JP2005071852A - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解液の減少に伴う負極耳切れが起こっても、スパークが発生しない鉛蓄電池を提供する。
【解決手段】複数枚の負極板と、その負極板の格子体耳部を一体化したストラップを備えた鉛蓄電池において、前記複数枚の負極板のうち、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板を、他の負極板よりも格子体耳部の厚さを厚くすること、他の負極板の格子体合金より耐食性に優れたものとすること、格子体耳部を耐酸性樹脂で被覆すること等により、他の負極板よりも前記格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】複数枚の負極板と、その負極板の格子体耳部を一体化したストラップを備えた鉛蓄電池において、前記複数枚の負極板のうち、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板を、他の負極板よりも格子体耳部の厚さを厚くすること、他の負極板の格子体合金より耐食性に優れたものとすること、格子体耳部を耐酸性樹脂で被覆すること等により、他の負極板よりも前記格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、鉛蓄電池に関するものであり、さらに詳しくは、電解液の減少に伴う負極耳切れが起こっても、スパークが発生しない鉛蓄電池に関するものである。
鉛蓄電池には、複数枚の極板の格子体耳部を同極性について合金の棚に一体化したストラップとよばれる群棚部が構成されている。一般に、その一体化する方法としては溶接が採用され、耳部を櫛型に挟んで構成した凹部において、火炎によって足し鉛の合金と耳部の一部を溶解凝固させるバーニング方式や、凹部において足し鉛の合金を溶解した金型に耳部を倒立挿入して固めるキャストオンと呼ばれる方法がよく知られている。
上記のような負極板の格子体耳部を一体化したストラップを備えた鉛蓄電池において、初期の電解液面は、電池のアッパーレベル(ストラップ下面より上方)とされているが、充放電を繰り返すうちに、電解液中の水が電気分解、蒸発等により減液し、電解液面がストラップ下面より下まで低下し、極板の格子体耳部が露出する場合がある。そのような場合に、格子体耳部を露出したままで使用していると、ストラップの直ぐ下の負極板の格子体耳部が腐食断線する、いわゆる負極耳切れという現象が発生する。このような腐食は、単に性能劣化のみならず、断線の仕方によってはスパークの原因になり、滞留ガスに引火して破裂の惨事を誘発することもあった。
スパーク発生のメカニズムは、以下のように考えられる。
従来電池において、全ての負極板に耳切れが発生した状態で、充電電圧が印加されている場合、充電電流は流れないので、耳切れ箇所の上と下の間に電位差が生じる。
電位差が生じている状態で、例えば、電池に振動が加わり、耳切れ箇所の上と下の部分が接触したり、離れたりすると、その瞬間にスパークが発生する。
すなわち、すべての負極板に耳切れが発生するとスパークが発生すると考えられる。
従来電池において、全ての負極板に耳切れが発生した状態で、充電電圧が印加されている場合、充電電流は流れないので、耳切れ箇所の上と下の間に電位差が生じる。
電位差が生じている状態で、例えば、電池に振動が加わり、耳切れ箇所の上と下の部分が接触したり、離れたりすると、その瞬間にスパークが発生する。
すなわち、すべての負極板に耳切れが発生するとスパークが発生すると考えられる。
そこで、上記のような問題点を解決するために、負極板の格子体耳部が腐食断線するのを抑制することを課題とした発明がある。(特許文献1及び特許文献2参照)。
特許文献1の発明は、溶接棚(ストラップ)の下部と耳の接続部分に耳よりも厚い層を設けることにより、溶接棚と耳部の接続を強固にするとともに、その接続部分の耐食性を向上させたものであり、特許文献2の発明は、圧延体を格子の耳とする負極板をストラップにバーニングによって集合溶接するに際し、耳の厚さを1.0mm以上とすることにより、熱履歴領域がストラップからの耳露出領域で横断しないようにして腐食を抑制するものである。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の発明によれば、耳部接続部分や耳の厚さを厚くすることにより、耳部の腐食断線を遅らせることはできるが、複数枚の負極板の耳部接続部分や耳の厚さは同一であるから、すべての負極板で一度に腐食断線(耳切れ)が起こる場合があり、スパークの発生を完全には防止できないという問題点がある。
同様に耳部の厚さに関して、格子部分より肉厚を厚く設定した格子体耳部にストラップが一体化されている鉛蓄電池の発明がある(特許文献3参照)。
特許文献3の発明は、格子体耳部を格子部分より肉厚を厚く設定することにより、キャストオンストラップ時に、格子体耳部が溶断に至るまでの時間が長くなり、ストラップとなる鉛溶湯温度の許容範囲を広くすることができるというものであるが、格子体耳部の肉厚が厚いから、特許文献1及び特許文献2の発明と同様に、耐食性が向上しているとしても、すべての負極板で一度に腐食断線(耳切れ)が起こる場合があり、スパークの発生を完全には防止できないという問題点がある。
また、負極板の材料に関連する発明として、格子体にPb−Ca−Sn合金あるいはPb−Ca合金を用いかつ耳部表面を高濃度のSnを含有するPb−Sn合金層で被覆した負極板の耳部相互を棚部で接続した鉛蓄電池において、負極棚部下面の耳部近傍に、耳部表面を被覆する高濃度のSnを含有するPb−Sn合金層が耳部表面から連なった形で形成されている鉛蓄電池の発明がある(特許文献4参照)。
特許文献4の発明は、負極ストラップと耳部との溶接部にフィレットを持たせ、耳部表面を高濃度のSnを含有するPb−Sn系合金が溶接部を含む耳部表面および負極棚部の下面を広範囲にわたり被覆するため、高温使用環境下における腐食を抑制することができるというものであるが、複数枚の負極板の材料は同一であるから、すべての負極板で一度に腐食断線(耳切れ)が起こる場合があり、スパークの発生を完全には防止できないという問題点がある。
さらに、前記課題を解決する手段として、負極板耳および負極ストラップ全面を耐酸性樹脂で被覆することが公知である(特許文献5参照)。
特許文献5の発明は、負極板耳および負極ストラップ全面が樹脂で被覆されたために、負極板耳表面に被覆された樹脂とストラップ表面に被覆された樹脂とは連続して一体となっており、負極板耳に被覆された樹脂とストラップ下面との間の隙間を防ぐことができ、電解液面が適正範囲の下限よりさらに下方に位置したままで使用される場合に異常腐食を生じる負極板耳のストラップ近傍が電解液や充電時に発生する酸素と完全に反応しなくなるというものであるが、複数枚の負極板耳に同一の耐酸性樹脂を被覆するものであるから、すべての負極板で一度に腐食断線(耳切れ)が起こる場合があり、スパークの発生を完全には防止できないという問題点がある。
また、複数枚の極板格子の額縁に設けた突起に鉛、鉛合金等よりなる導電体を常に接触させ、ストラップのどの部分が破断しても常に導電体により導電される状態に保てるようにしてストラップ破断時のスパーク発生を防止する鉛蓄電池に関する考案がある(特許文献6参照)。
特許文献6(実用新案)の考案は、ストラップ破断時のスパーク発生を防止するものであるが、負極耳切れによりスパークが発生するという問題点を解決するものではなく、また、その問題点を解決するための、格子体耳部の厚さ、負極板の材料について示唆するものではない。
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであって、電解液の減少に伴う負極耳切れが起こっても、スパークが発生しない鉛蓄電池を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討の結果、複数枚の負極板と、その負極板の格子体耳部と一体化するストラップを備えた鉛蓄電池において、複数枚の負極板のうち、少なくとも1枚の負極板を、他の負極板よりも前記格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせるようにしたことにより、他の負極板が耳切れにより脱落した場合、少なくとも1枚の負極板は脱落しないで残り、充電又は放電時に脱落した負極板の破断部が接触しても、前記の脱落しないで残った負極板を経由して電池内部の通電がなされるため、耳切れ部においてスパークが発生しないということを見出し、本発明に至った。
前記格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせるようにした負極板の枚数は、少なくとも1枚であるが、2枚以上の場合には、前記複数枚の負極板(全負極板枚数)の30%以下に相当する枚数とすることにより、他の負極板が脱落した場合には、前記鉛蓄電池を車両に搭載してエンジンを始動しようとしてもできないから、その鉛蓄電池が寿命が尽きたことがわかるというものである。
本発明は、(1)複数枚の負極板と、その負極板の格子体耳部を一体化したストラップを備えた鉛蓄電池において、前記複数枚の負極板のうち、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板を、他の負極板よりも前記格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせるようにしたことを特徴とする鉛蓄電池である(請求項1)。
(2)1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体耳部の厚さを他の負極板の格子体耳部の厚さよりも厚くすることを特徴とする前記(1)に記載の鉛蓄電池である(請求項2)。
(3)厚くする負極板の格子体耳部の厚さが他の負極板の格子体耳部の厚さよりも20〜90%厚いものであることを特徴とする前記(2)に記載の鉛蓄電池である(請求項3)
(4)1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体合金を他の負極板の格子体合金より耐食性に優れたものとすることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一に記載の鉛蓄電池である(請求項4)。
(5)耐食性に優れた負極板の格子体合金を高濃度のSnを含有するPb−Sn系合金又はPb−Ca−Sn系合金とし、他の負極板の格子体合金を前記合金よりも濃度の低いSnを含有するPb−Ca−Sn系合金とすること特徴とする前記(4)に記載の鉛蓄電池である(請求項5)。
(6)1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体耳部を耐酸性樹脂で被覆することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一に記載の鉛蓄電池である(請求項6)。
(2)1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体耳部の厚さを他の負極板の格子体耳部の厚さよりも厚くすることを特徴とする前記(1)に記載の鉛蓄電池である(請求項2)。
(3)厚くする負極板の格子体耳部の厚さが他の負極板の格子体耳部の厚さよりも20〜90%厚いものであることを特徴とする前記(2)に記載の鉛蓄電池である(請求項3)
(4)1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体合金を他の負極板の格子体合金より耐食性に優れたものとすることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一に記載の鉛蓄電池である(請求項4)。
(5)耐食性に優れた負極板の格子体合金を高濃度のSnを含有するPb−Sn系合金又はPb−Ca−Sn系合金とし、他の負極板の格子体合金を前記合金よりも濃度の低いSnを含有するPb−Ca−Sn系合金とすること特徴とする前記(4)に記載の鉛蓄電池である(請求項5)。
(6)1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体耳部を耐酸性樹脂で被覆することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一に記載の鉛蓄電池である(請求項6)。
本発明においては、耳切れ部においてスパークが発生しないから、電池内部の可燃ガスに引火することなく、破損が起こりに難い鉛蓄電池を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を例示する。
本発明において、複数枚の負極板の格子体耳部を合金の棚に一体化してストラップを形成する方式は限定されるものではないが、従来の方式が採用でき、耳部を櫛型に挟んで構成した凹部において、火炎によって足し鉛の合金と耳部の一部を溶解凝固させるバーニング方式や、凹部において足し鉛の合金を溶解した金型に耳部を倒立挿入して固めるキャストオン方式が採用できる。
負極板の格子は、鋳造格子であっても、エキスパンド格子であってもよく、鋳造格子の場合には、格子体の厚さと耳部の厚さは同一であり、通常1.0〜1.8mmであるが、エキスパンド格子の場合には、格子体の方が厚く、格子体は1.1mm程度であり、耳部は0.7〜0.8mmである。
本発明においては、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって全負極板枚数の30%以下に相当する枚数の負極板を、他の負極板よりも前記格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせるために、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって全負極板枚数の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体耳部の厚さを他の負極板の格子体耳部の厚さよりも厚くするものである。
従来電池においては、図1、図3に示すように、ストラップ5と一体化した負極板の格子体耳部4の厚さは同一(例えば、T1=0.8mm)であるが、本発明電池においては、例えば、図2に示すように、1枚の負極板の格子体耳部の厚さを他の負極板の格子体耳部の厚さよりも厚くして、T2/T1=1.3〜1.9とする、すなわち、1枚の格子体耳部の厚さを他の格子体耳部より20〜90%厚くするものであり、40〜70%厚くすることが好ましい。他の格子体耳部が0.8mmの場合、1枚の格子体耳部は1.0〜1.5mmとすることができ、1.1〜1.4mm(例えば、T2=1.1mm、T1=0.8mm)とすることが好ましい。
前記1枚の格子体耳部の厚さを他の格子体耳部の厚さと比べて厚くした比率が20%未満の場合は、他の格子体耳部に比べて厚くした1枚の格子体耳部に耳切れが発生するのを遅らせることができない虞があり、90%を超える場合は、他の格子体耳部と厚くした1枚の格子体耳部の熱容量の差が顕著に大きいために、耳部とストラップを溶接するに際して溶接不良が発生する虞がある。
なお、前記格子体耳部の厚さを厚くした負極板の配置位置は、特に限定されるものではないが、極板のスタッキングがし易い点から極板群の端(最外側)に配置するのが望ましい。
従来電池においては、図1、図3に示すように、ストラップ5と一体化した負極板の格子体耳部4の厚さは同一(例えば、T1=0.8mm)であるが、本発明電池においては、例えば、図2に示すように、1枚の負極板の格子体耳部の厚さを他の負極板の格子体耳部の厚さよりも厚くして、T2/T1=1.3〜1.9とする、すなわち、1枚の格子体耳部の厚さを他の格子体耳部より20〜90%厚くするものであり、40〜70%厚くすることが好ましい。他の格子体耳部が0.8mmの場合、1枚の格子体耳部は1.0〜1.5mmとすることができ、1.1〜1.4mm(例えば、T2=1.1mm、T1=0.8mm)とすることが好ましい。
前記1枚の格子体耳部の厚さを他の格子体耳部の厚さと比べて厚くした比率が20%未満の場合は、他の格子体耳部に比べて厚くした1枚の格子体耳部に耳切れが発生するのを遅らせることができない虞があり、90%を超える場合は、他の格子体耳部と厚くした1枚の格子体耳部の熱容量の差が顕著に大きいために、耳部とストラップを溶接するに際して溶接不良が発生する虞がある。
なお、前記格子体耳部の厚さを厚くした負極板の配置位置は、特に限定されるものではないが、極板のスタッキングがし易い点から極板群の端(最外側)に配置するのが望ましい。
また、本発明においては、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって全負極板枚数の30%以下に相当する負極板の格子体合金を耐食性に優れたものとすることにより、その負極板の格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせることができる。
負極板の格子体合金は、通常Pb−Ca−Sn系合金であり、Caの含有量は0.09wt%程度、Snの含有量は0.3wt%程度である。Snを含有量を増やすと耐食性が良くなるから、1枚の格子体合金を高濃度のSnを含有するPb−Sn系合金、例えば、Snを2.0wt%含有するPb−Sn系合金、あるいは、これに少量のCaを加えた合金とし、他の格子体合金を低濃度のSnを含有する上記Pb−Ca−Sn系合金とすることができる。
負極板の格子体合金は、通常Pb−Ca−Sn系合金であり、Caの含有量は0.09wt%程度、Snの含有量は0.3wt%程度である。Snを含有量を増やすと耐食性が良くなるから、1枚の格子体合金を高濃度のSnを含有するPb−Sn系合金、例えば、Snを2.0wt%含有するPb−Sn系合金、あるいは、これに少量のCaを加えた合金とし、他の格子体合金を低濃度のSnを含有する上記Pb−Ca−Sn系合金とすることができる。
さらに、本発明においては、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって全負極板枚数の30%以下に相当する負極板の格子体耳部を耐酸性樹脂で被覆することにより、その負極板の格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせることができる。
耐酸性樹脂としては、前記特許文献5に記載されているようなエポキシ樹脂等を使用することができる。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
耐酸性樹脂としては、前記特許文献5に記載されているようなエポキシ樹脂等を使用することができる。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
トヨタマークII(エンジン形式3Y、4気筒、排気量2000cc)で定電流電源を用いたエンジン始動試験を行った。
試験条件
搭載電池:5時間率容量28AH(正極板5枚/負極板6枚の鉛蓄電池)
電圧3Vとなる電流680A(2040W)(25℃、3秒目)
試験温度:25℃
搭載電池の電流(電力)とエンジン始動の可否との関係を表1に示す。
試験条件
搭載電池:5時間率容量28AH(正極板5枚/負極板6枚の鉛蓄電池)
電圧3Vとなる電流680A(2040W)(25℃、3秒目)
試験温度:25℃
搭載電池の電流(電力)とエンジン始動の可否との関係を表1に示す。
表1からみて、始動不能となる電流(電力)範囲は185A(555W)以下であり、搭載電池の本来の始動性能の電流(電力)の約27%以下になった場合に始動不能となる。
したがって、この実施例の鉛蓄電池は、負極板枚数が6枚であるから、6枚の27%以下、即ち1枚であれば始動不能となる。
この実施例におけるエンジン始動不能となる最大電流(電力)は、電池本来の始動性能の27%であるが、このパーセンテージは、車両のエンジン排気量、エンジン種類(ガソリン、ディーゼル)、エンジン構造、等によるエンジン始動電流(電力)の違いや、搭載電池の始動性能、始動時温度による始動性能の変動、電池の使用に伴う性能低下、等により変動する。したがって、車両のエンジン始動不能となる電流と搭載電池の始動性能の比は、一概には決定できないが、概ね電池本来の始動性能の30%以下程度であればエンジン始動不能になるといえる。
したがって、この実施例の鉛蓄電池は、負極板枚数が6枚であるから、6枚の27%以下、即ち1枚であれば始動不能となる。
この実施例におけるエンジン始動不能となる最大電流(電力)は、電池本来の始動性能の27%であるが、このパーセンテージは、車両のエンジン排気量、エンジン種類(ガソリン、ディーゼル)、エンジン構造、等によるエンジン始動電流(電力)の違いや、搭載電池の始動性能、始動時温度による始動性能の変動、電池の使用に伴う性能低下、等により変動する。したがって、車両のエンジン始動不能となる電流と搭載電池の始動性能の比は、一概には決定できないが、概ね電池本来の始動性能の30%以下程度であればエンジン始動不能になるといえる。
(1)供試電池
電圧:12V
容量:30AH(5時間率放電時の放電容量)
電池構造:6セル直列接続(12V)構成としたモノブロックタイプの液式電池
セルの構成:正極板5枚/負極板6枚(1セル当たり)
格子体合金:Pb−0.09%Ca−0.5%Sn合金(正極、負極共)
負極板格子体耳部厚さを従来電池と本発明電池とで、以下のとおり変更した。
(a)従来電池:6枚全数とも0.8mmで同一厚さ
(b)本発明電池:1枚を1.1mm、他の5枚を0.8mm
試験個数:本発明電池5個(30セル)、従来電池5個(30セル)
電圧:12V
容量:30AH(5時間率放電時の放電容量)
電池構造:6セル直列接続(12V)構成としたモノブロックタイプの液式電池
セルの構成:正極板5枚/負極板6枚(1セル当たり)
格子体合金:Pb−0.09%Ca−0.5%Sn合金(正極、負極共)
負極板格子体耳部厚さを従来電池と本発明電池とで、以下のとおり変更した。
(a)従来電池:6枚全数とも0.8mmで同一厚さ
(b)本発明電池:1枚を1.1mm、他の5枚を0.8mm
試験個数:本発明電池5個(30セル)、従来電池5個(30セル)
(2)試験条件
試験温度:電池温度70℃(70℃の恒温空気槽内)
充放電パターン:13.7V(制限電流20A)で120H充電後、48時間放置を行
い、これを1サイクルとした。各サイクルの終了時(放置後)に15
0A、3秒間の放電を行った。
電解液面の制御:初期の電解液面は、電池のアッパーレベル(ストラップ下面より上方)
とした。サイクル中の充電時に、24H当たり1回の頻度で電解液面
を観察し、電解液面がストラップ下面から10mm下に達したセルを
対象に、ストラップ下面まで蒸留水で補水した。
判定:各サイクルの終了時(放置後)の放電で、3秒目の電圧を測定し、この電圧が4
V以下となった時点で、寿命が尽きたと判定して試験を終了した。試験終了後、
寿命が尽きた原因を調査するため解体を行った。
試験温度:電池温度70℃(70℃の恒温空気槽内)
充放電パターン:13.7V(制限電流20A)で120H充電後、48時間放置を行
い、これを1サイクルとした。各サイクルの終了時(放置後)に15
0A、3秒間の放電を行った。
電解液面の制御:初期の電解液面は、電池のアッパーレベル(ストラップ下面より上方)
とした。サイクル中の充電時に、24H当たり1回の頻度で電解液面
を観察し、電解液面がストラップ下面から10mm下に達したセルを
対象に、ストラップ下面まで蒸留水で補水した。
判定:各サイクルの終了時(放置後)の放電で、3秒目の電圧を測定し、この電圧が4
V以下となった時点で、寿命が尽きたと判定して試験を終了した。試験終了後、
寿命が尽きた原因を調査するため解体を行った。
(3)試験結果(解体調査結果)
寿命が尽きた電池においては、直列接続した6セルのうち殆どのセルで負極板の耳部腐食破断による耳切れが発生していた。
上記試験条件により試験した結果の負極板の耳切れ発生状況を、表2に示す。
寿命が尽きた電池においては、直列接続した6セルのうち殆どのセルで負極板の耳部腐食破断による耳切れが発生していた。
上記試験条件により試験した結果の負極板の耳切れ発生状況を、表2に示す。
従来電池の場合、30セル中の21セルにおいて一部のセルに耳切れが発生し、4セルにおいて負極板の全数に耳切れが発生していた。
本発明電池の場合には、30セル中の24セルにおいて一部の負極板に耳切れが発生していたが、少なくとも耳部の厚さを1.1mmと厚くした負極板には耳切れが発生しておらず、負極板の全数に耳切れが発生したセルはなかった。
なお、正極板には耳切れは認められなかった。
本発明電池の場合には、30セル中の24セルにおいて一部の負極板に耳切れが発生していたが、少なくとも耳部の厚さを1.1mmと厚くした負極板には耳切れが発生しておらず、負極板の全数に耳切れが発生したセルはなかった。
なお、正極板には耳切れは認められなかった。
従来電池においては、全ての負極板に耳切れが発生する場合があり、その場合、前記のように耳切れ箇所の上と下の間に電位差が生じてスパークが発生するのに対して、本発明電池においては、寿命が尽きた段階で、少なくとも耳部の厚さを厚くした1枚の負極板に耳切れが発生しないから、その負極板を通して充電電流は流れ、耳切れ箇所の上と下の間には殆ど電位差が生じることはなく、電位差に起因するスパークの発生が防止できるものである。
1 極板群
2 セパレータ
3 負極板
4 負極板格子体耳部
5 負極ストラップ
6 負極極柱
7 正極ストラップ
8 正極極柱
T1 1枚の負極板の厚くした格子体耳部の厚さ
T2 他の負極板の格子体耳部の厚さ
2 セパレータ
3 負極板
4 負極板格子体耳部
5 負極ストラップ
6 負極極柱
7 正極ストラップ
8 正極極柱
T1 1枚の負極板の厚くした格子体耳部の厚さ
T2 他の負極板の格子体耳部の厚さ
Claims (6)
- 複数枚の負極板と、その負極板の格子体耳部を一体化したストラップを備えた鉛蓄電池において、前記複数枚の負極板のうち、1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板を、他の負極板よりも前記格子体耳部の耳切れが発生するのを遅らせるようにしたことを特徴とする鉛蓄電池。
- 1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体耳部の厚さを他の負極板の格子体耳部の厚さよりも厚くすることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池。
- 厚くする負極板の格子体耳部の厚さが他の負極板の格子体耳部の厚さよりも20〜90%厚いものであることを特徴とする請求項2に記載の鉛蓄電池。
- 1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体合金を他の負極板の格子体合金より耐食性に優れたものとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
- 耐食性に優れた負極板の格子体合金を高濃度のSnを含有するPb−Sn系合金又はPb−Ca−Sn系合金とし、他の負極板の格子体合金を前記合金よりも濃度の低いSnを含有するPb−Ca−Sn系合金とすることを特徴とする請求項4に記載の鉛蓄電池。
- 1枚の負極板、又は、2枚以上の負極板であって前記複数枚の負極板の30%以下に相当する枚数の負極板の格子体耳部を耐酸性樹脂で被覆することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の鉛蓄電池。
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JP2003301343A JP2005071852A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | 鉛蓄電池 |
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JP2003301343A JP2005071852A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | 鉛蓄電池 |
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