JP2005095876A - マイクロリアクタ、マイクロリアクタの組立方法およびマイクロリアクタを用いた物質生成方法 - Google Patents

マイクロリアクタ、マイクロリアクタの組立方法およびマイクロリアクタを用いた物質生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができるマイクロリアクタ、およびそのマイクロリアクタを用いて物質を生成する方法を提供すること。
【解決手段】 少なくとも一つに試材が注入される複数の試材槽12と、これら試材槽12を相互に接続する管路14とが形成された基板11を備えたマイクロリアクタ10において、試材槽12および/または管路14近傍の基板11に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段16が所定の間隔を保持して配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、複数の試材を反応させる試材槽を有するマイクロリアクタ、マイクロリアクタの組立方法およびマイクロリアクタを用いた物質生成方法に関する。
複数の試材を反応させる反応槽を有するマイクロリアクタにおいては、種々の構造のものが提案されている。例えば、従来のマイクロリアクタとしては、注入ポートと、排出ポートと、チャネルとを備え、シリコン基板にエッチングで反応チャンバが加工され、例えば耐熱ガラスで密閉しているマイクロリアクタがある。このマイクロリアクタは、機能別にセルを分割して多数の生化学反応を並列で行うものである。なお、シリコン基板の一部には、必要に応じて温度調整器等の温度調節手段を用いることとしている(特許文献1参照)。
また、別のマイクロリアクタとしては、複数の槽と微細反応流路とを備え、複数の槽からポンプ等により選択的に送液し、これを微細反応流路に送り、他の流路から送られた液に反応させるマイクロリアクタがある。このマイクロリアクタの微細反応流路には複数の反応相と複数の溶媒相とが交互に設けられており、2つの反応相との間に溶媒相が介在して、それぞれ条件の異なる少量の反応液が採取できるようになっている。なお、微細反応流路には、必要に応じて温度調節手段を設けることとしており、その温度調節手段を冷却手段とした場合には、例えばペルチェ素子を設けることとしている(特許文献2参照)。
特開平10−337173号公報(第3−4頁、第3図) 特開2001−340753号公報(第2−3頁、第1図)
上記従来のマイクロリアクタにおいて、特許文献1においては、反応セルにおいて温度制御手段がシリコン基板の一部に構成されるため、マイクロリアクタ全体に対して温度勾配を生じさせるように構成されていない。また、特許文献2においては、この反応装置を用いて物質を生成する際、必要に応じて加熱手段あるいは冷却手段を用いるとされているのみであり、温度勾配を生じさせることができなかった。
すなわち、マイクロリアクタに具備され試材を通過させる流路に対して温度制御を行うことで温度勾配を生じさせて、その温度差を利用しながら試材を反応させることによって新たな物質を生成することは、従来のマイクロリアクタによっては困難であった。
ここで、温度差の利用とは、例えば、複数の異なる試材の沸点の差を利用すること、複数の試材の温度差によって試材に状態変化を与えること、あるいは複数の試材の温度差による物質の溶解度の差を利用すること等である。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができるマイクロリアクタ、マイクロリアクタの組立方法、およびそのマイクロリアクタを用いて物質を生成する方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に係る発明は、少なくとも一つに試材が注入される複数の試材槽と、これら試材槽を相互に接続する管路とが形成された基板を備えたマイクロリアクタにおいて、前記試材槽および/または前記管路近傍の基板に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されていることを特徴とする。
この発明によれば、試材槽あるいは管路に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されていることにより、ある試材槽に注入された試材が管路内を通過して別の試材槽に移動する際、例えばある試材槽側に配置された温度調節手段をある温度に設定し、ある試材槽より別の試材槽側に配置された温度設定手段を、ある試材槽側に配置された温度調節手段より低い温度に設定すると、その試材がそれらの温度調節手段によって徐々に冷却されながらある試材槽から別の試材槽に移動することとなる。したがって、これらの温度調節手段によって試材槽あるいは管路の温度を調節することにより、試材が容易に温度制御されることとなる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のマイクロリアクタにおいて、前記基板は、複数に分割され前記複数の試材槽または前記管路を有する分割基板を連結してなることを特徴とする。
この発明によれば、このようにマイクロリアクタの基板を分割して連結できる構成としたことで、基板に設けられた試材槽および管路を自由に変更して配置することが可能となる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のマイクロリアクタにおいて、前記温度調節手段は、ペルチェ素子であることを特徴とする。
この発明によれば、温度調節手段がペルチェ素子であることで、小型の温度調節手段、特に冷却手段としてマイクロリアクタに有効に利用されることとなる。
請求項4に係る発明は、請求項3記載のマイクロリアクタにおいて、前記試材槽あるいは前記管路の上部あるいは下部に凹部が形成され、前記凹部にペルチェ素子が埋設されていることを特徴とする。
この発明によれば、試材槽あるいは管路の上部あるいは下部に凹部が形成され、凹部にペルチェ素子が埋設されていることで、マイクロリアクタから突出したペルチェ素子が平坦化されるため、構造の合理化が図れることとなる。
請求項5に係る発明は、少なくとも一つに試材が注入される複数の試材槽と、これら試材槽を相互に接続する管路とが形成された基板を備え、前記試材槽および/または前記管路近傍の基板に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されたマイクロリアクタを組立てる組立方法であって、複数に分割され前記複数の試材槽または前記管路を有する分割基板を連結して前記基板を組立てることを特徴とする。
この発明によれば、このように分割基板を連結して基板を組立てることで、基板に設けられた試材槽および管路を自由に変更して配置することが可能となる。
請求項6に係る発明は、マイクロリアクタを用いた物質生成方法であって、少なくとも一方に試材が注入される2以上の試材槽と、これら試材槽を相互に接続する管路とを備え、前記試材槽および/または前記管路近傍の基板に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されたマイクロリアクタを用いて、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記試材を反応させることを特徴とする。
この発明によれば、物質生成方法において、少なくとも一方に試材が注入される2以上の試材槽と、これら試材槽を相互に接続する管路とを備え、試材槽あるいは管路に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されたマイクロリアクタを用いて、試材槽あるいは管路を個別に温度設定して試材を反応させることにより、ある試材槽に注入された試材が管路内を通過して別の試材槽に移動する際、例えばある試材槽側に配置された温度調節手段をある温度に設定し、ある試材槽より別の試材槽側に配置された温度設定手段をある試材槽側に配置された温度調節手段より低い温度に設定すると、その試材がそれらの温度調節手段によって徐々に冷却されながらある試材槽から別の試材槽に移動することとなる。
したがって、この温度調節手段を調節することにより、試材が容易に温度制御され、その温度制御された試材の温度差を利用して試材を反応させて新たな物質が生成されることとなる。
請求項7に係る発明は、請求項6記載のマイクロリアクタを用いた物質生成方法において、前記試材槽に沸点の異なる複数の試材が注入された場合、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記複数の試材の沸点の差を利用して前記試材を反応させることを特徴とする。
この発明によれば、沸点の異なる2つの試材を試材槽に注入させて試材の沸点の差を利用して試材を反応させることにより、試材槽に設けられた温度調節手段によって試材槽の温度を所定の温度まで上昇させることによって一方の試材を気体とし他方の試材を液体とした後、それらの試材を管路に設けられた温度調節手段を用いて管路を冷却しながら反応させて新たな物質を別の試材槽に生成させることができる。
請求項8に係る発明は、請求項6記載のマイクロリアクタを用いた物質生成方法において、前記試材槽に状態変化の異なる複数の試材が注入された場合、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記複数の試材の状態変化を利用して前記試材を反応させることを特徴とする。
この発明によれば、状態変化の異なる2つの試材を試材槽に注入させて試材の状態変化を利用して試材を反応させることにより、試材槽に設けられた温度調節手段によって試材槽の温度を上昇させることによってそれらの試材を気体として反応させた後、それらの試材を管路に設けられた温度調節手段を用いて管路を冷却しながら反応させて新たな物質を別の試材槽に生成させることができる。
請求項9に係る発明は、請求項6記載のマイクロリアクタを用いた物質生成方法において、前記試材槽に溶解度の異なる複数の試材が注入された場合、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記複数の試材の溶解度の差を利用して前記試材を反応させることを特徴とする。
この発明によれば、溶解度の異なる2つの試材を試材槽に注入させて試材の溶解度の差を利用して試材を反応させることにより、試材槽に設けられた温度調節手段によって試材槽を所定の温度に設定してそれらの試材を反応させた後、それらの試材を管路に設けられた温度調節手段を用いて管路を温度を変化させながら反応させて新たな物質を別の試材槽に生成させることができる。
請求項1に係る発明によれば、試材槽あるいは管路に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置され、これらの温度調節手段によって試材槽あるいは管路の温度を調節することにより、試材が容易に温度制御されることとなるので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、試材槽および管路を自由に変更して配置することが可能となるので、物質の生成を容易に行うための試材槽および管路の配置を容易に設定することができる。
請求項3に係る発明によれば、試材槽あるいは管路に、小型の冷却手段としてそれぞれ個別に温度設定される複数のペルチェ素子が所定の間隔を保持して配置され、これらのペルチェ素子によって試材槽あるいは管路の温度を調節することにより、試材が容易に温度制御されることとなるので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、試材槽あるいは管路に凹部が形成され、その凹部にペルチェ素子が埋設されていることにより、マイクロリアクタから突出したペルチェ素子が平坦化され、構造の合理化が図れるので、マイクロリアクタを小型化して物質の生成を容易に行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、試材槽および管路を自由に変更して配置することが可能となるので、物質の生成を容易に行うための試材槽および管路の配置を容易に設定することができる。
請求項6に係る発明によれば、この温度調節手段を調節することにより、試材が容易に温度制御され、その温度制御された試材を反応させて新たな物質が生成されることとなるので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができる。
請求項7に係る発明によれば、試材の沸点の差を利用して試材を反応させることにより、例えば沸点の異なる2つの試材を試材槽に混入させた場合、試材槽に設けられた温度調節手段によって試材槽の温度を所定の温度まで上昇させることによって一方の試材を気体とし他方の試材を液体とした後、それらの試材を管路に設けられた温度調節手段を用いて管路を冷却しながら反応させて新たな物質を別の試材槽に生成させることができるので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができる。
請求項8に係る発明によれば、試材の状態の変化を利用して試材を反応させることにより、例えば2つの試材を試材槽に混入させた場合、試材槽に設けられた温度調節手段によって試材槽の温度を上昇させることによってそれらの試材を気体として反応させた後、それらの試材を管路に設けられた温度調節手段を用いて管路を冷却しながら反応させて新たな物質を別の試材槽に生成させることができるので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができる。
請求項9に係る発明によれば、試材の溶解度の差を利用して試材を反応させることにより、例えば溶解度の異なる2つの試材を試材槽に混入させた場合、試材槽に設けられた温度調節手段によって試材槽を所定の温度に設定してそれらの試材を反応させた後、それらの試材を管路に設けられた温度調節手段を用いて管路を温度を変化させながら反応させて新たな物質を別の試材槽に生成させることができるので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明における第1の実施の形態を示す上面図であって、この発明を適用したマイクロリアクタを示す図である。
マイクロリアクタ10は、基板11と、試材槽としての反応槽12および生成槽13と、管路14と、開口部15と、温度調節手段としてのペルチェ素子16と、蓋部17と、サーミスタ18とを備えている。
基板11は、例えば石英ガラス、シリコン、セラミックス、金属、プラスチックあるいはこれらの複合材料によって矩形に形成されている。その基板11上に、エッチング等で加工されることによって、反応槽12、生成槽13および管路14が形成されている。
反応槽12は、注入された試材を貯溜するとともに、その試材を反応させられるように、例えば平面視矩形である凹部が形成されている。また、生成槽13は、反応槽12において試材が反応したことによって生成された物質を貯溜できるように、例えば平面視矩形である凹部が形成されている。
管路14は、反応槽12で試材が反応して生成された物質を生成槽13に移動できるように、反応槽12と生成槽13とを接続している。また、管路14には、例えば反応槽12と生成槽13との間を通過する物質の中で不要となる気体を外部に排出できるように、分岐部14aからその一部を分岐させて開口部15を設けている。
反応槽12の下部および管路14の下部には、それら反応槽12および管路14を冷却させるペルチェ素子16が複数設けられている。ここでは、反応槽12の下部にペルチェ素子16a、管路14の下部であって反応槽12の近傍にペルチェ素子16b、管路14の下部であって反応槽12と生成槽13との中間にペルチェ素子16c、管路14の下部であって生成槽13の近傍にペルチェ素子16dが設けられている。
ここで、ペルチェ素子は、温度制御を目的とする素子のひとつで、n型半導体チップとp型半導体チップとを、接続用の電極を形成した2枚の絶縁基板によって挟持するとともに、π型となるよう電極に接合して電気的に接続したものである。これに通電すると、ペルチェ効果により半導体チップの一端の温度が下がり、他端の温度が上がるため、2枚の絶縁基板のうち一方のみが冷却され、他方のみが放熱される。温度は電流の大きさ(あるいはパルスのデューティ比)で調整でき、通電の向きを反転すれば冷却から加熱に切替えることも可能である。また、サーミスタを温度調節対象物あるいは温度調節対象箇所近傍に配置することで、設定温度との差から電流の大きさを調整することができる。回路をそれぞれに設けることにより、ペルチェ素子は、それぞれ個別に温度設定が可能となっている。
本発明においては、ペルチェ素子16を設けるとあるときは、ペルチェ素子16を管路14若しくは反応槽12の上部または下部の基板11に接する側若しくは凹部内に、その基板11の一方を接触させて配置されるものとする。
基板11上には、反応槽12、生成槽13および管路14を保護するように、蓋部17が設置されている。この蓋部17は、例えば石英ガラスのように透明な平板によって形成されている。試材によって制限される場合は、基板11と同じ材料で形成されていてもよい。
また、それらペルチェ素子16それぞれの上方であって蓋部17の上部には、温度を測定するサーミスタ18がそれぞれ個別に設置されている。これらサーミスタ18は、個別に温度を検出するようになっている。
なお、図示しないが、反応槽12内に試材を注入できるように、蓋部17を貫通する試材注入孔が設けられている。
このマイクロリアクタ10を用いて溶解度の差を利用して物質を生成するものとして、例えば石英ガラスによって形成されたマイクロリアクタ10を用いて、例えばエステル交換反応を実施する場合、以下のようにして行う。
すなわち、反応槽12に、プロピオン酸メチル(CHCHCOOCH)とエタノール(CHCHOH)とを注入し、次に触媒としてp−トルエンスルホン酸を入れる。そして、サーミスタ18で温度を測定しながら、ペルチェ素子16a,16b,16cに通電して、それぞれ摂氏70度になるまで昇温させるとともに、ペルチェ素子16dに通電して摂氏20度とし、プロピオン酸メチル(CHCHCOOCH)とエタノール(CHCHOH)とを反応させる。
その後、生成槽13にはメタノール(CHOH)が生成されるとともに、反応槽12にはプロピオン酸エチル(CHCHCOOCHCH)が生成される。
また、このマイクロリアクタ10を用いて沸点の差を利用して物質を生成するものとして、例えばシリコンによって形成されたマイクロリアクタ10を用いて、例えばアルコールの分離を実施する場合、以下のようにして行う。
すなわち、予め開口部15を図示しない栓等で閉じておき、反応槽12に、エタノール(CHCHOH)とメトキシエタノール(CHOCHCHOH)との混合物を注入する。そして、サーミスタ18で温度を測定しながら、ペルチェ素子16a,16bに通電して、それぞれ摂氏100度、摂氏80度に設定して昇温させるとともに、ペルチェ素子16c,16dを摂氏10度とする。その後、生成槽13にはエタノール(CHCHOH)、反応槽12にはメトキシエタノール(CHOCHCHOH)が生成される。
この場合、反応槽12および管路14の所定の位置に、それぞれ個別に温度設定される複数のペルチェ素子16a〜16dが所定の間隔を保持して配置されていることにより、例えばエステル交換反応において、反応槽12に注入されたプロピオン酸メチル(CHCHCOOCH)とエタノール(CHCHOH)から生成するメタノール(CHOH)が管路14内を通過して生成槽13に移動する際、ペルチェ素子16a〜16cを摂氏70度に設定し、ペルチェ素子16dを摂氏20度に設定することで、メタノール(CHOH)が徐々に冷却されながらある生成槽13に移動することとなる。したがって、このペルチェ素子16a〜16dにおける個別の温度設定により、プロピオン酸メチル(CHCHCOOCH)とエタノール(CHCHOH)とが容易に温度制御されることとなる。
また、マイクロリアクタ10にペルチェ素子16を採用していることによって、小型の温度調節手段、特に冷却手段としてマイクロリアクタ10に有効に利用されることとなる。
上記の構成によれば、このペルチェ素子16a〜16dにおける個別の温度設定により、反応槽12に注入された試材が生成槽13に移動する際、その試材が容易に温度制御されることとなるので、温度差を利用しながら複数の試材を反応させることによって物質の生成を容易に行うことができる。
図2は、この発明における第2の実施の形態を示す図であって、この発明を適用したマイクロリアクタを示す図である。
マイクロリアクタ20は、基板21,22と、試材槽としての反応槽23および生成槽24と、管路25と、開口部26a,26bと、温度調節手段としてのペルチェ素子27と、サーミスタ28とを備えている。
基板21は、例えば石英ガラス、シリコン、セラミックス、金属、プラスチックあるいはこれらの複合材料によって、例えば平面視矩形に形成されている。その基板21内に、加工により平面視矩形の凹部をなすように、反応槽23および生成槽24が形成されている。
基板22は、例えば石英ガラス、シリコン、セラミックス、金属、プラスチックあるいはこれらの複合材料によって矩形に形成されている。その基板22内に、加工されて横断面視してコ字型となるように、管路25が形成されている。
これらの基板21,22は、図示しないがその基板21,22間にシリコンコート等を介在させて、例えばボルトによって締結して密着されている。
反応槽23は、注入された試材を貯溜するとともに、その試材を反応させられるように矩形に形成されている。また、生成槽24は、反応槽23において試材が反応したことによって生成された物質を貯溜できるように矩形に形成されている。
管路25は、反応槽23で試材が反応して生成された物質を生成槽24に移動できるように、反応槽23と生成槽24とを接続している。また、管路25は、例えば反応槽23と生成槽24との間を通過する物質の中で不要となる気体を外部に排出できるように、あるいは試材を注入させるために、その両端部がそれぞれ開口部26a,26bとなっている。
反応槽23の下部および管路25の上部には、それら反応槽23および管路25を冷却させるペルチェ素子27が複数設けられている。ここでは、反応槽23の下部にペルチェ素子27a、管路25の上部であって反応槽23側にペルチェ素子27b、管路25の上部であって反応槽23と生成槽24との中間にペルチェ素子27c、管路25の上部であって生成槽24側にペルチェ素子27dが設けられている。これらペルチェ素子27は、それぞれその近傍の基板21,22上に温度を測定するサーミスタ28が設置され、個別に温度を検出する。この検出結果に基づいて、図示しない制御手段によってそれぞれ個別の通電量が決定され、各管路25上のペルチェ素子27をそれぞれ個別に温度設定することが可能となっている。なお、サーミスタ28の配置場所は、ペルチェ素子27上であっても、裏面側の基板21,22上であってもよい。
このマイクロリアクタ20を用いて、溶解度の差を利用して物質を生成するものとして、例えば石英ガラスによって形成されたマイクロリアクタ20を用いて、例えばゾルゲル液の生成を実施する場合、以下のようにして行う。
すなわち、開口部26aから窒素を送入して開口部26bから排出させて、マイクロリアクタ20全体を窒素雰囲気にした後、開口部26aから反応槽23に、エトキシリチウム(LiOC)と、ペンタエトキシニオブ(Nb(OC)と、メトキシエタノール(CHOCHCHOH)とを投入して、開口部26aに栓29を取付ける。
その後、ペルチェ素子27a〜27dをそれぞれ摂氏110度、90度、80度、10度に設定して、それらの温度を保持させながら、エトキシリチウム(LiOC)と、ペンタエトキシニオブ(Nb(OC)と、メトキシエタノール(CHOCHCHOH)とを反応させる。
そして、生成槽24にエタノール(CHCHOH)が生成された後、ペルチェ素子27a〜27dをそれぞれ摂氏125度、10度、10度、10度に設定して、それらの温度を保持させながら12時間待機する。
その後、反応槽23には、ニオブ酸リチウムのゾルゲル液が生成される。
また、このマイクロリアクタ20を用いて、例えば石英ガラスによって形成されたマイクロリアクタ20を用いて、例えば金属ナトリウムによるエタノールの乾燥を実施する場合、以下のようにして行う。
すなわち、開口部26aから窒素を送入して開口部26bから排出させて、マイクロリアクタ20全体を窒素雰囲気にした後、開口部26aから反応槽23に、エタノール(CHCHOH)を投入して、ペルチェ素子27a〜27dをそれぞれ摂氏20度に設定し、それらの温度を保持させながら金属ナトリウムの小片を投入して、開口部26aに栓29を取付ける。このとき、ペルチェ素子27a〜27dの温度をサーミスタ28によってモニタリングし、例えばプログラム温調させながら急激な温度上昇を防止する。
その後、反応槽23には、無水エタノールが生成される。
また、このマイクロリアクタ20を用いて、物質の状態変化を利用して物質を生成するものとして、例えば石英ガラスによって形成されたマイクロリアクタ20を用いて、例えばエリトロ体あるいはトレオ体の選択的作製を実施する場合、以下のようにして行う。
すなわち、開口部26aから窒素を送入して開口部26bから排出させて、マイクロリアクタ20全体を窒素雰囲気にした後、開口部26aから反応槽23に、ベンジル酢酸チオアミドと、乾燥有機溶媒と、イソプロピルマグネシウムブロマイドとを投入して、ペルチェ素子27a〜27dをそれぞれ摂氏20度に設定し、それらの温度を数時間保持させる。
ここで、エリトロ体を選択的に作製する場合には、ペルチェ素子27a〜27dをそれぞれ摂氏−78度に設定し、開口部26aからフェニルアルデヒドおよび塩酸を反応槽23に投入した後、液体を取り出して有機溶媒で抽出し、炭酸ナトリウムで後処理して濃縮する。
その後、カラムにより分離してβ−ヒドロキシチオアミドが生成される。このとき、エリトロとトレオとの比は7:1となる。ただし、その収率は80%である。
一方、トレオ体を選択的に作製する場合には、ペルチェ素子27a〜27dをそれぞれ摂氏0度に設定し、開口部26aからフェニルアルデヒドを反応槽23に投入し、ペルチェ素子27a〜27dをそれぞれ摂氏50度に設定して20時間保持する。その後、開口部26aから塩酸を反応槽23に投入し、液体を取り出して有機溶媒で抽出し、炭酸ナトリウムで後処理して濃縮する。
その後、カラムにより分離してβ−ヒドロキシチオアミドが生成される。このとき、エリトロとトレオとの比は1:9となる。ただし、その収率は70%である。
この場合、反応槽23および管路25の所定の位置に、それぞれ個別に温度設定される複数のペルチェ素子27a〜27dが所定の間隔を保持して配置されているので、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
なお、上記実施の形態において、例えば上記第1の実施の形態におけるペルチェ素子16aが、基板11の下部に設置する代わりに、反応槽12の上部あるいは下部に埋設されて配置されてもよい。この場合、その反応槽12の上部あるいは下部に凹部が形成され、その凹部にペルチェ素子16aが埋設されていることにより、マイクロリアクタ10から突出したペルチェ素子16aが平坦化されるため、構造の合理化が図れることとなる。これは、上記第2の実施の形態における反応槽23についても同様である。
また、上記実施の形態において、例えば上記第1の実施の形態におけるペルチェ素子16b〜16dが、管路14の下部に設置する代わりに、管路14の上部あるいは下部に埋設されて配置されてもよい。この場合、その管路14の上部あるいは下部に凹部が形成され、凹部にペルチェ素子16aが埋設されていることにより、マイクロリアクタ10から突出したペルチェ素子16b〜16dが平坦化されるため、構造の合理化が図れることとなる。これは、上記第2の実施の形態における管路25についても同様である。
また、上記各実施の形態とは別の実施の形態として、ペルチェ素子の基板にマイクロリアクタを設け、試材を反応させるものがある。
図3は、そのマイクロリアクタを示す図である。
マイクロリアクタ30は、温度調節手段としてのペルチェ素子の上面に設けられた基板31と、試材槽としての反応槽32,33および生成槽34と、管路35と、蓋部36と、サーミスタ37とを備えている。
基板31は、例えばシリコンによって矩形に形成されている。その基板31上に、エッチング等で加工されることによって、反応槽32,33、生成槽34および管路35が形成されている。
反応槽32,33は、注入された試材を貯溜するとともに、その試材を反応させられるように矩形に形成されている。また、生成槽34は、反応槽32,33において試材が反応したことによって生成された物質を貯溜できるように矩形に形成されている。
管路35は、反応槽32,33で試材が反応して生成された物質を生成槽34に移動できるように、反応槽32,33と生成槽34とを接続している。
基板31上には、反応槽32,33、生成槽34および管路35を保護するように、蓋部36が設置されている。この蓋部36は、例えば石英ガラスのように透明な平板によって形成されている。
また、蓋部36の上部には、温度を測定するサーミスタ37が設置されている。
なお、図示しないが、反応槽32,33内に試材を注入できるように、蓋部36を貫通する試材注入孔が設けられている。
ここで、基板31は、縦20mm、横20mmであり、縦30mm、横30mmのペルチェ素子の基板上に設置されている。また、管路35は、幅500μm、深さ20μmである。
このマイクロリアクタ30を用いて、例えばポリプロピレン等のプラスチックによって形成されたマイクロリアクタ30を用いて、例えば蛋白質の合成を実施する場合、以下のようにして行う。
すなわち、反応槽32を摂氏37度に温度設定し、この反応槽32にたんぱく質を合成する混合液A,Bを注入する。このとき、それぞれマイクロシリンジにて0.05μL/minの流量で100分間注入して等量混合する。
その後、これらによってポリフェニルアラニンが生成槽34に生成される。
図4は、上記とは別のマイクロリアクタを示す図である。
マイクロリアクタ40は、温度調節手段としてのペルチェ素子の基板41と、試材槽としての反応槽42と、蓋部43と、サーミスタ44とを備えている。
基板41は、ペルチェ素子の冷却側の基板であり、その基板41上にエッチング等で切削加工あるいはプレス成形して設けられた円形の反応槽42が形成されている。なお、この反応槽42は、基板41に加工して設けられるのに限らず、基板41上に、予め反応槽42が加工されたプラスチック製基板を密着させたものでもよい。
基板41上には、反応槽42を保護するように、蓋部43が設置されている。この蓋部43は、例えば石英ガラスのように透明な平板によって形成されている。
また、蓋部43の上部には、温度を測定するサーミスタ44が設置されている。
なお、図示しないが、反応槽42内に試材を注入できるように、蓋部43を貫通する試材注入孔が設けられている。
このマイクロリアクタ40を用いて、例えば基板41と兼用したアルミナによって形成されたマイクロリアクタ40を用いて、例えば硫酸銅の再結晶を実施する場合、反応槽42に窒素を送入して窒素雰囲気とし、反応槽42に硫酸銅飽和溶液を注入する。その後、サーミスタ44で温度をモニタリングしながら反応槽42を摂氏95度まで昇温した後、摂氏6度まで降温させる。ここで生成した物質を別途ろ過すれば硫酸銅の結晶が得られる。
また、図5に示すように、複数例えば2つのマイクロリアクタを重ねて配置し、上層と下層とを管路で接続してもよい。
すなわち、マイクロリアクタユニット50は、上下に重ねて配置された2つのマイクロリアクタ51,52を備えている。マイクロリアクタ51には、反応槽53aと生成槽53bと管路54とが設けられ、マイクロリアクタ52には、反応槽55aと生成槽55bと管路56とが設けられている。
マイクロリアクタ51とマイクロリアクタ52との間には、平板部57が設けられ、その平板部57の内部にはペルチェ素子58が埋設されている。
また、マイクロリアクタユニット50の内部には、管路54と管路56とを平板部57を貫通して接続する管路59が設けられている。
また、マイクロリアクタ52の上部には、反応槽55a、生成槽55bおよび管路56を保護するように、蓋部60が設置されている。
マイクロリアクタユニット50を用いて、マイクロリアクタ51の温度を上昇させ、マイクロリアクタ52の温度を低下させて生成物質を反応させる場合、これら2つのマイクロリアクタが重層化されていることによって、それぞれの反応槽53a,55aおよび生成槽53b,55bを確保するスペースが集約化されるとともに、それら反応槽53a,55aおよび生成槽53b,55bに対して必要なペルチェ素子58を一つ具備すればよいため、構造の合理化が図れることとなる。
なお、上記各実施の形態におけるマイクロリアクタにおいて、そのマイクロリアクタに設けられた反応槽および生成槽を形成する際、エッチング、ミリング等の微細加工で形成してもよい。また、金属を精密鍛造もしくはメタルインジェクションで形状付与してから表面処理を行って形成してもよい。また、プラスチックを光造形あるいは射出成形することによって形成してもよい。
また、上記各実施の形態において、凹部が必要に応じてその深さを反応槽と生成層とで異なるものとしてよい。
また、凹部の形状は、平面視矩形に限るものではなく、例えば円形でもよい。また、その凹部の断面形状は、その深さおよび傾斜等について、試材の種類に応じて様々な形状に選択可能であってよい。
さらに、管路が必要に応じて勾配を有してもよい。
また、上記各実施の形態において、マイクロリアクタは、複数に分割された基板をそれぞれ連結した構成としてもよい。さらに、基板を分割するか否かによらず、他の基板と連結させた構成としてもよい。
例えば、図6に示すように、上記第1の実施の形態において、マイクロリアクタ10の基板11は、反応槽12および反応槽12の下部に設けられたペルチェ素子16aを有する分割基板11aと、管路14および管路14の下部に設けられたペルチェ素子16bを有する分割基板11bと、管路14、分岐部14a、開口部15および管路14の下部に設けられたペルチェ素子16cを有する分割基板11cと、管路14および管路14の下部に設けられたペルチェ素子16dを有する分割基板11dと、生成槽13を有する分割基板11eとからなる。これら分割基板11a〜11eは、連結用シート19aを介して連結部材19bによって連結される。これら連結用シート19aは、例えばシリコン製のシートであり、0.01〜5mm、好ましくは0.01〜1mmの厚さを有している。また、これら連結用シート19aには、連結された分割基板11a〜11e間を連通する管路14を妨げないように開口部19cが設けられている。
なお、図7に示すように、これら分割基板11a〜11eを収納プレート70内に嵌め込むように収納することで連結させてもよい。このように収納することで、分割基板11a〜11e間を連結する精度を向上させることができる。
また、図8に示すように、分割基板11a〜11eの端部に突起部71を設けてもよい。これら突起部71によって、分割基板11a〜11eを連結したときに、分割基板11a〜11e間に隙間72を有することとなる。これら突起部71および隙間72を設けることで、分割基板11a〜11e間に介在させる連結用シート19aが取付けやすくなる。なお、これら隙間72は、連結用シート19aの厚さより薄くなるように設けられることが好ましい。
このようにマイクロリアクタの基板を分割して連結できる構成としたことで、基板に設けられた反応槽、生成槽、管路、開口部およびペルチェ素子の構成を自由に変更して配置することが可能となる。例えば、図9に示すように、管路14の一部を延長するために、ペルチェ素子16fおよびサーミスタ18を有する分割基板11fと調整用の分割基板11gとを追加して取付けるような構成の変更が可能である。したがって、基板に設けられた上記構成部品の構成を自由に変更して配置することが可能となるので、物質の生成を容易に行うための試材槽および管路の配置を容易に設定することができる。
この発明における第1の実施の形態に係るマイクロリアクタの平面図である。 この発明における第2の実施の形態に係るマイクロリアクタを示す図であり、(a)はその断面図、(b)は下側の基板の平面図、(c)は上側の基板の平面図である。 別の実施の形態に係るマイクロリアクタの平面図である。 さらに別の実施の形態に係るマイクロリアクタを示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその断面図である。 さらに別の実施の形態に係るマイクロリアクタを示す断面図である。 この発明における第1の実施の形態に係るマイクロリアクタの変形例の平面図である。 この発明における第1の実施の形態に係るマイクロリアクタの別の変形例の平面図である。 この発明における第1の実施の形態に係るマイクロリアクタの別の変形例の部分拡大図である。 この発明における第1の実施の形態に係るマイクロリアクタの別の変形例の平面図である。
符号の説明
10 マイクロリアクタ
11 基板
12 反応槽(試材槽)
13 生成槽
14 管路
15 開口部
16 ペルチェ素子(温度調節手段)
17 蓋部
18 サーミスタ
20 マイクロリアクタ
21,22 基板
23 反応槽(試材槽)
24 生成槽
25 管路
26a,26b 開口部
27 ペルチェ素子(温度調節手段)
28 サーミスタ
30 マイクロリアクタ
31 基板
32,33 反応槽(試材槽)
34 生成槽
35 管路
36 蓋部
37 サーミスタ
40 マイクロリアクタ
41 基板
42 反応槽(試材槽)
43 蓋部
44 サーミスタ
50 マイクロリアクタユニット
51,52 マイクロリアクタ
53a,55a 反応槽
53b,55b 生成槽
54,56,59 管路
57 平板
58 ペルチェ素子
60 蓋部

Claims (9)

  1. 少なくとも一つに試材が注入される複数の試材槽と、これら試材槽を相互に接続する管路とが形成された基板を備えたマイクロリアクタにおいて、
    前記試材槽および/または前記管路近傍の基板に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されていることを特徴とするマイクロリアクタ。
  2. 前記基板は、複数に分割され前記複数の試材槽または前記管路を有する分割基板を連結してなることを特徴とする請求項1記載のマイクロリアクタ。
  3. 前記温度調節手段は、ペルチェ素子であることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロリアクタ。
  4. 前記試材槽あるいは前記管路の上部あるいは下部に凹部が形成され、前記凹部にペルチェ素子が埋設されていることを特徴とする請求項3記載のマイクロリアクタ。
  5. 少なくとも一つに試材が注入される複数の試材槽と、これら試材槽を相互に接続する管路とが形成された基板を備え、前記試材槽および/または前記管路近傍の基板に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されたマイクロリアクタを組立てる組立方法であって、
    複数に分割され前記複数の試材槽または前記管路を有する分割基板を連結して前記基板を組立てることを特徴とするマイクロリアクタの組立方法。
  6. 少なくとも一方に試材が注入される2以上の試材槽と、これら試材槽を相互に接続する管路とを備え、前記試材槽および/または前記管路近傍の基板に、それぞれ個別に温度設定される複数の温度調節手段が所定の間隔を保持して配置されたマイクロリアクタを用いて、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記試材を反応させることを特徴とするマイクロリアクタを用いた物質生成方法。
  7. 前記試材槽に沸点の異なる複数の試材が注入された場合、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記複数の試材の沸点の差を利用して前記試材を反応させることを特徴とする請求項6記載のマイクロリアクタを用いた物質生成方法。
  8. 前記試材槽に状態変化の異なる複数の試材が注入された場合、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記複数の試材の状態変化を利用して前記試材を反応させることを特徴とする請求項6記載のマイクロリアクタを用いた物質生成方法。
  9. 前記試材槽に溶解度の異なる複数の試材が注入された場合、前記試材槽あるいは前記管路を前記複数の温度調節手段によって個別に温度設定して前記複数の試材の溶解度の差を利用して前記試材を反応させることを特徴とする請求項6記載のマイクロリアクタを用いた物質生成方法。
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