JP2005094870A - 配電系統の供給信頼度評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】配電系統に内在する各種の不確定性要因を考慮した供給信頼度の定量的評価を可能にし、かつ、系統の特徴の理解や対応策の検討に役立つ供給信頼度評価方法を提供する。
【解決手段】様々な想定事故と負荷状態に基づく不確定性を考慮したシナリオを作成する(ステップS1)。次に、負荷融通を実施して、各シナリオに対して負荷融通可能かどうかを調べる(S2)。この負荷融通結果より、各シナリオに対して複数の供給信頼度指標を求め(S3)、以上の処理を全てのシナリオに対して行なう(S4)。その後、各配電線利用率ごとの供給信頼度指標の評価値(平均的評価値、最悪評価値)を求め、正規化等を行って総合評価値を求める(S5)。
【選択図】 図4
【解決手段】様々な想定事故と負荷状態に基づく不確定性を考慮したシナリオを作成する(ステップS1)。次に、負荷融通を実施して、各シナリオに対して負荷融通可能かどうかを調べる(S2)。この負荷融通結果より、各シナリオに対して複数の供給信頼度指標を求め(S3)、以上の処理を全てのシナリオに対して行なう(S4)。その後、各配電線利用率ごとの供給信頼度指標の評価値(平均的評価値、最悪評価値)を求め、正規化等を行って総合評価値を求める(S5)。
【選択図】 図4
Description
本発明は、配電系統に存在する種々の不確定性要因として、事故や負荷の不確定性、分散電源の出力等を考慮したシナリオを用いることにより供給信頼度を評価するようにした配電系統の供給信頼度評価方法に関する。
従来、配電系統の供給信頼度は、例えば下記の非特許文献1に記載されているように、停電実績の統計データから算出されるSAIFI(System Average Interruption Frequency Index:1需要家の年間当りの平均停電発生回数)、SAIDI(System Average Interruption Duration Index:1需要家の年間当りの平均停電持続時間)といった指標を用いて評価されてきた。
しかし上記指標は、系統構成を考慮することなく一般的な統計データのみから得られており、検討対象で想定される事故に対する負荷融通の可否など、系統状態も考慮したシミュレーションによる検討はなされていない。
しかし上記指標は、系統構成を考慮することなく一般的な統計データのみから得られており、検討対象で想定される事故に対する負荷融通の可否など、系統状態も考慮したシミュレーションによる検討はなされていない。
株式会社オーム社編,「電気工学ハンドブック」,第6版,社団法人電気学会発行,2001年2月20日,p.1001
従来、電力会社は、かなりの希頻度事故を除くほとんどの事故に対応できるように、供給信頼度の確保対策を講じてきた。しかし、電力自由化の進展及び分散電源の導入による不確定性の増加、配電系統運用の柔軟化等を考慮すると、このような状況に対応して従来と同様の供給信頼度を確定的に保障することは経済的に困難になってくると考えられる。
従って、あらゆる事故状況に対応すると言うのではなく、経済的に許容される供給信頼度を確保するものとし、対応できない事故状況に対してはその影響度の定量的な評価を行う必要がある。
従って、あらゆる事故状況に対応すると言うのではなく、経済的に許容される供給信頼度を確保するものとし、対応できない事故状況に対してはその影響度の定量的な評価を行う必要がある。
この定量的な評価を行う場合、配電系統に内在する各種の不確定性要因(事故発生個所、負荷の大きさ、分散電源の出力等)を考慮する必要がある。そのためには、上記の不確定性要因を含んだシナリオを作成し、その全てのシナリオについて供給信頼度を評価する必要があるが、従来はこのような検討がなされることはなかった。従って、不確定性要因を考慮した供給信頼度の評価方法についても確たる指標は存在しないのが現状である。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、種々の不確定性要因を考慮した供給信頼度の定量的評価を可能にし、かつ、系統の特徴の理解や対応策の検討にも役立つ供給信頼度評価方法を提供しようとするものである。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、種々の不確定性要因を考慮した供給信頼度の定量的評価を可能にし、かつ、系統の特徴の理解や対応策の検討にも役立つ供給信頼度評価方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、配電系統における不確定性要因として、事故発生箇所及び発生確率により表現される事故の不確定性、並びに、負荷状態及びその存在確率により表現される負荷の不確実性を用いたシナリオを作成するステップと、これらのシナリオ全てにつき負荷融通を実施するステップと、この負荷融通の結果に基づいて各シナリオごとに供給信頼度指標を算出するステップと、これらの供給信頼度指標を用いて配電系統の供給信頼度を評価するステップと、を有するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
各シナリオごとの供給信頼度指標に当該シナリオの発生確率を乗じて当該シナリオにおける供給信頼度指標の期待値を算出し、これらの期待値を用いて配電系統の供給信頼度を評価するものである。
各シナリオごとの供給信頼度指標に当該シナリオの発生確率を乗じて当該シナリオにおける供給信頼度指標の期待値を算出し、これらの期待値を用いて配電系統の供給信頼度を評価するものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
負荷状態としての配電線利用率が同一であるシナリオごとに前記期待値を積算し、これらの積算値を各配電線利用率における平均的評価値として配電系統の供給信頼度を評価するものである。
負荷状態としての配電線利用率が同一であるシナリオごとに前記期待値を積算し、これらの積算値を各配電線利用率における平均的評価値として配電系統の供給信頼度を評価するものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
各シナリオごとの供給信頼度指標の最悪値を算出し、これらの最悪値を用いて配電系統の供給信頼度を評価するものである。
各シナリオごとの供給信頼度指標の最悪値を算出し、これらの最悪値を用いて配電系統の供給信頼度を評価するものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
負荷状態としての配電線利用率が同一である複数のシナリオの中から供給信頼度指標の最悪値を求め、この最悪値を各配電線利用率における最悪評価値として配電系統の供給信頼度を評価するものである。
負荷状態としての配電線利用率が同一である複数のシナリオの中から供給信頼度指標の最悪値を求め、この最悪値を各配電線利用率における最悪評価値として配電系統の供給信頼度を評価するものである。
請求項6の発明は、請求項2または3における前記期待値、及び、請求項4または5における前記最悪値を用いて配電系統の供給信頼度を評価するものである。
本発明によれば、配電系統に存在する事故や負荷の不確定性を考慮したシナリオに基づいて算出した供給信頼度指標により、対象系統の供給信頼度を絶対評価または相対評価することができる。
また、異なる系統間の供給信頼度を、供給信頼度指標の期待値に基づく平均的評価、供給信頼度指標の最悪値に基づく最悪評価の両面において定量的に評価することが可能になると共に、系統の特徴の理解に役立てることができ、供給信頼度の評価結果を、対応策検討時の基礎データとして活用することが可能となる。
また、異なる系統間の供給信頼度を、供給信頼度指標の期待値に基づく平均的評価、供給信頼度指標の最悪値に基づく最悪評価の両面において定量的に評価することが可能になると共に、系統の特徴の理解に役立てることができ、供給信頼度の評価結果を、対応策検討時の基礎データとして活用することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図に沿って説明する。
まず、請求項1に係る発明の実施形態として、不確定性要因として配電系統に発生する事故及び負荷を考慮したシナリオにより評価を行う配電系統供給信頼度評価方法について説明する。
まず、請求項1に係る発明の実施形態として、不確定性要因として配電系統に発生する事故及び負荷を考慮したシナリオにより評価を行う配電系統供給信頼度評価方法について説明する。
従来用いられてきた配電系統供給信頼度評価方法は、負荷条件として最悪条件となる重負荷状態のみを想定し、事故は対象系統内の全事故点を網羅的に評価してきた。しかし、事故は負荷状態とは関係なくランダムに発生する。そこで、不確定性を考慮した配電系統供給信頼度評価方法として、負荷の不確定性と事故の不確定性とを考慮してこれらを組合せたシナリオを作成し、このシナリオに対する負荷融通の可否を元に供給信頼度の評価を行う。
負荷の不確定性は負荷状態(負荷電流の大きさ)及びその存在確率により表現され、事故の不確定性は事故発生箇所及び発生確率により表現される。従って、作成されるシナリオは、これらの負荷状態及びその存在確率、事故発生箇所及び発生確率を要素として含み、シナリオの不確定性は、負荷状態の存在確率と事故の発生確率との積で定まるシナリオの発生確率で表現される。
以下に、簡単な例を用いてシナリオ作成の概要を示す。
以下に、簡単な例を用いてシナリオ作成の概要を示す。
図1は、例題系統の説明図であり、バンク1,2及びその間の区間1〜6からなる2バンク、6区間系統を摸擬的に示した図である。なお、バンク1,区間1,2,3の間、及び、バンク2,区間4,5,6の間には閉開閉器がそれぞれ設けられ、また、区間3,6の間には開開閉器が設けられている。
図1に示す例題系統において、事故発生の可能性がある場所は以下のとおりである。
・バンク1,バンク2
・区間1,区間2,区間3,区間4,区間5,区間6
図1に示す例題系統において、事故発生の可能性がある場所は以下のとおりである。
・バンク1,バンク2
・区間1,区間2,区間3,区間4,区間5,区間6
つまり、図1に示す系統の全ての事故発生箇所は、バンク事故2箇所、区間事故6箇所の合計8箇所となる。これらの事故発生確率は、例えば過去の統計データから得られる年間事故率の実績などにより予め定めておく。ここでは、各事故が表1に示される事故発生確率を持つものと仮定する。
なお、事故発生確率は年間当りの事故発生回数として表され、その単位は(回/年)となる。従って、全ての事故を積算した事故発生確率は対象系統の年間当りの事故発生回数となる。表1の例においては、全ての事故を積算した事故発生確率は0.93(回/年)であり、対象系統は年間当り約1回の事故が発生することになる。
負荷状態については、負荷持続曲線から代表的な負荷状態を選択し、その負荷状態の年間滞在確率を用いて不確定性を表現する。例えば、代表的な負荷状態として重負荷、中負荷、軽負荷の3状態を選択し、それぞれの状態の年間滞在確率を設定する。表2に、負荷状態の年間滞在確率の例を示す。
負荷状態の年間滞在確率は、1年の時間換算(8760時間)とその負荷状態が存在する年間時間の比として定義され、その単位は無次元となる。従って、全ての負荷状態の年間滞在確率を積算すると1になる。
次に、上述した事故と負荷状態との組合せにより想定するシナリオを作成する。作成されるシナリオの発生確率は、シナリオに含まれる事故の発生確率と、シナリオに含まれる負荷状態の年間滞在確率との積で表す。表1及び表2から作成したシナリオを表3に示す。
表3において、例えばシナリオ番号8は、重負荷時に区間6に事故が発生したシナリオであることを示し、その発生確率は0.030であることを意味している。
想定事故総数が8ケース、負荷状態総数が3ケースであるため、作成されるシナリオの総数は8×3=24ケースである。また、全てのシナリオの発生確率を積算した値は、全ての事故を積算した事故発生確率と等しくなる。
想定事故総数が8ケース、負荷状態総数が3ケースであるため、作成されるシナリオの総数は8×3=24ケースである。また、全てのシナリオの発生確率を積算した値は、全ての事故を積算した事故発生確率と等しくなる。
本実施形態では、このように不確定性を考慮して作成した全てのシナリオについて負荷融通を実施し、全ての区間に負荷融通可能であるかどうかを調べる。この結果を元にして、シナリオ毎に以下に示す供給信頼度指標を算出する。
(1)未送電力:Punsup[kW]
(2)停電電力:Poutage[kW]
(3)供給予備力の未活用率:Runuse[%]
(4)単位設備当たりの未送電力率:Runsup[%]
(5)単位設備当たりの停電電力率:Routage[%]
(1)未送電力:Punsup[kW]
(2)停電電力:Poutage[kW]
(3)供給予備力の未活用率:Runuse[%]
(4)単位設備当たりの未送電力率:Runsup[%]
(5)単位設備当たりの停電電力率:Routage[%]
このうち、(1)の未送電力と(2)の停電電力については、以下のように説明される。
系統に事故が発生した場合、事故区間は区分開閉器により系統から切り離され、事故除去を行うまでは電力供給されない。すなわち、事故区間は停電となるが、この場合の事故区間内の負荷電力の総和を事故電力と定義する。また、事故フィーダー内の健全区間(例えば事故区間の下流に位置する区間)は通常、健全フィーダとの連系開閉器を通して融通送電がなされる。しかし設備増強を最小限とし、配電線利用率を限界近くまで上げた運用を行っている場合、他フィーダからの融通送電ができなくなることが考えられる。このような状況においては、事故区間の下流区間には電力が供給されない可能性が高い。
これらの電力供給されない区間は、本来は電力供給に支障がない区間が他区間の事故により電力が供給されなくなってしまう区間である。この区間を未送区間とし、未送区間に含まれる負荷電力の総和を未送電力と定義する。実際に停電となる区間は事故区間と未送区間の合計であるので、事故区間と未送区間とを合わせた区間を停電区間、事故電力と未送電力との和を停電電力と定義する。
また、(1)の未送電力と(2)の停電電力とは絶対的な物理量(ここではkW)値にて示され、他系統との絶対評価に用いることができる指標である。
系統に事故が発生した場合、事故区間は区分開閉器により系統から切り離され、事故除去を行うまでは電力供給されない。すなわち、事故区間は停電となるが、この場合の事故区間内の負荷電力の総和を事故電力と定義する。また、事故フィーダー内の健全区間(例えば事故区間の下流に位置する区間)は通常、健全フィーダとの連系開閉器を通して融通送電がなされる。しかし設備増強を最小限とし、配電線利用率を限界近くまで上げた運用を行っている場合、他フィーダからの融通送電ができなくなることが考えられる。このような状況においては、事故区間の下流区間には電力が供給されない可能性が高い。
これらの電力供給されない区間は、本来は電力供給に支障がない区間が他区間の事故により電力が供給されなくなってしまう区間である。この区間を未送区間とし、未送区間に含まれる負荷電力の総和を未送電力と定義する。実際に停電となる区間は事故区間と未送区間の合計であるので、事故区間と未送区間とを合わせた区間を停電区間、事故電力と未送電力との和を停電電力と定義する。
また、(1)の未送電力と(2)の停電電力とは絶対的な物理量(ここではkW)値にて示され、他系統との絶対評価に用いることができる指標である。
更に、(3)〜(5)の指標については、以下に示す数式1〜数式3にて定義する。
これらの数式において、Ptotal:総設備容量、Pload:対象系統内の負荷総量である。
(3)の未活用率は、未送電力に対して対象系統が使用していない電力、すなわち対象系統の予備力に対する割合として示される。つまり未活用率は、本来対象系統が持っている予備力が活用されていない割合を示すことになる。
(4)の未送電力率、(5)の停電電力率は、それぞれ未送電力、停電電力に対する総設備容量の割合で示され、他系統との相対評価に用いることができる。
以上の指標を全てのシナリオに対して算出して、配電系統の供給信頼度を算出する。
(3)の未活用率は、未送電力に対して対象系統が使用していない電力、すなわち対象系統の予備力に対する割合として示される。つまり未活用率は、本来対象系統が持っている予備力が活用されていない割合を示すことになる。
(4)の未送電力率、(5)の停電電力率は、それぞれ未送電力、停電電力に対する総設備容量の割合で示され、他系統との相対評価に用いることができる。
以上の指標を全てのシナリオに対して算出して、配電系統の供給信頼度を算出する。
次に、請求項2,3に係る発明の実施形態として、対象配電系統の供給信頼度を、シナリオの発生確率とそのシナリオにおける電力供給できない負荷量の積(期待値)により評価する配電系統供給信頼度評価方法を説明する。
請求項1では不確定性を考慮した全てのシナリオについて、例えば5つの供給信頼度指標を算出するが、各シナリオには発生確率が設定されているので、供給信頼度指標にそのシナリオの発生確率を掛け合わせると、そのシナリオに対する供給信頼度指標の期待値が算出される。すなわち、5つの供給信頼度指標について、数式4〜数式8により期待値が算出される。
請求項1では不確定性を考慮した全てのシナリオについて、例えば5つの供給信頼度指標を算出するが、各シナリオには発生確率が設定されているので、供給信頼度指標にそのシナリオの発生確率を掛け合わせると、そのシナリオに対する供給信頼度指標の期待値が算出される。すなわち、5つの供給信頼度指標について、数式4〜数式8により期待値が算出される。
ここで、
EPunsup(i):シナリオiにおける未送電力期待値
EPoutage(i):シナリオiにおける停電電力期待値
ERunuse(i):シナリオiにおける未活用率期待値
ERunsup(i):シナリオiにおける未送電力率期待値
ERoutage(i):シナリオiにおける停電電力率期待値
Sp(i):シナリオiの発生確率
である。
EPunsup(i):シナリオiにおける未送電力期待値
EPoutage(i):シナリオiにおける停電電力期待値
ERunuse(i):シナリオiにおける未活用率期待値
ERunsup(i):シナリオiにおける未送電力率期待値
ERoutage(i):シナリオiにおける停電電力率期待値
Sp(i):シナリオiの発生確率
である。
この各供給信頼度指標の期待値を用いて、対象系統の供給信頼度評価を行う。
具体的には、配電線利用率が同一であるシナリオ(負荷状態が同一であるシナリオ)毎に期待値を積算する。この期待値の積算値が、各配電線利用率における供給信頼度の平均的評価値となる。期待値を求めようとする負荷状態(例えば、配電線利用率ηの負荷状態で運転しているとき)における供給信頼度の平均的評価値は、以下の数式9〜13により求める。
具体的には、配電線利用率が同一であるシナリオ(負荷状態が同一であるシナリオ)毎に期待値を積算する。この期待値の積算値が、各配電線利用率における供給信頼度の平均的評価値となる。期待値を求めようとする負荷状態(例えば、配電線利用率ηの負荷状態で運転しているとき)における供給信頼度の平均的評価値は、以下の数式9〜13により求める。
ここで、
n:期待値を求めようとする負荷状態のシナリオ数
EPunsup(η):利用率ηにおける未送電力期待値
EPoutage(η):利用率ηにおける停電電力期待値
ERunuse(η):利用率ηにおける未活用率期待値
ERunsup(η):利用率ηにおける未送電力率期待値
ERoutage(η):利用率ηにおける停電電力率期待値
である。
n:期待値を求めようとする負荷状態のシナリオ数
EPunsup(η):利用率ηにおける未送電力期待値
EPoutage(η):利用率ηにおける停電電力期待値
ERunuse(η):利用率ηにおける未活用率期待値
ERunsup(η):利用率ηにおける未送電力率期待値
ERoutage(η):利用率ηにおける停電電力率期待値
である。
数式9〜数式13からわかるように、各シナリオごとに求められる期待値のうち、評価したい負荷状態に関するものを積算することによって、任意の負荷状態に対応する信頼度評価が可能になる。
図2は、期待値を利用した供給信頼度評価の例を示しており、横軸は負荷状態としての配電線利用率、縦軸は数式9や数式10で示される未送電力期待値や停電電力期待値である。
上述した期待値に基づく平均的評価においては、配電線利用率が小さい状況では未送電力や停電電力の発生が小さく、また配電線利用率が大きい状況では未送電力や停電電力の発生は大きいが、これらの負荷状態(配電線利用率)が生起する確率が小さくなっているので、期待値としては、一般的には、利用率が中間的な状況で最大になる。
図2の例では、配電線利用率が60%の状態にて期待値が最大になるといった系統の特徴を即座に理解することができる。
図2の例では、配電線利用率が60%の状態にて期待値が最大になるといった系統の特徴を即座に理解することができる。
次いで、請求項4,5に係る発明の実施形態として、対象配電系統の供給信頼度を、各シナリオにおける電力供給できない負荷量の最悪値を用いて評価する配電系統供給信頼度評価方法について説明する。
重負荷状態においてバンク事故のような重大な事故が発生した場合、実際に生じる支障の大きさに対しては、平均的評価では実感と異なった評価になってしまうと考えられる。このような事故は、供給信頼度指標の期待値に基づく平均的な評価を用いただけでは評価しきれない。重大事故に対してはリスク評価の観点から、実際に起こり得る最悪値を予め評価しておくことは、それへの対応策を検討する上で重要なことである。
重負荷状態においてバンク事故のような重大な事故が発生した場合、実際に生じる支障の大きさに対しては、平均的評価では実感と異なった評価になってしまうと考えられる。このような事故は、供給信頼度指標の期待値に基づく平均的な評価を用いただけでは評価しきれない。重大事故に対してはリスク評価の観点から、実際に起こり得る最悪値を予め評価しておくことは、それへの対応策を検討する上で重要なことである。
そこで、供給信頼度指標の期待値に基づく評価とは別に、実際に起こり得る最悪評価も行うこととする。この最悪評価も、期待値評価と同様に負荷状態として同一の配電線利用率を持つシナリオのセットの中から最悪値を求める。利用率ηにおける供給信頼度の最悪評価値は、以下の数式14〜18のように供給信頼度指標の最大値から求める。
ここで、
MAX(Punsup(η)):利用率ηにおける未送電力最大値
MAX(Poutage(η)):利用率ηにおける停電電力最大値
MAX(Runuse(η)):利用率ηにおける未活用率最大値
MAX(Runsup(η)):利用率ηにおける未送電力率最大値
MAX(Routage(η)):利用率ηにおける停電電力率最大値
である。
MAX(Punsup(η)):利用率ηにおける未送電力最大値
MAX(Poutage(η)):利用率ηにおける停電電力最大値
MAX(Runuse(η)):利用率ηにおける未活用率最大値
MAX(Runsup(η)):利用率ηにおける未送電力率最大値
MAX(Routage(η)):利用率ηにおける停電電力率最大値
である。
図3は、最悪値を利用した供給信頼度評価の例を示しており、横軸は負荷状態としての配電線利用率、縦軸は数式14や数式15で示される未送電力最大値や停電電力最大値である。
次に、請求項6に係る発明の実施形態として、上述した対象配電系統の供給信頼度を請求項2,3の期待値と請求項4,5の最悪値との両面から総合的に評価する配電系統供給信頼度評価方法について説明する。
供給信頼度の総合評価においては、全ての配電線利用率における期待値を全て足し合わせて求められる年間当りの期待値と、全ての配電線利用率における年間当りの最悪値とを用いる。
各供給信頼度指標の年間当りの期待値(数式19〜23)と最悪値(数式24〜28)とは、以下のようになる。
供給信頼度の総合評価においては、全ての配電線利用率における期待値を全て足し合わせて求められる年間当りの期待値と、全ての配電線利用率における年間当りの最悪値とを用いる。
各供給信頼度指標の年間当りの期待値(数式19〜23)と最悪値(数式24〜28)とは、以下のようになる。
ここで、
EPunsup:未送電力の年間当りの期待値
EPoutage:停電電力の年間当りの期待値
ERunuse:未活用率の年間当りの期待値
ERunsup:未送電力率の年間当りの期待値
ERoutage:停電電力率の年間当りの期待値
MAXPunsup:未送電力の年間当りの最悪値
MAXPoutage:停電電力の年間当りの最悪値
MAXRunuse:未活用率の年間当りの最悪値
MAXRunsup:未送電力率の年間当りの最悪値
MAXRoutage:停電電力率の年間当りの最悪値
である。
EPunsup:未送電力の年間当りの期待値
EPoutage:停電電力の年間当りの期待値
ERunuse:未活用率の年間当りの期待値
ERunsup:未送電力率の年間当りの期待値
ERoutage:停電電力率の年間当りの期待値
MAXPunsup:未送電力の年間当りの最悪値
MAXPoutage:停電電力の年間当りの最悪値
MAXRunuse:未活用率の年間当りの最悪値
MAXRunsup:未送電力率の年間当りの最悪値
MAXRoutage:停電電力率の年間当りの最悪値
である。
このようにして、全ての供給信頼度指標について年間当りの期待値と最悪値とを求め、横軸に正規化した期待値、縦軸に正規化した最悪値をプロットする。最終的な総合評価値は、このようにして得られた各供給信頼度指標の原点からの距離(2乗ノルム)を足し合わせることで、数式29〜数式34により計算する。
ただし、
Punsup:未送電力に関する総合評価値
EPrefunsup:未送電力期待値の正規化基準
MAXPrefunsup:未送電力最大値の正規化基準
Poutage:停電電力に関する総合評価値
EPrefoutage:停電電力期待値の正規化基準
MAXPrefoutage:停電電力最大値の正規化基準
Runuse:未活用率に関する総合評価値
ERrefunuse:未活用率期待値の正規化基準
MAXRrefunuse:未活用率最大値の正規化基準
Runsup:未送電力率に関する総合評価値
ERrefunsup:未送電力率期待値の正規化基準
MAXRrefunsup:未送電力率最大値の正規化基準
Routage:停電電力率に関する総合評価値
ERrefoutage:停電電力率期待値の正規化基準
MAXRrefoutage:停電電力率最大値の正規化基準
Ptotal:総合評価値
である。
Punsup:未送電力に関する総合評価値
EPrefunsup:未送電力期待値の正規化基準
MAXPrefunsup:未送電力最大値の正規化基準
Poutage:停電電力に関する総合評価値
EPrefoutage:停電電力期待値の正規化基準
MAXPrefoutage:停電電力最大値の正規化基準
Runuse:未活用率に関する総合評価値
ERrefunuse:未活用率期待値の正規化基準
MAXRrefunuse:未活用率最大値の正規化基準
Runsup:未送電力率に関する総合評価値
ERrefunsup:未送電力率期待値の正規化基準
MAXRrefunsup:未送電力率最大値の正規化基準
Routage:停電電力率に関する総合評価値
ERrefoutage:停電電力率期待値の正規化基準
MAXRrefoutage:停電電力率最大値の正規化基準
Ptotal:総合評価値
である。
ここで、期待値と最悪値では、その絶対値に大きな差がある。すなわち、最悪値は期待値よりはるかに大きい値となるので、このまま原点からの距離を求めると、最悪値が支配的な総合評価値になってしまう。そこで、本実施形態の総合評価においては、数式29〜数式33に示すように、期待値、最悪値ごとに正規化を行う。
正規化に際しては、期待値、最悪値ともに同一の基準とすれば、期待値、最悪値を同等に扱った評価を行うことができる。また、期待値を重要視する場合は、期待値の正規化基準を小さくすればよく、逆に最悪値を重要視する場合は、最悪値の正規化基準を小さくすればよい。なお、総合評価値は数値そのものには物理的な意味はなく、異なる系統間の相対的な供給信頼度を定量的に評価するものである。また、総合評価値は、値が小さいほど供給信頼度が高くなる。
正規化に際しては、期待値、最悪値ともに同一の基準とすれば、期待値、最悪値を同等に扱った評価を行うことができる。また、期待値を重要視する場合は、期待値の正規化基準を小さくすればよく、逆に最悪値を重要視する場合は、最悪値の正規化基準を小さくすればよい。なお、総合評価値は数値そのものには物理的な意味はなく、異なる系統間の相対的な供給信頼度を定量的に評価するものである。また、総合評価値は、値が小さいほど供給信頼度が高くなる。
図4は、この実施形態により供給信頼度を期待値と最悪値との両面から評価する配電系統供給信頼度評価方法のフローチャートである。
図4において、まず、様々な想定事故と負荷状態に基づく不確定性を考慮したシナリオを作成する(ステップS1)。次に、負荷融通を実施して、各シナリオに対して負荷融通可能かどうかを調べる(ステップS2)。更に、この負荷融通結果より、各シナリオに対して5つの供給信頼度指標を求める(ステップS3)。以上の処理を全てのシナリオに対して行なう(ステップS4)。
図4において、まず、様々な想定事故と負荷状態に基づく不確定性を考慮したシナリオを作成する(ステップS1)。次に、負荷融通を実施して、各シナリオに対して負荷融通可能かどうかを調べる(ステップS2)。更に、この負荷融通結果より、各シナリオに対して5つの供給信頼度指標を求める(ステップS3)。以上の処理を全てのシナリオに対して行なう(ステップS4)。
そして、各配電線利用率ごとの供給信頼度指標の評価値を求める。配電線利用率ごとの評価値としては、平均的評価値(数式9〜13)と最悪評価値(数式14〜18)の2種類を算出する。
平均的評価値は、同一の利用率のシナリオに対して、負荷融通結果から定まる信頼度指標にそのシナリオの発生確率を掛け合わせて期待値とする(数式4から8)。こうして得られた期待値を、評価しようとする負荷状態に関して足し合わせることにより、その負荷状態における平均的評価値とする(数式9〜13)。
また、最悪評価値は、上記負荷状態ごとに各信頼度指標の最悪評価値を求めることで、その負荷状態に対する最悪評価値とする(数式14〜18)。
平均的評価値は、同一の利用率のシナリオに対して、負荷融通結果から定まる信頼度指標にそのシナリオの発生確率を掛け合わせて期待値とする(数式4から8)。こうして得られた期待値を、評価しようとする負荷状態に関して足し合わせることにより、その負荷状態における平均的評価値とする(数式9〜13)。
また、最悪評価値は、上記負荷状態ごとに各信頼度指標の最悪評価値を求めることで、その負荷状態に対する最悪評価値とする(数式14〜18)。
このようにして求めた信頼度指標について、全ての配電線利用率における期待値を全て足し合わせることで求められる年間当りの期待値(数式19〜23)と、全ての配電線利用率における年間当りの最悪値(数式24〜28)とを求め、正規化を行って信頼度指標ごとの評価値(数式29〜33)を求める。最後に、正規化を行った信頼度指標を足し合わせて総合評価値(数式34)を求める(ステップS5)。
以下に、本発明の実施例を説明する。
図5は、この実施例が適用される配電系統(6バンク、36フィーダ、全108区間)を示している。なお、○は区間を示し、これらの区間のうち◎は分散電源を含む区間を示す。また、バンク2で事故が発生した場合の停電区間を網掛けで示してある。
図5は、この実施例が適用される配電系統(6バンク、36フィーダ、全108区間)を示している。なお、○は区間を示し、これらの区間のうち◎は分散電源を含む区間を示す。また、バンク2で事故が発生した場合の停電区間を網掛けで示してある。
図5に示す系統において、各バンクにそれぞれ1個の分散電源(定格容量1000kWの同期機)が連系されているとする。この系統に対する想定事故は、バンク事故6ケース、区間事故108ケースの全114ケースである。なお、各想定事故の発生確率は年間事故確率の実績から、下記の表4のように設定した。これは、この系統では年間当り約3回の事故発生に相当する。
なお、表4において、区間1,区間2,区間3は図5に示した各区間である。実際の配電系統では、バンク1に隣接する区間1の線種が地中ケーブル及び架空線、区間2,3が架空線のみとなって区間1と区間2,3では区間内に含まれる線種が異なっており、線種が異なれば事故発生確率も異なるため、表4のように区間1と区間2,3とを区別して設定したものである。
なお、表4において、区間1,区間2,区間3は図5に示した各区間である。実際の配電系統では、バンク1に隣接する区間1の線種が地中ケーブル及び架空線、区間2,3が架空線のみとなって区間1と区間2,3では区間内に含まれる線種が異なっており、線種が異なれば事故発生確率も異なるため、表4のように区間1と区間2,3とを区別して設定したものである。
また、表5に、設定する負荷状態と発生確率を示す。
負荷種別は住宅地、商業地、及び、住宅地と商業地が混在する一般負荷、の3種類としている。なお、図5の系統に、表4に示した想定事故と、表5に示した負荷状態とを適用した場合のシナリオ総数は、114×10=1140ケースとなる。
また、シミュレーションにおいては、負荷融通時フィーダ容量を400Aと仮定している。以上の条件のもとに、以下に示す2つの負荷モデルについてシミュレーションを行った。
ケース1:全ての負荷を住宅地とする。
ケース2:住宅地、商業地、一般負荷を均等に分布させる。
また、シミュレーションにおいては、負荷融通時フィーダ容量を400Aと仮定している。以上の条件のもとに、以下に示す2つの負荷モデルについてシミュレーションを行った。
ケース1:全ての負荷を住宅地とする。
ケース2:住宅地、商業地、一般負荷を均等に分布させる。
これらの両ケースにおいて、信頼度指標の平均的評価結果を表6に、最悪評価結果を表7に示す。なお、表6,表7の各行は表5の負荷状態ケースにそれぞれ対応している。
表6において、Utilization rateは配電線利用率、Unsupplied powerは未送電力の年間当たりの期待値(数式19)、Outage powerは停電電力の年間当たりの期待値(数式20)、Unused rateは未活用率の年間当たりの期待値(数式21)、Unsupplied rateは未送電力率の年間当たりの期待値(数式22)、Outage rateは停電電力率の年間当たりの期待値(数式23)である。
また、表7において、Utilization rateは配電線利用率、Unsupplied powerは未送電力の年間当たりの最悪値(数式24)、Outage powerは停電電力の年間当たりの最悪値(数式25)、Unused rateは未活用率の年間当たりの最悪値(数式26)、Unsupplied rateは未送電力率の年間当たりの最悪値(数式27)、Outage rateは停電電力率の年間当たりの最悪値(数式28)である。
表6において、Utilization rateは配電線利用率、Unsupplied powerは未送電力の年間当たりの期待値(数式19)、Outage powerは停電電力の年間当たりの期待値(数式20)、Unused rateは未活用率の年間当たりの期待値(数式21)、Unsupplied rateは未送電力率の年間当たりの期待値(数式22)、Outage rateは停電電力率の年間当たりの期待値(数式23)である。
また、表7において、Utilization rateは配電線利用率、Unsupplied powerは未送電力の年間当たりの最悪値(数式24)、Outage powerは停電電力の年間当たりの最悪値(数式25)、Unused rateは未活用率の年間当たりの最悪値(数式26)、Unsupplied rateは未送電力率の年間当たりの最悪値(数式27)、Outage rateは停電電力率の年間当たりの最悪値(数式28)である。
表6,7から、ケース1,2ともに、配電線利用率が約50%程度までは未送電力の発生がないことが分かる。すなわち、配電線利用率が約50%までは、対象系統が持っている予備力がうまく活用され、系統に事故が発生しても他フィーダからの融通送電がなされていることが分かる。配電線利用率が50%を越えると未送電力が発生し、配電線利用率の上昇とともに評価値は大きくなっている。
この傾向は、表5における負荷状態10以外の各負荷状態において、ケース2の方がケース1より大きい利用率となっていることから、平均的にはケース2のほうが未送電力を生じやすい結果として現れている。これは設備増強を抑制し、配電線利用率を向上させた状況においては、他フィーダからの融通送電がうまくなされない可能性が高いことを意味している。
また最悪値評価においては、ケース1,2共に約9000kW程度の未送電力が発生する可能性があることが分かる。これを未送電力率に換算すると約16.5%になる。すなわち、最悪事故が発生した場合はケース1,2ともに系統が持っている予備力のうち、16.5%が活用されないことが分かる。
また最悪値評価においては、ケース1,2共に約9000kW程度の未送電力が発生する可能性があることが分かる。これを未送電力率に換算すると約16.5%になる。すなわち、最悪事故が発生した場合はケース1,2ともに系統が持っている予備力のうち、16.5%が活用されないことが分かる。
このようにして本発明を用いれば、異なる系統間の信頼度を平均的評価、最悪評価の両面において定量的に評価することが可能である。また、本発明を用いれば、上記に示した系統の特徴を即座に理解することが可能であり、対象系統の信頼度を評価し、対応策を検討する際の基礎データとして活用することが可能となる。
次に、供給信頼度指標ごとにケース1,2について数式29〜33により平均的評価と最悪評価とについて正規化を行い、数式34により総合評価値を求めた結果を表8に示す。
なお、表8における正規化基準は、ケース1の各信頼度指標が100となるように設定した。ここで、ケース1,2について供給信頼度の定量評価を行うには、それぞれのケースの総合評価値の割合を求めれば良い。ケース1とケース2の総合評価値の割合は、835.57/707.11=1.18となる。
従って、ケース1はケース2に対して約1.18倍の供給信頼度を持っていると解釈される。このように本発明を用いれば、複数の系統間の供給信頼度を定量的に評価することができる。
従って、ケース1はケース2に対して約1.18倍の供給信頼度を持っていると解釈される。このように本発明を用いれば、複数の系統間の供給信頼度を定量的に評価することができる。
Claims (6)
- 配電系統における不確定性要因として、事故発生箇所及び発生確率により表現される事故の不確定性、並びに、負荷状態及びその存在確率により表現される負荷の不確実性を用いたシナリオを作成するステップと、これらのシナリオ全てにつき負荷融通を実施するステップと、この負荷融通の結果に基づいて各シナリオごとに供給信頼度指標を算出するステップと、これらの供給信頼度指標を用いて配電系統の供給信頼度を評価するステップと、を有することを特徴とする配電系統の供給信頼度評価方法。
- 請求項1に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
各シナリオごとの供給信頼度指標に当該シナリオの発生確率を乗じて当該シナリオにおける供給信頼度指標の期待値を算出し、これらの期待値を用いて配電系統の供給信頼度を評価することを特徴とする配電系統の供給信頼度評価方法。 - 請求項2に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
負荷状態としての配電線利用率が同一であるシナリオごとに前記期待値を積算し、これらの積算値を各配電線利用率における平均的評価値として配電系統の供給信頼度を評価することを特徴とする配電系統の供給信頼度評価方法。 - 請求項1に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
各シナリオごとの供給信頼度指標の最悪値を算出し、これらの最悪値を用いて配電系統の供給信頼度を評価することを特徴とする配電系統の供給信頼度評価方法。 - 請求項4に記載した配電系統の供給信頼度評価方法において、
負荷状態としての配電線利用率が同一である複数のシナリオの中から供給信頼度指標の最悪値を求め、この最悪値を各配電線利用率における最悪評価値として配電系統の供給信頼度を評価することを特徴とする配電系統の供給信頼度評価方法。 - 請求項2または3における前記期待値、及び、請求項4または5における前記最悪値を用いて配電系統の供給信頼度を評価することを特徴とする配電系統の供給信頼度評価方法。
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