JP2005107250A - 双眼拡大鏡の製造治具およびこれを用いた製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 拡大光学系ユニットを眼鏡レンズに装着する際に、これらの位置関係を適切に設定することができる製造治具、製造方法を提供すること。
【解決手段】 製造治具100は、ベースプレート110と、ベースプレートの一面側に左右方向にスライド可能に取り付けられた左眼用スライド部材120および右眼用スライド部材130と、これらのスライド部材120、130に対して角度調整が可能に取り付けられ、拡大光学系ユニット14、15を保持する左眼用保持部材140および右眼用保持部材150と、スライドベース110の他面側に設けられた眼鏡フレーム装着機構160とを備えている。左右の拡大光学系ユニット14、15は、アーム170、171により左右両端を支持され、これらのアーム170、171を各保持部材140、150にねじ止めすることにより、装着されている。
【選択図】 図10

Description

本発明は、手元にある物体を双眼で拡大して観察するための双眼拡大鏡を製造する際に用いられる製造治具、およびこの製造治具を用いた双眼拡大鏡の製造方法に関する。
脳外科手術等の微細な組織を処置する手術においては、医師は処置部を拡大して観察しながら手術を行う。また、処置部を立体的に観察するため、双眼の拡大鏡を用いることが望ましい。特許文献1には、眼鏡の左右レンズの中央部に開口を形成し、これらの開口に拡大光学系ユニットを取り付けて構成される双眼拡大鏡が開示されている。
このような双眼拡大鏡を製造する際には、使用する医師の視力や瞳孔間距離、物体距離や倍率に基づいて、ピント、輻輳を適切に調整した状態で拡大光学系ユニットを左右の眼鏡レンズに取り付ける必要がある。
特開2003−195185号公報 図2
しかしながら、特許文献1には、拡大光学系ユニットをどのようにすれば適切に調整された状態で眼鏡レンズに装着することができるかは開示されていない。拡大光学系ユニットをねじ等により眼鏡レンズに装着する場合には、ねじの調整により装着後の微調整も可能であるが、ねじが眼鏡の視野を狭める。そこで、接着剤により固定することが望ましいが、この場合には接着剤が硬化するまで拡大光学系ユニットと眼鏡との位置関係を一定に保つことが難しいという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、拡大光学系ユニットを眼鏡レンズに装着する際に、これらの位置関係を適切に設定することができ、かつ、拡大光学系ユニットを接着剤により固定する際にも接着剤が硬化するまでの間、拡大光学系ユニットと眼鏡との位置関係を一定に保つことができる双眼拡大鏡の製造冶具およびこれを用いた製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる双眼拡大鏡の製造治具は、眼鏡フレームに装着された左右の眼鏡レンズの所定位置に形成された開口部に、それぞれ左眼用、右眼用の拡大光学系ユニットを装着して双眼拡大鏡を製造するための製造治具であり、左眼用、右眼用の開口部が形成されたベースプレートと、ベースプレートの左眼用開口部に連通する窓部が形成され、ベースプレートの一面側に左右方向にスライド可能に取り付けられた左眼用スライド部材と、左眼用スライド部材に対して直交三次元座標の各座標軸周りの角度調整が可能に取り付けられ、左眼用の拡大光学系ユニットを保持する左眼用保持部材と、ベースプレートの右眼用開口部に連通する窓部が形成され、ベースプレートの一面側に左右方向にスライド可能に取り付けられた右眼用スライド部材と、右眼用スライド部材に対して直交三次元座標の各座標軸周りの角度調整が可能に取り付けられ、右眼用の拡大光学系ユニットを保持する右眼用保持部材と、スライドベースの他面側に設けられた眼鏡フレーム装着機構とを備えることを特徴とする。
左眼用、右眼用スライド部材の窓部を挟んで少なくとも二カ所に、単一の球面の一部を構成する球面座を設け、左眼用、右眼用保持部材に、球面座に面接触する球面マウントを設けることができる。このような構成によれば、球面座に球面マウントを面接触させた状態で各座標軸周りの角度調整が可能となる。
なお、左眼用球面座、および左眼用保持部材の球面マウントの球心は、左眼用の拡大光学系ユニットの眼鏡の左側レンズへの取り付け位置にほぼ一致し、右眼用球面座、および右眼用保持部材の球面マウントの球心は、右眼用の拡大光学系ユニットの眼鏡の右側レンズへの取り付け位置にほぼ一致するよう設定することが望ましい。
左眼用、右眼用保持部材の姿勢の調整には、ねじを用いることができる。すなわち、左眼用、右眼用スライド部材の窓部を囲む周囲の少なくとも三カ所にねじ孔を形成し、左眼用、右眼用保持部材には、ねじ孔に対応する位置に、窓部を囲む周方向に長い長孔を形成する。これらのねじ孔に、長孔を通して調整ねじを螺合させ、これらの調整ねじを緩めた状態で左眼用、右眼用保持部材の姿勢を調整し、調整ねじを締めることにより、調整された姿勢を保持させることができる。
一方、本発明にかかる双眼拡大鏡の製造方法は、眼鏡フレームに装着された左右の眼鏡レンズの所定位置に開口部を形成し、上記の製造治具の左眼用、右眼用保持部材に左眼用、右眼用の拡大光学系ユニットを装着し、使用者に合わせて左眼用、右眼用スライド部材の左右位置を調整すると共に、左眼用、右眼用保持部材の姿勢を調整し、製造治具の眼鏡フレーム装着機構に眼鏡を装着し、眼鏡レンズの開口部と拡大光学系ユニットとを接着剤により固定し、固定後に一体化した眼鏡と拡大光学系ユニットとから構成される双眼拡大鏡を製造治具から取り外すことを特徴とする。
また、接着剤による固定後、双眼拡大鏡を製造治具に装着した状態で測定装置に取り付け、双眼拡大鏡を通して所定のチャートの像を観察し、拡大光学系ユニットを保持部から外した状態で再度チャートの像を観察し、2回の観察で像の変化が所定の許容範囲内である場合に合格と判断するようにしてもよい。
本発明にかかる双眼拡大鏡の製造冶具によれば、左眼用、右眼用の保持部材にそれぞれ拡大光学系ユニットを装着すると、各スライド部材を左右方向にスライドさせることにより、使用者の眼幅に合わせた設定が可能であり、かつ、保持部材をスライド部材に対して直交三次元座標の各座標軸周りの角度を調整することにより、物体距離に合わせた輻輳の設定が可能となる。
一方、本発明にかかる双眼拡大鏡の製造方法によれば、上記の製造治具を利用して位置決めした拡大光学系ユニットを、接着剤が硬化するまで製造治具に保持させておくことができるため、接着剤が硬化するまでの間、拡大光学系ユニットと眼鏡との位置関係を一定に保つことができ、拡大光学系ユニットを眼鏡レンズに対して正確に固定することができる。
以下、この発明にかかる双眼拡大鏡の製造治具、およびこれを用いた双眼拡大鏡の製造方法の実施形態を説明する。最初に、実施形態の製造方法により製造される双眼拡大鏡について説明する。図2は、双眼拡大鏡10を物体側から見た正面図である。
双眼拡大鏡10は、フレーム11と左右のレンズ12、13とから構成される通常の眼鏡のレンズ12、13の所定位置に貫通孔である開口部(図示せず)を形成し、これらの開口部に左右の拡大光学系ユニット14、15を接着することにより構成されている。
フレーム11は、レンズ12、13を保持するリム11a、11b、左右のリム11a、11bを接続するブリッジ11c、リムの内側に配置された鼻当てとなるパッド11d、11e、リムの外側で耳にかけるためのテンプル11f、11gから構成されている。
拡大光学系ユニット14、15は、物体を拡大して観察するための実像式の拡大光学系と、この拡大光学系の光路を一方側に偏向すると共に像を正立させる反射型の偏向手段とから構成される。例えば、左眼用の拡大光学系ユニット14は、図3に示すように、物体側に配置された正のパワーを持つ対物レンズ14aと、対物レンズ14aを介して入射する光を4回内面反射させて像の上下左右を反転させる偏向手段としてのダハプリズム14bと、このダハプリズム14bにより偏向された光を眼ERに導く正のパワーを持つ接眼レンズ14cとから構成されている。
実施形態にかかる双眼拡大鏡の製造方法は、上記のような双眼拡大鏡10を製造するため、図1に示すような各行程を有する。行程は、大きく分けて、前段階として眼鏡の製造工程、続いて双眼拡大鏡の製造工程、最後に梱包出荷行程の3行程から構成される。なお、双眼拡大鏡を製造するには、使用者に関するデータが必要である。ここでは、使用者の情報として、眼鏡処方箋、瞳孔間距離PD、作動距離WD(ワーキングディスタンス)、拡大鏡の倍率Mを予め測定および決定しておく。
眼鏡の製造工程では、上記の眼鏡処方箋に従って眼鏡フレーム11を製造し(S.1)、眼鏡レンズ12、13を製造する(S.2)。製造された眼鏡レンズ12、13を眼鏡フレーム11に組み込むことにより、使用者の視力に応じた眼鏡を製造する。なお、使用者が普段眼鏡を利用していない場合には、度数のない眼鏡レンズを用意する。
双眼拡大鏡の製造工程では、上記の作動距離WD、倍率Mに基づいて左右の拡大光学系ユニット14、15が製造される(S.3)。続いて、瞳孔間距離PDと作動距離WDとに基づいて、眼鏡レンズ12、13に取り付けられる拡大光学系ユニット14、15の取り付け間隔(ルーペ間隔)CD、および取り付け角度α、β、γをそれぞれ計算する(S.4)。
ここで、図4に基づいて、取り付け角度α、β、γの定義について説明する。第一眼位で物体距離無限遠のときに想定される左右の視軸に一致する軸をそれぞれ軸ZL、ZRとする。第一眼位とは、眼の高さにあるまっすぐ前方の物体を注視しているときの頭部に対する眼の相対位置をいう(日本工業規格T7330/5.31)。物体距離が無限遠であれば両視軸は平行となるため、軸ZL、ZRは、それぞれ左右の眼の回旋中心CL、CRを通り、使用者からまっすぐ前方に水平に伸びる互いに平行な軸である。また、左右の拡大光学系ユニット14、15のダハプリズム14b、15bの位置でZL及びZR軸と垂直に交差する軸をXとし、ZL及びX軸に垂直な軸をYL、ZR及びX軸に垂直な軸をYRとする。そして、αは、軸Xを回転軸とする拡大光学系ユニット14、15の回転角度、βは、軸YL、YRを回転軸とする拡大光学系ユニット14、15の回転角度、γは、軸ZL、ZRを回転軸とする拡大光学系ユニット14、15の回転角度である。
双眼拡大鏡10は、作動距離WDに応じて左眼用、右眼用の拡大光学系ユニット14、15を互いに逆方向に±β°だけ軸YL、YR回りに回転させて光軸と視軸とを一致させ、互いに逆方向に±γ°だけ軸ZL、ZRを回りに回転させて輻輳を調整し、α°だけ軸X回りに回転させて接眼レンズの光軸方向を眼鏡レンズ12、13の光軸方向に合わせる。
続いて、心取り点間距離CDに基づき、図3に示すように、拡大光学系ユニット14(15)の接眼レンズ部分が貫通できるよう眼鏡レンズ12(13)に開口部12aを形成する(S.5)。続いて、S.3で製造された拡大光学系ユニット14、15を製造治具100に装着する(S.6)。
図5〜図7は、製造治具100の説明図であり、図5は平面図、図6は正面図、図7は図6のVII-VII線に沿う断面図である。製造治具100は、ベースプレート110と、ベースプレートの一面側に左右方向にスライド可能に取り付けられた左眼用スライド部材120および右眼用スライド部材130と、これらのスライド部材120、130に対して角度調整が可能に取り付けられ、拡大光学系ユニット14、15を保持する左眼用保持部材140および右眼用保持部材150と、スライドベース110の他面側に設けられた眼鏡フレーム装着機構160とを備えている。
ベースプレート110には、図8に単体で示されるように、左眼用の開口部111と右眼用の開口部112とが形成されると共に、後述の角度調整ねじの先端が遊挿される長孔113、113、…が形成されている。ベースプレート110には、上下両端に左右方向に延びるガイドレール114、115取り付けられている。ガイドレール114は、図5および図7に示すように、スライド部材130と同一の板厚で、幅がガイドレール114より狭いスペーサプレート116を間に介在させてベースプレート110に固定されており、同様に、ガイドレール115は、スペーサプレート117を介在させてベースプレート110に固定されている。
左眼用、右眼用のスライド部材120、130は、上下方向をガイドレール114、115に係合させた状態でペースプレート110に対して左右にスライド可能に取り付けられている。なお、スライド部材120単体での形状は、図9に示されている。スライド部材120、130には、ねじ孔が形成されたL字形のアンカー121、131が固定されており、ベースプレート110には、スライド調整ねじ201、202を貫通させる貫通孔が形成されたねじホルダー118、119が固定されている。スライド調整ねじ201、202は、ねじホルダー118、119に対して回転可能に、かつ、軸方向へは移動しないように取り付けられている。このため、スライド調整ねじ201、202をアンカー121、131に螺合させ、回転調整することにより、スライド部材120、130を左右方向にスライド調整することが可能である。拡大光学系ユニット14、15を取り付けた状態では、このスライド調整によりルーペ間隔CDに合わせた調整が可能となる。
左眼用スライド部材120には、ベースプレート110の左眼用開口部111に連通する窓部122が形成され、この窓部122を挟んで二カ所に、単一の球面の一部を構成する球面座123が形成されている。また、窓部122の周囲4カ所には、図9に示すように、後述の角度調整ねじが螺合するねじ孔124が形成されている。同様にして、右眼用スライド部材130には、ベースプレート110の右眼用開口部112に連通する窓部132が形成され、この窓部132を挟んで二カ所に、単一の球面の一部を構成する球面座133が形成されている。右眼用スライド部材130にも、角度調整ねじが螺合するねじ孔が同様に形成されている(図示せず)。
左眼用、右眼用の保持部材140、150は、左眼用、右眼用スライド部材120、130の窓部122、132と同様の窓部141、151を有するリング状の部材であり、これらの窓部141、151を挟んで2カ所に、スライド部材120、130の球面座123、133に面接触する球面マウント142、152が形成されている。
また、左眼用保持部材140には、左眼用スライド部材120のねじ孔124に対応する位置に、長孔143が形成されている。左眼用保持部材140は、この長孔143を介して3本の角度調整ねじ203と1本の固定ねじ204とをねじ孔124に螺合させることにより、スライド部材120に取り付けられている。これらの角度調整ねじ203を緩めた状態で球面座123に球面マウント142を面接触させた状態で調整することにより、左眼用保持部材140を左眼用スライド部材120に対して直交三次元座標の各座標軸ZL、YL、Xの周りに角度調整することができ、角度調整ねじを締めることにより、調整された姿勢を保持させることができる。
同様にして、右眼用保持部材150には、長孔153が形成されており、この長孔143を介して3本の角度調整ねじ205と1本の固定ねじ206とをスライド部材130に形成されたねじ孔に螺合させることにより、右眼用保持部材150はスライド部材130に取り付けられている。これらの角度調整ねじ205を緩めた状態で球面座133に球面マウント152を面接触させた状態で調整することにより、右眼用保持部材150を右眼用スライド部材130に対して直交三次元座標の各座標軸ZR、YR、Xの周りに角度調整することができ、角度調整ねじを締めることにより、調整された姿勢を保持させることができる。
なお、角度調整ねじ203、205、固定ねじ204、206の先端は、スライド部材120、130から突出してベースプレート110の長穴113に挿入される。長穴133はスライド方向に所定の長さを持つため、各ねじが長穴133に入り込んでいても、スライド部材120、130をスライドさせることができる。
なお、左眼用スライド部材120の球面座123、および左眼用保持部材140の球面マウント142の球心は、左眼用の拡大光学系ユニット14を取り付けた際の眼鏡の左側レンズへの取り付け位置(射出瞳位置に対応する)にほぼ一致し、右眼用スライド部材130の球面座133、および右眼用保持部材150の球面マウント152の球心は、右眼用の拡大光学系ユニット15を取り付けた際の眼鏡の右川レンズへの取り付け位置(射出瞳位置に対応する)にほぼ一致するよう設定されている。このような設定により、射出瞳位置を動かさずに角度調整が可能であり、角度調整の後に更にスライド調整をする必要がない。
また、左眼用、右眼用の保持部材140、150には、指針144、145、154、155が取り付けられており、左眼用、右眼用のスライド部材120、130には、これらの指針により指示されるスケール125、126、135、136が設けられている。指針144、154がスケール125、135のどの目盛を指しているかにより、保持部材140、150の軸YL、YR回りの回転角度βを読みとることができる。一方、指針145、155がスケール126、136のどの目盛を指しているかにより、保持部材140、150の軸ZL、ZR回りの回転角度γを読みとることができる。
眼鏡フレーム装着機構160は、図5および図7に示されるように、ブッシュ161を介して所定の間隔をあけてベースプレート110に固定された枠部材162と、この枠部材162の上側2カ所に設けられた固定式フレーム保持部163、163と、枠部材162の下側2カ所に設けられた可動式フレーム保持部164、164とを備えている。
図7に示すように、各保持部163、164には、それぞれ先端側に谷型の凹部が形成されており、この凹部に眼鏡フレーム11を係合させてこれを保持する。可動式フレーム保持部164は、枠部材162の下側に延びる補助プレート165に取り付けられた軸受け部材166に挿通されたシャフト167の上端に取り付けられている。シャフト167の下端には、ストッパー168が取り付けられ、可動式フレーム保持部164と軸受け部材166との間には、シャフト167を巻いてコイルスプリング169が取り付けられている。眼鏡フレーム11を取り付ける際には、眼鏡フレーム11のリム11a、11bの下端を可動式フレーム保持部164に係合させ、眼鏡フレーム11をコイルスプリング169の弾性力に抗して下に押しながらリムの上端を固定式フレーム保持部163に係合させる。
図10は、左右の拡大光学系ユニット14、15を製造治具100に装着した状態を示す正面図である。各ユニットは、アーム170、171により左右両端を支持され、これらのアーム170、171を各保持部材140、150にねじ止めすることにより、装着されている。
図1に戻って、拡大光学系ユニット14、15がS.6で製造治具に固定された後、S.4で計算されたルーペ間隔CDに基づいてスライド調整ねじ201、202を適宜回転させ、拡大光学系ユニット14、15の左右方向の位置を調整する(S.7)。続いて、S.4で計算された角度α、β、γに基づき、角度調整ねじ203、205を適宜回転させ、拡大光学系ユニット14、15の角度を調整する(S.8)。
これらの調整が終了した後、眼鏡レンズ12、13の開口部(12a)と、拡大光学系ユニット14、15の開口部への挿入部分の周囲に接着剤を塗布し(S.9)、眼鏡レンズ12、13に開口部が形成された穴あきの眼鏡を製造治具100に装着する(S.10)。
接着剤が硬化した後、製造治具100に装着したままの状態で眼鏡と拡大光学系ユニット14、15とが一体化して構成される双眼拡大鏡10を検査のために測定装置に取り付け(S.11)、拡大光学系ユニット14、15が製造治具100により拘束された状態と、アーム170、171を外して拘束を解除した状態とで像の変化を測定する(S.12)。測定装置の構成は後述する。
S.12の測定で像の変化が所定の規格内であるか否かを判断し(S.13)、規格内であれば、双眼拡大鏡10を製造治具100から取り外し(S.14)、梱包出荷行程に送る。規格外であれば、製造治具100に取り付けたまま再設定に回す。梱包出荷行程では、ストラップ等の付属品と共に、完成した双眼拡大鏡10を梱包箱に詰め、使用者に向けて発送する。
次に、上記のS.11,S.12で用いられる測定装置について説明する。図11は、測定装置300全体を示す側面図、図12は、測定装置300から製造治具100が装着された測定ヘッド400を取り外した状態を示す平面図、図13は、測定装置300に設けられたチャート板310の正面を示す説明図である。
図11に示すように、製造治具100は、測定装置300の測定ヘッド400に保持された状態で、取り付け板301を介して測定ベース302に取り付けられる。測定ヘッド400は、測定ベース302に対して48°の角度で斜めに取り付けられている。測定ベース302には、長手方向に延びる平行な2本のスライドシャフト303、304が設けられている。このスライドシャフト303、304には、撮影対象となるチャート板310を搭載したチャート用スライド部材311が取り付けられている。チャート板310には、図13に示すように、複数の同心円状のチャートと、十字線のチャートとが描かれている。このチャート用スライド部材311をスライドシャフト303、304に沿って移動させることにより、製造治具100により保持された双眼拡大鏡100に対してチャート板310を離反、接近させることができる。この例では、双眼拡大鏡100とチャート板310との間の距離を、双眼拡大鏡のWDを十分カバーする242mm〜652mmの範囲で調整することができる。なお、チャート用スライド部材311は、ねじ312を締めることにより、位置が固定される。
次に、上記の測定ヘッド400の構成について説明する。図14〜図16には、測定ヘッド400の構成を示し、図14は側面図、図15は平面図、図16は図14を図中右側から見た正面図である。測定ヘット400は、測定装置300の取り付け板301に固定されるヘッドベース410と、このスライドベース410上に固定された第1のスライドシャフト411に係合して図14中の左右方向にスライド可能な第1のスライドテーブル420と、この第1のスライドテーブル420上に固定された第2のスライドシャフト42に係合して図14中の左右方向にスライド可能な第2のスライドテーブル430と、この第2のスライドテーブル430上に固定された第3のスライドシャフト431に係合して図14の紙面と垂直な方向にスライド可能な第3のスライドテーブル440、450と、これらの第3のスライドテーブル440、450に対して回動ピン441、451を介して回動可能に設けられた回動テーブル460、470とを備えている。各回動テーブル460、470には、左右の拡大光学系ユニット14、15を接眼レンズ側から撮影する位置に2台のテレビカメラ401、402が設けられている。テレビカメラ401、402の撮影レンズ403、404は、それらの入射瞳位置が双眼拡大鏡10の使用者の眼球回旋中心に一致するよう設定される。テレビカメラ401、402の出力は、ケーブル401a、402aを介して図示せぬ画像処理装置に入力される。
製造治具100は、第1スライドテーブル420に固定された治具保持部480により保持される。このような構成によると、第1スライドテーブル420をスライドさせることにより、製造治具100とテレビカメラ401、402とを一体にして図14中の左右方向に移動させることができる。第1スライドテーブル420による移動は、拡大光学系ユニット14、15のタイプを変更する場合に利用される。すなわち、図3に示したような実像式のケプラータイプの光学系を用いる場合には、図11に示すように光軸L1をチャート板310の中心に一致させ、虚像式のガリレオタイプの光学系を用いる場合には、光軸L2をチャート板310の中心に一致させるように、第1スライドテーブル420の繰り出し量を調整する。なお、スライドベース410には、位置決めのための第1調整板412が固定され、この調整板に2カ所形成された穴のいずれかに、第1スライドベース420に固定されたノブ422の先端を係合させることにより、光学系のタイプに応じたスライド位置を設定することができる。
また、第2スライドテーブル430を移動させると、製造治具100に保持された双眼拡大鏡10とテレビカメラ401、402との間隔を調整することができる。第2スライドテーブル430による移動は、双眼拡大鏡10の測定時には間隔を短くし、製造治具100の測定ヘッド400への取り付け時には間隔を長くするよう切り替えられる。上記の例と同様に、第1スライドテーブル420には、第2調整板423が固定され、この調整板に2カ所形成された穴のいずれかに、第2スライドベース430に固定されたノブ432の先端を係合させることにより、測定時と取り付け時とに応じたスライド位置を設定することができる。第2スライドテーブル430の移動ストロークは約60mmである。
第3スライドテーブル440、450は、左右のテレビカメラ401、402毎に設けられており、テレビカメラ401、402の位置を使用者の瞳孔間距離PD(および左右の単眼瞳孔距離)に応じて独立して調整できるように構成されている。第3スライドテーブル440、450は、固定ねじ442、452を緩めることによりスライド可能となり、これらの固定ねじを締めると位置が固定される。移動量は、スケール443、453により読みとることができる。
回動テーブル460、470も、左右のテレビカメラ401、402毎に設けられており、左右のテレビカメラ401、402の角度を変えることにより、眼の輻輳に相当する角度を設定することができる。回動テーブル460、470は、固定ねじ461、471を緩めることにより回動可能となり、これらの固定ねじを締めると位置が固定される。回動角度は、スケール462、472により読みとることができる。
上記のように構成された測定ヘッド400に、双眼拡大鏡10を製造治具100に保持された状態で装着し、テレビカメラ401、402の角度(輻輳に相当)、間隔(瞳孔間距離に相当)を使用者のデータに合わせて設定し、測定装置300に取り付け、テレビカメラ401、402により拡大光学系ユニット14、15を介してチャート板310を撮影する。撮影された画像をモニター等に表示し、あるいは、画像処理装置により数値化する。そして、拡大光学系ユニット14、15が製造治具100により拘束された状態と、アーム170、171を外して拘束を解除した状態とで像の変化を測定し、像の変化から双眼拡大鏡10が仕様通りに製造されたか否かを確認する。
本発明の実施形態にかかる双眼拡大鏡の製造方法の内容を示すフローチャートである。 実施形態の方法により製造される双眼拡大鏡を物体側から見た正面図である。。 図2に示す双眼拡大鏡の一方の拡大光学系の配置を示す説明図である。 双眼拡大鏡の調整の座標軸の説明図である。 実施形態にかかる双眼拡大鏡の製造治具の平面図である。 図5に示す製造治具の正面図である。 図6のVII-VII線に沿う断面図である。 図5に示す製造治具のベースプレートを単体で示す平面図である。 図5に示す製造治具の一方のスライド部材を単体で示す平面図である。 左右の拡大光学系ユニットを図5の製造治具に装着した状態を示す正面図である。 実施形態の測定装置の全体を示す側面図である。 図11の測定装置から製造治具が装着された測定ヘッドを取り外した状態を示す平面図である。 図11の測定装置に設けられたチャート板の正面を示す説明図である。 図11の測定装置に含まれる測定ヘッドの側面図である。 図14に示す測定ヘッドの平面図である。 図14に示す測定ヘッドを図14の右側から見た正面図である。
符号の説明
10 双眼拡大鏡
11 眼鏡フレーム
12、13 眼鏡レンズ
14、15 拡大光学系ユニット
100 製造治具
110 ベースプレート
120、130 スライド部材
140、150 保持部材
160 眼鏡フレーム保持機構
300 測定装置
400 測定ヘッド

Claims (6)

  1. 眼鏡フレームに装着された左右の眼鏡レンズの所定位置に形成された開口部に、それぞれ左眼用、右眼用の拡大光学系ユニットを装着して双眼拡大鏡を製造するための製造治具において、
    左眼用、右眼用の開口部が形成されたベースプレートと、
    該ベースプレートの左眼用開口部に連通する窓部が形成され、前記ベースプレートの一面側に左右方向にスライド可能に取り付けられた左眼用スライド部材と、
    該左眼用スライド部材に対して直交三次元座標の各座標軸周りの角度調整が可能に取り付けられ、前記左眼用の拡大光学系ユニットを保持する左眼用保持部材と、
    前記ベースプレートの右眼用開口部に連通する窓部が形成され、前記ベースプレートの一面側に左右方向にスライド可能に取り付けられた右眼用スライド部材と、
    該右眼用スライド部材に対して直交三次元座標の各座標軸周りの角度調整が可能に取り付けられ、前記右眼用の拡大光学系ユニットを保持する右眼用保持部材と、
    前記スライドベースの他面側に設けられた眼鏡フレーム装着機構とを備えることを特徴とする双眼拡大鏡の製造治具。
  2. 前記左眼用、右眼用スライド部材には、前記窓部を挟んで少なくとも二カ所に単一の球面の一部を構成する球面座が設けられ、前記左眼用、右眼用保持部材には、前記球面座に面接触する球面マウントが設けられ、前記球面座に前記球面マウントを面接触させた状態で前記各座標軸周りの角度調整を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の双眼拡大鏡の製造治具。
  3. 前記左眼用球面座、および前記左眼用保持部材の球面マウントの球心は、前記左眼用の拡大光学系ユニットの眼鏡の左側レンズへの取り付け位置にほぼ一致し、前記右眼用球面座、および前記右眼用保持部材の球面マウントの球心は、前記右眼用の拡大光学系ユニットの眼鏡の右側レンズへの取り付け位置にほぼ一致することを特徴とする請求項2に記載の双眼拡大鏡の製造治具。
  4. 前記左眼用、右眼用スライド部材には、前記窓部を囲む周囲の少なくとも三カ所にねじ孔が形成され、前記左眼用、右眼用保持部材には、前記ねじ孔に対応する位置に、前記窓部を囲む周方向に長い長孔が形成され、前記ねじ孔には、前記長孔を通して調整ねじが螺合しており、これらの調整ねじを緩めた状態で前記左眼用、右眼用保持部材の姿勢を調整し、該調整ねじを締めることにより、調整された姿勢を保持させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の双眼拡大鏡の製造治具。
  5. 眼鏡フレームに装着された左右の眼鏡レンズの所定位置に開口部を形成し、
    請求項1に記載の製造治具の前記左眼用、右眼用保持部材に左眼用、右眼用の拡大光学系ユニットを装着し、使用者に合わせて前記左眼用、右眼用スライド部材の左右位置を調整すると共に、前記左眼用、右眼用保持部材の姿勢を調整し、
    前記製造治具の前記眼鏡フレーム装着機構に前記眼鏡を装着し、
    前記眼鏡レンズの開口部と前記拡大光学系ユニットとを接着剤により固定し、固定後に一体化した前記眼鏡と前記拡大光学系ユニットとから構成される双眼拡大鏡を前記製造治具から取り外すことを特徴とする双眼拡大鏡の製造方法。
  6. 前記接着剤による固定後、前記双眼拡大鏡を前記製造治具に装着した状態で測定装置に取り付け、前記双眼拡大鏡を通して所定のチャートの像を観察し、前記拡大光学系ユニットを前記保持部から外した状態で再度チャートの像を観察し、2回の観察で像の変化が所定の許容範囲内である場合に合格と判断することを特徴とする請求項5に記載の双眼拡大鏡の製造方法。
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