JP2005102012A - スパニングツリープロトコル適用時における網資源管理装置 - Google Patents

スパニングツリープロトコル適用時における網資源管理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 スパニングツリープロトコルが適用されるネットワーク環境下であっても、最大伝送容量を保証する。
【解決手段】 スイッチングハブ間でのループを回避するためスパニングツリープロトコルを用いる場合に、網資源管理装置でスパニングツリープロトコルにより設定される利用可能となる伝送路を経由した経路だけに伝送容量を割当てるのではなく、予備として設定される伝送路を経由した経路にも、利用可能伝送路と同じ伝送容量を割当てる。
【選択図】 図3

Description

本発明は最大伝送容量保証を行う網資源管理装置とMAC(Machine Access
Control)アドレス学習機能を有するスイッチングハブにより構成されるEthernet(登録商標)網に関するものである。以降、本明細書では、Ethernet端末を「端末」、Ethernetフレームを「フレーム」、Ethernet伝送路を「伝送路」、Ethernet網を「網」、スイッチングハブにおける各ポートを「ポート」と記す。
各種の伝送サービスを行う方法として、IEEE802.1Q/pのタグ付きフレームで8段階(ネットワーク管理、音声、ビデオ、制御された負荷、エクセレントエフォート、ベストエフォート、予備、バックグラウンド)の優先度を用いる方法があるが、同一優先度でのトラヒックが増えるとQoS(例えば最大伝送容量)が保証できなくなる欠点がある。
この対策として、IETF(The Internet Engineering Task
Force)ではRSVP(Resource Reservation Protocol:RFC2205)、Intserv(Integrated Service)等で資源予約を行ってQoS(Quality
of Service)を保証する方法が提案されている。これらの方法によりQoSの確保は可能であるが、通信経路にあるノードで資源予約の処理が必要になる。この動作が通信要求毎に必要なことから複雑であり広く用いられていないのが現状である。同様な動作は現在の公衆電話網で行われており通話料金計算を除いても複雑である。
ATM網で端末間をバーチャルチャネルで事前に設定しておき、網エッジ(網と端末との接続点)にあるチャネル容量管理手段とバーチャルチャネルのリンク空き容量データベース(集中配置)を用いる構成でバーチャルチャネルの端末間の容量を保証した通信を行う方法が、例えば、特許文献1に示されている。
これは、網空き資源を集中管理できる方法であるが、その管理対象であるバーチャルチャネルを事前に設定しておく必要から、大量のバーチャルチャネルを管理する問題もしくは通信相手端末に制限を生じる問題があった。
特開平7−221763号公報
これらの問題点を解決するための課題としては、第一の課題として対象となる網での経路(パス)探索がある。対象となる網はEthernet網なのでツリートポロジー(バストポロジーを含む)であり、複数の経路が発生しないため、経路探索は複雑ではないが、経路探索の際に、ノード(ハブ)でフラッディング(入力伝送路以外の全ての伝送路へフレームを中継する)が発生すると網資源が無駄になるという問題がある。
第二の課題は、その経路上の伝送路の伝送容量割当管理である。なお、ノードでの輻輳回避には、出力伝送路への集中条件を考慮することにより、バッファ溢れが発生しないバッファ量の配置で解決できる。
また、端末間を結ぶ網(伝送路はハブで構成)で、その最大遅延時間(伝送路の伝搬遅延とハブ内でのバッファ溢れ(輻輳)がない場合は送出待ち時間の合計)を決めるには、伝送経路(パス)管理と伝送路の使用伝送容量(フレームレート)管理が必要になる。さらに、スイッチングハブで通信開始時にMACアドレス学習済みの条件(フラッディング回避)があり、そのための対策として、端末間でのスイッチングハブのMACアドレス学習(送信元MACアドレスで学習する)のためのフレームを事前に受信側端末から送信側端末へ送る必要があった。
これらの課題を解決するために、本願出願人は、特願2003−271474号(本願出願時に未公開であり、以下先願Aと記す)によって、Ethernet網上において最大伝送容量保証を行う網資源管理装置を提案した。これは、網資源管理機能で網全体の容量管理が必要であるが、網内スイッチングハブへの制御が不要の利点がある。
しかし、この先願Aを適用するにあたって、最大伝送容量を保証する端末のみの網であるという条件があり、従来のベストエフォート型でフレームを送信する端末が混在する網にはそのトラヒックの影響を受けるので適用できなかった。
この課題を解決するために、本願出願人は特願2003−283871号(本願出願時に未公開であり、以下先願Bと記す)によって、スイッチングハブでの処理に優先制御を導入し、最大伝送容量を保証する端末間通信のフレームを優先して伝送路へ送出する機能を装備したスイッチングハブを提案した。これは、従来(ベストエフォート型)の端末から送信されるフレームの処理を非優先として、ベストエフォート型フレームによるトラヒックの影響を避けることにより、最大伝送容量を保証する端末および従来のベストエフォート型端末の両端末が混在しても最大伝送容量を保証する端末間に先願Bで提案したスイッチングハブのみあれば最大伝送容量を保証する通信が可能になる。つまり、入力フレームに優先表示があり、かつ宛先MACアドレスが学習済みの場合にのみ優先して伝送路へ送出する処理とすることができる。
これにより、通信開始時に未学習MACアドレスのフレームがあったとしても従来の端末から送信されるフレームと同じ非優先でのフラッディングとなり、既に通信中の優先処理である最大伝送容量を保証する端末間通信には影響を与えない。ただし、端末間の経路に先願Bのスイッチングハブのみが存在する場合に最大伝送容量を保証できるのであって、既存のスイッチングハブが含まれる場合はベストエフォート伝送になる。
しかし、伝送路の除去あるいは故障により通信不能を回避するため、スイッチングハブをループ接続する場合がある。網でループが発生した場合には、スイッチングハブ間でスパニングツリープロトコル(IEEE802.1D)の適用によりループを回避できる。ここで、スパニングツリープロトコルとは、物理的なネットワークがループを形成していても、論理的にはループを形成しないようにネットワークを再構築する技術である。
このようなスパニングツリープロトコルで設定される各伝送路が除去または追加または故障または回復することにより網のトポロジー変更が発生する。変更される伝送路によっては、伝送容量を保証するEnd−to−Endの通信経路が変わる恐れがある。この場合には、網資源管理装置で伝送容量を割当てていない伝送路(初期状態においてスパニングツリーで予備伝送路として設定される伝送路または新たに追加された伝送路)を経由するので、最大伝送容量を保証する通信中にスパニングツリープロトコルによるトポロジー変化が発生するとEnd−to−Endの両端末間で最大伝送容量を保証できなくなる。
本発明は、このような背景に行われたものであって、スパニングツリープロトコルが適用されるネットワーク環境下であっても、最大伝送容量を保証することができるEthernet網を提供することを目的とする。
本発明は、先願Aおよび先願Bを用いた最大伝送容量を保証する網に関するもので、スイッチングハブ間でのループを回避するためスパニングツリープロトコルを用いる場合に、網資源管理装置でスパニングツリープロトコルにより設定されて利用可能となる伝送路(Available Link)を経由した経路だけに伝送容量を割当てるのではなく、予備として設定される伝送路(Backup Link)を経由した経路にも、利用可能伝送路と同じ伝送容量を割当てる。これにより、伝送路の除去または追加または故障または回復などによるトポロジー変化に対し、スループットを低下させることなく、データ伝送を行うことができる。
すなわち、本発明の第一の観点は、最大伝送容量保証を行う網資源管理装置とMACアドレス学習機能および最大伝送容量を保証するフレームを優先処理する機能を有するスイッチングハブにより構成される網に適用される前記網資源管理装置である。
ここで、本発明の特徴とするところは、スパニングツリープロトコルにより設定される伝送路への伝送容量保証を行う通信要求に対し、当該スパニングツリープロトコルに基づき将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路に対してもあらかじめ伝送容量を割当てる手段を備えたところにある(請求項1)。
また、前記割当てる手段は、現在使用中の通信経路が前記将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路と重なるときには、当該現在未使用の通信経路に対する伝送容量の割当てを禁止する手段を備えることができる(請求項2)。
すなわち、当該将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路によりデータ伝送が行われるときは、現在使用中の通信経路によるデータ伝送が不可能となったときだけであるから、双方の伝送路にそれぞれ伝送容量を割当てる必要はない。このように、冗長な伝送容量の割当てを回避できるので網リソースを有効に使用することができる。
本発明の第二の観点は、最大伝送容量保証を行う網資源管理装置とMACアドレス学習機能および最大伝送容量を保証するフレームを優先処理する機能を有するスイッチングハブにより構成される網に適用される前記網資源管理装置に適用されるプログラムである。
ここで、本発明の特徴とするところは、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、スパニングツリープロトコルにより設定されるEthernet伝送路への伝送容量保証を行う通信要求に対し、当該スパニングツリープロトコルに基づき将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路に対してもあらかじめ伝送容量を割当てる機能を実現させるところにある(請求項3)。
また、前記割当てる機能として、現在使用中の通信経路が前記将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路と重なるときには、当該現在未使用の通信経路に対する伝送容量の割当てを禁止する機能を実現させることができる(請求項4)。
本発明の第三の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体である。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
これにより、汎用の情報処理装置を用いて、スパニングツリープロトコルが適用されるネットワーク環境下であっても、最大伝送容量を保証することができる網資源管理装置を実現することができる。
本発明によれば、先願AおよびBにより構成された最大伝送容量保証を行う網資源管理装置を含む網において、スイッチングハブ間でのループ回避のためにスパニングツリープロトコルを適用することでループを回避したトポロジーを設定し、スパニングツリープロトコルにより設定される利用可能伝送路(Available Link)と予備伝送路(Backup Link)もしくはループを構成する全ての伝送路に対して網資源管理装置で同一伝送容量を割当てることにより、利用可能伝送路が切断し、予備伝送路へ切り替わったとしても最大伝送容量を保証する通信が可能である。これはVLAN(Virtual
LAN)環境におけるループ回避に適用されるマルチプルスパニングツリープロトコル(IEEE802.1s)の動作時にも同様の資源管理が可能である。これは、スパニングツリーの二重化された部分の経路が包含関係以外に、従属関係、ブリッジ構造になっていても可能である。
また、スイッチングハブがスパニングツリープロトコルによる伝送路の切替えを検出した場合には、スイッチングハブはSNMPtrapにより伝送路の切替えを検出したことを網資源管理装置へ知らせることで現状の使用伝送路の状況がわかる。
本明細書では、片方向の通信要求の場合について説明したが、双方向通信の場合も適用可能である。
本発明実施例を説明する。
(第一実施例)
最大伝送容量保証を行う網資源管理装置とMACアドレス学習機能を有するスイッチングハブにより構成されるEthernet網において、End−to−End間の端末と網資源管理装置との通信開始時に行う呼処理により、網資源管理装置は一経路に対する伝送容量を図1に示す各ノードのMACアドレス、IPアドレス、ノード名、スイッチングハブの各ポート番号、接続先ノード、各ポートにおける伝送容量、各端末からの通信要求に対して割当てた伝送容量の和を記憶した容量割当管理データベースに割当てる。この詳細は、本発明とは直接関係がないので省略するが簡単に説明すると、網資源管理装置は、スイッチングハブに実装されたSNMP(Simple Network Management Protocol)もしくはRMON(Remote Network
Monitoring)もしくはRMON2(Remote Network Monitoring Version 2)等の網管理プロトコルを用いて網資源管理装置から各スイッチングハブのMIB(Management
Information Base)情報を収集する。MIBはネットワーク管理の標準規格で、エージェント(管理対象機器)は様々なネットワーク情報やその機器自体の情報を変数として保持している。これらを総称してMIBと呼び、ネットワーク監視のマネージャはこうしたエージェントの持つMIB情報をSNMPの利用により収集し、ネットワークや機器の状態(スイッチングハブの各ポート毎)を監視することができる。
各端末は、端末間を結ぶ伝送路でその最大遅延時間を決めるため、伝送路の使用伝送容量(フレームレート)管理が必要になる。その一例として、TCPVegasがある。一般的に使用されているTCPRenoは、セグメントロスを利用して大きくなり過ぎたウィンドウサイズの調整を行う。したがって、セグメントロスの発生直後にウィンドウサイズが必要以上に小さくなるため、スループットが低下する。一方、TCPVegasは送信したセグメントのRTT(Round Trip Time)を観測し、その変動をウィンドウサイズの調整に利用する。
つまり、RTTが大きくなればネットワークが輻輳していると判断してウィンドウサイズを小さくし、RTTが小さくなれば逆にウィンドウサイズを増加させる。これにより、送信レートの制御を行うことができる。なお、ウィンドウ内の時間に集中して送出するのではなく、フレーム間隔を空けて送る方法をとると、ピークレートを下げられるのでスイッチングハブでのバッファ容量の低減が図れる利点がある。同様にフレーム間隔を制御したピークレートを制限するUDP(User Datagram Protocol)でも望ましい。本発明は、このように伝送路の使用伝送容量を各端末が管理していることが前提となる。
このような最大伝送容量保証を行う網資源管理装置とMACアドレス学習機能を有するスイッチングハブにより構成される網において、スイッチングハブ間でのループ回避のためにスパニングツリープロトコルを用いる。このとき、網資源管理装置がスパニングツリープロトコルにより設定される伝送路への伝送容量保証を行う通信要求に対して、網資源管理装置で切替の可能性がある通信経路全てに伝送容量を割当てることにより、利用可能伝送路が切断し、予備伝送路へ切り替わったとしても最大伝送容量を保証する通信が可能であることを図2から図4を用いて説明する(請求項1)。
図2は本発明の実施例を示すブロック図である。1−1は網資源管理装置、2−1〜2−8はEthernet端末、3−1〜3−7はMACアドレス学習機能付きスイッチングハブ、4−1〜4−14は伝送路である。ここで、各伝送路は初期状態としてスパニングツリープロトコルにより実線は利用可能伝送路(Available Link)、点線は予備伝送路(Backup Link)に設定される。また、図2に示される各スイッチングハブに示された数字はそのスイッチングハブのポート番号を表す。
図2に示されるスイッチングハブ3−1と3−2との間で、伝送路4−7と4−16とによって二重接続されているとき、スイッチングハブ3−1と3−2との間でループが発生する。このループを回避するため、スイッチングハブ間ではスパニングツリープロトコルが動作し、このループを回避するトポロジーを構成する。
スパニングツリープロトコルによりループ回避をした網(伝送路4−7が利用可能伝送路)において、網資源管理装置は端末からの通信要求により決定されるEnd−to−Endの全ての経路に対して通信要求時の伝送容量を割当てる。これにより、利用可能伝送路が除去または故障により予備伝送路へ切り替わったとしても、スループットを低下させることなく、データ伝送を行うことができる。
例えば、図2において、端末2−1と端末2−8とが30Mbpsの最大伝送容量を保証する通信を確立させる場合には、網資源管理装置上の容量割当データベースは図3および図4に示されるように、そのEnd−to−Endの経路「伝送路4−1→4−3→4−7→4−8→4−10→4−14」と「伝送路4−1→4−3→4−16→4−8→4−10→4−14」とにそれぞれ30Mbpsを割当てる。しかし、実際の網では伝送路4−7が利用可能伝送路に設定されているので、経路「伝送路4−1→4−3→4−7→4−8→4−10→4−14」を使用して通信が開始される。
端末2−1と端末2−8との通信確立中に伝送路4−7が切断され、網資源管理装置で資源管理しているEnd−to−Endの一経路において通信が不可能となる場合には、スイッチングハブ3−2はスパニングツリープロトコルにより伝送路4−7から伝送路4−16へ利用可能伝送路を切り替える。この際「伝送路4−1→4−3→4−7→4−8→4−10→4−14」を流れていたデータは予め伝送容量が割当てられていた「伝送路4−1→4−3→4−16→4−8→4−10→4−14」によりデータ転送を続けることができる。ここで、図4で示される容量割当管理データベースでは各ノードのMACアドレスを図3で示す各ノード(網資源管理装置、スイッチングハブ、端末)の番号で表し、説明に関わる部分だけを表した。また、IPアドレス、ノード名の表記を省略した。
このようなスパニングツリープロトコルによるトポロジー変化が生じても、予め網資源管理装置で切替の可能性がある通信経路全てに伝送容量を割当てることにより、スループットを低下させることなくデータ伝送を行うことができる。
しかし、この伝送路の切替時にMACアドレス未学習の期間が発生する可能性がある。これには、伝送路の切断などによる利用可能伝送路(Available Link)から予備伝送路(Backup Link)への切替え時の障害回復時間はスパニングツリーでは数十秒(約50sec)かかるが、ラピッドスパニングツリープロトコル(IEEE802.1w)を用いることで障害回復時間を数秒以下(約50msec)に短縮させることができる。さらに、伝送路の切替えによる障害回復後、各スイッチングハブはMACアドレス学習が完了していない。そのため、各スイッチングハブがMACアドレス学習を終えるまで先願Bのスイッチングハブにより最大伝送容量を保証するフレームを非優先処理(容量保証されていない通信)とするため、一時的な品質低下が発生するが、網資源管理装置では伝送路に対する伝送容量の再割当が不要になるため最大伝送容量保証をする通信中におけるトポロジー変更に対して迅速に対応できる。
(第二実施例)
第一実施例において、スパニングツリープロトコルにより設定される伝送路への伝送容量保証を行う通信要求に対し、網資源管理装置で切替えの可能性がある通信経路全てに伝送容量を割当てる際、通信経路が重なる経路には多重に伝送容量を割当てないことを図2および図5および図6を用いて説明する(請求項2)。
つまり、第一実施例では伝送容量保証を行う通信要求(30Mbps)に対しての各通信経路毎に対して伝送容量を割当てるので、通信経路が重なる経路には図4のように多重に伝送容量を割当てる(60Mbps)が、第二実施例では、スパニングツリープロトコルにより設定される利用可能伝送路(Available Link)経由の経路と予備伝送路(Backup Link)経由の経路とを多重に割当てない資源管理をすることで、利用可能伝送路が除去または故障により予備伝送路へ切り替わったとしても、スループットを低下させることなく、データ伝送を行うことができる。
例えば、図2において網資源管理装置は伝送路4−7と伝送路4−16とを同じように資源管理する。しかし、網上ではスパニングツリープロトコルにより伝送路4−7だけが利用可能となっている。
端末2−1と端末2−8とが30Mbpsの最大伝送容量を保証する通信を確立させる場合には、網資源管理装置上の容量割当データベースはそのEnd−to−Endの一経路「伝送路4−1→4−3→4−7→4−8→4−10→4−14」に30Mbpsを割当てる。その際、スパニングツリープロトコルにより予備伝送路に設定された伝送路4−16にも図5および図6に示すように伝送路4−7と同様に30Mpbsを割当てる。すなわち、経路が重なっている伝送路4−1→4−3および伝送路4−8→4−10→4−14には60Mbpsではなく、30Mbpsを割当てる。端末2−1と端末2−8との通信確立中に伝送路4−7が切断され、網資源管理装置で資源管理しているEnd−to−Endの一経路において通信が不可能となる場合には、スイッチングハブ3−2はスパニングツリープロトコルにより伝送路4−7から伝送路4−16へ利用可能伝送路を切り替える。この際、伝送路4−7を流れていたデータは図5および図6に示されるように伝送路4−7と同一最大伝送容量を予め割当てられている伝送路4−16により転送を続けることができる。ここで、図6で示される容量割当管理データベースでは各ノードのMACアドレスを図5で示す各ノード(網資源管理装置、スイッチングハブ、端末)の番号で表し、説明に関わる部分だけを表した。また、IPアドレス、ノード名の表記を省略した。
このようなスパニングツリープロトコルによるトポロジー変化が生じても、予め利用可能伝送路と予備伝送路とを同一資源管理することで、スループットを低下させることなくデータ伝送をおこなうことができる。また、第一実施例ではEnd−to−Endの各経路毎に資源管理をするので、重なる経路には多重に伝送容量を割当てるが、第二実施例では利用可能伝送路と予備伝送路だけを同じように資源管理することで、重なる経路には多重に伝送容量を割当てる必要がなく、通信要求に対する伝送容量を割当てるだけでよい。これは、網資源を有効に使用することができる。
(第三実施例)
複数のスパニングツリープロトコルが動作する場合の一例を説明するため、図2とは異なる場所でのスパニングツリープロトコルの動作を図7(スイッチングハブ3−1、3−2、3−4および伝送路4−3、4−7、4−17によりループを構成)に示す。また、図2と図7におけるループ構成を用いた場合(包含関係の例)について図10に示す。
第二実施例において、網資源管理装置が端末からの通信要求を受信し、その通信要求に対するEnd−to−Endの経路上に伝送容量を割当てるとき、スパニングツリープロトコルによりその経路上にループを発見すると、そのループを構成する伝送路全てに通信要求と同じ伝送容量を割当てることにより、伝送路が切断し、スパニングツリープロトコルによりトポロジー変化が生じても最大伝送容量を保証する通信が可能である網資源管理を図7から図12を用いて説明する。
図7において網資源管理装置は伝送路4−3、4−7、4−17を同じように資源管理する。ここで、網上ではスパニングツリープロトコルにより伝送路4−3と4−7とは利用可能伝送路(Available Link)、伝送路4−18は予備伝送路(Backup Link)に設定される。
端末2−1と端末2−8とが30Mbpsの最大伝送容量を保証する通信を確立させる場合には、網資源管理装置上の容量割当データベースはそのEnd−to−Endの一経路「伝送路4−1→4−3→4−7→4−8→4−10→4−14」に30Mbpsを割当てる。その際、網資源管理装置は図8および図9に示されるスパニングツリープロトコルにより予備伝送路に設定される伝送路4−17にも30Mbpsを割当てる。これにより、スパニングツリープロトコルにより図9に示されるように端末2−1と端末2−8との間に設定される全ての伝送路上に伝送容量を割当てるので、伝送路の切断などによるトポロジー変化が生じても端末2−1と端末2−8との間において最大伝送容量保証する通信ができる。
次に、図2と図7とにおけるループ構成を用いた図10(包含関係)において、網資源管理装置は伝送路4−3、4−7、4−16、4−17を同じように資源管理する。ここで、網上ではスパニングツリープロトコルにより伝送路4−3と4−7とが利用可能伝送路、伝送路4−16と4−17とは予備伝送路に設定されている。
端末2−1と端末2−8とが30Mbpsの最大伝送容量を保証する通信を確立させる場合には、網資源管理装置上の容量割当データベースはそのEnd−to−Endの一経路「伝送路4−1→4−3→4−7→4−8→4−10→4−14」に30Mbpsを割当てる。その際、網資源管理装置は図11および図12に示されるスパニングツリープロトコルにより予備伝送路に設定される伝送路4−17にも30Mbpsを割当てる。また、伝送路4−3、4−7、4−17とともにループを構成する伝送路4−16にも同様にして経路が重なる部分「伝送路4−1→4−3および伝送路4−8→4−10→4−14」には多重に伝送容量割当をしないで30Mbpsを割当てる。これにより、スパニングツリープロトコルにより端末2−1と端末2−8との間に設定される全ての伝送路上に伝送容量を割当てるので、伝送路の切断などによるトポロジー変化が生じても端末2−1と端末2−8との間において最大伝送容量保証する通信ができる。
以上のように、網資源管理装置が端末からの通信要求を受信し、その通信要求に対するEnd−to−Endの経路上に伝送容量を割当てるとき、網上でループを構成する全ての伝送路にも通信要求と同じ伝送容量を割当てることにより、伝送路の切断によるトポロジー変化が生じても最大伝送容量を保証する通信が可能である。
本発明は、汎用の情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に本発明の網資源管理装置に相応する機能を実現させるプログラムとして実現することができる(請求項3、4)。このプログラムは、記録媒体に記録されて情報処理装置にインストールされ(請求項5)、あるいは通信回線を介して情報処理装置にインストールされることにより当該情報処理装置に、本実施例で説明した網資源管理装置に相応する機能を実現させることができる。
本発明によれば、スパニングツリープロトコルが適用されるネットワーク環境下であっても、最大伝送容量を保証することができるため、信頼性の高いネットワークを構築でき、ユーザに対するサービス品質を向上させることができる。
容量管理データベースの一例を示す図。 本発明の一実施例を示す網構成図(スイッチングハブ2台でループ構成)。 図2における網資源管理装置が通信要求に対する伝送容量を割当てる際に、通信経路全てに伝送容量を割当てる一実施例を示す図。 図3における通信要求に対する伝送容量割当てをした容量管理データベースの一例を示す図。 図2における網資源管理装置が通信要求に対する伝送容量を割当てる際に、通信経路が重なる経路には多重に伝送容量を割当てない一実施例を示す図。 図5における通信要求に対する伝送容量割当てをした容量管理データベースの一例を示す図。 本発明の一実施例を示す網構成図(スイッチングハブ3台でループ構成)。 図7における網資源管理装置が通信要求に対する伝送容量を割当てる一実施例を示す図。 図8における通信要求に対する伝送容量割当てをした容量管理データベースの一例を示す図。 図2と図7におけるループ構成を用いた本発明の一実施例を示す網構成図。 図10における網資源管理装置が通信要求に対する伝送容量を割当てる一実施例を示す図。 図11における網資源管理装置が通信要求に対する伝送容量を割当てる一実施例を示す図。
符号の説明
1−1 網資源管理装置
2−1〜2−8 端末
3−1〜3−7 スイッチングハブ
4−1〜4−17 伝送路

Claims (5)

  1. 最大伝送容量保証を行う網資源管理装置とMAC(Machine Access
    Control)アドレス学習機能および最大伝送容量を保証するEthernet(登録商標)フレームを優先処理する機能を有するスイッチングハブにより構成されるEthernet網に適用される前記網資源管理装置において、
    スパニングツリープロトコルにより設定されるEthernet伝送路への伝送容量保証を行う通信要求に対し、当該スパニングツリープロトコルに基づき将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路に対してもあらかじめ伝送容量を割当てる手段を備えた
    ことを特徴とする網資源管理装置。
  2. 前記割当てる手段は、現在使用中の通信経路が前記将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路と重なるときには、当該現在未使用の通信経路に対する伝送容量の割当てを禁止する手段を備えた請求項1記載の網資源管理装置。
  3. 最大伝送容量保証を行う網資源管理装置とMACアドレス学習機能および最大伝送容量を保証するEthernetフレームを優先処理する機能を有するスイッチングハブにより構成されるEthernet網に適用される前記網資源管理装置に適用されるプログラムにおいて、
    情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、
    スパニングツリープロトコルにより設定されるEthernet伝送路への伝送容量保証を行う通信要求に対し、当該スパニングツリープロトコルに基づき将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路に対してもあらかじめ伝送容量を割当てる機能を実現させる
    ことを特徴とするプログラム。
  4. 前記割当てる機能として、現在使用中の通信経路が前記将来切替えの可能性がある現在未使用の通信経路と重なるときには、当該現在未使用の通信経路に対する伝送容量の割当てを禁止する機能を実現させる請求項3記載のプログラム。
  5. 請求項3または4記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読み取り可能な記録媒体。
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