JP2005074380A - 難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステム - Google Patents

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【課題】 難透気透水層に存在する汚染物質を確実かつ効率的に回収する。
【解決手段】本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム1は、地下水位以下に存在する飽和難透気透水層2のうち、芳香族炭化水素であるベンゼン等の油やダイオキシン類あるいは揮発性有機塩素化合物といった汚染物質3で汚染されている汚染領域4に高圧空気を間欠的に送り込む高圧空気圧入機構5と、間欠圧入された空気が汚染物質3を連行しながら気泡として飽和透水層6を経て不飽和透気層7まで浮上した後、汚染物質3を空気とともに吸引して浄化するガス処理設備13と、汚染領域4及び該汚染領域からの汚染物質連行空気が浮上通過し飽和難透気透水層2の上方に位置する飽和透水層6内の通過領域34を挟む対向位置に埋設された注水井戸32及び揚水井戸33とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、難透気透水性汚染土壌に存在する汚染物質を回収浄化する浄化方法及びシステムに関する。
工場跡地の土壌内には、トリクロロエチレンなどで代表される揮発性有機塩素化合物、燃料油や機械油、ダイオキシン類、あるいはカドミウム、鉛、銅、亜鉛、ニッケル、クロムなどの重金属といったさまざまな汚染物質が土壌に混入していることがある。
かかる汚染物質で汚染された汚染土をそのまま放置すると、該土に混入している汚染物質が周囲に拡散し、周辺住民の生活に支障を来すとともに、雨水によって土粒子から遊離した場合には、地下水等に混入して水質を汚濁させる原因ともなる。そのため、上述した汚染物質で汚染された土については、さまざまな方法を使って浄化しなければならない。
土壌内の汚染物質を原位置で浄化処理する方法としては、従来からさまざまな方法が開発されており、土壌ガス吸引法、汚染土壌に注水しこれを揚水して地上で処理するいわゆる通水洗浄法、空気を送り込んでその気泡に汚染物質を連行させる、いわゆる気泡連行浄化法、空気圧入とガス吸引を組み合わせたエアスパージング法、土中菌の微生物活性を利用したバイオレメディエーションによる方法など多種多様な方法が知られている。
特開2002−119952号公報 特開2001−205248号公報
しかしながら、汚染物質が粘土層やシルト層といった難透気透水層に存在する場合には上述した方法を採用することができない。すなわち、これらの難透気透水層は、透気性及び透水性が悪いため、汚染物質が入り込む懸念は比較的少ないものの、かかる難透気透水層にいったん汚染物質が混入すると、上述したように透気性及び透水性が悪いことが浄化の支障となり、難透気透水層内から汚染物質を回収することがきわめて困難になるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、難透気透水層に存在する汚染物質を確実かつ効率的に回収可能な難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法は請求項1に記載したように、飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域又は該汚染領域の上方に位置し前記汚染物質を連行した空気が浮上通過する飽和透水層内の通過領域の少なくともいずれかに微生物活性を高めるための栄養塩が添加された洗浄水を通水するとともに、前記汚染領域に高圧空気を間欠的に送り込み該高圧空気の間欠圧入によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与し、前記汚染物質が連行された前記洗浄水を揚水して浄化処理を行うとともに、間欠圧入された空気に前記汚染物質を連行させながら該空気を気泡として前記飽和難透気透水層の上方に拡がる不飽和透気層まで前記通過領域を介して浮上させ、前記汚染物質を前記空気とともに吸引して浄化処理を行うものである。
また、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムは請求項2に記載したように、飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域又は該汚染領域の上方に位置し前記汚染物質を連行した空気が浮上通過する飽和透水層内の通過領域の少なくともいずれかを挟む対向位置に埋設された注水井戸及び揚水井戸と、前記注水井戸に連通接続され微生物活性を高めるための栄養塩が添加された洗浄水を貯留する貯水槽と、前記揚水井戸内に設置された揚水ポンプに連通接続され該揚水井戸を介して揚水された水を浄化する水処理設備とを備えた難透気透水性汚染土壌の浄化システムであって、前記汚染領域に高圧空気を間欠的に送り込み該高圧空気の間欠圧入によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与する高圧空気圧入機構と、間欠圧入された空気に連行され前記飽和難透気透水層の上方に拡がる不飽和透気層まで前記通過領域を介して浮上した汚染物質を該空気とともに吸引して浄化するガス処理設備とを備え、前記高圧空気圧入機構を、高圧空気吐出口が前記飽和難透気透水層の汚染領域に位置するように埋設される圧入管と、圧力容器及び空気タンクを介して該圧入管に接続されたエアコンプレッサーとから構成したものである。
本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムにおいては、飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域に高圧空気を高圧空気圧入機構で間欠的に送り込み、該高圧空気の間欠圧入によって汚染領域内の土粒子に振動を付与する。
このようにすると、従来行われていた単なる空気圧入とは異なり、土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、土粒子の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質が該表面から剥離する。
かかる状態においては、間欠圧入された空気が土粒子間の間隙を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質が土粒子間の間隙に遊離してくるため、汚染物質も空気に連行されやすくなる。同様に、汚染領域に洗浄水を通水する場合には、洗浄水が土粒子間の間隙を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質が土粒子間の間隙に遊離してくるため、汚染物質も洗浄水に連行されやすくなる。
そのため、間欠圧入された空気に汚染物質を連行させながら該空気を気泡として飽和難透気透水層の上方に拡がる不飽和透気層まで通過領域を介して浮上させ、汚染物質を空気とともに吸引して浄化処理を行うとともに、汚染領域又は通過領域の少なくともいずれかに洗浄水を通水し、次いで汚染物質が連行された洗浄水を揚水して浄化処理を行うようにすれば、従来の通水洗浄やエアスパージング法等では不可能だった難透気透水性汚染土壌の浄化を確実かつ効率よく行うことが可能となる。
また、汚染領域に高圧空気が間欠的に送り込まれるとともに、微生物活性を高めるための栄養塩が添加された洗浄水が汚染領域又は通過領域の少なくともいずれかに通水されるため、飽和難透気透水層内の汚染領域又は飽和透水層内の通過領域の少なくともいずれかの領域では、主として土中菌から構成される菌体の微生物活性が高くなり、汚染物質は、かかる微生物によって分解除去される。
汚染物質は、揮発性の高い油、揮発性有機化合物(揮発性有機塩素化合物を含む)、ダイオキシン類など、空気連行可能な物質であればすべて本発明でいうところの汚染物質に含まれるとともに、空気では連行困難な汚染物質、例えば重油、あるいはカドミウム、鉛、銅、亜鉛、ニッケル、クロムといった重金属を通水洗浄によって回収することも可能となる。
なお、通水範囲は、汚染領域のみ、通過領域のみ又は汚染領域及び通過領域の両方という3つの選択が可能であり、汚染領域を通水洗浄すれば汚染物質を効率的に洗浄水に連行させることができるとともに、通過領域を通水洗浄すれば、汚染領域からの汚染物質連行空気から汚染物質が飽和透水層内の通過領域で遊離したとしても、かかる汚染物質を確実に洗浄水に連行させて揚水することができる。
飽和難透気透水層でいう難透気透水層とは、主としてシルト層や粘土層を意味するが、透気性及び透水性が悪いために通水洗浄、ガス吸引、エアスパージング法等の従来法では汚染物質を回収することができないのであれば、シルト又は粘土のほかに砂を含む土層も当然本発明でいう難透気透水層に含まれる。
高圧空気の間欠圧入は、汚染領域内の土粒子に振動を付与することで上述した作用を土粒子に及ぼすことができるのであれば、圧力の大きさや間欠の継続時間については、例えば飽和難透気透水層の透気係数やその分布状況に応じて適宜定めればよい。
ここで、本発明における空気圧入は、従来のような単なる圧入ではなく、間欠圧入であることを重ねて付言しておく。すなわち、単なる空気圧入では、難透気透水層の透水性や透気性を向上させることは困難であり、むしろ、土粒子間の間隙が元の大きさ以下に小さくなって、透水性や透気性が低下する場合も考えられる。
本出願人は、高圧空気の間欠圧入によって土粒子を振動させ、それによって上述した作用を生ぜしめ、ひいては難透気透水層の透水性や透気性を改善することができることを新規に見いだしたものであり、産業上きわめて有用な知見であるとともに、従来技術に比して顕著な作用効果を有するものである。
高圧空気圧入機構の構成は任意であるが、例えば、高圧空気吐出口が前記飽和難透気透水層の汚染領域に位置するように埋設される圧入管と、圧力容器及び空気タンクを介して該圧入管に接続されたエアコンプレッサーとから構成することが考えられる。
特に、圧入管及び圧力容器は、バイオプスター工法で使用される装置を転用することが可能である。
以下、本発明に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムを示した図である。本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム1は同図に示すように、地下水位以下に存在する飽和難透気透水層2のうち、芳香族炭化水素であるベンゼン等の油やダイオキシン類あるいは揮発性有機塩素化合物といった汚染物質3で汚染されている汚染領域4に高圧空気を間欠的に送り込む高圧空気圧入機構5と、間欠圧入された空気が汚染物質3を連行しながら気泡として飽和透水層6を経て不飽和透気層7まで浮上した後、汚染物質3を空気とともに吸引して浄化するガス処理設備13と、汚染領域4及び該汚染領域からの汚染物質連行空気が浮上通過し飽和難透気透水層2の上方に位置する飽和透水層6内の通過領域34を挟む対向位置に埋設された注水井戸32及び揚水井戸33とを備える。
また、本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムは、注水井戸32に連通接続され微生物活性を高めるための栄養塩が添加された洗浄水を貯留する貯水槽19と、揚水井戸33内に設置された揚水ポンプ(図示せず)に連通接続され該揚水井戸を介して揚水された水を浄化する水処理設備18とを備えるとともに該水処理設備18に貯水槽19を連通接続してあり、水処理設備18で浄化処理された処理水を貯水槽19に圧送して循環使用できるようになっている。
飽和難透気透水層2は、シルト、粘土又は粘性土を主成分とする土からなるため、透気性及び透水性に劣り、そのままの状態では通水洗浄やガス吸引が困難な土層であり、それに対し、飽和透水層6及び不飽和透気層7は、それぞれ透水性と透気性を有する例えば砂質土からなる土層となっている。
高圧空気圧入機構5は、エアコンプレッサー12と、該エアコンプレッサーから送気されてきた高圧空気を中間貯留する空気タンク11と、該空気タンク11から送気されてきた高圧空気の圧力を調整する圧力容器10と、該圧力容器に接続され高圧空気吐出口8が飽和難透気透水層2の汚染領域4に位置するように埋設される圧入管9とから構成してあり、エアコンプレッサー12からの高圧空気を圧入管9を介して汚染領域4に間欠圧入し、該汚染領域内の土粒子に振動を付与することができるようになっている。
ここで、圧入管9及び圧力容器10は、バイオプスター工法で使用される装置を転用することが可能である。
ガス処理設備13は、飽和難透気透水層2の上方に拡がる不飽和透気層7に埋設された吸引管14と、該吸引管に接続された気液分離槽15と、該気液分離槽の気相空間に連通接続された吸引ブロア16と、該吸引ブロアに接続された活性炭フィルター槽17とから構成してあり、気液分離槽15の液相空間は水処理設備18に連通接続してある。
本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム1において、高圧空気圧入機構5を設置するには、まず、飽和難透気透水層2のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域4に高圧空気圧入機構5の圧入管9を建て込む。
圧入管9を建て込むにあたっては、あらかじめ該当位置をボーリングし、次いで該ボーリング孔に圧入管9を挿入し、しかる後、高圧空気吐出口8が閉塞されることがないよう、圧入管9とボーリング孔との間に所定量の砂を先行充填する一方、圧入管9の揺れを防止すべく、ボーリング孔との隙間には高圧空気吐出口8よりも浅い箇所において、モルタル、ベントナイトなどを充填する。
次に、圧入管9の上端に圧力容器10を取り付けるとともに、空気タンク11及びエアコンプレッサー12を順次接続する。
本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システム1を用いて難透気透水性汚染土壌、本実施形態では飽和難透気透水層2の汚染領域4を浄化するには、まず、エアコンプレッサー12、空気タンク11及び圧力容器10を適宜作動させることで飽和難透気透水層2の汚染領域4に高圧空気を間欠的に送り込み、該高圧空気の間欠圧入によって汚染領域4内の土粒子に振動を付与する。
このようにすると、従来行われていた単なる空気圧入とは異なり、高圧空気の間欠圧入により、土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、粘性土の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質が該表面から剥離する。
図2は、それらのうち、粘性土の骨格破壊が生じる場合を例に挙げたものであって、同図(a)は、高圧空気の間欠圧入を行っている様子、同図(b)は高圧空気の間欠圧入を行う前の粘性土の骨格、同図(c)は高圧空気の間欠圧入を行った後の粘性土の骨格の様子を示したものである。
これらの図でわかるように、粘性土の骨格は、高圧空気の間欠圧入により破壊されて土粒子がばらばらになり、空隙21があらたに生じるとともに、土粒子表面に付着していた汚染物質3は該土粒子から剥離する。
骨格が破壊されない場合も、高圧空気の間欠圧入によってあらたな間隙が生じたり、元の間隙が大きくなったりすることに変わりはない。
かかる状態においては、間欠圧入された空気22が土粒子間の間隙21を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙に遊離してくるため、空気に連行されやすくなる。同様に、洗浄水が土粒子間の間隙21を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙21に遊離してくるため、洗浄水に連行されやすくなる。
また、汚染領域4に高圧空気が間欠的に送り込まれるとともに、微生物活性を高めるための栄養塩が添加された洗浄水が汚染領域4及び通過領域34に通水されるため、汚染領域4及び通過領域34内では、主として土中菌で構成される菌体の微生物活性が高くなり、汚染物質3は、微生物によって分解除去される。
次に、汚染物質3が連行された浄化水を図示しない揚水井戸33を介して揚水し、これを水処理設備18で浄化処理するとともに、このように処理された処理水を洗浄水として貯水槽19に貯水する。
ここで、貯水槽19内の洗浄水には、微生物活性を高める栄養塩、例えば窒素やリンを含む物質を添加しておく。
次に、栄養塩が添加された洗浄水を注水井戸32を介して汚染領域4及び通過領域34に通水した後、揚水井戸33の底部に設置した図示しない揚水ポンプを介して揚水し、以下、注水及び揚水に関しては、上述した手順を繰り返す。
かかる注水及び揚水において、注水井戸32及び揚水井戸33は、上述したように汚染領域4及び通過領域34を挟む対向位置に埋設してあり、汚染領域4及び通過領域34の両方が通水洗浄される。そのため、揚水された水には、汚染領域4内の汚染物質3はもちろん、汚染物質連行空気22から遊離した汚染物質3も含まれる。
一方、間欠圧入された空気22が汚染物質3を連行しながら気泡として不飽和透気層7まで浮上した後、汚染物質3を空気22とともにガス処理設備13で吸引浄化する。吸引は、吸引ブロア16を作動させることにより行う。
ガス処理設備13での浄化は、まず、吸引管14を介して吸引された汚染物質連行空気を気液分離槽15で液体と気体に分離し、気体については、活性炭フィルター槽17に通して汚染物質3を活性炭に吸着させ、その後、大気に放出するとともに、液体については、水処理設備18で汚染物質3を除去し、その後、汚染物質3が除去された処理水を洗浄水として貯水槽19に送る。
以上説明したように、本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムによれば、従来行われていた単なる空気圧入とは異なり、土粒子同士がぶつかり合って該土粒子間にあらたな間隙が生じたり、元の大きさよりも間隙が大きくなったり、土粒子の骨格が破壊されたりするとともに、土粒子同士が擦れ合うことで該土粒子の表面に付着していた汚染物質3が該表面から剥がれる。
かかる状態においては、間欠圧入された空気22が土粒子間の間隙21を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙に遊離してくるため、空気22に連行されやすくなる。同様に、洗浄水が土粒子間の間隙21を流れる際、その流動抵抗は大幅に低下するとともに、土粒子に付着していた汚染物質3が土粒子間の間隙21に遊離してくるため、洗浄水に連行されやすくなる。
そのため、汚染物質3が連行された洗浄水を揚水して浄化処理を行うとともに、間欠圧入された空気22に汚染物質3を連行させながら該空気を気泡として飽和難透気透水層2の上方に拡がる不飽和透気層7まで浮上させ、汚染物質3を空気とともに吸引して浄化処理を行うようにすれば、従来の通水洗浄やエアスパージング法等では不可能だった難透気透水性汚染土壌の浄化を確実かつ効率よく行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法及びシステムによれば、汚染領域4及び通過領域34の両方を通水洗浄するため、汚染領域4内の浄化はもちろんのこと、汚染物質3が連行空気22から分離して飽和透水層6に入り込むことがあっても、これを確実に回収することができる。
本実施形態では、高圧空気圧入機構5を、エアコンプレッサー12と、該エアコンプレッサーから送気されてきた高圧空気を中間貯留する空気タンク11と、該空気タンク11から送気されてきた高圧空気の圧力を調整する圧力容器10と、該圧力容器に接続され高圧空気吐出口8が飽和難透気透水層2の汚染領域4に位置するように埋設される圧入管9とから構成したが、高圧空気の間欠圧入によって汚染領域4内の土粒子に振動を付与することができるのであれば、どのような構成でもかまわない。
また、本実施形態では、汚染領域4及び通過領域34の両方を通水洗浄するようにしたが、通過領域34を通水洗浄する必要がないのであれば、汚染領域4のみ通水洗浄を行うようにしてもかまわないし、汚染領域4の直接浄化はもっぱら高圧空気の連行作用にゆだね、通過領域34だけを通水洗浄することによって汚染領域4の間接浄化を行うようにしてもよい。
本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化システムの概略図。 本実施形態に係る難透気透水性汚染土壌の浄化方法の作用の一例を示した模式図。
符号の説明
1 難透気透水性汚染土壌の浄化システム
2 飽和難透気透水層
3 汚染物質
4 汚染領域
5 高圧空気圧入機構
7 不飽和透気層
9 圧入管
10 圧力容器
11 空気タンク
12 エアコンプレッサー
13 ガス処理設備
14 吸引管
15 気液分離槽
16 吸引ブロア
17 活性炭フィルター槽
18 水処理設備
19 貯水槽
32 注水井戸
33 揚水井戸
34 通過領域

Claims (2)

  1. 飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域又は該汚染領域の上方に位置し前記汚染物質を連行した空気が浮上通過する飽和透水層内の通過領域の少なくともいずれかに微生物活性を高めるための栄養塩が添加された洗浄水を通水するとともに、前記汚染領域に高圧空気を間欠的に送り込み該高圧空気の間欠圧入によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与し、前記汚染物質が連行された前記洗浄水を揚水して浄化処理を行うとともに、間欠圧入された空気に前記汚染物質を連行させながら該空気を気泡として前記飽和難透気透水層の上方に拡がる不飽和透気層まで前記通過領域を介して浮上させ、前記汚染物質を前記空気とともに吸引して浄化処理を行うことを特徴とする難透気透水性汚染土壌の浄化方法。
  2. 飽和難透気透水層のうち、汚染物質で汚染されている汚染領域又は該汚染領域の上方に位置し前記汚染物質を連行した空気が浮上通過する飽和透水層内の通過領域の少なくともいずれかを挟む対向位置に埋設された注水井戸及び揚水井戸と、前記注水井戸に連通接続され微生物活性を高めるための栄養塩が添加された洗浄水を貯留する貯水槽と、前記揚水井戸内に設置された揚水ポンプに連通接続され該揚水井戸を介して揚水された水を浄化する水処理設備とを備えた難透気透水性汚染土壌の浄化システムであって、前記汚染領域に高圧空気を間欠的に送り込み該高圧空気の間欠圧入によって前記汚染領域内の土粒子に振動を付与する高圧空気圧入機構と、間欠圧入された空気に連行され前記飽和難透気透水層の上方に拡がる不飽和透気層まで前記通過領域を介して浮上した汚染物質を該空気とともに吸引して浄化するガス処理設備とを備え、前記高圧空気圧入機構を、高圧空気吐出口が前記飽和難透気透水層の汚染領域に位置するように埋設される圧入管と、圧力容器及び空気タンクを介して該圧入管に接続されたエアコンプレッサーとから構成したことを特徴とする難透気透水性汚染土壌の浄化システム。
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