JP2005062045A - コモンモード等価回路の定数測定器およびコモンモード等価回路の定数測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 測定ポイント間隔を、従来に比べて1桁以上、または、さらに狭くすることができる通信機器のコモンモード等価回路を導出する測定器を提供することを目的とする。
【解決手段】 通信機器のA端子と、B端子と、接地端子との3端子のうちの2端子間で測定したインピーダンス変化における極小点または極大点付近のインピーダンスの周波数範囲を狭めて詳しく再測定する命令を出し、測定した端子間のインピーダンス測定値を、上記通信機器がT型回路網であると仮定した場合における上記T型回路網のそれぞれのインピーダンスに変換し、それぞれのアドミタンスに変換し、そのピーク点を探索し、ピーク点の周波数とアドミタンスとに基づいて、直列共振回路を仮定し、共振回路定数を計算し、次のピーク点探索の命令を出し、計算した回路定数を、モード合成によって並列回路に合成し、通信機器のコモンモード等価回路を表示する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、通信ネットワークに接続されているIT通信機器や、デジタル家電、電話端末等を、雷サージ等の過電圧から防護するための適切な設計条件や、インバータノイズ等の低周波ノイズ対策を実施するために、通信機器間での伝搬特性条件等をシミュレーション等によって明らかにするために必須な通信機器のコモンモード等価回路を作成する場合に必要な定数を測定するコモンモード等価回路の定数測定器およびコモンモード等価回路の定数測定方法に関する。
SPICE等の回路シミュレーションを行う場合に、回路図から素子定数を入力し、回路をシミュレータに入力することによって、回路シミュレーションを実行することができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開平8−292219号公報
上記従来例において、実際の回路に存在している浮遊容量や、抵抗や、コンデンサ内に寄生するインダクタンス等が、回路図には記載されず、また、雷サージ等の過電圧や低周波領域でのノイズシミュレーションで必要なコモンモード特性が記載されず、したがって、コモンモード等価回路を作成することが困難である。
なお、上記「コモンモード」は、機器と大地との間に流れる電気量を伝送する形態であり、上記「コモンモード等価回路」は、機器の設計図面に記載されている回路定数を用いずに、同機器をブラックボックスと見なし、かつ、コモンモードにおけるインピーダンスの測定結果をもとにして、機器のコモンモード特性を表すことのできる等価的な回路である。
なお、コモンモードで取り扱うことができる通信機器の等価回路として、どんな回路を使用してもよいが、「T型3端子回路網」は、回路構成が単純で、かつ、外部からの入力信号に対する通信機器の応答特性を、精度よく再現できるので、コモンモードで取り扱う回路として、T型3端子回路網を選択した。
また、各素子の素子定数を測定することによって、コモンモード等価回路を実現する方法では、通信機器のコモンモード等価回路を作成する場合、大変多くの素子数を測定する必要があり、これに伴い、組み合わされた通信機器のコモンモード等価回路は、誤差が蓄積されたコモンモード等価回路であることがある。したがって、計算時間が膨大であるという問題があり、素子が組み合わされた通信機器が組み合わされる通信システムでは、そのシミュレーションを困難にする原因であるという問題がある。
また、通信線、電源線を持つ通信機器は、接地または、仮想的な接地との3端子を有するので、通常の2端子を使用して測定するインピーダンス測定器では、上記通信線、電源線を持つ通信機を簡易に測定することが困難であり、3端子のインピーダンス測定器で、等価回路を求める場合、モード合成法(ある回路の応答が複数の共振特性を有する場合に、それぞれの共振モード(共振形態)に分解し、それぞれのモードに対応する共振回路の等価回路を抵抗、インダクタンス、静電容量の直列共振回路で実現し、かつその回路定数を容易に決定することができる手法)等の手法を適用する必要がある。したがって、通信機器のコモンモード等価回路を容易に求めることが困難であるという問題がある。
一方、通信機器が、高い共振尖鋭度のQを持つインピーダンス特性を有する場合、通常のインピーダンス測定器によって、一般的な周波数掃引方法である対数掃引を用い、シミュレーションに必要な周波数範囲を一度で測定した場合、測定ポイント数に制限があるので、共振尖鋭度の高いQ値を正確に測定するには、熟練と勘とが必要である。したがって、等価回路の定数を決定することが困難であるという問題がある。
本発明は、通信ネットワークに接続されるIT通信機器、デジタル家電、電話端末等を、雷サージ等の過電圧から防護するための適切な設計条件や、インバータノイズ等の低周波ノイズ対策を実施するために、通信機器間での伝搬特性条件等をシミュレーション等によって明らかにするために必須な通信機器のコモンモード等価回路作成に使用する等価回路作成用測定器において、通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網であると仮定し、モード合成法を用い、コモンモード等価回路を作成する場合、接地端子の有無にかかわらず、シミュレーションを簡易に実行することができ、しかも、シミュレーションを容易に実行することができる通信機器のコモンモード等価回路を導出する測定器を提供することを目的とするものである。
SPICEシミュレーションに必須な通信用機器のコモンモード等価回路を作成するには、上記通信機器を3端子等価回路と仮定した場合における各端子間のインピーダンス特性データが必要である。このインピーダンスデータを、インピーダンス測定器で測定する場合、その測定周波数領域は、雷サージ、またはインバータノイズの周波数スペクトラムに対応する100Hz〜10MHzの5桁にもおよぶダイナミックレンジを、対数掃引で一度に測定する。
この測定したインピーダンス特性上には、1つまたは複数の高Qを持つ共振が発生しているが、従来の所定のインピーダンス測定器の測定ポイントは、最大で401ポイントであるので、たとえば、約70kHz〜約100kHz間に共振点があった場合、その周波数範囲における測定ポイント間隔は、数kHzの粗い間隔となり、高Qの共振特性の測定においては、精度のよい共振周波数と、その共振特性とを測定することが困難であるという問題がある。
本発明は、測定ポイント間隔を、従来に比べて1桁以上、必要によっては、それよりもさらに狭くすることができる通信機器のコモンモード等価回路を導出する測定器を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、コモンモード等価回路を迅速に測定することができ、コモンモード等価回路を高精度化することができる測定器を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、実験によらずに、正確な過渡特性を把持することができるコモンモード等価回路を作成するための回路定数を得るための測定器を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、機器を破壊することなく、雷サージ過電圧の機器に対する動作特性を予め把握することができ、通信機器等の雷故障対策時に、現用の機器を用いて、容易に雷サージ試験を行うことができる測定器を提供することを目的とするものである。
本発明は、所定の周波数帯域におけるインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、上記通信機器のA端子と、B端子と、接地端子との3端子のうちの2端子を選択し、上記インピーダンス測定部と接続する端子切替部と、測定した各端子間のインピーダンスを記憶するインピーダンス記憶部と、上記インピーダンス記憶部からインピーダンスを読み出し、測定したインピーダンス変化における極小点または極大点を探索し、必要によって、上記極小点または上記極大点付近のインピーダンスの周波数範囲を狭めて詳しく再測定する命令を出し、ピーク点の詳細なインピーダンスを、上記インピーダンス記憶部に予め記憶させるインピーダンス極小・極大点探索部と、上記インピーダンス測定部が測定した端子間のインピーダンス測定値を、上記通信機器がT型3端子回路網であると仮定した場合における上記T型3端子回路網のそれぞれのインピーダンスに変換し、それぞれのアドミタンスに変換するT型3端子回路網変換部と、上記T型3端子回路網変換部が変換したアドミタンスのピーク点を探索し、ピーク点の数を記憶するアドミタンスピーク点探索部と、上記ピーク点の周波数とアドミタンスとに基づいて、直列共振回路を仮定し、共振回路定数を計算し、次のピーク点探索の命令を出す共振回路定数計算部と、上記共振回路定数計算部が計算した回路定数を、モード合成によって並列回路に合成する並列回路合成部と、通信機器の等価回路を表示する等価回路表示部とを有するコモンモード等価回路の定数測定器である。
本発明によれば、従来のインピーダンス測定に加えて、単一または複数の共振点付近の周波数範囲を拡大して測定するので、測定ポイント間隔を、従来に比べて1桁以上、必要によっては、さらに狭くすることができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、端子切替部を、インピーダンス測定部の前段に設置し、しかも、データ処理やモード合成法を用いたコモンモード等価回路を作成するための処理、計算を自動化したので、コモンモード等価回路を迅速に測定することができ、また、コモンモード等価回路を高精度化することができるという効果を奏する。
さらに、本発明によれば、ホームネットワークにおいて、インターネット用機器や配線の接続構成を、コモンモード等価回路を用いてSPICEシミュレーションすることができるので、実験によらずに、正確な過渡特性を得ることができるという効果を奏する。
そして、本発明によれば、通信機器に避雷素子のコモンモード等価回路を組み込むので、機器を破壊することなく、雷サージ過電圧の機器に対する動作特性を予め把握することができ、通信機器等の雷故障対策時に、現用の機器を用いて、容易に雷サージ試験を行うことができるという効果を奏する。
発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例である。
図1は、本発明の実施例1であるコモンモード等価回路の定数測定器100の構成と、コモンモード等価回路の定数測定器100における処理工程の流れを示す図である。
コモンモード等価回路の定数測定器100は、通信ネットワークに接続されているIT通信機器CA1を、雷サージ等の過電圧から防護するための適切な設計条件算出や、インバータノイズ等の低周波ノイズ対策をするために、通信機器CA1間での伝搬特性条件等を、シミュレーションするコモンモード等価回路を作成する測定器である。
コモンモード等価回路の定数測定器100は、制御部1と、端子切替部2と、インピーダンス測定部3と、インピーダンス記憶部4と、インピーダンス極小・極大点探索部5と、T型回路網変換部6と、アドミタンスピーク点探索部7と、共振回路計算部8と、並列回路合成部9と、等価回路表示部10とを有する。
端子切替部2は、被測定物である通信機器CA1のA端子51と、B端子52と、接地端子53との3端子のうちの2端子を選択し、インピーダンス測定部3と接続するものである。
インピーダンス測定部3は、所定の周波数帯域におけるインピーダンスを測定するものである。
インピーダンス記憶部4は、インピーダンス測定部3が測定した各端子間のインピーダンスを記憶するものである。
インピーダンス極小・極大点探索部5は、インピーダンス記憶部4からインピーダンスを読み出し、測定したインピーダンス変化における極小点、または測定したインピーダンス変化における極大点を探索し、必要によって、上記極小点、または上記極大点付近におけるインピーダンスの周波数範囲を狭め、詳しく再測定する命令を出し、ピーク点の詳細なインピーダンスを、インピーダンス記憶部4に予め記憶させるものである。
T型3端子回路網変換部6は、インピーダンス測定部3が測定した端子間のインピーダンス測定値を、通信機器C1がT型3端子回路網であると仮定した場合におけるT型3端子回路網のそれぞれのインピーダンスに変換し、それぞれのアドミタンスに変換するものである。
アドミタンスピーク点探索部7は、T型3端子回路網変換部6が変換したアドミタンスのピーク点を探索し、ピーク点の数を記憶するものである。
共振回路定数計算部8は、上記ピーク点の周波数とアドミタンスとに基づいて、直列共振回路を仮定し、共振回路定数を計算し、次のピーク点探索の命令を出すものである。
並列回路合成部9は、共振回路定数計算部8が計算した回路定数を、モード合成によって、並列回路に合成するものである。
等価回路表示部10は、通信機器CA1のコモンモード等価回路を表示するものである。
制御部1は、端子切り換え部2、インピーダンス測定部3を制御する。
次に、実施例1であるコモンモード等価回路の定数測定器100の動作について説明する。
コモンモード等価回路の定数測定器100において、インピーダンス記憶部4、インピーダンス極小・極大点探索部5、T型回路網変換部6、アドミタンスピーク点探索部7、共振回路計算部8、並列回路合成部9の順序で、処理する。そして、共振回路計算部8において、所定の処理が終わるまで、前段のアドミタンスピーク点探索部7に戻り、再度、処理を実行する。
上記各手段4〜9における処理工程は、プログラム化され、処理工程のプログラムは、図示しないパーソナルコンピュータのメモリに、全て記憶され、パーソナルコンピュータのキーボード入力や表示部のディスプレイ上のコマンドを、適宜、操作することによって、各処理工程の機能を、実行させることができる。
図5は、実施例1において、通信機器CA1が、コモンモード解析用のT型3端子回路網であると仮定し、この仮定されたT型3端子回路網においてインピーダンスを測定する箇所を示す図である。
通信機器CA1は、A端子51と、B端子52と、接地端子53との合計、3つの端子を有する。
A端子51は、通信線端子設置箇所において、その2線を並列接続している端子である。B端子52は、電源端子設置箇所において、その2線を並列接続している端子である。接地端子53は、通信線と電源端子とが設置されている面を除いた筐体部分を金属箔で覆われ、しかも、0電位結合ユニットU1上に置かれている端子である。
通信機器CA1のインピーダンスZ1は、A端子51と接地端子53との間におけるインピーダンス測定値である。インピーダンスZ2は、B端子52と接地端子53との間におけるインピーダンス測定値である。インピーダンスZ3は、A端子51とB端子52との間におけるインピーダンス測定値である。なお、被測定端子を除く端子は、開放状態であるとする。
インピーダンス測定部3は、測定用リード線のインダクタンスや浮遊容量の影響を除くためのオフセット校正を予め行い、この校正値は、インピーダンス測定部3のメモリに自動的に保存される。上記オフセット校正値は、インピーダンス測定部3の外部に接続されているパーソナルコンピュータ(図示せず)に、読み出すことが可能である。まず、パーソナルコンピュータにおいて、所望の雷サージ波形の周波数スペクトルに対応する100Hz〜10MHzに測定周波数帯域を設定し、この周波数帯域を、線形掃引によって、測定用リード線のオフセット校正を行わせる。
この場合における測定ポイントは、既存の測定器では、最大401ポイントである。インピーダンスZ1の第1回の測定では、インピーダンス測定部3の掃引モードを、対数掃引に設定し直し、インピーダンスを測定し、このインピーダンスの測定値を、所定のファイルネームを付与し、インピーダンス記憶部4のメモリに保存する。
ここでは、インピーダンスZ1について、第1回の測定を行ったので、そのファイルネームとして、「インピーダンスZ1_1」を入力する。測定したインピーダンスは、絶対値と位相とである。
次に、表示部上のコマンドを使用し、測定したインピーダンスZ1のグラフを表示させる。このグラフは、横軸が、対数で表示された周波数(単位はHz)であり、縦軸は、対数表示されたインピーダンス(単位はΩ)であり、インピーダンス測定部3のディスプレイに表示されている波形と同じ形式になるように、グラフが作成されている。
なお、これ以降、「コマンド」は、表示部上の所定の位置に示されているとし、しかも、マウスによって、このコマンドをダブルクリックすると、ダブルクリックされたコマンドが実行される。
図6は、通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性において、各端子間のインピーダンスZ1、Z2、Z3のそれぞれの測定結果を示す図である。
なお、図6において、「E」は指数を示し、たとえば「1.E+04」は、104であり、「1.E+05」は、105であり、「1.E+06」は、106である。
図6(1)に示す波形1の左の図は、インピーダンスZ1の絶対値を示す図であり、図6(1)に示す波形1の右の図は、インピーダンスZ1の位相を示す図である。
図6(1)に示す波形1において、約70kHzに、インピーダンスの谷があり、また、約100kHzに、山が発生している。これらのインピーダンスが急激に変化しているのは、共振を起こしているためである。
ここで、これらの共振特性を精度よく測定することが必要である。図6(1)の波形1は、100Hz〜10MHzの間を、1回だけ、対数掃引して得た特性であるので、約70kHz〜約100kHzのような高い周波数領域では、測定ポイント間隔が2〜3kHz程度と粗いので、高いQを有する共振周波数を正確に測定することができない。
このために、共振点付近においては、測定ポイントの間隔をできるだけ狭くすることが必要であり、これを実現するためには、共振周波数付近において、掃引モードを、「線形掃引」に設定し直し、しかも、所望の周波数測定間隔が得られる狭帯域において、インピーダンスを再度、測定する。
次に、実施例1において、インピーダンスの極小・極大点探索部5の機能を用いて、共振点付近のインピーダンスの測定精度を向上させる方法について説明する。
対数掃引によって測定したインピーダンスZ1のグラフが、等価回路表示部10に表されているので、同グラフ画面の所定位置に表されている極小点探索コマンドを、ダブルクリックすることによって、インピーダンス特性曲線上の極小値を示す約70kHzの共振点に、極小点マーカを移動させる。
表示部に示されている6dB増加(2倍)のコマンドを、ダブルクリックすることによって、共振周波数におけるインピーダンス値よりも6dB大きい値におけるスパン周波数の2値(共振点よりも低い周波数と高い周波数との2値)を、自動的に求めることができる。さらに、狭帯域掃引コマンドを、ダブルクリックすることによって、インピーダンス測定部3を、線形掃引に設定し直し、しかも、図7に示す、センタ周波数f01+と、スパン周波数f011+、f012+とを、自動的に設定させる。
図7は、実施例1において、共振点付近のインピーダンスを測定する方法を示す図である。
図7に示す「狭帯域掃引測定箇所1」は、6dB増加値に対応するセンタ周波数f01+を含み、スパン周波数f011+、f012+によって挟まれている領域であり、上記「狭帯域掃引測定箇所1」の周波数値を、表示部上の所定の位置に表示する。
制御部1は、センタ周波数f01+、スパン周波数f011+、f012+のデータを、インピーダンス測定部3に自動的に送信し、しかも、これらの周波数値を、インピーダンス測定部3に設定し、狭帯域掃引状態において、第2回の測定が行われる。
この測定したデータのファイルネームとして、「インピーダンスZ1_2」を入力した後に、インピーダンス記憶部4に保存する。第3回の測定は、約100kHzにおけるインピーダンスの山部分を対象とする測定である。
制御部1は、インピーダンス記憶部4に保存されている第1回の測定値である「インピーダンスZ1_1」のグラフを読み出した後に、表示部10の所定位置に示されている「極大点探索コマンド」を、ダブルクリックすることによって、約100kHzの山(極大値)に、マーカを移動させる。
次に、表示部10上の「6dB低下(0.5倍)のコマンド」を、ダブルクリックすることによって、反共振点におけるインピーダンス値よりも6dB低い値におけるスパン周波数が2値、自動的に求まる。
続いて、狭帯域掃引コマンドをダブルクリックすることによって、インピーダンス測定部3を線形掃引に設定し直し、しかも、センタ周波数とスパン周波数とを自動的に設定する。
図7に示す「狭帯域掃引測定箇所2」は、センタ周波数f01−を含み、スパン周波数f011−、f012−によって挟まれている領域であり、上記「狭帯域掃引測定箇所2」の周波数値を、表示部10上の所定の位置に表示する。この表示後に、インピーダンス測定部3に、これらのデータを自動的に送信し、しかも、これらの周波数値を設定させた状態において、狭帯域掃引における第3回の測定が行われる。この第3回の測定データのファイルネームを「インピーダンスZ1_3」と入力した後に、パーソナルコンピュータが、上記第3回の測定データを、インピーダンス記憶部4に保存させる。
上記測定によって、インピーダンスZ1について、「インピーダンスZ1_1」、「インピーダンスZ1_2」、「インピーダンスZ1_3」の3つのデータを取得し、狭帯域掃引で測定した「インピーダンスZ1_2」と、「インピーダンスZ1_3」とのデータを、全周波数帯域で測定した「インピーダンスZ1_1」のデータの中に、周波数順に挿入する。
次に、狭帯域掃引で測定した「インピーダンスZ1_2」と、「インピーダンスZ1_3」とのデータを、全周波数帯域で測定した「インピーダンスZ1_1」のデータの中に周波数順に挿入する動作について、インピーダンス極小・極大点探索部5の周波数ソーティング機能を用いて、説明する。
まず、表示部102上の所定の位置に示されている周波数ソーティングコマンドを、ダブルクリックすることによって、周波数ソーティングの処理を開始させると、ファイルリストが表示される。このファイルリストの中から、ソーティング対象のファイルを、複数クリックすると、それらのファイルが、黒地に白抜き文字に変化し、これによって、必要なファイルを確認することができる。
次に、確認OKコマンドが表示されるので、この確認OKコマンドを、ダブルクリックすると、100Hz〜10MHzの全周波数帯域におけるデータである「インピーダンスZ1_1」の所定周波数位置に、狭帯域周波数掃引での測定データである「インピーダンスZ1_2」と、「インピーダンスZ1_3」とを挿入し、この新しい周波数配列を用いたグラフを、自動的に作成し、表示部10上に表示し、しかも、新しいファイルネーム「AL_インピーダンスZ1_1」を自動的に付与し、また、インピーダンス記憶部4に保存した後に、表示部10上に表示する。この一連の処理を、「周波数測定ポイント補正」と呼ぶ。
なお、狭帯域掃引で測定したデータは、線形掃引を使用して測定するので、上記周波数ソーティングコマンドによって処理が開始されると、所定の処理工程の中で、線形周波数を対数周波数に変換した後に、ソーティング処理が行われる。
さらに、上記100Hz〜10MHzにおいて測定した全周波数帯域オフセット校正値については、全てのデータ取得や周波数ソーティング処理において、そのオフセット校正値を使用している。
周波数ソーティング処理において、オフセット校正時の周波数と異なる周波数におけるオフセット校正値を必要とし、この場合も、上記100Hz〜10MHzで測定したオフセット校正値を補間することによって、所望の周波数でのオフセット校正値を求める。
図6(2)に示す波形2は、通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性におけるインピーダンスZ2の測定結果を示す図である。
図6(2)に示す波形2の左の図は、インピーダンスZ2の絶対値を示す図であり、図6(2)に示す波形2の右の図は、インピーダンスZ2の位相を示す図である。図6(2)に示す波形2のインピーダンス特性において、約100kHzに谷が発生し、約300kHzに共振が発生し、反共振が発生している。
このインピーダンスZ2の特性傾向は、上記と同じ手法を用い、周波数ソーティングを行ったインピーダンス特性を得ることができ、このデータに、自動的に、ファイルネーム「AL_インピーダンスZ2_1」を付与し、上記データを、インピーダンス記憶部4に保存する。
図6(3)に示す波形3は、通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性におけるインピーダンスZ3の測定結果を示す図である。
図6(3)に示す波形3の左の図は、インピーダンスZ3の振幅を示す図であり、図6(3)に示す波形3の右の図は、インピーダンスZ3の位相を示す図である。
図6(3)に示す波形3のインピーダンス特性において、約18kHzと約120kHzとに共振が発生し、約90kHzと約300kHzとに反共振が発生しているので、狭帯域掃引で測定したデータは、4つ必要となる。これら4つのデータを、全帯域で測定したデータに挿入し、ソーティングする方法は、上記手法と同じである。周波数ソーティングを行ったインピーダンス特性のデータに、ファイルネーム「AL_インピーダンスZ3_1」を自動的に付与し、上記データを、インピーダンス記憶部4に保存する。
上記のように、周波数ソーティングを行ったファイルネーム「AL_インピーダンスZ1_1」と、「AL_インピーダンスZ2_1」と、「AL_インピーダンスZ3_1」との3つのデータにおいて、測定ポイントが互いに異なるので、これらを1つの共通した測定ポイントを持つように再配列する処理が必要である。この再配列の処理を、「周波数測定ポイント再配列」と呼ぶ。この周波数測定ポイント再配列の機能も、インピーダンス極小・極大点探索部5の機能の1つである。
この処理工程を開始するコマンドを、「測定ポイント再配列コマンド」と呼ぶ。まず、表示部10の所定の位置に示されている測定ポイント再配列コマンドを、ダブルクリックし、処理に入ると、表示部10上の所定の位置に、対象とされるファイルのリストに、「AL_インピーダンスZ1_1」、「AL_インピーダンスZ2_1」、「AL_インピーダンスZ3_1」のファイルネームが表示されるので、これらのファイルの全てをクリックすると、クリックされたファイルは、黒地に白抜き文字に変わる。
これらのファイルネームを確認した後に、確認OKコマンドをダブルクリックすると、処理を実行し、しかも、3つのファイルの周波数を同じに配列し直したファイルネームを自動的に付与し、さらに、表示部10上に表示される。これらの新しいファイルネームは、「ARY_インピーダンスZ1_1」、「ARY_インピーダンスZ2_1」、「ARY_インピーダンスZ3_1」である。
図8は、実施例1において、測定した通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性を、T型等価回路のインピーダンスに変換する方法を示す説明図である。
図8において、A端子51の回路定数を、インピーダンスZt81で表し、B端子52の回路定数を、インピーダンスZp82で表し、接地端子53の回路定数を、インピーダンスZg83で表す。
次に、インピーダンスZtに基づいて、A端子51のコモンモード等価回路モデルの作成方法と、その回路定数の算出方法とについて説明する。
実際の計算や処理は、パーソナルコンピュータによって自動的に処理させる。そして、本明細書の該当説明部分において、基本的には、まず、上記算出方法を説明し、次に、パーソナルコンピュータによる処理方法や、データファイル処理について説明する。
図6に示す通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性インピーダンスZ1と、インピーダンス対周波数特性インピーダンスZ2と、インピーダンス対周波数特性インピーダンスZ3と、T型等価回路における回路定数との関係は、次の式(1)〜式(3)で与えられる。
インピーダンスZ1=Zt+Zg…式(1)
インピーダンスZ2=Zp+Zg…式(2)
インピーダンスZ3=Zt+Zp…式(3)
上記式(1)〜式(3)を用いて、T型等価回路の定数を求めると、次の式(4)〜式(6)が与えられる。
インピーダンスZ2=Zp+Zg…式(2)
インピーダンスZ3=Zt+Zp…式(3)
上記式(1)〜式(3)を用いて、T型等価回路の定数を求めると、次の式(4)〜式(6)が与えられる。
Zt=(インピーダンスZ1−インピーダンスZ2+インピーダンスZ3)/2…式(4)
Zp=(−インピーダンスZ1+インピーダンスZ2+インピーダンスZ3)/2…式(5)
Zg=(インピーダンスZ1+インピーダンスZ2−インピーダンスZ3)/2…式(6)
ここで、インピーダンスZ1、インピーダンスZ2、インピーダンスZ3として使用するデータは、上記の通りであり、ファイルネームは、それぞれ「ARY_インピーダンスZ1_1」、「ARY_インピーダンスZ2_1」、「ARY_インピーダンスZ3_1」である。
Zp=(−インピーダンスZ1+インピーダンスZ2+インピーダンスZ3)/2…式(5)
Zg=(インピーダンスZ1+インピーダンスZ2−インピーダンスZ3)/2…式(6)
ここで、インピーダンスZ1、インピーダンスZ2、インピーダンスZ3として使用するデータは、上記の通りであり、ファイルネームは、それぞれ「ARY_インピーダンスZ1_1」、「ARY_インピーダンスZ2_1」、「ARY_インピーダンスZ3_1」である。
次に、T型回路網変換部6での処理について説明する。
まず、表示部10の所定位置に表示されているモード合成コマンドを、ダブルクリックすることによって、この処理を開始させると、表示部10上に、Zt等価回路、Zp等価回路、Zg等価回路の順序で、リストが表示され、最初に、Zt等価回路の処理を行い、次に、Zp等価回路処理を行い、最後に、Zg等価回路の処理を実施する。したがって、全体で3回の等価回路処理が必要である。
最初に、表示部10の所定位置に表示されているZt等価回路コマンドを、ダブルクリックし、本処理を実行させる。
図9は、実施例1において、通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性の測定データであるインピーダンスZ1、インピーダンスZ2、インピーダンスZ3を使用し、上記式(4)を用いて、T型等価回路のA端子51のインピーダンス対周波数特性Ztを求め、次に、この特性Ztを、アドミタンス対周波数特性に変換した図である。
図9(1)に示す波形1は、アドミタンス対周波数特性における振幅の絶対値を示す波形であり、図9(2)に示す波形2は、位相を示す波形である。また、波形1のアドミタンス対周波数特性の振幅を、複素数で表した特性を、「Y(0)(jω)」と記述し、ファイルネームとして、「Y1J_ZT_1」を自動的に付与する。
次に、アドミタンスピーク点探索部7における処理について説明する。
図10は、実施例1において、表示部10上に表示されているモード合成用等価回路を示す図である。
これらの等価回路の数は、図10に示すように、12回路であり、それぞれに、A〜Lのアルファベットを用い、回路記号を付与している。
図10において、回路記号Aは、容量のみの回路であり、回路記号Bは、インダクタンスのみの回路であり、回路記号Cは、抵抗のみの回路であり、回路記号Dは、LR直列回路であり、記号Eは、LCR直列共振回路であり、回路記号Fは、1つのLCR直列共振回路と1つの容量回路との並列接続回路である。
回路記号Gは、LCR直列共振回路が2つ並列接続された回路であり、回路記号Hは、2つのLCR直列共振回路と1つの容量回路との並列接続回路であり、回路記号Iは、LCR直列共振回路の3並列接続回路であり、回路記号Jは、3つのLCR直列共振回路と1つの容量回路との並列接続回路であり、回路記号Kは、LCR直列共振回路の4並列接続回路であり、回路記号Lは、4つのLCR直列共振回路と1つの容量回路との並列接続回路である。
また、各回路記号のそれぞれに、回路定数に記号を付与し、所望の回路記号をダブルクリックすることによって、当該等価回路をモード分離し、合成することによって、その回路定数を計算し、しかも、表示部10上に表示する機能を有している。
また、図9に示す波形1と同じ波形が、図10に示すモード合成用等価回路と同時に、表示上に表示され、そのアドミタンスの振幅には、ピークが3つあり、多重共振が発生していることに着目する。
これらのピークは、LCR直列共振が3つ存在していることを示す。よって、図10に示すモード合成用等価回路において、回路記号Iを選択し、この回路記号Iの表示部分を、ダブルクリックすることによって、等価回路の作成処理を実行させる。回路記号Iの実行を開始したので、アドミタンスピーク点探索部7での処理が自動的に開始される。
図9に示す波形1において、3つの共振点の中で、アドミタンスが最大である共振点を、ここでは、「モード1」と呼び、記号f1で示し、2番目にアドミタンス値が大きい共振点を、「モード2」と呼び、記号f2で示し、さらに、最小アドミタンス値の共振点を、「モード3」と呼び、記号f3で示す。すなわち、アドミタンスの大きな順から、共振モードの番号を付与する。
パーソナルコンピュータ処理においては、アドミタンスピーク点探索の機能によって、共振モードの数nは、図10に示す回路記号Iと連携しているので、n=3が、自動的に得られる。
次に、アドミタンス最大であるモード1を探索し、保持したので、自動的に共振モード処理番号K=3(=n)に達すると、Zt等価回路のモデル化は終了し、そして、前の処理に戻り、2番目の処理であるZp等価回路モデル化の処理を開始する。
図9について、多重共振の発生するアドミタンス対周波数特性を有する等価回路の回路定数を決定する方法として、少ない素子数で合理的な回路合成を行うことのできる方法として、「モード合成法」がある。
上記「モード合成法」は、「野田琢・中本博・横山茂:“配電用柱上変圧器の過渡現象計算モデル”、電中研報告、No.T99005、1999.」に記載されている。
図9に示す波形1において、共振モード処理番号K=1について、共振周波数f10=7.80MHz、アドミタンスの最大値Y1max=6.78mmho、Q1=2.5が求まる。このアドミタンス対周波数特性を、LCR直列共振回路で構成すると、角周波数ω1O=2・π・f10として、次の式(7)〜式(9)が成立する。
R1=1/Y1max…式(7)
L1=R1・Q1/ω1O…式(8)
C1=1/(ω1O・R1・Q1)…式(9)
パーソナルコンピュータ上では、f10=7.8E+6(Hz)、Y1max=6.78E−3(mho)、Q1=2.5について、ファイルネームを自動付与した後に、メモリに保存される。
L1=R1・Q1/ω1O…式(8)
C1=1/(ω1O・R1・Q1)…式(9)
パーソナルコンピュータ上では、f10=7.8E+6(Hz)、Y1max=6.78E−3(mho)、Q1=2.5について、ファイルネームを自動付与した後に、メモリに保存される。
次に、実施例1において、共振回路定数計算部8における処理について説明する。
上記式(7)〜式(9)を用い、モード1のL1/C1・R1直列共振回路定数を求める。ここで、L、C、Rに付いている1の数字は、モード1を示している。定数値として、R1=140Ω、L1=7.14μH、C1=58.3pFが求まる。これらの回路定数を用いたモード1のL1・C1・R1直列共振回路のアドミタンス対周波数を、Y1(jω)と記述する。
パーソナルコンピュータ上では、計算結果としてR1=1.40E+2(Ω)、L1=7.14E−6(H)、C1=5.83E−11(F)について、ファイルネームを自動付与し、メモリに保存される。ここでは、ファイルネームを示さず、省略する。さらに、Y1(jω)は、Y1J_ZT_2のファイルネームが自動付与され、しかも、メモリに保存される。
上記Y(0)(jω)から、上記Y1(jω)を差し引いた値を、Y(1)(jω)とする。Y(1)(jω)は、ファイルネームY1J_ZT_3を自動付与した後に、メモリに保存される。
これらによって、共振モード処理番号K=1のモード分解が終了し、等価回路定数L1、C1、R1が求まる。次に、共振回路定数計算部8は、自動的にモード2の処理に移り、処理を実行する。
図9に示す波形1において、共振モードの処理番号K=2のモード分解の処理に移る。L2・C2・R2直列共振回路の回路定数を、上記方法を用いて求めると、R2=400Ω、L2=11.9mH、C2=10.2nFが得られる。ここで、L、C、Rに付いている2の数字は、モード2を表している。このL2・C2・R2直列共振回路のアドミタンス対周波数特性を、Y2(jω)とする。さらに、上記Y(1)(jω)からY2(jω)を差し引いた値を、Y(2)(jω)と記述する。パーソナルコンピュータ上では、この差し引いた値Y(2)(jω)に、ファイルネームY1J_ZT_4、を自動付与した後に、メモリに保存される。
図9に示す波形1において、共振モードの処理番号K=3についても、上記方法で、L3・C3・R3直列共振回路の回路定数を求めると、R3=800Ω、L9=9.55mH、C3=66.3pFが得られる。このL3・C3・R3直列共振回路のアドミタンス対周波数特性を、Y3(jω)とする。さらに、上記Y(2)(jω)からY3(jω)を差し引いた値Y(3)(jω)に、ファイルネーム「Y1J_ZT_4」を自動付与した後に、メモリに保存される。
図11は、実施例1において、共振回路定数計算部8のモード分解機能によって求めた通信線端子のアドミタンス対周波数特性を示す図である。
図9に示す波形1に発生している3つの多重共振モードを、それぞれ元の共振特性に分解した結果である。各モードに関しては、モード1は、Y(1)(jω)のアドミタンスの絶対値を表し、モード2は、Y(2)(jω)のアドミタンスの絶対値を表し、モード3は、Y(3)(jω)のアドミタンスの絶対値を表している。
これまでに述べた処理は、次の式(10)で表される。
Y(K)(jω)=Y(K−1)(jω)−1/(RK+jωLK+1/jωCK)…式(10)
ここで、Kは、共振モードの処理番号(K=1,2,…,n)であり、nは、共振モードの数である。
ここで、Kは、共振モードの処理番号(K=1,2,…,n)であり、nは、共振モードの数である。
次に、実施例1において、並列回路合成部9における処理について説明する。
図11に示すモード分解によって得られたLCR直列共振回路は、モード数=3であるので、そのLCR直列共振回路も3回路になる。このために、モード合成法によって、3つのLCR直列共振回路を並列接続した回路が、所要の通信機器CA1におけるA端子51のZp等価回路であり、図16の中において、A端子51側のLCR直列回路の3並列回路161で示している。
図12は、実施例1において、式(5)を用いて、T型等価回路のB端子52のインピーダンス対周波数特性Zpを求め、さらに、このZpをアドミタンス対周波数特性に変換した図である。
つまり、図12は、通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性の測定結果であるインピーダンスZ1、インピーダンスZ2、インピーダンスZ3を周波数測定ポイント再配列の処理を行って得たデータファイル「ARY_インピーダンスZ1_1」、「ARY_インピーダンスZ2_1」、「ARY_インピーダンスZ3_1」を、式(5)を用いて、T型等価回路のB端子52のインピーダンス対周波数特性Zpを求め、さらに、このZpをアドミタンス対周波数特性に変換した図である。
図12(1)に示す波形1は、アドミタンス対周波数特性における振幅の絶対値を示し、波形2は、位相を示している。また、表示部10上には、図12に示す波形1であるアドミタンスの振幅が表示され、その中でf1の記号が付いているピークが1つと、f2の記号が付き、右肩上がりの傾向を持つほぼ直線の特性とがある。前者(f1の記号が付いているピーク)は、LCR直列共振を表し、後者(f2の記号が付き、右肩上がりの傾向を持つほぼ直線の特性)は、容量Cのみの特性を示している。よって、図10のモード合成用等価回路は、回路記号Fに相当するので、このFの表示部分を、ダブルクリックし、等価回路作成処理を開始する。
図13は、上記手法を用いて、モード分解を行い、これによって得られたB端子52のアドミタンス対周波数特性を示す図である。
図12に示す波形1に発生している2つの多重共振モードを、アドミタンスピーク点探索部7と、共振回路定数計算部8との処理によって、各モードの共振特性に分解している。モード1のLCR直列共振回路の回路定数は、L1=16.2mH、C1=3.48nF、R1=120Ωであり、モード2は、C2=16.0pFが得られる。
並列回路合成部9では、上記で求めたLCR直列共振回路とC回路とを並列接続した回路を構成することによって、所望の通信機器CA1におけるB端子52側のZp等価回路を作成することができ、図16に示すB端子52側のLCR直列回路とC回路との並列回路162で示している。
図14は、上記通信機器CA1のインピーダンス対周波数特性の測定結果であるインピーダンスZ1、インピーダンスZ2、インピーダンスZ3を、式(6)を用いて、上記T型等価回路の接地端子53のインピーダンス対周波数特性Zgを求め、さらに、この特性Zgを、アドミタンス対周波数特性に変換した図である。
図14に示す波形1は、アドミタンス対周波数特性における振幅の絶対値を示し、波形2は、位相を示している。波形1において、約100kHz〜約1MHz間の谷の部分を除くと、右上がりの直線傾向を持つアドミタンス対周波数特性を示しているので、モードは1つのみであるとし、記号f1で示している。共振点は、10MHz以上に存在すると推定した。よって、図10に示すモード合成用等価回路においては、回路記号Aに相当するので、この回路記号Aの表示部分を、ダブルクリックして、等価回路作成処理を開始する。
図15は、アドミタンスピーク点探索部7と、共振回路定数計算部8との処理によって、上記手法を用いて、モード分解を行うことによって得られた接地端子53のアドミタンス対周波数特性を示す図である。
図15に示すアドミタンス対周波数特性を、容量Cのみの回路で表すことができ、その値であるC1=0.15nFが求まる。
並列回路合成部9では、上記のようにして求めたC回路が、所望の通信機器CA1接地端子53側のZg等価回路として、図16の中においては、接地端子53側のC回路163として示されている。
図16は、モード合成法によって作成したフレームグランド端子のない通信機器CA1の等価回路モデルを示す図である。
図16において、A端子51の等価回路161は、LCR直列共振回路の3並列回路で実現し、B端子52の等価回路162は、LCR直列共振回路とC回路との並列回路で実現し、接地端子53の等価回路163は、Cのみの回路で実現できる。
つまり、コモンモード等価回路の定数測定器100は、通信機器CA1の通信端子であるA端子51と、電源端子であるB端子52と、接地端子53のそれぞれ2端子ずつの、A端子51−B端子52間、A端子51−接地端子53間、B端子52−接地端子53間の3区間を選択する端子切替部2を有し、それぞれ3区間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部3を有している。雷サージ波形の周波数スペクトルに対応する100Hz〜10MHzの周波数範囲を、対数掃引を用いて、測定ポイントを401ポイントとし、インピーダンス測定を一度に実施する。測定したインピーダンスを、インピーダンス記憶部4に記憶させ、インピーダンス極小・極大点探索部5では、制御部1を経由してインピーダンス記憶部4に記憶させたインピーダンス測定データを読み出す。
インピーダンスの極小点を探索するには、インピーダンスの極小点よりも5dB(2倍)高い値における周波数を、「スパン周波数」と呼び、共振周波数よりも低い周波数と、高い周波数との2値を求めた後に、このスパン周波数情報を、制御部1を経由し、インピーダンス測定部3に送信すると、インピーダンス測定部3の周波数掃引方法を線形掃引に変更し、インピーダンス極小点よりも6dB高い値における周波数範囲を線形周波数で測定し、しかも、測定ポイントを401ポイントに設定して再測定する。極小点が複数個、存在する場合は、それらの極小点の数だけ、上記再測定を実施する。再測定データは、順次、インピーダンス記憶部4に記憶させる。
一方、インピーダンス特性上に極大点が存在する場合は、その極大点の波形を、反共振波形とし、この極大点を探索するには、インピーダンスの極大点よりも6dB低い値におけるスパン周波数を2値求めた後に、このスパン周波数情報を、制御部1を経由し、インピーダンス測定部3に送信すると、インピーダンス測定部3の周波数掃引方法を線形掃引に変更し、インピーダンス極大点よりも6dB低い値における周波数範囲を、線形掃引に変更して、インピーダンス極大点よりも6dB低い値における周波数範囲を、線形周波数で再測定し、しかも、測定ポイントを401ポイントに設定して再測定する。
極大点が複数個、存在する場合は、それらの極大点の数だけ、再測定を実施する。再測定データを、順次、インピーダンス記憶部4に記憶させる。
次に、上記の極小点での再測定と、その記憶されたデータ処理について説明する。
線形周波数で再測定してインピーダンスデータを対数周波数に変換した後に、最初に対数掃引で測定した全周波数範囲のインピーダンスデータ中に組み込む処理を行う。
T型回路網変換部6では、これらの極小点付近の周波数範囲を狭めて詳しく再測定した。3区間のインピーダンスから、T型回路網に変換したインピーダンスを計算し、さらに、このインピーダンスをアドミタンスに変換した特性をY(0)(jω)と表す。アドミタンスピーク点探索部7において、アドミタンスのピーク数を検索し、このピーク数を記憶した後に、最大のピーク点を探索し、この点を保持させる。
ここでは、ピーク点は2ヶ所で、しかもQは1以上と仮定した場合について説明する。アドミタンス最大のピーク値を「モード1」と呼び、共振回路定数計算部8では、そのLCR直列共振回路の共振周波数、アドミタンス最大値、アドミタンス最大値から3dB低下する周波数(共振周波数よりも低い周波数、高い周波数)を求め、これらの値からQ、抵抗R、インダクタンスL、容量Cを計算する。
並列回路合成部9では、モード1のL、C、Rを用いて、LCR直列共振回路を構成し、このアドミタンスの周波数特性をY1(jω)と表した値を、Y(0)(jω)から差し引き、その値をY(1)(jω)と表す。上記ピーク点探索部7は、アドミタンスピーク点を2と記憶していたので、本共振回路定数計算部8から、再度、アドミタンスピーク点探索部7に戻り、2つ目のピーク点を検索し、この点を保持させると、共振回路定数計算部8では、上記モード1と同じ要領で、「モード2」のL、C、Rを求め、さらにLCR直列共振回路のアドミタンスY2(jω)を計算し、この値を、上記のY(1)(jω)から差し引いた値をY(2)(jω)と表すが、この段階までを、「モード分解」と呼ぶ。
並列回路合成部9では、モード合成機能を有するので、上記モード1およびモード2のLCR直列共振回路を並列接続したアドミタンスY(jω)を計算することによって、所望のコモンモード等価回路を求め、さらに、等価回路表示部10は、2つのLCR直列共振回路の並列接続図と、しかも、その図中には各々の回路定数値を付与して表示する機能を有している。
上記のように、モード合成法によって、通信機器のT型3端子回路網の回路定数Zt、Zp、Zgの回路素子の構成・定数を計算した結果が、図16に示す通信機器のコモンモード等価回路である。この段階で、通信機器のコモンモード等価回路=通信機器のT型3端子回路網になる。
なお、回路素子の構成・定数を決定するためにモード合成法を採用したが、所望の回路素子の構成・定数を実現できる方法であれば、モード合成法以外のものを使用するようにしてもよい。
図2は、本発明の実施例2であるコモンモード等価回路の定数測定器200を示すブロック図である。
コモンモード等価回路の定数測定器200は、基本的には、コモンモード等価回路の定数測定器100と同じであるが、インピーダンス極小・極大点探索部5が削除されている点のみが、コモンモード等価回路100とは異なる点である。
つまり、コモンモード等価回路の定数測定器200は、制御部1と、端子切替部2と、インピーダンス測定部3と、インピーダンス記憶部4と、T型回路網変換部6と、アドミタンスピーク点探索部7と、共振回路計算部8と、並列回路合成部9と、等価回路表示部10とを有する。
コモンモード等価回路の定数測定器200は、被測定物である通信機器CA1の通信端子であるA端子51と、電源端子であるB端子52と、接地端子53のそれぞれ2端子ずつの、A端子51−B端子52間、A端子51−接地端子53間、B端子52−接地端子53間の3区間を選択する端子切替部2を有し、それぞれ3区間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部3を有する。
また、コモンモード等価回路の定数測定器200は、測定したインピーダンスをインピーダンス記憶部4に記憶させ、T型回路網変換部6では、これらの3区間のインピーダンスをT型回路網に変換したインピーダンスを計算し、さらに、このTgata回路インピーダンスを、アドミタンスに変換した特性をY(0)(jω)と表す。上記インピーダンス測定においては、雷サージ波形の周波数スペクトルに対応する100Hz〜10MHzの周波数範囲を、対数掃引を用いて一度に行う。このアドミタンス特性上において、単一、または複数のピーク点が存在する場合、LCR直列共振が発生していると仮定し、ピーク点探索部7において、アドミタンスのピーク数を検索し、このピーク数を記憶した後に、最大のピークを探索し、この点を保持させる。
ここでは、ピーク点は2ヶ所であり、しかも、Qは1未満であると仮定した場合について説明する。なお、ピーク点探索部7は、必要によってピーク点付近の周波数の範囲を狭めて詳しく再測定する命令を出す機能をも有しているが、上記のように、Qは1未満としたので、ピーク点付近のアドミタンス波形は、緩やかな山型の特性を有し、したがって、本機能を使用しなくてもよい。
図3は、コモンモード等価回路の定数測定器300の一部を示すブロック図である。
コモンモード等価回路の定数測定器300は、コモンモード等価回路の定数測定器100または200において、通信機器CA1に、接地端子53が設置されていない場合に、端子切替部2の接地端子53に、仮想的な0電位を作る金属板や金属箔で構成されている0電位結合ユニットU1が接続されている例を示す回路図である。
コモンモード等価回路300を作成するためには、端子切替部2の接地端子53が、仮想的な0電位を作る金属板や金属箔で0電位結合ユニットU1を有し、通信機器CA1の通信線と電源線端子とが設置されている面を除いた筐体部分を、金属箔で覆った状態で0電位結合ユニットU1上に置かなければならない。
通信機器CA1の通信線端子であるA端子51と、電源端子であるB端子52と、0電位結合ユニットU1である接地端子53とのうちの2端子の間、つまり、A端子51−B端子52間、A端子51−接地端子53間、B端子52−接地端子53間の3区間を選択する端子切替部2を有している。
図4は、コモンモード等価回路の定数測定器400を示すブロック図である。
コモンモード等価回路の定数測定器400は、コモンモード等価回路の定数測定器200において、制御部1と、インピーダンス記憶部4と、T型回路網変換部6と、アドミタンスピーク点探索部7と、共振回路定数計算部8と、並列回路合成部9とを、パーソナルコンピュータ101によって実現した実施例である。
コモンモード等価回路の定数測定器400において、通信機器CA1の通信線端子であるA端子51と、電源端子であるB端子52と、接地端子53のそれぞれ2端子ずつの、A端子51−B端子52間、A端子51−接地端子53間、B端子52−接地端子53間の3区間を選択する端子切替部2を有し、それぞれ3区間のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部3を有している。
パーソナルコンピュータ101は、インピーダンス測定部2、端子切替部3以外の機能を有し、パーソナルコンピュータ101は、端子切替部2と、インピーダンス測定部3と、表示部102を制御し、表示部102は、測定した3区間のインピーダンスを解析し、通信機器CA1のコモンモード等価回路を作成するためのコマンド、それらの処理結果を表示し、作成したコモンモード等価回路図と、このコモンモード回路図に各回路定数値を付与した図とを表示させる機能を有している。
なお、インピーダンス極小・極大点検索部5を、パーソナルコンピュータ101によって実現するようにしてもよい。つまり、コモンモード等価回路の定数測定器400を、コモンモード等価回路の定数測定器1002適用するようにしてもよい。
図17は、モード合成法を用いて計算された等価回路定数と、等価回路から計算されるアドミタンスの周波数特性と、T型回路網変換部6で変換されるアドミタンスの周波数特性とを示す図である。
等価回路表示部10、または、表示部102には、モード合成法を用いて計算された等価回路定数と。等価回路から計算されるアドミタンスの周波数特性と、T型回路網変換部6で変換されるアドミタンスの周波数特性を、横軸を周波数、縦軸をアドミタンスレベルで表示した図17の中では、前者を計算値と表し、後者は変換値と表し、それぞれを同一画面に表示し、両者の特性の差異を比較することが特徴である。したがって、たとえば、計算値と変換値との差異が大きい場合には、迅速にその原因を検討することができる。
図18は、周波数対インピーダンスレベルを示す図である。
計算された等価回路定数と、等価回路から計算される端子間のインピーダンスと、測定された端子間のインピーダンスの周波数特性とが、図18にそれぞれ表示されているので、比較可能である。
図18に示すように、等価回路から計算される端子間インピーダンスの周波数特性と、測定された端子間のインピーダンスの周波数特性とを、同一画面に表示し、両者の特性の差異を比較することができる。したがって、たとえば、計算値と測定値との差異が大きい場合には、迅速にその原因を検討することができる。
図19は、周波数対アドミタンスレベルを示す図である。
図19に示すように、等価回路から計算される端子間アドミタンスの周波数特性と、測定された端子間のアドミタンスの周波数特性とを、同一画面に表示し、両者の特性の差異を比較することができる。したがって、計算された等価回路の定数を手入力によって修正することができる。なお、入力部103を介して入力された等価回路定数から、アドミタンスまたはインピーダンスの周波数特性を再計算し、比較表示する。
なお、必要に応じて、縦軸をインピーダンスとし、計算値と測定値と表示して、上記アドミタンスの場合と同じ機能を使用することができる。
また、上記各実施例は通信機器CA1用であるが、上記各実施例を、通信機器CA1用以外のIT機器やデジタル家電機器、さらには集中定数回路が適用できる範囲の配線長を有する配線にも適用できる。なお、ここでいう配線とは、通信線路、商用電源線等を含めた線路である。
100、200、300、400…コモンモード等価回路の定数測定器、
CA1…通信機器、
1…制御部、
2…端子切替部、
3…インピーダンス測定部、
4…インピーダンス記憶部、
5…インピーダンス極小・極大点探索部、
6…T型回路変換部、
7…アドミタンスピーク点探索部、
8…共振回路定数計算部、
9…並列回路合成部、
10…等価回路表示部。
CA1…通信機器、
1…制御部、
2…端子切替部、
3…インピーダンス測定部、
4…インピーダンス記憶部、
5…インピーダンス極小・極大点探索部、
6…T型回路変換部、
7…アドミタンスピーク点探索部、
8…共振回路定数計算部、
9…並列回路合成部、
10…等価回路表示部。
51…A端子、
52…B端子、
53…接地端子、
U1…0電位結合ユニット、
101…パーソナルコンピュータ、
102…表示部。
52…B端子、
53…接地端子、
U1…0電位結合ユニット、
101…パーソナルコンピュータ、
102…表示部。
Claims (10)
- 通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網と仮定し、モード合成法を用いて、上記コモンモード等価回路の定数を測定する定数測定器であって、
所定の周波数帯域におけるインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と;
上記通信機器のA端子と、B端子と、接地端子との3端子のうちの2端子を選択し、上記インピーダンス測定部と接続する端子切替部と;
測定した各端子間のインピーダンスを記憶するインピーダンス記憶部と;
上記インピーダンス記憶部からインピーダンスを読み出し、測定したインピーダンス変化における極小点または極大点を探索し、必要によって、上記極小点または上記極大点付近のインピーダンスの周波数範囲を狭めて詳しく再測定する命令を出し、ピーク点の詳細なインピーダンスを、上記インピーダンス記憶部に新たに記憶させる命令を出すインピーダンス極小・極大点探索部と;
上記インピーダンス測定部が測定した端子間のインピーダンス測定値を、上記通信機器がT型3端子回路網であると仮定した場合における上記T型3端子回路網のそれぞれのインピーダンスに変換し、それぞれのアドミタンスに変換するT型3端子回路網変換部と;
上記T型3端子回路網変換部が変換したアドミタンスのピーク点を探索し、ピーク点の数を記憶するアドミタンスピーク点探索部と;
上記ピーク点の周波数とアドミタンスとに基づいて、直列共振回路を仮定し、共振回路定数を計算し、次のピーク点探索の命令を出す共振回路定数計算部と;
上記共振回路定数計算部が計算した回路定数を、モード合成によって並列回路に合成する並列回路合成部と;
通信機器のコモンモード等価回路を表示する等価回路表示部と;
を有し、上記通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網として扱い、上記コモンモード等価回路の定数を測定することを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網と仮定し、モード合成法を用いて、上記コモンモード等価回路の定数を測定する定数測定器において
所定の周波数帯域のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部と;
上記通信機器のA端子と、B端子と、接地端子との3端子のうちの2端子を選択し、上位インピーダンス測定部と接続する端子切替部と;
測定したそれぞれの端子間のインピーダンスを記憶するインピーダンス記憶部と;
上記インピーダンス測定部が測定した端子間のインピーダンス測定値を、上記通信機器がT型3端子回路網であると仮定した場合における上記T型3端子回路網のそれぞれのインピーダンスに変換し、それぞれのアドミタンスに変換するT型3端子回路網変換部と;
上記T型3端子回路網変換部が変換したアドミタンスのピーク点を探索し、ピーク点の数を記憶し、必要によってピーク点付近のアドミタンスの周波数範囲を狭め、詳しく再測定する命令を出すアドミタンスピーク点探索部と;
上記ピーク点の周波数とアドミタンスとに基づいて、直列共振回路を仮定し、共振回路定数を計算し、次のピーク点探索の命令を出す共振回路定数計算部と;
上記共振回路定数計算部が計算した回路定数を、モード合成によって並列回路に合成する並列回路合成部と;
通信機器のコモンモード等価回路を表示する等価回路表示部と;
を有し、上記通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網として扱い、上記コモンモード等価回路の定数を測定することを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 請求項1または請求項2において、
上記通信機器に、接地端子がない場合、コモンモード等価回路を作成できるように、上記端子切替部の接地端子が、仮想的な0電位点を作る金属板や金属箔である0電位結合ユニットを有することを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
上記インピーダンス記憶部と、上記T型3端子回路網変換部と、上記アドミタンスピーク点探索部と、上記共振回路定数計算部と、上記並列回路合成部とは、パーソナルコンピュータによって実現されていることを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 請求項1において、
上記インピーダンス極小・極大点探索部は、パーソナルコンピュータによって実現されていることを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項において、
計算されたコモンモード等価回路定数と、コモンモード等価回路から計算されるアドミタンスと、T型3端子回路網変換部で変換されるアドミタンスの周波数特性とを、それぞれ表示し、比較可能であることを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 請求項1〜請求項5のいずれか1項において、
計算されたコモンモード等価回路定数と、コモンモード等価回路から計算される端子間のインピーダンスと、測定された端子間のインピーダンスの周波数特性とを、それぞれ表示し、比較可能であることを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 請求項6または請求項7において、
アドミタンスまたはインピーダンスの周波数特性の比較表示をみながら、計算された等価回路の定数を手入力によって修正することができ、しかも、入力された等価回路定数からアドミタンスまたはインピーダンスの周波数特性を再計算し、比較表示する入出力部を有することを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定器。 - 通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網と仮定し、モード合成法を用いて、上記コモンモード等価回路の定数を測定する定数測定方法において、
所定の周波数帯域におけるインピーダンスを測定するインピーダンス測定段階と;
上記通信機器のA端子と、B端子と、接地端子との3端子のうちの2端子を選択する端子切替段階と;
測定した各端子間のインピーダンスをインピーダンス記憶部に記憶するインピーダンス記憶段階と;
上記インピーダンス記憶部からインピーダンスを読み出し、測定したインピーダンス変化における極小点または極大点を探索し、必要によって、上記極小点または上記極大点付近のインピーダンスの周波数範囲を狭めて詳しく再測定する命令を出し、ピーク点の詳細なインピーダンスを、上記インピーダンス記憶部に新たに記憶させる命令を出すインピーダンス極小・極大点探索段階と;
上記インピーダンス測定部が測定した端子間のインピーダンス測定値を、上記通信機器がT型3端子回路網であると仮定した場合における上記T型3端子回路網のそれぞれのインピーダンスに変換し、それぞれのアドミタンスに変換するT型3端子回路網変換段階と;
上記T型3端子回路網変換段階で変換したアドミタンスのピーク点を探索し、ピーク点の数を記憶するアドミタンスピーク点探索段階と;
上記ピーク点の周波数とアドミタンスとに基づいて、直列共振回路を仮定し、共振回路定数を計算し、次のピーク点探索の命令を出す共振回路定数計算段階と;
上記共振回路定数計算段階で計算した回路定数を、モード合成によって並列回路に合成する並列回路合成段階と;
通信機器のコモンモード等価回路を表示するコモンモード等価回路表示段階と;
を有し、上記通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網として扱い、上記コモンモード等価回路の定数を測定することを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定方法。 - 通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網と仮定し、モード合成法を用いて、上記コモンモード等価回路の定数を測定する定数測定方法において
所定の周波数帯域のインピーダンスを測定するインピーダンス測定段階と;
上記通信機器のA端子と、B端子と、接地端子との3端子のうちの2端子を選択する端子切替段階と;
測定したそれぞれの端子間のインピーダンスを、インピーダンス記憶部に記憶するインピーダンス記憶段階と;
上記インピーダンス測定部が測定した端子間のインピーダンス測定値を、上記通信機器がT型3端子回路網であると仮定した場合における上記T型3端子回路網のそれぞれのインピーダンスに変換し、それぞれのアドミタンスに変換するT型3端子回路網変換段階と;
上記T型3端子回路網変換段階で変換したアドミタンスのピーク点を探索し、ピーク点の数を記憶し、必要によってピーク点付近のアドミタンスの周波数範囲を狭め、詳しく再測定する命令を出すアドミタンスピーク点探索段階と;
上記ピーク点の周波数とアドミタンスとに基づいて、直列共振回路を仮定し、共振回路定数を計算し、次のピーク点探索の命令を出す共振回路定数計算段階と;
上記共振回路定数計算段階で計算した回路定数を、モード合成によって並列回路に合成する並列回路合成段階と;
通信機器のコモンモード等価回路を表示するコモンモード等価回路表示段階と;
を有し、上記通信機器のコモンモード等価回路を、T型3端子回路網として扱い、上記コモンモード等価回路の定数を測定することを特徴とするコモンモード等価回路の定数測定方法。
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