図4は、ソースドライバからの1本の出力(信号電位)をスイッチで分割して複数のソースラインを駆動する液晶表示装置を説明するブロック図である。
同図に示すように、上記液晶表示装置の表示部195では、複数行のゲートラインG190、191・・・と複数列のソースラインSR101〜SB112・・・とが表面にマトリクス状に配線され、例えばゲートラインG191とソースラインSR101〜SB112との各交差点にスイッチング素子としての薄膜トランジスタTR125〜TB136が形成されている。
そして、各薄膜トランジスタTR125〜TB136のゲートがゲートラインG191に接続され、ソースがソースラインSR101〜SB112に接続され、ドレインが画素電極PR113〜PB124に接続されている。
さらに、上記ソースラインSR101〜SB112は6本ごとにブロック化(B154、B155)され、それぞれのソースラインSR101〜SB112に設けられたトランジスタ等の分割スイッチSWR137〜SWB148を介して上記ブロック毎にソースドライバ170からの出力(S160あるいはS161)に接続されている。
例えば、ブロックB154においては、6本のソースラインSR101、SG102、SB103、SR104、SG105、SB106それぞれが分割スイッチSWR137、SWG138、SWB139、SWR140、SWG141、SWB142のドレインに接続されている。そして、上記分割スイッチSWR137〜SWB142それぞれのソースがブロックB154に対応するソースドライバ170からの1本の出力S160に接続されるとともに、該分割スイッチSWR137〜SWB142それぞれのゲートが6本の分割スイッチラインSWL149、SWL150、SWL151、SWL152、SWL153、SWL154それぞれに接続されている。
このような表示部195において、1本のゲートライン(G190あるいはG191)が選択された(ON)状態で上記分割スイッチSWR137〜SWR148が順々にONされることによってソースドライバ170からの出力(信号電位、S160あるいはS161)が画素電極PR113〜PB124に順々に書き込まれる。
この駆動方法を図4および図5を用いてより具体的に説明する。
図5は、全画面に均一な、例えば中間調を表示する際のブロック155についてのタイミングチャートである。同図は一水平期間(1行のゲートラインを走査する期間)をTとしており、三水平期間(すなわち、ゲートラインG190、G191を含む3行分のゲートラインを走査する期間)について示したものである。
すなわち、時間Tの間にブロックB155の6つのソースラインSR107〜SB112にソースドライバ170からの信号電位S161が順次送られることによってブロックB155の各画素電極PR119〜PB124に上記信号電位S161が順次書き込まれ、また、これと同期してブロックB154の画素電極PR113〜PB118には信号電位S160が書き込まれ、時間Tの間にゲートラインG191に繋がるすべての画素電極(PR113・・・)にソースドライバ170からの信号電位(S160、S161等)が書き込まれることになる。
なお、各ソースライン(SR107〜SB112)および画素電極(PR119〜PB124)に充電すべき信号電位はS161(図5の最上段に記載)のような駆動波形である。また、上記駆動方法においては、信号電位S161の極性は一水平期間T毎に反転する。
図4、図5に示すように、時間t0でゲートラインG191が選択される(ONする)のと同期して分割スイッチラインSWL149を介して分割スイッチSWR143にON信号が送られ、ソースドライバ170からの信号電位S161がソースラインSR107に送られる。このとき、ソースラインSR107の電位は1つ前の水平期間(例えばG190の走査期間)に送られた電位から極性が反転する。
そして、ソースラインSR107に送られたソースドライバ170の信号電位S161は薄膜トランジスタ(TR131)のソース・ドレインを介して画素電極PR119に書き込まれる。
次に、時間t1で分割スイッチSWR143がOFFされるのと同期して、分割スイッチラインSWL150を介して分割スイッチSWR144にON信号が送られ、ソースドライバ170の信号電位S161がソースラインSG108に送られる。ここでも、ソースラインSG108の電位は1つ前の水平期間に送られた電位から極性が反転することになる。(つまり、時間t0からt7における信号電位S161の極性を正とすれば、ソースラインSG108の電位は負から正に極性が反転する。)
そして、ソースラインSG108に送られたソースドライバ170からの信号電位S161が画素電極PG120に書き込まれる。
時間t2では分割スイッチSWG144がOFFされると同時に、分割スイッチSWB145にON信号が送られ、ソースドライバ170の信号電位S161(正の信号電位)がソースラインSB109に送られる。そして、ソースラインSB109に送られた信号電位S161が画素電極PB121に書き込まれる。
同様に、t3〜t5では、それぞれ画素電極PR122〜PB124に信号電位S161が書き込まれる。
しかしながら、上記駆動方法においては、ソースラインSR101〜SB112間に存在する寄生容量によって各ソースラインSR101〜SB112の電位が変動を受け、これによって画素電極PR113〜PB124に書き込まれた電位が変動してしまうという問題がある。なお、図6は上記ソースライン(SR101〜SB112)間に存在する寄生容量C201〜C211を模式的に示したものである。
例えば、ソースラインSR107とSG108とについて考えてみると、時間t0で一つ前の水平期間に送られた負の電位から正の電位に極性が反転し、時間t1まで画素電極PR119にソースドライバ170の信号電位S161が書き込まれる(充電される)が、この間、ソースラインSR107の極性は正であるのに対し、1つ隣のソースラインSG108の極性は一つ前の水平期間に送られた負の電位となっている。
ここで、時間t1で分割スイッチSWR143がOFFされた後に分割スイッチSWG144がONとなり、ソースラインSG108の極性が負から正に反転すると、SR107およびSG108間の寄生容量(C207、図6参照)による電荷がソースラインSR107および画素電極PR119に流れ、ソースライン107および画素電極PR119に書き込まれた電位が変動(突き上げ)を受ける。
また、時間t2ではソースラインSG108およびソースラインSB109間の寄生容量C208(図6参照)による電荷がソースラインSG108および画素電極PG120に流れ、該ソースラインSG108および画素電極PG120に書き込まれた電位が変動(突き上げ)をうける。同様に、時間t3〜t5ではソースラインSB109〜SG111および画素電極PB121〜PG123が電位の変動(突き上げ)を受ける。
さらに、分割スイッチSWB148がONとなる時間t5ではブロック154のSWB142もONとなる。このとき、ブロック155の分割スイッチSWR143はOFFとなっているため、ソースラインSB106の極性が負から正へ反転すると、ソースラインSB106およびソースラインSR107間の寄生容量C206(図6参照)による電荷がソースラインSR107および画素電極PR119に流れ、該ソースラインSR107および画素電極PR119に書き込まれた電位が再び(2回目の)突き上げを受ける。
図5には、上述の電位変動(突き上げ)の状態が模式的に示されている。なお、各ソースライン(SR107〜SB112)および画素電極(PR119〜PB124)の波形が積み重なっている部分が電位変動を示す部分である。
すなわち、時間t1にソースラインSR107(PR119)が1回目の突き上げを受け、同様に時間t2にソースラインSG108(画素電極PG120)、時間t3にソースラインSB109(画素電極PB121)、時間t4にソースラインSR110(画素電極PR122)が1回目の突き上げを受け、時間t5にはソースラインSG111(画素電極PG123)が1回目の突き上げを受けるとともにソースラインSR107(画素電極PR119)が2回目の突き上げを受ける。
以上から、図4の各ブロック(B154、B155)において、1番最初に書き込まれる画素電極(PR113あるいはPR119)には結果的に目的の電位から2回突き上げを受けた電位が書き込まれ、最後に書き込まれる画素電極(PB118あるいはPB124)を除く他の画素電極(PG114〜PR116、PG120〜PG123)にも結果的に目的の電位から1回突き上げを受けた電位が書き込まれることがわかる。
これにより、ブロックごとに縦に(ソースラインに沿って)縞状のムラのある表示になってしまう。
上記のような問題につき、特許文献1には、R、G、Bの電圧透過率の差に着目する方法が開示されている。すなわち、3本の信号ラインを1ブロックとし(ソースドライバ1本の出力を3つに分割し)、最初(1番目)に選択される信号ラインを、電位上昇による輝度の変化が最も小さいBとし、最後(3番目)に選択される信号ラインを、電位上昇による輝度の変化が最も大きいRとする方法が開示されている。
これにより、信号ライン間の寄生容量による電位変動があっても、R、G、Bそれぞれの輝度の差を補完できるとともに、各色ごとの信号ラインの電位変動がほぼ同じとなるため、上記電位変動が強調されないようにすることができる。
特開平11−338438号公報(公開日:1999年12月10日)
特開平10−39278号公報(公開日:1998年2月13日)
しかしながら、特許文献1記載の方法は、信号ライン間の寄生容量に起因する各信号ラインの電位変動そのものを解消するものではなく、ソースドライバ1本の出力を3つに分割(時分割)し、R、G、Bの電圧透過率を考慮して各信号ラインに対応させる色を決定することによって上記電位変動による表示ムラを視認させにくくするものである。
すなわち、信号ラインの電位変動そのものを解消するものではないため、表示ムラがある程度改善されたとしてもおのずと限界がある。
さらに、R、G、B各色ごとの信号ラインの電位変動をほぼ同じにするにはソースドライバからの出力の分割(時分割)を3にしなければならず、加えて、時分割数を3としてブロック化した場合にも、1番目(最初)の信号ラインをB、3番目の信号ラインをRとしなければならず、装置を設計する際の自由度を非常に低くしてしまう。
本発明の液晶表示装置の駆動方法は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、寄生容量に起因する各ソースラインの電位変動を抑制することで、表示ムラを大幅に抑制でき、また装置設計の際の自由度を高めることのできる液晶表示装置の駆動方法を提供する点にある。
本発明のデータラインの駆動方法は、上記課題を解決するために、複数のデータライン各々に出力手段からの出力を書き込むために、上記出力手段からの1本の出力を分割するとともに、分割された出力の信号電位を第1の所定期間内に、スイッチによって選択された各データラインに順次与え、続く第2の所定期間では、上記出力とは逆極性の信号電位をスイッチによって選択された各データラインに順次与えるデータラインの駆動方法であって、上記第2の所定期間における各データラインの選択を、1ライン前に選択されたデータラインの選択状態をOFFにする前に行うことを特徴としている。
また、本発明のデータラインの駆動方法においては、上記出力の信号電位の極性を所定期間毎に周期的に反転させても構わない。
また、本発明のデータラインの駆動方法においては、上記データラインを液晶表示装置の各画素に対応して設けられたソースラインとし、上記出力手段を、信号電位を出力するソースドライバとし、上記第1および第2の所定期間を一水平期間とすることもできる。
また、本発明の表示装置は、上記課題を解決するために、複数のデータライン各々に出力手段からの出力を書き込むために、上記出力手段からの1本の出力を分割するとともに、分割された出力の信号電位を第1の所定期間内に、スイッチによって選択された各データラインに順次与え、続く第2の所定期間では、上記出力とは逆極性の信号電位をスイッチによって選択された各データラインに順次与えるデータラインの駆動方法であって、上記第2の所定期間における各データラインの選択を、1ライン前に選択されたデータラインの選択状態をOFFにする前に行うデータラインの駆動方法を用いたことを特徴としている。
また、本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、複数のソースライン各々にソースドライバからの出力を書き込むために、上記ソースドライバからの1本の出力を分割するとともに、分割された出力の信号電位を第1の水平期間内に、スイッチによって選択された各ソースラインに順次与え、続く第2の水平期間では、上記出力とは逆極性の信号電位をスイッチによって選択された各ソースラインに順次与えるソースラインの駆動方法であって、上記第2の水平期間における各ソースラインの選択を、1ライン前に選択されたソースラインの選択状態をOFFにする前に行うソースラインの駆動方法を用いたことを特徴としている。
本発明のデータラインの駆動方法は、以上のように、上記第2の所定期間における各データラインの選択を、1ライン前に選択されたデータラインの選択状態をOFFにする前に行うものである。
上記方法によれば、第2の所定期間において、各データラインがスイッチによって選択(ON)されたとき、1ライン前に選択されたデータライン(隣接データライン)はON状態であり、電気的フローティング状態とはなっていない。
すなわち、各データラインがスイッチによって選択(ON)され、第1の所定期間に書き込まれた信号電位から極性が反転しても、隣接データラインとの間の寄生容量による電荷を、隣接データラインの外部に逃すことが可能である。この結果、上記寄生容量による電荷がフローティング状態の隣接データラインに流れ込み、該隣接データラインの電位を変動させるといった弊害を抑制することができる。
このように、本発明の方法では寄生容量に起因するデータラインの電位変動そのものを抑制でき、各データラインに目的の電位により近い電位を書き込むことができるため、例えば、上記データラインを表示装置の各画素(画素電極)に信号電位を書き込むためのソースラインに用いた場合に、ソースラインに沿った縦方向の表示ムラ等を大幅に改善することができる。
また、上記のように上記データラインを(カラー)表示装置のソースラインに用いた場合、特許文献1記載の従来技術のようにスイッチによる分割数を限定されることがなく、また、各データ(ソース)ラインに対応させる色の順序(例えばR、G、Bの順序)も自由であるため、上記従来技術に比較して、装置設計の際の自由度を高めることができる。
また、本発明のデータラインの駆動方法においては、上記出力の極性(信号電位の極性)を所定期間毎に周期的に反転させても構わない。
この場合、各データライン(ソースライン)に書き込む信号電位の極性が所定期間毎に周期的に反転するような表示装置(例えば液晶表示装置)を駆動する際に上記方法を用いることが可能であり、上記のとおり、データライン(ソースライン)の電位変動を抑制することができる。
さらに、上記各データラインが選択されてから上記1ライン前に選択されたデータラインの選択状態をOFFにするまでの時間(オーバーラップ時間)は、各データラインに関する遅延時間(例えば、各データラインの選択時の遅延時間)に基づいて決定されていることが好ましい。このオーバーラップ時間については、所定範囲の時間(例えば、上記遅延時間)を越えると本来書き込むべき電位の書き込み時間が短くなり、また、上記所定範囲の時間に満たないと反転された電位が十分に充電されないからである。
また、本発明のデータラインの駆動方法においては、上記データラインを液晶表示装置の各画素に対応して設けられたソースラインとし、上記出力手段を、信号電位を出力するソースドライバとし、上記第1および第2の所定期間を一水平期間とすることもできる。
まず、一水平期間とは、上記出力(信号電位)がすべてのソースラインに与えられるまでの期間をいう。
上記方法によれば、液晶表示装置において、寄生容量に起因するソースラインの電位変動そのものを抑制することができ、各ソースラインに目的の電位により近い信号電位を書き込むことができるため、ソースラインに沿った方向(縦方向)の表示ムラ等を大幅に改善することができる。
また、特許文献1記載の従来技術のようにスイッチによる分割数を限定されることがなく、また、各ソースラインに対応させる色の順序(例えばR、G、Bの順序)も自由であるため、上記従来技術に比較して、装置設計の際の自由度を高めることができる。
図1に、本発明の構成による液晶表示装置のブロック図を示す。
駆動回路75からシフトクロック信号やシフトスタート信号がゲートドライバ85に入力され、ゲートドライバ85の出力によって、表示部95のゲートラインが順次アクセスされる。
また、駆動回路75から、シフトクロック信号やシフトスタート信号がソースドライバ(出力手段)70に入力されて、ソースドライバ70から映像信号等(出力手段からの出力)の信号電位S60、61が出力される。これと同期して分割スイッチ回路80にスイッチ信号が入力され、分割スイッチ回路80の出力によって分割スイッチSWR37〜SWB48(スイッチ)が順次ONされ、ソースラインSR1〜SB12(データライン)が順次アクセスされる。
表示部95には、複数行のゲートラインG90、91・・・と複数列のソースラインSR1〜SB12・・・とが表面にマトリクス状に配線され、例えば、ゲートラインG91とソースラインSR1〜SB12との各交差点にスイッチング素子としての薄膜トランジスタTR25〜TB36が形成されている。そして、各薄膜トランジスタTR25〜TB36のゲートがゲートラインG91に接続され、ソースがソースラインSR1〜SB12に接続され、ドレインが画素電極PR13〜PB24に接続されている。
なお、部材番号中のR、G、Bは赤、緑、青に対応しており、例えば、SRは赤に対応するソースライン、PRは赤に対応する画素電極、SWRは赤に対応する分割スイッチを意味しており、本実施の形態では各ブロック毎のソースライン(ブロックB54ではSR1〜SB6)の対応色がR、G、B、R、G、Bの順になっている。
さらに、上記ソースラインSR1〜SB12は6本ごとにブロック化(B54、B55)され、それぞれのソースラインSR1〜SB12に設けられたトランジスタ等の分割スイッチSWR37〜SWB48を介して上記ブロック毎にソースドライバ70からの出力S60、S61に接続されている。
例えば、ブロックB54においては、6本のソースラインSR1、SG2、SB3、SR4、SG5、SB6それぞれが分割スイッチSWR37、SWG38、SWB39、SWR40、SWG41、SWB42のドレインに接続されている。そして、上記分割スイッチSWR37〜SWB42それぞれのソースがブロックB54に対応するソースドライバ70からの出力S60に接続されるとともに、該分割スイッチSWR37〜SWB42それぞれのゲートが6本の分割スイッチラインSWL49、SWL50、SWL51、SWL52、SWL53、SWL54それぞれに接続されている。
次に本実施の形態における表示部95の駆動方法を図1および図2を用いて以下に説明する。
図2は、全画面に均一な、例えば中間調を表示する際のブロックB55についてのタイミングチャートである。同図は一水平期間(1行のゲートラインを走査する期間)をTとしており、三水平期間(すなわち、ゲートラインG90、G91を含む3行分のゲートラインを走査する期間)について示したものである。
すなわち、時間Tの間にブロックB55の6つのソースラインSR7〜SB12にソースドライバ70からの信号電位S61が順次送られることによってブロックB55の各画素電極(PR19〜PB24)に上記信号電位S61が順次書き込まれ、また、これと同期してブロックB54の画素電極(PR13〜PB18)には信号電位S60が書き込まれ、時間Tの間にゲートラインG91に繋がるすべての画素電極(PR13・・・)にソースドライバ70からの信号電位(S60、S61等)が書き込まれることになる。
なお、各ソースラインSR7〜SB12および画素電極PR19〜PB24に充電すべき信号電位は図2おけるS61のような駆動波形である。また、本実施の形態における駆動方法においては、信号電位S61の極性は一水平期間T毎に反転する。
図1、図2に示すように、時間t0でゲートラインG91が選択される(ONする)のと同期して分割スイッチラインSWL49を介して分割スイッチSWR43にON信号が送られ、ソースドライバ70からの信号電位S61がソースラインSR7に送られる。このとき、ソースラインSR7の電位は1つ前の水平期間(例えばG90の走査期間)に送られた電位から極性が反転する。
そして、ソースラインSR7に送られたソースドライバ70の信号電位S61は薄膜トランジスタTR31のソース・ドレインを介して画素電極PR19に書き込まれる。
次に、時間t1で分割スイッチSWR43がOFFされる前の時間t1’に、分割スイッチラインSWL50を介して分割スイッチSWG44にON信号が送られ、ソースドライバ70の信号電位S61がソースラインSG8に送られる。すなわち、1ライン前に選択されたソースラインSR7の選択状態をOFFする前にソースラインSG8の選択を行うのである。
なお、ここでも、ソースラインSG8の電位は1つ前の水平期間に送られた電位から極性が反転することになる。(つまり、時間t0からt7における信号電位S61の極性を正とすれば、ソースラインSG8の電位は負から正に極性が反転する。)
そして、ソースラインSG8に送られたソースドライバ70からの信号電位S61が画素電極PG20に書き込まれる。
次に、時間t2で分割スイッチSWG44がOFFされる前の時間t2’に、分割スイッチラインSWL51を介して分割スイッチSWB45にON信号が送られ、ソースドライバ70の信号電位S61がソースラインSB9に送られる。すなわち、1ライン前に選択されたソースラインSG8の選択状態をOFFする前にソースラインSB9の選択を行うのである。
そして、このソースラインSB9に送られたソースドライバ70からの信号電位S61が画素電極PB21に書き込まれる。
同様に、t3’〜t5’では、それぞれ画素電極PR22〜PB24に信号電位S61が書き込まれる。
なお、t6’以降はゲートラインG91がOFFされるため、画素電極PR19〜PR24は、同じ電位レベルを維持する。
ここで、本実施の形態の駆動方法においては、各ソースラインSR7〜SB12間に存在する寄生容量によって各ソースラインSR7〜SB12の電位が変動を受けるのを抑制でき、これによって画素電極PR19〜PB24に書き込まれた電位が変動するのを抑制できる。これを以下に説明する。なお、図3は表示部95の各ソースラインSR1〜SB12間に存在する寄生容量(C101〜C111)を模式的に説明するものである。
例えば、ソースラインSR7とSG8とについて考えてみると、時間t0で一つ前の水平期間に送られた負の電位から正の電位に極性が反転し、時間t1まで画素電極PR19にソースドライバ70の信号電位S61が書き込まれる(充電される)が、この間、ソースラインSR7の極性は正であるのに対し、1つ隣のソースライン(隣接ソースライン)SG8の極性は一つ前の水平期間に送られた負の電位となっている。
ここで、時間t1で分割スイッチSWR43がOFFされる前(時間t1’)に分割スイッチSWG44がONされる。
したがって、時間t1’でソースラインSG8の極性が負から正に反転しても、1ライン前のソースラインSR7に接続された分割スイッチSWR43がON(開いた)状態であるため、ソースラインSR7およびSG8間の寄生容量C107(図3参照)による電荷がソースラインSR7および画素電極PR19に流れるのを抑制でき、画素電極PR19に書き込まれた電位が変動(突き上げ)をうけるのを抑制できる。
同様に、時間t2’でソースラインSB9の極性が負から正に反転しても、分割スイッチSWG44がON(開いた)状態であるため、ソースラインSG8およびソースラインSB9間の寄生容量108(図3参照)による電荷がソースラインSG8および画素電極PG20に流れる込むのを抑制でき、画素電極PG20に書き込まれた電位が変動(突き上げ)をうけるのを抑制できる。
図2には、上記した、本実施の形態における電位変動(突き上げ)の抑制効果が模式的に示されている。各ソースライン(SR7〜SB12)および画素電極(PR19〜PB24)の波形が積み重なっている部分が電位変動を示す部分である。
なお、分割スイッチSWB48がONとなる時間t5’においては、ブロックB54の分割スイッチSWB42もON状態となるが、このときは分割スイッチSWR43はOFFであるため、ソースラインSB6の極性が負から正へ反転すると、ソースラインSR7および画素電極PR19が電位の変動を受ける。
しかしながら、図2に示すように、ブロックB55(図1参照)におけるt1〜t7の電位変動は、時間t5’にソースラインSR7および画素電極PR19が1回受けるのみである。
以上から、本実施の形態(図1参照)の駆動方法においては、各ブロック(B54、B55)において、最初に書き込まれる画素電極以外の画素電極(PG14〜PB18、PG20〜PB24)は電位変動を受けず、また、最初に書き込まれる画素電極(PR13あるいはPR19)においても、その電位変動は1回だけであることがわかる。
これにより、図4、5に示すような従来の方法と比較して、より目的の電位に近い信号電位を画素電極(PR13・・・)に書き込むことができるため、画面全体で電位変動の影響は小さく、縦縞状の表示ムラを大幅に改善することができる。
また、上記特許文献1に記載された方法と比較すると、ソースドライバ70からの出力の分割(時分割)も3に限られることはなく、本実施の形態における6分割やそれ以外の分割数も可能であり、ソースドライバ70の出力(S60、S61)本数を大幅に減少させることも可能である(本実施の形態の場合、ソースドライバ70の出力の本数は、時分割を用いない場合の1/6にできる)。また、ソースライン(SR1・・・)に対応させる色(R、G、B)の順序が限定されないため、設計上の自由度も高い。
また、本発明のデータライン(ソースライン)の駆動方法は、上記のように、スイッチ(分割スイッチSWR37・・・)によってソースドライバ70からの出力(S60・・・)を分割しつつ、ソースライン(SR1・・・)を順次駆動するものであるため、ドライバ70から引き出される配線を少なくすることができる。すなわち、本発明の駆動方法は、特に、外形および配線ピッチに制約がある中小型の高解像度パネル(例えば、液晶パネル)への適用において、より一層効果的である(パネルの小型化とともに、ソースライン駆動の安定化、高品位の表示が可能となる)。
なお、本実施の形態ではソースドライバ70からの出力1本を6つの分割スイッチ(例えば、ブロックB54においてSWR37〜SWB42)で分割し6本のソースライン(例えば、ブロックB54においてSR1〜SB6)を駆動する場合を説明しているが、これに限定されることはない。ソースドライバからの1本の出力を所定のスイッチで分割し、複数本のソースラインを駆動する構成であればよい。
また、各ソースライン(SR1、SG2、SB3、・・・)に対応する色をR、G、Bの順としたが、これに限定されない。例えば、各ブロックにおいて最初に書き込まれるソースラインをB(青)に対応させることも可能である。
さらに、上記各ソースライン(SR2、SG2、SB3、・・・SB12)が選択されてから上記1ライン前に選択されたデータライン(SR1、SG2、SB3、・・・SG11)の選択状態をOFFにするまでの時間(オーバーラップ時間)は、各ソースラインを選択する際の遅延時間(例えば、SWL49〜54の配線抵抗等に起因する分割スイッチSWR37・・・へのON信号等の遅延時間)に基づいて決定されていてもよい。
なお、本発明の方法は、TFT液晶パネルで、ソースドライバ70からの出力1本を(S60・・・)、スイッチ(SWR37・・・)で分割することにより複数のソースライン(SR1・・・)を駆動し、かつ一水平期間ごとに液晶に印加する電圧の極性を反転させる駆動方法において、スイッチ(SWR37・・・)がONになるタイミングを隣のソースライン(SG2・・・)とオーバーラップさせることを特徴とする駆動方法ともいえる。
また、本発明の液晶表示装置は、TFT液晶パネルで、ソースドライバ70からの出力1本を(S60・・・)、スイッチ(SWR37・・・)で分割することにより複数のソースライン(SR1・・・)を駆動し、かつ一水平期間ごとに液晶に印加する電圧の極性を反転させる駆動方法において、スイッチ(SWR37・・・)がONになるタイミングを隣のソースライン(SG2・・・)とオーバーラップさせることを特徴とする駆動方法を用いた液晶表示装置ともいえる。