JP2005082697A - 架橋重合体の特性値予測方法および架橋重合体の製造条件を決定する方法 - Google Patents

架橋重合体の特性値予測方法および架橋重合体の製造条件を決定する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シミュレーション手法の適用により架橋重合体の特性値を精度良く予測し、その予測に基づき架橋重合体の製造条件を決定する方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、
重合反応制御因子を入力する工程(I)と、
[1]分子軌道計算または実験的手法により得られる、その重合反応の反応素過程の頻度因子および活性化エネルギーならびに[2]前記入力された重合反応制御因子に基づき、任意の重合時間における、生成する架橋重合体の一次分子鎖の重合度分布および架橋点数を算出する工程(II)と、
前記算出された一次分子鎖の重合度分布および架橋点数に基づいて、任意の重合時間における、架橋重合体の重合度分布を演算する工程(III)とを有する架橋重合体の特性値予測方法を用いる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、架橋重合体の特性値を予測する方法およびその予測方法により架橋重合体の製造条件を決定する方法に関する。
高分子材料に要求される性能を実現する手法として、高分子材料の分子量や構造などをより精密に制御することが検討され、その制御のための手法が種々報告されている。しかしながら架橋構造を有する重合体は溶媒に不溶であり、実験的手法による構造解析は一般に困難である。そのため架橋重合体の構造制御や物性予測は専ら経験に頼ってきたが、製品設計の観点からその構造の詳細な解析が望まれている。
実験的手法によらない構造解析や物性予測の方法として、各反応素過程の反応速度式を求め、これらの複数の反応速度式を連立方程式とし、時間発展的に解くことにより、重合時間と生成する重合体の特性値の関係を演算して求める方法(以下、「シミュレーション」ともいう。)が知られている。しかしながら、架橋重合体の生成に係わる反応素過程は一般に複雑であり、架橋重合体の製造にシミュレーションを適用するのは困難であった。
例えば、乳化重合において架橋重合体の生成過程を理論解析し、架橋構造を制御する試みが提案されている(非特許文献1参照)。しかしこの方法では、モデル的な速度定数を用いて定性的なシミュレーションを行っているのみであり、実際の重合系への適用は困難であった。
飛田ら,「乳化重合における架橋高分子生成過程の理論解析」,高分子加工,高分子刊行会,1996年,第45巻,第12号,p.542−549
本発明の目的は、シミュレーション手法の適用により架橋重合体の特性値を精度良く予測し、その予測に基づき架橋重合体の製造条件を決定する方法を提供することである。
本発明者らは、分子軌道計算により得られる、反応素過程の頻度因子および活性化エネルギーを用いることで、ラジカル重合のシミュレーションを精度良く行う方法に先に想到した。しかしこの方法は架橋重合体の構造制御や物性予測に関しては、必ずしも十分ではなかった。
すなわち、架橋を伴う重合反応シミュレーションにおいては、架橋反応により分子鎖中の架橋反応に関与し得る点(以下、「架橋サイト」と言う。)や分子数が減少するために計算が不正確になる場合があった。例えば、架橋サイトの減少を考慮しない場合、計算上は1つの架橋サイトで複数回の架橋反応が起こり得るため、得られる計算結果は正確ではなかった。一方、これら架橋サイトや分子数の減少を考慮すると、計算に係わるパラメータが増えて煩雑になり、シミュレーションに要する時間や誤差が増大するという問題があった。
本発明者らは上記の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、架橋を伴う重合反応においても、シミュレーションで一次分子鎖長を計算できること、成長反応と架橋反応の速度定数の差に応じ計算方法を選択することで架橋点数を見積もれること、および微小時間に生成する一次分子鎖長と架橋点数から生成する架橋重合体の重合度分布を計算できることを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、多官能単量体または多官能単量体を含む重合性単量体混合物をラジカル重合して製造される架橋重合体の特性値予測方法であって、少なくとも、
重合反応制御因子を入力する工程(I)と、
[1]分子軌道計算または実験的手法により得られる、その重合反応の反応素過程の頻度因子および活性化エネルギーならびに[2]前記入力された重合反応制御因子に基づき、任意の重合時間における、生成する架橋重合体の一次分子鎖の重合度分布および架橋点数を算出する工程(II)と、
前記算出された一次分子鎖の重合度分布および架橋点数に基づいて、任意の重合時間における、架橋重合体の重合度分布を演算する工程(III)とを有する架橋重合体の特性値予測方法が提供される。
重合反応の反応素過程の頻度因子および活性化エネルギーの少なくとも一部は、重合に用いられる分子の三次元構造パラメータを入力して分子軌道計算を行う工程(II−1)により得られたものであることが好ましい。
また、前記架橋重合体の重合度分布を演算する工程(III)が、下式(1)を時間発展的に解くことを含むことが好ましい。
Figure 2005082697
(式中、N(p)は重合のある時点tにおける架橋重合体の重合度分布を表し;NΔt(p)は時点tからの微小時間Δtの間に生成した一次分子鎖の重合度分布を表し;Nt+Δt(p)は時点t+Δtにおける架橋重合体の重合度分布を表し;Q(p)は時点tにおいて存在した重合体の分子の内、Δtの間に生成した一次分子鎖と架橋反応する分子の確率分布を表し;QΔt(p)はΔtの間に生成した一次分子鎖の内、架橋反応する分子の確率分布を表し;Q(i)×QΔt(j)は、時点tにおいて存在した重合度iの重合体と、Δtの間に生成した重合度jの一次分子鎖が架橋反応する確率を表す。)
また、第2の本発明によれば、上記の方法により架橋重合体の特性値を予測し、所望の架橋重合体の特性値に合致する演算値をもたらす重合反応制御因子の組み合わせを選択することにより、当該重合体の製造条件を決定する方法が提供される。
さらに、第3の本発明によれば、上記の方法で決定した製造条件により、架橋重合体を製造する方法が提供される。
本発明によれば、従来実験的手法では解析できなかった架橋重合体の特性値、具体的には一次分子鎖長、架橋点数、架橋重合体の重合度分布ならびにゲル量を予測することが可能になる。さらに、その予測に基づき、所望の架橋重合体の特性値に合致する演算値をもたらす重合反応制御因子の組み合わせを選択することにより、当該重合体の製造条件を決定することができる。
本発明の特性値予測方法は、多官能単量体または多官能単量体を含む重合性単量体混合物をラジカル重合して製造される架橋重合体の特性値予測方法である。本発明で予測することのできる架橋重合体の特性値としては、一次分子鎖の長さ、架橋点数、架橋重合体の重合度分布およびゲル量などを挙げることができる。ここで、一次分子鎖とは、架橋重合体の全ての架橋を切断したと仮定した場合に得られる直鎖状の分子のことを表す。
本発明の方法に係る架橋重合体は、多官能単量体または多官能単量体を含む重合性単量体混合物をラジカル重合して製造される。
多官能単量体は、少なくとも2個、好ましくは2〜4個の、炭素−炭素二重結合をもつ化合物である。その具体例として、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの多価ビニル芳香族化合物;アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリルなどのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の不飽和エステル化合物;
フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリメリット酸トリアリルなどの多価カルボン酸の不飽和エステル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレートなどの多価アルコールの不飽和エステル化合物;などが挙げられる。また、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどの共役ジエン;を用いることもできる。共役ジエンの重合においては、1,4−結合とビニル結合の二種の結合形態が存在し、ビニル結合の場合に残った炭素−炭素二重結合が架橋サイトとなりうる。
本発明の方法は、例えばジビニルベンゼンのような、成長反応と架橋反応の反応速度の差が小さい多官能単量体を用いる場合に特に好ましく適用できる。
本発明の方法に係る架橋重合体は、通常、多官能単量体と、1個の炭素−炭素二重結合をもつ化合物である単官能単量体とを含有する重合性単量体混合物を重合して得られる。単官能単量体としては、エチレンやプロピレンなどのオレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のエチレン性不飽和エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;などを挙げることができる。
本発明の方法に係るラジカル重合反応は、開始剤または単量体自身が熱反応、光化学反応、触媒反応、酸化還元反応などによりラジカルを発生し、その発生したラジカルに単量体が連続的に反応することにより重合体が生成する反応を言う。このようなラジカル重合反応には、反応の場の違いにより、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などがある。本発明の方法は、これらの各種のラジカル重合反応に対して用いることができるが、その中でも特に系が複雑な乳化重合に対して用いた場合に、従来の方法に比べてより効率的に重合体の製造条件を決定することができ、好適である。
開始剤は、熱反応、光化学反応、触媒反応又は酸化還元反応などによりラジカルを発生する化合物である。その具体的な例としては、フェニルアゾトリフェニルメタンなどのアゾ化合物;t−ブチルパーオキサイドなどのアルキル過酸化物;ベンゾイルパーオキサイドなどのアシル過酸化物;クメンハイドロパーオキサイド、p−ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類;パーサルフェイトカリウムなどのパーサルフェイト類;などを挙げることができる。これらは単独で、または還元剤と併用したレドックス系開始剤として使用できる。
ラジカル重合反応においては、連鎖移動剤が使用されることが多い。連鎖移動剤は、ラジカル重合反応において、その成長反応点のラジカルと反応してラジカルを消失させることにより重合体の成長を停止させ、同時に新たに反応点であるラジカルを生成することにより新たな重合体の成長を開始させることができる化合物である。そのような連載移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタンなどを挙げることができる。連鎖移動剤を用いる場合には、連鎖移動剤に関係する反応素過程が増えるため、反応が複雑となるが、そのような場合にも本発明の方法は、効率よく、重合体の製造条件を決定することができ好適である。
本発明の方法では、重合反応制御因子を入力する工程(I)と、[1]分子軌道計算または実験的手法により得られる、その重合反応の反応素過程の頻度因子および活性化エネルギーならびに[2]前記入力された重合反応制御因子に基づき、任意の重合時間における、生成する架橋重合体の一次分子鎖の重合度分布および架橋点数を算出する工程(II)とを有する。
重合反応制御因子は、重合反応を行う者が積極的に制御できる因子である。実際の重合反応では、重合反応制御因子を変えることにより、得られる重合体の特性値が変化する。また、シミュレーションにおいては重合反応制御因子は初期条件または反応途中で積極的に変更できる因子である。具体的な重合反応制御因子としては、単量体の種類及び量(濃度);初期のラジカル発生剤量;連鎖移動剤量;反応温度;反応圧力;溶媒の量;単量体、ラジカル発生剤、連鎖移動剤又は溶媒を途中添加する場合の、その添加方法(添加速度、添加量);などを挙げることができる。
架橋を伴うラジカル重合反応における反応素過程としては、開始剤の反応、成長反応、単量体への連鎖移動反応、連鎖移動剤への連鎖移動反応、短鎖分岐、長鎖分岐、架橋反応、不均化停止反応、再結合停止反応などが挙げられる。このうち、架橋反応の反応素過程は、例えば二元共重合の場合は、
An+D→PAm+n
An+D→PBm+n
Bn+D→PAm+n
Bn+D→PBm+n
で表される。ここで、PAi、PBiは重合度iで末端に成長反応点を持ち成長反応点がそれぞれ単量体A、単量体Bである重合体、Dは重合度iで末端に成長反応点を持たない重合体である。
また、架橋点の濃度[CL]を求める反応速度式は、
[CL]=kΣΣ[PAi][D]+kΣΣ[PAi][D]+kΣΣ[PBi][D]+kΣΣ[PBi][D
で表される。ここで、[PAi]、[PBi]、[D]はそれぞれ対応する化合物の濃度を表し、k、k、k、kは上記各架橋反応の反応速度定数である。
架橋反応以外の反応素過程およびその反応速度式は、架橋を伴わないラジカル重合と同様であり、例えば本出願人が先に出願した特願2002−52548号に記載の反応速度式を用いることができる。
さらに、三元共重合の場合は、反応素過程とそれに対応した反応速度式は多くなる。また、上記の例は典型的な例であり、反応に寄与する他の成分が存在する場合には、それらの寄与も算入する必要があり、反応に寄与する成分が上記の例よりも少ない場合には、それらの寄与は除外すればよい。
各反応素過程の頻度因子及び活性化エネルギーは、上記で得られた全ての反応素過程に対応する反応速度式から、分子軌道計算または実験的手法により求められるものである。
以下に分子軌道計算により頻度因子と活性化エネルギーを求める方法を示す。アレニウスの表示によれば、反応速度定数kは、
k=Aexp(−ΔE/kT)
で表される。ここで、Aは頻度因子、ΔEは活性化エネルギー、kはボルツマン定数、Tは温度である。
ここで、遷移状態理論によると、頻度因子Aは、
A=kT/hQ/Q(単位:s−1、単分子反応の場合)
A=kT/hQ/Q(単位:mkmol−1−1、2分子反応の場合)
で表すことができる。ここで、hはプランク定数、Qは反応の遷移状態の分配関数、Q、Qは反応物の分配関数である。分子分配関数は、並進、回転、振動に分けることができる。並進、回転は、それぞれ分子の質量、慣性モーメントから求めることができる。振動については、分子軌道法を用い振動準位を計算することにより求めることができる。
活性化エネルギーΔEは、
ΔE=E(TS)−E(A)(単分子反応の場合)
ΔE=E(TS)−E(A)−E(B)(2分子反応の場合)
により求めることができる。ここで、E(TS)、E(A)、E(B)はそれぞれ遷移状態、反応物の基底状態のエネルギーである。基底状態のエネルギーは電子エネルギーと零点振動エネルギーの和であるが、前者は分子軌道法の電子エネルギーとして、後者は分子軌道法を用いて振動準位計算することにより求めることができる。
上記の分子軌道計算を用いて、頻度因子と活性化エネルギーを求める方法は、具体的には市販のソフトウェアによって実現することができる。そのようなソフトウェアの例としては、Gaussian社の商品名Gaussian98などを挙げることができる。
本発明の特性値予測方法においては、各反応素過程の頻度因子及び活性化エネルギーの少なくとも一部が、重合に用いられる分子の三次元構造パラメータを入力して分子軌道計算を行う工程(II−1)により得られたものであることが好ましい。三次元構造パラメータとしては、例えば分子の三次元構造図が挙げられる。分子軌道計算により頻度因子及び活性化エネルギーを求めることで、より効率よく架橋重合体の特性値を予測することができる。
反応素過程の頻度因子及び活性化エネルギーを求める実験的手法としては、アレニウスプロットによる手法と、試行錯誤的手法が挙げられる。
アレニウスプロットによる手法を以下に示す。アレニウスの表示による反応速度定数を変形すると、
lnk=−ΔE/kT+lnA
となる。従って、未知の速度定数が一つである場合には、温度を変えた反応実験を数回以上行い、各温度における反応速度定数の対数を1/Tに対してプロット(アレニウスプロットという)することにより、その傾きから活性化エネルギー、縦軸切片から頻度因子が求められる。
アレニウスプロットによっても実験的にも求めることが困難な頻度因子及び活性化エネルギーの値は、試行錯誤的な手法により求める。この手法は、多くの反応実験を行い、それらの値を未知数としたまま、シミュレーションを行った結果(反応時間に対する重合体の特性値の変化)が実際の反応実験の結果値とできるだけ一致するように試行錯誤的に求めるものである。
本発明の方法では、[1]上記で得られた頻度因子および活性化エネルギーならびに[2]前記入力された重合反応制御因子に基づき、任意の重合時間における、生成する架橋重合体の一次分子鎖の重合度分布および架橋点数を算出する。
任意の重合時間における、生成する架橋重合体の一次分子鎖の重合度分布は、シミュレーション、すなわち初期条件としての重合反応制御因子を設定し、上記で求めた反応速度式の各定数を用いて、時間発展的に連立方程式を解くことにより計算で求めることができる。シミュレーションは、多くの数値積分計算と、多元連立方程式の解を求める計算である。通常は、コンピュータを用いて計算を行う。そのような計算は、例えば、AspenTech社の商品名PolymersPlus等のソフトウェアによって行うことができる。
任意の重合時間における、生成する架橋重合体の架橋点数も計算により求めることができる。計算方法は、成長反応と架橋反応の反応速度定数の比に応じて選択できる。架橋反応の反応速度定数が成長反応の反応速度定数と比較して十分に小さい場合、具体的には100分の1以下、好ましくは500分の1以下である場合は、1つの架橋サイトで複数回の架橋反応が計算上発生する確率は無視できるほど小さいので、通常のシミュレーション手法により架橋点数を計算できる。具体的には、ビニル結合したブタジエン由来の単量体単位が架橋サイトになる場合などを挙げることができる。
また、重合体分子鎖中の未架橋の架橋サイトの濃度と、未反応の多官能単量体の濃度との比率を時間積分することにより計算することもできる。すなわち、架橋反応の反応速度定数と成長反応の反応速度定数が等しい場合、重合反応のある時点tから、微小時間Δtの間に生成する架橋点の数cΔtは、
Δt=(Δtの間に生成した一次分子鎖に結合した多官能単量体単位数)×(時点tにおける未架橋の架橋サイトの数)/(時点tにおける未反応の多官能単量体数)
で表されるので、この式を時間積分することにより任意の時点における架橋点数を求めることができる。
この方法は、架橋反応の反応速度定数と成長反応の反応速度定数の差が大きい場合に用いると誤差が生じるが、計算上でも1つの架橋サイトでは1回しか架橋反応が起こらないので、架橋反応の反応速度定数が成長反応の反応速度定数と同程度である場合には好ましく適用できる。具体的には、多官能単量体としてジビニルベンゼンを用いる場合などを挙げることができる。
さらに、計算が煩雑になり過ぎない範囲でこれらの手法を組み合せて用いてもよいが、多くの重合反応については上記いずれか一方の手法を適用するだけで十分に精度のよい計算結果が得られる。
本発明の方法は、前記算出された一次分子鎖の重合度分布および架橋点数に基づいて、任意の重合時間における、架橋重合体の重合度分布を演算する工程(III)を有する。演算の手法は特に限定されないが、下式(1)を時間発展的に解く方法が好ましい。
Figure 2005082697
式(1)中、N(p)は重合のある時点tにおける架橋重合体の重合度分布を表し;NΔt(p)は時点tからの微小時間Δtの間に生成した一次分子鎖の重合度分布を表し;Nt+Δt(p)は時点t+Δtにおける架橋重合体の重合度分布を表し;Q(p)は時点tにおいて存在した重合体の分子の内、Δtの間に生成した一次分子鎖と架橋反応する分子の確率分布を表し;QΔt(p)はΔtの間に生成した一次分子鎖の内、架橋反応する分子の確率分布を表し;Q(i)×QΔt(j)は、時点tにおいて存在した重合度iの重合体と、Δtの間に生成した重合度jの一次分子鎖が架橋反応する確率を表す。
上式(1)について具体的に説明する。重合反応のある時点tから微小時間Δtの間に生成する、一次分子鎖の重合度分布NΔt(p)は、最確分布に従うと考えられるので、重合度pの関数として下式(2)で与えられる。
Figure 2005082697
ここで、Pn、λはそれぞれΔtの間に生成する一次分子鎖の数平均重合度および分子数である。
また、架橋サイトの数は重合度に比例するので、時点tにおいて存在した重合体分子鎖が、Δtの間に架橋反応する確率分布Q(p)は重合度pの関数として下式(3)で与えられる。
Figure 2005082697
同様に、Δtの間に生成した一次分子鎖が架橋反応する確率分布QΔt(p)は重合度pの関数として下式(4)で与えられる。
Figure 2005082697
一次分子鎖2本が架橋反応により1本の架橋分子鎖になるので、時点t+Δtにおける重合度分布Nt+Δt(p)は、前記式(1)で表すことができる。この式(1)を時間発展的に解くことにより、任意の時点における架橋重合体の重合度分布を予測することができる。演算に用いるソフトウェアは特に限定されないが、例えばマイクロソフト社の商品名Microsoft Excel等のソフトウェアによって行うことができる。
本発明の、架橋重合体の製造条件を決定する方法は、上記本発明の方法により架橋重合体の特性値を予測し、所望の架橋重合体の特性値に合致する演算値をもたらす重合反応制御因子の組み合わせを選択することにより、当該重合体の製造条件を決定する方法である。
また、本発明の製造方法は、上記本発明の方法で決定した製造条件により、架橋重合体を製造する方法である。
本発明の予測方法により、従来実験的手法では解析できなかった架橋重合体の特性値、具体的には一次分子鎖長、架橋点数、架橋重合体の重合度分布ならびにゲル量を予測することが可能になる。また、本発明の予測方法は、従来のシミュレーション手法と比較して簡潔で、かつ正確な演算結果を得ることができるので、繰り返しの演算に要する時間も短い。よって、重合反応制御因子を変えてシミュレーションを繰り返すことにより、所望の特性値に合致するよう重合反応制御因子の組み合わせを求めることができる。
本発明の方法により製造される架橋重合体としては、スチレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリルゴムなどを挙げることができる。中でも、ジビニルベンゼンで架橋されたスチレン・ブタジエンゴムの製造に好適である。
以下に、本発明を適用した実施例を示す。なお、実施例における部は重量基準である。
実測による重合体の各特性値は下記の方法により求めた。
(1)重合転化率
重合反応時の重合転化率は、重合体の水分散液を乾燥して得られる固形分重量から計算して求めた。
(2)ゲル量
架橋重合体0.2gと100mlのトルエンを100ml三角フラスコに入れ、40℃で3時間振とうして溶解分を完全に溶解し、150メッシュの金網で濾過してトルエン可溶分を除去した後、金網上の残渣を乾燥して重量を算出した。この乾燥した残渣の元の重合体の重量に対する割合をゲル量とした。
[実施例1]
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水123部、スチレン(ST)50.75部とブタジエン(BD)49部、架橋モノマーとしてジビニルベンゼン(DVB)を0.25部(m体:p体=68:32)、乳化剤として牛脂肪酸石けん4部およびトール油混酸石けん0.6部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン(TDM)0.32部、開始剤としてp−ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(DIP)0.0594部、活性剤としてエチレンジアミン四酢酸鉄(III)塩0.015部と次亜塩素酸フォルムアルデヒドナトリウム(SFS)0.09部とを仕込み、十分に攪拌した後、12℃で重合を開始した。反応時間5.5時間で重合転化率が70%になった時点で重合を停止して架橋重合体Aを得た。
この重合反応について、重合時間と重合転化率の関係を実測およびシミュレーションにより求めた。結果を図1に示す。なお、計算用ソフトウェアとしてはAspenTech社製のPolymersPlusを用いた。シミュレーションに用いた頻度因子と活性化エネルギーの値および算出方法を、開始反応と成長反応について表1に、単量体への連鎖移動反応について表2に、重合体への連鎖移動反応について表3に、架橋反応について表4に示す。分子軌道計算用ソフトウェアとしては、Gaussian社のGaussian98を用いた。また、BD末端、ST末端、m−DVB末端およびp−DVB末端のそれぞれが互いに反応する再結合反応については、実験的手法により求め、全ての再結合反応の頻度因子を32L/(モル・秒)、活性化エネルギーを0kJ/モルとしてシミュレーションに用いた。また、乳化重合パラメータとしては、表5に示す値を用いた。
Figure 2005082697
Figure 2005082697
Figure 2005082697
Figure 2005082697
Figure 2005082697
[実施例2]
スチレンの量を42.9部、ブタジエンの量を56.7部、ジビニルベンゼンの量を0.4部、TDMの量を0.21部としたほかは、実施例1と同様にして重合を行った。反応時間4.9時間で重合転化率が70%になった時点で重合を停止して架橋重合体Bを得た。実測およびシミュレーションにより求めた、重合時間とモノマー転化率の関係を図2に示す。図1および2より明らかなように、実測値と計算値はよく一致した。
次に架橋重合体AおよびBの製造条件において、重合時間と一次分子鎖の重合度分布の関係、および重合時間と架橋密度の関係をシミュレーションにより求めた。結果をそれぞれ図3、図4に示す。さらに、得られた架橋重合体について、一次分子鎖の重合度分布を計算した結果を図5および図6に示す。
次いで、上記で得られた一次分子鎖の重合度分布と架橋密度から、式(1)を用いて架橋重合体AおよびBの重合度分布を計算した。計算用ソフトウェアとしてはマイクロソフト社製のMicrosoft Excelを用いた。結果を図5および図6に示す。
図5および図6において、架橋重合体の重合度分布は一次分子鎖の重合度分布と比較して高重合度側にシフトしており、また図6では重合度分布が二峰となっており、架橋反応が進行していることが分かる。また、図5および図6から計算される、重合度3万以上の重合体の割合は、計算値は架橋重合体Aが0.1%、架橋重合体Bが39.1%であった。これに対し架橋重合体AおよびBのゲル量の実測値はそれぞれ1.2%および39.3%であり、計算値との相関が見られた。
架橋重合体Aの製造における重合時間と重合転化率の関係を示す図。 架橋重合体Bの製造における重合時間と重合転化率の関係を示す図。 架橋重合体AおよびBの製造における重合時間と一次分子鎖の数平均重合度の関係を示す図。 架橋重合体AおよびBの製造における重合時間と架橋密度の関係を示す図。 架橋重合体Aにおける一次分子鎖の重合度分布と架橋重合体の重合度分布の関係を示す図。 架橋重合体Bにおける一次分子鎖の重合度分布と架橋重合体の重合度分布の関係を示す図。

Claims (5)

  1. 多官能単量体または多官能単量体を含む重合性単量体混合物をラジカル重合して製造される架橋重合体の特性値予測方法であって、少なくとも、
    重合反応制御因子を入力する工程(I)と、
    [1]分子軌道計算または実験的手法により得られる、その重合反応の反応素過程の頻度因子および活性化エネルギーならびに[2]前記入力された重合反応制御因子に基づき、任意の重合時間における、生成する架橋重合体の一次分子鎖の重合度分布および架橋点数を算出する工程(II)と、
    前記算出された一次分子鎖の重合度分布および架橋点数に基づいて、任意の重合時間における、架橋重合体の重合度分布を演算する工程(III)とを有する架橋重合体の特性値予測方法。
  2. 重合反応の反応素過程の頻度因子および活性化エネルギーの少なくとも一部が、重合に用いられる分子の三次元構造パラメータを入力して分子軌道計算を行う工程(II−1)により得られたものである請求項1記載の特性値予測方法。
  3. 前記架橋重合体の重合度分布を演算する工程(III)が、下式(1)を時間発展的に解くことを含む、請求項1または2に記載の特性値予測方法。
    Figure 2005082697
    (式中、N(p)は重合のある時点tにおける架橋重合体の重合度分布を表し;NΔt(p)は時点tからの微小時間Δtの間に生成した一次分子鎖の重合度分布を表し;Nt+Δt(p)は時点t+Δtにおける架橋重合体の重合度分布を表し;Q(p)は時点tにおいて存在した重合体の分子の内、Δtの間に生成した一次分子鎖と架橋反応する分子の確率分布を表し;QΔt(p)はΔtの間に生成した一次分子鎖の内、架橋反応する分子の確率分布を表し;Q(i)×QΔt(j)は、時点tにおいて存在した重合度iの重合体と、Δtの間に生成した重合度jの一次分子鎖が架橋反応する確率を表す。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法により架橋重合体の特性値を予測し、所望の架橋重合体の特性値に合致する演算値をもたらす重合反応制御因子の組み合わせを選択することにより、当該重合体の製造条件を決定する方法。
  5. 請求項4に記載の方法で決定した製造条件により、架橋重合体を製造する方法。
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