JP2005079084A - 赤外光源を搭載したイオン化装置 - Google Patents

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哲実 住吉
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Abstract


【課題】 微量化学物質の解析のために対象物質のイオン化を高速かつ効率よく行う。
【解決手段】 LD励起固体レーザーを励起源としたOPOで、波長1.3μm以上で連続波長可変の光源を構築し、それをイオン化装置に搭載する。波長変換素子はPPLN、PPLT、PPSLN、PPSLTなどがあり、フォトリフラクティブ損傷を回避するためにMgOをドープすることが有効である。LD励起固体レーザーを高繰り返し動作することで、OPO出力パルスを追従させ、従来にない高速イオン化が可能になる。また、サンプル材料の吸収スペクトル特性に応じて波長を変化させることにより、様々な材料のイオン化が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は化学物質の質量分析において、測定対象となる化学物質をイオン化し、質量分析計に導入するためのイオン化装置に関する。
生化学の分野においては、質量分析をおこなう化学物質が巨大分子である場合に、その分子結合を破壊することなく、構造を保存した状態でイオン化することが望まれている。この巨大分子イオン化には窒素ガスレーザーが使われてきた。また、炭酸ガスレーザーやランプ励起Qスイッチ動作エルビウムドープ固体レーザーが使用されてきた。
しかし従来の方法では、例えば窒素ガスレーザーの発振波長は337nmで紫外波長領域にあり、対象化学物質はこの窒素ガスレーザーの照射によって分子鎖が切断されるという問題があった。一方、炭酸ガスレーザーやエルビウム固体レーザーの発振波長は赤外波長領域で、それぞれ10.6μm、2.94μmであり、MALDI(マトリックスアシステッドレーザーデゾープションアンドアイオナイゼイション)の導入により一定の成功を収めている。しかしながら、波長が固定であるため、適用できる測定対象物質が制限されるという問題があった。
上述の問題に鑑み、本発明は、質量分析計に用いるイオン化装置であってパルスレーザー光源と光ファイバを有し、該レーザー光源は非線形光学結晶の周期的反転分極の周期及び温度を変化させることによって発振波長を連続的に変化させてレーザー光を出力し、該レーザー光を光ファイバに入力してサンプル室の試料へ導入する装置を提供する。
これによって、赤外波長のパルスビームがイオン化対象の化学物質に直接照射されイオン化される。また、マトリックス材料と称する基材に一旦吸収されたのち放出されたプロトンが測定対象サンプルに付着し、イオン化される。特に赤外波長において波長可変であることを特徴とするために、マトリックス材に様々な物質を使用したとしても、その最適プロトン放出波長に一致した波長で照射することができ、高効率で化学物質のイオン化が可能となる。
またこのようなレーザー光源は固体レーザー励起オプティカルパラメトリック発振器であり、出力光の波長は1.3μm以上、パルスの繰り返し数は10Hz以上である。このような装置は波長が1つに固定されている装置でもよい。さらに前記オプティカルパラメトリック発振器は周期的ドメイン反転非線形光学結晶を搭載しており、該周期的ドメイン反転非線形光学結晶はニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムである。さらに安定な出力光を得るために波長可変パルス光源の一部または全部の、温度と湿度の両方またはいずれかを制御する装置を提供する。これによって安定した解析ができる。また前記オプティカルパラメトリック発振器から、アイドラ光、シグナル光のほかに、和周波、差周波、高調波による可視光が発生し、ポインティング光として利用する装置も提供する。これによってレーザー光の試料への照射が容易となる。
固体レーザー励起オプティカルパラメトリック(OPO)発振器は、典型例としてLD励起Nd:YVO4レーザーの高繰り返しQスイッチ動作モードを励起光源とし、必要とする赤外波長で高効率の非線形光学結晶を内包する波長可変共振器からなる。具体的な動作モードとして、波長1.064μm、パルス幅15ns、繰り返し数30kHz、出力パワー1Wがある。この励起光源から得られる典型的なOPO出力は、波長1.5〜3.5μm、出力パワー 500mWである。発振波長はシグナルとアイドラと称する2波長帯があり、OPO共振器内に共振する波長帯をシグナル光と呼ぶ。
従来技術のエルビウムドープ固体レーザーはフラッシュランプ励起であり、Qスイッチ動作のために配置するQスイッチ素子による共振器内損失が大きいため出力が小さい。また、ランプ励起のために瞬間的な高電圧、高電流放電を行うので放電ノイズが大きく、微弱信号を扱う質量分析系には適さない。一方、LD励起固体レーザーによるOPOでは、LDの駆動電圧、電流が小さいので電磁ノイズはほとんど無視できる。そのため、質量分析計への適用において、本OPO駆動によって分析を阻害することはない。
OPO部には非線形光学結晶として、PPLN、PPLTが適している。この周期反転デバイスによって、高効率動作OPOが実現した。具体的には、エネルギー変換効率はアイドラ光 30%、シグナル光35%が得られた。また、周期反転デバイスの採用により、装置はシンプル化され、従来のランプ励起光源に比して同等以下のサイズとなっている。
OPOの発振波長は、PPLNまたはPPLTの反転周期と温度で決定される。マトリックス材料に波長3μmが吸収される場合は、反転周期30.2μm、温度200℃でアイドラ光3μmとシグナル光1.65μmが得られる。高い温度に維持する必要がある理由は、PPLN、PPLTがフォトリフラクティブ損傷と称する異常屈折率を内部に生成し、波長変換が阻害されるためである。このフォトリフラクティブ損傷を回避するには、MgOをドープする方法がある。MgOを1原子%ドープしたMgO:PPLN、MgO:PPLTは、常温で3μmの波長を発生することができる。
さらに、前記OPO励起用のLD励起固体レーザーは、動作範囲として繰り返し数20Hz以上が容易であり、従いその励起によるOPOも高繰り返し動作が可能になる。
イオン化の繰り返し数は、解析装置の解析速度に合わせる必要がある。最新の質量分析計では、イオントラップ内に測定対象の化学物質を蓄積することが可能なものもあるので、前記OPOは高繰り返しであることが望まれる。LD励起固体レーザーの励起用LDにQCW動作を適用することにより、繰り返し数200HzのOPO出力を得ることができている。この高繰り返し性のため、従来はレーザーの繰り返し数に依存していた10Hz以下のイオン発生であったのに対して、約20倍のスピードでイオン化された対象物質を早く、測定器の中に蓄積することができ、測定のスループットを格段に向上できた。
本装置の適用対象は糖タンパクの質量分析とそれに付随する構造解析である。この糖タンパク構造が高速で解析できるようになれば、ゲノム創薬を含め、医療福祉に大変貢献することが知られている。
イオン化装置製造において、OPO出力ビームを対象化学物質に照射する場合、従来、ミラーによる反射でアライメントを行っていたが、光ファイバによるパワー伝送を行うことで、組立作業効率が飛躍的に向上した。さらには、OPO共振器内から可視光をも積極的に発生することで、アライメント用ビームとして使うことができ、装置化する際においても、実際に運用する際においても、不可視の赤外ビームの誘導に極めて都合がよい。
以下に本発明を図を用いて説明する。図1は本発明の装置を用いたイオン化装置1の構成を示した概略図である。LD励起Nd:YAGレーザーを励起光源2としたOPO3は、非線形光学結晶6を有し、出力光を伝送可能なファイバ4によってサンプル室5にパワー伝送する。このビームはもっぱら測定対象に集光照射され、イオン化がなされる。イオン化された化学物質は質量分析計など解析装置にとりこまれる。このように、質量分析計など解析装置が、イオン蓄積型であれば、高繰り返しOPOの出力パルスによって効率よくイオンを蓄積することができる。以下に本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図2は本発明の装置においてレーザー光を出力する非線形光学結晶7の概略図である。非線形光学結晶は周期的な反転分極を形成することは当業者には既知であり本実施例ではPPLNである。この反転分極の周期いわゆる反転周期は29μm〜31μmで、0.2μmの間隔で反転周期を準備した。このPPLNをヒータで一定温度に保ち、OPO動作をし、図3に示す特性を得た。反転周期と温度を変化させることにより、出力プロットを補間するカーブをもつ出力パルスエネルギーの波長依存性が得られる。波長は2.8μm〜4.0μmまで間断なくチューニング可能である。発振波長ごとに出力エネルギーが多少変化するが、これはおもにOPOミラーの特性が影響した結果と考えられる。また周期的ドメイン反転非線形光学結晶にはニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムを使用することができる。
繰り返し数については、LD励起Nd:YVO4レーザーの繰り返し数に依存し、OPOはその周波数に追従するだけである。ここで、レーザー結晶とLDの組み合わせはNd:YVO4のみに制限されることはない。Qスイッチ型のエルビウムドープの固体レーザーでは、ランプ励起の繰り返しが変化するとレーザー結晶内の温度特性が容易に変化するために、繰り返しを幅広く変えることは困難である。
イオン化する材料を固定するマトリクス材料ごとに吸収波長が異なるので、効率のよいイオン化条件が定まれば、PPLNの反転周期と動作温度は固定することができる。波長変換チューニングレンジに応じて、反転周期を複数内包する、または一つだけ有するPPLNやPPLTを搭載することになる。反転周期をひとつだけ有する場合も温度変化によって波長可変性を維持するので、波長を固定した場合においても、波長可変光源であることにかわりはない。
また、変形した実施例として、OPO部の湿度と温度を制御した形態がある。OPOの発振波長が3μm近傍であると、空気中、または光学部品で吸湿した部位に、OPOの出力3μmパルスが照射、透過、反射するときに、破壊する恐れがある。そこで、OPO部、または波長可変光源全体を密閉容器に入れ、湿度を制御する。湿度を低く保つためには、窒素パージすることに加えて、容器内にシリカゲルを入れることも有効な手段である。
このように赤外波長帯域にて高繰り返し連続波長可変のパルスレーザーを搭載したイオン化装置を各種解析装置に提供することができると、従来、低繰り返し、固定波長でしかイオン化することができなかった化学物質、特に糖や糖タンパクの構造解析を、単位時間あたりの約20倍早く、測定量としても約20倍多く、解析することができ特に創薬の分野で貢献することができる。
図1は本発明の装置の概略図である。 図2は本発明の装置のうち非線形光学結晶の概略的な図である。 図3は本発明の装置のうちレーザー光源の出力エネルギー波長特性である。
符号の説明
1 イオン化装置
2 LD励起レーザー
3 OPO
4 光ファイバ
5 サンプル室
6 非線形光学結晶

Claims (10)

  1. 質量分析計に用いるイオン化装置であって該装置は、波長可変パルスレーザー光源と光ファイバを有し、該レーザー光源は非線形光学結晶の周期的反転分極の周期及び温度を変化させることによって発振波長を連続的に変化させてレーザー光を出力し、該レーザー光を光ファイバに入力してサンプル室の試料へ導入する装置。
  2. 前記レーザー光源の出力光の波長は1.3μm以上である請求項1に記載のイオン化装置。
  3. 波長可変パルス光源が固体レーザー励起のオプティカルパラメトリック発振器である請求項1または2に記載のイオン化装置。
  4. 前記波長可変パルス光源が繰り返し数10Hz以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のイオン化装置。
  5. 前記波長可変パルス光源の波長が1.3μm以上の赤外波長において発振波長が1つに固定されている請求項1ないし4のいずれかに1項記載のイオン化装置。
  6. 請求項3に記載のオプティカルパラメトリック発振器に周期的ドメイン反転非線形光学結晶を搭載したことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項記載のイオン化装置。
  7. 請求項6に記載の周期的ドメイン反転非線形光学結晶がニオブ酸リチウムであるイオン化装置。
  8. 請求項6に記載の周期的ドメイン反転非線形光学結晶がタンタル酸リチウムであるイオン化装置。
  9. 前記波長可変パルス光源の一部または全部の、温度と湿度の両方またはいずれかが制御して出力光を安定化させる請求項1ないし8のいずれかに1項記載のイオン化装置
  10. 前記オプティカルパラメトリック発振器から、アイドラ光、シグナル光のほかに、和周波、差周波、高調波による可視光が発生し、ポインティング光として利用可能な請求項1ないし9のいずれかに1項記載のイオン化装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011522366A (ja) * 2008-05-29 2011-07-28 シェフィールド ハラム ユニバーシティ 改善した質量分析法

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