JP2005071676A - 燃料電池電解質内の含水状態測定装置および測定方法 - Google Patents

燃料電池電解質内の含水状態測定装置および測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質膜の面内方向の湿潤状態を測定することができる燃料電池電解質内の含水状態測定装置および測定方法の提供。
【解決手段】(1)発電中の燃料電池の電解質内の測定対象物質の情報を取得するMRI2を備えた燃料電池電解質内の含水状態測定装置1とその測定方法。(2)測定対象物質は水である。(3)MRI2は1.5テスラ以上の静磁場強度を有している。(4)燃料電池10はその電解質面がMRI2の静磁場の磁力線が走る方向と直交するように静磁場内にセットされる。(5)測定対象物質と同材質で電解質11と同厚の基準9を有する。(6)燃料電池を固定する固定治具8を有する。(7)送電線や配管のディテクタ内部分をMRI静磁場方向と直交するように配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池電解質内の測定対象物質である水分含水状態、湿潤状態を測定する測定装置および測定方法に関する。
固体高分子型燃料電池の性能は、電解質膜の湿潤状態によって大きく左右される。したがって、燃料電池の性能を上げる研究、セパレータの流路設計、新たな電解質膜の性能テストにおいては、発電中の電解質膜の湿潤状態を測定することが必要になる。
特開平07−282832号公報は、固体高分子型燃料電池の電解質膜の含水率を測定する方法を開示している。そこでは、基準電極を電解質膜に接触させ、基準電極とアノード側セパレータおよびカソード側セパレータとの電圧、電流を測定して電解質膜の湿潤状態を求めている。
しかし、特開平07−282832号公報の電圧、電流値による方法では、電解質膜の全体としての湿潤度が求まるだけで、電解質膜の面内方向の湿潤分布を求めることができないという問題がある。また、基準電極を配置するため、セル積層状態での測定が困難であるという問題もある。
特開平07−282832号公報
本発明が解決しようとする問題点は、従来の測定方法では電解質膜の面内方向の湿潤状態の測定が困難であるという問題点である。
本発明の目的は、電解質膜の面内方向の湿潤状態を測定することができる燃料電池電解質内の含水状態測定装置および測定方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、また、上記目的を達成する本発明は、つぎのとおりである。
(1)発電中の燃料電池の電解質内の測定対象物質の情報を取得するMRI(磁気共鳴画像、Magnetic Resonance Imaging 、以下、MRI という)を備えた燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(2)前記測定対象物質は電解質を湿潤している水である(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(3)前記MRIは1.5テスラ以上の静磁場強度を有している(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(4)前記燃料電池はその電解質面が前記MRIの静磁場の磁力線が走る方向と直交するように前記静磁場内にセットされる(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(5)前記静磁場内にセットされる、前記測定対象物質と同材質で前記電解質と同厚の基準を有する(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(6)前記燃料電池を固定する固定治具を有する(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(7)前記燃料電池のガス供給、排出管のディテクタ内部分を、前記MRIの静磁場方向に直交するように配置した(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(8)前記燃料電池に接続される送電線のディテクタ内部分を、前記MRIの静磁場方向に直交するように配置した(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(9)前記燃料電池に接続される送電線のディテクタ内部分を、非導電材料で被覆した(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(10)前記燃料電池に接続される送電線のディテクタ内部分を同軸ケーブルから構成した(1)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(11)前記燃料電池とそれに接続される送電線との連結部を非導電材料のカバーで覆った(8)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
(12)発電中の燃料電池の電解質内の湿潤状態をMRIにより測定する燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
(13)前記MRIは1.5テスラ以上の静磁場強度を有している(12)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
(14)前記燃料電池をその電解質面が前記MRIの静磁場の磁力線が走る方向と直交するように前記静磁場内にセットする(12)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
(15)前記測定対象物質と同材質で前記電解質と同厚の基準を前記静磁場内にセットして同時に測定を行い、基準の測定データと対比して前記電解質内の測定対象物質の量を求める(12)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
(16)前記燃料電池を固定治具で固定して測定を行う(12)記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
上記(1)、(2)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置および上記(12)の燃料電池電解質内の含水状態測定方法によれば、MRIによる測定のため、電解質膜面内方向の湿潤分布を測定できる。
MRIは、強い静磁場中に水素原子核(プロトン)を置くと一斉に縦方向に整列し、RF(Resonance Frequency 、共鳴)コイルから一定の周波数の電磁波を当てるとプロトンが横向きに倒れ、電磁波を切ると、電磁波を出しながらプロトンが元の状態に緩和していき、その電磁波をRFコイルでとらえて緩和の速度を画像の白黒に反映させる方法であり、医療用などで体内のプロトンを測定することに用いられている。MRIでは、傾斜磁場の併用によって静磁場方向と直交する方向の位置の湿潤状態もわかる。
本発明はこれを燃料電池の電解質中の水分布に用いたものである。
ただし、反応中(発電中)の燃料電池の電解質膜の湿潤測定では、
(イ)電解質膜面内方向の湿潤度測定では、カーボン拡散層でのシールド(信号減衰)効果を避けなければならない、
(ロ)磁場の中で発電するためにフレミングの左手則の力が発生し、磁場中の被試験物(燃料電池)が移動するので、被試験物(「被検体」ともいう)が移動しないように被試験物を固定する必要がある、
(ハ)湿潤度100%が何かを特定する必要があり、それとの比較で電解質膜中の湿潤度を求める必要がある、
(ニ)燃料電池に接続される送電線(燃料電池の外部回路を構成する送電線)を流れる電流によって生じる磁場によるMRI静磁場の乱れや、燃料電池に供給、排出される反応ガスのガス供給、排出管(ステンレス管、ステンレスは非磁性体ではあるが少しは磁性される)によるMRI静磁場の乱れを、抑えて明瞭な画像が得られるようにする必要がある、などの条件を満足しなければならない。
上記(3)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置および上記(13)の燃料電池電解質内の含水状態測定方法によれば、磁場の強さが適切になり、鮮明な画像を得ることができた。
上記(4)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置および上記(14)の燃料電池電解質内の含水状態測定方法によれば、燃料電池はその電解質面がMRIの静磁場の磁力線が走る方向と直交するように静磁場内にセットされるので、拡散層でのシールド効果を小さくでき、上記(イ)の条件を満足することができた。これに対し、電解質膜面と静磁場の磁力線が走る方向とが平行の場合は画像が得られない。
上記(5)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置および上記(15)の燃料電池電解質内の含水状態測定方法によれば、湿潤度がわかっている基準を設けてそれとの比較で電解質膜中の湿潤度を求めたので、電解質膜中の湿潤度を定量的に求めることができる。これによって、上記(ハ)の条件を満足することができた。
上記(6)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置および上記(16)の燃料電池電解質内の含水状態測定方法によれば、固定手段を設けたので、MRI中の被試験物の移動を止めることができる。これによって、上記(ロ)の条件を満足することができた。
上記(7)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置によれば、燃料電池のガス供給、排出管のディテクタ(「ディテクタ」は「RFコイル」ともいう)内部分を、前記MRIの静磁場方向に直交するように配置したので、ガス供給、排出管によるMRI静磁場の乱れを抑えることができ、明瞭な画像が得られる。これによって、上記(ニ)の条件を満足することができた。
上記(8)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置によれば、燃料電池に接続される送電線のディテクタ内部分を、MRIの静磁場方向に直交させて配置したので、送電線に電流が流れた時に送電線のまわりに生じる磁場によるMRI静磁場の乱れを抑えることができ、明瞭な画像が得られる。これによって、上記(ニ)の条件を満足することができた。
上記(9)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置によれば、送電線のディテクタ内部分を、非導電材料(たとえば、プラスチック)で被覆したので、送電線に電流が流れた時に送電線のまわりに生じる磁場によるMRI静磁場の乱れを抑えることができ、明瞭な画像が得られる。これによって、上記(ニ)の条件を満足することができた。
上記(10)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置によれば、送電線のディテクタ内部分を同軸ケーブルから構成したので、送電線のまわりに生じる磁場とMRI静磁場との干渉を効果的に抑制でき、送電線によるMRI静磁場の乱れを効果的に抑えることができ、明瞭な画像が得られる。これによって、上記(ニ)の条件を満足することができた。
上記(11)の燃料電池電解質内の含水状態測定装置によれば、燃料電池とそれに接続される送電線との連結部を非導電材料のカバーで覆ったので、連結部に電流が流れた時に連結部のまわりに生じる磁場によるMRI静磁場の乱れを抑えることができ、明瞭な画像が得られる。これによって、上記(ニ)の条件を満足することができた。
以下に、本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定装置および燃料電池電解質内の含水状態測定方法を、図1〜図7を参照して説明する。
まず、燃料電池の構造を説明する。燃料電池10は、たとえば、固体高分子型燃料電池からなる。固体高分子電解質型燃料電池10は、図6、図7に示すように、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly )とセパレータ18との積層体からなる。膜−電極アッセンブリは、イオン交換膜からなる電解質膜11と、この電解質膜の一面に配置された触媒層12からなる電極(アノード、燃料極)14および電解質膜11の他面に配置された触媒層15からなる電極(カソード、空気極)17とからなる。膜−電極アッセンブリとセパレータ18との間には、アノード側、カソード側にそれぞれ拡散層13、16が設けられる。
MEAをセパレータ18で挟んで単セル19を構成し、1以上のセル19からモジュールを構成する。モジュールを積層してセル積層体とし、セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル20、インシュレータ21、エンドプレート22を配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びる締結部材(たとえば、テンションプレート24)、ボルト・ナット25にて固定して、スタック23を構成する。
各セル19の、アノード側では、水素を水素イオン(プロトン)と電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオンおよび電子(隣りのMEAのアノードで生成した電子がセパレータを通してくる、またはセル積層方向一端のセルのアノードで生成した電子が外部回路を通して他端のセルのカソードにくる)から水を生成する反応が行われ、かくして発電が行われる。
アノード側:H2 →2H+ +2e-
カソード側:2H+ +2e- +(1/2)O2 →H2
プロトンが電解質膜11中を移動するには、電解質膜11が適度に湿潤していることが必要である
セパレータ18は、カーボンセパレータ、またはメタルセパレータ、またはメタルセパレータと樹脂フレームとの組合せ、または導電性樹脂セパレータなどの何れかからなる。図示例はセパレータ18がカーボンセパレータの場合を示しているが、セパレータ18はカーボンセパレータに限るものではない。
セパレータ18には、アノードに燃料ガス(水素)を供給するための燃料ガス流路27、カソードに酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための酸化ガス流路28からなる反応ガス流路27、28と、反応ガス流路27、28の背面に、冷媒(通常、冷却水)を流すための冷媒流路26が形成されている。
冷媒流路26、ガス流路27、28は、凹凸するセパレータ18表面の凹部(たとえば、凹溝)から形成されている。
燃料電池の性能は、電解質膜11の湿潤度、湿潤分布によって左右されるので、燃料電池の性能を改善するには、反応中(発電中)の電解質膜11の湿潤状態を測定する必要がある。また、新たな電解質膜素材が開発されたときには、その膜の湿潤性能状を知る必要がある。また、燃料ガス流路27、酸化ガス流路28の設計にも、反応中(発電中)の電解質膜11の湿潤状態を測定する必要がある。電解質膜11の湿潤状態の測定は、単セルまたはスタックの状態で行われる。
本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定装置1は、図1 に示すように、被試験物(「被検体」ともいう)である発電中の燃料電池10の電解質11内の測定対象物質の情報を取得するMRI(磁気共鳴画像、Magnetic Resonance Imaging )2を備えている。
MRI2は、コイルに電流が流れたときにコイル内に静磁場を作るMRI本体3(一定電流が流れるコイル)と、その内側に配置されMRI静磁場と直交する方向に高周波電磁波を生じるRFコイル4(MRI本体コイルとは別コイルで、高周波電流が流れるコイル、「ディテクタ」ともいう)と、画像処理用の制御用コンピュータ5と、RFコイル4とコンピュータ5とを接続する制御線6とを、有する。MRI本体3は静磁場コイルの他に、傾斜磁場をかけるコイルを、本体コイル3とRFコイル4との間に、有している。傾斜磁場によって静磁場と直交する方向の測定位置がわかる。
単セル19またはモジュールまたは複数セルの積層体またはスタック23からなる被試験物の燃料電池10は、RFコイル4の内側に配置される。燃料電池10とRFコイル4は、プレート7上に置かれる。
被試験物の燃料電池10の大きさは、実車搭載用のセル19の湿潤分布を測定することができる大きさであるから約20cm四角以上である。また、磁場の中に置くので、非磁性体とされる。
固体高分子型燃料電池の場合、測定対象物質は電解質を湿潤している水である。
静磁場に置かれたときに水の水素原子核(プロトン)は静磁場方向に整列してすりこぎ運動(回転運動)をする。このすりこぎ運動の周波数と同じ周波数の電磁波をRFコイル4で与えることによってプロトンは約90度方向に傾く。RFコイル4からの電磁波を切るとプロトンはエネルギーを放出しながら元の状態に戻っていくが、その時にプロトンが放出するエネルギー(信号)をRFコイル(ディテクタ)4で受け、制御線5を介して制御用コンピュータ5に送る。制御用コンピュータ5は、その信号に基づいて、画像処理し、水分分布(湿潤分布)の画像を作成する。測定位置の電解質膜面内方向位置は、静磁場方向と傾斜磁場方向との交差位置からわかる。
また、スタック23の各セル19の電解質膜11の湿潤度を測定するには、RFコイル4の制御によって、測定位置を順次、セル積層方向に変えるようにする。
MRI2は1.5テスラ以上の静磁場強度を有している。この磁場強度によって、鮮明な画像が得られる。
燃料電池10は、その電解質膜11の面がMRI2の静磁場の磁力線が走る方向と直交するように、静磁場内にセットされる。これによって、拡散層のシールド効果を最小にすることができる。ちなみに、電解質膜11の面がMRI2の静磁場の磁力線が走る方向と平行な場合は、拡散層によるシールド効果が大きく、画像が得られない。
静磁場内には、基準9がセットされる。基準9は、測定対象物質(純水)と同材質で、電解質膜11と同厚である。基準9と燃料電池電解質膜11を同時に測定することにより、基準9の水分を100%とした時の電解質膜11の湿潤度を求めることができ、基準9との比較で、電解質膜11の湿潤度を定量的に求めることができる。
含水状態測定装置1は、燃料電池10を固定する固定治具8を有する。固定治具8は燃料電池10をセル面と直交する方向に燃料電池の両側から支持する。燃料電池10を発電状態で測定するために、静磁場に置いた燃料電池10にはフレミングの左手則にしたがう力がかかるが、固定治具8で固定しているために、燃料電池10は移動しない。
図2に示すように、燃料電池10には、燃料ガス(水素)供給、排出配管31と、酸化ガス(酸素を含むガス、たとえばエア)供給、排出配管32が接続される。ガス供給、排出配管31、32は、たとえばステンレス配管からなる。ステンレスは非磁性体ではあるが、微量には磁性成分を有している。この微量磁性成分によって、MRI2の静磁場に乱れがほとんど起こらないようにするために、ガス供給、排出管31、32のディテクタ(RFコイル)4内に配置される部分は、MRI2の静磁場方向に直交するように配置される。
同様に、燃料電池10には、送電線33(燃料電池の外部回路を構成する送電線)が接続される。送電線33は、図2に示すように、たとえば、銅線34を非導電材(ゴム、プラスチックなど)で被覆35したものからなる。銅線34に燃料電池の出力直流電流が流れると、銅線34まわりに磁場が生成される。この銅線34まわりの磁場によってMRI2の静磁場に乱れがほとんど起こらないようにするために、送電線33のディテクタ4内に配置される部分は、MRI2の静磁場方向に直交するように配置される。
送電線33が静磁場に平行か直交かによる画像への影響を見るために、図5の(ハ)のように、MR1中に裸銅線34を配置し、燃料電池の電流を模擬するために、それに電池36と電球37を直列に接続した。銅線34の下方に水を入れたケースを配置し、MRIにより画像をとった。銅線34を磁場に平行に置いた場合には、銅線34を流れる電流による生成磁場の影響によって、図5の(イ)に示すように、水を入れたケースの画像が得られなかったのに対し、銅線34を磁場に直交に置いた場合には、図5の(ロ)に示すように、水を入れたケースの画像が得られた。図5の(ロ)において、銅線は画面と直交する方向に延びる。これによって、送電線33が静磁場に直交するように配置することがよいことを確認することができた。
燃料電池に接続される送電線33のディテクタ内部分の導電芯線(たとえば、銅線34)を、非導電材料の被覆材35で被覆する場合に、被覆材35の外径を銅線34の径の10倍以上とすることが望ましい。被覆材35の外径と銅線34の径の比を大きくするほど、銅線34を流れる電流によるMRI2の静磁場の乱れが少なくなり、鮮明なMRI画像が得られる。
さらに望ましくは、図4に示すように、送電線33のディテクタ4内部分が、同軸ケーブル(アンテナなどに使われる線で、銅線34などの芯線をゴム、樹脂材、布など非導電材39で巻きその外周を導電材40の網材などで芯線に同軸状に巻き、さらにその外周を非導電材41で巻いたケーブル)から構成される。送電線33のディテクタ4内部分を同軸ケーブルから構成した場合は、芯線に同軸状に巻いた導電材によって、送電線のまわりに生じる磁場とMRI静磁場との干渉を効果的に抑制でき、送電線33に電流を流した時のMRI静磁場の乱れを効果的に抑えることができ、明瞭な画像が得られる。これによって、上記(ニ)の条件を満足することができた。
同様に、図2に示すように、被検体の燃料電池10とそれに接続される送電線33との連結部(裸の導電部で、MRI2内にある)を、それを通る電流による、MRI2の静磁場の乱れを少なくするために、非導電材料のカバー(電極カバー)38で覆うことが望ましい。
つぎに、上記装置を用いて実行される本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定方法を説明する。該含水状態測定方法は、上記装置の作用、効果でもある。
該含水状態測定方法は、発電中の燃料電池10の電解質11内の湿潤状態をMRI2により測定する方法からなる。MRIによる測定のため、電解質膜11の面内方向の湿潤度を求めることができ、湿潤分布も分かる。
MRI2は1.5テスラ以上の静磁場強度を有しているため、画像を得るに十分な信号が得られる。1.5テスラより小の場合は、プロトンのすりこぎ運動が弱くなり、RFコイルの高周波電流を止めた場合のプロトンが元の状態に戻る(緩和)時に出す信号が弱くなり、十分に鮮明な画像が得られなくなる。
燃料電池10をその電解質面がMRIの静磁場の磁力線が走る方向と直交するように静磁場内にセットして測定を行うので、拡散層やセパレータによるシールド(信号減衰)効果が少なくなり、画像をとることができるようになる。これによって、燃料電池電解質膜11の湿潤状態の測定が可能になる。単にMRI内に燃料電池を置いた場合には、測定不可能である。
また、測定対象物質(水)と同材質で電解質11と同厚の基準9(プラスチックの容器に純水を封入したもので、純水層の厚さが電解質(膜)11と同じとしたもの)をMRI静磁場内にセットして、燃料電池電解質膜11と同時に湿潤度測定を行ったので、湿潤度100%の基準9の測定データと燃料電池電解質膜11のデータとを対比することにより、電解質11内の湿潤度を求めることができ、定量的に電解質11内の湿潤度を求めることができる。
また、燃料電池10を固定治具8で固定して測定を行うので、MRI静磁場内に置かれた燃料電池10に燃料電池発電中にフレミングの左手則に従う電磁力がかかっても、燃料電池10は移動しない。したがって、安定して、測定を行うことができる。
また、送電線33や配管31、32を、MRI静磁場方向に直交するように、ディテクタ4内に配置し、かつ、送電線の被覆材35も銅線34の径の10倍以上の径として、被検体の燃料電池10のMRI測定を行ったので、静磁場の乱れが少ない、良好なMRI画像が得られた。
本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定装置(本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定方法を実施する装置)の斜視図である。 本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定装置(本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定方法を実施する装置)のディテクタ内側の計測用単セル、送電線、ガス供給、排出配管の平面図である。 送電線の拡大断面図である。 送電線が同軸ケーブルである場合の送電線の拡大断面図である。 銅線の配置方向によるケース内水の画像の乱れを示し、(イ)は静磁場に平行に銅線を入れた場合に銅線を流れる電流の磁場によって静磁場が乱れて水を入れたケースが画像となって見えない場合の画像図であり、(ロ)は静磁場に直交する方向に銅線を入れた場合に水を入れたケースが画像となって見える場合の画像図であり、(ハ)はその試験の回路図である。 本発明の燃料電池電解質内の含水状態測定が適用可能な燃料電池の側面図である。 図6の燃料電池の一部の断面図である。
符号の説明
1 燃料電池電解質内の含水状態測定装置
2 MRI(磁気共鳴画像、Magnetic Resonance Imaging )
3 MRI本体
4 RFコイル(ディテクタ)
5 制御用コンピュータ
6 制御線
7 プレート
8 固定治具
9 基準
10 (固体高分子電解質型)燃料電池
11 電解質膜(電解質)
12 触媒層
13 拡散層
14 電極(アノード、燃料極)
15 触媒層
16 拡散層
17 電極(カソード、空気極)
18 セパレータ
19 セル(1セルで1モジュールを構成する場合は、セル、モジュール)
20 ターミナル
21 インシュレータ
22 エンドプレート
23 スタック
24 締結部材(テンションプレート)
25 ボルト
26 冷媒流路
27 燃料ガス流路
28 酸化ガス流路
31 燃料ガス(水素)供給、排出配管
32 酸化ガス(酸素を含むガス、たとえばエア)供給、排出配管
33 送電線
34 銅線
35 被覆(被覆材)
36 電池
37 電球
38 カバー(電極カバー)
39、41 非導電材
40 導電材

Claims (16)

  1. 発電中の燃料電池の電解質内の測定対象物質の情報を取得するMRIを備えた燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  2. 前記測定対象物質は電解質を湿潤している水である請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  3. 前記MRIは1.5テスラ以上の静磁場強度を有している請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  4. 前記燃料電池はその電解質面が前記MRIの静磁場の磁力線が走る方向と直交するように前記静磁場内にセットされる請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  5. 前記静磁場内にセットされる、前記測定対象物質と同材質で前記電解質と同厚の基準を有する請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  6. 前記燃料電池を固定する固定治具を有する請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  7. 前記燃料電池のガス供給、排出管のディテクタ内部分を、前記MRIの静磁場方向に直交するように配置した請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  8. 前記燃料電池に接続される送電線のディテクタ内部分を、前記MRIの静磁場方向に直交するように配置した請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  9. 前記燃料電池に接続される送電線のディテクタ内部分の銅線を、非導電材料で被覆した請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  10. 前記燃料電池に接続される送電線のディテクタ内部分を同軸ケーブルから構成した請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  11. 前記燃料電池とそれに接続される送電線との連結部を非導電材料のカバーで覆った請求項1記載の燃料電池電解質内の含水状態測定装置。
  12. 発電中の燃料電池の電解質内の湿潤状態をMRIにより測定する燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
  13. 前記MRIは1.5テスラ以上の静磁場強度を有している請求項12記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
  14. 前記燃料電池をその電解質面が前記MRIの静磁場の磁力線が走る方向と直交するように前記静磁場内にセットする請求項12記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
  15. 前記測定対象物質と同材質で前記電解質と同厚の基準を前記静磁場内にセットして同時に測定を行い、基準の測定データと対比して前記電解質内の測定対象物質の量を求める請求項12記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
  16. 前記燃料電池を固定治具で固定して測定を行う請求項12記載の燃料電池電解質内の含水状態測定方法。
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CN111060655A (zh) * 2019-12-28 2020-04-24 安徽正熹标王新能源有限公司 一种电池生产线用电解液抽检装置

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