JP2005080756A - 椅子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 騒音を低減するための装置を組み込んだ椅子として、マイクロホンで騒音を検出し、このマイクロホンから出力される騒音信号のパワーが最小となるように、スピーカによって騒音と逆位相の音波を出力させるものがある。しかし、スピーカの出力を制御するための制御装置としての高い演算能力が求められるし、スピーカ等のような装置も必要となる。
【解決手段】 椅子1Aは、座部2と背もたれ部3とヘルムホルツ型共鳴器5とを備えている。ヘルムホルツ型共鳴器5の開口部5cは背もたれ部3の上端近傍に形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 椅子1Aは、座部2と背もたれ部3とヘルムホルツ型共鳴器5とを備えている。ヘルムホルツ型共鳴器5の開口部5cは背もたれ部3の上端近傍に形成されている。
【選択図】 図1
Description
本願発明は、椅子に関し、特に、騒音環境中で使用されて該騒音を低減することができるような椅子に関する。
従来、騒音を低減するための装置を組み込んだ椅子があった。このような椅子は、特に自動車内など、常時、騒音が発生するようなところに設置されることが多い。この装置では、マイクロホンで騒音を検出し、このマイクロホンから出力される騒音信号のパワーが最小となるように、スピーカによって騒音と逆位相の音波を出力させるものである。時間的に変動する騒音に対して逆位相の音波をスピーカから出力させることができるように、マイクロホンの信号を入力し、かつ、スピーカの出力を制御するための制御装置は、適応信号処理を実行するものもある(例えば、特許文献1、第2頁、段落(0002))。
ところが、上記装置では、制御装置に適応信号処理アルゴリズムを実行できるだけの性能が求められる。また、マイクロホンやスピーカのような装置も必要となる。よって、装置構成が複雑化し、しかも安価には製造できない。
一方、騒音低減のためにヘルムホルツ型共鳴器を利用する技術も種々提案されている。
例えば、居住室内の騒音を低減するために、梁を中空構造として形成し、この中空空間をヘルムホルツ型共鳴器の空洞部として利用する技術も提案されている(例えば、特許文献2、第2頁、図1)。
しかし、上記のような騒音低減の技術は、ヘルムホルツ型共鳴器を吸音機構として利用しようとするものである。よって、居住空間全体の騒音を低減するには、多数のヘルムホルツ型共鳴器を設けなければならない。すなわち、ヘルムホルツ型共鳴器の首部における空気粘性を利用して騒音エネルギーを吸収しようとするものであるから、居住空間全体で騒音低減を図るには、居住空間の容積に応じて多数のヘルムホルツ型共鳴器を設けなければならないのである。
また例えば、ヘルメットに生じる風の騒音を低減するために、吸音装置としてヘルムホルツ型共鳴器を利用したものもある(例えば、特許文献3、第3頁、図1)。しかしこれも、ヘルムホルツ型共鳴器で騒音エネルギーを吸収して、ヘルメット装着者の感ずる騒音を低減しようとするものである。つまり、ヘルムホルツ型共鳴器を吸音装置として利用するものである。この点において、原理的には上記した居住空間における騒音低減技術と同一である。また、この技術(ヘルメットの騒音低減技術)では、ある程度の大きさの容積を有する空間には適用することができない。
平成5年第273987号公報
特開平10-102615号公報
特開2001-20122号公報
本願発明が解決しようとする課題は、複雑な制御を用いることなく、簡易な構成で、しかも、とくに低域の騒音を有効に低減させることができるような椅子を提供することにある。
さらに、用いる共鳴器が少数であっても、使用者(椅子の使用者)に対して効果的に騒音を感じさせなくすることができるような椅子を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本願発明に係る椅子は、座部と背もたれ部と共鳴器とを備え、該共鳴器の開口部が該背もたれ部の上端近傍に形成されている。
本願発明の椅子では、共鳴器の開口部から音波が発せられる。この音波は周囲騒音において共鳴器の開口部の近傍に存する音波と略逆位相となることが知られている。よって、周囲騒音と共鳴器からの音波とは、開口部近傍において略逆位相で干渉し、開口部近傍において騒音音圧レベルを低減させる。
この開口部は椅子の背もたれ部の上端近傍に配されているので、椅子に腰掛けた使用者の耳の近傍の騒音低減に特に有効である。
しかも、複雑な制御装置やスピーカを用いることなく、単純な構成で安価で製造できる。
さらに、用いる共鳴器が少数であっても、使用者(椅子の使用者)に対して効果的に騒音を感じさせなくすることができる。
本願発明は、共鳴器の開口部が、椅子に腰掛ける使用者の両耳に対応する箇所に一対形成されることが望ましい。また、椅子の背もたれ部がヘッドレストを有し、共鳴器の開口部がヘッドレストに形成されていてもよい。
さらに、共鳴器は、椅子の内部、例えば、背もたれ部や座部の内部に収容されていてもよい。
また、共鳴器の種類は問わないが、ヘルムホルツ型共鳴器や枝管型共鳴器であってもよい。
また、共鳴器の共鳴周波数を調整するための調整装置を備えていてもよい。
さらに、開口部近傍のマイクロホンと制御装置とを備え、制御装置が調整装置を駆動制御可能であり、この制御装置が、マイクロホンからの音声信号を入力して、音声信号のピークの周波数を検知し、ピークの周波数に、共鳴器の共鳴周波数を略一致させるように調整装置を駆動制御するようにしてもよい。
さらに、開口部近傍のマイクロホンと制御装置とを備え、制御装置が調整装置を駆動制御可能であり、この制御装置が、マイクロホンからの音声信号を入力して、音声信号のピークの周波数を検知し、ピークの周波数に、共鳴器の共鳴周波数を略一致させるように調整装置を駆動制御するようにしてもよい。
また、この椅子が、動力を有する乗物用の座席であってもよいし、例えば、自動車の座席であってもよい。
なお、特定周波数の騒音が問題となる場合には、当該周波数と同一の共鳴周波数を有する共鳴器を備えていれば足りるが、多数ないし広域周波数の騒音が問題となる場合には、共鳴周波数の異なる複数の共鳴器を備えることが望ましい。かかる場合には、単一又は異なる複数の共鳴周波数を有する共鳴器に加え、吸音材を椅子表面の耳元部周辺に配置してもよい。なお、吸音材は椅子の背もたれ部の上部又はヘッドレストに使用する材料で兼用してもかまわない。
以下、本願発明の実施例を図面を参照しつつ、説明する。
図1は本願発明を適用した椅子1Aの概略構成図である。この椅子1Aは、自動車の座席として適用された椅子である。椅子1Aは座部2と背もたれ部3と一対の肘掛け4とを有している。
椅子1Aには、その内部にヘルムホルツ型共鳴器5が組み込まれている。ヘルムホルツ型共鳴器5は空洞部5aと一対の首部5bとを有している。
ヘルムホルツ型共鳴器5は、背もたれ部3に組み込まれている。空洞部5aの形状は略直方体である。首部5bは空洞部5aの上端の左右2箇所から上方に伸びている。首部5bの先端は先方に曲げられており、その開口部5cは背もたれ部3の前面の上端近傍に位置している。
この椅子1Aは自動車の車室内に設置されているので、自動車の運転中は騒音環境内にある。この騒音は、エンジンの回転周波数や車室空間の共鳴周波数において特に大きな成分を有する。本実施例では、車室空間内において、特に120Hz近傍の騒音レベルが大きい。
ヘルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数は、約120Hzに設定されている。そうすると、ヘルムホルツ型共鳴器5の開口部5cから約120Hzの音波が出力される。このように、椅子1Aの周囲環境の騒音のピークの周波数に、共鳴器5の共鳴周波数が略一致していることが望ましい。
一般に共鳴器においては、その共鳴周波数において、開口部近傍における騒音成分と、該共鳴器の開口部から出力される音波の成分は、略逆位相となることが知られている。
よって、ヘルムホルツ型共鳴器5の開口部5c近傍では、120Hz近傍の成分が相殺されて音圧レベルが低くなる。椅子1Aに腰掛ける使用者の耳は、ちょうど、この音圧レベルが相殺されるエリアに位置することになるので、使用者は聴感上、120Hz近傍の騒音をあまり感じない。
しかも開口部5cは、椅子1Aに腰掛けた使用者の両耳に対応して左右2箇所に配されており、使用者が椅子1Aに腰掛けるとちょうど両耳近傍のエリアの騒音が低減されることになるので、騒音低減の効果は大きい。
つまり、椅子1Aのヘルムホルツ型共鳴器5は、椅子1Aの使用者に対して騒音をあまり感じないようにする効果を奏するものではあるが、自動車の車室内の空間における騒音エネルギーの総量を低減しようとするものではない。換言すれば、このヘルムホルツ型共鳴器5は、音響エネルギー吸収機構として作用するものではないから、自動車の車室内(音場)全体の音響エネルギーは不変であるが、椅子1Aの使用者の耳元付近において逆位相の音波を干渉させて、耳元付近の音圧を小さくしようとするものである。
図2は、車室空間S内に置かれた椅子の二次元要素モデルである。(a)では椅子1に何らの共鳴器も設けていない。(b)では、椅子1A内にヘルムホルツ型共鳴器5を設けている。このモデルによって騒音低減の効果を数値計算によって確認した。数値計算は境界要素法を用いた。このモデルでは、車室空間S内に椅子1、1Aが配されている。縦軸および横軸に示す数値は長さ(単位はm)である。この車室空間Sにおいては、天面は吸音材が貼付された吸音性境界であり、前後面は無反射境界であり、底面は音源として一様に振動する振動境界である。椅子1、1Aの表面はすべて剛壁である。
図3は、図2のモデルに基づく計算結果である。横軸は周波数を表し単位は「Hz」である。縦軸は音圧レベルを表し単位は「dB」である。図3(a)は、図2(a)のモデルにおけるT点(座標:x=1.0,y=0.7)における計算結果である。図3(b)は、図2(b) モデルにおけるT点(座標:x=1.0,y=0.7)における計算結果である。図3(c)は、図3(a)の値から図3(b)の値を差し引いた結果である。図3(c)により、ヘルムホルツ型共鳴器5による騒音低減の効果が示される。
図3(c)から、特に120Hz近傍の周波数における騒音低減効果が顕著であることが理解できる。よって図2(b)のような形態の椅子1Aを、120Hz近傍で大きな騒音を発する自動車の座席として適用すると有効であることが理解できる。
図3に示す計算結果は、ヘルムホルツ型共鳴器5の内部に、一切の吸音処理を施していないモデルによる数値解析の結果であるが、騒音低減効果は顕著であり、従来技術による騒音低減メカニズムとは異なることが理解できる。
図4は、ヘルムホルツ型共鳴器5の空洞部5aの容積を調整することによって、へルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数を調整するための調整装置を備えた椅子1Bの縦断面図である。ヘルムホルツ型共鳴器5は、空洞部5aの容積を変更させることによって、その共鳴周波数を変化させることができる。
図4の椅子1Bでは、空洞部5aの下半部が蛇腹式に伸縮できるようになっており、空洞部5aの底面5dを上下させると空洞部5aの容積を変更させることができる。これにより、ヘルムホルツ型共鳴器5の共振周波数を変更させることができる。
この調整装置はアーム21を備え、肘掛け4に設けたられた支点22を中心に回動できるようになっている。アーム21の先端は使用者によって操作できるようになっており、アーム21の後端は空洞部5aの底面5dに連結されている。よって、使用者がアーム21の先端を上下動させることによって、騒音低減の対象となる周波数を調整することができる。
図5は他の構成の調整装置を備えた椅子1Cの縦断面図である。この調整装置は、マイクロホン31と制御装置32と小型モータ33と、コイルばね34とを備えている。マイクロホン31は開口部5cの近傍に設置されている。
空洞部5aの下半部は蛇腹式に伸縮できるようになっており、空洞部5aの底面5dを上下させると空洞部5aの容積を変更させることができるようになっている。この底面5dはコイルばね34によって上方に付勢されていると同時に、小型モータ33からの駆動索33aによってその上下方向位置を規制されている。よって、小型モータ33の回転位置によって空洞部5aの容積が決定されるようになっている。制御装置32は小型モータ33の回転位置を自由に制御できるようになっている。制御装置32には、小型モータ33の回転位置と、ヘルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数との関係が予め与えられている。
マイクロホン31が検出した騒音信号は制御装置32に入力される。制御装置32は、その騒音信号を周波数分析し、騒音のピークの周波数に、ヘルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数が一致するように、小型モータ33を駆動制御する。
これにより、車室空間内において最も騒音の音圧レベルが高くなる周波数に追随しつつ、効果的に車室空間内の騒音の低減を図ることができる。
図6は他の構成の調整装置を備えた椅子1Dの縦断面図である。この調整装置は、ヘルムホルツ型共鳴器5の首部5bの長さを調整することによって、へルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数を調整する。この椅子1Dには、首部5bの下半部が空洞部5a内に挿入されて蛇腹式に伸縮できるようになっている。そして、この蛇腹部の下端5eを上下させると首部5bの長さを変更させることができるようになっている。これにより、ヘルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数を変更させることができる。この調整装置はアーム21を備えており、肘掛け4に設けたられた支点22を中心に回動できるようになっている。アーム21の先端は使用者によって操作できるようになっており、アーム21の後端は首部5bの下端5eに連結されている。よって、使用者がアーム21の先端を上下動させることによって、ヘルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数を変更し、騒音低減の対象となる周波数を調整することができる。
図7は他の構成の調整装置を備えた椅子1Eの縦断面図である。この調整装置は、マイクロホン31と制御装置32と小型モータ33とを備えている。マイクロホン31は開口部5Cの近傍に設置されている。
首部5bの下半部は空洞部5aに挿入され蛇腹式に伸縮できるようになっており、首部5bの下端5eを上下させると首部5bの長さを変更させることができるようになっている。首部5bの下端5eは小型モータ33からの駆動索33aによってその上下方向位置を規制されている。小型モータ33の回転位置よって、首部5bの長さが決定されるようになっている。制御装置32は小型モータ33の回転位置を自由に制御できるようになっている。制御装置32には、小型モータ33の回転位置と、ヘルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数との関係が予め与えられている。
マイクロホン31が検出した騒音信号は制御装置32に入力される。制御装置32は、その騒音信号を周波数分析して騒音のピークの周波数を検出する。そしてそのピーク周波数に、ヘルムホルツ型共鳴器5の共鳴周波数が一致するように、小型モータ33を駆動制御する。
これにより、車室空間S内において最も音圧レベルが高くなる周波数に追随しつつ、効果的に車室空間S内の騒音の低減を図ることができる。
さらに、ヘルムホルツ型共鳴器を備えた椅子の各種の変形例を以下に示す。
図8に示す椅子1Fは、図1の椅子1Aを左右に並べて2人掛けの椅子とした例である。内部には2つのヘルムホルツ型共鳴器5が組み込まれている。左右に並んだ2の椅子1A毎に、背もたれ部の傾倒角度を調整(変更)できるようにしてもよい。
図9に示す椅子1Gは2人掛けの椅子であるが、背もたれ部5Gに一の空洞部5Gaのみが組み込まれている。そして、空洞部5Gaの上端から4の首部5bが伸延しており、2人の使用者の両耳に対応する位置に開口部5cが位置する。2人分の背もたれ部5Gに一の空洞部5Gaを設けているので空洞部の構造を簡易化したい場合に有効である。
図10の椅子1Hは、2人掛けの椅子であるが、背もたれ部3Hに4の空洞部5Hが組み込まれている。そして、各空洞部5Hそれぞれの上端から1の首部5bが伸延している。そして2人の使用者の両耳に対応する位置にそれぞれの開口部5cが位置する。このような構成は、特に、椅子1Hの周辺において、騒音レベルの分布が存する場合に有効である。この分布に対応して、各ヘルムホルツ型共鳴器毎にその各部寸法等を調整すると、騒音レベルの分布に対応した効果的な騒音低減が可能となる。
図11の椅子1Iは座部2と背もたれ部30と一対の肘掛け4とを有している。背もたれ部30は、背もたれ本体部35とヘッドレスト36とを有している。
この椅子1Iには、その内部にヘルムホルツ型共鳴器5が組み込まれている。
ヘルムホルツ型共鳴器5は空洞部5aと一対の首部5bとを有している。
空洞部5aは、背もたれ本体部35に組み込まれている。空洞部5aの形状は略直方体である。首部5bは空洞部5aの上端の左右2箇所から上方に伸びている。首部5bの先端は先方に曲げられており、その開口部5cはヘッドレスト36の前面に位置している。首部5bは背もたれ本体部35とヘッドレスト36との接続部としても機能している。ヘッドレスト36の左右に開口部5cが形成されているので、使用者の両耳近傍における騒音低減の効果を確実に得ることができる。
図12の椅子1Jは座部2と背もたれ部30と一対の肘掛け4とを有している。背もたれ部30は、背もたれ本体部35とヘッドレスト36とを有している。
この椅子1Jには、その内部に1対のヘルムホルツ型共鳴器5Jが組み込まれている。
各ヘルムホルツ型共鳴器5Jの空洞部5Jaは、背もたれ本体部35に左右に並列して組み込まれている。空洞部5Jaの形状は略直方体である。首部5bは各空洞部5Jaの上端から上方に伸びている。首部5bの先端は先方に曲げられており、その開口部5cはヘッドレスト36の前面に位置している。首部5bは背もたれ本体部35とヘッドレスト36との接続部としても機能している。
ヘルムホルツ型共鳴器5Jの首部5bの開口部5cは、ヘッドレスト36前面の左右両側に形成されているので、使用者の両耳近傍における騒音低減の効果を確実に得ることができる。
図13の椅子1Kは座部2と背もたれ部30と一対の肘掛け4とを有している。背もたれ部30は、背もたれ本体部35とヘッドレスト36とを有している。
椅子1Kには、その内部に2本の枝管型共鳴器6が組み込まれている。
枝管型共鳴器6は背もたれ部本体35とヘッドレスト36とに組み込まれている。なお、枝管型共鳴器6は背もたれ部本体35とヘッドレスト36との接続部の役割も果たしている。枝管型共鳴器6は背もたれ部本体35の内部で折れ曲がっている。
枝管型共鳴器6は一端が開放端6rであり他端が閉止端6sである。開口端(開口部6r)はヘッドレスト36の前面に形成されている。閉止端6sは背もたれ部本体35の内部に位置している。
このような枝管型共鳴器6であっても、共鳴周波数においては、開口部(開口端)6r近傍における騒音成分と、共鳴器6の開口部6rから出力される音波の成分は、略逆位相である。よって、開口部6r近傍における共鳴周波数の成分は相殺され、共鳴周波数での騒音の音圧レベルが低くなる。開口部6rは、椅子1Kに腰掛けた使用者の両耳に対応して左右2箇所に配されているので、騒音低減の効果は大きい。
図14の椅子1Lは、2人掛け用の椅子である。図14の椅子1Lの背もたれ部3Lには、4本の枝管型共鳴器6が組み込まれている。枝管型共鳴器6は背もたれ部3Lの内部で折れ曲がっている。これは、枝管型共鳴器6の長さをある程度確保するために必要だからである。
枝管型共鳴器6は一端が開放端6rであり他端が閉止端6sである。開口端6rは背もたれ部3Lの前面の上端近傍に形成されている。閉止端6sは背もたれ部3Lの内部に位置している。
枝管型共鳴器6の共鳴周波数においては、開口部6r近傍における騒音成分と、共鳴器6の開口部6rから出力される音波の成分は略逆位相となるので、開口部6r近傍における共鳴周波数の成分は相殺されて、共鳴周波数での騒音の音圧レベルが低くなる。椅子1Lに腰掛ける使用者の耳は、ちょうど、この音圧レベルが相殺されるエリアに位置することになるので、使用者は聴感上、共鳴周波数の騒音をあまり感じない。開口部6rは、椅子1Lに腰掛けた使用者の両耳に対応して左右2箇所に配されているので、騒音低減の効果は大きい。
以上、種々の実施例に基づき、本願発明の椅子を説明した。
上記では、共鳴器の周波数を調整する調整装置として、主に蛇腹式でヘルムホルツ型共鳴器の空洞部の容積や首部の長さを変更するものを示したが、例えば開口部の面責を変更できるようにしてもよい。さらにこれに限らず、例えば、ピストン−シリンダ方式によって空洞部の容積を変更するものや、空洞部に液体を注入することによって有効容積を変更するものや、空洞部に風船を設けてこの風船の大きさを外部から変更することによって空洞部の有効容積を変更するものを考えることも出来る。また、予め準備された長さの異なる複数の管のうちから任意に選択できるようにして、ヘルムホルツ型共鳴器の首部の長さを変更したり、枝管式共鳴器の長さを変更できるようにしてもよい。
また上記実施例では、共鳴器を椅子の背もたれ部に収容する例を示したが、これ限らず、例えば座部に収容することもできる。
また、本願発明の椅子は、騒音の発生する場所に適用することにより有効である。特に動力を有する乗物用の座席として有効である。例えば、自動車(乗用車やバスを含む)の座席、電車等の座席、船舶の座席として適用することができる。その他にも周囲環境に騒音が発生しているような場所に適用することもできる。例えば、交通量が多い道路や工場等に近接して激しい騒音環境にある家屋等において、本願の椅子を使用すれば、家屋全体を防音構造にしなくても、簡易に騒音低減を図ることができる。
本願発明は、椅子に関するものであり、特に、騒音環境中で使用されて騒音低減に寄与するので、産業上の利用性可能性を有する。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J,1K,1L 椅子
2 座部
3 背もたれ部
5 ヘルムホルツ型共鳴器
6 枝管型共鳴器
30 背もたれ部
35 背もたれ部本体
36 ヘッドレスト
2 座部
3 背もたれ部
5 ヘルムホルツ型共鳴器
6 枝管型共鳴器
30 背もたれ部
35 背もたれ部本体
36 ヘッドレスト
Claims (9)
- 座部と背もたれ部と共鳴器とを備え、
該共鳴器の開口部が該背もたれ部の上端近傍に形成された椅子。 - 該開口部が、使用者の両耳に対応する箇所に一対形成された、請求項1記載の椅子。
- 該背もたれ部がヘッドレストを有し、
該開口部が該ヘッドレストに形成された、請求項1または2記載の椅子。 - 該共鳴器が内部に収容された、請求項1乃至3のいずれかに記載の椅子。
- 該共鳴器が該背もたれ部または該座部の内部に収容された、請求項4記載の椅子。
- 該共鳴器が、ヘルムホルツ型共鳴器である、請求項1乃至5のいずれかに記載の椅子。
- 該共鳴器が、枝管型共鳴器である、請求項1乃至5のいずれかに記載の椅子。
- 該共鳴器の共鳴周波数を調整するための調整装置を備えた、請求項1乃至7記載の椅子。
- 開口部近傍のマイクロホンと制御装置とを備え、
該制御装置は該調整装置を駆動制御可能であり、
該制御装置は、該マイクロホンからの音声信号を入力して、該音声信号のピークの周波数を検知し、該ピークの周波数に、該共鳴器の共鳴周波数を略一致させるように調整装置を駆動制御する、請求項8記載の椅子。
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2003
- 2003-09-05 JP JP2003313836A patent/JP2005080756A/ja active Pending
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