JP2005062453A - 秘話送信装置、秘話受信装置、秘話プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 符号化により圧縮された複数のインデックスを伝送し、各インデックスにより各種パラメータを再現し、音声を復号する形式の音声符号化方法で通信を行なう場合、伝送するインデックスを正規のインデックスから他のインデックスに変換し、受信側ではその変換されたインデックスを正規のインデックスに復元して正しい音声を復号する。インデックスを正しいインデックスに復元できない受信者は正常な復号が阻害され、音声の受聴は不能となる。
【選択図】 図1
Description
従来、通信の秘密を保護するため、無線通信では暗号化やスクランブルの技術が用いられてきた。音声反転法のような単純な方式では、容易に解読されてしまうため、通信ごとにスクランブルパターンを変化させている。
最近、パソコンやPDA(Personal Digital Assistance)を端末としてVoIP通信が行われるようになっている。手軽で便利であるが、これらの通信でもその内容を保護する必要がある。しかし、端末のCPU能力が限られている、あるいはバッテリィの制約により、少ない演算による保護法が必要である。
それぞれの技術については、非特許文献1や非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4などに述べられている。
図12に一般によく知られている音声符号化器の一例を示す。音声符号化器はLSP(線形予測係数)計算部12と、LSP量子化部13と、合成フィルタ14と、ピッチ符号帳15と、雑音符号帳16と、利得部17と、加算部18と、利得予測部19と、利得符号帳20と、予測利得部21と、減算部22と、聴覚重み付けフィルタ23と、歪パワー計算部24と、符号出力部25とを具備して構成される。
M.R.Schroeder and B.S.Atal:"Code-Excited Linear Prediction(CELP):High-quality Speech at Very LowRates",Proc.ICASSP’85,25.1.1, pp.937-940,1985 ITU-T Recommendation G.729-Coding of speech at 8-kbit/s using conjugate-structure algebraic-code-excited linear-prediction(CS-ACELP),COM 15-152-E,July,1995 AMR Speech Codec;General description,3GPP TS 26.071 AMR Wideband Speech Codec;General description,3GPP TS 26.171
このように、この発明によればインデックスを変更するだけの操作により秘話を達することができるから、演算量を少なくすることができ、容量の小さいCPUでも充分に秘話を実現することができる。
インデックス変換手段110は図11に示した各インデックス内の任意の数のビットを入れ替えるか又は全てのビット変換する操作を実行する。インデックス内のビットの入れ替えを行なう場合、入れ替えによって大きい歪みが発生するビットの組合せ(インデックス相互の組合せ)を探索しておきマップを用意する。
インデックスの種類としては上述したようにLSP一段目インデックス及びLSP二段目インデックスと、ピッチ周期インデックス、利得インデックス等が存在する。以下に各インデックスを変換操作した場合の作用効果を説明する。
7ビットのLSP一段目インデックスL1−0〜L1−6の中の一部のビットを入れ替えるか、又は全ビットを入れ替える変換マップを用意する。インデックスの変換としては例えばインデックスNO.に一定数を加算又は減算して新たなインデックスNO.に変換する等の方法が考えられる。
SegSNR=10 log Si2/(Si−Sn)2 …(3)
を演算しセグメンタルSNRを算出する。(3)式から明らかなように、セグメンタルSNRは数値が小さい程歪み量が大きいことを意味する。
ピッチ周期は符号化処理では、復号音声の品質を大きく左右する要因であり、適切な処理によって復号音声を大きく歪ませることができる。
G.729規格では第1サブフレームのピッチ成分P1−0〜P1−7(図11)の一部(ビット反転感度が高いビット)がパリティビットPAによって保護されており、ビットNO.19〜ビットNO.24のいずれかが誤った場合には、パリティビットPAによって前フレームのピッチ周期が用いられる。
本発明では、この補間処理を用いてピッチ周期が一定値になるような操作をする。つまり、第1サブフレームのピッチ成分6ビット(ビットNO.19〜24)のいずれかのビットを反転操作する。本操作によりパリティビットは誤りと判定し、前フレームのピッチ周期値をそのまま用いる。第2サブフレームのピッチ周期は第1サブフレームの差分を±3の範囲で表現しているため、ピッチ周期はわずかな変化しかできず、ピッチ変化がなく抑揚が失われ秘話が達せられる。
図5にある音声サンプルのフレーム番号310〜360におけるピッチ周期TOの変化を示す。原ピッチ周期(図5A)がフレーム番号340以降上昇に変化しているのに対して、本操作によってピッチ周期(図5B)がほとんど変化していないことがわかる。
利得に対する処理は、ピッチと同様にLSPインデックスにもとづき各サブフレームの該当ビットを反転する。より効率的に復号音声の歪を大きくするため、例えば、LPSの各インデックスごとに最もSegSNRが低下するビットをあらかじめ求めておき、LSPのマッピングテーブルに反転すべき利得インデックスのビットを付記しておく。フレームごとにLSPのインデックスに基づき、各サブフレームの該当ビットを反転操作する。
ビットが反転した時、最もSegSNRが低下する利得インデックスのビットをあらかじめ求めておき、フレームごとに符号化器と復号化器間で定めた規則に基づき、各サブフレームの該当ビットを反転操作することによりAMR規格及びAMR−WB規格でも利得インデックスへの変換操作を実現することができる。
ビットの符号が反転した時の復号音声の劣化の程度(ビットの反転感度)をセグメンタルSNR(SegSNR)によって分析した。客観値は図6に示す測定回路で測定した。つまり、図2との違いは復号化器200−2に外乱を与える手段としてビット符号反転器112を挿入した点である。このビット符号反転器112によりビット反転のない復号音声と反転を含む復号音声の間で求めた。各ビットの対応は図11に示す。各ビットの反転感度は、該当するビットを2フレーム毎に強制反転して求めた(R.V.Cox, W.B.Kleijn, and P.Kroon,“Robust CELP coders for noisy backgrounds and noisy channels,”Proc.ICASSP‘89, pp.739-742, 1989.)。各ビットに対する反転時のセグメンタルSNR(dB)の結果を図7に示す。入力音声は日本語計40文章を用いた。
ビット反転しないときには、セグメンタルSNRは非常に大きな値であり、セグメンタルSNRの低下が大きいほど反転感度が高いことを示す。
本発明の秘話装置による音声波形の変化を図8に示す。原波形Aに対して、LSPインデックスを操作することで波形Bが大きく歪んでいることがわかる。次にピッチ周期インデックスの操作では、波形の変化は少ないが、より聞き取り難くなっている。最後に利得インデックスを操作することで、波形がさらに大きく歪んでいることがわかる。本方式を客観値で評価するため、音声40サンプルに対する客観評価結果を図9に示す。セグメンタルSNRの低下が大きいほど、CD値は大きいほど復号音声が劣化していることを示し、LSPインデックス、ピッチ周期インデックスおよび利得インデックスを操作することにより、セグメンタルSNRとCD値が大幅に劣化していることがわかる。
110 インデックス変換手段
200 復号化器
210 インデックス復元手段
Claims (9)
- 少なくとも入力音響信号の線形予測係数を計算する線形予測係数計算手段と、線形予測合成フィルタと、この線形予測合成フィルタを駆動するための駆動音源を生成するピッチ周期符号帳及び雑音符号帳と、音声の音量を合致させるための利得符号帳とを具備し、入力音響信号と前記線形予測合成フィルタで生成される合成音との誤差が最小となる状態を維持するための前記ピッチ符号帳で選択されるピッチ周期のパターン番号及び雑音符号帳で選択する雑音パターンのパターン番号、利得符号帳のパターン番号をそれぞれ複数のビットで構成されるインデックスとして抽出し、これら複数のインデックスを各フレーム毎にビット系列に整列して伝送する符号化器において、
上記抽出された複数のインデックスの中の少なくとも一つのインデックスを他のインデックスに変換するインデックス変換手段を設けたことを特徴とする秒話送信装置。 - 線形予測合成フィルタと、この線形予測合成フィルタを駆動するための駆動音源を生成するピッチ符号帳と雑音符号帳及びこれらピッチ符号帳と雑音符号帳から読み出したピッチ周期パターン及び雑音パターンの利得を制御する利得制御手段とを具備し、着信したインデックスに従って上記線形予測合成フィルタの線形予測係数を決定し、更に送られて来たインデックスにより上記ピッチ符号帳及び雑音符号帳のそれぞれから各インデックスによって決定されるパターン番号のピッチ周期及び雑音パターンを読み出して上記駆動音源を生成し、上記線形予測合成フィルタで音響信号を復号する復号化器において、
着信したインデックスを予め約束された手順に従って正規のインデックスに戻すインデックス復元手段を設けたことを特徴とする秘話受信装置。 - 請求項1に記載の秘話送信装置において、前記インデックス変換手段は量子化された線形予測係数のパターン番号を表わす正規のインデックスを他のインデックスに変換することを特徴とする秘話送信装置。
- 請求項1に記載の秘話送信装置において前記インデックス変換手段はピッチ周期符号帳により選択された正規のインデックスを他のインデックスに変換することを特徴とする秘話送信装置。
- 請求項4に記載の秘話送信装置において、前記インデックス変換手段は前記ピッチ周期符号帳により選択されたインデックスのうち、該当サブフレームのみで量子化される正規のインデックスを他のインデックスに変換することを特徴とする秘話送信装置。
- 請求項1に記載の秘話送信装置において、前記インデックス変換手段は前記利得符号帳のパターン番号を表わすインデックスのうち、利得符号帳により選択された正規のインデックスを他のインデックスに変換することを特徴とする秘話送信装置。
- 請求項1及び3乃至6のいずれかに記載の秘話送信装置において、前記インデックス変換手段は前記量子化された線形予測係数のパターン番号を表わすインデックス、ピッチ周期のパターン番号を表わすインデックス、利得符号帳のパターン番号を表わすインデックスのうち、2つ以上のパラメータの正規のインデックスを他のインデックスに変換することを特徴とする秘話通信装置。
- 請求項1及び3乃至6のいずれかに記載の秘話送信装置において、前記インデックス変換手段は前記量子化された線形予測係数のパターン番号を表わすインデックス、ピッチ周期のパターン番号を表わすインデックス、利得符号帳のパターン番号を表わすインデックスの全てのパラメータの正規のインデックスを他のインデックスに変換することを特徴とする秘話送信装置。
- コンピュータが読み取り可能な符号によって記述され、コンピュータを上記請求項1乃至8記載の秘話送信装置又は秘話受信装置の何れかとして機能させる秘話プログラム。
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