JP2005066702A - Cutting tool - Google Patents

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JP2005066702A
JP2005066702A JP2003208338A JP2003208338A JP2005066702A JP 2005066702 A JP2005066702 A JP 2005066702A JP 2003208338 A JP2003208338 A JP 2003208338A JP 2003208338 A JP2003208338 A JP 2003208338A JP 2005066702 A JP2005066702 A JP 2005066702A
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Tomohiro Kondo
智浩 近藤
Kimio Nishimura
公男 西村
Yutaka Mabuchi
豊 馬渕
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To solve the problem that fouling and galling at the sliding part are caused by the deposition of chips to grease applied between a tool holder and a slider in a conventional cutting tool, and that in addition to it, the maintenance has to be frequently executed. <P>SOLUTION: The cutting tool, which is used under lubricating oil to be supplied in the form of mist, is provided with the slider 7 as a moving body coming into sliding contact with the tool holder 2. A hard carbon film is formed to at least either of the sliding contact faces of the tool holder 2 and the slider 7. Accordingly, the friction at the sliding contact part is significantly reduced. The occurrence of the fouling and galling caused by the chips is prevented beforehand by eliminating the grease. <P>COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製部材の切削加工に用いる切削工具に関し、とくに、工具ホルダに対して摺動接触する移動体を備えた切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動体を備えた切削工具としては、例えば、エンジンのシリンダブロックの製造において、バルブのステムガイド穴とバルブのシートリングの仕上げ加工に用いるものがある。この切削工具は、工具保持具と呼ばれるもので、工具ホルダに、ステムガイド穴を加工するためのガンリーマと、シートリングを加工するためのバイトを備えており、ミスト状にして供給される潤滑油下において、ステムガイド穴とシートリングを同時に加工することで、双方を高精度に得るものである。ここで、バイトは、シートリングに角度の異なる面を加工するために、工具ホルダに対して摺動接触するスライダ(移動体)に設けてあり、工具ホルダとの摺動接触面にグリスを塗布することで潤滑性を確保していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したような従来の切削工具では、工具ホルダとスライダの間にグリスを塗布していたため、このグリスに切屑が付着し、摺動部分の汚れやかじりが生じるほか、グリスが劣化することからメンテナンスを頻繁に行わねばならないという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、工具ホルダと移動体の摺動接触部分における摩擦を大幅に低減することができ、グリスを廃止し得る切削工具を提供することを目的としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の切削工具は、ミスト状にして供給される潤滑油下において用いる切削工具であって、工具ホルダに対して摺動接触する移動体を備えており、工具ホルダ及び移動体の少なくとも一方の摺動接触面に硬質炭素被膜を形成したことを特徴としており、摺動接触面の硬度を充分に高いものにして、摩擦の大幅な低減を実現する。
【0006】
【発明の効果】
本発明の切削工具によれば、工具ホルダと移動体の摺動接触部分における摩擦を大幅に低減することができると共に、長期にわたって円滑な動作を実現することができ、また、グリスを廃止することが可能となり、切屑の付着による汚損やかじりを未然に防止して、実質的にメンテナンスフリーにすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において「%」は、特記しない限り質量百分率を示すものとする。
【0008】
図1(a)に示す切削工具1は、工具保持具と呼ばれるものであって、自動車のシリンダヘッドCHの製造において、図示しないバルブのステムガイド穴Gと、同バルブのシートリングRを同時に仕上げ加工するものである。この切削工具1は、中空状の工具ホルダ2の内側に、ステムガイド穴Gを加工するガンリーマAを案内するためのガイドブッシュ3と、先端に円筒部材4を連結した中空状の回転軸5と、回転軸5に摺動可能に挿設した進退ロッド6を互いに同軸状に備えている。そして、ガンリーマAの基端部(図示略)を進退ロッド6の先端に連結し、図示しない加工装置の主軸ヘッドに装着されて全体的に回転する。
【0009】
また、切削工具1は、工具ホルダ2の側部に、工具ホルダ2に対して摺動接触する移動体としてのスライダ7を備えている。スライダ7は、工具ホルダ2の軸線方向に対して斜め方向に往復移動可能であり、円筒部材4に対して摺動自在に挿設したスライドピン8を備えると共に、工具先端側に、リテーナ9を介して、シートリングRを加工するバイトBが設けてあり、さらに、図1(b)に示すように、工具ホルダ2に固定した一対の摺動部材10a,10bの間に設けてあると共に、一方の摺動部材10aとの接触面を波状としている。
【0010】
上記のスライダ7は、回転軸5を図示の状態から後退させると、円筒部材4とスライドピン8との摺動を伴って、工具ホルダ2に対して後退し、回転軸5の前進とともに前進する。つまり、スライダ7は、シートリングRに角度の異なる面を加工する際に、回転軸5の前後進に連動してリテーナ9及びバイト8を伴って移動し、シートリングRに対するバイトBの位置を変更する。この際、スライダ7は、上記の摺動部材10a,10bを含む工具ホルダ2に対して摺動接触することとなる。
【0011】
そこで、当該切削工具1では、工具ホルダ2及びスライダ7の少なくとも一方の摺動接触面に硬質炭素被膜を形成し、これにより、摺動接触面の硬度を充分に高いものにして摩擦の大幅な低減を実現し、従来使用していたグリスを廃止し得るものとなる。また、硬質炭素被膜を形成した実施例と同被膜を形成していない従来例において、双方の摺動接触面の摩擦抵抗を測定したところ、図2に示すように、本発明の実施例では明らかな摩擦抵抗の低減効果が得られた。
【0012】
硬質炭素薄膜は、各種PVD法、具体的には、アーク式イオンプレーティング法により形成したDLC薄膜(ダイヤモンドライクカーボン薄膜)であることが望ましい。このDLC薄膜は、炭素元素を主として構成された非晶質のものであり、具体的には、炭素元素だけから成るa−C(アモルファスカーボン)、水素を含有するa−C:H(水素アモルファスカーボン)、及びチタン(Ti)やモリブデン(Mo)等の金属元素を一部に含むMeC(メタルカーボン又は金属炭化物)が挙げられるが、大幅な摩擦低減効果を発揮させる観点から、水素含有量が少ないものほど好ましく、水素原子の含有量が10.0原子%以下、より好ましくは水素原子の含有量が1.0原子%以下、さらには水素を含まないa−C系(アモルファスカーボン系)材料を好適に用いることができ、さらには、膜厚を0.3〜1.5μmとするのが好ましい。
【0013】
ここで、工具ホルダ及びスライダの基材の表面粗さ、すなわち、硬質炭素薄膜の被覆前における摺動接触面の表面粗さがRaで0.08μmを超えると、硬質炭素薄膜表面の粗さに起因する突起部が摺動相手との局所的な接触面積を増大させて皮膜の割れを誘発してしまうことから、硬質炭素薄膜の被覆前における摺動接触面の表面粗さをRaで0.08μm以下とすることが好ましく、より好ましくは硬質炭素薄膜の被覆前における摺動接触面の表面粗さをRaで0.03μm以下とする。また、硬質炭素薄膜が未成形(未形成)である誘導(摺動の誤記)接触面の表面粗さをRaで0.08μm以下とすることも、上記した皮膜の割れを防止するうえで有効である。
【0014】
次に、本発明の切削工具に用いる潤滑油組成物について詳細に説明する。この潤滑油組成物は、潤滑油基油に、エステル系化合物及びアミン系化合物の少なくとも一方、より具体的には、脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の少なくとも一方を含有させて成る。
【0015】
上記潤滑油基油としては特に限定されるものではなく、鉱油、合成油、油脂及びこれらの混合物など、潤滑油組成物の基油として通常使用されるものであれば、種類を問わず使用することができる。
【0016】
鉱油として、具体的には、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系又はナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が使用でき、溶剤精製、水素化精製処理したものが一般的であるが、芳香族分をより低減することが可能な高度水素化分解プロセスやGTL Wax(ガス・トウー・リキッド・ワックス)を異性化した手法で製造したものを用いることがより好ましい。
【0017】
合成油としては、具体的には、ポリ−α−オレフィン(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等)、ポリ−α−オレフィンの水素化物、イソブテンオリゴマー、イソブテンオリゴマーの水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジオクチルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、トリメチロールプロパンイソステアリネート等のトリメチロールプロパンエステル;ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のペンタエリスリトールエステル)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。中でも、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリ−α−オレフイン又はその水素化物が好ましい例として挙げられる。
【0018】
本発明の切削工具に用いる潤滑油組成物の基油は、鉱油系基油又は合成系基油を単独又は混合して用いる以外に、2種類以上の鉱油系基油又は2種類以上の合成系基油の混合物であっても差し支えない。また、上記混合物における2種類以上の基油の混合比も特に限定されず任意に選ぶことができる。
【0019】
潤滑油基油中の硫黄分について、特に制限はないが、基油全量基準で、0.2%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下、さらには0.05%以下であることが好ましい。特に、水素化精製鉱油や合成系基油の硫黄分は、0.005%以下、あるいは実質的に硫黄分を含有していない(5ppm以下)ことから、これらを基油として用いることが好ましい。
【0020】
また、潤滑油基油中の芳香含有量についても、特に制限はないが、切削工具用潤滑油組成物として長期間低摩擦特性を維持するためには、全芳香族含有量が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらには5%以下であることが好ましい。即ち、潤滑油基油の全芳香族含有量が15%を超える場合には、酸化安定性が劣るため好ましくない。
【0021】
なお、ここで言う全芳香族含有量とは、ASTM D2549に規定される方法に準拠して測定される芳香族留分(aromatics fraction)含有量を意味している。
【0022】
潤滑油基油の動粘度にも、特に制限はないが、切削工具用潤滑油組成物として使用する場合には、100℃における動粘度が2mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは3mm/s以上である。一方、その動粘度は、20mm/s以下であることが好ましく、10mm/s以下、特に8mm/s以下であることが好ましい。100℃における潤滑油基油の動粘度が2mm/s未満である場合には、充分な耐摩耗性が得られないのに加えて、蒸発特性が劣る可能性があるため好ましくない。一方、100℃における潤滑油基油の動粘度が20mm/sを超える場合には、低摩擦性能を発揮しにくく、低温性能が悪くなる可能性があるため好ましくない。本発明の切削工具においては、上記基油の中から選ばれる2種以上の基油を任意に混合した混合物等が使用でき、100℃における動粘度が上記の好ましい範囲内に入る限りにおいては、基油単独の動粘度が上記以外のものであっても使用可能である。
【0023】
また、潤滑油基油の粘度指数にも、特別な制限はないが、80以上であることが好ましく、100以上であることがさらに好ましく、特に切削工具用潤滑油組成物として使用する場合には、120以上であることが好ましい。潤滑油基油の粘度指数を高めることでよりオイル消費が少なく、低温粘度特性等に優れた切削工具用潤滑油組成物を得ることができる。
【0024】
上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤としては、炭素数6〜30、好ましくは炭素数8〜24、特に好ましくは炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状炭化水素基を有する脂肪酸エステル、脂肪酸アミン化合物、及びこれらの任意混合物を挙げることができる。炭素数が6〜30の範囲外のときは、摩擦低減効果が充分に得られない可能性がある。
【0025】
炭素数6〜30の直鎖状又は分枝状炭化水素基としては、具体的には、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基等のアルキル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基等のアルケニル基などを挙げることができる。なお、上記アルキル基及びアルケニル基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造が含まれ、また、アルケニル基における二重結合の位置は任意である。
【0026】
また、上記脂肪酸エステルとしては、かかる炭素数6〜30の炭化水素基を有する脂肪酸と脂肪族1価アルコール又は脂肪族多価アルコールとのエステルなどを例示でき、具体的には、グリセリンモノオレート、グリセリンジオレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレートなどを特に好ましい例として挙げることができる。
【0027】
上記脂肪族アミン化合物としては、脂肪族モノアミン又はそのアルキレンオキシド付加物、脂肪族ポリアミン、イミダゾリン化合物等、及びこれらの誘導体等を例示できる。具体的には、ラウリルアミン、ラウリルジエチルアミン、ラウリルジエタノールアミン、ドデシルジプロパノールアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ステアリルテトラエチレンペンタミン、オレイルアミン、オレイルプロピレンジアミン、オレイルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルオレイルイミダゾリン等の脂肪族アミン化合物や、これら脂肪族アミン化合物のN,N−ジポリオキシアルキレン−N−アルキル(又はアルケニル)(炭素数6〜28)等のアミンアルキレンオキシド付加物、これら脂肪族アミン化合物に炭素数2〜30のモノカルボン酸(脂肪酸等)や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルボン酸を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したりアミド化した、いわゆる酸変性化合物等が挙げられる。好適な例としては、N,N−ジポリオキシエチレン−N−オレイルアミン等が挙げられる。
【0028】
また、本発明の切削工具に用いる潤滑油組成物に含まれる脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤及び/又は脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の含有量は、潤滑油組成物全量基準で、0.05〜3.0%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0%、特に好ましくは0.5〜1.4%であることがよい。上記含有量が0.05%未満であると摩擦低減効果が小さくなり易く、3.0%を超えると潤滑油への溶解性や貯蔵安定性が著しく悪化し、沈殿物が発生し易いので、好ましくない。
【0029】
一方、本発明の切削工具に用いる潤滑油組成物は、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体を含有することが好適であり、上記ポリブテニルコハク酸イミドとしては、次の一般式(1)及び(2)で表される化合物が挙げられる。
【0030】
【化1】

Figure 2005066702
【0031】
【化2】
Figure 2005066702
【0032】
これら一般式におけるPIBは、ポリブテニル基を示し、高純度イソブテン又は1−ブテンとイソブテンの混合物をフッ化ホウ素系触媒又は塩化アルミニウム系触媒で重合させて得られる数平均分子量が900〜3500、望ましくは1000〜2000のポリブテンから得られる。上記数平均分子量が900未満の場合は清浄性効果が劣り易く、3500を超える場合は低温流動性に劣り易いため、望ましくない。
【0033】
また、上記一般式におけるnは、清浄性に優れる点から1〜5の整数、より望ましくは2〜4の整数であることがよい。さらに、上記ポリブテンは、製造過程の触媒に起因して残留する微量のフッ素分や塩素分を吸着法や充分な水洗等の適切な方法により、50ppm以下、より望ましくは10ppm以下、特に望ましくは1ppm以下まで除去してから用いることもよい。
【0034】
さらに、上記ポリブテニルコハク酸イミドの製造方法としては、特に限定はないが、例えば、上記ポリブテンの塩素化物又は塩素やフッ素が充分除去されたポリブテンと無水マレイン酸とを100〜200℃で反応させて得られるポリブテニルコハク酸を、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンと反応させることにより得ることができる。
【0035】
一方、上記ポリブテニルコハク酸イミドの誘導体としては、上記一般式(1)又は(2)で表される化合物に、ホウ素化合物や含酸素有機化合物を作用させて、残存するアミノ基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、アミド化した、いわゆるホウ素変性又は酸変性化合物を例示できる。その中でもホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミド、特にホウ素含有ビスポリブテニルコハク酸イミドが最も好ましいものとして挙げられる。
【0036】
上記ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステル等が挙げられる。具体的には、上記ホウ酸として、オルトホウ酸、メタホウ酸及びテトラホウ酸などが挙げられる。また、上記ホウ酸塩としては、アンモニウム塩等、具体的には、例えばメタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等のホウ酸アンモニウムが好適例として挙げられる。また、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸と好ましくは炭素数1〜6のアルキルアルコールとのエステル、より具体的には例えば、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジメチル、ホウ酸トリメチル、ホウ酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸モノプロピル、ホウ酸ジプロピル、ホウ酸トリププロピル、ホウ酸モノブチル、ホウ酸ジブチル、ホウ酸トリブチル等が好適例として挙げられる。なお、ホウ素含有ポリブテニルコハク酸イミドにおけるホウ素含有量Bと窒素含有量Nとの質量比「B/N」は、通常0.1〜3であり、好ましくは、0.2〜1である。
【0037】
また、上記含酸素有機化合物としては、具体的には、例えばぎ酸、酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸等の炭素数1〜30のモノカルボン酸や、シュウ酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数2〜30のポリカルポン酸並びにこれらの無水物、又はエステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイド、ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等が挙げられる
【0038】
なお、本発明の切削工具に用いる潤滑油組成物において、ポリブテニルコハク酸イミド及び/又はその誘導体の含有量は、0.1〜15%が望ましく、より望ましくは1.0〜12%であることが好ましい。0.1%未満では清浄性効果に乏しくなることがあり、15%を超えると含有量に見合う清浄性効果が得られにくく、抗乳化性が悪化し易い。
【0039】
さらにまた、本発明の切削工具に用いる潤滑油組成物は、次の一般式(3)で表されるジチオリン酸亜鉛を含有することが好適である。
【0040】
【化3】
Figure 2005066702
【0041】
上記式(3)中のR、R、R及びRは、それぞれ別個に炭素数1〜24の炭化水素基を示す。これら炭化水素基としては、炭素数1〜24の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数3〜24の直鎖状又は分枝状のアルケニル基、炭素数5〜13のシクロアルキル基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜18のアリール基又は直鎖状若しくは分枝状のアルキルアリール基、炭素数7〜19のアリールアルキル基等のいずれかであることが望ましい。また、アルキル基やアルケニル基は、第1級、第2級及び第3級のいずれであってもよい。
【0042】
上記R、R、R及びRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等のアルキル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オレイル基等のオクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基等のアルケニル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、エチルシクロペンチル基、プロピルシクロペンチル基、エチルメチルシクロペンチル基、トリメチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、エチルジメチルシクロペンチル基、プロピルメチルシクロペンチル基、プロピルエチルシクロペンチル基、ジ−プロピルシクロペンチル基、プロピルエチルメチルシクロペンチル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロへキシル基、エチルシクロへキシル基、プロピルシクロへキシル基、エチルメチルシクロへキシル基、トリメチルシクロへキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、エチルジメチルシクロヘキシル基、プロピルメチルシクロヘキシル基、プロピルエチルシクロヘキシル基、ジ−プロピルシクロへキシル基、プロピルエチルメチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、エチルシクロヘプチル基、プロピルシクロヘプチル基、エチルメチルシクロヘプチル基、トリメチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基、エチルジメチルシクロヘプチル基、プロピルメチルシクロヘプチル基、プロピルエチルシクロヘプチル基、ジ−プロピルシクロヘプチル基、プロピルエチルメチルシクロヘプチル基等のアルキルシクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、エチルメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、ブチルフェニル基、プロピルメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、エチルジメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基等のアリールアルキル基、等が例示できる。
【0043】
なお、R、R、R及びRがとり得る上記炭化水素基には、考えられる全ての直鎖状構造及び分枝状構造をが含まれ、また、アルケニル基の二重結合の位置、アルキル基のシクロアルキル基への結合位置、アルキル基のアリール基への結合位置、及びアリール基のアルキル基への結合位置は任意である。また、上記炭化水素基の中でも、その炭化水素基が、直鎖状又は分柱状の炭素数1〜18のアルキル基である場合若しくは炭素数6〜18のアリール基、又は直鎖状若しくは分枝状アルキルアリール基である場合が特に好ましい。
【0044】
上記ジチオリン酸亜鉛の好適な具体例としては、例えば、ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛、ジイソブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ブチルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ペンチルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−sec−ヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−オクチルジチオリン酸亜鉛、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−デシルジチオリン酸亜鉛、ジ−n−ドデシルジチオリン酸亜鉛、ジイソトリデシルジチオリン酸亜鉛、及びこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。
【0045】
また、上記ジチオリン酸亜鉛の含有量は、より高い摩擦低減効果を発揮させる観点から、潤滑油組成物全量基準且つリン元素換算量で、0.1%以下であることが好ましく、また0.06%以下であることがより好ましく、さらにはジチオリン酸亜鉛が含有されないことが特に好ましい。ジチオリン酸亜鉛の含有量がリン元素換算量で0.1%を超えると、DLC部材と鉄基部材との摺動面における上記脂肪酸エステル系無灰摩擦調整剤や上記脂肪族アミン系無灰摩擦調整剤の優れた摩擦低減効果が阻害されるおそれがある。
【0046】
上記ジチオリン酸亜鉛の製造方法としては、従来方法を任意に採用することができ、特に制限されないが、具体的には、例えば、上記R、R、R及びRに対応する炭化水素基を持つアルコール又はフェノールを五二硫化りんと反応させてジチオリン酸とし、これを酸化亜鉛で中和させることにより合成することができる。なお、上記ジチオリン酸亜鉛の構造は、使用する原料アルコールによって異なることは言うまでもない。
【0047】
本発明においては、上記一般式(3)に包含される2種以上のジチオリン酸亜鉛を任意の割合で混合して使用することもできる。
【0048】
上述のように、本発明の切削工具において、潤滑油組成物は、硬質炭素薄膜で被覆した摺動接触面、すなわち工具ホルダ(摺動部材)及びスライダの少なくとも一方の摺動接触面に用いた場合に、極めて優れた低摩擦特性を示すものであるが、特に変切削工具用潤滑油組成物として必要な性能を高める目的で、金属系清浄剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、他の無灰摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤若しくは極圧剤、防錆剤、非イオン系界面活性剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等を単独で又は複数種を組合せて配合し、必要な性能を高めることができる。
【0049】
上記金属系清浄剤としては、潤滑油用の金属系清浄剤として通常用いられる任意の化合物が使用できる。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレートナフテネート等を単独で又は複数種を組合せて使用できる。ここで、上記アルカリ金属としてはナトリウム(Na)やカリウム(K)等、上記アルカリ土類金属としてはカルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)等が例示できる。また、具体的な好適例としては、Ca又はMgのスルフォネート、フェネート及びサリシレートが挙げられる。
【0050】
なお、これら金属系清浄剤の全塩基価及び添加量は、要求される潤滑油の性能に応じて任意に選択できる。通常、全塩基価は、過塩素酸法で0〜500mgKOH/g、望ましくは150〜400mgKOH/gであり、その添加量は潤滑油組成物全量基準で、通常0.1〜10%である。
【0051】
また、上記酸化防止剤としては、潤滑油用の酸化防止剤として通常用いられる任意の化合物を使用できる。例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤、並びにこれらの任意の組合せに係る混合物等が挙げられる。また、かかる酸化防止剤の添加量は、潤滑油組成物全量基準で、通常0.01〜5%である。
【0052】
さらに、上記粘度指数向上剤としては、具体的には、各種メタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーの共重合体やその水添物等のいわゆる非分散型粘度指数向上剤、及びさらに窒素化合物を含む各種メタクリル酸エステルを共重合させたいわゆる分散型粘度指数向上剤等が例示できる。また、他の粘度指数向上剤の具体例としては、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン等)及びその水素化物、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体、並びにポリアルキルスチレン等も例示できる。
【0053】
これら粘度指数向上剤の分子量は、せん断安定性を考慮して選定することが必要である。具体的には、粘度指数向上剤の数平均分子量は、例えば分散型及び非分散型ポリメタクリレートでは5000〜1000000、好ましくは100000〜800000がよく、ポリイソブチレン又はその水素化物では800〜5000、エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物では800〜300000、好ましくは10000〜200000がよい。また、かかる粘度指数向上剤は、単独で又は複数種を任意に組合せて含有させることができるが、通常その含有量は、潤滑油組成物基準で0.1〜40.0%であることが望ましい。
【0054】
さらにまた、他の無灰摩擦調整剤としては、ホウ酸エステル、高級アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤、ジチオリン酸モリブデン、ジチオカルバミン酸モリブデン、二硫化モリブデン等の金属系摩擦調整剤等が挙げられ、他の無灰分散剤としては、数平均分子量が900〜3500のポリブテニル基を有するポリブテニルベンジルアミン、ポリブテニルアミン、数平均分子量が900未満のポリブテニル基を有するポリブテニルコハク酸イミド等及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0055】
さらにまた、上記磨耗防止剤又は極圧剤としては、ジスルフィド、硫化油脂、硫化オレフィン、炭素数2〜20の炭化水素基を1〜3個含有するリン酸エステル、チオリン酸エステル、亜リン酸エステル、チオ亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩等が挙げられる。
【0056】
さらにまた、上記防錆剤としては、アルキルベンゼンスルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、アルケニルコハク酸エステル、多価アルコールエステル等が挙げられ、上記非イオン系界面活性剤及び抗乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0057】
さらにまた、上記金属不活性化剤としては、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、チアジアゾール、ベンゾトリアゾール、チアジアゾール等が挙げられ、上記消泡剤としては、シリコーン、フルオロシリコーン、フルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
【0058】
なお、これら添加剤を本発明の切削工具に適用する潤滑油組成物に含有させる場合には、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で、他の摩擦調整剤、他の無灰分散剤、磨耗防止剤又は極圧剤、防錆剤、及び抗乳化剤については0.01〜5%、金属不活性剤については0.005〜1%、消泡剤については0.0005〜1%の範囲から適宜選択できる。
【0059】
以上の実施形態では、図1に示す切削工具1において、摺動部材10a,10を含む工具ホルダ2及びスライダ7の少なくとも一方の摺動接触面に硬質炭素被膜を形成した場合を説明したが、例えば、ガンリーマAとガイドブッシュ3との摺動接触面や、円筒部材4とスライドピン8との摺動接触面などのその他の摺動接触面に硬質炭素被膜を形成することも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる切削工具の一実施形態を説明する断面図(a)及びスライダ部分の断面図(b)である。
【図2】本発明の摺動接触面と従来の摺動接触面の摩擦抵抗を示すグラフである。
【符号の説明】
1 切削工具
2 工具ホルダ
7 スライダ(移動体)
A ガンリーマ
B バイト
CH シリンダヘッド
G ステムガイド穴
R シートリング[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cutting tool used for cutting a metal member, and more particularly to a cutting tool including a moving body that is in sliding contact with a tool holder.
[0002]
[Prior art]
As a cutting tool provided with a moving body, for example, there is a tool used for finishing a stem guide hole of a valve and a seat ring of a valve in manufacture of an engine cylinder block. This cutting tool is called a tool holder, and is provided with a gun reamer for machining a stem guide hole and a bite for machining a seat ring in the tool holder, and is supplied in a mist form. Below, both the stem guide hole and the seat ring are processed at the same time to obtain both with high accuracy. Here, the cutting tool is provided on a slider (moving body) that is in sliding contact with the tool holder in order to process surfaces with different angles on the seat ring, and grease is applied to the sliding contact surface with the tool holder. By doing so, lubricity was ensured.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional cutting tools as described above, since grease is applied between the tool holder and the slider, chips adhere to the grease, and the sliding portion is contaminated and galling, and the grease deteriorates. Therefore, there is a problem that maintenance must be performed frequently, and solving such a problem has been a problem.
[0004]
OBJECT OF THE INVENTION
The present invention has been made paying attention to the above-mentioned conventional problems, and provides a cutting tool that can greatly reduce the friction at the sliding contact portion between the tool holder and the moving body and can eliminate grease. The purpose is to do.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The cutting tool of the present invention is a cutting tool used under lubricating oil supplied in the form of a mist, and includes a moving body that is in sliding contact with the tool holder, and at least one of the tool holder and the moving body. It is characterized in that a hard carbon coating is formed on the sliding contact surface, and the hardness of the sliding contact surface is made sufficiently high to achieve a significant reduction in friction.
[0006]
【The invention's effect】
According to the cutting tool of the present invention, friction at the sliding contact portion between the tool holder and the moving body can be greatly reduced, smooth operation can be realized over a long period, and grease can be eliminated. Therefore, it is possible to prevent contamination and galling due to the adhesion of chips in advance and to make it substantially maintenance-free.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail. In the present specification, “%” indicates mass percentage unless otherwise specified.
[0008]
A cutting tool 1 shown in FIG. 1A is called a tool holder, and in the manufacture of a cylinder head CH of an automobile, a stem guide hole G of a valve (not shown) and a seat ring R of the valve are simultaneously finished. To be processed. This cutting tool 1 includes a guide bush 3 for guiding a gun reamer A for machining a stem guide hole G, and a hollow rotating shaft 5 having a cylindrical member 4 connected to the tip, inside a hollow tool holder 2. Advancing and retracting rods 6 slidably inserted in the rotating shaft 5 are coaxially provided. Then, the base end portion (not shown) of the gun reamer A is connected to the tip of the advance / retreat rod 6 and is attached to a spindle head of a processing apparatus (not shown) so as to rotate as a whole.
[0009]
Further, the cutting tool 1 includes a slider 7 as a moving body that is in sliding contact with the tool holder 2 on the side of the tool holder 2. The slider 7 can reciprocate in an oblique direction with respect to the axial direction of the tool holder 2, includes a slide pin 8 that is slidably inserted into the cylindrical member 4, and a retainer 9 on the tool tip side. And a tool B for processing the seat ring R is provided between the pair of sliding members 10a and 10b fixed to the tool holder 2, as shown in FIG. The contact surface with one sliding member 10a is waved.
[0010]
When the rotary shaft 5 is retracted from the illustrated state, the slider 7 moves backward with respect to the tool holder 2 with the sliding of the cylindrical member 4 and the slide pin 8, and advances with the advance of the rotary shaft 5. . That is, the slider 7 moves with the retainer 9 and the cutting tool 8 in conjunction with the forward / backward movement of the rotary shaft 5 when machining the surfaces with different angles on the seat ring R, and the position of the cutting tool B with respect to the seat ring R is changed. change. At this time, the slider 7 comes into sliding contact with the tool holder 2 including the sliding members 10a and 10b.
[0011]
Therefore, in the cutting tool 1, a hard carbon coating is formed on at least one sliding contact surface of the tool holder 2 and the slider 7, thereby making the hardness of the sliding contact surface sufficiently high so that friction is greatly increased. Reduction can be realized, and the grease used in the past can be abolished. Further, in the example in which the hard carbon film was formed and in the conventional example in which the film was not formed, the frictional resistance of both sliding contact surfaces was measured. As shown in FIG. The effect of reducing frictional resistance was obtained.
[0012]
The hard carbon thin film is desirably a DLC thin film (diamond-like carbon thin film) formed by various PVD methods, specifically, an arc ion plating method. This DLC thin film is an amorphous material mainly composed of carbon element, and specifically, a-C (amorphous carbon) composed only of carbon element, aC: H (hydrogen amorphous containing hydrogen). Carbon), and MeC (metal carbon or metal carbide) partially containing metal elements such as titanium (Ti) and molybdenum (Mo). From the viewpoint of exerting a significant friction reducing effect, the hydrogen content is The smaller the content, the more preferable, the hydrogen atom content is 10.0 atom% or less, more preferably the hydrogen atom content is 1.0 atom% or less, and further no aC-based (amorphous carbon) material containing hydrogen. The film thickness is preferably 0.3 to 1.5 μm.
[0013]
Here, when the surface roughness of the base material of the tool holder and the slider, that is, the surface roughness of the sliding contact surface before coating of the hard carbon thin film exceeds 0.08 μm in Ra, the surface roughness of the hard carbon thin film is reduced. Since the resulting protrusion increases the local contact area with the sliding partner and induces cracking of the coating, the surface roughness of the sliding contact surface before coating with the hard carbon thin film is set to Ra of 0. The surface roughness of the sliding contact surface before coating with the hard carbon thin film is preferably 0.03 μm or less in terms of Ra. It is also effective to prevent cracking of the above-mentioned film by setting the surface roughness of the induction (sliding error) contact surface where the hard carbon thin film is not formed (not formed) to Ra of 0.08 μm or less. It is.
[0014]
Next, the lubricating oil composition used for the cutting tool of the present invention will be described in detail. The lubricating oil composition comprises at least one of an ester compound and an amine compound, more specifically at least a fatty acid ester ashless friction modifier and an aliphatic amine ashless friction modifier. One is included.
[0015]
The lubricating base oil is not particularly limited, and any type of base oil can be used as long as it is normally used as a base oil of a lubricating oil composition, such as mineral oil, synthetic oil, fats and oils, and mixtures thereof. be able to.
[0016]
As mineral oil, specifically, lubricating oil fraction obtained by atmospheric distillation and vacuum distillation of crude oil can be desolvated, solvent extraction, hydrocracking, solvent dewaxing, hydrorefining, sulfuric acid washing, clay treatment Paraffinic or naphthenic oils or normal paraffins, etc., which are refined by appropriately combining purification treatments such as the above, can be used, and those that have been subjected to solvent purification and hydrorefining treatment are common, but the aromatic content is further reduced It is more preferable to use an advanced hydrocracking process or GTL Wax (gas tow liquid wax) produced by isomerization.
[0017]
Specific examples of synthetic oils include poly-α-olefins (eg, 1-octene oligomers, 1-decene oligomers, ethylene-propylene oligomers), poly-α-olefin hydrides, isobutene oligomers, and isobutene oligomers. Hydride, isoparaffin, alkylbenzene, alkylnaphthalene, diester (eg, ditridecyl glutarate, dioctyl adipate, diisodecyl adipate, ditridecyl adipate, dioctyl sebacate, etc.), polyol ester (eg, trimethylolpropane caprylate, trimethylolpropane pelargol And trimethylolpropane esters such as trimethylolpropane isostearinate; pentaerythritol 2-ethylhexanoate, pentaerythritol Pentaerythritol esters such as largonate), polyoxyalkylene glycols, dialkyldiphenyl ethers, polyphenyl ethers and the like. Among them, preferred examples include poly-α-olefins such as 1-octene oligomers and 1-decene oligomers or hydrides thereof.
[0018]
The base oil of the lubricating oil composition used in the cutting tool of the present invention may be two or more mineral oil base oils or two or more synthetic base oils, in addition to using a mineral base oil or a synthetic base oil alone or in combination. It can be a mixture of base oils. Further, the mixing ratio of two or more kinds of base oils in the above mixture is not particularly limited and can be arbitrarily selected.
[0019]
The sulfur content in the lubricating base oil is not particularly limited, but is preferably 0.2% or less, more preferably 0.1% or less, and even more preferably 0.05% or less, based on the total amount of the base oil. Preferably there is. In particular, since the sulfur content of hydrorefined mineral oil or synthetic base oil is 0.005% or less, or contains substantially no sulfur content (5 ppm or less), these are preferably used as the base oil.
[0020]
Further, the aroma content in the lubricating base oil is not particularly limited, but in order to maintain a low friction characteristic for a long time as a lubricating oil composition for a cutting tool, the total aromatic content is 15% or less. Preferably, it is 10% or less, more preferably 5% or less. That is, when the total aromatic content of the lubricating base oil exceeds 15%, the oxidation stability is inferior, which is not preferable.
[0021]
In addition, the total aromatic content said here means the aromatic fraction content measured based on the method prescribed | regulated to ASTMD2549.
[0022]
The kinematic viscosity of the lubricating base oil is not particularly limited, but when used as a lubricating oil composition for a cutting tool, the kinematic viscosity at 100 ° C. is preferably 2 mm 2 / s or more, more preferably. 3 mm 2 / s or more. On the other hand, the kinematic viscosity is preferably 20 mm 2 / s or less, preferably 10 mm 2 / s or less, and particularly preferably 8 mm 2 / s or less. When the kinematic viscosity of the lubricating base oil at 100 ° C. is less than 2 mm 2 / s, it is not preferable because sufficient abrasion resistance cannot be obtained and evaporation characteristics may be deteriorated. On the other hand, when the kinematic viscosity of the lubricating base oil at 100 ° C. exceeds 20 mm 2 / s, it is not preferable because low friction performance is hardly exhibited and low temperature performance may be deteriorated. In the cutting tool of the present invention, a mixture of two or more base oils arbitrarily selected from the above base oils can be used, and so long as the kinematic viscosity at 100 ° C. falls within the above preferred range, Even if the kinematic viscosity of the base oil alone is other than the above, it can be used.
[0023]
Further, the viscosity index of the lubricating base oil is not particularly limited, but is preferably 80 or more, more preferably 100 or more, particularly when used as a lubricating oil composition for a cutting tool. 120 or more. By increasing the viscosity index of the lubricating base oil, it is possible to obtain a lubricating oil composition for a cutting tool with less oil consumption and excellent low-temperature viscosity characteristics.
[0024]
The fatty acid ester ashless friction modifier and / or the aliphatic amine ashless friction modifier is a straight chain having 6 to 30 carbon atoms, preferably 8 to 24 carbon atoms, and particularly preferably 10 to 20 carbon atoms. Or the fatty acid ester which has a branched hydrocarbon group, a fatty-acid amine compound, and these arbitrary mixtures can be mentioned. When the carbon number is outside the range of 6 to 30, there is a possibility that the friction reducing effect cannot be obtained sufficiently.
[0025]
Specific examples of the straight chain or branched hydrocarbon group having 6 to 30 carbon atoms include hexyl group, heptyl group, octyl group, nonyl group, decyl group, undecyl group, dodecyl group, tridecyl group, tetradecyl group. Group, pentadecyl group, hexadecyl group, heptadecyl group, octadecyl group, nonadecyl group, icosyl group, heicosyl group, docosyl group, tricosyl group, tetracosyl group, pentacosyl group, hexacosyl group, heptacosyl group, octacosyl group, nonacosyl group, triaconyl group, etc. Alkyl group, hexenyl group, heptenyl group, octenyl group, nonenyl group, decenyl group, undecenyl group, dodecenyl group, tridecenyl group, tetradecenyl group, pentadecenyl group, hexadecenyl group, heptadecenyl group, octadecenyl group, nonadecenyl group, icosenyl group, N'ikoseniru group include docosenyl, tricosenyl group, tetracosenyl group, Pentakoseniru group, Hekisakoseniru group, Heputakoseniru group, Okutakoseniru group, Nonakoseniru group, an alkenyl group such as tri container group. The alkyl group and alkenyl group include all possible linear structures and branched structures, and the position of the double bond in the alkenyl group is arbitrary.
[0026]
Moreover, as said fatty acid ester, the ester of the fatty acid which has this C6-C30 hydrocarbon group, and aliphatic monohydric alcohol or aliphatic polyhydric alcohol etc. can be illustrated, Specifically, glycerol monooleate, Particularly preferred examples include glycerine diolate, sorbitan monooleate, sorbitan diolate, and the like.
[0027]
Examples of the aliphatic amine compound include aliphatic monoamines or their alkylene oxide adducts, aliphatic polyamines, imidazoline compounds, and derivatives thereof. Specifically, fats such as laurylamine, lauryldiethylamine, lauryldiethanolamine, dodecyldipropanolamine, palmitylamine, stearylamine, stearyltetraethylenepentamine, oleylamine, oleylpropylenediamine, oleyldiethanolamine, N-hydroxyethyloleylimidazoline, etc. Amine alkylene compounds, amine alkylene oxide adducts such as N, N-dipolyoxyalkylene-N-alkyl (or alkenyl) (carbon number 6 to 28) of these aliphatic amine compounds, carbon numbers in these aliphatic amine compounds Residual amino group and / or imino by reacting 2-30 monocarboxylic acid (fatty acid, etc.) or polycarboxylic acid having 2-30 carbon atoms such as oxalic acid, phthalic acid, trimellitic acid, pyromellitic acid, etc. Base Some or amidated or neutralize all, so-called acid-modified compounds, and the like. Preferable examples include N, N-dipolyoxyethylene-N-oleylamine.
[0028]
The content of the fatty acid ester-based ashless friction modifier and / or the aliphatic amine-based ashless friction modifier contained in the lubricating oil composition used in the cutting tool of the present invention is 0 based on the total amount of the lubricating oil composition. The content is preferably 0.05 to 3.0%, more preferably 0.1 to 2.0%, and particularly preferably 0.5 to 1.4%. If the content is less than 0.05%, the friction reducing effect tends to be small, and if it exceeds 3.0%, the solubility and storage stability in the lubricating oil are significantly deteriorated, and precipitates are likely to be generated. It is not preferable.
[0029]
On the other hand, the lubricating oil composition used in the cutting tool of the present invention preferably contains polybutenyl succinimide and / or a derivative thereof, and the polybutenyl succinimide has the following general formula ( Examples thereof include compounds represented by 1) and (2).
[0030]
[Chemical 1]
Figure 2005066702
[0031]
[Chemical 2]
Figure 2005066702
[0032]
PIB in these general formulas represents a polybutenyl group, and the number average molecular weight obtained by polymerizing a high purity isobutene or a mixture of 1-butene and isobutene with a boron fluoride catalyst or an aluminum chloride catalyst is 900 to 3500, preferably Obtained from 1000-2000 polybutene. When the number average molecular weight is less than 900, the cleanability effect tends to be poor, and when it exceeds 3500, the low temperature fluidity tends to be poor.
[0033]
Further, n in the above general formula is preferably an integer of 1 to 5, more preferably an integer of 2 to 4, from the viewpoint of excellent cleanability. Further, the polybutene is used to remove a trace amount of fluorine and chlorine remaining due to the catalyst in the production process by an appropriate method such as an adsorption method or sufficient water washing, and is preferably 50 ppm or less, more preferably 10 ppm or less, and particularly preferably 1 ppm. It is also possible to use after removing to the following.
[0034]
Furthermore, the method for producing the polybutenyl succinimide is not particularly limited. For example, the polybutene chlorinated product or polybutene from which chlorine or fluorine is sufficiently removed and maleic anhydride are reacted at 100 to 200 ° C. The polybutenyl succinic acid thus obtained can be obtained by reacting with polyamines such as diethylenetriamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, pentaethylenehexamine and the like.
[0035]
On the other hand, as a derivative of the polybutenyl succinimide, a boron compound or an oxygen-containing organic compound is allowed to act on the compound represented by the general formula (1) or (2), thereby remaining amino groups and / or Examples thereof include so-called boron-modified or acid-modified compounds in which part or all of the imino group is neutralized or amidated. Among them, boron-containing polybutenyl succinimide, particularly boron-containing bispolybutenyl succinimide is most preferable.
[0036]
Examples of the boron compound include boric acid, borates, and borate esters. Specifically, examples of the boric acid include orthoboric acid, metaboric acid, and tetraboric acid. Moreover, as said borate, ammonium borate, such as ammonium salt etc., specifically, for example, ammonium metaborate, ammonium tetraborate, ammonium pentaborate, ammonium octaborate, etc. are mentioned as a suitable example. As the boric acid ester, an ester of boric acid and preferably an alkyl alcohol having 1 to 6 carbon atoms, more specifically, for example, monomethyl borate, dimethyl borate, trimethyl borate, monoethyl borate, boric acid Preferred examples include diethyl, triethyl borate, monopropyl borate, dipropyl borate, triplypropyl borate, monobutyl borate, dibutyl borate, tributyl borate and the like. In addition, the mass ratio “B / N” of the boron content B and the nitrogen content N in the boron-containing polybutenyl succinimide is usually 0.1 to 3, preferably 0.2 to 1. .
[0037]
Specific examples of the oxygen-containing organic compound include formic acid, acetic acid, glycolic acid, propionic acid, lactic acid, butyric acid, valeric acid, caproic acid, enanthic acid, caprylic acid, pelargonic acid, capric acid, undecyl. C1-C30 monocarboxylic acid such as acid, lauric acid, tridecanoic acid, myristic acid, pentadecanoic acid, palmitic acid, margaric acid, stearic acid, oleic acid, nonadecanoic acid, eicosanoic acid, oxalic acid, phthalic acid, C2-C30 polycarponic acid such as trimellitic acid and pyromellitic acid and their anhydrides or ester compounds, C2-C6 alkylene oxide, hydroxy (poly) oxyalkylene carbonate, and the like.
In the lubricating oil composition used in the cutting tool of the present invention, the content of polybutenyl succinimide and / or its derivative is preferably 0.1 to 15%, more preferably 1.0 to 12%. Preferably there is. If it is less than 0.1%, the cleaning effect may be poor, and if it exceeds 15%, it is difficult to obtain a cleaning effect corresponding to the content, and the demulsibility tends to deteriorate.
[0039]
Furthermore, the lubricating oil composition used for the cutting tool of the present invention preferably contains zinc dithiophosphate represented by the following general formula (3).
[0040]
[Chemical 3]
Figure 2005066702
[0041]
R 4 , R 5 , R 6 and R 7 in the above formula (3) each independently represent a hydrocarbon group having 1 to 24 carbon atoms. Examples of these hydrocarbon groups include linear or branched alkyl groups having 1 to 24 carbon atoms, linear or branched alkenyl groups having 3 to 24 carbon atoms, and cycloalkyl groups having 5 to 13 carbon atoms. Or a linear or branched alkylcycloalkyl group, an aryl group having 6 to 18 carbon atoms, a linear or branched alkylaryl group, an arylalkyl group having 7 to 19 carbon atoms, or the like. It is desirable. The alkyl group or alkenyl group may be any of primary, secondary, and tertiary.
[0042]
Specific examples of R 4 , R 5 , R 6 and R 7 include a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a pentyl group, a hexyl group, a heptyl group, an octyl group, a nonyl group, and a decyl group. Undecyl group, dodecyl group, tridecyl group, tetradecyl group, pentadecyl group, hexadecyl group, heptadecyl group, octadecyl group, nonadecyl group, icosyl group, heicosyl group, docosyl group, tricosyl group, tetracosyl group, alkyl group, propenyl group, Isopropenyl group, butenyl group, butadienyl group, pentenyl group, hexenyl group, heptenyl group, octenyl group, nonenyl group, decenyl group, undecenyl group, dodecenyl group, tridecenyl group, tetradecenyl group, pentadecenyl group, hexadecenyl group, heptadecenyl group, oleyl Octadeseni Group, nonadecenyl group, icocenyl group, heicosenyl group, dococenyl group, tricocenyl group, tetracocenyl group and other alkenyl groups, cyclopentyl group, cyclohexyl group, cycloheptyl group and other cycloalkyl groups, methylcyclopentyl group, dimethylcyclopentyl group, ethyl Cyclopentyl group, propylcyclopentyl group, ethylmethylcyclopentyl group, trimethylcyclopentyl group, diethylcyclopentyl group, ethyldimethylcyclopentyl group, propylmethylcyclopentyl group, propylethylcyclopentyl group, di-propylcyclopentyl group, propylethylmethylcyclopentyl group, methylcyclohexyl Group, dimethylcyclohexyl group, ethylcyclohexyl group, propylcyclohexyl group, ethylmethylcyclohexyl , Trimethylcyclohexyl group, diethylcyclohexyl group, ethyldimethylcyclohexyl group, propylmethylcyclohexyl group, propylethylcyclohexyl group, di-propylcyclohexyl group, propylethylmethylcyclohexyl group, methylcycloheptyl group, dimethylcycloheptyl group, Ethylcycloheptyl group, propylcycloheptyl group, ethylmethylcycloheptyl group, trimethylcycloheptyl group, diethylcycloheptyl group, ethyldimethylcycloheptyl group, propylmethylcycloheptyl group, propylethylcycloheptyl group, di-propylcycloheptyl group Alkylcycloalkyl groups such as propylethylmethylcycloheptyl group, aryl groups such as phenyl group and naphthyl group, tolyl group, xylyl group, Nyl group, propylphenyl group, ethylmethylphenyl group, trimethylphenyl group, butylphenyl group, propylmethylphenyl group, diethylphenyl group, ethyldimethylphenyl group, tetramethylphenyl group, pentylphenyl group, hexylphenyl group, heptylphenyl group , Alkylaryl groups such as octylphenyl group, nonylphenyl group, decylphenyl group, undecylphenyl group, dodecylphenyl group, benzyl group, methylbenzyl group, dimethylbenzyl group, phenethyl group, methylphenethyl group, dimethylphenethyl group, etc. An arylalkyl group etc. can be illustrated.
[0043]
The hydrocarbon groups that R 4 , R 5 , R 6, and R 7 can include all possible linear structures and branched structures, and also include double bonds of alkenyl groups. The position, the bonding position of the alkyl group to the cycloalkyl group, the bonding position of the alkyl group to the aryl group, and the bonding position of the aryl group to the alkyl group are arbitrary. Further, among the hydrocarbon groups, when the hydrocarbon group is a linear or branched alkyl group having 1 to 18 carbon atoms, an aryl group having 6 to 18 carbon atoms, or a linear or branched group Particularly preferred is a linear alkylaryl group.
[0044]
Preferred examples of the zinc dithiophosphate include, for example, zinc diisopropyldithiophosphate, zinc diisobutyldithiophosphate, zinc di-sec-butyldithiophosphate, zinc di-sec-pentyldithiophosphate, zinc di-n-hexyldithiophosphate. , Zinc di-sec-hexyldithiophosphate, zinc di-octyldithiophosphate, zinc di-2-ethylhexyldithiophosphate, zinc di-n-decyldithiophosphate, zinc di-n-dodecyldithiophosphate, zinc diisotridecyldithiophosphate , And mixtures according to any combination thereof.
[0045]
Further, the content of the zinc dithiophosphate is preferably 0.1% or less in terms of the total amount of the lubricating oil composition and in terms of phosphorus element, from the viewpoint of exerting a higher friction reduction effect, and 0.06. % Or less is more preferable, and it is particularly preferable that zinc dithiophosphate is not contained. When the zinc dithiophosphate content exceeds 0.1% in terms of phosphorus element, the fatty acid ester-based ashless friction modifier and the aliphatic amine-based ashless friction on the sliding surface between the DLC member and the iron base member There exists a possibility that the outstanding friction reduction effect of a regulator may be inhibited.
[0046]
As a method for producing the zinc dithiophosphate, a conventional method can be arbitrarily adopted, and is not particularly limited. Specifically, for example, hydrocarbons corresponding to R 4 , R 5 , R 6 and R 7 are used. It can be synthesized by reacting a group-containing alcohol or phenol with phosphorus pentasulfide to dithiophosphoric acid and neutralizing it with zinc oxide. In addition, it cannot be overemphasized that the structure of the said zinc dithiophosphate changes with raw material alcohol to be used.
[0047]
In the present invention, two or more kinds of zinc dithiophosphates included in the general formula (3) may be mixed and used at an arbitrary ratio.
[0048]
As described above, in the cutting tool of the present invention, the lubricating oil composition was used for the sliding contact surface coated with the hard carbon thin film, that is, the sliding contact surface of at least one of the tool holder (sliding member) and the slider. In some cases, it exhibits extremely excellent low friction characteristics, but for the purpose of enhancing the performance necessary as a lubricating oil composition for variable cutting tools, metallic detergents, antioxidants, viscosity index improvers, other Ashless friction modifier, other ashless dispersant, antiwear or extreme pressure agent, rust inhibitor, nonionic surfactant, demulsifier, metal deactivator, antifoaming agent, etc. Can be combined to improve the required performance.
[0049]
As said metallic detergent, the arbitrary compounds normally used as a metallic detergent for lubricating oil can be used. For example, alkali metal or alkaline earth metal sulfonates, phenates, salicylate naphthenates and the like can be used alone or in combination. Here, examples of the alkali metal include sodium (Na) and potassium (K), and examples of the alkaline earth metal include calcium (Ca) and magnesium (Mg). Specific preferred examples include Ca or Mg sulfonates, phenates and salicylates.
[0050]
In addition, the total base number and addition amount of these metal detergents can be arbitrarily selected according to the required performance of the lubricating oil. Usually, the total base number is 0 to 500 mgKOH / g, desirably 150 to 400 mgKOH / g by the perchloric acid method, and the addition amount is usually 0.1 to 10% based on the total amount of the lubricating oil composition.
[0051]
Further, as the antioxidant, any compound usually used as an antioxidant for lubricating oil can be used. For example, phenolic antioxidants such as 4,4′-methylenebis (2,6-di-tert-butylphenol) and octadecyl-3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, phenyl Examples thereof include amine-based antioxidants such as -α-naphthylamine, alkylphenyl-α-naphthylamine, and alkyldiphenylamine, as well as mixtures according to any combination thereof. Moreover, the addition amount of this antioxidant is 0.01 to 5% normally on the basis of the total amount of the lubricating oil composition.
[0052]
Furthermore, as the viscosity index improver, specifically, a so-called non-dispersion type viscosity index improver such as a copolymer of one or two or more monomers selected from various methacrylic acid esters and hydrogenated products thereof, Furthermore, a so-called dispersion type viscosity index improver obtained by copolymerizing various methacrylic acid esters containing a nitrogen compound can be exemplified. Specific examples of other viscosity index improvers include non-dispersed or dispersed ethylene-α-olefin copolymers (eg, α-olefins include propylene, 1-butene, 1-pentene, etc.) and hydrogen thereof. Examples thereof include a compound, polyisobutylene and a hydrogenated product thereof, a styrene-diene hydrogenated copolymer, a styrene-maleic anhydride ester copolymer, and a polyalkylstyrene.
[0053]
The molecular weight of these viscosity index improvers needs to be selected in consideration of shear stability. Specifically, the number average molecular weight of the viscosity index improver is, for example, 5,000 to 1,000,000, preferably 100,000 to 800,000 for dispersed and non-dispersed polymethacrylates, 800 to 5,000 for polyisobutylene or a hydride thereof, ethylene- In the case of an α-olefin copolymer or a hydride thereof, 800 to 300,000, preferably 10,000 to 200,000 is preferable. In addition, the viscosity index improver can be contained alone or in any combination of two or more, but the content is usually 0.1 to 40.0% based on the lubricating oil composition. desirable.
[0054]
Furthermore, other ashless friction modifiers include ashless friction modifiers such as boric acid esters, higher alcohols and aliphatic ethers, metal friction modifiers such as molybdenum dithiophosphate, molybdenum dithiocarbamate, and molybdenum disulfide. Examples of other ashless dispersants include polybutenylbenzylamine having a polybutenyl group having a number average molecular weight of 900 to 3,500, polybutenylamine, and polybutenyl succinic acid having a polybutenyl group having a number average molecular weight of less than 900. Examples thereof include acid imides and derivatives thereof.
[0055]
Furthermore, as the above-mentioned antiwear or extreme pressure agent, disulfide, sulfurized fat and oil, sulfurized olefin, phosphate ester containing 1 to 3 hydrocarbon groups having 2 to 20 carbon atoms, thiophosphate ester, phosphite ester , Thiophosphite esters and amine salts thereof.
[0056]
Furthermore, examples of the rust preventive include alkylbenzene sulfonate, dinonyl naphthalene sulfonate, alkenyl succinic acid ester, polyhydric alcohol ester, and the like. Examples include polyalkylene glycol nonionic surfactants such as oxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl phenyl ether, and polyoxyethylene alkyl naphthyl ether.
[0057]
Furthermore, examples of the metal deactivator include imidazoline, pyrimidine derivatives, thiadiazole, benzotriazole, thiadiazole, and examples of the antifoaming agent include silicone, fluorosilicone, and fluoroalkyl ether.
[0058]
When these additives are included in the lubricating oil composition applied to the cutting tool of the present invention, the content is based on the total amount of the lubricating oil composition, other friction modifiers, other ashless dispersants, Ranges of 0.01-5% for antiwear or extreme pressure agents, rust inhibitors, and demulsifiers, 0.005-1% for metal deactivators, and 0.0005-1% for antifoam agents. Can be selected as appropriate.
[0059]
In the above embodiment, in the cutting tool 1 shown in FIG. 1, the case where the hard carbon film is formed on at least one sliding contact surface of the tool holder 2 and the slider 7 including the sliding members 10a and 10 has been described. For example, it is also effective to form a hard carbon coating on other sliding contact surfaces such as the sliding contact surface between the gun reamer A and the guide bush 3 and the sliding contact surface between the cylindrical member 4 and the slide pin 8.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view (a) for explaining an embodiment of a cutting tool according to the present invention and a cross-sectional view (b) of a slider portion.
FIG. 2 is a graph showing the frictional resistance between the sliding contact surface of the present invention and a conventional sliding contact surface.
[Explanation of symbols]
1 Cutting tool 2 Tool holder 7 Slider (moving body)
A Gun reamer B Bite CH Cylinder head G Stem guide hole R Seat ring

Claims (9)

ミスト状にして供給される潤滑油下において用いる切削工具であって、工具ホルダに対して摺動接触する移動体を備えており、工具ホルダ及び移動体の少なくとも一方の摺動接触面に硬質炭素被膜を形成したことを特徴とする切削工具。A cutting tool used under lubricating oil supplied in the form of a mist, comprising a moving body that is in sliding contact with the tool holder. A cutting tool characterized in that a coating is formed. エンジンのシリンダヘッドにおけるバルブのステムガイド穴とシートリングを同時に加工する切削工具であって、移動体が、シートリングを加工するバイトを備えたスライダであることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。2. The cutting tool for simultaneously processing a valve stem guide hole and a seat ring in a cylinder head of an engine, wherein the moving body is a slider provided with a cutting tool for processing the seat ring. Cutting tools. 硬質炭素被膜の厚さが0.3〜1.5μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具。The cutting tool according to claim 1 or 2, wherein the thickness of the hard carbon coating is 0.3 to 1.5 µm. 硬質炭素被膜の形成前における摺動接触面の表面粗さがRa0.08μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の切削工具。The cutting tool according to any one of claims 1 to 3, wherein the surface roughness of the sliding contact surface before the formation of the hard carbon film is Ra 0.08 µm or less. 硬質炭素被膜の形成前における摺動接触面の表面粗さがRa0.03μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の切削工具。The cutting tool according to claim 4, wherein the surface roughness of the sliding contact surface before the formation of the hard carbon coating is Ra 0.03 μm or less. 潤滑油が、アミン系化合物及びエステル系化合物の少なくとも一方を添加剤として含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の切削工具。The cutting tool according to any one of claims 1 to 5, wherein the lubricating oil contains at least one of an amine compound and an ester compound as an additive. 硬質炭素被膜中に含まれる水素量が、10.0原子%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の切削工具。The cutting tool according to any one of claims 1 to 6, wherein the amount of hydrogen contained in the hard carbon coating is 10.0 atomic% or less. 硬質炭素被膜中に含まれる水素量が、1.0原子%以下であることを特徴とする請求項7に記載の切削工具。The cutting tool according to claim 7, wherein the amount of hydrogen contained in the hard carbon coating is 1.0 atomic% or less. 硬質炭素被膜の未処理部に対する摺動相手の表面粗さがRa0.08μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の切削工具。The cutting tool according to any one of claims 1 to 8, wherein the surface roughness of the sliding partner with respect to the untreated portion of the hard carbon coating is Ra 0.08 µm or less.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008062361A (en) * 2006-09-11 2008-03-21 Nippon Oil Corp Cutting/grinding method using extremely trace amount lubricant and oil composition for cutting/grinding processing using extremely trace amount lubricant

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