JP2005091164A - 光学活性分子の優位な立体配座の探索方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生体分子のような分子量が大きく、莫大な数の異性体立体配座構造をとりうる光学活性分子にも適用することができると共に、初期構造に利用するための異性体立体配座構造の探索を必要最小限度に抑えることができ、簡便かつ、短時間で容易に所望とする光学活性分子の優位な立体配座を探索できる方法を提供する。
【解決手段】 光学活性分子の優位な立体配座を探索する方法において、予め当該光学活性分子の単純化モデル分子の個々の立体異性から指標付けされた異性体立体配座構造とそのエネルギー値との相関を統計解析し、安定な立体配座構造の出現パターンを抽出し、該出現パターンに基づき光学活性分子の優位な立体配座を探索する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学活性分子の優位な立体配座を簡便かつ容易に探索する方法に関する。
内分泌攪乱物質も薬剤も生体のもつ受容体に作用して機能するが、その機能評価には莫大な時間とコストがかかっている。そのため、いかに効率よく候補分子を絞り込むかが課題となっており、生体の全タンパク質立体構造ライブラリーと薬物立体構造ライブラリーを活用した薬理プロテオミクスによる創薬が行われている。その基盤になるのが立体構造解析であり、これまでX線結晶解析、NMR解析の手法が主として使われてきた。
しかし、X線結晶解析では結晶となる固体が必要であるという制約があり、また、NMR解析では核オーバーハウザー効果を示す系のような特殊なケースを除き一般の系では正確な配座情報を得ることが出来なかった。
一方、薬剤の構造のごく一部を置換しただけでまったく薬効を示さないことが多く、このことから置換基の自由度を考慮した配座情報を得ることがプロテオミクス創薬では必要とされている。
本発明者らは、これらの問題点を解消するために、先に生体分子をはじめとするキラリティーを有する物質の赤外円二色性(VCD)吸収が立体配座に対して極めて敏感であることに着目し、すでにVCD分光法を活用する新たな構造解析手法に関する提案を行っている(特許文献1)。
しかしながら、この発明は、VCD分光法を活用することで不斉アルキル鎖を有する化合物の優位な配座およびアルキル鎖炭素数の偶奇を極めて少ないサンプルにより簡便かつ容易に判別しうるといった利点を有するものであるが、その後の本発明者等の検討によれば、本構造解析ではVCD吸収が非常に複雑であることから、密度汎関数法のような理論計算を併用する必要があり、その際、分子の初期構造を考慮する上で、原子間の共有結合の回転から派生する回転異性体等の探索を余儀なくされるといった問題点があることが判明した。すなわち、この回転異性体等の探索法として、分子力場計算による配座創出プログラムがよく利用されている(非特許文献1)が、創出された回転異性体等の立体配座の安定性に関するエネルギー予測値と実際の値との間に大きなへだたりがあるため、本配座創出プログラムを利用した場合にはほとんどすべての立体配座を初期構造として考慮しなくてはならず、このことが分子量の大きい分子への適用に大きな影響を与える可能性があるという新たな課題が生じたのである。
したがって、前記、VCD分光法を活用する立体配座解析法には、初期構造に利用するための回転異性体等の探索が必要不可欠である。これまで用いられてきた配座創出手法では、創出されるほとんどすべての立体配座を初期値として考慮する必要があったため、多大な時間を要し、適用可能な分子量に制約があった。生体分子のような分子量の大きな光学活性分子にも適用可能な新たな配座探索手法が求められていた。
特願2003−322282 H. Goto 他、J. Am. Chem. Soc., 1989, 111, 8950
本発明は、上記問題点を克服し、生体分子のような分子量が大きく、莫大な数の異性体立体配座構造をとりうる光学活性分子にも適用することができると共に初期構造に利用するための回転異性体等の探索を必要最小限度に抑えることができ、簡便かつ、短時間で容易に所望とする光学活性分子の優位な立体配座を探索できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、光学活性分子の単純化モデル分子を作成し、その省略化された構造についてまず立体配座解析を行い、得られた回転異性を含む立体異性関係から指標付けされた個々の立体配座構造とそのエネルギー値との相関性を統計解析することでそのモデル分子の安定な立体配座構造の出現パターンが抽出でき、これを利用することにより、目的とする光学活性分子の優位な立体配座を探索することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)光学活性分子の優位な立体配座を探索する方法において、予め当該光学活性分子の単純化モデル分子の個々の立体異性から指標付けされた異性体立体配座構造とそのエネルギー値との相関を統計解析し、安定な立体配座構造の出現パターンを抽出し、該出現パターンに基づき光学活性分子の優位な立体配座を探索する方法。
(2)当該光学活性分子の単純化モデル分子の個々の立体異性から指標付けされた異性体立体配座構造の出現パターンを利用して赤外円二色性スペクトルを解析することを特徴とする上記(1)に記載の光学活性分子の優位な立体配座の探索方法。
本発明に係る新規な、赤外円二色性スペクトル解析に供する優位な立体配座を探索する方法は、光学活性を有する分子から構造の一部を抽出して省略化された構造をもつモデル分子を作成し、そのモデル分子構造について立体配座解析を行い、得られた回転異性を含む立体異性関係から指標付けされた個々の立体配座構造とそのエネルギー値との相関性を統計解析することでそのモデル分子の安定な立体配座構造の出現パターンを抽出し、全体としての分子の優位な立体配座を探索するものである。本立体配座探索法を活用すると従来法より初期値として考慮する必要のある異性体立体配座構造の数を飛躍的に減らすことができると共に、より分子量の大きな光学活性分子の優位な立体配座を簡便かつ容易に探索することができる。
従って、本発明に係る前記探索方法は、莫大な数の配座をとる生体関連物質や殺虫剤のような化合物の配座解析の一手段として用いることが出来ることから、例えば構造活性相関等を活用した、有害物質の人体への影響評価や薬理プロテオミクスによる創薬などの応用面での展開が充分に期待されるものである。
本発明に係る光学活性分子の優位な立体配座を探索する方法は、莫大な数の配座を取りうる、例えば不斉アルキルアルコール化合物やcis-ペルメトリン化合物などの光学活性分子の配座情報を取り出すのに、理論計算や全ての回転異性体等に関する情報などのデータを用いて逐次全ての異性体立体配座構造について行う手法に代えて、光学活性分子の単純化モデル分子を作成し、その省略化された構造を有する単純化モデル分子について立体配座解析を行い、得られた回転異性を含む立体異性関係から指標付けされた個々の立体配座構造とそのエネルギー値との相関性を統計解析することでそのモデル分子の安定な立体配座構造の出現パターンを抽出し、この出現パターンを利用して目的とする光学活性分子の優位な立体配座を予測解析するものである。
従って、本発明に係る前記探索方法は、莫大な数の配座をとる生体関連物質や殺虫剤のような化合物の配座解析の一手段として用いることが出来ることから、例えば構造活性相関等を活用した、有害物質の人体への影響評価や薬理プロテオミクスによる創薬などの応用面での展開が充分に期待されるものである。
本発明において、探索対象となる光学活性分子は光学活性を有しかつ構造の一部に鎖状構造あるいは環状構造を有する有機化合物であればよい。前記光学活性を有する有機化合物は一部がヒドロキシル基、フェニル基、アルケン、ハロゲンのような官能基で置換されていてもかまわない。
このような光学活性分子としては、たとえば、以下のような化合物を例示することができる。
(S)-(+)-5-メチル-1-ヘプタノール、(S)-(+)-6-メチル-1-オクタノール、(R)-(-)-5-メチル-1-ヘプタノール、(R)-(-)-6-メチル-1-オクタノール、(S)-(+)-2-ヘプタノール、(S)-(+)-2-オクタノール、(S)-(+)-2-ノナノール、(S)-(+)-2-デカノール、(R)-(-)-2-ヘプタノール、(R)-(-)-2-オクタノール、(R)-(-)-2-ノナノール、(R)-(-)-2-デカノール、(1S,3S)-(+)-cis-ペルメトリン、(1R,3R)-(-)-cis-ペルメトリン、(1S,3S)-(+)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸ベンジルエステル、(1R,3R)-(-)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸ベンジルエステル。
また、本発明でいう、光学活性分子の単純化モデル分子とは、光学活性分子を基本構造単位に分割し、必要とする特徴のみ有する基本構造単位を選択し組み立てた、省略化された構造をもつモデル分子を意味する。
光学活性分子とその単純化モデル分子の例としては、例えば、つぎのような組み合わせ例を挙げることができる。
(S)-(+)-5-メチル-1-ヘプタノール→(S)-(+)-3-メチル-1-ペンタノール、(S)-(+)-6-メチル-1-オクタノール→(S)-(+)-3-メチル-1-ペンタノール、(R)-(-)-5-メチル-1-ヘプタノール→(R)-(-)-3-メチル-1-ペンタノール、(R)-(-)-6-メチル-1-オクタノール→(R)-(-)-3-メチル-1-ペンタノール、(S)-(+)-2-ヘプタノール→(S)-(+)-2-ペンタノール、(S)-(+)-2-オクタノール→(S)-(+)-2-ペンタノール、(S)-(+)-2-ノナノール→(S)-(+)-2-ペンタノール、(S)-(+)-2-デカノール→(S)-(+)-2-ペンタノール、(R)-(-)-2-ヘプタノール→(R)-(-)-2-ペンタノール、(R)-(-)-2-オクタノール→(R)-(-)-2-ペンタノール、(R)-(-)-2-ノナノール→(R)-(-)-2-ペンタノール、(R)-(-)-2-デカノール→(R)-(-)-2-ペンタノール、(1S,3S)-(+)-cis-ペルメトリン→(1S,3S)-(+)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸ベンジルエステル、(1S,3S)-(+)-cis-ペルメトリン→3-フェノキシベンジルアルコール、(1R,3R)-(-)-cis-ペルメトリン→(1R,3R)-(-)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸ベンジルエステル、(1R,3R)-(-)-cis-ペルメトリン→3-フェノキシベンジルアルコール、(1S,3S)-(+)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸ベンジルエステル→(1S,3S)-(+)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチルエステル、(1R,3R)-(-)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸ベンジルエステル→(1R,3R)-(-)-cis-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチルエステル。
本発明においては、この単純化モデル分子の個々の立体異性から指標付けされた異性体立体配座構造とそのエネルギー値との相関を統計解析し、安定な立体配座構造の出現パターンを抽出し、該出現パターンに基づき光学活性分子の優位な立体配座を探索する。
本発明における、単純化モデル分子の個々の立体配座構造とそのエネルギー値との相関性の解析において、相関性の解析を容易にするために回転異性をはじめとする立体異性関係を有する部分ごとに定義づけられた数字および記号でタグをつけ、立体配座構造の指標付けを行うことが望ましい。具体的には、単純化モデル分子の個々の立体異性から指標付けされた異性体立体配座構造を把握するのに、たとえば結合の回転から派生する立体異性の場合、トランス配座に1、時計回りのゴーシュ配座に2、反時計回りのゴーシュ配座に3のような数字を割り振り、さらに必要となる場合にはその結合の位置を示す記号を付与することで個々の異性体立体配座を区別すればよい。
また指標付けされた立体配座構造のエネルギー値に関する計算方法に特に制限はないが、好ましくはB3LYPファンクショナルを用いた密度汎関数法によるエネルギー計算が使用される。さらに、指標付けされた異性体立体配座構造とそのエネルギー値との相関を統計解析し、安定な立体配座構造の出現パターンを抽出するには、理論計算で得られたエネルギー値の安定な順に異性体立体配座構造を並べ、前記指標付けに用いられたタグを統計解析することで安定な異性体立体配座構造にみられる共通する出現パターンを抽出することが望ましい。また抽出された出現パターンに基づき光学活性分子の優位な立体配座を探索するには、単純化モデル分子から抽出された前記出現パターンのみ光学活性分子にあてはめ、異性体立体配座構造の数の絞り込みを行えばよい。
探索された優位な立体配座の検証方法に特に制限はないが、好ましくは該光学活性分子の実測の赤外円二色性吸収ピークと前記異性体立体配座構造から予測された赤外円二色性吸収ピークとの相同性の比較が使用される。
赤外円二色性吸収ピークのフィッティングに使用する近似法に特に制限はないが、好ましくはローレンツ関数近似もしくはガウス関数近似が使用される。なお、赤外円二色性吸収の予測方法に特に制限はないが、好ましくはB3LYPファンクショナルを用いた密度汎関数法による振動数計算が用いられる。該赤外円二色性吸収の予測に用いる異性体立体配座構造には、莫大な数の配座の中から前記探索方法で導き出された優位な配座のみ選択し、対象とすればよい。赤外円二色性測定の積算時間に特に制限はないが、十分なS/Nを得るために20分〜4時間が望ましい。
赤外円二色性測定に使用する溶媒は、疎水性溶媒、親水性溶媒いずれの溶媒も使用できるが、好ましくは、四塩化炭素、重クロロホルム、重塩化メチレン、重ジメチルスルホキシド、水等が使用される。対象となる化合物が液体の場合にはneatで測定可能である。
サンプルセルの窓板は赤外線を透過する材質のものであれば何れも使用できるが、好ましくはNaCl板、BaF2板が望ましい。
本発明に係る優位な立体配座を探索する方法の代表的なフローチャートを図1に示す。
実施例
次に本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
下記化学構造式(I)で表せる不斉アルコール化合物(nは4)の立体配座解析を行うため、まずその単純化モデル分子(nは2)の立体配座解析を行った。得られた立体配座構造と安定性の相関を解析したところ、表1のような結果が得られた。
Figure 2005091164

表1から安定な配座において右端は12、11、31の3通り、左端は22、33、12、13、23、31、21、32、11の9通りの出現パターンが見られた。一方、連続したメチレン鎖は1の配座が安定であることを確認した。そこで、27(= 3×1×1×9)種類の配座を初期構造として用い、不斉アルコール化合物(I)(nは4)の立体配座解析を行ったところ、表2のような結果が得られた。この27配座から導き出される予測VCDスペクトルと実測のVCDスペクトルを図2に示す。図2において両者のスペクトルはよく一致したことから、初期構造として可能な729(= 36)配座が27配座まで削減でき、この手法により安定な立体配座を探索できることがわかった。
なお、表1における立体配座の4桁の数値は左から、それぞれ、水酸基とメチレン基との結合、隣接するメチレン基とメチレン基との結合、その隣のメチレン基とメチン基との結合、その隣のメチン基とエチル基の中のメチレン基との結合位置において、1はトランス配座、2は時計回りのゴーシュ配座、3は反時計回りのゴーシュ配座を意味する。前記化学構造式(I)で表せる不斉アルコール化合物の異性体立体配座構造の指標付けを図3に示す。
Figure 2005091164
Figure 2005091164
前記化学構造式(I)で表せる不斉アルコール化合物(nは5)の立体配座解析を行うため、まずその単純化モデル分子(nは2)の立体配座解析を行った。得られた立体配座構造と安定性の相関を解析したところ、実施例1と同様の表1のような結果が得られた。
表1から、安定な配座において右端は12、11、31の3通り、左端は22、33、12、13、23、31、21、32、11の9通りの出現パターンが見られた。一方、連続したメチレン鎖は1の配座が安定であることを確認した。そこで、27(= 3×1×1×1×9)種類の配座を初期構造として用い、不斉アルコール化合物(I)(nは5)の立体配座解析を行ったところ、表3のような結果が得られた。この27配座から導き出される予測VCDスペクトルと実測のVCDスペクトルを図4に示す。図4に示されるように、予測VCDスペクトルと実測のVCDスペクトルとがよく一致したことから、初期構造として可能な2187(= 37)配座が27配座まで削減できることがわかった。
なお、表1における立体配座の4桁の数値は左から、それぞれ、水酸基とメチレン基との結合、隣接するメチレン基とメチレン基との結合、その隣のメチレン基とメチン基との結合、その隣のメチン基とエチル基の中のメチレン基との結合位置において、1はトランス配座、2は時計回りのゴーシュ配座、3は反時計回りのゴーシュ配座を意味する。
Figure 2005091164
下記化学構造式(II)で表せる(1R,3R)-(-)-cis-ペルメトリン化合物の立体配座解析を行うため、まずその環状の省略化された構造をもつ単純化モデル分子(III)の立体配座解析を行った。
Figure 2005091164
得られた立体配座構造と安定性の相関を解析したところ、1つの安定な配座により代表されることがわかった。次にフェニル基で置換された構造をもつ単純化モデル分子(IV)の立体配座解析を行い、得られた立体配座構造と安定性の相関を解析したところ、3種類の安定な立体配座が見出された。一方、フェノキシベンジル基の方では4種類の配座が見出された。さらに全体としての分子の対称性から最終的に10種類の配座を初期構造として用い、cis-ペルメトリン化合物(II)の立体配座解析を行った。その結果を表4に示す。またこの10配座から導き出される予測VCDスペクトルと実測のVCDスペクトルを図5に示す。図5に示されるように両者のスペクトルはよく一致したことから、初期構造として可能な2592(= 3×6×3×6×4×2)配座が10配座まで削減できることがわかった。
Figure 2005091164
本発明に係る前記探索方法は、莫大な数の配座をとる生体関連物質や殺虫剤のような化合物の配座解析の一手段として用いることが出来ることから、例えば構造活性相関等を活用した、有害物質の人体への影響評価や薬理プロテオミクスによる創薬などの応用面での展開が充分に期待されるものである。
本発明に係る優位な立体配座を探索する方法の代表的なフローチャート 不斉アルコール化合物(I)(nは4)の実測及び予測VCDスペクトル 不斉アルコール化合物(I)の異性体立体配座構造の指標付け 不斉アルコール化合物(I)(nは5)の実測及び予測VCDスペクトル cis-ペルメトリン化合物(II)の実測及び予測VCDスペクトル

Claims (2)

  1. 光学活性分子の優位な立体配座の探索方法において、予め当該光学活性分子の単純化モデル分子の個々の立体異性から指標付けされた異性体立体配座構造とそのエネルギー値との相関を統計解析し、安定な立体配座構造の出現パターンを抽出し、該出現パターンに基づき光学活性分子の優位な立体配座を探索することを特徴とする光学活性分子の優位な立体配座の探索方法。
  2. 当該光学活性分子の単純化モデル分子の個々の立体異性から指標付けされた異性体立体配座構造の出現パターンを利用して赤外円二色性スペクトルを解析することを特徴とする請求項1に記載の光学活性分子の優位な立体配座の探索方法。
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