JP2005080331A - 電気機械変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率良くコイルに働くアンペールの力を増加させることを目的とする。
【解決手段】可動コイル型リニアモーター4aには、永久磁石1のN極とS極の面にヨーク2が設けられ、全体としてC型の断面形状となる。ヨーク2が有する端面のうち、永久磁石1とは反対側の端面2s、2nは平行に位置し隙間を形成する。隙間には可動部3が設けられ、可動部3は端面2s、2nに対して平行に移動できる。可動部3は強磁性導電体5fを有している。
【選択図】図1
【解決手段】可動コイル型リニアモーター4aには、永久磁石1のN極とS極の面にヨーク2が設けられ、全体としてC型の断面形状となる。ヨーク2が有する端面のうち、永久磁石1とは反対側の端面2s、2nは平行に位置し隙間を形成する。隙間には可動部3が設けられ、可動部3は端面2s、2nに対して平行に移動できる。可動部3は強磁性導電体5fを有している。
【選択図】図1
Description
この発明は、電気機械変換装置に関し、例えばモーターに利用できる。
従来から、モーターの電気的な効率を良くするために、電気抵抗の小さい導電体をコイルとして用い、コイルから発生するジュール熱を小さくしている。電気抵抗の小さい導電体として例えば銅などが採用されている。
図26は、モーターの一つの例として、可動コイル型リニアモーターの構成を示す概念的な断面図である。永久磁石1のN極とS極の面にヨーク2が一対設けられ、全体としてC型の断面形状となる。ヨーク2が有する端面のうち、永久磁石1とは反対側の端面2s、2nは平行に位置し隙間を形成する。隙間には可動部3が設けられ、可動部3は端面2s、2nに対して平行に移動できる。可動部3はコイル12を有している。
図27は、図26で示される可動コイル型リニアモーター14の可動部3を端面2s側から見た平面図を示す。端面2s、2nの間にできる隙間には、端面2nから端面2sへ向かう磁場91が発生している。コイル12内に電流21が矢印の方向へ流されると、コイル12にアンペールの力17が発生し、可動部3はアンペールの力17が働く方向へと移動する。
コイル12に発生するアンペールの力17が、式(1)に数式化されている。コイル12に発生するアンペールの力17(ベクトルF)は、コイル12に流れる電流21(ベクトルI)とコイル12が受ける磁場91の磁束密度(ベクトルB)との外積に比例する。比例係数はNLであり、Nはコイル12の巻数を、Lは磁場91中にあるコイル12の長さを示す。
ジュール熱はジュールの法則により式(2)で表される。第1の等式では、コイル12全体に発生するジュール熱Jはコイル12に流れる電流の大きさ|I|と起電力Vの積に等しい。第2の等式では、オームの法則を利用して、コイル12全体に発生するジュール熱Jがコイル12に流れる電流の大きさ|I|の2乗とコイル12全体の電気抵抗Rの積で表される。ジュール熱を低減するために、コイル12には電気抵抗Rが小さい銅が採用されてきた。
可動部を用いた技術として、扁平コアレスモーターが、例えば特許文献1、2に開示されている。
コイルに働くアンペールの力を増加させるには、巻数Nを増加すること、コイル12に流れる電流Iの大きさを増加すること、永久磁石1の起磁力の大きさを増加すること、コイル12の磁場91中にある長さLを伸ばすこと、そして端面2n、2s間の磁束密度を高めること等が考えられる。
巻数Nの増加又はコイル12の伸長を行った場合には、抵抗Rが大きくなり、式(2)に従ってコイル12で発生するジュール熱が増加する。これは、コイル12に流れる電流Iの大きさを増加しても同様である。発生するジュール熱Jを小さくするためにコイル12の断面積を広くして抵抗Rを小さくする等の対策を講じることが考えられるが、モーターのサイズが大きくなる。
永久磁石1の起磁力の大きさを大きくする場合、永久磁石1の磁極の面積を増加させるために、永久磁石1の量を大幅に増加する必要があるのでコストが大きくなる。
端面2n、2s間の磁束密度を高めるには、両者の間隔を狭めて隙間の磁気抵抗を減少させることが有効である。しかし、可動部3を動かすためには、あまり狭めることができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、効率良くコイルに働くアンペールの力を増加させることを目的とする。
この発明にかかる電気機械変換装置は、磁場発生装置(1,2)と、前記磁場発生装置により磁場が印加され、電流が流れる、前記磁場発生装置と相対的に可動な強磁性導電体(5f;32f;5cf;32cf)とを備える。
望ましい第1の態様では、前記磁場発生装置(1,2)は、永久磁石(1)を有し、前記電流は前記磁場の方向に垂直に流れ、前記強磁性導電体の全体の前記磁場方向に沿った厚みが、前記永久磁石の厚みの2倍以上である。
望ましい第2の態様では、前記強磁性導電体(5cf;32cf)は、第一の導電体(5c;5f;10c;11f)と、透磁率が異なって前記第一の導電体の周囲に設けられる第二の導電体(5f;5c;10f;11c)との複合体(5cf;10;11)である。
例えば、前記第二の導電体(5f;10f)は、前記第一の導電体(5c;10c)よりも透磁率が大きく、前記第二の導電体の断面積は、前記第一のコイルの断面積の80%以下である。
あるいは例えば、前記第一の導電体(5f;11f)は、前記第二の導電体(5c;11c)よりも透磁率が大きく、前記第一の導電体の断面積は、前記第二のコイルの断面積の60%以下である。
前記強磁性導電体(5f;32f;5cf;32cf)は、可動部に設置され、前記磁場発生装置(1,2)が固定されてもよいし、前記強磁性導電体(5f;32f;5cf;32cf)は、固定部に設置され、前記磁場発生装置(1,2)が可動であってもよい。
また、前記強磁性導電体(32f;32cf)は、前記磁場の磁束密度と、前記電流とに基づいて発生するアンペールの力によって、前記磁場発生装置(1,2)と相対的に回転してもよく、このとき前記強磁性導電体(32f;32cf)はコアを持たなくてもよい。
さらに、前記強磁性導電体(5f;5cf)は、前記磁場の磁束密度と、前記電流とに基づいて発生するアンペールの力によって、前記磁場発生装置(1,2)と相対的に並進してもよい。
望ましい第3の態様では、前記強磁性導電体(8;9)の断面形状が多角形、例えば正方形である。
前記磁場と前記電流に基づいて前記強磁性導電体に発生する前記アンペールの力を、物を圧縮する力として利用してもよいし、前記磁場と前記電流に基づいて前記強磁性導電体に発生する前記アンペールの力を、物を搬送する力として利用してもよい。
この発明にかかる電気機械変換装置によれば、効率良く強磁性導電体に働くアンペールの力を増加させることができる。
この発明の望ましい第1の態様及び第2の態様によれば、効率良く強磁性導電体にアンペールの力を発生することができる。
この発明の望ましい第3の態様によれば、強磁性導電体を稠密充填することができる。
第1の実施の形態.
本実施の形態では、コイルに強磁性導電体を採用することで、コイルを挟むギャップでの磁気抵抗を減少させ、コイルが受ける磁束密度を高めて、効率良くアンペールの力を得る。図1はコイルに強磁性導電体を用いる可動コイル型リニアモーター4aの構成を示す概念的な断面図であり、図26の構成要素と対応する構成要素には同一符号を付している。
本実施の形態では、コイルに強磁性導電体を採用することで、コイルを挟むギャップでの磁気抵抗を減少させ、コイルが受ける磁束密度を高めて、効率良くアンペールの力を得る。図1はコイルに強磁性導電体を用いる可動コイル型リニアモーター4aの構成を示す概念的な断面図であり、図26の構成要素と対応する構成要素には同一符号を付している。
可動部3が有するコイル5fは、強磁性導電体であり、例えば鉄を含む材料を採用できる。そして永久磁石1、ヨーク2が構成する磁場発生装置が発生する磁場が、コイル5fへ印加される。以下では、鉄材のコイル5fが受ける磁束密度Bをシミュレーションにより求め、銅材のコイルのそれと比較し、鉄材のコイルを用いることの有効性について説明する。
図2は、シミュレーションに用いるコイルの配置を示す概念的な断面図である。シミュレーションの条件として、断面が円形のコイル6を正方格子状に配列し、コイル6とヨーク2の端面2s、2nとの間の距離d1を0.05(mm)、コイル6間の距離d2を0.1(mm)とする。磁場は端面2s、2nの間に印加され、コイル6にはこの磁場に垂直に電流が流される。そして、境界Aについて周期境界条件を設定し、周期的に継続する全領域において磁場は一様である。
図3は、上記条件でのシミュレーションにより得られた起磁力と磁束密度の関係を示した図である。横軸と縦軸は、それぞれ永久磁石1の起磁力とヨーク2の端面2s、2nの間の磁束密度である。グラフ100はコイル6の材質が銅である場合の結果であり、グラフ101はコイル6の材質が鉄である場合の結果である。
例えば、起磁力が1300(A・turn)の場合(図3中の直線a)、グラフ100が示す磁束密度の値は約0.28(T)であり(直線aとグラフ100との交点)、グラフ101が示す磁束密度の値は約0.85(T)である(直線aとグラフ101との交点)。
このときのそれぞれの効率を比較する。銅材のコイル6及び鉄材のコイル6に発生するアンペールの力は、式(1)を用いて式(3)、式(4)でそれぞれ表される。ここでは、電流の向きと磁場の向きは垂直をなすと考える。式中の下付きの文字c、fは、それぞれ銅材及び鉄材を示す(以下についても同じ。)。
銅材のコイル6全体及び鉄材のコイル6全体で発生するジュール熱は、式(2)を用いてそれぞれ式(5)、式(6)で表される。銅の電気抵抗Rに対して、鉄の電気抵抗は約5.7倍である。
銅材のコイル6及び鉄材のコイル6に同じ大きさのジュール熱Jが発生するとして(Pc=Pf)、それぞれのコイル6に発生するアンペールの力を比較する。式(3)、式(4)、式(5)、式(6)から、Ffはほぼ1.3・Fcになる。よって、上記条件においては鉄材のコイル6を用いる方が、高効率でアンペールの力を発生できる。
その他、シミュレーションの条件としてコイルの配列を稠密充填にすることが考えられる。図4は断面が円形のコイルを稠密充填したときの概念的な断面図を示し、図5は断面が正方形のコイルを正方格子状に配列して稠密充填したときの概念的な断面図を示す。図4、図5においてコイル7及びコイル8とヨーク2の端面2s、2nの間の距離d1は0.05mmであり、コイル7間及びコイル8間の距離d2は0.1mmである。磁場は端面2s、2nの間に印加され、コイル7及びコイル8にはそれぞれこの磁場に垂直に電流が流される。そして、いずれの図においても境界Aについて周期境界条件を設定し、周期的に継続する全領域において磁場は一様である。
シミュレーションによる結果が図6に示される。図6は、起磁力と磁束密度の関係を示す。グラフ100、101は、図3の結果と比較するために掲載したものである。グラフ102、103は、図4及び図5に示す条件でそれぞれシミュレーションした結果である。
グラフ102は、グラフ101より磁束密度が大きく、グラフ103はグラフ102より磁束密度が大きい。よって、ヨーク2の端面2s、2nで形成される隙間を、できるだけ強磁性導電体で満たすことで、大きなアンペールの力を発生できる。
上述の結果から、強磁性導電体をコイルに用いることで、効率良くコイルに働くアンペールの力を増加させることができることが解る。
第2の実施の形態.
本実施の形態では、コイルに強磁性導電体を採用し、そしてコイル全体の磁場方向に沿った厚みの永久磁石の厚みに対する比を大きくすることで、コイルを挟むギャップでの磁気抵抗を減少させ、コイルが受ける磁束密度を高めて、効率良くアンペールの力を得る。以下では、コイルから発生するジュール熱が一定の下で、前記比に対する鉄材のコイルに発生するアンペールの力をシミュレーションにより求め、銅材のコイルのそれと比較して鉄材のコイルを用いることの有効性について説明する。
本実施の形態では、コイルに強磁性導電体を採用し、そしてコイル全体の磁場方向に沿った厚みの永久磁石の厚みに対する比を大きくすることで、コイルを挟むギャップでの磁気抵抗を減少させ、コイルが受ける磁束密度を高めて、効率良くアンペールの力を得る。以下では、コイルから発生するジュール熱が一定の下で、前記比に対する鉄材のコイルに発生するアンペールの力をシミュレーションにより求め、銅材のコイルのそれと比較して鉄材のコイルを用いることの有効性について説明する。
図7は、本実施の形態のシミュレーションに用いたコイル可動型リニアモーターを示す概念的な断面図である。シミュレーションの条件として、断面が正方形のコイル9を正方格子状に配列し、ヨーク2の端面2s、2nと最も近いコイル9とヨーク2の端面2s、2nとの間の距離d5を0.5(mm)、コイル9間の距離d2を0.1(mm)とする。そして、磁場は端面2s、2nの間で印加され、コイル9にはこの磁場に垂直な電流が流される。
シミュレーションによる結果が図8に示される。図8は、コイル全体の磁場方向に沿った厚みd4(図7)の永久磁石の厚みd3(図7)に対する比(d4/d3)と推力比の関係を示す。横軸はコイル9全体の磁場方向に沿った厚みd4の永久磁石1の厚みd3に対する比(d4/d3)である。縦軸は、ジュール熱が一定の下で、鉄材のコイル9に発生するアンペールの力と、同一形状・寸法の銅材のコイル9に発生するアンペールの力との比(以下「推力比」という。)である。
グラフ110は、永久磁石の厚みd3が2(mm)の場合である。同様に、グラフ111、112、113及び114は、永久磁石の厚みd3が3(mm)、4(mm)、5(mm)、6(mm)の場合である。
何れのグラフにおいても、コイル全体の厚みd4の永久磁石の厚みd3に対する比(d4/d3)が増加するほど推力比が増加する。グラフ110においてはd4/d3が約2を超えると、推力比が1を超える。よって、d4/d3が2以上のときは銅材のコイル9よりも鉄材のコイル9の方が、大きなアンペールの力を発生できる。
グラフ111、112、113、114においては、推力比が1のときのそれぞれのd4/d3は、約1.6、約1.6、約1.7、約1.8である。よって、それぞれの永久磁石の厚みにおいて、d4/d3がそれぞれの値を超えると、銅材のコイル9よりも鉄材のコイル9の方が、大きなアンペールの力を発生できる。
上述の結果から、強磁性導電体をコイルに用い、コイル全体の厚みの永久磁石の厚みに対する比を2以上にすることで、効率良くコイルにアンペールの力を発生することができる。
第3の実施の形態.
本実施の形態では、電気抵抗の小さい導電体と、透磁率がその導電体より大きい強磁性導電体との複合体をコイルに用いることで、効率良くアンペールの力を得る。図9はコイルに前記複合体を用いる可動コイル型リニアモーター4bの構成を示す概念的な断面図であり、(a)は全体の構成を、(b)(c)はそれぞれ可動部3が有する複合体の構成を示す。図26の構成要素と対応する構成要素には同一符号を付している。
本実施の形態では、電気抵抗の小さい導電体と、透磁率がその導電体より大きい強磁性導電体との複合体をコイルに用いることで、効率良くアンペールの力を得る。図9はコイルに前記複合体を用いる可動コイル型リニアモーター4bの構成を示す概念的な断面図であり、(a)は全体の構成を、(b)(c)はそれぞれ可動部3が有する複合体の構成を示す。図26の構成要素と対応する構成要素には同一符号を付している。
可動部3を構成するコイル5cfは、複合体であり、例えば鉄と銅の複合体が考えられる。例えば図9(b)では、複合体5cfが、中心部にある銅5cとその周辺に設けられる鉄5fにより構成される。図9(c)では、複合体5cfが、中心部にある鉄5fとその周辺に設けられる銅5fにより構成される。そして、永久磁石1、ヨーク2が構成する磁場発生装置が発生する磁場が、コイル5cfへ印加される。以下では、複合体のコイル5cfに発生するアンペールの力16をシミュレーションにより求め、複合体のコイルを用いることの有効性について説明する。
シミュレーションの条件として、第2の実施の形態のシミュレーションで用いた図7を使用し、コイル9の代わりに断面が円形の複合体を用いる。図10及び図11はそれぞれ、複合体のコイルを示す概念的な断面図である。
図10では、断面が円形で中心部にある電気抵抗の小さい導電体の銅10cと、その周囲に均一な厚みで設けられる強磁性導電体の鉄10fとの複合体であるコイル10を、コイル5cfとして用いる。図11では、断面が円形で中心部にある強磁性導電体の鉄11fと、その周囲に均一な厚みで設けられる電気抵抗の小さい導電体の銅11cとの複合体であるコイル11を、コイル5cfとして用いる。そして、磁場は端面2s、2nの間で印加され、複合体のコイル10、11にはこの磁場に垂直な電流が流される。
シミュレーションによる結果が図12に示される。図12は、コイル内の強磁性導電体の鉄が占有する断面積の割合と推力比の関係を示す。ここでは、永久磁石の厚みd3が3mm、コイル全体の厚みd4が8mmの場合が示される。グラフ212a、212bは、コイル5cfとしてそれぞれコイル10、11を用いた場合である。
グラフ212aでは鉄が占有する断面積の割合が約80%以下において、推力比が1以上となる。グラフ212bでは鉄が占有する断面積の割合が約60%以下において、推力比が1以上となる。何れにおいても鉄が占有する断面積の割合を100%とするより、所定の割合で銅と鉄を複合させることで、より大きなアンペールの力を発生できる。
グラフ212aとグラフ212bを比較すると、グラフ212aの推力比の方がグラフ212bよりも大きい。よって、中心部が電気抵抗の小さい導電体で、その周囲に強磁性導電体を設ける方が、大きなアンペールの力を得ることができる。
図13から図23は、コイル内の強磁性導電体の鉄が占有する断面積の割合と推力比の関係を示す。それぞれの図は、永久磁石の厚みd3とコイル全体の厚みd4が異なる。図13、図14及び図15は、d3が3mmで、d4がそれぞれ10mm、12mm及び14mmである。図16、図17、図18及び図19は、d3が4mmで、d4がそれぞれ8mm、10mm、12mm及び14mmである。図20、図21、図22及び図23は、d3が5mmで、d4がそれぞれ8mm、10mm、12mm及び14mmである。グラフ番号中a、bは、コイル5cfとしてそれぞれコイル10、11を用いた場合である。
何れの図においても、図12と同様の傾向を示す。よって、鉄が占有する断面積の割合を100%とするより、所定の割合で銅と鉄を複合させることで、より大きなアンペールの力を発生できる。また、中心部が電気抵抗の小さい導電体で、その周囲に強磁性導電体を設けるほうが、大きなアンペールの力を得ることができる。
上述の内容により、コイルに複合体を用いることで、強磁性導電体が100%のコイルを用いるよりも、効率良くコイルにアンペールの力を発生することができる。また、複合体として、中心部に電気抵抗の小さい導電体を設け、その周囲に強磁性導電体を設けることでとで、さらに効率良くアンペールの力を発生できる。
上記何れの実施の形態においても、それらの内容を扁平コアレスモーターに適用できる。図24は、扁平コアレスモーター37aを概念的に示す平面図である。扁平コアレスモーター37aは、強磁性導電体のコアレスコイル32fが設置された半円形の可動部31と、固定された永久磁石33a、33b、33c、33dと、整流子35を備える。
永久磁石33a、33b、33c、33dは、それぞれが円板を4等分し、紙面に垂直で手前の方向とその反対の方向を持つ磁場を交互に形成する。可動部31は中心36を基準に回転し、回転に伴ってコアレスコイル32fの端部34a、34bが整流子を移動する。このとき、コイル内の電流の向きは、可動部31が90°回転ごとに逆向きになる。よって、動作時にはコアレスコイル32fに一つの回転方向へ絶えずアンペールの力が働き、可動部31は回転する。
複合体のコアレスコイル32cfを有する扁平コアレスモーター37bが図24に概念的な平面図として示される。構造及び動作は、上記扁平コアレスモーター37aと同様である。よって、強磁性導電体のコアレスコイル32f又は複合体のコアレスコイル32cfを用いることで、効率良く可動部31を回転できる。
その他、コアレスコイル32f、32cfを固定し、永久磁石33a、33b、33c、33dを可動部とすることも考えられる。同様に、図1、図9に記載の可動コイル型リニアモーター4a、4bに関しても、可動部3を固定し、ヨーク2と永久磁石1を可動部とすることも考えられる。
上記何れの実施例においても、コイルの断面形状を多角形にすることができる。例えば、図5に示されるコイル8のような断面が正方形の場合が考えられる。また可動部3は、冷媒やガスなどの物を圧縮・搬送することにも応用できる。例えば、冷凍圧縮機用のモーターに強磁性導電体又は複合体を用いることが考えられる。この場合、モーターの可動部は、効率良く、冷媒を一方向へ流すこと(物の搬送)によってモーター通過前の冷媒の圧力よりもモーター通過後の冷媒の圧力の方を高くできる(物の圧縮)。
1 永久磁石
2 ヨーク
8,9 断面が正方形の強磁性導電体
5c,10c,11c 銅
5f,10f,11f 鉄
5cf,10,11 複合体
32f,32cf コアレスコイル
2 ヨーク
8,9 断面が正方形の強磁性導電体
5c,10c,11c 銅
5f,10f,11f 鉄
5cf,10,11 複合体
32f,32cf コアレスコイル
Claims (13)
- 磁場発生装置(1,2)と、
前記磁場発生装置により磁場が印加され、電流が流れる、前記磁場発生装置と相対的に可動な強磁性導電体(5f;32f;5cf;32cf)と
を備える、電気機械変換装置。 - 前記磁場発生装置(1,2)は、永久磁石(1)を有し、
前記電流は前記磁場の方向に垂直に流れ、
前記強磁性導電体の全体の前記磁場方向に沿った厚みが、前記永久磁石の厚みの2倍以上である、請求項1記載の電気機械変換装置。 - 前記強磁性導電体(5cf;32cf)は、第一の導電体(5c;5f;10c;11f)と、透磁率が異なって前記第一の導電体の周囲に設けられる第二の導電体(5f;5c;10f;11c)との複合体(5cf;10;11)である、請求項1記載の電気機械変換装置。
- 前記第二の導電体(5f;10f)は、前記第一の導電体(5c;10c)よりも透磁率が大きく、
前記第二の導電体の断面積は、前記第一のコイルの断面積の80%以下である、請求項3記載の電気機械変換装置。 - 前記第一の導電体(5f;11f)は、前記第二の導電体(5c;11c)よりも透磁率が大きく、
前記第一の導電体の断面積は、前記第二のコイルの断面積の60%以下である、請求項3記載の電気機械変換装置。 - 前記強磁性導電体(5f;32f;5cf;32cf)は、可動部に設置され、
前記磁場発生装置(1,2)が固定される、請求項1乃至5の何れか一つに記載の電気機械変換装置。 - 前記強磁性導電体(5f;32f;5cf;32cf)は、固定部に設置され、
前記磁場発生装置(1,2)が可動である、請求項1乃至5の何れか一つに記載の電気機械変換装置。 - 前記強磁性導電体(32f;32cf)は、前記磁場の磁束密度と、前記電流とに基づいて発生するアンペールの力によって、前記磁場発生装置(1,2)と相対的に回転する、請求項1乃至7の何れか一つに記載の電気機械変換装置。
- 前記強磁性導電体(32f;32cf)はコアを持たない、請求項8記載の電気機械変換装置。
- 前記強磁性導電体(5f;5cf)は、前記磁場の磁束密度と、前記電流とに基づいて発生するアンペールの力によって、前記磁場発生装置(1,2)と相対的に並進する、請求項1乃至7の何れか一つに記載の電気機械変換装置。
- 前記強磁性導電体(8;9)の断面形状が多角形である、請求項1乃至10の何れか一つに記載の電気機械変換装置。
- 前記磁場と前記電流に基づいて前記強磁性導電体に発生する前記アンペールの力を、物を圧縮する力として利用する、請求項1乃至11の何れか一つに記載の電気機械変換装置。
- 前記磁場と前記電流に基づいて前記強磁性導電体に発生する前記アンペールの力を、物を搬送する力として利用する、請求項1乃至11の何れか一つに記載の電気機械変換装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS57111087U (ja) * | 1980-12-27 | 1982-07-09 | ||
JPS62168759U (ja) * | 1986-04-16 | 1987-10-26 | ||
JPH037055A (ja) * | 1989-05-31 | 1991-01-14 | Asahi Chem Ind Co Ltd | リニアモータ装置 |
JPH1051986A (ja) * | 1996-05-30 | 1998-02-20 | Nippon Steel Corp | 電磁エネルギー変換機 |
-
2003
- 2003-08-28 JP JP2003304380A patent/JP2005080331A/ja active Pending
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