JP2005100531A - 情報媒体の製造方法 - Google Patents

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敏 松葉口
Takayoshi Ose
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Abstract

【課題】 下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法であって、下地層と色材受容層との密着力を高くすることができる情報媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法であって、前記下地層を形成し、該下地層表面の水の接触角を3〜20°に設定した後、少なくとも、微粒子と、結合剤と、架橋剤と、媒染剤と、を含有する色材受容層を形成する工程を有することを特徴とする情報媒体の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、文字や写真などを印刷することができるプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法に関する。
広く市場に受け入れられている情報媒体の規格として、CD(コンパクトディスク)とDVD(デジタルバーサタイルディスク)とがある。
CDとしては、読み出し専用のCD−ROM、1回限り情報の記録が可能な追記型のCD−R、何回でも情報の記録が書き換えられる書き換え可能型のCD−RWがある。
CD−ROMは、例えば、直径120mm、厚さ1.2mmの透明基板に1.6μmのトラックピッチでピット列が形成され、約650Mバイトの記録容量を有しており、線速度を1.2〜1.4m/sで一定とし波長770〜790nmのレーザ光を照射して情報を再生する。
一方、DVDもCDの場合と同様に、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RWがある。
DVD−ROMは記録密度がCDの約6〜8倍で、構成としては厚さ0.6mm程度の2枚の基板を貼り合わせた構成等があり、0.74μmのトラックピッチでピットが形成され、線速度を3.5m/s程度で一定とし波長635〜650nmのレーザ光を照射して情報を再生する。
近年、このようなCDやDVDにおいて、情報の再生面とは反対側の面に、インクジェットプリンターで画像の印画ができるようにプリンタブル層が形成された情報媒体が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。このような情報媒体のプリンタブル層として、例えば、紫外線硬化樹脂からなる下地層上に親水性の色材受容層、すなわちカチオン性有機粒子を水に分散させたエマルション組成物を塗工し積層したプリンタブル層を有する光記録媒体が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この色材受容層は、紫外線硬化樹脂からなる下地層との親和性が悪く、剥離することがあるという問題があった。
特開2002−245671号公報 特開2002−133722号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法であって、下地層と色材受容層との密着力を高くすることができる情報媒体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法であって、前記下地層を形成し、該下地層表面の水の接触角を3〜20°に設定した後、少なくとも、微粒子と、結合剤と、架橋剤と、を含有する色材受容層を形成する工程を有することを特徴とする情報媒体の製造方法である。
<2> 前記微粒子が、気相法シリカ、擬ベーマイト、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種であること、前記結合剤がポリビニルアルコールであること、前記架橋剤がホウ素化合物であること、及び前記色材受容層がさらに媒染剤を含むことを特徴とする前記<1>に記載の情報媒体の製造方法である。
<3> 前記色材受容層が、さらに、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする前記<1>または<2>に記載の情報媒体の製造方法である。
RO(CH2CH2O)nH 一般式(1)
[一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2)
[一般式(2)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
<4> 前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物が、水溶性であることを特徴とする前記<3>に記載の情報媒体の製造方法である。
<5> 前記一般式(1)及び一般式(2)において、前記Rが、炭素数1〜4の飽和炭化水素基であることを特徴とする前記<3>または<4>に記載の情報媒体の製造方法である。
<6> 前記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物と前記微粒子と前記結合剤とを含む塗布液を前記下地層上に塗布し、該塗布と同時に、または、前記塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を示す前に、前記塗布層に、前記架橋剤と前記媒染剤とを含む溶液を付与した後、前記塗布層を硬化させて前記色材受容層を形成することを特徴とする前記<3>から<5>のいずれかに記載の情報媒体の製造方法である。
<7> 前記微粒子と分散剤とからなる水分散物に、前記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物と前記結合剤と前記架橋剤とを含む溶液を添加し再分散して得られる塗布液を前記下地層上に塗布し、該塗布と同時に、または、前記塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を示す前に、前記塗布層に、前記架橋剤と前記媒染剤とを含む溶液を付与した後、前記塗布層を硬化させて 前記色材受容層を形成することを特徴とする前記<3>から<5>のいずれかに記載の情報媒体の製造方法である。
本発明によれば、下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法であって、下地層と色材受容層との密着力を高くすることができる情報媒体の製造方法を提供することができる。
本発明の情報媒体の製造方法は、下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法であって、前記下地層を形成し、該下地層表面の水の接触角を3〜20°に設定した後、少なくとも、微粒子と、結合剤と、架橋剤と、を含有する色材受容層を形成する工程を有することを特徴としている。以下、先ず、本発明の情報媒体の製造方法により製造される情報媒体について説明する。
<情報媒体>
本発明の製造方法により製造される情報媒体は、磁気媒体、光媒体、半導体媒体などに適用することができ、形態としては、ディスク状、テープ状、カートリッジ収納型でもよく、カートリッジ収納型の場合はリムーバブルであることが好ましい。特に、ディスク状の媒体で光情報記録媒体(光ディスク)が好ましい。
光ディスクの場合、CD、DVD、青紫色レーザーで記録再生する光ディスクなど、如何なるものであってもよい。
青紫色レーザーで記録する媒体の場合、DVDのような貼り合わせタイプと、1.1mm基板上に記録層とカバー層とが形成され、カバー層側からレーザー光が入射するタイプとがあるが、いずれであってもよい。
プリンタブル層を形成する箇所は、レーザー光が入射する面の反対側が基本であるが、レーザー光が入射する側でも入射エリア以外の領域であればプリンタブル層を形成することができる。
本発明に係る情報媒体は、ROM型でも、書き換え可能型、及び追記型のいずれでもよいが、特に、追記型が好ましい。
以下、本発明に係る情報媒体に使用される基板および各層について説明する。なお、層構成や材料等は、単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
[基板]
基板としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。
基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。
青紫色レーザーで記録する媒体の場合、プリグルーブのトラックピッチは、200〜800nmの範囲とすること好ましく、200〜500nmとすることがより好ましく、200〜400nmとすることがさらに好ましい。
また、プリグルーブの深さ(溝深さ)は、10〜180nmの範囲とすることが好ましく、20〜150nmとすることがより好ましい。
さらに、プリグルーブの半値幅は、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、230〜380nmとすることがより好ましく、250〜350nmとすることがさらに好ましい。
DVD−RまたはDVD−RWの場合は、プリグルーブのトラックピッチは、300〜900nmの範囲とすること好ましく、350〜850nmとすることがより好ましく、400〜800nmとすることがさらに好ましい。
また、プリグルーブの深さ(溝深さ)は、100〜160nmの範囲とすることが好ましく、120〜150nmとすることがより好ましく、130〜140nmとすることがさらに好ましい。
さらに、プリグルーブの半値幅は、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、230〜380nmとすることがより好ましく、250〜350nmとすることがさらに好ましい。
CD−RまたはCD−RWの場合は、プリグルーブのトラックピッチは、1.2〜2.0μmの範囲とすること好ましく、1.4〜1.8μmとすることがより好ましく、1.55〜1.65μmとすることがさらに好ましい。
プリグルーブの深さ(溝深さ)は、100〜250nmの範囲とすることが好ましく、150〜230nmとすることがより好ましく、170〜210nmとすることがさらに好ましい。
プリグルーブの半値幅は、400〜650nmの範囲とすることが好ましく、480〜600nmとすることがより好ましく、500〜580nmとすることがさらに好ましい。
[記録層]
DVD−Rの場合、記録層に用いる色素は特に限定されないが、使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜200nmの範囲にある。
DVD−RWの場合、記録層は、結晶状態と非晶状態の少なくとも2つの状態をとり得る少なくともAg、Al、Te、Sbからなる相変化型の光記録材料からなることが好ましい。かかる記録層は、公知の方法で形成することができる。
なお、当該記録層上には、必要に応じて、公知の誘電体層が形成される。
[光反射層]
光反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
[保護層、保護基板]
反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を記録層を内側にして貼り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層の材料としては、SiO2、MgF2、SnO2、Si34などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を用いることができる。保護層の層厚は、一般には0.1〜100μmの範囲にある。
また、反射層と記録層との間に、記録層の特性に応じて、例えば、記録層との接着性向上のための光透過層を設けてもよい。
光透過層としては、レーザー波長で90%以上の透過率があるものであれば如何なる材料をも使用することができる。
上記光透過層は、従来公知の方法により形成することができ、光透過層の厚さは、2〜50nmとすることが好ましい。
保護層は、水分の侵入やキズの発生を防止する。保護層を構成する材料としては、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等であることが好ましく、なかでも紫外線硬化樹脂であることが好ましい。該紫外線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」等の紫外線硬化樹脂を挙げることができる。また、SD−347(大日本インキ化学工業(株)製)、SD−694(大日本インキ化学工業(株)製)、SKCD1051(SKC社製)等を使用することができる。保護層の厚さは、1〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
また、保護層が、レーザー光路として使用される層構成においては、透明性を有することが必要とされる。ここで、「透明性」とは、記録光および再生光に対して、該光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
なお、本発明に係る情報媒体は、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチや、記録層を構成する材料等を適宜設定することで、従来のDVD等よりトラックピッチが狭く、使用されるレーザ光より小さい波長のレーザ光で情報の記録再生を行うことが可能な情報媒体にも適用することができる。
[プリンタブル層]
本発明に係る情報媒体においては、下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する。以下、プリンタブル層の各層について説明する。
(下地層)
不透明性の高い下地層が設けられると、紙に近い拡散性を有し、画質が向上する。特に、白色の下地層を設けると色再現性を良好とすることができる。下地層を光沢性の高いものにすると、光沢写真のように仕上がり、マット性の高いものとすると、マット写真のように仕上がる。下地層は、様々な色を用いると、様々な印象の画像を形成することができる。また、蛍光性の下地層の場合、蛍光性の画質とすることができる。
下地層の材質としては、紫外線、電子ビーム、X線、γ線、赤外線等の電磁波によって硬化する放射線硬化樹脂が好適に用いられる。
下地層の層厚としては、0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜20μmが最も好ましい。
(色材受容層)
本発明における色材受容層は、上述のように、微粒子と、結合剤と、架橋剤と、を少なくとも有し、さらに、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物、各種添加剤などを含んでいてもよい。
また、本発明における色材受容層は、塗布適性や表面品質を高める目的で公知各種の界面活性剤や、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、イオン導電性を持つ公知の界面活性剤、光褪色性を高める目的で酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐オゾン退色性を高める目的で、イオウ含有化合物等を、本発明の効果を損なわない範囲で併用してもよい。
〈微粒子〉
上述の通り、本発明における色材受容層は、微粒子を含有する。微粒子としては、気相法シリカ、擬ベーマイト、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト等が挙げられ、中でも、気相法シリカ、擬ベーマイト、酸化アルミニウムが好ましい。
−気相法シリカ−
シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリカ」とは該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を意味する。
上記気相法シリカは、上記含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
上記気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散を行えば色材受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特徴がある。
上記気相法シリカの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下がさらに好ましく、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
また、含水シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等の他の無機顔料微粒子を併用してもよい。該他の無機顔料微粒子と上記気相法シリカとを併用する場合、全無機顔料微粒子中、気相法シリカの含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
−擬ベーマイト−
擬ベーマイトは、Al23・xH2O(1<x<2)で表され、一般にその結晶は(020)面が巨大な平面を形成する層状の化合物であり、その格子定数dは0.67nmである。ここで、擬ベーマイトは、過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造を有するものである。擬ベーマイトは、インクを良く吸収し定着し、インクの吸収性及び経時ニジミを向上させることができる。
また、容易に平滑な層が得られることから、ゾル状の擬ベーマイト(擬ベーマイトゾル)を原料として用いることが好ましい。
擬ベーマイトの一次平均粒子径は50nm以下であることが好ましく、30nm以下であることが更により好ましく、20〜3nmの範囲内であることが特に好ましい。擬ベーマイトの平均一次粒径が上記範囲内にあると、空隙率の大きい構造を形成することができ、さらに色材受容層のインク吸収性を向上させることができる。尚、前記平均一次粒子径は、例えば電子顕微鏡を用いて測定することができる。また、擬ベーマイトのBET比表面積としては、40〜500m2が好ましく、200〜500m2が更に好ましい。
更に、前記擬ベーマイトのアスペクト比としては、3〜10が好ましい。擬ベーマイトの細孔構造については、その平均細孔半径は1〜30nmが好ましく、2〜15nmがより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0ml/g(cc/g)が好ましく、0.5〜1.5ml/g(cc/g)がより好ましい。ここで、上記細孔半径および細孔容積の測定は、窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名「オムニソープ369」)により測定できる。
また、擬ベーマイトは、水系溶媒に分散して用いるのが好ましい。分散して用いる場合の分散液中における擬ベーマイトの含有量としては、60質量%以下が好ましく、5〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。
擬ベーマイトは、上記範囲で特に効果的に分散させることができ、例えば、分散時において擬ベーマイト同士の粒子間距離が短くなること等に起因する増粘やゲル化等を効果的に抑制することができる。
擬ベーマイト(A)及びこれと併用する気相法シリカ(S)との含有比(S:A)としては、95:5〜5:95となる範囲が好ましく、80:20〜20:80の範囲がより好ましく、70:30〜30:70の範囲が特に好ましい。
前記含有比の範囲で気相法シリカと擬ベーマイトを併用すると、複数色の全てのインクの経時ニジミを色相に依存することなく効果的に防止することができ、多色に画像形成する場合でも高解像度で鮮やかな画像を形成し、保持することができる。
−酸化アルミニウム−
本発明における酸化アルミニウムとしては、例えば、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナ等の無水アルミナや、活性酸化アルミニウムが挙げられる。これらの中でも好ましいアルミナ微粒子は、δ−アルミナであり、また、製造方法による観点からは、気相法により製造されるアルミナ微粒子、すなわち酸水素反応の際に発生する水の存在の下で、またそのような反応に特徴的な温度において、気体状の金属塩化物を加水分解することにより得られる気相法アルミナ微粒子が、比表面積が大きいため好ましい。
上記酸化アルミニウムの形態としては、例えば、所定の粒子径を有する微細な粒子、微粒子、微細粒子、粉体、微粉、微細粉等を採用することができ、その平均一次粒子径は、200nm以下であることが好ましく、5〜100nmであるのがさらに好ましく、特に5〜20nmであることが好ましい。上記アルミナ微粒子の平均一次粒径が上記範囲内にあると、空隙率の大きい構造を形成することができ、さらに色材受容層のインク吸収性を向上させることができる。なお、上記平均一次粒子径は、例えば、電子顕微鏡を用いて測定することができる。
また、本発明において酸化アルミニウムは、分散液に分散して用いるのが好ましい。上記分散液中の酸化アルミニウムの含有量は、60質量%以下が好ましく、5〜60質量%がさらに好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。酸化アルミニウムの含有量が上記範囲内にあると、酸化アルミニウムをより効果的に分散させることができる。上記分散液における酸化アルミニウムの含有量が多くても60質量%以下であると、例えば、分散液中において酸化アルミニウム微粒子同士の粒子間距離が短くなること等に起因する増粘やゲル化等を効果的に抑制することができる。また、上記分散液には凝集防止剤として、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、第4級アンモニウム塩基を有するカチオンポリマーを添加してもよい。上記凝集防止剤の添加量としては、酸化アルミニウム微粒子に対して、1〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がさらに好ましい。該添加量が、1質量%未満では分散性に劣る場合があり、10質量%を超えると色材受容層に印画した際、色濃度が低下することがあるため好ましくない。
上記酸化アルミニウムの色材受容層における固形分含有量は50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。上記含有量が60質量%を超えていると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能となり、十分なインク吸収性を備えた色材受容層が得られるので好ましい。ここで、上記酸化アルミニウムの色材受容層における固形分含有量とは、色材受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量である。
また、本発明においては酸化アルミニウムと、他の微粒子と併用してもよい。該他の微粒子と上記酸化アルミニウムとを併用する場合、全微粒子中の本発明における酸化アルミニウムの含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
上記他の微粒子としては、有機微粒子、無機微粒子のいずれでもよいが、インク吸収性および画像安定性の点から、無機微粒子が好ましい。
[結合剤]
上述の通り、本発明において、色材受容層は結合剤を含有する。当該結合剤としては水溶性樹脂が好ましい。
上記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位として水酸基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性PVA、カチオン変性PVA、アニオン変性PVA、シラノール変性PVA、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔例えば、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕などが挙げられる。
また、水溶性樹脂として、解離性基としてカルボキシ基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も利用することができる。
以上の中でも、特にポリビニルアルコール(PVA)系樹脂が好ましい。該ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号等に記載されたもの等を使用できる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹脂の例としては、特開平11-165461号公報の段落番号[0011]〜[0014]に記載の化合物等も挙げられる。
これら水溶性樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。また、本発明において、上記水溶性樹脂の含有量としては、色材受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
また、ポリビニルアルコール系樹脂は、前記その他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性樹脂と上記ポリビニルアルコール系樹脂とを併用する場合、全水溶性樹脂中、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
上記ポリビニルアルコールは、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成しやすくする。上記三次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造の色材受容層を形成しうると考えられる。
インクジェット記録において、上述のようにして得た多孔質の色材受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インクニジミのない真円性の良好なドットを形成することができる。
また、透明性の観点から、鹸化度70〜99%のポリビニルアルコールがさらに好ましく、鹸化度80〜99%のポリビニルアルコールが特に好ましい。
(微粒子と水溶性樹脂との含有比)
色材受容層内の上記微粒子(x)と前記水溶性樹脂(y)との質量含有比〔PB比(x/y)〕は、該色材受容層の膜構造及び膜強度に大きな影響を与える。即ち、該質量含有比〔PB比〕が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなるが、密度や強度は低下する傾向にある。
本発明に係る色材受容層では、上記質量含有比〔PB比(x/y)〕としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
インクジェット記録プリンターの搬送系を通過する場合、情報媒体に応力が加わることがあるので、色材受容層は十分な膜強度を有していることが好ましい。またシート状に裁断加工する場合、色材受容層の割れや剥がれ等を防止する上でも、色材受容層には十分な膜強度を有していることが好ましい。これらの場合を考慮すると、上記PB比(x/y)としては5/1以下がより好ましく、一方、インクジェット記録プリンターで、高速インク吸収性を確保する観点からは、2:1以上であることがより好ましい。
具体的には、例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカ微粒子と水溶性樹脂とを、PB比(x/y)2/1〜5/1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖とする三次元網目構造が形成され、その平均細孔径が30nm以下、空隙率が50〜80%、細孔比容積が0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
[架橋剤]
色材受容層は、前記結合剤を架橋し得る架橋剤を含む。架橋剤を含有させることにより、架橋剤と結合剤との架橋反応によって硬化された多孔質層とすることができる。
前記の水溶性樹脂、特にポリビニルアルコールの架橋には、ホウ素化合物が好ましい。該ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO32、Co3(BO32、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO22、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好ましい。
水溶性樹脂の架橋剤として、上記のホウ素化合物以外の化合物を使用することもできる。例えば、
ホルムアルデヒド、グリオキザール、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドスターチ、植物ガムのジアルデヒド誘導体等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、1,2−シクロペンタンジオン、3−ヘキセン−2,5−ジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル)尿素、ビス(2−クロロエチル)スルホン、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン、1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、ジビニルケトン、1,3−ビス(アクリロイル)尿素、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;トリメチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン、メラミン、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂等のメラミン化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル、フェノール樹脂のポリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシナネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号等に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号等に記載のカルボジイミド系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物;テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物;アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物;オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等:米国特許明細書第2725294号、米国特許明細書第2725295号、米国特許明細書第2726162号、米国特許明細書第3834902号等に記載の多価酸の無水物、酸クロリド、ビススルホナート化合物;米国特許明細書第3542558号、米国特許明細書第3251972号等に記載の活性エステル化合物等が挙げられる。
上記の架橋剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いることもできる。
上記架橋剤の付与は、上記多孔質性の色材受容層を形成する塗布液(色材受容層塗布液)が塗布されるのと同時に、あるいは色材受容層塗布液を塗布して形成された塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に行われることが好ましい。この操作により、塗布層が乾燥する間に発生するひび割れの発生を効果的に防止することができる。即ち、上記塗布液が塗布されたと同時に、あるいは塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前にホウ素化合物溶液(架橋剤溶液)が塗布層内に浸透し、塗布層内のポリビニルアルコールと速やかに反応し、ポリビニルアルコールをゲル化(硬化)させることにより、塗布層の膜強度を即時に大幅に向上させる。
また、本発明においては上記気相法シリカと分散剤とからなる水分散物に、上記結合剤と上記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物とを含む溶液(第1の溶液)を添加し再分散して得られる塗布液を、下地層の表面に塗布して、該塗布と同時に、または、該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を示す前に、上記塗布層に架橋剤を含む溶液(第2の溶液)を付与して色材受容層を形成する方法も好適に用いることができる。当該方法を用いる場合には、塗布液に添加する第1の溶液、および、後に付与する第2の溶液の両者に架橋剤を添加するのが好ましい。
上記ポリビニルアルコールにゼラチンを併用する場合には、ゼラチンの硬膜剤として知られている、下記化合物を架橋剤としてホウ素化合物と併用することができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等である。この場合、上記ホウ素化合物と他の架橋剤とを併用する場合、全架橋剤中ホウ素化合物の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
尚、上記ホウ素化合物は、一種単独でも、2種以上を組合わせてもよい。
上記ホウ素化合物を付与する際、その溶液はホウ素化合物を水及び/又は有機溶剤に溶解して調製される。
上記ホウ素化合物溶液中のホウ素化合物の濃度としては、ホウ素化合物溶液の質量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%が特に好ましい。
ホウ素化合物溶液を構成する溶媒としては、一般に水が使用され、該水と混和性を有するの有機溶媒を含む水系混合溶媒であってもよい。
上記有機溶剤としては、ホウ素化合物が溶解するものであれば任意に使用することができ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセリン等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;トルエン等の芳香族溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル、およびジクロロメタン等のハロゲン化炭素系溶剤等を挙げることができる。
〈媒染剤〉
本発明においては、形成画像の耐水性、耐経時ニジミの更なる向上を図るために、色材受容層に媒染剤が含有されることが好ましい。
上記媒染剤としてはカチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)が好ましく、該媒染剤を色材受容層中に存在させることにより、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用し色材を安定化し、耐水性や経時ニジミを向上させることができる。
しかし、これを直接色材受容層を形成するための塗布液に添加すると、アニオン電荷を有する気相法シリカとの間で凝集を生ずる懸念があるが、独立の別の溶液として調製し塗布する方法を利用すれば、無機顔料微粒子の凝集を懸念する必要はない。よって、本発明においては、上記気相法シリカとは別の溶液(例えば、架橋剤溶液)に含有して用いることが好ましい。
上記カチオン性媒染剤としては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、または第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染モノマー」という。)との共重合体または縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー、または水分散性のラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
上記単量体(媒染モノマー)としては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート、
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、またはそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的には、例えば、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
上記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。
上記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。
上記非媒染モノマーも、一種単独で、または二種以上組合せて使用できる。
更に、ポリマー媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレニミン、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン等も好ましいものとして挙げることができる。
上記ポリマー媒染剤の分子量としては、重量平均分子量で1000〜200000が好ましく、重量平均分子量で3000〜60000がさらに好ましい。上記分子量が1000〜200000の範囲にあると、耐水性が不十分となることがなく、また、粘度が高くなりすぎてハンドリング適正が低下するのを防止できる。
上記カチオン性の非ポリマー媒染剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の水溶性金属塩が好ましい。
〈一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物〉
本発明に係る情報媒体は、前記色材受容層に、さらに、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物を含むことが好ましい。下記一般式(1)及び下記一般式(2)で表される化合物は、高沸点溶剤である。
RO(CH2CH2O)nH 一般式(1)
[一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2)
[一般式(2)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
上記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を色材受容層に含むことで、3次元網目構造(多孔質構造)形成時の色材受容層の乾燥収縮を抑制することができる。これは、一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物が、気相法シリカ表面のシラノール基とポリビニルアルコールの水酸基との水素結合を適度に阻害するために色材受容層の乾燥収縮が緩和されるためと推測される。これにより3次元網目構造形成時における色材受容層の膜割れを防止でき、情報媒体の生産歩留まりや品質を向上させることができる。
また、色材受容層に、微粒子、ポリビニルアルコール、ホウ素化合物および媒染剤を併用することで、光沢度、インク吸収性、耐経時ニジミ、耐光性、印画濃度(最高濃度)等を向上させることができる。
上記一般式(1)及び(2)において、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表し、炭素数1〜4の飽和炭化水素基が好ましい。
上記飽和炭化水素基の炭素数は1〜12であり、好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜4ある。該飽和炭化水素基としては、アルキル基、脂環族炭化水素基等が挙げられる。該飽和炭化水素基は置換基によって置換されていてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
上記不飽和炭化水素基の炭素数は1〜12であり、好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1〜4である。該不飽和炭化水素基としては、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。該不飽和炭化水素基は置換基によって置換されていてもよい。具体的には、ビニル基、アリル基、エチニル基、1,3−ブタジエニル基、2−プロピニル基等が挙げられ、アリル基が好ましい。
上記アシル基としては、炭素数1〜8のアシル基が好ましく、1〜4のアシル基がさらに好ましい。該アシル基は置換基によって置換されていてもよい。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基が挙げられ、ブチリル基が好ましい。
上記一般式(1)及び(2)においてnは1〜3の整数を表し、2または3が好ましい。
一般式(1)及び(2)で表される化合物としては、水溶性の化合物が好ましい。ここで「水溶性」とは、水に1質量%以上溶解するものをいう。一般式(1)及び(2)で表される化合物としては、具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物は、その少なくとも1種を色材受容層に含んでいればよい。従って、一般式(1)または(2)で表される化合物を単独または2種以上含んでいてもよいし、一般式(1)及び(2)で表される化合物で表される化合物を併用してもよい。一般式(1)で表される化合物〔x〕及び一般式(2)で表される化合物〔y〕を併用する場合、その混合比(質量比;x:y)については特に限定はないが、好ましくは100:1〜100:100であり、更に好ましくは100:10〜100:50である。また、色材受容層中に含まれる一般式(1)及び(2)で表される化合物の総含有量としては、0.1〜5.0g/m2が好ましく、0.2〜3.0g/m2が更に好ましい。
〈他の成分〉
色材受容層は、必要に応じて下記成分を含んでいてもよい。
色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
上記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位または6位のうち1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同3,707,375号明細書、同3,754,919号明細書、同4,220,711号明細書等に記載されている。
蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用でき、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具体的には、特公昭45−4699号公報、同54−5324号公報等に記載されている。
上記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同309402号公報、同310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同62−262047号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同66−88381号公報、同63−113536号公報、
同63−163351号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、特開平2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−1108437号公報、同5−170361号公報、特公昭48−43295号公報、同48−33212号公報、米国特許第4814262号、同第4980275号公報等に記載のものが挙げられる。
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
上記褪色性防止剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。この上記褪色性防止剤は、水溶性化、分散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に含ませることもできる。
上記褪色性防止剤の添加量としては、色材受容層塗布液の0.01〜10質量%が好ましい。
また、無機顔料微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
[中間層]
本発明に係る情報媒体には、下地層と基板との間に中間層を設けてもよい。この場合、下地層と基板との密着性を向上させたり、情報媒体全体の反りを調整したりすることができる。
中間層の層厚としては、0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜20μmが最も好ましい。
[表面層]
本発明に係る情報媒体は、色材受容層の上に表面層があってもよい。表面層により、表面強度をさらに向上させたり、印画の保存性を向上させたりすることができる。表面層は、インクを受容するか、あるいは速やかに透過させる性質を有する必要がある。
表面層の層厚としては、0.01〜100μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましく、0.5〜5μmが最も好ましい。
本発明に係る情報媒体の厚みとしては、下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましく、0.7mmがさらに好ましい。また、上限としては、100mmが好ましく、20mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。薄すぎると、曲げたときに欠陥が発生することがある。厚すぎると、リムーバブル性に劣ることがある。
<情報媒体の製造方法>
次いで、本発明の情報媒体の製造方法について説明する。先ず、プリンタブル層が未形成の状態の情報媒体の製造方法について説明する。
[情報基板、保護基板の成形]
情報基板、保護基板の成形は、前述の基板材料を用い、射出成形、圧縮成形、又は射出圧縮成形によって行うことができる。また、スタンパーを油圧プレス機のモールディングダイスの片側に取り付け、溶融点付近まで加熱した樹脂をプレス加工することにより圧縮成形することもできる。
[記録層の形成]
記録層は、上記色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して色素溶液を調製し、次いでこの色素溶液を基板(情報基板)のプリグルーブが形成された面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより形成される。
塗布法として、スピンコート法を適用する際の温度は、23℃以上とすることが好ましく、25℃以上とすることがより好ましい。温度の上限は特にないが、溶剤の引火点より低い温度とする必要があり、好ましく35℃とする。
また、記録物質等を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方法を適用することができる。
色素溶液を調製する際の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
褪色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同3−224793号、及び同4−146189号等の各公報に記載されている。
前記結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素100質量部に対して0.2〜20質量部、好ましくは、0.5〜10質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。
塗布温度としては、20〜40℃であれば特に問題はないが、好ましくは25〜35℃、さらに好ましくは27〜33℃である。また、塗布時の相対湿度としは、20〜60%RHであればよく、好ましくは30〜50%RH、さらに好ましくは35〜45%RHである。
[光反射層の形成]
光反射層は、例えば、上記反射性物質を、蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。本発明においては、保存性を向上させる目的、或いは外観を変える目的で、反射層は上記材料を単層で積層してもよく、2種以上の材料を多層に積層してもよい。
[保護層の形成]
保護層は、無機物質の場合は、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により、有機物質の場合は、プラスチックフィルムのラミネート、溶剤に溶解した塗布液の塗布乾燥等により形成することができる。あるいは保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを、接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。
ディスクの反りを防止するため、塗布膜への紫外線の照射はパルス型の光照射器(好ましくは、UV照射器)を用いて行うのが好ましい。パルス間隔はmsec以下が好ましく、μsec以下がより好ましい。1パルスの照射光量は特に制限されないが、3kW/cm2以下が好ましく、2kW/cm2以下がより好ましい。
また、照射回数は特に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましい。
DVD−R、DVD−RWの場合は、保護層に代わって、紫外線硬化樹脂等からなる接着層および保護基板としての基板(厚さ:0.6mm程度、材質については前記基板と同様)を積層する。
すなわち、光反射層を形成した後、紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業(株)製SD640等)をスピンコート法によって、20〜60μmの厚さに塗布して、接着層を形成する。形成した接着層上に、例えば、保護基板としてのポリカーボネート基板(厚さ0.6mm)を載置し、基板上から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて貼り合わせる。
以上のようにして、基板上に記録層、光反射層、保護層または接着層を介した保護基板(ダミー基板)、等が設けられた積層体からなる情報媒体が作製される。
[プリンタブル層の形成]
本発明の製造方法においては、以上のようにして得られた情報媒体にプリンタブル層を形成する。
(下地層の形成)
下地層の形成手法は問わないが、生産性の観点から、放射線硬化樹脂をスクリーン印刷により形成することが好ましい。放射線硬化樹脂は、紫外線、電子ビーム、X線、γ線、赤外線等の電磁波によって硬化する樹脂であり、放射線としては、中でも、紫外線、電子ビームが好ましい。
本発明においては、以上のようにして、下地層を形成した後、該下地層表面の水の接触角を3〜20°に設定する。下地層表面の水の接触角を3〜20°の範囲に設定することにより、下地層の濡れ性が改善され、隣接する色材受容層との密着性を向上させることができ、ひいては、色材受容層の剥離を抑えることができる。下地層表面の水の接触角は、好ましくは3〜15°であり、より好ましくは、3〜10°である。下地層表面の水の接触角は、下地層に対する濡れ性を示す指標であり、下地層の水の接触角が20°を越えると、隣接する色材受容層との密着性が悪化する。
ここで、本発明における前記接触角は、下地層表面に蒸留水を滴下した後5秒経過後の接触角であり、協和界面科学(株)製のFACE CONTACT-ANGLE METERを使用して測定することができる。
下地層表面の水の接触角を3〜20°とする手段としては、プラズマ処理、コロナ放電、グロー放電などが挙げられる。
プラズマ処理の場合、具体的には、対向した電極を有し、その少なくとも一方の電極表面に固体誘電体を被覆した電極を有する処理装置内に、所定の圧力の下、不活性ガス若しくは不活性ガスと反応性ガスとからなる混合ガスを該装置に導入し、上記電極間に交流電圧を印加して、大気圧グロー放電プラズマを励起こさせ、該プラズマが励起こされている上記電極間に情報媒体を通過させることによって行うことができる。
プラズマ処理において、下地層表面の水の接触角を前記範囲内とするため、RF電力としては50〜150Wが好ましい。また、処理装置内の圧力は、6.65×10-2〜1.33×10-1Pa(5〜10mTorr)とすることが好ましい。さらに、プラズマ処理を施す時間としては、1〜3分とすることが好ましい。
プラズマ処理装置に導入する不活性ガスとしては、アルゴンガス、ネオンガス、ヘリウムガス、クリンプトンガス、キセノンガスなどが挙げられ、この中でもアルゴンガス、ネオンガス、ヘリウムガスが好ましく、特に処理効果およびコストの面からアルゴンガスが好ましい。上記不活性ガスは単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
前記コロナ放電処理の基本的処理法としては、スーパーギャップ方式、真空管方式、ソリッドステート方式などの公知の処理方法を利用することができる。具体的には、以下の通りである。
コロナ放電は、一般に、放電電極と、これに対向して設けられた被処理物を支持する回転自在なロール状電極の間において形成することができる。前記放電電極としては、棒状、板状、ナイフ状のいずれの形態でもよく、その材質としては、導電性材料(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、銅など)が好適である。また、前記ロール状電極としては、導体表面に誘電体が被覆されたものが好ましく、該誘電体としては、ゴム、ガラス、セラミック等から適宜選択することができる。また、一つのロール状電極に対して二以上の放電電極を設けてもよい。
コロナ放電処理において、下地層表面の水の接触角を前記範囲内とするため、コロナ処理量(放電量)としては、50〜100W・min/m2が好ましい。
(色材受容層の形成)
以上のようにして、下地層を形成し、該下地層表面の水の接触角を前記範囲内に設定した後、色材受容層を形成する。当該色材受容層の形成は、下地層の水の接触角を前記範囲内に設定した後、10時間経過するまでに形成することが好ましい。一定時間経過すると、前記接触角が変化するためである。
既述のように、色材受容層には、上記架橋剤溶液を付与する過程で媒染剤が導入されることが好適である。即ち、色材受容層は、一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物と微粒子とポリビニルアルコールとを含有する塗布液(色材受容層用塗布液)を下地層上に塗布し、該塗布と同時に、または形成された塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に、該塗布層にホウ素化合物と媒染剤とを含有する溶液(架橋剤溶液)を付与した後、該溶液を付与した塗布層を架橋硬化させる方法(WOW法;Wet On Wet法)により形成されることが好ましい。当該方法において色材受容層用塗布液のpHは8.0〜10.0でアルカリ性を示す。
また、本発明に係る情報媒体の色材受容層は、色材受容層用塗布液と、架橋剤溶液とを、架橋剤と反応しない材料からなるバリアー液(但し、架橋剤を含む溶液若しくはバリアー液の少なくとも一方に媒染剤を含有させる。)を挟んだ状態で基板上に同時塗布し、硬化させることによって得ることもできる。
上記のように、本発明においては、架橋剤(ホウ素化合物)と共に媒染剤を同時塗布することにより、色材受容層の耐水性を向上させることができる。即ち、上記媒染剤を色材受容層用塗布液に添加すると、該媒染剤はカチオン性であるので、表面にアニオン電荷を持つ気相法シリカとの共存下では凝集を生ずる場合があるが、媒染剤を含む溶液と色材受容層用の塗布液とをそれぞれを独立に調製し、個々に塗布する方法を採用すれば、気相法シリカの凝集を考慮する必要がなく、媒染剤の選択範囲が広がる。
本発明において、一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物と気相法シリカとポリビニルアルコールとを少なくとも含む色材受容層用塗布液は、例えば、以下のようにして調製することができる。
即ち、気相法シリカを水中に添加して(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、クレアミックス(エム・テクニック(株)製))を用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好ましくは10〜30分間)分散させた後、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、気相法シリカの1/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、さらに一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物を添加し、上記と同じ回転条件で分散をおこなうことで調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記塗布方法で基板上に塗布形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質性の色材受容層を形成することができる。なお、上記分散の処理方法としては、高速回転分散機、媒体攪拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、本発明では形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましく用いられる。
上記色材受容層塗布液には、必要に応じて、更に界面活性剤、pH調整剤、帯電防止剤等を添加することもできる。
色材受容層塗布液の塗布は、例えば、バーコート、ロールコート、ブレードコート、スクリーンコート、タンポコート等の接触塗布や、スプレーコート、スピンコート、カーテンコート、ディップコート、等の非接触塗布等により行うことができる。
スプレーコートにより塗布を行う場合、圧力としては、1.013〜2026hPaが好ましく、50.65〜1013hPaがより好ましく、101.3〜506.5hPaがさらに好ましい。スプレーの広がり角度としては、1〜120°が好ましく、10〜60°がより好ましく、20〜50°がさらに好ましい。液粒径としては、0.1〜1000μmが好ましく、1〜500μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。ワーク(情報媒体)からの距離としては、1〜1000mmが好ましく、10〜200mmがより好ましく、30〜100mmがさらに好ましい。温度としては、10〜40℃が好ましく、15〜35℃がより好ましく、20〜30℃がさらに好ましい。湿度としては、5〜70%RHが好ましく、10〜40%RHがより好ましく、20〜50%RHがさらに好ましい。
スピンコートにより塗布を行う場合、塗布液の粘度としては、0.1〜10000mPa・sが好ましく、1〜6000mPa・sがより好ましく、10〜3000mPa・sがさらに好ましい。1液目(色材受容層塗布液)は厚みを確保するため、50〜10000mPa・sが好ましく、100〜6000mPa・sがより好ましく200〜3000mPa・sがさらに好ましい。2液目(架橋剤溶液)は塗布膜の均一性を確保するため、0.1〜1000mPa・sが好ましく、1〜500mPa・sがより好ましく、2〜300mPa・sがさらに好ましい。回転数としては、ディスペンス時においては、10〜1000rpmとすることが好ましく、50〜600rpmとすることがより好ましく、100〜400とすることがさらに好ましい。振り切り時においては、徐々に回転数を上げ、上げ方はステップでもなだらかでもよく、具体的には、100〜10000rpmとすることが好ましく、200〜5000rpmとすることがより好ましく、300〜3000rpmとすることがさらに好ましい。ノズルの形状は、長さは1〜100mmであることが好ましく、5〜50mmであることがより好ましく、10〜30mmであることがさらに好ましい。ノズルの内径は、0.1〜5mmであることが好ましく、0.3〜3mmであることがより好ましく、0.5〜2mmであることがさらに好ましい。ノズルの肉厚は0.1〜1mmであることが好ましく、0.2〜0.5mmであることがより好ましい。また、ノズルは流れに沿って斜めに設置してもよい。ワークからの距離としては、0.5〜100mmが好ましく、1〜50mmがより好ましく、2〜20mmがさらに好ましい。温度としては、10〜40℃が好ましく、15〜35℃がより好ましく、20〜30℃がさらに好ましい。湿度としては、5〜70%RHが好ましく、10〜40%RHがより好ましく、20〜50%RHがさらに好ましい。
色材受容層用塗布液を塗布した後、該塗布層に架橋剤溶液が付与されるが、該架橋剤溶液は、塗布後の塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に付与してもよい。即ち、色材受容層用塗布液の塗布後、この塗布層が恒率乾燥速度を示す間にホウ素化合物および媒染剤とを導入することで好適に製造される。
ここで、「塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前」とは、通常、色材受容層塗布液の塗布直後から数分間を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤の含有量が時間に比例して減少する現象である恒率乾燥速度を示す。該恒率乾燥速度を示す時間については、化学工学便覧(p.707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
上記の通り、色材受容層塗布液の塗布後、その塗布層が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥されるが、該乾燥条件の詳細について以下に述べる。
色材受容層の乾燥は、自然乾燥、温風乾燥、赤外・遠赤外線乾燥、高周波乾燥、オーブン乾燥など、いかなる乾燥手法で行ってもよい。
自然乾燥の場合、1液目(色材受容層塗布液)の乾燥時間は、0.1〜10000秒とすることが好ましく、1〜1000秒とすることがより好ましく、10〜500秒とすることがさらに好ましい。2液目(架橋剤溶液)の乾燥時間は、1〜10000分とすることが好ましく、5〜1000分とすることがより好ましく、10〜200分とすることがさらに好ましい。乾燥温度は、0〜40℃とすることが好ましく、10〜35℃とすることがより好ましく、20〜30℃とすることがさらに好ましい。乾燥湿度10〜70%RHとすることが好ましく、20〜60%RHとすることがより好ましく、30〜50%RHとすることがさらに好ましい。
温風乾燥の場合、1液目の乾燥時間は、0.1〜5000秒とすることが好ましく、1〜1000秒とすることがより好ましく、10〜500秒とすることがさらに好ましい。乾燥温度は、40〜200℃とすることが好ましく、60〜150℃とすることがより好ましく、80〜130℃とすることがさらに好ましい。乾燥湿度0.01〜50%RHとすることが好ましく、0.1〜30%RHとすることがより好ましく、1〜20%RHとすることがさらに好ましい。
赤外・遠赤外乾燥の場合、1液目の乾燥時間は、0.1〜1000秒とすることが好ましく、1〜500秒とすることがより好ましく、10〜300秒とすることがさらに好ましい。2液目の乾燥時間は、1〜2000秒とすることが好ましく、10〜1000秒とすることがより好ましく、30〜500秒とすることがさらに好ましい。出力は、10〜2000Wとすることが好ましく、50〜1500Wとすることがより好ましく、100〜1000Wとすることがさらに好ましい。
高周波乾燥の場合の乾燥条件も赤外・遠赤外乾燥の場合と同様である。
オーブン乾燥の場合、1液目の乾燥時間は、0.1〜1000秒とすることが好ましく、1〜500秒とすることがより好ましく、10〜300秒とすることがさらにが好ましい。2液目の乾燥時間は、1〜2000秒とすることが好ましく、10〜1000秒とすることがより好ましく、30〜500秒とすることがさらに好ましい。
上記塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に付与する方法としては、(1)架橋剤溶液を塗布層上に更に塗布する方法、(2)スプレー等の方法によって噴霧する方法、(3)架橋剤溶液中に、該塗布層が形成された基板を浸漬する方法、等が挙げられる。
上記方法(1)において、架橋剤溶液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコータ、エクストルージョンダイコータ、エアードクターコーター、ブレッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコータ、リバースロールコータ、バーコータ等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコータ、カーテンフローコータ、バーコータ等のように、既に形成されている塗布層にコータが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
色材受容層上に付与する、ホウ素化合物と媒染剤とを少なくとも含有する架橋剤溶液の塗布量としては、ホウ素化合物換算で0.01〜10g/m2が一般的であり、0.05〜5g/m2が好ましい。
該架橋剤溶液の付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化がおこなわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。
例えば、上記架橋剤溶液中に含有するホウ素化合物として硼砂や硼酸を使用する場合には、60〜100℃での加熱を5〜20分間おこなうことが好ましい。
また、上記架橋剤塗布液は、色材受容層塗布液を塗布すると同時に付与してもよい。
この場合、色材受容層塗布液および架橋剤溶液を、該色材受容層塗布液が基板と接触するようにして基板上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることにより色材受容層を形成することができる。
上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコータ、カーテンフローコータを用いた塗布方法によりおこなうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分間加熱することによりおこなわれ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱することによりおこなわれる。
例えば、架橋剤溶液に含有するホウ素化合物として硼砂や硼酸を使用する場合は、60〜100℃で5〜20分間加熱することが好ましい。
上記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコータによりおこなった場合、同時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョンダイコータの吐出口附近で、即ち、基板上に移る前に重層形成され、その状態で基板上に重層塗布される。塗布前に重層された二層の塗布液は、基板に移る際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコータの吐出口付近では、吐出される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、上記のように同時塗布する際は、色材受容層塗布液およびホウ素化合物と媒染剤とを含有する架橋剤溶液の塗布と共に、更に架橋剤と反応しない材料からなるバリアー層液(中間層液)を上記二液間に介在させて同時三重層塗布することが好ましい。
上記バリアー層液は、ホウ素化合物と反応せず液膜を形成できるものであれば、特に制限なく選択できる。例えば、ホウ素化合物と反応しない水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。上記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。
尚、バリアー層液には、上記媒染剤を含有させることもできる。
また、本発明における色材受容層は、上記気相法シリカと分散剤とからなる水分散物に、上記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物と上記ポリビニルアルコールと上記ホウ素化合物とを含む溶液(第1の溶液)を添加し再分散して得られる塗布液を上記基板表面に塗布し、該塗布と同時に、または、上記塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を示す前に、上記塗布層に、上記ホウ素化合物と上記媒染剤とを含む溶液(第2の溶液)を付与した後、上記塗布層を硬化させる方法によって形成してもよい。当該方法において色材受容層を形成する第1の溶液のpHは2.5〜4.0であり、酸性を示す。当該方法を用いると、光沢度および印画濃度が向上するため好ましい。
上記分散剤としては、カチオン性のポリマーを用いることができる。カチオン性ポリマーとしては、上述の媒染剤の例として挙げた、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を有する単量体の単独重合体や、該単量体と他のモノマーとの共重合体または縮重合体として得られるものを好適に使用することができる。また、これらの分散剤は、水溶性ポリマーの形態で使用するのが好ましい。
上記分散剤の分子量は、重量平均分子量で1000〜200000が好ましく、3000〜60000がさらに好ましい。該分子量が1000より小さいと分散性に劣る場合があり、200000を超えると水分散物の粘度が高くなる場合がある。上記分散剤の気相法シリカに対する添加量は、1%〜30%が好ましく、3%〜20%がさらに好ましい。該添加量が、1%未満では分散性に劣る場合があり、30%を超えると色材受容層に印画した際、色濃度が低下することがあるため好ましくない。
また、上記気相法シリカと分散剤とからなる水分散剤の調製は、気相法シリカ水分散液をあらかじめ調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよいし、分散剤水溶液を気相法シリカ水分散液に添加してよいし、同時に混合してもよい。また、気相法シリカ水分散液ではなく、粉体の気相法シリカを用いて上記のように分散剤水溶液に添加してもよい。
上記の気相法シリカと分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体攪拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
また、各工程における溶媒として水、有機溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
基板上に色材受容層を形成した後、該色材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性および塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定しておこなう必要がある。
カレンダー処理をおこなう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。
また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
上記色材受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約1μm以上の膜が必要となる。
この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、1〜200μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜60μmがさらに好ましい。
また、色材受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。
上記空隙率および細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて測定することができる。
また、色材受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
以上のように、微粒子と、ポリビニルアルコールと、ホウ素化合物と、媒染剤とを色材受容層に有することで、他のインク受容性能を低下させることなく、多孔質構造の形成時における色材受容層の乾燥収縮を抑制し、膜割れを防止することができ、さらに、基板と色材受容層との接着性を向上させることができる。しかも、色材受容層が気相法シリカを含んで空隙率50〜80%の三次元網目構造を有すると、良好なインク吸収性を示し高解像度で高濃度な画像が形成できると共に、高温高湿環境下での経時ニジミも抑制され、形成された画像も高い耐光性、耐水性を示すといった、優れたインク受容性能をも同時に確保することができる。
本発明によって得られる情報媒体は、60°において30%以上の光沢度を示すことができる。該光沢度は、デジタル変角光沢度計(UGV−50DP,スガ試験機(株)製)等によって測定することができる。
以上のように、本発明に係る情報媒体の色材受容層は、紫外線硬化樹脂によって形成したものとは異なり、情報媒体に照射する紫外線の量を減少させることができ、ジッタなどの記録特性を向上させることができる。
また、インクジェット記録用シートは、強い力で曲げると表面に亀裂など欠陥が生ずるが、本発明に係る情報媒体は、後述する基板がインクジェット記録用シートよりも厚く、曲げなどの外部からの応力に対して強い。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」および「%」は、全て「質量部」および「質量%」を表す。
[実施例1]
《円盤状基板の作製》
予め所定のトラックピッチで所定の溝形状となるように作製したスタンパを内部に備えた射出成型機にポリカーボネート樹脂(樹脂商品名:パンライトAD5503、帝人(株))を注入し、115℃の温度で成型し、ポリカーボネート製の円盤状樹脂基板を作製した。得られた円盤状樹脂基板は、直径120mm、厚さ1.2mmで、その表面にスパイラル状の凹状の溝(プレグルーブ)が形成されていた。凹状の溝のトラックピッチは、1.6μmであり、溝幅は500nmであり、溝深さは180nmであった。
下記構造式で示されるシアニン色素2.5gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解し、記録層形成用塗布液を調製した。この塗布液を、上記で得た円盤状ポリカーボネート基板のそのプレグルーブが設けられている表面上に、スピンコートにより塗布し、色素記録層(厚さ:190nm(グルーブ部)、110nm(ランド部))を形成した。
Figure 2005100531
次に、色素記録層上にAgをDCマグネトロンスパッタ装置を用いてスパッタして、厚さが約120nmのAgからなる反射層を形成した。更に反射層上にUV硬化性樹脂(商品名:SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を回転数300〜4000rpmの間で変化させながらスピンコート法を利用して塗布した。塗布後、その上から高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して硬化させ、層厚5μmの保護層を形成した。以上の工程により、基板、色素記録層、反射層及び保護層からなるCD−R型の情報媒体(光ディスク)を製造した。
次いで、記録再生用レーザー光の入射面とは反対側の保護層上に、以下のようにして、プリンタブル層を形成した。。
基板表面とは反対側の保護層上に紫外線硬化インク(White No.3、帝国インキ製造(株)製)をスクリーン印刷で印刷し、印刷後、その上からメタルハライドランプで80W/cmの紫外線を照射して硬化させ8μmの下地層(白色層)を繰り返し2層、トータルで16μmの厚みで形成した。スクリーンは300本/インチメッシュ、糸径31μm、オープニング38μmのテトロン製スクリーンを用いた。
次いで、形成した下地層に以下の条件のプラズマ処理を施した。
・導入ガス:アルゴンガス
・圧力:1.06×10-1Pa(8mTorr)
・印加電力:70W
・処理時間:1分
以上のプラズマ処理により、下地層表面の水の接触角は10°となった。なお、接触角は、協和界面科学(株)製のFACE CONTACT-ANGLE METERを用いて、下地層表面に蒸留水を滴下した後、5秒経過した後測定した。
次に、下地層上に色材受容層を形成するため以下の工程を経た。
−色材受容層用塗布液の調製−
下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子、(2)イオン交換水を混合し、高速回転式コロイドミル(クレアミックス、エム・テクニック(株)製)を用いて、回転数10000rpmで20分間分散させた後、下記(3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル、(4)アンモニア水、(5)ポリビニルアルコール9%水溶液、および(6)ジエチレングリコールモノブチルエーテルを加え、更に上記と同一条件で分散をおこない、色材受容層用塗布液Aを調製した。
シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比(PB比/(1):(5))は、3.5:1であり、色材受容層用塗布液AのpHは9.5であり、アルカリ性を示した。
〔色材受容層塗布液Aの組成〕
(1)気相法シリカ微粒子(無機顔料微粒子) 9.9部
(平均一次粒子径7nm;アエロジル300、日本アエロジル(株)製)
(2)イオン交換水 72.6部
(3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 7.2部
(エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6)
(4)17g/lアンモニア水溶液(pH調整剤) 5.3部
(5)ポリビニルアルコール9%水溶液(水溶性樹脂) 31.4部
(PVA420、(株)クラレ製、鹸化度81.8%、重合度2000)
(6)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.6部
(一般式(1)で表される化合物)
−色材受容層の形成−
上記情報媒体の下地層のプラズマ処理を施した面に、上記から得た色材受容層用塗布液Aを、下地層の面にバーコーターを用いて100ml/m2の塗布量で塗布した。なお、当該塗布は、プラズマ処理後、30分以内に行った。熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。塗布層は、この期間恒率乾燥速度を示した。その直後、塗布した色材受容層用塗布液Aの上に、下記組成の架橋剤溶液Aをバーコーターを用いて塗布し、更に80℃下で5分間乾燥させた。これより、乾燥膜厚30μmの色材受容層が設けられた、実施例1の情報媒体を作製した。
〔架橋剤溶液Aの組成〕
・硼酸(6%;架橋剤) 25部
・PAS−F5000(20%)水溶液 7.15部
(媒染剤;日東紡(株)製)
・イオン交換水 68.98部
・塩化アンモニウム(表面pH調整剤) 0.2部
・アンモニア水溶液(25%;pH調整剤) 1.67部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 2部
(エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6)
[実施例2]
射出成形により、表面にスパイラル状のグルーブ(ランド)とLPPとを形成したポリカーボネート基板(厚さ:0.6mm、外径:120mm、内径:15mm、帝人(株)製、商品名「パンライトAD5503」)を作製した。溝深さ:140nm、溝幅:310nm、溝ピッチ:740nmであった。
下記オキソノール色素(A)とオキソノール色素(B)とを65:35の割合で混合した色素1gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−プロパノール100mlに溶解し、記録層形成用塗布液を調製した。この記録層形成用塗布液を、得られた基板のグルーブ面に、回転数を300〜3000rpmまで変化させながらスピンコート法により塗布し、乾燥して記録層を形成した。記録層の厚さは、記録層の断面をSEMにより観察して計測したところグルーブ内では150nm、ランド部では110nmであった。
Figure 2005100531
次いで、アルゴン雰囲気中での、DCスパッタリングにより、記録層上に厚さ約150nmのAgからなる反射層を形成した。なお、チャンバー内の圧力は0.5Paであった。
更に、反射層上に、UV硬化性樹脂(商品名「SD−318」、大日本インキ化学工業(株)製)を環状にディスペンスし、別に用意したポリカーボネート製の円盤状保護基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)を中心を一致させて重ね合わせ、回転数5000rpmで3秒間回転させ、UV硬化性樹脂(SD640、大日本インキ化学工業(株)製)を全面に広げ且つ余分なUV硬化性樹脂を振り飛ばした。UV硬化性樹脂が全面に広がったところで、高圧水銀灯により紫外線を照射してUV硬化性樹脂を硬化させ、記録層及び反射層が形成された基板と円盤状保護基板とを貼り合わせた。貼り合わせ層の厚さは25μmであり、気泡の混入もなく貼り合せることができた。
次いで、実施例1と同様にして、円盤状保護基板の表面に下地層及び色材受容層を形成し、実施例2の情報媒体を作製した。
[実施例3]
実施例1の下地層の形成において、下地層表面の水の接触角を3°となるようにプラズマ処理の条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の情報媒体を作製した。
[実施例4]
実施例2の下地層の形成において、下地層表面の水の接触角を20°となるようにプラズマ処理の条件を変更したこと以外は実施例2と同様にして実施例4の情報媒体を作製した。
[比較例1]
実施例1の下地層の形成において、下地層表面の水の接触角を30°となるようにプラズマ処理の条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の情報媒体を作製した。
[比較例2]
実施例2の下地層の形成において、下地層表面にプラズマ処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例1の情報媒体を作製した。なお、下地層表面の水の接触角は42°であった。
<性能評価>
上記より得られた実施例1〜4の情報媒体、及び比較例1〜2の情報媒体について、以下の評価を行った。
[色材受容層の密着性評価]
23℃50%RH環境下に情報媒体を30分間放置した後、幅18mm長さ80mmの粘着テープ(ニチバン、メンディングテープ、MD−18)を色材受容層に貼り付けた。粘着テープの端を持ち180°方向にいっきに剥がした際の剥離状態を目視評価した。なお、評価基準は以下の通りである。
〔評価基準〕
○ :色材受容層の剥離は全く認められなかった。
△ :僅かな剥離が認められたが、実用上問題ないレベルであった。
× :剥離が認められた。
Figure 2005100531
表1より、実施例1〜4の情報媒体は、色材受容層の密着性が高く、剥離が発生しなかったのに対し、比較例1〜2の情報媒体は、色材受容層の密着性が低く、剥離が生じた。

Claims (7)

  1. 下地層と該下地層に隣接する色材受容層とを少なくとも含むプリンタブル層を有する情報媒体の製造方法であって、
    前記下地層を形成し、該下地層表面の水の接触角を3〜20°に設定した後、少なくとも、微粒子と、結合剤と、架橋剤と、を含有する色材受容層を形成する工程を有することを特徴とする情報媒体の製造方法。
  2. 前記微粒子が、気相法シリカ、擬ベーマイト、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種であること、前記結合剤がポリビニルアルコールであること、前記架橋剤がホウ素化合物であること、及び前記色材受容層がさらに媒染剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報媒体の製造方法。
  3. 前記色材受容層が、さらに、下記一般式(1)で表される化合物及び/又は下記一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の情報媒体の製造方法。
    RO(CH2CH2O)nH 一般式(1)
    [一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
    RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2)
    [一般式(2)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
  4. 前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物が、水溶性であることを特徴とする請求項3に記載の情報媒体の製造方法。
  5. 前記一般式(1)及び一般式(2)において、前記Rが、炭素数1〜4の飽和炭化水素基であることを特徴とする請求項3または4に記載の情報媒体の製造方法。
  6. 前記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物と前記微粒子と前記結合剤とを含む塗布液を前記下地層上に塗布し、該塗布と同時に、または、前記塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を示す前に、前記塗布層に、前記架橋剤と前記媒染剤とを含む溶液を付与した後、前記塗布層を硬化させて前記色材受容層を形成することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の情報媒体の製造方法。
  7. 前記微粒子と分散剤とからなる水分散物に、前記一般式(1)で表される化合物及び/又は一般式(2)で表される化合物と前記結合剤と前記架橋剤とを含む溶液を添加し再分散して得られる塗布液を前記下地層上に塗布し、該塗布と同時に、または、前記塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を示す前に、前記塗布層に、前記架橋剤と前記媒染剤とを含む溶液を付与した後、前記塗布層を硬化させて 前記色材受容層を形成することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の情報媒体の製造方法。
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