JP2005098313A - 歯付ベルト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト背面が走行時に接触するアイドラープーリ、テンショナープーリとの摩擦係数を低減し、ベルト側面の摩耗、損傷及びベルトのプーリフランジ部への移動によるベルトの端面摩耗、損傷を防止するベルト及びその製造方法を提供する。
【解決手段】長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部3と、心線1を埋設した背部を有し、上記歯部3の表面に歯布5を被覆し、背ゴム側にフッ素樹脂を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした背面帆布7を貼り合わせた歯付ベルト及びその製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部3と、心線1を埋設した背部を有し、上記歯部3の表面に歯布5を被覆し、背ゴム側にフッ素樹脂を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした背面帆布7を貼り合わせた歯付ベルト及びその製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車用エンジンのカム軸又はカム軸とインジェクションポンプの駆動用、一般産業用機械の同期伝動用などに使用される歯布被覆の歯付ベルトに関し、特に高負荷用ベルトに関して、耐摩耗性及び耐歯欠け性を維持しつつ、特にベルト側面の摩耗及び損傷を防ぐ目的に改善したものである。
自動車用エンジンのカム軸、インジェクションポンプ、オイルポンプ、ウォーターポンプ等を駆動する歯付ベルトは、エンジンの高出力化に伴うベルトへの負荷の増大及び、エンジンルームのコンパクト化に伴う雰囲気温度の上昇等歯付ベルトの使用環境は近年特に厳しくなってきている為、更なる耐久性の向上が要求されている。又、一般産業用に使用される歯付ベルトについても、射出成形機等の高負荷駆動用等取替え周期の延長を要求されている。
歯付ベルトの故障形態は、心線の屈曲疲労及びゴムの耐熱性不足による亀裂発生からのベルト切断と過負荷や歯布及び歯ゴムの耐熱性不足、歯布の摩耗による歯欠けに大別される。心線の屈曲疲労及びゴムの耐熱性不足によるベルト切断に対しては、心線材質、心線構成の細径化等の改良、心線処理剤の耐熱性改良が実施されている。又、ゴムの耐熱性改良についても水素添加NBRの使用等により故障は減少している。
解決しようとする問題点は、特にベルトに高負荷が掛かるエンジン又は産業用駆動装置を駆動する歯付ベルトについては、高負荷の為プーリ軸が撓み、ベルトの片寄り走行が発生し、プーリフランジ等との摩擦によるベルト側面の異常摩耗及び側面の損傷による切断、歯欠けが発生し易い点である。このベルト側面摩耗及び損傷に対し、プーリ歯とかみ合う歯付ベルト表面の歯布材料に摩擦係数低減作用のあるフッ素樹脂や層状のグラファイト等を添加した処理を施すことが実施されているが、未だに十分な改良策が見出されていない。
本発明は、長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆し、背ゴム側にフッ素樹脂を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした背面帆布を貼り合わせた歯付ベルトであることを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記背部の背面帆布に接着処理のゴム層を積層した請求項1に記載の歯付ベルトである。
請求項3に記載の発明は、長手方向に複数本の形成される歯付ベルトの歯部に対応する溝を外周に有する円筒形或いは円柱状の金型に歯布を形成する接着処理をした帆布を被覆し、続いて該歯布上に心線を螺旋状に巻き付け、更にその上にベルトの歯部及び背部を形成する未加硫のゴムシートを巻き付け、さらに少なくともその上からゴム糊処理をした帆布をゴム糊が前記ゴムシートと接するように巻き付けた後、前記帆布を前記ゴムシートに圧着して貼り付ける歯付ベルトの製造方法にある。
請求項4に記載の発明は、前記ゴムシートの上から巻き付ける帆布がフッ素樹脂を含むれレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした帆布であって、ゴムシート側にゴム糊面が接するように帆布を積層した請求項3に記載の歯付ベルトの製造方法にある。
請求項5に記載の発明は、前記圧着する圧力が0.1MPaから5.0MPaの範囲である請求項3又は4に記載の歯付ベルトの製造方法にある。
請求項6に記載の発明は、前記圧着時に80°Cから150°Cの温度を加熱する請求項3から5のいずれかに記載の歯付ベルトの製造方法にある。
本発明の歯付ベルトは、長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆し、背ゴム側にフッ素樹脂を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした背面帆布を貼り合わせた歯付ベルトであることから、ベルト背面の摩擦係数を下げ、高負荷下で発生するベルト背面の亀裂、損傷及び高負荷によるベルト背面の亀裂、損傷を防止できるという効果がある。
又、請求項2に記載の発明によると、前記背部の背面帆布に接着処理のゴム層を積層した請求項1に記載の歯付ベルトであることから、帆布がベルト背面より剥離することがないという効果がある。
請求項3に記載の発明によると、長手方向に複数本の形成される歯付ベルトの歯部に対応する溝を外周に有する円筒形或いは円柱状の金型に歯布を形成する接着処理をした帆布を被覆し、続いて該歯布上に心線を螺旋状に巻き付け、更にその上にベルトの歯部及び背部を形成する未加硫のゴムシートを巻き付け、さらに少なくともその上からゴム糊処理をした帆布をゴム糊が前記ゴムシートと接するように巻き付けた後、前記帆布を前記ゴムシートに圧着して貼り付けることを特徴とする歯付ベルトの製造方法であることから、帆布がベルト背面より剥離しないという効果がある。
請求項4に記載の発明によると、前記ゴムシートの上から巻き付ける帆布がフッ素樹脂を含むれレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした帆布であって、ゴムシート側にゴム糊面が接するように帆布を積層した請求項3に記載の歯付ベルトの製造方法にあることから、ベルト背面の摩擦係数を下げ、高負荷下で発生するベルト背面の亀裂、損傷及び高負荷によるベルト背面の亀裂、損傷を防止できるという効果が有る。
請求項5に記載の発明によると、前記圧着する圧力が0.1MPaから5.0MPaの範囲である請求項3又は4に記載の歯付ベルトの製造方法であることから、確実に帆布をベルト背面に接着することができ、帆布がベルト背面より剥離しないという効果が有る。
請求項6に記載の発明によると、前記圧着時に80°Cから150°Cの温度を加熱する請求項3から5のいずれかに記載の歯付ベルトの製造方法であることから、請求項5に記載の効果がより強くなる。
以下、本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
図1は、歯付ベルトの構造を示すものであり、心線1を埋設したベルト本体2の片面にその長手方向に沿って多数の歯部3を一体に突出して設け、歯部3表面及び歯部3間の歯底部4に歯布5を貼着することによって形成してある。又、背面には背面帆布7が貼着してある。
図1は、歯付ベルトの構造を示すものであり、心線1を埋設したベルト本体2の片面にその長手方向に沿って多数の歯部3を一体に突出して設け、歯部3表面及び歯部3間の歯底部4に歯布5を貼着することによって形成してある。又、背面には背面帆布7が貼着してある。
心線1としては、ポリエステル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、レーヨン、ガラス繊維、スチールワイヤーなど低伸度高強度のものを用いることができる。この心線1を埋設するベルト本体2と歯部3はゴム層として形成されるものであり、ゴム層は、NR(天然ゴム)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、IIR(ブチルゴム)などから選ばれるゴムを単独で或いはブレンドして用いて形成することができ、或いはこれらのゴムの他にポリウレタンゴムを用いて形成することもできる。
前記心線2の接着処理としては、例えば、RFL液で処理する方法、又は、エポキシ化合物又はイソシアネート化合物で前処理した後、RFL液を用いる方法などが公知技術として挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記エポキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェルム)ジメチルエタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物である。このエポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
また、イソシアネート化合物としては、例えば4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエン2,4−ジイソシアネート、P−フェニルジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート等がある。このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に溶解して使用される。
ところで、前述の心線2として、炭素繊維を使用することができる。心線3は総デニール数1,000〜40,000の炭素繊維のマルチフィラメント糸をゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液を含浸付着させた後、これを5〜10回/10cmで片撚り、あるいは5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りをした諸撚りコードであってもよい。
炭素繊維のマルチフィラメント糸を構成するモノフィラメント(単繊維)は、その断面形状が実質的に真円形状に近いものであり、数多くのフィラメントを効率よく集合して、密接したフィラメント間の空間を減少させてコードの強度を高めている。具体的には、コード断面積に占める繊維断面積の割合が70〜90%であり、フィラメント群が効率よく高充填しており、ベルトの引張り弾性率が50〜85N/mm2になる。もし楕円形になると、モノフィラメント同士が擦れ合いよりコードが破断しやすくなる。また、これ以外の形状になると、フィラメントを集合しても密接したフィラメント間の空間が多くなってコードの強度が向上しなくなる。
コード中の処理液(固形分)の含有量は、炭素繊維のマルチフィラメント糸100質量部に対して10〜40質量部、好ましくは15〜35質量部である。10質量部未満であると、モノフィラメント同士の擦れ合いによりコードの耐疲労性が低下することがあり、一方40質量部を越えるとコードの耐熱性、耐水性、耐溶剤性が低下することがある。
上記処理液(固形分)に含まれるゴムラテックス(固形分)の含有量は、処理液(固形分)100質量部に対して20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部である。20質量部未満であると、コードの柔軟性が低下してベルトの耐屈曲疲労性が低下することがあり、一方80質量部を越えるとコードに粘着性が過剰になり、取扱い性が悪くなる。
上記ゴムラテックスの具体例としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。
上記処理液(固形分)に含まれる処理液中のエポキシ樹脂の含有量は、処理液(固形分)100質量部に対して20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部である。20質量部未満であると、コードとゴム界面の接着性が低下することがあり、80質量部を越えるとコードの柔軟性が低下してベルトの耐屈曲疲労性が低下することがある。
エポキシ樹脂の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の一種又は二種以上が使用される。
上記のコードには、その表面に接着層を付着させるが、ここでは接着層がレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス液(RFL液)から得られた1層であってもよく、またゴム糊から得られた1層であってもよく、更にはRFL液からなる下層とゴム糊からなる上層の2層であってもよい。
RFL液は、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとを混合したものであり、この場合レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高めるうえで好適である。また、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物は、これをゴムラテックスのゴム分100質量部に対して樹脂分が5〜50質量部になるようにゴムラテックスと混合し、更にフェノール樹脂を含むレゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とゴムラテックスとの固形分の質量比が5/95〜40/60に調節する。5/95未満では接着性が著しく低下し、また40/60を超えるとゴムラテックス分が少なくなり、耐熱性が悪くなって屈曲疲労性が低下する。
RFL処理液に使用するゴムラテックスとしては、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBRラテックス)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体(VPラテックス)、クロロプレンゴムラテックス、EPDMゴムラテックスの一種又は二種以上のブレンド物が使用される。水素化ニトリルゴムラテックスとビニルピリジンゴムラテックスとは、固形分の質量比が60/40〜95/5で混合される。その水素化ニトリルゴムの質量比が60未満であれば、耐熱性が悪くなり屈曲疲労性が低下し、95を超えると、耐水性が著しく低下する。
使用する炭素繊維コードは下記方法によって処理される。まず未処理無撚りマルチフィラメント糸をゴムラテックスとエポキシ樹脂からなる処理液に含浸処理し、その後130〜250℃に調節したオ−ブンに通して熱処理する。続いて、上記処理したマルチフィラメント糸を5〜10回/10cmで片撚り、あるいは5〜10回/10cmで下撚りをし、更に2.5〜5回/10cmで上撚りをした諸撚りコードにした後、このコードをRFL液に含浸処理して接着層を形成する。
また、該処理コードをゴム糊に漬けてゴム層を付着し、この後130〜180℃前後に調節したオ−ブンに通して熱処理する。
このゴム糊としては、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)以外に、NBR、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SBR、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)のゴム配合物トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶剤に溶かして得られたものである。
このゴム糊としては、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)以外に、NBR、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレンプロピレン共重合体(EPR)、SBR、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)のゴム配合物トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などの溶剤に溶かして得られたものである。
また、該処理コードを前述と同様にRFL液に含浸処理して下層を形成した後、ゴム糊でオーバーコート処理して上層の2層を形成してもよい。
ここでRFL液に添加されるフッ素樹脂粉末としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルビニルエーテル共重合体(ETFE)等が挙げられる。フッ素樹脂粉末中のフッ素原子数の割合が多い程、摩擦係数低減効果は大きい。その為、歯布への同量の付着量に対して、前記フッ素樹脂粉末の中ではPTFETが最も大きな摩擦係数低減効果、即ち最も長い歯欠け寿命を与える。又、背面帆布に使用した場合でも、ベルト背面が走行時に接触するアイドラープーリ、テンショナープーリとの摩擦係数を低減でき、高負荷下で発生するベルト背面の亀裂、損傷を防止できる。
前記ラテックスとしては、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、HNBR、CR、エピクロルヒド、天然ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン等のラテックスが挙げられる。
前記フッ素樹脂含有RFL液で処理された帆布は、続いて減摩材を添加したゴム糊によって処理される。前記ゴム糊はベルト本体と同種のゴム配合物をメチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させ、イソシアネート化合物を添加して処理液とし、この処理液を塗布した後乾燥することによって形成される。前記処理液で形成されるイソシアネート化合物としては、例えば4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。又、前記イソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類のブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
前記処理液に添加される前記研摩材の添加量は特に限定されないが、接着力と摩擦係数低減効果を両立させる為には、ゴム成分と実質同量添加することが望ましい。
前記研摩材とは、グラファイト、二硫化モリブデン、ガラスビーズ、セラミック粉末、球状フェノール樹脂粉末等が使用可能であるが、中でもグラファイトはゴム成分との親和性に優れ、耐久性を有する減摩材として特に好ましい。
以上説明した材料を用いた本発明の歯付ベルトの製造方法は、歯付ベルトの歯部に対応する溝を外周に有する円筒形或いは円柱状の金型に歯布を形成する接着処理をした帆布を被覆し、続いて該歯布上に心線を螺旋状に巻き付け、さらに少なくともその上からゴム糊処理をした帆布をゴム糊が前記ゴムシートと接するように巻き付けた後、前記帆布を前記ゴムシートに圧着して貼り付ける。
上記圧着する圧力は0.1MPaから5.0MPaが好ましく、より好ましくは0.5MPaから1.5MPaが良い。圧力が0.1MPaより小さいと、帆布はゴムシートに接着しない。一方、圧力が5.0MPaより大きくなると、前記ゴムシートが変形する。
又、前記圧着時に帆布が80°Cから150°Cの温度となるように加熱することが好ましい。加熱温度が80°Cより低いと帆布はゴムシートに接着しない。一方、加熱温度が150°Cより高いと前記ゴムシートが変形する及び、ゴムシートの加硫が始まり、歯付ベルトの性能や外観が劣るようになる。
前記帆布をゴムシートに圧着した後、歯付ベルトは一般的には圧入法によって作製される。即ち、形成される歯付ベルトの歯部4に対応した溝部を外周に有する円筒状のモールドに、歯布5を形成する帆布を巻き付け、さらにその上に歯部4及び背部3を形成する未加硫のゴムシートを巻き付ける。そして、前記ゴムシートの上から背面を形成する帆布を巻き付ける。モールドを加硫缶内に移し、所定条件下で加熱・加圧することにより、前記ゴムシートを前記ロープの間隔を通してモールド溝部に圧入させ、歯部4を形成する。得られたスリーブ状の成形体を所定の幅に従ってカッターで輪切りすることにより個々の歯付ベルト1が得られる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。使用する帆布は歯布に使用されている表1及び表2の処理をしたB−1及びB−2の帆布を使用した。この帆布に表3に示す0.3mm厚みのゴムをカレンダーにて積層した。
次に、表4の配合からなるゴムを通常の方法で混練りし、カレンダーロールにて所定の厚さの背ゴム用シートA−1、ローラヘッド押し出し機、或いはカレンダー設備により一定の厚みのゴムシートを得た。
歯布は、表1の処理をしたB−1を使用した。表1の処理液の内容は表2に示す。ジョイントされた帆布は筒状になっており、その周長は金型の外径に合わされている。この帆布を所定の金型にセットする。心線はECG150−3/11構成の通常のレゾルシン−ホルマリン−ラテックス及びオーバーコート処理ガラス心線を使用した。S8M歯形160歯数の金型に表1の歯布をセットし、撚り方向の異なるS,Z一対のガラス心線を2.60mmピッチにてスパイラルに100N/本の張力で巻き付ける。次に、表4のゴムシートをスパイラルに巻き付けた心線の外側に巻き付ける。
さらに、接着処理された帆布の片側をゴムに幅10mmから200mmの範囲で圧着して貼り付ける。このときの圧力は1.0MPaから5.0MPaが良く、好ましくは0.5MPaから1.5MPaであり、場合によっては80°C〜150°Cの熱を数秒間加えた方が良い場合もある。このとき圧力が低いか又は、加える温度が低いと帆布は接着しない。又、圧力が高すぎると、内側に存在するゴムが変形する場合もある。又、温度が高すぎると、温度により変形及び、加硫が始まる等成形物の最終外観に異常をきたす。
貼り付けた帆布の端は真っ直ぐに貼り付けるのが好ましい。斜めにカットする及び凹凸に切ってしまうと帆布の突き合わせに支障をきたす。
次に、帆布の片方をゴムに貼り合わせ、ゴムに圧着しながら一周させる。帆布の端通しは突き合わせても良く、熱によりジョイントしても良い。帆布が乗り上げたとしても0.5mm以下が好ましい。又、できうる限り乗り上げが無いほうが好ましい。
上記方法にて通常の圧入法により165°Cにて30分加圧加硫して作製したベルトスリーブを研磨せず、カットする。
比較用として、次に示す方法で帆布を積層した。
帆布は表1の処理をしたB−1〜B−2を使用した。表1の処理液の内容は表2に示す。表4の配合からなるゴムを通常の方法で混練りし、カレンダーロールにて所定の厚さの背ゴム用ゴムシートA−1、ローラヘッド押し出し機、或いはカレンダー設備により一定の厚みのゴムシートを得た。歯布は表1の処理をしたB−1〜B−2を使用した。表1の処理液の内容は表2に示す。ジョイントされた帆布は筒状になっており、その周長は金型の外径に合わされている。この帆布を所定の金型にセットする。
心線はECG150−3/11構成の通常のRFL及びオーバーコート処理ガラス心線を使用した。S8M歯形160歯数の金型に表1の歯布をセットし撚り方向の異なるS,Z一対のガラス心線を2.60mmピッチにてスパイラルに1000N/本の張力で巻き付ける。
心線はECG150−3/11構成の通常のRFL及びオーバーコート処理ガラス心線を使用した。S8M歯形160歯数の金型に表1の歯布をセットし撚り方向の異なるS,Z一対のガラス心線を2.60mmピッチにてスパイラルに1000N/本の張力で巻き付ける。
さらにその上に前記積層したゴムと帆布を巻き付け、帆布の接合は突き合わせとした。
帆布は表1の処理をしたB−1〜B−2を使用した。表1の処理液の内容は表2に示す。表4の配合からなるゴムを通常の方法で混練りし、カレンダーロールにて所定の厚さの背ゴム用ゴムシートA−1、ローラヘッド押し出し機、或いはカレンダー設備により一定の厚みのゴムシートを得た。歯布は表1の処理をしたB−1〜B−2を使用した。表1の処理液の内容は表2に示す。ジョイントされた帆布は筒状になっており、その周長は金型の外径に合わされている。この帆布を所定の金型にセットする。
心線はECG150−3/11構成の通常のRFL及びオーバーコート処理ガラス心線を使用した。S8M歯形160歯数の金型に表1の歯布をセットし撚り方向の異なるS,Z一対のガラス心線を2.60mmピッチにてスパイラルに100N/本の張力で巻き付ける。
心線はECG150−3/11構成の通常のRFL及びオーバーコート処理ガラス心線を使用した。S8M歯形160歯数の金型に表1の歯布をセットし撚り方向の異なるS,Z一対のガラス心線を2.60mmピッチにてスパイラルに100N/本の張力で巻き付ける。
表4の配合からなるゴムを通常の方法で混練りし、カレンダーロールにて所定の厚さの背ゴム用ゴムシートA−1、ローラヘッド押し出し機、或いはカレンダー設備により一定の厚みのゴムシートを得、歯布は表1の処理をしたB−1〜B−2を使用した。表1の処理液の内容は表2に示す。ジョイントされた帆布は筒状になっており、その周長は金型の外径に合わされている。この帆布を所定の金型にセットする。
心線はECG150−3/11構成の通常のRFL及びオーバーコート処理ガラス心線を使用した。S8M歯形160歯数の金型に表1の歯布をセットし、撚り方向の異なるS,Z一対のガラス心線を2.60mmピッチにてスパイラルに巻き付けた心線の外側に巻き付ける。背ゴム側に巻き付ける帆布は所定長さにカットし、ミシンジョイントか熱融着にて接合した。この帆布を上記成形物に被せた。被せ方は、成形物の端に帆布ジョイントを嵌め、帆布を裏返しながら被せた。
心線はECG150−3/11構成の通常のRFL及びオーバーコート処理ガラス心線を使用した。S8M歯形160歯数の金型に表1の歯布をセットし、撚り方向の異なるS,Z一対のガラス心線を2.60mmピッチにてスパイラルに巻き付けた心線の外側に巻き付ける。背ゴム側に巻き付ける帆布は所定長さにカットし、ミシンジョイントか熱融着にて接合した。この帆布を上記成形物に被せた。被せ方は、成形物の端に帆布ジョイントを嵌め、帆布を裏返しながら被せた。
その加工性、外観状態、背ゴム厚さ精度を表5に示す。又、走行試験用ベルトは図2のレイアウトの試験機にセットし、4000rpmにて走行させ、寿命時間と故障形態を調査した。その結果を表5に示す。
1 心線
2 ベルト本体
3 歯部
4 歯底部
5 歯布
6 背部
7 背面帆布
11 クランププーリ
13 カムプーリ
15 ウォータポンププーリ
19 偏心プーリ
21 アイドラー
23 オートテンショナー
2 ベルト本体
3 歯部
4 歯底部
5 歯布
6 背部
7 背面帆布
11 クランププーリ
13 カムプーリ
15 ウォータポンププーリ
19 偏心プーリ
21 アイドラー
23 オートテンショナー
Claims (6)
- 長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部を有し、上記歯部の表面に歯布を被覆し、背ゴム側にフッ素樹脂を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした背面帆布を貼り合わせたことを特徴とする歯付ベルト。
- 前記背部の背面帆布に接着処理のゴム層を積層した請求項1に記載の歯付ベルト。
- 長手方向に複数本の形成される歯付ベルトの歯部に対応する溝を外周に有する円筒形或いは円柱状の金型に歯布を形成する接着処理をした帆布を被覆し、続いて該歯布上に心線を螺旋状に巻き付け、更にその上にベルトの歯部及び背部を形成する未加硫のゴムシートを巻き付け、さらに少なくともその上からゴム糊処理をした帆布をゴム糊が前記ゴムシートと接するように巻き付けた後、前記帆布を前記ゴムシートに圧着して貼り付けることを特徴とする歯付ベルトの製造方法。
- 前記ゴムシートの上から巻き付ける帆布がフッ素樹脂を含むレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液にて処理し、更にグラファイト又はフッ素樹脂を含むゴム糊にて処理をした帆布であって、ゴムシート側にゴム糊面が接するように帆布を積層した請求項3に記載の歯付ベルトの製造方法。
- 前記圧着する圧力が0.1MPaから5.0MPaの範囲である請求項3又は4に記載の歯付ベルトの製造方法。
- 前記圧着時に80°Cから150°Cの温度を加熱する請求項3から5のいずれかに記載の歯付ベルトの製造方法。
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2003
- 2003-09-11 JP JP2003320445A patent/JP2005098313A/ja active Pending
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