JP2005110601A - 扁平上皮癌モデル動物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 視認可能な部位に再現性よく扁平上皮癌を発生するモデル動物を提供する。
【解決手段】 扁平上皮癌モデル動物の製造方法であって、Aldh2欠損哺乳類動物(ヒトを除く)の皮内又は皮下にエタノール及び/又はアセトアルデヒドを投与する工程を含む方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は扁平上皮癌モデル動物及びその製造方法、並びに該モデル動物を用いた制癌剤のスクリーニング方法に関する。
エタノール代謝の主経路はアルデヒド脱水素酵素(ALDH)による代謝経路がであることが知られている。ALDH 2遺伝子には酵素多型が存在するが、ALDH2変異型遺伝子により産生される酵素は野生型遺伝子により産生される酵素とは異なり酵素活性を有しない。この変異型遺伝子を少なくとも1つ持っているヒト(ALDH2変異型のホモ接合体又はALDH2野生型/変異型のヘテロ接合体のヒト)では、ALDH2酵素活性が失活している(ALDH2不活性型)。日本人の約半数に存在するALDH2不活性型のヒトは、飲酒により顔面紅潮や心悸亢進などのフラッシング反応を発症し、過度の飲酒によりアルコール性肝障害に罹患しやすいが、さらに口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌などの扁平上皮癌を発症し易いことが疫学的に明らかにされている。しかしながら、ALDH2不活性型のヒトにおける扁平上皮癌発症の詳細なメカニズムは未だ解明されておらず、有効な治療法も開発されていない。
口腔癌や食道癌は重層扁平上皮由来の癌であり、特に食道癌は難治性の癌であり死亡死率が高いことから、食道癌の発症のメカニズムの解明及び食道癌に有効な医薬の提供が望まれている。一般的に、哺乳類動物を用いた発癌実験や制癌剤のスクリーニングには数年に及ぶ実験期間が必要であり、例えば、野生型のラットやマウスを用いたアセトアルデヒド投与による発癌実験では、全身に対する吸入曝露を長期間(約30ヵ月)行って鼻腔に癌を発症させることができるものの、これには莫大な費用と数年に渡る実験が必要であり、再現性にも問題がある(Wouterson et al., Toxicol, Vol.31, pp.123-133 , 1984)。
このような観点から、ALDH2不活性型のヒトにおける扁平上皮癌発症の詳細なメカニズムの解明や有効な治療法の開発するために、短期間に再現性よく扁平上皮癌を与える経済的な動物モデルの製造方法の提供が望まれている。また、モデル動物における口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌などの扁平上皮癌の観察は難しく、経時的変化を肉眼的に経過観察することが不可能であり、臓器も小さいために生化学的及び分子生物学的に病変部を検討することが困難であるという問題もある。従って、肉眼的に容易に病変部の変化を観察できるモデル動物の提供も望まれている。
例えば、ldh2欠損マウスが報告されており(Kitagawa et al, FEBS letters, Vol. 476, pp.306-311, 2000)、このマウスを病態モデル動物として用いてALDH2不活性型のヒトにおける扁平上皮癌発症の詳細なメカニズムの解明や有効な治療法の開発を行うことができると期待される。しかしながら、このマウスにおいて、従来、口腔や食道などの消化器系に扁平上皮癌を発生させたモデル動物は知られているものの、皮膚に再現性よく扁平上皮癌を発生させたモデル動物の存在は知られていない。
本発明の課題は、ALDH2不活性型のヒトにおける扁平上皮癌発症の詳細なメカニズムの解明や有効な治療法の開発するために、短期間に再現性よく扁平上皮癌を発癌する経済的な動物モデルを提供することにある。また、肉眼的に容易に癌病変部の変化を観察できる皮膚上に扁平上皮癌を発生させたモデル動物を提供することも本発明の課題である。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、Aldh2欠損マウスの皮内又は皮下にエタノール又はアセトアルデヒドを投与すると、約3ヵ月程度の短期間で皮膚に扁平上皮癌を再現性よく作成できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明により、扁平上皮癌モデル動物の製造方法であって、Aldh2欠損哺乳類動物(ヒトを除く)の皮内又は皮下にエタノール及び/又はアセトアルデヒドを投与する工程を含む方法が提供される。また、本発明により、上記方法により製造された扁平上皮癌モデル動物が提供される。動物としてはマウスが好ましい。
また、別の観点からは、上記の扁平上皮癌モデル動物を用いた扁平上皮癌の治療薬のスクリーニング方法、及び該スクリーニング方法によりスクリーニングされた治療薬も本発明により提供される。該スクリーニング方法としては、例えば、上記の扁平上皮癌モデル動物に被検物質を投与して扁平上皮癌病変部の変化を観察する工程を含む方法が例示できる。
本発明の方法によれば、短期間かつ低コストで再現性よく扁平上皮癌を担持したモデル動物を製造することができる。本発明のモデル動物は皮膚に扁平上皮癌が形成されていることから、癌病変の変化を肉眼的に常時観察することが可能であり、生化学的及び分子生物学的に病変部を検討することも容易である。本発明のモデル動物を扁平上皮癌の治療薬のスクリーニングに用いることによって、低コストで効率的なスクリーニングを行うことができ、ALDH2不活性型のヒトにおける扁平上皮癌発症のメカニズムの解明や扁平上皮癌の治療方法及び予防方法の研究にも有用である。
Aldh2欠損動物の種類は、ヒトを除く哺乳類動物であれば特に限定されないが、例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、サルなどが好ましい。例えば、上記のようにAldh2欠損マウスが報告されており、本発明の方法に好適に用いることができる。このマウスはノックアウト法により遺伝子欠損動物として作成されたものであり、同様の手法を用いることによって他の哺乳類動物種におけるAldh2欠損動物を容易に作出することが可能である。
本発明の方法では、Aldh2欠損動物の皮内又は皮下にエタノール及び/又はアセトアルデヒドを投与する工程を含むことを特徴としている。エタノールとしては無水エタノール、日本薬局方消毒用エタノール(78%)などを用いることができる。アセトアルデヒドとしては、例えば有機化学用の試薬として市販されているものを用いることができる。エタノール又はアセトアルデヒドは適宜の希釈剤で希釈して用いてもよい。希釈剤としては、水のほか、生理食塩水や緩衝液などを用いることができる。エタノールとアセトアルデヒドの混合物を用いてもよい。
皮内又は皮下への投与方法は特に限定されないが、通常は注射器を用いて投与することができる。一回あたりの投与量は特に限定されないが、例えば、動物の体重(kg)あたりエタノール又はアセトアルデヒド重量として100mg程度を投与すればよい。投与回数及び投与頻度は特に限定されないが、単回投与だけで十分な場合もあり、あるいは一日数回程度から、数日ないし数週間に一回程度の繰り返し投与を行うのがよい場合もある。また、数日間連続投与した後に投与休止期間を設け、その後に数日の連続投与を継続する投与方法なども採用できる。投与回数及び投与頻度は、動物の種類は目的の癌病変の大きさなどに応じて、当業者が適宜選択可能である。
通常は投与開始から数ヶ月、好ましくは3ヶ月程度で投与部位に扁平上皮癌が形成される。本明細書において「扁平上皮癌」の用語は形態学的に識別可能な典型的な扁平上皮癌のほか、扁平上皮の前癌病変を含めて最も広義に解釈しなければならない。皮膚に肉眼的に観察可能な病変部が生じた後、その病変部の一部を採取して病理組織化学的に発癌を判定することができる。例えば、組織をヘマトキシリン-エオシン染色して異型の細胞と癌胞巣様の所見が認められれば病変部に扁平上皮癌が形成されたことを証明できる。また、例えばp53抗体などを用いてp53の発現を検討することにより、p53蛋白の過剰な発現を証明することによっても癌細胞の存在を証明できる。
本発明の方法により製造された扁平上皮癌を担持するモデル動物は、扁平上皮癌の治療薬のスクリーニングに用いることができる。モデル動物に対して被検物質を経口投与又は非経口投与し、例えば癌病変部の縮小や癌の進行抑制などの治療効果を観察することにより、扁平上皮癌の治療に有用な物質をスクリーニングできる。モデル動物の製造に際して、予め被検物質を投与しておき、その後にエタノール及び/又はアセトアルデヒドを投与することによって、扁平上皮癌の予防薬のスクリーニングも可能である。また、本発明のモデル動物は、ALDH2不活性型のヒトにおける扁平上皮癌発症のメカニズムの解明や扁平上皮癌の治療方法及び予防方法の研究にも有用である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1
Aldh2欠損マウス(Kitagawa et al, FEBS letters, Vol 476, pp.306-311, 2000)とC57BL/6マウス(コントロール)にアセトアルデヒドを腹腔内投与してLD50をProbit法で算出した。この結果、C57BL/6マウスにおけるLD50は629mg/kgであるのに対しAldh2欠損マウスでは579mg/kgであった。Aldh2欠損マウスの背部を剃毛し、背側剃毛部左側に生理食塩水を皮下投与し、右側には上記LD50の1/5量に相当するアセトアルデヒド100mg/kg又はエタノール1g/kg(ヒトでは日本酒600mL程度に相当)を皮下投与した。5日間にわたり1日1回連続投与した後、2日間の投与休止し、以後、この投与スケジュールを繰り返した。アセトアルデヒド及びエタノール皮下投与3ヶ月後のマウスの肉眼所見を図1に示す。アセトアルデヒド皮下投与3ヶ月後に25% (1/4)のマウスで後肢の萎縮を伴い周囲の皮膚に浸潤する皮膚病変を認めた。同皮膚病変部の一部を生検し、病理組織化学的に発癌を判定した(図2)。生検部のヘマトキシリン-エオシン(HE)染色による病理組織像は異型細胞と癌胞巣様の所見を示し、前癌病変ないし癌との診断と矛盾しない所見を認めた。マウスのp53抗体(m-p53)によるp53発現の検討では、HEで認める異型な細胞の核にp53蛋白の過剰な発現を認め、p53遺伝子異常が存在することが推定される所見を認めた。
Aldh2欠損マウスにアセトアルデヒド及びエタノールを3ヶ月間投与した結果を示した図である。アセトアルデヒド及びエタノールを皮下投与した背部右側には後肢の萎縮を伴い周囲の皮膚に浸潤する皮膚病変を認める。 アセトアルデヒド及びエタノール皮下投与開始から3ヶ月後のAldh2欠損マウス皮膚病変部のHE染色による病理組織像及びマウスp53の発現異常の結果を示した図である。図中、「HE」はヘマトキシリン-エオシン染色の結果を示し、「m-p53」はマウスのp53抗体(m-p53)を用いたp53発現の結果を示す。HE染色で認める異型な細胞の核にはp53蛋白の過剰な発現を認め、p53遺伝子異常が推定される。

Claims (4)

  1. 扁平上皮癌モデル動物の製造方法であって、Aldh2欠損哺乳類動物(ヒトを除く)の皮内又は皮下にエタノール及び/又はアセトアルデヒドを投与する工程を含む方法。
  2. Aldh2欠損哺乳類動物がマウスである請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により製造された扁平上皮癌モデル動物。
  4. 請求項3に記載の扁平上皮癌モデル動物に被検物質を投与して扁平上皮癌病変部の変化を観察する工程を含む扁平上皮癌の治療薬のスクリーニング方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010268759A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Okayama Univ 食道癌同所性移植モデル動物
CN103239479A (zh) * 2013-03-19 2013-08-14 邱启裕 一种人原发性皮肤鳞状上皮细胞癌肿瘤干细胞的动物模型建立方法

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