JP2005108796A - 固体誘電体及び低気圧ガス絶縁による静電加速器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で、自動車又は航空機に搭載して使用も可能なより強力な静電加速器を提供する。
【解決手段】バンデグラーフ型、コッククロフト型或いはシェンケル型静電加速器は、小型化のために高電圧ドーム及び加速コラムの電圧を高めて荷電粒子をより高い加速度で加速する必要がある。この高い電圧に耐えるため、従来用いてきた加圧した6フッ化硫黄ガス等の高圧絶縁用気体に代えて、単数又は複数の筒状の固体誘電体をその間に導電性の金属筒を介在させ、且つ絶縁用ガス大気相対圧で1〜1.9気圧を封入して前記高電圧の絶縁を計るようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、1〜2MeVクラスの加速電位を持つ小型の静電加速器に関し、荷電粒子を高速で固体資料に衝突させて、そこに含まれるいる微量元素を検出するPIXE法又は、その元素の資料の表面より深さ方向の濃度分布を測定するRBS法に用いられるばかりでなく2〜2.5MeVのエネルギーレベルまで加速電位を上げることができる極めて軽量で可搬性に富む小型加速器としても利用可能に改良するものである。
静電加速器は、加速器の幾何学的寸法を小さくして使い易くするために加速電位勾配を高めて荷電粒子を加速する手法が採用されている。この小型化の手法は、荷電粒子の輸送自由度が増すことにより高品位の荷電粒子ビームを生成できるという効果がある。ところが、この手法では必然的に加速電圧を高く設定せざるを得ず、現在一般に使用されている400〜500KVを越えて使用される静電加速器では、その絶縁保持のために加圧した絶縁ガスを満たした高圧容器の中に収容して使用している。
そのような静電加速器の2例について図3及び図4により説明する。
図3はシングルエンド型静電加速器の正面断面図である。図4は、タンデム型静電加速器の正面断面図である。
図3において50はシングルエンド型静電加速器である。該シングルエンド型静電加速器50(以下シングルエンド型静電加速器50をシングル型加速器50と略称する。)において51は圧力タンクであり、52は該圧力タンク51のフランジである。53はエンドプレートである。該エンドプレート53はその外周に設けた締結孔により圧力タンク51のフランジ52の対向する締結孔に挿通されたボルト54及びナット55により締結され機密度の高い圧力容器を構成する。
59はイオン銃又は電子銃である。58は加速管である。57はビームダクトである。66は真空排気ポンプ又は水素吸蔵ゲッターである。前記イオン銃又は電子銃59(以下イオン銃又は電子銃59を総称して荷電粒子生成室59と略称する。)は加速管58の右端にあり、イオン又は電子を発生し加速管58に向かってそれを放出するように設けてある。加速管58の左端にはビー厶ダクト57が設けてある。前記真空ポンプ又は水素吸蔵ゲッター56(以下真空ポンプ又は水素吸蔵ゲッター56を真空ポンプ56と略称する。)は、前記ビームダクト57の側部に設けてある。
60は発電機コラムであり、該発電機コラム60は高圧電極、ベルト、ペレットチェーン、コッククロフトワルト型電圧発生器等より成る。60aは発電機コラム60の高圧電極部、60bは該発電機コラム60の電源部である。該発電機コラム60はバンデグラーフ発電機、シェンケル又はコッククロフト直流高電圧発生装置のいづれかで構成され、高電圧電極60aを右側に、電源部60bを左側となるように配置している。62は高電圧ドームである。該高電圧ドーム62は高圧電極60aに直結しており該高圧電極60aと同じ電位に帯電される。
61は電位均圧環で通称コロナフープである。該電位均圧環61は高電圧ドーム62から電源部60b間に等間隔に配置され、この間の電位が一様な勾配で降下するように機能する。
前記加速管58及び発電機コラム60は前記圧力タンク51の長手方向の中心線に、夫々の長手方向の中心線を沿うように配置している。又高電圧ドーム62及び電位均圧環61の中心が夫々加速管58及び発電機コラム60の長手方向の中心線に沿うように配置している。63は加圧絶縁ガスである。該加圧絶縁ガス63は6フッ化硫黄(SF)ガスの場合大気相対圧で6〜9気圧、炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスの場合20〜24気圧に、その他乾燥空気、アルゴンガス等が加圧充填されている。
64は支持具である。該支持具64は高電圧ドーム62、電位均圧環61同志及び発電機コラムの電源部60bとの間隔を保ち且つ所定位置に固定するように支持し且つ電気的に絶縁している。65も支持具である。該支持具65は電位均圧環61を発電機コラム60及び加速管58の所定位置に固定するように支持し且つ、電気的に絶縁している。
次にこのように構成されたシングルエンド型加速器50の作用について説明する。
発電機コラム60は電源部60aに図示しない電源の入力により作動を開始し高圧電極部60aに高電圧を蓄積する。発電機コラム60はその極性を切り替えることにより該高電圧電極60aに蓄積される電位を正又は負に切り替えられる。今回は負の高電圧が誘起されておりこれと直結する高電圧ドーム62は負の高電圧となる。該高電圧ドーム62より一群の電位均圧環61の作用により発電機コラム60の電源部60bで電位がゼロと成るような均一な電位の勾配が構成される。
前記荷電粒子生成室59から加速管58、ビームダクト57の管系内は真空ポンプ56によりの真空を維持する。
前記荷電粒子生成室59で発生したイオン又は電子等の荷電粒子は前記電位勾配によりエネルギーを供給されて均一且つ急速に加速されながら加速管58の真空の雰囲気内をビームダクト57に向け飛翔する。
図4において70はタンデム型静電加速器である。該タンデム型静電加速器70(以下タンデム型静電加速器70をタンデム型加速器70と略称する。)は左右の中心に対して電位均圧環61が左右対称に配列されている。なお図3において説明したものと同じ機能を持つ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
71は圧力タンクである。72は該圧力タンク71のフランジである。該フランジ72は圧力タンク71の両端に設けてある。74はエンドプレートである。73は締結ボルトである。該締結ボルト73は、圧力タンク71の両端のフランジ72に設けたボルト挿通孔に挿通し、前記エンドプレート74の外周部に設けたボルト締結ねじ孔に締結して気密の容器を構成する。
76は加速管である。該加速管76は荷電変換器81を介して右側が76a、左側が76bである。該加速管76aは圧力タンク71の右のエンドプレート74を貫通して右側の端に荷電粒子生成室59を、及び側部に真空ポンプ56を設けている。
86は加速管76aのエンドプレートに対する支持具である。
81は荷電変換器である該荷電変換器81は図4における右側の加速管76aと左側の加速管76bとの間に介在し、左右の加速管76の長手方向の中心軸を一致させるように接続している。79は高電圧ドームである。該高電圧ドーム79は前記左右の加速管76a、76bの間に介在する荷電変換器81をその長手方向の中心位置となるように収容し、その左右に加速管76a,76bを支持している。電位均圧環77は高電圧ドーム79の右側にも左側と同じ配列で配置してある。
83,84、85は夫々支持具である。該支持具84は高電圧ドーム79の左側の一群の電位均圧環77の各々を発電機コラム60の本体及び加速管76bに支持している。前記支持具85は高電圧ドー厶79の右側の一群の電位均圧環77の各々を加速管76aに支持している。前記支持具83は高電圧ドーム79及び左右各一群の電位均圧環77前記支持具84及び85を間を連結する形で相互間の支持をしている。これら支持具は83,84,85は何れも絶縁材料で各部品間の電位差を保持する機能も果たしている。
以上の如き構成になるタンデム型加速器70の作動を説明する。
本構成になるタンデム型加速器70の場合、図右端の荷電粒子生成室59と左端のビー厶ダクト57の両端を接地して同電位とし、中央の高電圧ドーム79との間に電位の一様な勾配を設定し且つ荷電変換器81を該高電圧ドーム79の中心部に設けている。荷電粒子生成室59より放出された荷電粒子は、加速管76aを高電圧ドーム84に向かって急速に加速されながら飛翔して荷電変換器81に入る。此処で荷電粒子はその持つ電荷を変換して加速管76bの中を更に加速されながら飛翔してビームダクト57より放出される。タンデム型加速器70の場合加速機構が2組存在するため同じ構成のシングルエンド型加速器50に比べて荷電粒子に2倍の加速エネルギーを付与することが出来る。
図3に示すシングルエンド型加速器50及び図4に示すタンデム型加速器70に共通した課題として高い電位を維持するために高圧絶縁用ガスとして6フッ化硫黄ガスを大気圧相対圧で6〜9気圧に加圧して封入するか又は炭酸ガスと窒素ガスの混合ガスを20〜24気圧にその他の絶縁ガスについても加圧して封入している。図3における圧力タンク51とエンドプレート53又は図4に示す圧力タンク71とエンドプレート74は共に前記高圧絶縁用ガスに十分耐える強度を備えた鋼鉄で作られており、それを含めた加速器全体の重量は1トンから数トンにもなる。この重量及び大きさが、静電加速器の可搬性と設置場所を制約する要因となっている。価格も必然的に高くなる。又構造が複雑である。
このように圧力タンク51又は71のサイズ及び重量が現在の加速装置を小型化する上で大きな障害となるばかりでなく、更に小型化を進めれば、より高い圧力の絶縁ガスを必要とするというと言う悪循環に直面しており、必要性を訴えられながら期待に応える小型加速器の提供を困難にしている。
一方最近中性子を使用した元素分析方法の中で爆薬物摘発に関する研究が国際規模で行われた。その結果爆薬中に必ず含まれている窒素原子を検知することが爆薬物発見に有効であることが判ってきた。これには熱中性子が窒素原子核に吸収されてエネルギーの極めて高い特性ガンマ線を放出する現象を利用する。
このエネルギーの中性子を効率良く且つ十分な強度で作るには水素又は重水素水イオンを2〜2,5MeVのエネルギーまで加速できる小型加速器が必要である。そこでは、これらイオンをリチュウム又はベリリウムターゲットに衝突させて核反応により中速中性子を生成し、これを水素含有物からなる減速材を透過させるうちに熱中性子エネルギーまで減速させる。近年この方法は、地雷探査への応用が有効であると期待できるようになった。
これを実現するためには加速器の小型化と可搬性が必須要件である。具体的には航空機又は自動車に容易に搭載し、且つ搭載状態で諸測定が可能な加速器を実現することである。
現在稼働中の静電加速器は、加速コラムに沿った電位勾配の大きさが2MV/m以下で使用されている。この値は荷電粒子ビーム加速用加速管の真空絶縁耐力又は高電圧発生器の耐電圧限界からもたらされており高気圧絶縁ガス雰囲気下にある加速管表面又は高電圧発生器構成素子(ベルト等の機械式荷電搬送体又は固体整流素子或いは付属コンデンサー)固有の耐電圧制限によるものではない。一方シングルエンド型加速器50又はタンデム型加速器70の高電圧ドー厶62又は79と高圧ガスタンク51又は71の間で安全に維持できる平均電界強度は、既存のものでは12MV/mであが、絶縁ガスに大気圧の純粋6フッ化硫黄ガスを使用すれば、この値は約3MV/mに低下してしまう。
換言すれば高圧の絶縁ガスに代わる有効な絶縁手段を得ることにある。
本発明の第1の手段は請求項1に該当し、電子又はイオンを高電圧で加速するヴァンデグラーフ型、コッククロフト型或いはシェンケル型加速器において、高電圧ドーム及び加速コラムとそれを包容する接地電位の金属製容器の内周全面に密接して筒状の固体誘電体を設置し、且つ低圧の絶縁ガスを充填して、前記高電圧ドーム及び加速コラムと金属製容器間の高電圧の絶縁を計るようにしている。
なお此処にいう絶縁ガスとは6フッ化硫黄ガス、乾燥空気、アルゴンガス、窒素と酸素の混合ガス等電気絶縁性のあるガスを言う。
又本発明の第2の手段は、請求項2に該当し、本発明の第1の手段の筒状の固体誘電体に代えて複数の異径筒状固体誘電体と各異径筒状固体誘電体の外周全面に導電性金属筒を密着介在させた金属/固体誘電体交互密着配置同軸絶縁筒に置き換えるようにして前記高電圧ドーム及び加速コラムと圧力タンク間の高電圧の絶縁を計るようにしている。
本発明の第3の手段は請求項3に該当し、本発明の第2の手段において高電圧ドーム及び電位均圧管の示す電位に応じて金属/固体誘電体交互密着配置同軸絶縁筒を内径側からその異径円筒状固体誘導体及びその外周面の導電性金属の数を増減させ且つ該増減により金属/固体誘電体交互密着配置同軸絶縁筒に生じた半径方向の段差部分の電位均圧管を半径方向に重ねて配置するようにしてしている。
本発明の第4の手段は請求項4に該当し、本発明の第1乃至第3の手段に加えて高電圧ドーム、電位均圧環及び発電機コラムの電源部を支持する固体誘電体の各支持部の間に沿面距離増加手段を施すようにしている。
なお此処にいう沿面距離増加手段とは固体誘電体の各高電圧部品の支持部の間の沿面絶縁値増加策として溝又は襞を設けることで実質的に前記高電圧部品間の沿面距離を増加させる手段である。
本発明の第1の手段によれば、大気圧の純粋6フッ化硫黄ガス雰囲気下で加速管構成素材のアルミナセラミックス、パイレックスガラス、テフロン或いはポリエチレンの沿面放電体電界強度は、1〜2cmの沿面距離では3MV/mを越える。この値は、沿面がストレートな形状を有する場合についてであり、沿面をコルゲート状にして実質的な沿面距離を増せば更に向上する。
従って発電機コラムび加速コラムを前記誘電体筒で包み、その誘電体の持つ高い絶縁強度を利用して加速器収納容器との間の高電圧絶縁を実現することが出来る。これにより絶縁ガスは大気圧相対1から1.9気圧程度で良く、容器は耐圧強度を必要としないため更に高電位による小型にして可搬性に富む加速器が開発可能となるという効果を奏する。
本発明の第2の手段によれば誘電体による高電圧部位の絶縁において、その耐電圧は、誘電体の幾何学的厚みに比例させて計算した値よりも低下してくることは良く知られている。従って加速電圧が高くなると構造の単純性を犠牲にしても誘電体を金属電極で仕切って使用するのが安全である。本発明の第1の手段における筒状の固体誘電体に代えて複数の異径筒状固体誘電体と各異径筒状固体誘電体の外周全面に導電性金属筒を密着介在させた金属/固体誘電体交互密着配置同軸絶縁筒に置き換えることにより、更に高い高電圧絶縁を安全に実現することが出来る。なおその結果絶縁ガスは純粋の6フッ化硫黄ガスを大気圧相対圧1気圧程度に止めることが出来る。尚その際最外側の金属を除き導電性金属は接地等の処置は講ぜずフロートとしておく。
本発明の第3の手段によれば高電圧ドームの高い電位から加速管の端の低い電位までの各位置における電位に応じて金属/固体誘電体交互配置同軸絶縁体の数を適切に配置することが出来る。これにより絶縁材料の節減及び軽量化を計ることが出来るという効果を奏する。
本発明の第4の手段によれば個体誘電体の沿面放電耐電界強度に係る沿面長さを増加させることが出来るので、厚みの方向の絶縁強度とのバランスを取ることが出来る。特に電位均圧環の配置を可及的に間隔を詰めて製作することが期待出来る。これは製品の小型化に道を開く有利な方策である。
本発明を実施するための最良の二形態について説明する
図1は本発明になるシングルエンド型静電加速器の正面断面図である。なお背景技術で説明したものと同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図1において1は本発明になるシングルエンド型静電加速器である。2は外壁である。該外壁2は外面をアース電位に保つために金属製である。3はエンドプレートである。該エンドプレート3は外壁2と同じくアース電位に保つため金属製である。4は固定ボルトある。該固定ボルト4は前記外壁2とエンドプレート3を締結して気密室を構成する。
5は固体誘電体である。該固体誘電体5に今回はポリエチレンを使用し、継ぎ目のない円筒状を成しており前記外壁2及びエンドプレート3にその外周面を密着させると共に、その内面は、高い絶縁破壊強度を利用して高電圧ドー厶62及び加速コラム60の電源部60bを包囲支持した。又7は電位均圧環61の支持部である。該電位均圧環61の支持部7は前記固体誘電体5で直接該電位均圧環61を支持する共に相互の間隔保持の役目もしている。8は溝である該溝8は、高電圧ドーム62と電位均圧環61の各々の間、電位均圧環61相互の間、電位均圧環61と静電発電機の電源部60bとの間に設けてある。なお6は絶縁用ガスとして6フッ化硫黄を大気相対圧1〜1.9気圧に充填した。
固体誘電体の絶縁破壊強度について、発明者の経験によれば、厚さ40mmのパイレックス(コーニング7740)においては20MV/m、同じ厚さのアルミナセラミックスでは10MV/mである。別に厚さの異なる資料を使った絶縁破壊試験からの比較検討により、上記厚さのポリエチレン又はテフロンは共に100MV/mを凌ぐものと思われる。
上記固体誘電体の中でポリエチレンが価格的に最も安価である。しかも密度も0.9g/cmと最も小さく軽い。ポリエチレン筒に純粋6フッ化硫黄ガスを満たせば加速コラム方向の電位勾配2MV/mを維持できる。そして筒の肉厚を50mmにすれば1MVの高電圧を維持できる。又同肉厚を100mmにすれば2MVの高電圧を余裕をもって維持できる。筒内ガス圧力は大気圧程度であるから高圧力容器は不要である。
そこで前記固体誘電体5は、外面をアース電位に保つ必要と、機械的保護のために金属製の外壁2に収容している。なおその際固体誘電体5の外面は、導電性塗料を塗布するか金属泊を張り付けてむらなくアース電位に接続しておく。こうした構造は、固体誘電体の半径方向の電位勾配を一様にして固体誘電体5の長時間に亘る絶縁性能を保持するために有効である。又同時に加速器が放電時に発せられる強力な電磁ノイズの筒外放射を阻止し、周辺電子機材の誤作動又は破壊を阻止する役目もする。
こうした保護構造を持たしても本発明になる加速器の重量は、真空排気系と、設置架台を別にして、市販品と比べ1/10よりも軽くできる。従って、1MVの静電加速器は、人力丈で運ぶことが可能となる。
図2において20はタンデム型静電加速器である。該タンデム型静電加速器20において背景技術で説明した図3、図4及び図1と共通の部分には同じ符号を付し説明を省略する。
21は外壁である。又22はエンドプレートである。23は締結ボルトである。前記外壁21は両端を裁断した円筒状を成している。その外周両端部には前記締結ボルト挿通孔が多数設けてある。該外壁21にはその両端の開口部に円板状の前記エンドプレート22が嵌合し、前記締結ボルト23の挿通孔を通してエンドプレート22の外周部に設けられた締結ねじ孔に前記締結ボルト23がねじ込まれ気密に締結される。
24は固体誘電体である。該固体誘電体24は次継ぎ目のない円筒形を成し前記筒状の外壁21の内径部全長に亘り電気的に密着し、その両端面は外壁21の両端を閉じる前記エンドプレート22に密接している。尚固体誘電体24の材料としてポリエチレン樹脂を採用した。
25は電位均圧環である。該電位均圧環25は、前記固体誘電体24の内径部に支持されて該固体誘電体24の内径部の長手方向の中心軸に沿って等間隔に固定されている。
26は筒状中間電極である。該筒状中間電極26は、前記固体誘電体24に内接している。27は固体誘電体である。該固体誘電体27の外周には前記筒状中間電極26が密着しており、その長さは前記固体誘電体24の半分で前記誘電体24の中央部にその長手方向の中心軸に同心に配置されている。
該固体誘電体27の内径部には図4で説明したタンデム型静電加速器70の高電圧ドーム79及び電位均圧環77が該固体誘電体27の内周部で支持固定され、発電機コラム60及び、図の右側から荷電粒子生成室59、真空ポンプ56、加速管76a、荷電変換器81、加速管76b、真空ポンプ56、ビームダクト57が、右側より左側のエンドプレートを貫通して左側まで配置している。図4と本実施の形態例との相違点は、両外側の電位均圧管77に最内側の電位均圧管26が左右共重なって配置され、その間に溝29が設けられていること及び支持具31,32,33で相互に支持されていること、更にその両側に電位均圧管25が等間隔に両外側に配置されている。及び発電機コラム60の到達電位が約2倍と高い電位になっていることである。更にこれに伴い高電圧ドーム79の電位も約2倍になっており、この高い電位に耐えるために全長に亘る固体誘電体24に加えて、電位の高い中央部は固体誘電体27及び筒状中間電極を積層している。尚中間電極26はフロートとして固体誘電体24と固体誘電体27の絶縁耐力の値を加算できるようにしている。尚28は絶縁用ガスで純粋の6フッ化硫黄ガスを大気相対圧で1から1.9気圧封入した。
次に本発明の実施の形態の第2例についてその作用を説明する。本実施例においても本発明の実施の第1例で述べた固体誘電体に関する説明はそのまま適用できる。更により高い電圧の絶縁を必要とする場合、その耐電圧は、誘電体の幾何学的厚みに比例して計算した値よりも低下してくることは良く知られている。従って加速電圧が高くなると構造の単純性を犠牲にしても誘電体は金属電極で仕切って使用するのが安全である。
本実施例ではこの原理に則ったものである。従って固体誘電体24と固体誘電体27は同軸な金属製筒状中間電極26により仕切られている。固体誘電体27の長さは固体誘電体24の長さの半分であり該固体誘電体24の中央部分を占めている。固体誘電体27と同じ長さの筒状中間電極26の両端は電位均圧環25で終端してある。電位均圧環25は固体誘電体24の内径部に、電位均圧環77は固体誘電体27の内面に夫々接して配置してあり、その電位は電位均圧環77又は25を流れる誘電体表面暗流又は電位均圧環コロナ電流によって自動的に分割される。
勿論抵抗チエーン、又はコロナポイトチエーンを配置して強制的に電位分割を行っても良いが、構造が複雑で、嵩張る。発明者の経験では、電位均圧環77及び電位均圧環25はその間を流れる自然暗流で平等に電位分割されることが判った。
以上固体誘電体及び電位均圧環の配置により背景技術におけるタンデム型静電加速器に比べて軽量且つ小型で然も荷電粒子を約2倍の速度まで加速し得ると言う効果を奏する。
なお地雷探査用の中性子発生源として静電加速器を使用する場合、加速コラムとその終端部にある中性子発生ターゲットをポリエチレン筒で包囲すると、ポリエチレンが水素原子を多分に含有しているため次の二つの利点を生む。一つは発生中性子のポリエチレン筒方向への指向性が高まり地雷探査速度が向上する。二つ目は、加速周縁への漏洩中性子束を低減し加速運転人員の中性子被曝防御設備を軽薄化できる。
本装置は軽量コンパクトな定置式として従来の微量元素の検出(PIXE法)、その元素の資料表面深さ方向の濃度分布を測定(RBS法)は勿論のこと自動車、航空機に搭載して移動先での諸計測、材料の改質、更には荷電粒子に更に大きい加速付与能力のある装置の開発が可能であるから地雷探査等に使用域を大幅に拡げることが可能となる。
本発明の実施の形態の第1例を示すシングルエンド型静電加速器の正面断面図である。 本発明の実施の形態の第2例を示すタンデム型静電加速器の正面断面図である。 背景技術のシングルエンド型静電加速器の正面断面図である。 背景技術のタンデム型静電加速器の正面断面図である。
符号の説明
1、50 シングルエンド型静電加速器
2、21 外壁
3、22、53、74 エンドプレート
4、23、54、73 締結ボルト
5、24、27 固体誘電体
6、63、80 絶縁用ガス
7 電位均圧環支持部
8 溝
20、70 タンデム型静電加速器
25、61、77 電位均圧環
26 筒状中間電極
29 電位均圧環支持部及び溝
30、31、32、64、65、83、84 支持具
51、71 圧力タンク
52、72、フランジ
55 ナット
56 真空排気ポンプ又は水素吸蔵ゲッター
57 ビームダクト
58、76、76b 加速管
59 荷電粒子生成室
60 発電機コラム
60a 高圧電極部
60b 電源部
62、79 高電圧ドーム
63、80 加圧絶縁用ガス
81 荷電変換器

Claims (4)

  1. 電子又はイオンを高電圧で加速するヴァンデグラーフ型、コッククロフト型或いはシェンケル型加速器において、高電圧ドーム及び加速コラムを包容する接地電位の金属製容器の内周全面に密接して筒状の固体誘電体を設置し、且つ低圧の絶縁ガスを充填して、前記高電圧ドーム及び加速コラムと金属製容器間の高電圧の絶縁を計ることを特徴とする固体誘電体及び低気圧ガス絶縁による静電加速器。
  2. 筒状の固体誘電体に代えて、複数の異径筒状個体誘電体と各異径筒状固体誘電体の外周全面に導電性金属筒を密着介在させた金属/固体誘電体交互密接配置同軸絶縁筒としたことを特徴とする請求項1に記載の固体誘電体及び低気圧ガス絶縁による静電加速器。
  3. 高電圧ドーム及び電位均圧管の示す電位に応じて金属/固体誘電体交互密着配置同軸絶縁筒を内径側からその異径筒状固体誘電体及びその外周面の導電性金属の数を増減させ且つ該増減により金属/固体誘電体交互密着配置絶縁筒に生じた半径方向の段差部分の電位均圧管を半径方向に重ねて配置したことを特徴とする請求項2に記載の固体誘電体及び低気圧ガス絶縁による静電加速器。
  4. 高電圧ドーム、電位均圧環群、及び発電機コラムの電源部を個々に支持する固体誘電体の各支持部の間に沿面距離増加手段を施したことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の固体誘電体及び低気圧ガス絶縁による静電加速器。
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