JP2005079689A - 波長多重光通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 1心の光ファイバで双方向通信が可能な波長多重光通信システムに関し、送信した光信号の反射による、受信光信号の品質劣化の少ない波長多重光通信システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 複数の異なる波長の光信号λa1,λb1、λa2,λb2を多重化した多重化信号S1、S2を第1の光ファイバ線路10に伝送し、双方向で通信する波長多重光通信システム1Aにおいて、第1の光ファイバ線路10の両端に接続された光合分波器21,31と、この光合分波器21,31に接続され、互いに通信を行う光トランシーバ22aと同32a、同22bと同32bを備え、これら光合分波器21,31と光トランシーバ22a,32a,22b,32bとの接続は、互いに光信号の伝送方向が異なる2心の光ファイバからなる第2の光ファイバ線路23a,23b,33a,33bにより行われていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 複数の異なる波長の光信号λa1,λb1、λa2,λb2を多重化した多重化信号S1、S2を第1の光ファイバ線路10に伝送し、双方向で通信する波長多重光通信システム1Aにおいて、第1の光ファイバ線路10の両端に接続された光合分波器21,31と、この光合分波器21,31に接続され、互いに通信を行う光トランシーバ22aと同32a、同22bと同32bを備え、これら光合分波器21,31と光トランシーバ22a,32a,22b,32bとの接続は、互いに光信号の伝送方向が異なる2心の光ファイバからなる第2の光ファイバ線路23a,23b,33a,33bにより行われていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は光通信システムの分野に関し、特に1心の光ファイバで双方向通信が可能な波長多重光通信システムに関するものである。
ネットワーク通信の高速度、高容量化を実現する技術として、従来から波長多重伝送方式(WDM:Wavelength Division Multiplex)による光通信が知られている。WDMは、一心の光ファイバに異なる波長の光を通してチャネルを多重化することにより大容量のデータを双方向で伝送することを可能にする技術である。すでに多数付設されている光ファイバケーブル網をWDM化すれば、新たに光ファイバケーブルを付設することなしに、通信容量を飛躍的に増大させることが可能な技術である。
図4を参照して、従来の波長多重光通信システムについて説明する。図4は、従来の波長多重光通信システム1Cの構成を示すブロック図である。
光ファイバ線路50は、長距離区間を隔てて施設されている光ファイバケーブル(光ファイバの束)のうち1心の光ファイバを示したものである。この光ファイバ線路50の両端には、光合分波器51、同61が接続されている。そして各々の光合分波器51、同61には、複数の光トランシーバ52a,52b…、同62a,62b…がそれぞれ1心の光ファイバ53a,53b…、同63a,63b…で接続されている。
光ファイバ線路50は、長距離区間を隔てて施設されている光ファイバケーブル(光ファイバの束)のうち1心の光ファイバを示したものである。この光ファイバ線路50の両端には、光合分波器51、同61が接続されている。そして各々の光合分波器51、同61には、複数の光トランシーバ52a,52b…、同62a,62b…がそれぞれ1心の光ファイバ53a,53b…、同63a,63b…で接続されている。
光合分波器は、例えば光合分波器51に着目すると、それぞれ接続された光トランシーバ52a,52b…が送信した波長の異なる光信号λa1´,λb1´…を重畳した多重化信号S1´として光ファイバ線路50に出力する機能を有している。また、光合分波器51は、光ファイバ線路50から伝送される多重化信号S2´を受信し、元の光信号λa2´,λb2´…に分波し、光トランシーバ52a,52bに送信する機能も有している。
このような、光合分波器51、同61の可逆的に複数の異なる波長の光信号と多重化信号とを相互に変換する機能により、1心の光ファイバ(光ファイバ線路50)で、複数の双方向通信(図5では、光トランシーバ52aと同62a、同52bと同62b)を開設することが可能になる(例えば、非特許文献1参照)。
また、送信及び受信信号を時分割多重することで、一心の光ファイバ上で同一の波長チャネルでの送受信を実現している例もある(例えば、非特許文献2参照)。
N.Buldawoo et al.,"Transmission experiment using a laser amplifier-reflector for DWDM access network,"proc.of ECOC'98,pp.273-274,1998. 山本 他6名:「SOAを用いたWDM光アクセス方式の基礎検討」、1999年電子情報通信学会総合大会 B−10−147、1999年9月
また、送信及び受信信号を時分割多重することで、一心の光ファイバ上で同一の波長チャネルでの送受信を実現している例もある(例えば、非特許文献2参照)。
N.Buldawoo et al.,"Transmission experiment using a laser amplifier-reflector for DWDM access network,"proc.of ECOC'98,pp.273-274,1998. 山本 他6名:「SOAを用いたWDM光アクセス方式の基礎検討」、1999年電子情報通信学会総合大会 B−10−147、1999年9月
しかし、従来の波長多重光通信システム1Cにおいては、図4に示すように、光トランシーバ52a,52b…および同62a,62b…は、それぞれ光合分波器51および同61に対して1心の光ファイバ53a,53b…および同63a,63b…を介して接続されている。この為、1心の光ファイバ53a,53b…および同63a,63b…には、それぞれ光トランシーバ52a,52b…および62a,62b…が送・受信する光信号λa1´,λb1´…および同λa2´,λb2´…が双方向に行き来することになる。この為、例えば、光トランシーバ52aに着目すると、光合分波器51に接続する1心の光ファイバ53aの内部で送信信号(光信号λa1´)が反射した反射信号が、受信信号(光信号λa2´)に重畳する。この反射信号は、特に送信信号(光信号λa1´)の光パワーが最大である反射点T´で多く発生し、送信信号(光信号λa1´)に対してノイズとして作用し、受信信号の品質を劣化させる問題がある。
本発明は、以上の問題点を解決することを目的としてなされたものであり、送信信号の反射による、受信信号の品質劣化の少ない波長多重光通信システムを提供することを目的とするものである。
本発明は、前記した目的を達成するために創案されたものであり、まず請求項1に記載の波長多重光通信システムは、複数の異なる波長の光信号を多重化した多重化信号を光ファイバに伝送し、双方向で通信する波長多重光通信システムにおいて、1心の光ファイバからなる第1の光ファイバ線路と、この第1の光ファイバ線路の両端に各々接続され、前記複数の異なる波長の光信号および前記多重化信号を相互に変換する光合分波器と、前記光合分波器の各々に接続されて対をなし、何れか一方が送信した特定の波長の光信号を他方が受信して双方向の通信を可能にする一対または二対以上の光トランシーバと、を備え、前記光合分波器および前記光トランシーバは、互いに光信号の伝送方向が異なる2心の光ファイバからなる第2の光ファイバ線路により接続されていることを特徴とした。
かかる構成によれば、双方向で光通信を行う一対の光トランシーバは、第1の光ファイバ線路の両端に設置された光合分波器にそれぞれ接続される。この接続は、2心の光ファイバである第2の光ファイバ線路により行われる。この第2の光ファイバ線路では、光トランシーバが送信する光信号と受信する光信号とがそれぞれ別個の経路で伝送される。この為、反射点は、光合分波器と第1の光ファイバとの接続部分近傍より以遠に形成されることになる。よって、この反射点が光信号を受信する光トランシーバから離間したことで、一心の光ファイバで双方向通信を行う通信方式において、送信信号の反射信号が受信信号に及ぼすノイズが低減される。
ここで反射とは、光ファイバ内を伝送する光信号の一部が、光ファイバの接続端面を通過できずに、進行方向を反転させて逆行する現象をいう。この反射の現象は、光ファイバ内部の途中経路においても発生する他、フレネル反射と呼ばれる空気との境界における屈折率の相違により光ファイバ端面でも発生する。
反射点とは、一方の光トランシーバが送信した光信号が反射し、この反射信号に他方の光トランシーバから受信する光信号が重畳する起点となる地点である。
反射点とは、一方の光トランシーバが送信した光信号が反射し、この反射信号に他方の光トランシーバから受信する光信号が重畳する起点となる地点である。
請求項2に記載の波長多重光通信システムは、請求項1に記載の波長多重光通信システムにおいて、前記第2の光ファイバ線路に挿入される光減衰器を備えたことを特徴とした。
かかる構成によれば、光減衰器により、第2の光ファイバ線路を伝送する光信号の光パワーを調節することができる。これにより、個々の光トランシーバが受信する光信号の光レベルを一定に調整することが可能となる。
本発明にかかる波長多重光通信システムにより以下に示す優れた効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、受信信号に反射信号が重畳する起点となる反射点を光トランシーバより離間した位置に形成することができるので、通信品質の向上が望める。さらに光ファイバ線路の光伝達特性や光トランシーバの光出入力特性にばらつきが存在しても、光信号のパワーを制御することにより、かかるばらつきを補償できる為、波長多重光通信システムの設計や維持管理が容易となる。
すなわち、本発明によれば、受信信号に反射信号が重畳する起点となる反射点を光トランシーバより離間した位置に形成することができるので、通信品質の向上が望める。さらに光ファイバ線路の光伝達特性や光トランシーバの光出入力特性にばらつきが存在しても、光信号のパワーを制御することにより、かかるばらつきを補償できる為、波長多重光通信システムの設計や維持管理が容易となる。
(第1の実施の形態)
以下本発明の第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1および図2を参照して本発明における第1の実施の形態について説明する。図1は本発明における波長多重光通信システムの基本構成を示すブロック図である。
以下本発明の第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1および図2を参照して本発明における第1の実施の形態について説明する。図1は本発明における波長多重光通信システムの基本構成を示すブロック図である。
図1に示すように、波長多重光通信システム1Aは、第1の光ファイバ線路10、光合分波器21、同31、第2の光ファイバ線路23a,23b…、同33a,33b…、光トランシーバ22a,22b…、同32a,32b…から構成されている。
第1の光ファイバ線路10は、A地点とB地点との区間に施設されている光ファイバケーブル(光ファイバの束)のうち、代表して示される1心の光ファイバである。第1の光ファイバ線路10の内部では、後記する多重化信号S1および同S2が双方向に行き来している。
光合分波器21および同31は、例えば、基板上に光回路を形成したアレイ型光導波路とY分岐回路とを、同一基板上に接続点無く一体成型して二端子出力を得るようにした構造であったり、光フィルタに二分岐光ファイバカプラや光サーキュレータなどの方向性結合器を低反射接続したものであったりする。そして、光合分波器21,31は、複数の単波長の光信号と、これら光信号を多重化した多重化信号と、を可逆的に相互に変換する機能を有するものである。そして、光合分波器21、同31は、それぞれA地点およびB地点に配置され、多重波入出力端子21xおよび同31xにおいて、第1の光ファイバ線路10の両端に接続されている。
光合分波器21は、送信光入力端子21ain、21bin…から入力される各波長チャネルの光信号λa1、λb1…を多重化して、多重波入出力端子21xから第1の光ファイバ線路10に多重化信号S1を出力するものである。また、光合分波器21は、第1の光ファイバ線路10を伝送する多重化信号S2を多重波入出力端子21xから入力した後、この多重化信号S2を各光信号λa2、λb2…に分波して各波長チャネルに対応した受信光出力端子21aout、21bout…に出力する機能を持つ。
同様に、光合分波器31も、送信光入力端子31ain、31bin…から入力される各波長チャネルλa2、λb2…の光信号を多重化して、第1の光ファイバ線路10に多重化信号S2を出力し、入力した多重化信号S1を光信号λa1、λb1…に分波して受信光出力端子31aout、31bout…に出力する機能を持つ。かかる機能により、光合分波器21、同31は、1心の光ファイバである第1の光ファイバ線路10を介して、対向する複数の光トランシーバ(同22aと同32a、同22bと同32b、…)間で互いに双方向で光通信を行うことを可能にしている。
なお、図1中、光合分波器21、同31は、波長チャネルとして、光信号λa(λa1、λa2),λb(λb1、λb2)の二種類を示すが、これ以上の波長チャネルで構成される場合もある。
第2の光ファイバ線路23aは、本実施の形態では、2心の光ファイバから構成されている。この2心の光ファイバのうち何れか一方の光ファイバは、送信側光端子22aoutと送信光入力端子21ainとを連結し、光信号λa1を光トランシーバ22aから光合分波器21へと伝送するものである。また、この2心の光ファイバのうち他方の光ファイバは、受信側光端子22ainと受信光出力端子21aoutとを連結し、光信号λa2を光合分波器21から光トランシーバ22aへと伝送するものである。
第2の光ファイバ線路23b,33a,33bにおいても、何れも2心の光ファイバから構成されており、構成は第2の光ファイバ線路23aと同一であるので対応する説明を省略する。
第2の光ファイバ線路23b,33a,33bにおいても、何れも2心の光ファイバから構成されており、構成は第2の光ファイバ線路23aと同一であるので対応する説明を省略する。
光トランシーバ22aは、内部に光信号λa1を発生するための光源と、光信号λa2を検出し電気信号に変換する受光素子と、を有している。そして、光源から発生した光信号λa1は、送信側光端子22aoutから第2の光ファイバ線路23aに出力される。また、光トランシーバ22aの受光素子は、受信側光端子22ainに連通し、第2の光ファイバ線路23aから伝送される光信号λa2を検出する。
光トランシーバ22b,32a,32bは、何れも構成は、光トランシーバ22aと同一であるので対応する説明を省略する。
光トランシーバ22b,32a,32bは、何れも構成は、光トランシーバ22aと同一であるので対応する説明を省略する。
以上のようにして、光トランシーバ22aと同32a、そして同22bと同32bは互いに双方向通信が可能な対をなす。そして、双方向通信をとりなす光信号λa1,λb1…、同λa2,λb2…を多重化させることにより1心の光ファイバ(第1の光ファイバ線路10)で、同時に複数の双方向通信が実現される。
次に図1と図2を参照して、波長多重光通信システムにおける通信動作について説明する。図2は、第1の実施の形態である波長多重光通信システムの動作を説明するフローチャートである。なお、図2中、左列のフローは、A地点からB地点への通信を示し、右列のフローは、B地点からA地点への通信を示している。また、図2は、A地点における送・受信を主体に記載されており、B地点における重複する処理の記載ならびに説明は以下、省略することにする。
まず、A地点にあるトランシーバ22aおよび同22bにおいて、送信側光端子22aoutおよび同22boutからそれぞれ光信号λa1および光信号λb1が送信される(ステップS11)。光信号λa1および光信号λb1は、それぞれ第2の光ファイバ線路23aおよび同23bを経由して、それぞれ送信光入力端子21ainおよび同21binから光合分波器21に入力される(ステップS12)。一方、光信号λa1および光信号λb1の一部は反射して送信側光端子22aout方向に逆行する(ステップS13)。
送信光入力端子21ainおよび同21binを通過した光信号λa1および光信号λb1は、光合分波器21の内部で多重化され、多重波入出力端子21xから多重化信号S1として出力される(ステップS14)。この多重化信号S1は、第1の光ファイバ線路10を経由してB地点に伝送され、光合分波器31の多重波入出力端子31xに入力される(ステップS15)。また一方で、多重化信号S1の一部は、反射して重波入出力端子21x方向に逆行することとなる(ステップS16)。多重波入出力端子31xを通過した多重化信号S1は、光合分波器31の内部で、光信号λa1および光信号λb1に分波される(ステップS17)。分波された光信号λa1、および光信号λb1は、それぞれ対応する波長の受信光出力端子31aoutおよび同31boutから出力される(ステップS18)。
出力された光信号λa1および光信号λb1は、それぞれ第2の光ファイバ線路33a,33bを経由して、それぞれ光トランシーバ32aおよび同32bにおいて受信される(ステップS19)。
一方、B地点における光トランシーバ32a、32bからそれぞれ送信された光信号λa2、および同λb2の光信号は(ステップS20)、光合分波器31により多重化され多重波入出力端子31xより多重化信号S2として出力される(ステップS21)。この多重化信号S2は、第1の光ファイバ線路10でステップS16において生じた反射信号に重畳して伝送され、光合分波器21に入力される(ステップS22)。
このように、受信信号(多重化信号S2)に反射信号が重畳する現象は、双方向に光信号が行ききする1心の光ファイバ(第1の光ファイバ線路10)で発生する。この反射信号が受信信号に重畳する現象は、特に光信号が出・入力される多重波入出力端子21xの直近の位置である反射点Tにおいて集中的に発生する。これは、多重波入出力端子21xから出力される光信号のパワーがこの反射点Tにおいて最大である分、反射信号のパワーも大きくなることによる。
反射信号が重畳した多重化信号S2は、光合分波器21に入力後、波長チャネルごとに光信号λa2および光信号λb2として分波され(ステップS23)、それぞれ受信光出力端子21aoutおよび同21boutから出力される(ステップS24)。出力された光信号λa2および光信号λb2は、第2の光ファイバ線路23aおよび同23bを伝送して、それぞれ光トランシーバ22aおよび同22bにおいて受信される(ステップS25)。そして通信が終了するまで、ステップS11〜ステップS19、およびステップS20〜ステップS25のフローが繰り返される(ステップS26)。
以上述べた動作により、第1の実施形態にかかる波長多重光通信システム1Aでは、光トランシーバ22a,22bが受信する光信号λa2,λb2に、ステップS13において発生した反射信号が重畳しないといった作用が得られる。すなわち、図4に示す従来の波長多重光通信システム1Cでは、図2の破線で示されるように反射信号が重畳されていたが、本発明ではこの破線に対応するフローがない。これにより、波長多重通信システム1Aにおける反射点Tは、送信側光端子22aoutから離間した位置に発生することとなり、受信される光信号λa2,λb2に対する反射信号の影響は相対的に低減される。
かかる作用により得られる効果を、受信される光信号の光パワーレベルの観点から、以下、検証する。
ここで、光トランシーバ22aおよび同32aが出力する光信号λa1,λa2のパワーをそれぞれP22aおよびP32aとし、第1の光ファイバ線路10、第2の光ファイバ線路23aおよび同33aの損失をそれぞれL10、L23aおよびL33aとし、光合分波器21,31の挿入損失をLAWGとし、さらに反射信号の減衰量をRとする。
ここで、光トランシーバ22aおよび同32aが出力する光信号λa1,λa2のパワーをそれぞれP22aおよびP32aとし、第1の光ファイバ線路10、第2の光ファイバ線路23aおよび同33aの損失をそれぞれL10、L23aおよびL33aとし、光合分波器21,31の挿入損失をLAWGとし、さらに反射信号の減衰量をRとする。
光トランシーバ32aが送信後、光トランシーバ22aが受信した光信号λa2のパワーPSIG22aは、次の(1)式で表される。
PSIG22a=P32a−L33a−LAWG−L10−LAWG−L23a (1)
PSIG22a=P32a−L33a−LAWG−L10−LAWG−L23a (1)
また、光トランシーバ22aが発信する光信号λa1が多重波入出力端子31xに反射した後、元に戻ってきた反射信号のパワーPREF22aは、次の(2)式で表される。
PREF22a=P22a−L23a−LAWG−R−LAWG−L23a(2)
PREF22a=P22a−L23a−LAWG−R−LAWG−L23a(2)
よって光トランシーバ22aに受信された光信号λa2と反射信号とのパワーレベルの差PSX22aは、次の(3)式で表される。
PSX22a=PSIG22a−PREF22a
=(P32a−P22a)−(L10−L23a+L33a)+R (3)
PSX22a=PSIG22a−PREF22a
=(P32a−P22a)−(L10−L23a+L33a)+R (3)
波長多重光通信システム1Aは、(1)式のPSIG22aが受信側光端子22ainに連通する受光素子の最小受光感度を上回るように、かつ、(3)式のPSX22aが十分に大きくなるように、各パラメータ(L10、L23a、L33a、LAWG)を決定して設計される。ここで、PREF22aは光信号λa2に対する雑音として作用するため、PSX22aが十分に大きいということは、光トランシーバ22aの受信信号が反射光によるノイズの影響を回避して良好な通信品質が保証されていることを意味する。
次に、図4を参照して従来の波長多重光通信システム1Cにおいて同様の考察を行う。光トランシーバ52aおよび同62aの出力をそれぞれP52aおよびP62aとし、光ファイバ線路50、同53aおよび同63aの損失をそれぞれL50、L53aおよびL63aとし、光合分波器51,61の挿入損失をLAWGとし、反射信号の減衰量をRとする。なお、波長多重光通信システム1Cにおける反射点は、双方向に光信号が行き交う1心の光線路上でかつ、この伝送波を受信する光トランシーバの直近の位置である反射点T´で示される位置に形成される。
光トランシーバ62aが送信後、光トランシーバ52aが受信した光信号λa2´のパワーPSIG52aは、次の(4)式で表される。
PSIG52a=P62a−L63a−LAWG−L50−LAWG−L53a (4)
PSIG52a=P62a−L63a−LAWG−L50−LAWG−L53a (4)
また光トランシーバ52aから送信される光信号λa1´が光合分波器51に反射した後、元に戻ってきた反射信号のパワーPREF52aは、次の(5)式で表される。
PREF52a=P52a−R (5)
PREF52a=P52a−R (5)
よって光トランシーバ52aが受信した光信号λa2´と反射信号とのパワーレベルの差PSX52aは、次の(6)式で表わされる。
PSX52a=PSIG52a−PREF52a
=(P62a−P52a)−(L50+L53a+L63a)−2LAWG+R (6)
PSX52a=PSIG52a−PREF52a
=(P62a−P52a)−(L50+L53a+L63a)−2LAWG+R (6)
ここで、(3)式と(6)式を比較し、P22a=P52a、P32a=P62a、L10=L50、L23a=L53a、L33a=L63aであるとすると、(3)式のほうが2LAWG+2L23aだけ大きいことがわかる。すなわち、本実施の形態にかかる波長多重光通信システム1Aによれば従来例の波長多重光通信システム1Cよりも受信する光信号と反射信号とのパワーレベルの差PSXを大きくできるといった効果を得る。
(第2の実施の形態)
次に図3を参照して本発明における第2の実施の形態について説明する。図3は本実施の形態における波長多重光通信システムの基本構成を示すブロック図である。尚、図3において図1と同一もしくは対応する部分は同一符号または記号で示してその説明は省略する。
本実施形態が第1の実施形態に相違する点は、第2の光ファイバ線路23a,23bの中にそれぞれ光減衰器24a,24bを挿入して波長多重通信システム1Bが構成されている点にある。
次に図3を参照して本発明における第2の実施の形態について説明する。図3は本実施の形態における波長多重光通信システムの基本構成を示すブロック図である。尚、図3において図1と同一もしくは対応する部分は同一符号または記号で示してその説明は省略する。
本実施形態が第1の実施形態に相違する点は、第2の光ファイバ線路23a,23bの中にそれぞれ光減衰器24a,24bを挿入して波長多重通信システム1Bが構成されている点にある。
光減衰器24a,24bは、光ファイバの途中経路に介在して、伝送される光信号の光パワーを調整するものである。この光減衰器24a,24bによる光パワー調整は、図示しない公知の可変手段を用いて連続的に可変しうるものである。
本実施形態の光トランシーバが受信する光信号の光パワーレベルについて、光トランシーバ22aが受信する光信号λa2を例に以下、検討する。
光トランシーバ32aが送信し、光トランシーバ22aが受信する光信号λa2、および光トランシーバ22aが発信する光信号λa1が光合分波器31に反射して元に戻ってくる反射信号は、何れも光減衰器24aを経由して受信側光端子22ainに入力される。ここで光トランシーバ22aが受信した光信号λa2のパワーをPSIG22a、反射信号のパワーをPREF22a、この光信号λa2と反射信号とのパワーレベルの差をPSX22a、光減衰器24aの損失をLATTとすると(7)〜(9)式が得られる。
PSIG22a=P32a−L33a−LAWG−L10−LAWG−LATT−L23a (7)
PREF22a=P22a−L23a−LATT−LAWG−R−LAWG−LATT−L23a (8)
PSX22a=(P32a−L33a)−(P22a−L23a−LATT)+R−L10 (9)
光トランシーバ32aが送信し、光トランシーバ22aが受信する光信号λa2、および光トランシーバ22aが発信する光信号λa1が光合分波器31に反射して元に戻ってくる反射信号は、何れも光減衰器24aを経由して受信側光端子22ainに入力される。ここで光トランシーバ22aが受信した光信号λa2のパワーをPSIG22a、反射信号のパワーをPREF22a、この光信号λa2と反射信号とのパワーレベルの差をPSX22a、光減衰器24aの損失をLATTとすると(7)〜(9)式が得られる。
PSIG22a=P32a−L33a−LAWG−L10−LAWG−LATT−L23a (7)
PREF22a=P22a−L23a−LATT−LAWG−R−LAWG−LATT−L23a (8)
PSX22a=(P32a−L33a)−(P22a−L23a−LATT)+R−L10 (9)
(9)式より、光減衰器24aを第2の光ファイバ線路23aに挿入し、伝送される光信号の損失量を調整することによりPSX22aの値を操作することができる。さらに第1の光ファイバ線路10の両側における光パワーレベル(P32a−L33a)と(P22a−L23a)との関係もLATTにより調整できる。これにより波長多重光通信システム1B内部における光線路の損失や光出力においてばらつきがある場合でも、光減衰器24aにより光パワーを適切に制御することで、光トランシーバ22aが受信する光信号の光レベルを一定に調整することが可能となる。
なお、図3において光減衰器24a,24bは、それぞれ第2の光ファイバ線路23a,23bにおいて受信光出力端子21aout,21boutに接続される光ファイバ中に挿入されているが、これらを送信光入力端子21ain,21bin側に接続してもかまわない(図示せず)。この場合にも式(7)、式(8)、式(9)は同様に成立する。
さらに、図3では、光トランシーバ22a,22b側にのみ光減衰器24a,24bが挿入されているが、光トランシーバ32a,32b側にも同時に光減衰器(図示せず)を挿入してもかまわない。この場合には、第1の光ファイバ線路10の左右での損失やパワーレベルのアンバランスの補償を第1の光ファイバ線路1の両側より行えることになる。
以上述べたように、第2の実施形態にかかる波長多重光通信システム1Bによれば、第1の実施形態で述べたような受信光信号と反射光とのパワーレベルの差を大きくとれることに加え、光減衰器24a,24bを第2の光ファイバ線路に挿入して伝送される光パワーを制御することによって、光ファイバ線路やこれに接続される光トランシーバの特性のばらつきによって発生する受信信号の光パワーばらつきを補償できる。これにより、波長多重光通信システムの設計や維持管理が容易となる。
1A、1B 波長多重光通信システム
10 第1の光ファイバ線路
21、31 光合分波器
22a、22b、32a、32b 光トランシーバ
23a、23b、33a、33b 第2の光ファイバ線路
24a、24b 光減衰器
T 反射点
10 第1の光ファイバ線路
21、31 光合分波器
22a、22b、32a、32b 光トランシーバ
23a、23b、33a、33b 第2の光ファイバ線路
24a、24b 光減衰器
T 反射点
Claims (2)
- 複数の異なる波長の光信号を多重化した多重化信号を光ファイバに伝送し、双方向で通信する波長多重光通信システムであって、
1心の光ファイバからなる第1の光ファイバ線路と、
この第1の光ファイバ線路の両端に各々接続され、前記複数の異なる波長の光信号および前記多重化信号を相互に変換する光合分波器と、
前記光合分波器の各々に接続されて対をなし、何れか一方が送信した特定の波長の光信号を他方が受信して双方向の通信を可能にする一対または二対以上の光トランシーバと、を備え、
前記光合分波器および前記光トランシーバは、互いに光信号の伝送方向が異なる2心の光ファイバからなる第2の光ファイバ線路により接続されていることを特徴とする波長多重光通信システム。 - 前記第2の光ファイバ線路に挿入される光減衰器を備えたことを特徴とする請求項1に記載の波長多重光通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003305077A JP2005079689A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 波長多重光通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003305077A JP2005079689A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 波長多重光通信システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005079689A true JP2005079689A (ja) | 2005-03-24 |
Family
ID=34408585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003305077A Pending JP2005079689A (ja) | 2003-08-28 | 2003-08-28 | 波長多重光通信システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005079689A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016163301A (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 日本電信電話株式会社 | トランシーバ設計装置、トランシーバ設計方法およびトランシーバ設計プログラム |
-
2003
- 2003-08-28 JP JP2003305077A patent/JP2005079689A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016163301A (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 日本電信電話株式会社 | トランシーバ設計装置、トランシーバ設計方法およびトランシーバ設計プログラム |
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