JP2005093514A - 金属化フィルムコンデンサの製造方法および金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

金属化フィルムコンデンサの製造方法および金属化フィルムコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】コンデンサの損失率特性のバラツキ要因を排除し大量生産時、コンデンサ歩留まりを安定した金属化フィルムフィルムコンデンサを提供すること。
【解決手段】金属化フィルムの両面に同極となるように金属蒸着した電極を施した金属化フィルムと、プラスチックフィルムを備えた金属化フィルムフィルムコンデンサにおいて、前記同極の金属蒸着電極の非蒸着部をYAGレーザを用いて形成することを特徴とする金属化フィルムフィルムコンデンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、省エネルギー、機器の小形化、高効率化などの有効な、主として高周波数インバータに用いられる金属化フィルムコンデンサに関するものである。
近年、電気・電子機器において、効率化のみならず小形化・軽量化に伴い高密度実装化が進み、使用部品についてもさらに小形化の要求が強くなってきている。このような背景の中で、近年あらゆる分野で用いられるインバータ回路に用いられる共振用コンデンサは、高周波高電圧が印可され、大きな電流が流れる為、コロナ放電が生じたり、コンデンサが発熱し熱劣化を起こす恐れから電流密度の制約があるなど、設計上の制約があり、小形化や高温下での高周波高電圧での使用が困難とされてきた。
その為、高周波電圧に対する耐電圧が充分であり、コロナ放電を起こさせず、高周波電流による発熱を最小限に抑えることが、高温下での高周波高電圧でコンデンサの使用が許容される設計上の重要ポイントとされてきた。
一般にコンデンサの自己発熱に伴う自己温度上昇ΔTは次式(1)で表される。
ΔT=(ESR×I2)/(h×S)・・・・・(1)
ただし、hは放熱係数、Sはコンデンサの表面積、ESRはコンデンサの等価直列抵抗(等価直列抵抗はフィルム物性による直列抵抗、リード線抵抗、リード線と素子との接触抵抗、電気抵抗で構成される)、Iは通電電流の実効値である。
この数式(1)からコンデンサの自己発熱を小さくするためには、コンデンサの表面積を大きくするか、またはESR値を小さくすることであるが、表面積を大きくすることはコンデンサの大形化となるため、ESR値をいかに小さくするかが設計上のポイントとなる。
また、昨今のインバータ機器は高効率化の為、動作周波数が30〜60kHzの高周波で使用されると共に、高電圧化、高温下で使用され、高周波高温下でのESRの低下がもとめられてきた。そこで、コンデンサをインバータ機器に用いる際の発熱を抑えるために、両面蒸着した金属化フィルムを用い、電流を2分割させる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで一般にコンデンサのプラスチックフィルムとして用いられるポリプロピレンフィルム(以下PPフィルムとよぶ)は、高周波での損失率が0.01%と低損失率であるので高周波用途として用いられているが、蒸着性が悪く、通常片面にコロナ処理を施した片面蒸着フィルムとしてのみ用いられる。これに対し、蒸着性に優れ、コロナ処理を施さずに両面に蒸着が可能なポリエステルフィルムが両面の蒸着電極の保持用フィルムとして用いられている。しかし、このポリエステルフィルムは、蒸着性が優れているが、高周波損失率が0.3%と高く、高周波用コンデンサの誘電体に適さないフィルムである。
そこで従来では、ポリエチレンテレフタートフィルム(以下PETフィルムとよぶ)の両面に同極となるよう蒸着電極を施し、この両面に金属蒸着した金属化PETフィルムを、誘電体としてではなく電極のみに用いる構造としたため、電極を2分割させ蒸着電極での発熱を低減した分、コンデンサの表面積を小さくすることが可能になり、さらにコンデンサを小形化させることができていた。
ここで従来の金属化フィルムコンデンサの製造方法に関する技術について図6を用いて説明する。図6に示したものは、第1のプラスチックフィルム31の両面に蒸着電極32を設けた両面金属化フィルムと、両面とも金属蒸着しないプラスチックフィルム33と、前記した両面金属化フィルムのメタリコン電極部34を対極にして配した両面金属化フィルムと、両面とも金属蒸着しないプラスチックフィルム33の4枚を1組にして重ねて巻回または積層してなる従来の金属化フィルムコンデンサの断面を示した金属化フィルムコンデンサである。このように第1のプラスチックフィルム31の両面に設けた電極32を共に同じ側のメタリコン電極部34に接続させて同極とし、第1のプラスチックフィルム31を誘電体としては用いていない。
また、図7に示したものは、その発展型であり、一方の両面金属化フィルム40aの一方は、蒸着電極の中央部にマージン35を設け、両側端部を両側のメタリコン電極部34に接続させ、もう一方の両面金属化フィルム40bは、蒸着電極の中央部に電極部32を設け、両側端部にマージン35を設けた2直列構成とした金属化フィルムコンデンサを示している。
そして、これら従来の両面金属化フィルムにおいて、マージンを形成するために、形成したい部分にオイル塗布またはマスキングテープによって非蒸着部とする部分を設け、続いて真空中で金属を蒸着させることで、蒸着電極32とマージン35が形成されるようにしていた。さらにこの工程をフィルム両面に対して行なっていた。
特開平10−144564号公報(図1)
しかしながら、上記した両面金属化フィルムを形成するには、150m/分の高速でフィルムを走行させながら、最初に、両面のうちの片側面(以下第1面とよぶ)に蒸着を施す部分と、マージンを生成する部分とを形成する。次に、第1面の裏面(以下第2面とよぶ)に同様に、蒸着部とマージンを形成する。
この時、第2面に形成するマージンは、第1面と同じ位置に形成されなければいけないが、現実には、高速でフィルムを走行させている為、走行中のフィルムの蛇行やシワ等の影響で、第1面で形成したマージン位置と第2面に形成するマージン位置寸法差が生じてしまう部分が形成されていた(図6および図7の36b部分)。すなわち、図6および図7において、第1のプラスチックフィルム31の、金属蒸着部の両面での寸法差部分36bは、プラスチックフィルムが誘電体として機能してしまう場合があった。
すなわちこの寸法差部分36bでは、片面にしか電極の存在しない部分が生じ、電極フィルムとして用いる予定であった高周波損失率の高い第1のプラスチックフィルム31(材質はポリエステルフィルム、あるいはPETフィルム)と、誘電体として用いる第2のプラスチックフィルム33(材質はPPフィルム)とを直列コンデンサを形成することとなり、コンデンサ全体の高周波損失率を高めていた。このため、製造したコンデンサの損失率特性のバラツキ要因となり、大量生産時に、コンデンサ歩留まりの低下をもたらしていた。
また、昨今のインバータ機器は高効率化の為、動作周波数が30〜60kHzで使用されると共に、高電圧化、高温下で使用され、高周波高温下でのESRの低下が求められ、両面蒸着電極構造での2直列構成の有効電極幅の小さいコンデンサにおいては、第1面で形成したマージン位置と第2面に形成するマージン位置の寸法差の比率が大きくなり直列構成コンデンサの低損失率設計を阻害する要因となっていた。
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、コンデンサの損失率特性のバラツキ要因を排除し大量生産時、コンデンサ歩留まりを安定した金属化フィルムフィルムコンデンサを提供することを目的とする。
更に、高電圧設計で求められる、両面蒸着電極構造での小形化の少なくとも2直列構成の有効電極幅の小さいコンデンサにおいても低損失で高電圧に使用可能な金属化フィルムフィルムコンデンサを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の金属化フィルムコンデンサの製造方法は、第1のプラスチックフィルムの両面に金属蒸着する金属蒸着ステップと、前記第1のプラスチックフィルムの片側の蒸着面の上方からYAGレーザを照射し、前記第1のプラスチックフィルムの両面の端部から蒸着された金属を両面同時に除去し、同寸法のマージンを形成するステップと、前記マージンの形成された第1のプラスチックフィルムと両面とも金属蒸着しない第2のプラスチックフィルムとを重ねて巻回、または積層させるステップとを有するものである。
また、本発明の金属化フィルムコンデンサは、両面に金属蒸着したプラスチックフィルムの片側蒸着面の上方からYAGレーザを照射し、両面の端部から蒸着された金属を両面同時に除去し、同寸法のマージンを形成してなる第1のプラスチックフィルムと、両面とも金属を蒸着しない第2のプラスチックフィルムとを重ねて巻回、または積層させてなるものである。
以上に述べたように、本発明の金属化フィルムフィルムコンデンサによって、コンデンサの損失率特性のバラツキ要因を排除し、大量生産時、コンデンサ歩留まりを安定させることができる。
また、同極の金属蒸着膜が少なくとも2直列の構成となっており、従来困難であった高耐圧の直列コンデンサを設計、製造可能ならしめるものである。
(実施の形態1)
以下、図1および図2を用いて本発明の金属化フィルムコンデンサの製造方法における実施の形態1について説明する。図1は本実施の形態における金属化フィルムコンデンサの製造方法によって製造される両面金属化フィルムを示し、1はYAGレーザ照射装置、2はレーザ光、3は第1のプラスチックフィルム、4および4aは第1のプラスチックフィルム3の両面に蒸着した蒸着電極、6および6aは、第1のプラスチックフィルム3両面の端部に形成されるマージンを示す。
このような両面金属化フィルム5の製造方法について説明する。まず、第1のプラスチックフィルム3の両面に金属を真空中で蒸着させる。この時、両面ともマージンを形成しないで蒸着を行い、蒸着電極4および4aを形成する。続いて、得られた両面蒸着フィルムを走行させながら、マージンを形成したい端部にレーザ光2を照射して、第1面と第2面に同時にマージン6、6aを形成する。
このマージン6、6aを形成するにあたっては、図1に示すように、両面金属蒸着したフィルムの片側蒸着面上方にYAGレーザ照射装置1を配し、さらにYAGレーザ照射装置1から照射されるレーザ光2がフィルムの端部を照射するようにYAGレーザ照射装置1とフィルムとの位置関係を調整する。そして、レーザ光2を照射させ、フィルム両面の端部に形成されている蒸着電極を飛散させ、マージン6および6aを形成する。
なお、このレーザ光2は、第1のプラスチックフィルム3に何ら損傷を与えることなく透過し、確実に両面の金属部だけを除去することができる波長となっている。したがって、レーザ光2によって両面に蒸着された金属を同時に飛散させることができ、工数の削減ができる。
またYAGレーザは指向性がよく、YAGレーザ照射装置に対する第1のプラスチックフィルム3の位置を精度よく位置決めすることにより、フィルム両面の蒸着金属のマージン6、6aを極めて高い寸法精度にて形成できる。
なお、YAGレーザ照射装置1は、フィルム幅方向に精度よく位置決めでき、強固に固定できるテーブルにより位置決め固定させ、レーザ光を照射させながらフィルムを長手方向に送出することで、長手方向に亘って、フィルム幅方向の所定位置に、金属蒸着部を飛散してできるマージンを、両面とも寸法精度良く形成することができる。なお、本実施の形態による方法では、フィルムの送出速度を200m/分にして連続加工が可能である。
また、YAGレーザ以外の他の種類のレーザであると、プラスチックフィルムまで溶融させてしまい、使用できない。すなわちYAGレーザを用いることにより、両面金属化フィルムの両面端部の同位置に、同寸法のマージン6、6aを同時に形成することができる。なお、このような、プラスチックフィルムにほとんど損傷を与えることなく、両面に蒸着させた金属を飛散させることができるのは、YAGレーザが持つ特有の波長(1.06μm)によるものであり、透過させるプラスチックフィルムの材質、レーザの出力パワー、照射時間等は特に限定されない。
なお、図1では、両面金属化フィルムの両面端部にマージンを形成する例について説明したが、端部に限らず、中央部など任意の位置についても同様に、両面の同位置に、同寸法でマージンを同時に形成することができる。
次に、このようにして形成した金属化フィルムを用いてコンデンサを製造する方法について図2を用いて説明する。
図2は、図1で示す、本実施の形態における金属フィルムの製造方法において製造された金属化フィルムの実施例を示すものであり、7は第2のプラスチックフィルム、8はメタリコン電極を示す。
図2において、3は、図1で説明した第1のプラスチックフィルムであり、材質はPETフィルムである。そして第1のプラスチックフィルム3は、両面の一方の端部に、同じ側のメタリコン電極8に両面とも接続させて同極となるよう金属蒸着電極4、4aを施した両面金属化フィルムを形成している。この両面金属化フィルム5と、両面とも金属蒸着しない第2のプラスチックフィルム7(材質はPPフィルム)とを重ね合わせ、さらに上記した両面金属化フィルム5を180度回転させてメタリコン電極8に接続する部分の電極を対向させて対極となるようにした両面金属化フィルム5と、もう1枚両面とも金属蒸着しないPPフィルム7の合計4枚重ねて巻回し、コンデンサ素子を形成している。
また、熱処理後にメタリコン電極8にリード線(図示せず)付けを施し、コンデンサ素子を樹脂ケース(図示せず)に収納し、エポキシ樹脂で硬化させた金属化フィルムコンデンサとしたものである。なお、図2では、分かりやすくするため、フィルム間に隙間を設けているが、実際には、各フィルムは隙間なく圧縮されており、何層にも巻回されている。
このような、本実施の形態の金属化フィルムコンデンサの製造方法により、フィルム幅32mm、有効電極幅25mmとした金属化フィルムコンデンサを実施例1とし、100台作成した。
この実施例1と比較するため、図6で示す従来の金属化フィルムコンデンサの製造方法により、フィルム幅32mm、有効電極幅25mmとした金属化フィルムコンデンサを従来例1として100台作成した。
このようにして作成した実施例1と従来例1の金属化フィルムの、両面のマージン位置の寸法差を確認すると、実施例1の両面におけるマージン6、6aの寸法に有意差は見出されなかった。これに対し、従来例1のフィルムは、長さ方向に数m間隔で、最大0.3mmの寸法差が確認された。
この原因は、従来例1のマージン形成方法が、第1の面のマージン形成予定場所にオイルを吹き付け、真空中で金属を蒸着させることで蒸着電極とマージンを形成し、続いて第2の面に第1の面に形成されたマージン位置に合わせて同様にオイルを吹き付けてから蒸着することで、第2の面にマージンを形成したものであり、両面のマージンを別々の工程で形成するため、マージン寸法を同寸法にするのは困難であるためである。
尚、製作したコンデンサは、実施例1、従来例1共にDC300V0.2μFで、設計基準の高周波損失率は10kHzで0.02%以下である。
次に、これらのコンデンサの高周波損失率を測定したので、その分布結果を図4に示す。図4は、本実施の形態の実施例1と従来例1の各100個について、横軸に分布個数を取り、縦軸に10kHz時の損失率(tanδ)を示した図である。
この図4から明らかな様に、本実施の形態の実施例1では、高周波損失率の水準が、設計基準0.02%に比べて充分小さく、またバラツキも小さく安定した分布を示すのに比べ、従来例1では高周波損失率の水準が高く、高周波損失率が0.02%を上回るものが発生しており、また分布のバラツキも大きい。
上記したように、従来例1では同極の両面蒸着電極のマージン位置の寸法差の部分が、高周波損失率の高いPETフィルムと本来誘電体として用いた高周波損失率の低いPPフィルムとの直列コンデンサを形成したため、コンデンサ全体の高周波損失率を高め、また、このマージン位置の寸法差がフィルム走行中の蛇行やシワ等の不定期要因のため、バラツキも大きくさせた。
一方、本実施の形態の実施例1のコンデンサでは、マージンをYAGレーザ照射により第1面と第2面を同時に寸法差なく形成出来るため、高周波損失率の高いPETフィルムが誘電体とならないため、高周波損失率の低いPPフィルムのみを誘電体として構成して、高周波損失率の水準を低く保つと共に、不定期な不安定要因も排除出来るため、安定した高周波損失率分布を保つことが可能となった。
なお、本実施の形態では、両面金属化フィルムと金属蒸着しないプラスチックフィルムとを巻回してなるコンデンサの例について示したが、大直径の環状に巻回した母材を径方向に切断して形成される積層型金属化フィルムコンデンサに対しても適用できる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態2における金属化フィルムコンデンサの製造方法によって形成される金属化フィルムコンデンサの断面を示す。
図3において、3は両面に同極となるように金属蒸着電極2を施した第1のプラスチックフィルム(材質はPETフィルム)、7は誘電体として用いる第2のプラスチックフィルム(材質はPPフィルム)である。そして、第1のプラスチックフィルム3の両面に金属蒸着させ、中央部にマージン6、6aを設けた両面金属化フィルム5と、両面とも金属蒸着しないPPフィルム7と、第1のプラスチックフィルム3の両面に金属蒸着させ、両側端部にマージン6、6aを設けた両面金属化フィルム、両面とも金属蒸着しないPPフィルム7、の4枚を重ねて巻回し、コンデンサ素子を形成している。また8は、コンデンサ素子の両端に金属溶射により電極引出部を形成するメタリコン電極である。このように、本実施の形態においては、2直列のコンデンサとしている。
次に、本実施の形態における金属化フィルムの形成方法も、実施の形態1と同様であり、第1のプラスチックフィルム3の第1面と第2面の両面に、両面ともマージンを形成しないで金属を真空中で蒸着させ、続いて、得られた両面蒸着フィルムを走行させながら、マージンを形成したい位置(中央部)にYAGレーザを照射して、蒸着金属を飛散させて第1面と第2面に同時にマージン6、6aを形成している。
そして熱処理後にメタリコン電極8にリード線(図示せず)付けを施し、前記コンデンサ素子を樹脂ケース(図示せず)に収納し、エポキシ樹脂で硬化させた金属化フィルムコンデンサとしている。
このような方法によって作成した金属化フィルムコンデンサを実施例2として100台作成した。
尚、製作したコンデンサはDC600V0.1μFで、設計基準の高周波損失率は10kHzで0.02%以下である。
本実施の形態において、両面蒸着後のフィルムを長さ方向にマージン位置の寸法差を確認すると、第1面と第2面におけるマージン位置に、寸法差のある部分は見出されなかった。
これに対し、図7で示す従来の製造方法によって作成した金属化フィルムコンデンサを100台作成し、従来例2とした。なお、従来例2における金属化フィルムの作成方法は、従来の技術で説明したように、第1の面の所定の場所にオイルを吹き付け、真空中で金属を蒸着させることで、蒸着電極とマージン35を形成し、続いて第2の面に第1の面に形成されたマージンの位置に合わせて同様にオイルを吹き付けてから蒸着することで、第2の面にマージン35を形成している。なお、フィルム幅は32mmとし有効電極幅10mmの2直列構成である。
そして、従来例2の、両面蒸着後のフィルムのマージン位置の寸法差36bを確認すると、長手方向に数m間隔で最大0.3mmの寸法差が確認された。
これら実施例2、従来例2の各100台につき、コンデンサの高周波損失率を測定したので、その分布結果を図5に示す。図5は、本実施の形態の実施例2と従来例2の各100個について、横軸に分布個数を取り、縦軸に10kHz時の損失率(tanδ)を示した図である。
この図5から明らかな様に、実施例2は実施例1と同様に、高周波損失率の水準とバラツキが小さく、設計基準0.02%以下の安定した分布を示すのに比べ、従来例2では高周波損失率の水準が高く、バラツキも従来例1に比べ更に大きく高周波損失率が0.02%を上回るものが多発し、本設計のコンデンサの製造が困難な状況となった。
以上に示したように、2直列構成の従来例2では、マージン位置の寸法差により、高周波損失率の高いPETフィルムが誘電体として介在する比率が従来例1よりさらに高まり、本設計のコンデンサの製造が困難な状況となった。
一方、本実施の形態の実施例2では、前記マージン位置寸法差が発生しないため、有効電極幅にとらわれないコンデンサの設計、製造が可能となった。
なお、本実施の形態では2直列構成としたが、4直列以上であっても本実施の形態の効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、両面金属化フィルムと金属蒸着しないプラスチックフィルムとを巻回してなるコンデンサの例について示したが、大直径の環状に巻回した母材を径方向に切断してなる積層型金属化フィルムコンデンサに対しても適用できる。
本発明の電気機器は、トランス、リアクトル等の電力設備機器の他広く電気機器一般に利用できる。
本発明の実施の形態1における金属化フィルムの製造方法を示す図 本発明の実施の形態1における実施例1の金属化フィルムコンデンサの概略断面図 本発明の実施の形態2における実施例2の金属化フィルムコンデンサの概略断面図 高周波損失率別に階層別に分けた従来例1と実施例1の比較結果を表す図 高周波損失率別に階層別に分けた従来例2と実施例2の比較結果を表す図 従来例1の金属化フィルムコンデンサの概略断面図 従来例2の金属化フィルムコンデンサの概略断面図
符号の説明
1 YAGレーザ照射装置
2 YAGレーザ
3 第1のプラスチックフィルム
4、4a 蒸着電極
5 両面金属化フィルム
6、6a マージン
7 第2のプラスチックフィルム

Claims (6)

  1. 第1のプラスチックフィルムの両面に金属蒸着する金属蒸着ステップと、前記第1のプラスチックフィルムの片側の蒸着面の上方からYAGレーザを照射し、前記第1のプラスチックフィルムの両面の端部から蒸着された金属を両面同時に除去し、同寸法のマージンを形成するステップと、前記マージンの形成された第1のプラスチックフィルムと両面とも金属蒸着しない第2のプラスチックフィルムとを重ねて巻回、または積層させるステップとを有する金属化フィルムの製造方法。
  2. 第1のプラスチックフィルムの両面に金属蒸着する金属蒸着ステップと、前記第1のプラスチックフィルムの片側の蒸着面の上方からYAGレーザを照射し、前記第1のプラスチックフィルムの蒸着された金属のうち特定位置の蒸着金属を両面同時に除去し、同寸法のマージンを形成するステップと、前記マージンの形成された第1のプラスチックフィルムと両面とも金属を蒸着しない第2のプラスチックフィルムとを重ねて巻回、または積層させるステップとを有する金属化フィルムの製造方法。
  3. 両面に金属蒸着したプラスチックフィルムの片側蒸着面の上方からYAGレーザを照射し、両面の端部から蒸着された金属を両面同時に除去し、同寸法のマージンを形成してなる第1のプラスチックフィルムと、両面とも金属を蒸着しない第2のプラスチックフィルムとを重ねて巻回、または積層させてなる金属化フィルムコンデンサ。
  4. 両面に金属蒸着したプラスチックフィルムの片側蒸着面の上方からYAGレーザを照射し、蒸着された金属のうち特定位置の蒸着金属を両面同時に除去し、同寸法のマージンを形成してなる第1のプラスチックフィルムと、両面とも金属を蒸着しない第2のプラスチックフィルムとを重ねて巻回、または積層させてなる金属化フィルムコンデンサ。
  5. 少なくとも2直列の構成となっている請求項4記載の金属化フィルムコンデンサ。
  6. 第1のプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタートフィルムであり、第2のプラスチックフィルムは、ポリプロピレンフィルムである請求項3から5のいずれかに記載の金属化フィルムコンデンサ。
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