JP2005087543A - 尿蓄積量検出装置、センサーユニットおよび尿蓄積量を監視あるいは排尿を予告する方法 - Google Patents
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Abstract
膀胱の尿蓄積量を効果的に検出することができる尿蓄積量検出装置、センサーユニット、及び尿蓄積量を監視あるいは排尿を予告する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明にかかる尿蓄積量検出装置は、センサーユニット10とコントローラ1とを有する。センサーユニット10は、膀胱周辺の筋肉に向かって振動を与えるための加振機22と、更に、皮膚表面に伝達した振動を検出するための振動検出センサー25と、振動検出センサー25で検出された信号を処理するセンサーユニット処理制御部13とを備える。コントローラ1は、皮膚表面に伝達した振動の信号を処理することにより膀胱周辺の筋肉の収縮を検知して膀胱の尿蓄積量を判断する本体処理・制御装置3と、本体処理・制御装置3で判断された尿蓄積量の情報を表示する表示装置7とを備える。通信装置12と通信装置2とは、無線通信方式によって通信可能である。
【選択図】 図1
Description
被介護者や被看護者(以下、「被介護者等」という)の失禁の後の始末、つまり、汚れた布団やシーツ等を清潔なものと交換し、清潔な環境のもとで生活や療養・治療を行えるよう整える復旧作業は、日々頻繁に発生し、介護者や看護者(以下、「介護者等」という)にとって、体力を使う重労働である。
現在までに、このような失禁の問題に対し、排尿行為がまさに起ころうとしているその時期を予告して、それによって被介護者等またはその介護者等が準備態勢を取り、排尿行為が起こる前に必要な措置を取る方法が、いくつか見出されている。
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に接触し(直接的に接する場合の他、間接的に接する場合も含む)、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に到達した振動を検出するための振動検出センサーと、
前記加振機に加振を指示する信号を送り、前記振動検出センサーで検出された振動に対応する信号を処理することにより膀胱周辺の筋肉の収縮を検知して膀胱の尿蓄積量を判断する処理制御部と、
前記処理制御部で判断された尿蓄積量の情報を報知する報知手段と、を有する。このような構成により、効果的に被介護者等の尿蓄積量を検出、監視し、的確に被介護者をトイレに誘導することができる。これにより、被介護者等は失禁を減らすことができ、生活に対する自信を回復し、人権の保護が得られる。一方、介護者等は、失禁の後始末作業を低減することができ、介護者等が行うべき本来の被介護者等に対する介護行為に当てる時間が相対的に増え、より高品質な介護が可能になる。
前記センサーユニットは、被介護者の皮膚の一部に接触し、当該皮膚を通して膀胱周辺の筋肉に向かって振動を与えるための加振機と、
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に接触し、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に伝達した振動を検出するための振動検出センサーと、
前記振動検出センサーで検出された振動センサー出力を処理するセンサーユニット処理制御部と、を備え、
前記コントローラは、皮膚表面に伝達した振動に対応する信号を処理することにより膀胱周辺の筋肉の収縮を検知して膀胱の尿蓄積量を判断する本体処理・制御装置と、
前記本体処理・制御装置で判断された尿蓄積量の情報を報知する報知手段と、を備える、尿蓄積量検出装置である。
本発明にかかる第一の尿蓄積量検出装置は、前記加振機と前記振動検出センサーとは、被介護者の下腹部の膀胱を挟む位置に配置される。これにより、正確に尿蓄積量を検出することができる。
また、前記下着は、前記加振機と前記振動検出センサーとが前記被介護者の皮膚と直接に接触するための開口部が設けられている。これにより、センサーユニットは下着に固定され、かつ、被介護者等の皮膚に密着するので正確に尿蓄積量を検出することができる。
本発明にかかる第一の尿蓄積量検出装置における前記報知手段は、その報知が、視覚、聴覚あるいは触覚に訴えるものである。これによって、尿蓄積量を確実に被介護者あるいは介護者に報知することができる。
本発明にかかる第一の尿蓄積量検出装置は、前記センサーユニットが、前記被介護者の基礎データ、過去の排尿データまたは食事や水分摂取量のデータから前記被介護者の排尿パターンを推定する。これにより、正確に尿蓄積量を検出し、的確に被介護者は排尿することができる。
被介護者の皮膚の一部に接触し、当該皮膚を通して膀胱周辺の筋肉に向かって振動を与えるための加振機と、
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に接触し、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に伝達した振動を検出するための振動検出センサーと、
前記振動検出センサーで検出された検出信号を処理する処理制御部と、
前記処理制御部により処理された検出信号を他の装置に出力する通信手段と、を備える。このような構成により、介護者は、非介護者の尿蓄積量を被介護者とは離れた位置・場所から監視することができる。
被介護者の皮膚の一部に加振機を接触させて、当該皮膚を通して膀胱周辺に向かって振動を与え、
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に振動検出センサーを接触させて、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に到達した振動を検出し、
前記振動検出センサーで検出された振動に対応する信号を処理することにより膀胱周辺の筋肉の収縮を検知して膀胱の尿蓄積量を判断し、
判断された尿蓄積量の情報を報知して、被介護者の尿蓄積量を監視あるいは排尿を予告する方法である。この方法により、被介護者の尿蓄積量を正確に監視し、排尿を予告することができる。
本発明は、上記に示した効果的な方法を、より確実に、かつ、安価に、被介護者等および介護者等に提供し、介護現場の「後始末の重労働作業等」を低減し、それにより「被介護者の人権の保護」や「被介護者の生活に対する自信の回復」等の効果がある。
(1)被介護者等の失禁を防止でき、失禁に伴う被介護者等の人権保護、および、人権の尊厳を確保可能となる。
(2) 介護者等は、失禁に伴う後始末の重労働を低減できる。
(3)介護者等は、被介護者等の排尿パターンを短期間に正確に把握できるため、事前の介護作業によりポイントを移行でき時間の有効利用が可能になる。
すなわち、被介護者の膀胱近傍の皮膚(下腹部の皮膚)に、加振機と振動検出センサーとを離して配置し、加振機で振動を加え、その振動の伝搬状況を振動検出センサーで検出する。検出した信号を解析し、周辺組織(生体)の硬化状況から膀胱の拡大比率を判定し、その結果を表示装置等の報知手段により、介護者等に知らせる。この報知手段により介護者等は、被介護者の尿蓄積度を察知し、被介護者をトイレに案内する、または、尿瓶を準備し、正しい(準備された)放尿を促す等の作業を行う。
言い換えると本発明の課題を解決する手段は、膀胱に尿が充満することに起因する膀胱付近の生体緊張状態に伴う生体振動伝達特性の変化を加振機と振動検出センサーにより検出し、振動伝達特性の変化状態から膀胱内の尿量を推定し、被介護者等の失禁を未然に防ぐものである。
以下に、本発明にかかる発明の実施の形態1について、図1を使い詳細に説明する。
図1は、本発明の尿蓄積量検出装置について、その構成要素を示すブロック図である。
すなわち、本発明の尿蓄積量検出装置は、システム全体の制御および信号処理を行うコントローラ1と、コントローラ1からの信号により被介護者の膀胱付近に振動を印加する加振機22と、加振機22から所定距離に設置され加振機22から膀胱付近の生体を伝搬した振動を検出する振動検出センサー25および、振動検出センサー25が検出した信号をコントローラ1に送信する通信装置12等をその構成要素に持つセンサーユニット10等から構成する。
まず、センサーユニット10の構成と各部分の動作について説明し、次に、コントローラ1の構成、そして最後に、システム全体の詳細な動作について、詳細に記載する。
以下、センサーユニット10を構成する各要素の構成と動作を説明する。
図1に示すように通信装置12は、コントローラ1の通信装置2と接続し、コントローラ1とセンサーユニット10の間で行われる命令やデータ等の通信を行う。
その利便性および経済性から本発明の通信装置12は、微弱電波を使った専用の通信方式、または、ブルートゥース等の規格化された方式など合理的な構成により、その機能を確保できる。また、これらの構成要素(専用半導体)は、既に市販されているので、その詳細は記述しない。
この一連の動作は、センサーユニット処理・制御部13とその内部メモリーに記録されたソフトとデータ、および、コントローラ1の本体処理・制御部3および外部記録装置5のソフトと記録データを使って行われる。その詳細は、後述するコントローラ1の動作説明の中で説明する。
図1に示すように、発信回路14は、センサーユニット処理・制御部13に接続し、センサーユニット処理・制御部13からの信号により、所定の周波数、所定振幅の加振信号を発生し、その出力をケーブル21を介し接続する加振機22に印加する構成である。
図2に示すように加振機22は、上記発信回路14からの入力により動作する駆動コイル221と、磁性材料からなる振動子222と、該振動子222の内側に設けられた非磁性材料からなる支持部材226と、該支持材226の先端に取り付けられた非磁性材料、例えば、プラスチック材からなる加振部材227と、振動子222の内側の空間に配置されたバネ223と、駆動コイル221が発生する磁束の磁路を構成する磁性材料からなる上ヨーク225と下ヨーク224等から構成している。
加振機22は、防水性を持たせることが好ましい。
まず、停止状態において、発信器14から信号が出力されない(電圧が印加しない)ので、加振機22のバネ223は、解放状態である。つまり、バネ223の動作力により、振動子222およびそれに固定した支持部材226は、バネ223の動作力により拡大する方向に移動している。このとき支持部材226に固定される加振部材227の端面227Aがヨーク224と接触するまで、バネ223が拡大し静止する。同時に、振動子222および下ヨーク224および上ヨーク225によって構成される駆動コイル221の磁気回路は、振動子222の移動と共に、振動子222の端部222Aと下ヨーク224の内側端部224Aが離れ、空隙が拡大した、停止の安定状態となる。
また、発生した磁界の向きが反対の場合、その磁束の流れは上記と反対となるが、磁界に因る力は同様に作用するので、振動子222は、同様に下ヨーク224の内側面224B面まで移動し、当接して静止する。
加振機22は、発信回路14からの信号により、上記に示す振動子222の往復運動を繰り返す。また、図2に示すように、振動子222の内側に設けられた非磁性材料の支持部材226の先端に、非磁性材料、例えば、プラスチック材からなる加振部材227が、装着されている。したがって、振動子222の動きに同期し、加振部材227は同様に往復運動を行う。
また、装着状態では、加振機22は、利用者の皮膚に加振部材227の先端を接触させているため、加振部材227の先端部が直接利用者の皮膚にこの往復運動を伝える。
図3に示すように振動検出センサー25は、圧電セラミック材から構成された圧電素子251と、該圧電素子251を振動板253に所定の距離を持って固定する導電性材料からなる固定部材252と、圧電素子251等を固定しその反対面を利用者の皮膚へ直接または下着を介し間接的に接触する振動板253と、圧電素子251の一方の電極251Aとセンサー回路基板256の入力端子256Aを接続する線材254と、振動板253の端部253Aとセンサー回路基板256のグランド端子256Bを接続する線材255と、センサー回路基板256と、センサー回路基板256に接続するケーブル24、センサー回路基板256等を固定する導電性かつ磁性材料からなるケース270と、導電性かつ磁性を持った材料からなるホルダー271と、スポンジ等の弾性材からなる固定材272等から構成している。
まず、本発明に利用する圧電素子251は、PZTなどの圧電セラミックス材料からなり、その両面251Aおよび251B全体に電極を形成している。
圧電素子251は、その上面251面の中央部に線材254を接続している。圧電素子251が検出した信号は、上記その中央部に接続した線材254を介しセンサー回路基板256へ伝える構成である。
上記した2個の接続により圧電素子251で検出した信号は、センサー回路基板256へ伝わる。センサー回路基板256は、図4に示す回路構成要素を搭載している。
電界効果型トランジスタ256は、上記した信号を受け、所定の変換を行い、その出力は、センサー回路基板256の出力端子256C,256Dに接続するケーブル24を介し、接続する検出回路15へ伝えられる。
振動検出センサー25は、防水性を備えていることが好ましい。
図3に示す圧電素子251からなる振動検出センサー25は、センサーの動作方向に対し外部から力が加わったときに、その大きさに比例した信号をその電極に発生する。
すなわち、振動検出センサー25の振動板253が、被測定部署へ密着するよう取り付けられた状態で、何らかの力が被測定部署に加わると、その力は被測定部署の表面から振動板253を介し圧電素子251に伝達し、圧電素子251は受けた力に比例した歪みを発生し、かつ、その歪みに比例した電気的出力をその両面に形成された電極に発生する。
検出回路15は、図5に示すように振動検出センサー25が検出したアナログの微弱信号を所定の大きさに増幅する増幅器151と、増幅されたアナログ信号をセンサーユニット処理・制御部13が扱えるデジタル信号に変化するアナログデジタル変換回路(以下、「A/D変換回路」とする)152から構成し、図1に示すように、振動検出センサー25に接続し、振動検出センサー25が検出する微細信号を受け、所定の増幅等を行い、センサーユニット処理・制御部13に伝える機能を持つ。
増幅器151およびA/D変換回路は、本発明において市販品を、その構成手段として利用するものであるため、その詳細な説明は省く。
センサーユニット処理・制御部13は、図1に示すように、本発明の尿蓄積量検出装置のセンサーユニット10における信号処理および制御の中核部分であり、通信装置12、発信回路14、検出回路15に接続し、接続する発信回路14を介し加振機22を駆動し、振動検出センサー25の検出した信号を検出回路15を介し取り込み通信装置12を介しコントローラ1に送信するなどの機能を持つ。
センサーユニット処理・制御部13における上記機能と処理・制御の動作は、内部メモリーに記録されたソフト、および、本発明の尿蓄積量検出装置のコントローラ1から通信装置12を介し受信した信号に従って行われる。これらの動作は、通信装置12の動作と共に、後述するコントローラ1の動作説明の中で詳細に説明する。
その利用時、本発明のセンサーユニット10は、利用者の下腹部、膀胱付近に装着され、装着者の膀胱に尿が溜まり、膀胱が拡大し膀胱周辺の生体が圧迫(圧縮)されている状態を検出する精密検査機器である。したがって、本センサーユニット10は、利用者の膀胱付近の変化を正確に検出するために「利用者の下腹部へ密着」することが望ましい。
すなわち、図7に示すように本発明の下着71は、伸縮性の素材から作成され、その着用時、利用者の膀胱をはさみ一方に加振機22、他の一方に振動検出センサー25、中央部にセンサーコントローラ11を配置・装着されるポケット状の収納部72を持っている。
図1のブロック図に示すように、コントローラ1は、センサーユニット10と命令やデータの送受信等の通信を行う通信装置2と、被介護者等の氏名や被介護者が装着しているセンサーユニット10のアドレスやセンサーユニット10から送信された検出信号やその分析結果および標準データなどの諸データを記録・再生する外部記録装置5と、被介護者等の氏名やアドレス等のデータ入力を行う入力装置6と、検出信号と分析結果などのデータ類等を表示する表示装置7、通信装置2や各種機器等と接続し信号の流れやその操作等の制御および各種のデータ処理など全体の動きや処理を行う処理・制御部3等から構成している。
まず、通信装置2について説明する。
図1に示すように通信装置2は、処理・制御部3に接続し、処理・制御部3が送信する制御信号により、コントローラ1とセンサーユニット10間の送受信を行うもので、前記したセンサーユニット10に用いている通信装置12と基本的に同じであり、その詳細は特に記述しない。
通信装置2の動作は、後述するコントローラ1の動作説明の中で詳細に説明する。
図1に示すように外部記録装置5は、処理・制御部3に接続し、デジタル信号を記録・再生する機能を持ち、例えば、ハードディスク装置やICメモリー装置等の記録再生装置から構成している。
外部記録装置5は、処理・制御部3からの信号により、センサーユニット10からコントローラ1へ送信された検出信号や、検出したデータの判断を行うために予め作成されたデータベース等を記録し、また、処理・制御部3からの信号により記録した検出データや、予め記録したデータを再生し、処理・制御部3へ出力するものである。
次に、入力装置6について説明する。
図1に示すように入力装置6は、処理・制御部3に接続するキーボードやペン入力装置等の機器であり、処理・制御部3に対し被介護者等の氏名やセンサーユニット10のアドレス等のデータ、そして、機器制御のための命令や入力を行う装置である。なお、本発明において入力装置6は、単に入力する手段であり、その構成要素は市販品であり、詳細な記載は省く。
図1に示すように表示装置7は、処理・制御部3に接続し、処理・制御部3から送付される信号、例えば、センサーユニット10で検出された検出信号や、検出信号の分析結果等の信号を介護者に分かり易く表示する装置である。
また、本発明において表示装置7は、検出信号を実時間で表示する、また、必要に応じ記録データを継続的に表示するなど検出データに対する解析や観察を容易にするための機能であるが、表示の1手段で有り、既に一般化しているため、表示装置7そのものについて詳細な記述を行わない。
図1に示すように、処理・制御部3は、通信装置2、外部記録装置5、入力装置6、表示装置7等と接続し、その内部は、CPUと内部メモリーなどのハードと、予めインストールした基本ソフトや本発明の専用ソフト等から構成している。
また、処理・制御部3は、上記した各接続する各機器の信号の流れ、信号の解析、判定、表示などの処理や、機器の操作など全体の動き等の制御を行う。
なお、コントローラ1は、図9に示すように、処理・制御部103,外部記録装置5、入力装置6、表示装置7等を内蔵した情報端末やノートパソコンまたはディスクトップ型のパソコンを活用し、センサーユニット10との通信を行う通信装置を組込んだICカード102をPCカードスロットに挿入した簡易的な構成も可能であり、その機能は、基本的に同等である。
コントローラ1の中心となる処理・制御部3の動作を中心に、本発明の尿蓄積量検出装置全体の動作をについて、図1を使い説明する。
センサーユニット10が、コントローラ1の正規端末として認識されるために、センサーユニット10のアドレス等をコントローラ1のデータベースに登録する。このときセンサーユニット10の利用者氏名を同時に登録すると便利である。
次に、被介護者が排尿した直後、介護者は、本発明の尿蓄積量検出装置のセンサーユニット10を、図7に示す下着を利用し被介護者に装着する。被介護者が排尿した直後、尿蓄積量検出装置を稼働し、被介護者の膀胱に尿が殆ど無い状態における振動特性を検出し、基礎データとしてコントローラ1の外部記録装置5のデータベースに記録する。
上記の準備作業が完了したのち、本発明の尿蓄積量検出装置は、動作可能な状態になる。
本発明の尿蓄積量検出装置を使った被介護者に対する尿蓄積量の検査は、図10のフローチャートに示す(1)検査開始モードから始まる。
(1)検査開始モードは、介護者によるコントローラ1の電源スイッチ投入である。
介護者が、検査のために本発明尿蓄積量検出装置のコントローラ1の電源スイッチを入れると、コントローラ1は、自動的に起動し、(2)入力モードへ移行する。
この(2)入力モードが正しく処理されないと、コントローラ1とセンサーユニット10の組合せが異なり、他人のデータを検出することになる。
図10に示すように(3)確認モードは、介護者が表示されたデータと被介護者と装着時からセンサーユニット10の組合せが正しいことを確認する行程である。正しい組合せを確認し、確認作業を完了し、次の行程であるに(4)接続モードに移行する。
コントローラ1が、接続すべきセンサーユニット10のアドレスを含む接続情報をコントローラ1の通信装置2を介し通信する。
以後、上記の「通信装置を介して通信する」を単に「通信する」と略記する。
また、センサーユニット10が受信したアドレス信号と一致しない場合、センサーユニット10は、無視する。従って、コントローラ1は、必要なセンサーユニット10のみと接続し、対応する被介護者の検査を行うため(5)検出モードへ移行する。
図10のフローチャートに示す、(5)検出モードについて説明する。
検出モードでは、まず、コントローラ1が、センサーユニット10に対し検出命令を送信する。センサーユニット10は、検出命令を受け、被介護者の尿蓄積量の状態を加振機22と振動検出センサー25等を使い検出する。
前記したように準備作業により、予め被介護者は、専用下着71を利用し、センサーユニット10をその膀胱付近に正しく装着している。この状態で、加振機22の駆動コイル221に、上記した所定信号が印加されると、駆動コイル221と振動子222の間に駆動力が発生し、その力は、振動子222に接続した加振部材227から被介護者の下腹部の所定部分に、印加する。また、その変位は、バネ223,被介護者下腹部の皮膚の弾性、および発生した力のバランスから決まるので、検査精度が低い場合、加振機22の駆動信号を大きくする必要がある。
装着部の皮膚が動くとその動きは、皮膚に密着した振動検出センサー25の振動板253を介し、さらに、振動板253から固定部材252を介し圧電素子251に伝達する。
この皮膚の動きに同期した振動板253および圧電素子251の動きは、圧電素子251の結晶を歪め、そのひずみ量に対応した出力をその電極251A、251Bに発生する。
検出回路15は、上記振動検出センサー25で検出した信号を受け、所定の増幅を加え、さらに、アナログデジタル変換を行い、接続するセンサーユニット処理・制御部13へ伝える。
センサーユニット処理・制御部13は、このデジタル変換された検出信号を解析に必要な量(以後「検出データ」という)を取り込み、その内部メモリーに記録し、さらに、検出データを通信装置12,および通信装置2を介し、コントローラ1へ送信し、検出モードの状態で待機する。
図10のフローチャートに示すように、(6)分析モードは、上記した検出モードで検出したデータを使い被介護者等の膀胱に蓄積する尿の状況を分析するモードである。
まず、分析は、上記の検出モードにて得た検出データを、予めインストールしたソフトを使い分析する。分析結果は、分析データとして、その内部メモリーに記録する。
次に、比較行程は、データベースの予め記録された被介護者の基礎データや、標準データ、および、近々の被介護者の個人データ等と、上記の分析データを比較する行程であり、比較結果は、比較データとして、その内部メモリーに記録する。
この(7)結果判定モードは、前行程で得た比較データと、データベースの標準データや被介護者の基礎データおよび過去の検出データ等から総合的な評価を行い膀胱内の尿蓄積量を判定し、次の表示モードへ移行する。
しかし、この判定に際し、上記で得た比較データに疑義がある場合、または、判定が困難な場合等は、図10のフローチャートに示すように再度検出を行うため、(5)検出モードへ移行し、上記した検出モードの各行程を再度行う。
結果判定が済むと、図10のフローチャートに示すように、(8)表示モードへ移行する。(8)表示モードは、上記の比較データをコントローラ1の表示装置7画面上に分かり易く表示するものであり、介護者は、この表示を見て、被介護者の膀胱内の尿蓄積量を知り、被介護者に対する介護作業の判断が可能になる。または、再検査の判断を迫られる。
(9)再検査判定のモードにおいて、介護者は、上記した「表示された検出結果」と、被介護者の状況に対する認識に差が無い場合、表示結果を「了解」すると、コントローラ1からセンサーユニット10のセンサーユニット処理・制御部13に停止命令が送信され、センサーユニット10は通信装置12およびセンサーユニット処理・制御部13以外の電源を切り、省エネモードとなる、コントローラ1は次のモードに移行する。
また、上記した「表示された結果判定」に対し介護者が、疑義を持つ場合、「再検査」を選択すると、コントローラ1は、図10のフローチャートの(5)検出モードに戻り、再度検出モードの各行程を実施し、やがて検出結果を表示する。
ここで、介護者は、上記の表示された評価結果と、被介護者を見ての自分の判断に沿って、介護の作業を行うものとする。
(10)記録モードは、上記の分析モードと再検査判定モードにおいて、内部メモリーに記録されていた分析データ、比較データおよび評価結果等のデータを外部記録装置5のデータベースに記録し、保存するモードで、一連の動作はコントローラ1の処理・制御部3が出す命令によって行われる。
保存したデータは、次回の「検査結果の判定」時、過去の検出データとして反映する。
保存が完了すると、コントローラ1は次のモードへ移行する。
検査継続モードは、本発明のコントローラ1を使った膀胱の尿蓄積状況の検査を継続するか否かを確認するもので、別の被介護者等の尿蓄積状況の検査を行う場合等に継続を選択すると、コントローラ1は、図10のフローチャートに示す(2)の入力モードへ移行し、これから行う検査対象者の氏名、または、アドレス等と、装着してあるセンサーユニットのアドレスの確認から各行程を実行する。
また、終了を選択するとコントローラ1は、コントローラ1の各ソフトを停止し、その電源を切り、全てが停止する。
介護を受け生活する人、療養や治療等の看護を受ける人など被介護者等は、基本的に、ほぼ定められた生活パターンを持って、生活、療養や治療を行っている。したがって、起床時間、食事等から排尿の時間等も毎日ほぼ同じパターンで行動することとなる。
被介護者等は、この行動パターンを考慮し、また、被介護者の体調や食事、飲食物等、さらに、その日の気温、湿度等を考え排尿パターンを想定し介護等を行うことにより介護者等の失禁を低減できる。
この排尿パターンや排尿量の予測精度が向上することにより介護者等は、「被介護者を排尿パターンに沿ったトイレへの案内」や「尿瓶の準備」等可能になり、「失禁の事後処理」の重労働を低減できる一次効果と同時に、「被介護者の人権の保護」や「被介護者の生活に対する自信の回復」等の副次的な効果を確保できる。
本発明の実施の形態1において、報知手段は、視覚的な手段を用いているが、そのほか、聴覚(例えば、アラームやその他の騒音発生器)あるいは触覚(例えば、振動機能)に訴えるものであってもよい。
また、コントローラ1とセンサーユニット10は、別体でなくてもよく、一体化されて、被介護者等に取り付けられるようにしてもよい。
2: 通信装置
3: 処理・制御部
5: 外部記録装置
6: 入力装置
7: 表示装置
10: センサーユニット
11: センサーコントローラ
12: 通信装置
13: センサーユニット処理・制御部
14: 発信回路
15: 検出回路
21: ケーブル
22: 加振機
221:駆動コイル
222:振動子
223:バネ
224:下ヨーク
225:上ヨーク
226:支持部材
227:加振部材
24: ケーブル
25: 振動検出センサー
251:圧電素子
252:固定部材
253:振動板
254:線材
256:センサー回路基板
270:ケース
71: 一体化下着
72: 収納部
72A:センサーコントローラ収納部
72B:マジックテープ
72C:加振機収納部
72D:センサー収納部
72E:開口部
Claims (14)
- 被介護者の皮膚の一部に接触し、当該皮膚を通して膀胱周辺に向かって振動を与えるための加振機と、
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に接触し、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に到達した振動を検出するための振動検出センサーと、
前記加振機に加振を指示する信号を送り、前記振動検出センサーで検出された振動に対応する信号を処理することにより膀胱周辺の筋肉の収縮を検知して膀胱の尿蓄積量を判断する処理制御部と、
前記処理制御部で判断された尿蓄積量の情報を報知する報知手段と、を有する尿蓄積量検出装置。 - センサーユニットとコントローラとを有する尿蓄積量検出装置であって、
前記センサーユニットは、
被介護者の皮膚の一部に接触し、当該皮膚を通して膀胱周辺の筋肉に向かって振動を与えるための加振機と、
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に接触し、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に伝達した振動を検出するための振動検出センサーと、
前記振動検出センサーで検出された振動センサー出力を処理するセンサーユニット処理制御部と、を備え、
前記コントローラは、
皮膚表面に伝達した振動に対応する信号を処理することにより膀胱周辺の筋肉の収縮を検知して膀胱の尿蓄積量を判断する本体処理・制御装置と、
前記本体処理・制御装置で判断された尿蓄積量の情報を報知する報知手段と、を備える、尿蓄積量検出装置。 - 前記センサーユニットと前記コントローラとは、分離し、通信機能によって通信可能な請求項2記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記センサーユニットと前記コントローラとの間の前記通信機能は、無線通信方式である請求項3記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記コントローラが1個に対し、前記センサーユニットを複数個設置する請求項2乃至4のいずれかに記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記加振機と前記振動検出センサーとは、被介護者の下腹部の膀胱を挟む位置に配置される請求項1乃至5のいずれかに記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記センサーユニットは、下着に取り付けられている請求項1乃至6のいずれかに記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記下着は、前記加振機と前記振動検出センサーとが前記被介護者の皮膚と直接に接触するための開口部が設けられている請求項7に記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記センサーユニットは、防水性がある請求項1乃至8のいずれかに記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記報知手段は、その報知が視覚、聴覚あるいは触覚に訴えるものである請求項1乃至9のいずれかに記載の尿蓄積量検出装置。
- 前記センサーユニットが、前記被介護者の基礎データ、過去の排尿データまたは食事のデータから前記被介護者の排尿パターンを推定する請求項1乃至10のいずれかに記載の尿蓄積量検出装置。
- 尿蓄積量検出するための尿蓄積量検出装置であって、
被介護者の皮膚の一部に接触し、当該皮膚を通して膀胱周辺の筋肉に向かって振動を与えるための加振機と、
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に接触し、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に伝達した振動を検出するための振動検出センサーと、
前記振動検出センサーで検出された検出信号を処理する処理制御部と、
前記処理制御部により処理された検出信号を他の装置に出力する通信手段と、を備えた尿蓄積量検出装置。 - 被介護者の皮膚の一部に加振機を接触させて、当該皮膚を通して膀胱周辺に向かって振動を与え、
被介護者の皮膚の一部であって前記加振機とは異なる位置に振動検出センサーを接触させて、前記加振機から加振され膀胱周辺の筋肉に伝達し、更に、皮膚表面に到達した振動を検出し、
前記振動検出センサーで検出された振動に対応する信号を処理することにより膀胱周辺の筋肉の収縮を検知して膀胱の尿蓄積量を判断し、
判断された尿蓄積量の情報を報知して、被介護者の尿蓄積量を監視あるいは排尿を予告する方法。 - 前記被介護者は前記下着を装着することにより被介護者の尿蓄積量を監視あるいは排尿を予告する請求項13記載の方法。
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