導体を具備し、ステータ内部でロータが回転するにつれてロータにより導体の中で交流が誘導され、それにより、ステータとロータとの間の狭いエアギャップの中で回転磁界が発生される。このような発電機は、ロータがステータにおいて誘導される磁界の回転と同期して一定の速度で回転され、それにより、一定周波数(例えば、配電網の60Hz)の交流を発生するという意味で同期発電機である。同期発電機は別個に励起され、従って、配電網からの無効電力を要求しない。しかし、ロータは原動機(例えば、タービン)により駆動されるため、ロータの速度、電圧、位相及び相順と、ステータにおいて誘導される磁界、従って、配電網との同期を確保するための制御要素が必要である。
誘導発電機は、ロータがステータの回転磁界より速い速度で回転される結果として交流の流れが誘導される複数の導体をロータが具備しているという点で、同期発電機とは異なる。誘導発電機は、ステータの回転磁界が外部AC電源を必要とするという点で、自己励磁ではない。誘導発電機は同期発電機より効率では劣るが、単純で、頑丈であること及びコストを含めて、同期発電機と比較して数多くの利点を有する。また、誘導発電機は速度変化の影響を受けにくいので、ある速度範囲において動作することができる。しかし、誘導発電機の大きな欠点は、無効電力、すなわち、VAR(ボルトアンペア無効電力単位)を供給されなければならないということである。ロータとステータとの間のエアギャップを非常に狭くする(例えば、1インチの数分の一)ことにより、VAR条件を緩和することは可能であるが、そのような制約が課されると、誘導発電機を大きな出力定格及び大きな発電機フレームサイズ(例えば、1MVAを超える)を有する発電機の発電に使用することが実行不可能になる。
VAR条件を補償するために、これまで誘導発電機はコンデンサバンク又は同期調相機と組み合わせて使用されている。同期調相機は、誘導発電機の力率修正のみを行うように機能するために無負荷で動作される同期発電機である。しかし、そのような方法は発電プラントに関しては過剰なコストを必要とする。誘導発電機は過励磁同期発電機と組み合わせて動作されることもあるが、その場合、界磁巻線からの励磁は要求される実電力を供給するために必要とされる励磁を超えるほど増加し、それにより余剰VARを発生させる。この方法の欠点は、同期発電機を過励磁モードで動作させることにより、界磁巻線に大きな損失が発生し、そのために、界磁巻線の動作温度が上昇することである。その結果、過励磁発電機動作中のVARの出力は界磁巻線の温度上昇によって制限されてしまう。特許文献1、特許文献2及び特許文献3などの、他の解決方法も提案されている。それにもかかわらず、上記の方法は、現時点で大型誘導発電機が発電プラントで使用されていないという状況をもたらすような欠陥及び限界を有すると考えられる。
米国特許第4,677,364号 特開昭62−181698号 米国特許第5,929,612号
本発明は、超伝導コイルを有するロータを有する少なくとも1つの同期発電機に結合された、例えば、誘導発電機などの少なくとも1つの発電機を含む発電装置を具備する発電プラントを提供する。従って、同期発電機は超伝導(SC)発電機と呼ばれても良い。超伝導コイルは高温超伝導コイルであるのが好ましく、その場合、同期発電機は高温超伝導(HTS)発電機と呼ばれても良い。第1の発電機と同期発電機は、同期発電機が第1の発電機に無効電力を供給するように電気的に結合されている。第1の発電機が誘導発電機である場合、誘導発電機に相対的に大きなエアギャップに対応して、小さな力率を持たせるのに十分な無効電力が超伝導同期発電機により発生されることが可能である。その結果、誘導発電機のより大きな出力定格を実現する可能性が増す。
上記の構成に加えて、本発明の顕著な利点は、超伝導同期発電機、特に、HTS発電機によって可能になる効率の向上により誘導発電機の低い効率を補償でき、その結果、許容しうる総合効率を有するハイブリッド発電プラントが得られるということである。また、HTS同期発電機の使用により、高いコスト及び大きな損失を含めて、発電のために意図される誘導発電機の無効電力需要を補償するために従来の同期発電機を使用した場合に、それに関連して見られる欠陥も回避される。特に、同期発電機は、誘導発電機のVAR条件に適合し、発電に寄与するのに十分な無効電力を誘導発電機に供給するように動作することができない。加えて、HTS発電機は、従来の同期発電機と比較して低い遅れ力率で動作するために、界磁アンペア回数に十分なマージンをとって構築されることが可能である。発電のために誘導発電機を使用することと関連する本発明の更に別の利点は、大きなフレームサイズでより頑丈な発電機が構成されること、システム過渡中に配電網安定性を支援するために可変速度で動作させる機会があること、ロータ(原動機)速度を増すことにより短期間過負荷を与える機会があること、及びコストが低減されることを含む。
本発明のその他の目的及び利点は以下の詳細な説明から更に良く理解されるであろう。
図1は、高電圧(HV)高圧送電線網又は配電網14に接続された発電プラント10の一部を概略的に表す。ここで「発電プラント」という用語を使用する場合、それは配電網又は送電網に高電圧交流を供給する一次供給源、典型的には示されるような三相交流系統として利用される大規模設備である。図1に示される発電プラント10は、コンデンサバンク又は同期調相機による無効電力補償を含む誘導発電機により発電を行う方式とは異なっている。図1に示される発電プラント10は、1つの同期発電機18及び2つの誘導発電機20を個別に駆動する、タービンなどの複数の原動機16を含む発電装置12を具備する。単一の発電装置12が示されているが、発電プラント10は任意の数の発電装置12を具備していることが可能であろう。
同期発電機18はロータ22と、ステータ24とを具備し、誘導発電機20は、それぞれ、ロータ26と、ステータ28とを具備する。誘導発電機20は本発明の譲受人であるゼネラル・エレクトリック社により製造されている型などの、何らかの適切な構成であれば良い。同期発電機18のステータ24は誘導発電機20のステータ28と類似の構成を有することができる。同期発電機18は同期動作するため、同期発電機18のロータ22は誘導発電機のロータ26の構成とは異なる。更に、同期発電機のロータ22は超伝導(SC)コイル32、好ましくは、特開平08−168235号に記載されている種類のような高温超伝導(HTS)コイルを具備している。この点に関して、超伝導コイル32はコイル材料において超伝導状態を実現するために適切な温度に維持されている。この目的のための適切な低温冷却技法は、特開2003−125555号に開示されている。慣例に従って、以下の説明中、同期発電機18をHTSロータ22を具備するHTS発電機18と呼ぶが、超伝導ではあるが、高温超伝導ではない発電機18の使用も本発明の範囲内に含まれる。
図1に示すように、HTS発電機18及び誘導発電機20は、HTS発電機18が誘導発電機20に無効電力、すなわち、VARを供給するように結合されている。HTS発電機18は、誘導発電機20のVARに対する要求が満たされ、そのため、誘導発電機20のエアギャップ30に対応する誘導発電機20のより小さな力率が発電プラントで使用するために十分な大きさの誘導発電機を設置する試みがなされたとした場合に許容される力率より大きくなるように、十分な無効電力を誘導発電機20に供給するのが更に好ましい。
図1は、発電装置12が2つの誘導発電機20に結合された単一のHTS発電機18を具備するものとして示しているが、発電装置12として図1に示される構成を形成するために任意の数の発電機18及び20を結合することが可能であろう。特に、1つのHTS発電機18で、3つ以上の誘導発電機20にそれらの発電機20のVAR条件を満たすのに十分な無効電力を供給できるであろうと考えられる。
図1は、発電機18及び20がどのように結合されるか、並びにそれらの発電機の間のVAR流れを概略的に表している。また、図1は、システム過渡中に配電網安定性を支援するために誘導発電機20を可変速度で動作させることを可能にする制御部34及びタービン速度を増すことにより短期間過負荷を与える機会を概略的に表している。
先に述べた通り、HTS発電機18により供給されるVAR条件を考慮して、誘導発電機20は以前に実現可能であったよりもはるかに大きな出力定格に合わせて設計されることが可能である。更に、大きなエアギャップ30が許容されているため、並びに誘導発電機固有の構造上の特性があるために、誘導発電機20は、大きなフレームサイズで、発電に使用されていた従来の同期発電機より頑丈な構成を有することができる。誘導発電機20を可変速度で動作させることが可能であるため、発電プラント10はシステム過渡中に配電網安定性をより容易に支援することができ、また、原動機16の速度を増すことにより短期間過負荷を与えることもより容易に可能になる。それらの利点の全ては、一次動力発生装置として従来の同期発電機ではなく、誘導発電機20に依存した結果として、発電のコストを低減しつつ満たされることが潜在的に可能である。以上のことから、発電装置12は、コンデンサバンク又は同期調相機による無効電力補償を含む、誘導発電機による従来の発電方式と比較して、正味効率を向上させ、使用床面積を縮小し、設置費用を低減することも当業者には理解されるであろう。
本発明を特定の一実施例に関して説明したが、当業者により他の形態も採用可能であろうということは明白である。例えば、以上の説明は誘導発電機のVAR要求の問題に対応することを特に志向しているが、従来の発電機と、VAR管理を機能とする超伝導発電機とのあらゆる組み合わせに本発明を拡張することは可能である。例えば、同期調相機を使用しても良い用途においては、超伝導(SC)発電機はVARを提供するのみならず、発電にも寄与できるため、SC発電機を本発明に従って使用することが可能であろう。VARは容易には伝送されることができないため、それらの利点は送電系統及び配電系統にも拡張される。なお、特許請求の範囲に記載された符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的範囲を実施例に限縮するものではない。
本発明に従ったハイブリッド発電プラントを概略的に表す図。
符号の説明
10…発電プラント、12…発電装置、14…高電圧配電網、16…原動機、18…同期発電機、20…誘導発電機、22…ロータ、24…ステータ、26…ロータ、28…ステータ、30…エアギャップ、32…超伝導(SC)コイル、34…制御部

Claims (10)

  1. 超伝導コイル(32)を有するロータ(22)を有する少なくとも1つの同期発電機(18)に結合された少なくとも1つの第1の発電機(20)を有する発電装置(12)を具備し、前記第1の発電機(20)及び前記同期発電機(18)は、前記同期発電機(18)が前記第1の発電機(20)に無効電力を供給するように結合されている発電プラント(10)。
  2. 前記同期発電機(18)は前記第1の発電機(20)に前記第1の発電機(20)のVAR条件に適合するのに十分な無効電力を供給する請求項1記載の発電プラント(10)。
  3. 前記第1の発電機(20)は誘導発電機(20)である請求項1記載の発電プラント(10)。
  4. 前記誘導発電機(20)は不定速度で動作可能である請求項3記載の発電プラント(10)。
  5. 前記発電装置(12)は、システム過渡中の配電網安定性を支援するために前記誘導発電機(20)を可変速度で動作させる手段(34)を具備する請求項3記載の発電プラント(10)。
  6. 前記発電装置(12)は、短期間システム過負荷に応答して前記誘導発電機(20)を可変速度で動作させる手段(34)を具備する請求項3記載の発電プラント(10)。
  7. 前記発電装置(12)は、単一の同期発電機(18)に結合された少なくとも2つの第1の発電機(20)を具備する請求項1記載の発電プラント(10)。
  8. 前記ハイブリッド発電プラント(10)は2つ以上の発電装置(12)を具備する請求項1記載の発電プラント(10)。
  9. 前記第1の発電機(20)は三相交流を発生する請求項1記載の発電プラント(10)。
  10. 前記発電プラント(10)は配電網(14)に接続され、前記発電プラント(10)は、前記同期発電機(18)のロータ(22)及び前記第1の発電機(20)のロータ(26)を駆動するタービン(16)を更に具備する請求項1記載の発電プラント(10)。
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