JP2005059201A - マイクロパーツの製造方法 - Google Patents

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康弘 植田
Minoru Adachi
稔 安達
Takeshi Yao
健 八尾
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Abstract

【課題】 三次元構造物として利用可能なマイクロパーツを製造する方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のマイクロパーツの製造方法は、液体試料の供給口および該液体試料の吐出口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備えた液体試料吐出手段において、液体試料を該吐出手段に供給する工程であって、該液体試料が、ゲルになり得る媒質中に目的物質および析出誘起物質を溶解または分散させることによって調製されている、工程;該シリンダの内部空間に不均一電界を生じさせ、該目的物質および析出誘起物質を所望の位置に集合させる工程であって、該所望の位置が該シリンダの中心軸付近である、工程;該液体試料を吐出させると同時にゲルにする工程;および該ゲルを析出流体に浸漬して、集合している該析出誘起物質の周囲に析出物質を析出させる工程、を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、マイクロパーツの製造方法に関する。
インクジェット技術は、印刷記録用に開発され、家庭用プリンターとして広く用いられている。この技術は、必要な箇所に必要な量の材料を配置できるという特徴が評価され、産業用の製造技術としても注目されている。例えば、超微細インクジェットを用いて、金属の超微粒子を含むインク(導電性インク)を吐出することにより、線幅が1μm以下の配線を描画することが可能である。しかし、インクジェット技術のみでは、基板上に描画するのみであり、空間に配線を施すことは困難である。そのため、三次元的な配線の製造方法が種々検討されている。
現在は、三次元的な配線として、ナノワイヤーやナノチューブと呼ばれるような細線や細管の製造方法およびそれらの技術的応用が種々検討されている。しかし、現状では、特殊な材料についてしか微細な加工が可能ではない。
ところで、四重極電極による誘電泳動力およびキャピラリー内の流速分布の複合効果を利用した誘電泳動法が報告されている(特許文献1参照)。誘電率、粒径などのパラメータにより、電荷を持たない粒子や表面電荷が同じである粒子を効率よくかつ簡便な手段で、検出、計測、選別、または分離できることを示している。この方法は、電気泳動では不可能なサイズの粒子(例えば、40kbp以上のDNA)の分離、電荷がない物質の分離、あるいは表面電荷が同じ物質の検出、計測、選別、または分離を主目的としており、粒子の特性化や同定を目的としたものではない。例えば、上述の導電性インクに応用すれば、本来均一に分散されるべきインク中で、金属の超微粒子を分離することができると思われる。
特開2001−242136号公報
本発明は、インクジェットのような吐出手段と誘電泳動法とを応用して、三次元構造物として利用可能なマイクロパーツを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、マイクロパーツの製造方法を提供し、該方法は、
液体試料の供給口および該液体試料の吐出口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備えた液体試料吐出手段において、液体試料を該吐出手段に供給する工程であって、該液体試料が、ゲルになり得る媒質中に目的物質および析出誘起物質を溶解または分散させることによって調製されている、工程;
該シリンダの内部空間に不均一電界を生じさせ、該目的物質および析出誘起物質を所望の位置に集合させる工程であって、該所望の位置が該シリンダの中心軸付近である、工程;
該液体試料を吐出させると同時にゲルにする工程;および
該ゲルを析出流体に浸漬して、集合している該析出誘起物質の周囲に析出物質を析出させる工程、を含む。
好適な実施態様では、上記液体試料は連続流として吐出される。
別の好適な実施態様では、上記液体試料は液滴の形態で吐出される。
より好適な実施態様では、上記不均一電界発生手段は不均一電界発生電極である。
さらに好適な実施態様では、上記不均一電界発生電極は、上記シリンダの内壁に同芯軸対称に一定間隔で複数設けられている。
他の好適な実施態様では、上記不均一電界発生電極は、上記シリンダの中心軸方向に一定間隔で複数設けられている。
さらに好適な実施態様では、上記目的物質は導電性物質であり、そして上記析出物質は絶縁性物質である。
本発明はまた、マイクロパーツの製造方法を提供し、該方法は、
液体試料の吐出口および該液体試料の供給口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備えた液体試料吐出手段において、液体試料を該吐出手段に供給する工程であって、該液体試料が、固体になり得る媒質中に目的物質を溶解または分散させることによって調製されている、工程;
該シリンダの内部空間に不均一電界を生じさせ、該目的物質を所望の位置に集合させる工程であって、該所望の位置が該シリンダの中心軸付近である、工程;および
該液体試料を吐出させると同時に固体にする工程、を含む。
好適な実施態様では、上記液体試料は連続流として吐出される。
別の好適な実施態様では、上記液体試料は液滴の形態で吐出される。
より好適な実施態様では、上記不均一電界発生手段は不均一電界発生電極である。
さらに好適な実施態様では、上記不均一電界発生電極は、上記シリンダの内壁に同芯軸対称に一定間隔で複数設けられている。
他の好適な実施態様では、上記不均一電界発生電極は、上記シリンダの中心軸方向に一定間隔で複数設けられている。
さらに好適な実施態様では、上記目的物質は導電性物質であり、そして上記媒質は絶縁性物質である。
本発明によれば、目的物質が析出物質または媒質により被覆された、微細なワイヤー状物またはカプセル状物を容易に得ることができる。
例えば、目的物質として導電性物質を用いれば、連続流吐出によって、配線材料などとして使用し得るワイヤーを得ることができる。この配線材料も、例えば、以下のような種々の構成が可能である:(a)目的物質と析出物質が同一である場合は、該物質からなるワイヤー;(b)目的物質と析出物質とが異なる種類の導電性物質である場合は、二重層のワイヤー;および(c)目的物質が導電性物質であり、そして析出物質または媒質が絶縁性物質である場合、絶縁性物質で被覆された導電性ワイヤー。
一方、例えば、媒質としてガラスを用いる場合、ガラス中に結晶を析出させてフォトニック結晶とすることができ、光学素子(スーパープリズム、光波長フィルタ、偏光分離器、光分岐素子、光スイッチなど)に応用できる。
あるいは、リン酸カルシウム類によって被覆したものは、種々の用途がある。リン酸カルシウム類は生体成分であるため、生体適合性に優れており、無害な薬剤送達システム(DDS)として、好ましく用いられる。リン酸カルシウム類は細胞膜を通過することができ、そして細胞内で溶解され得るので、細胞内に所望の物質を導入する目的の道具として使用することが可能である。
本発明のマイクロパーツの製造方法は、誘電泳動力を利用することによって、シリンダ内に供給された液体試料中の目的物質を電気的に1箇所に捕捉集合させることができるという現象に基づいている。
ここで、誘電泳動力とは、不均一な電解中に存在する粒子が分極し、その結果、発生した分極電荷と不均一電解との相互作用に起因した力であって、その大きさFDEPは、
DEP=2πaεRe[K(ω)]▽(E) (1)
で与えられる。ここで、aは粒子半径を表す。また、K(ω)は印加電圧の周波数ωを用いて、
(ω)=ε −ε +2ε (2)
で与えられ、式(2)中のε およびε は、それぞれ
ε =ε−jσ/ω (3)
ε =ε−jσ/ω (4)
である。ただし、ε、ε、σ、およびσは、それぞれ目的物質と試料物質の誘電率と導電率であり、上記式において複素量にはを付す。上記式(1)において、
Re[K(ω)]>0 (5)
であれば、目的物質は電界強度の強い方へ移動し(正の誘電泳動)、
Re[K(ω)]<0 (6)
であれば、目的物質は電界強度の弱い方へ移動する(負の誘電泳動)。これらの式からわかるように、目的物質に正の誘電泳動が発生するか、あるいは負の誘電泳動が発生するかは、印加する電圧の周波数、液体試料の導電率および誘電率、目的物質の導電率および誘電率のパラメータにより決定される。したがって、試料に負の誘電泳動力が作用するように上記パラメータを調節することにより、目的物質を1箇所に捕捉集合させることができる。
まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
<マイクロパーツ>
本発明において、マイクロパーツとは、マイクロメートルからナノメートルまでのオーダーのサイズを有する部品をいう。マイクロパーツは、加工、製造、計測、観察、制御、通信などの種々の目的のための装置の一部として利用され得るものであり、さらに、計測、医療などの操作の際に使用する器具の一部またはその材料であってもよい。
<液体試料吐出手段>
本発明の方法に用いられる液体試料吐出手段は、液体試料の供給口および該液体試料の吐出口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備える。
上記シリンダの材質は、固体絶縁材料であれば、特に限定されず、液体試料に応じて選択され得る。例えば、ガラス、セラミックスなどの無機材料;熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などの有機材料などが挙げられる。成形が容易である点で、ポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂などが挙げられる。この中でも、耐薬品性、耐蝕性のある樹脂が好ましい。シリンダの吐出口の口径は、製造するマイクロパーツに応じて適宜決定され、例えば、20nm〜100μmのサイズが好ましい。また、シリンダの内径および長さも、後述の電極のサイズおよび数に応じて適宜決定され得る。シリンダの断面形状も製造するマイクロパーツに応じて適宜決定され、円形、楕円形、四角形のような多角形などであってもよい。
液体試料吐出手段は、液体試料を連続流として吐出できるものであっても、液滴として吐出できるものであってもよい。連続流として吐出可能な手段としては、マイクロシリンジが挙げられる。その吐出速度は、目的に応じて、適宜設定される。一方、液体試料を液滴として吐出可能な吐出手段に用いられる駆動装置としては、代表的には、インクジェット駆動デバイスが挙げられる。インクジェット駆動デバイスを用いると、液体試料の微量吐出が可能である。さらに、高速で吐出できるため、スループットも向上する。
<不均一電界発生手段>
上記液体試料吐出手段に設けられる不均一電界発生手段としては、不均一電界発生電極が挙げられる。電極の場合、その材質は、導電材料であれば特に限定されない。例えば、アモルファスカーボン、酸化インジウムなどの薄膜電極形成材料、金、銀、銅などの金属が挙げられる。電極の形成のしやすさの点から、アモルファスカーボンおよび酸化インジウムが好適に用いられる。
上記不均一電界発生電極は、シリンダの壁内に埋設されていてもよいが、物質の誘電特性を精密に制御できる点で、電極表面がシリンダの内部空間に露出または突出していることが好ましい。図1に示すように、電極は、好ましくは、シリンダの中心軸方向に垂直に電界を生じるように設けられる。円筒状シリンダを例に挙げて、図2を説明する。図2aは、シリンダの透視模式図である。図2bは、図2aのA−A’断面模式図であり、電極が、シリンダの内壁に沿って同心円状(同芯軸対称)に配置されている。電極は、図2に示すように、同心円がいくつかに分断された形状の多重電極であってもよいし、連続した同心円の形状であってもよい。多重極度が増大するほど、低印加電圧で液体試料中の微量の目的物質を制御することが可能となる。
特に、液体試料を液滴として吐出する場合には、不均一電界発生電極は、シリンダの中心軸と平行に一定間隔で複数設けることが好ましい。不均一電界の強度の強い部分と弱い部分とが、シリンダの中心軸方向に複数存在するように、各電極に印加する電圧が調整されていてもよい。例えば、図3に示すように、各電極に印加する電圧の強度を等しくすることによって、定常電界を形成することができる。液体試料中の目的物質は、(6)式が満たされるように液体試料の導電率と誘電率とを調整することにより、定常電界の強度の弱い部分のシリンダ中心軸付近に集合する。次いで、例えば、インクジェット駆動デバイスを駆動させ、集合した目的物質を確実に含む液体試料を液滴として順次吐出させることによって、均一な液体試料を高速で吐出させることができる。
目的物質が液体試料の供給口から吐出口の方向に移動するように進行波電界を形成してもよい。進行波電界とは、電界の強い部分の1つに着目したときに、この電界の強い部分が供給口から吐出口に向かって移動する電界をいう。進行波電界は、液体試料の供給口から吐出口の方向に、時間をずらしながら、同一周期でシリンダに設けられた電極に電圧を印加することによって形成される。それによって、目的物質が液体試料の供給口から吐出口の方向に移動する。例えば、図3の場合は、目的物質の集合体は、シリンダの中心軸方向に隣接する電極の間隔で配置され、順次吐出口方向に移動する。
<目的物質>
本発明において、目的物質とは、マイクロパーツとして使用することが意図される物質をいう。目的物質は、液体試料中での該物質の電荷の有無を問わず、金属、セラミックス、有機物質、無機物質などを含むあらゆる物質であり得る。マイクロパーツとして使用することが意図される物質であれば、例えば、ウイルス、微生物、単細胞生物、動物細胞、植物細胞、ならびにこれらに由来するDNA、タンパク質などの生体微粒子であってもよい。なお、目的物質は、以下で述べる析出誘起物質と同一であってもよい。
液体試料中の目的物質の濃度は、その目的に応じて、適宜設定され得る。例えば、連続的に吐出して、目的物質をワイヤー状にするためには、ワイヤーに途切れが生じないような濃度設定にする必要がある。
<析出物質>
本発明において、析出物質とは、以下に定義する析出流体(液体、気体など)から析出し得る固体物質をいい、特に限定されない。例えば、液体に溶解し得る溶質、難溶性の塩を形成する物質などが挙げられる。具体的には、本発明においては、リン酸カルシウム類などの塩、金属酸化物、金属、半導体、ガラス、セラミックス、カーボン材料(例えば、アモルファスカーボン)、ダイヤモンド、有機高分子などが特に好適である。析出した析出物質の状態は、特に限定されず、例えば、結晶状態であってもよく、または無定形(アモルファス)状態であってもよい。
(リン酸カルシウム類)
本発明において、リン酸カルシウム類とは、第一リン酸カルシウム(Ca(HPO)、第二リン酸カルシウム(CaHPO)、第三リン酸カルシウム(Ca(PO)、リン酸四カルシウム(Ca(POO)、リン酸八カルシウム(Ca(PO)、ヒドロキシアパタイト類を含むアパタイト類、アモルファスリン酸カルシウムなどを含み、結晶水を有するものも含む。
(ヒドロキシアパタイト類)
本発明において、ヒドロキシアパタイトとは、化学式Ca10 (PO)(OH)で表される化合物をいう。ヒドロキシアパタイト類とは、ヒドロキシアパタイトまたはその構成元素が置換および/または欠損しているものをいう。ヒドロキシアパタイト類は、例えば、ヒドロキシアパタイトを構成する元素あるいは基の一部が、Na、Kなどの周期律表第I族の元素、Mg、Znなどの周期律表第II族の元素、F、Clなどの周期律表第VII族の元素;CO 2−、HPO 2−、SO 2−などの基で置換されている。さらに、希土類により置換されていてもよい。このようなヒドロキシアパタイト類は、リン酸カルシウム類を形成するための析出流体(リン酸カルシウム類形成溶液)中に含まれる種々の元素あるいは基に由来する。
(金属酸化物)
本発明において、金属酸化物は、特に限定されず、好適には、TiO、Ta、ZrO、HfOなどの高誘電率酸化物、Feなどの磁性体酸化物が挙げられる。
(金属)
本発明において、金属としては、例えば、コバルト、ニッケル、鉄、Fe−Pt系化合物、Sm−Co系化合物、Nd−Fe−B系化合物、その他の鉄族あるいは希土類元素を含む種々の化合物などが挙げられる。
(半導体)
本発明において、半導体としては、例えば、シリコンやゲルマニウム、GaN、GaAs、InPなどが挙げられる。
(セラミックス)
本発明において、セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、チッ化ホウ素、炭化珪素などが挙げられる。
(有機高分子)
本発明において、有機高分子は、特に限定されず、例えば、コラーゲン、キチン、ポリ乳酸、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン6、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、合成ゴムなどが挙げられる。
<析出誘起物質>
本発明において、析出誘起物質とは、上記析出物質の析出または結晶化の促進を行い得る物質をいう。析出誘起物質は1種類とは限らず、2種類以上のものを混合してもよい。また、異種の析出物質の析出を誘起する物質が混合されていてもよい。また、媒質内の所定の位置で化学的または物理的変化を起こして析出物質の析出を誘起する物質に変換される物質も含む。析出誘起物質は、例えば、種結晶のような微粒子の形態であってもよい。
析出誘起物質の微粒子のサイズは、特に限定されず、一般には1nm〜1mm、好ましくは1nm〜100μm、より好ましくは10nm〜10μmである。
(種結晶)
析出誘起物質として、析出すべき物質の種結晶を用いることができる。種結晶は、同一または類似の結晶形もしくは原子間隔が類似した結晶形を有するものであれば、化学組成が目的とする相と異なっていてもよい。種結晶は、通常1nm〜500nmの微細なものがよく、1nm〜100nmが好ましく、その使用量は任意である。このような種結晶として、ミクロフィルタで濾過して通過した濾液中の微細結晶をそのまま用いてもよい。
種結晶は、例えば、リン酸カルシウム類の場合、以下のようにして得ることができる。析出流体(リン酸カルシウム類形成溶液)中でCaO−SiO系ガラス粉末と樹脂フィルムとを接触させ、例えば、数日間放置すると、フィルム表面にリン酸カルシウム類の微結晶が析出する、リン酸カルシウム類微結晶が析出した樹脂フィルムを、アセトンなどの溶媒で溶解する。溶媒中に残ったリン酸カルシウム類微結晶を回収し、種結晶とする。リン酸カルシウム類微結晶との接着性が悪い樹脂フィルム(例えばフッ素樹脂)を用いる場合には、蒸留水などの溶媒中で超音波振動を与えて樹脂フィルムからリン酸カルシウム類微結晶を剥落させてもよい。
このように、析出流体の外部に一旦取り出す、あるいはアセトンなどによる溶媒処理を行うなどの操作を行って得られる微結晶は、再び析出流体に浸漬することによって、種結晶として働く。
本発明において、種結晶は、上記のような微結晶だけでなく、固体ブロックを粉砕して微粉末としたもの、結晶をすりつぶした微粉末であってもよい。例えば、金属や金属酸化物の粉末が挙げられる。
(その他の析出誘起物質)
他の析出物質、例えば、リン酸カルシウム類に対する析出誘起物質としては、例えば、リン酸系ガラス、NaO−CaO−SiO−P系ガラス、NaO−KO−MgO−CaO−SiO−P−CaF系ガラス、MgO−CaO−SiO−P−CaF系結晶化ガラスなどの特定組成のガラスおよび/または結晶化ガラス、ウォラストナイトが好ましく用いられる。Si−OH基、Ti−OH基、Ta−OH基、Zr−OH基、PO基、COOH基などをその表面に有する物質も用いることができる。これらの析出誘起物質は、微粒子化して用いる。
<析出流体>
本発明において、析出流体とは、析出物質を析出させるために使用する流体をいう。流体としては、液(液体、分散液など)、気体、超臨界流体、プラズマ、ゾル、微粒子を含むエアロゾルやコロイド溶液などが挙げられる。この析出流体には、以下に定義する媒質内の所望の位置に配置された析出誘起物質と接触させることによって析出する析出物質および/または析出物質の成分が含まれている。析出流体に、上記析出誘起物質を分散させて、媒質として使用してもよい。析出流体の組成、濃度などは、析出物質に応じて適宜決定され得る。
析出流体には、析出物質および/または析出物質の成分以外の種々の物質を含んでいてもよい。例えば、析出条件を調整するための物質(例えば、pH調整剤)、上記のような析出誘起物質が挙げられる。具体的には、リン酸カルシウム類形成溶液中のナトリウムイオンや塩化物イオンの濃度は、リン酸カルシウム類の析出速度に影響する。
本発明において好適に用いられる析出流体の具体例としては、リン酸カルシウム類を析出させるためのリン酸カルシウム類形成溶液、金属酸化物を析出させるための金属酸化物析出溶液、金属を析出させるための無電解メッキ液、半導体膜を析出させるためのGa−As分子線または窒素プラズマなどが挙げられる。
(リン酸カルシウム類形成溶液)
本発明において、リン酸カルシウム類形成溶液とは、リン酸カルシウム類を析出させるために使用される溶液をいう。リン酸カルシウム類形成溶液は、カルシウムイオン(Ca2+)を0.02〜25mM、リン酸水素イオン(HPO 2−)を0.01〜10mM含有し、pHが6〜8であることが好ましい。より好ましくはカルシウムイオンを0.2〜20mM、リン酸水素イオンを0.1〜8mM含み、pHは6.8〜7.6である。さらに好ましくは、カルシウムイオンを1.2〜5mM、リン酸水素イオンを0.5〜2mM含み、pHは7.2〜7.5である。
本発明において、リン酸水素イオンとは、水溶液中でPO 3−を生成し得るリン酸の総称を意味する。リン酸(HPO)は、水溶液中では、以下の式:
Figure 2005059201
に示すように、解離平衡の状態にあり、リン酸(HPO)、リン酸二水素イオン(HPO )、リン酸水素イオン(HPO 2−)、およびリン酸イオン(PO 3−)が共存する。それぞれの存在量はpHによって変化し、pHが7程度の水溶液では、リン酸二水素イオンとリン酸水素イオンとが多く存在する。リン酸、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、およびリン酸イオンはいずれも、PO 3−量が同等であるので、本発明では、これらをまとめて「リン酸水素イオン」として記述する。なお、縮合リン酸なども、水溶液中で加水分解してPO 3−を生成するので、同等のPO 3−量を有するリン酸水素イオンとして総称して記述する。
リン酸カルシウム類形成溶液の調製には、リン酸水素二カリウム・三水和物及び塩化カルシウムを用いることが好ましい。リン酸カルシウム類形成溶液のpHは、適切な緩衝液、例えばNHC(CHOH)を用い、さらに塩酸のような酸を加えて調整することが好ましい。
生体適合性に優れたリン酸カルシウム類を形成させるためには、カルシウムイオンとリン酸水素イオンに加えて、例えば、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム・六水和物、硫酸ナトリウムなどをさらに含む、いわゆる擬似体液とすることが好ましい。擬似体液を調製する場合、ナトリウムイオン(Na)を1.4〜1420mM、カリウムイオン(K)を0.05〜50mM、マグネシウムイオン(Mg2+)を0.01〜15mM、塩素イオン(Cl)を1.4〜1500mM、炭酸水素イオン(HCO )を0.04〜45mM、硫酸イオン(SO 2−)を5.0×10−3〜5mM含有していてもよい。好ましくは、ナトリウムイオンを14〜1140mM、カリウムイオンを0.5〜40mM、マグネシウムイオンを0.1〜12mM、塩素イオンを14.5〜1200mM、炭酸水素イオンを0.4〜36mM、硫酸イオンを0.05〜4mM含む。より好ましくは、ナトリウムイオンを70〜290mM、カリウムイオンを2.5〜10mM、マグネシウムイオンを0.7〜3.0mM、塩素イオン70〜300mM、炭酸水素イオンを2.0〜9.0mM、硫酸イオンを0.2〜1.0mM含有していてもよい。
最も好ましいリン酸カルシウム類形成溶液(擬似体液)は、無機成分の組成が、人体の血漿中の無機成分に類似し、ナトリウムイオンを142.0mM、カリウムイオンを5.0mM、マグネシウムイオンを1.5mM、カルシウムイオンを2.5mM、塩素イオンを148.8mM、炭酸水素イオンを4.2mM、リン酸水素イオンを1.0mM、硫酸イオンを0.5mM含む。
このリン酸カルシウム類形成溶液には、有機高分子が溶解されていてもよい。有機高分子としては、例えば、コラーゲン、キチン、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコーンなどが用いられ、特にコラーゲン、キチンなどの生体高分子が好ましく用いられる。例えばコラーゲンを用いた場合、人工骨材として用いられる。
(金属酸化物析出溶液)
本発明において、金属酸化物析出溶液とは、金属酸化物を析出させるために使用される溶液をいう。例えば、酸化チタン析出溶液は、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム水溶液と酸化ホウ素水溶液とを混合した溶液が好ましい。
(無電解メッキ液)
本発明において、無電解メッキ液とは、金属を析出させるために使用される溶液をいう。無電解メッキ液としては、通常用いられている無電解メッキ液が好適である。
<媒質>
本発明において、ゲルになり得る媒質または固体になり得る媒質とは、温度などの種々の条件によって流体状態からゲルまたは固体に容易に変化し得る流体である。媒質は、吐出されてゲル化または固化した後、上記目的物質および析出誘起物質を保持するために使用される。ゲルになり得る媒質の場合は、後述する析出物質および/または析出物質の成分が浸透して移動可能な物質であればよい。媒質は、析出誘起物質や析出物質および/または析出物質の成分に応じて、適宜選択され得る。例えば、コロイド分散系であってもよい。あるいは、媒質は、析出物質および/または析出物質の成分を溶解した状態で含んでいてもよい。例えば、媒質が温度によってゲル化する物質であれば、目的物質および析出誘起物質を流体状態の媒質中に分散させ、これを上記不均一電界発生手段で媒質内の所定の位置に集合させて吐出すると同時に冷却して媒質をゲル化すれば、集合させた目的物質および析出誘起物質を媒質内の所定の位置に保持することが可能である。ゲルとしては、寒天、ゼラチン、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、シリカゲルなどが挙げられる。ゲル化には、温度の他に、ゲル化剤などの他の化学物質が有効に働くことがある。また、固体としては、ガラスなどの非晶質物質;溶融塩、金属、セラミックスなどが挙げられる。固化についても、温度の他に、硬化剤などの他の化学物質が有効に働くことがある。
<集合>
本発明において、集合とは、媒質内に分散している析出誘起物質および/または所望の物質を、不均一電界発生手段によって所望の位置に集めることをいう。目的物質と析出誘起物質とを集合させる場合は、両物質を同時に集合させるように、不均一電界を調整する。
<保持>
本発明において、保持とは、物質が媒質内に三次元的に固定された位置を維持することをいう。保持するための手段としては、流体状態の媒質をゲル化または固体化すること;誘電泳動や遠心力や磁力により物質を流体状態の媒質内の所望の位置に集合させ続けることなどが挙げられる。
例えば、ゲル化し得る媒質の場合、物質を内部で集合させた流体状態の媒質を冷却してゲル化することによって、物質は所望の位置で保持され得る。例えば、析出誘起物質の集合体を内部に含有するゲル;所望の物質と該所望の物質の近傍に存在する析出誘起物質とを含有するゲル;所望の物質と析出誘起物質との凝集体を含有するゲルを得ることができる。
<析出>
析出物質は、媒質内に保持された析出誘起物質と接触すると、その周囲に析出する。あるいは、析出物質の成分は、媒質内に保持されて、析出誘起物質と接触すると、その周囲に析出物質を形成する。析出物質および/または析出物質の成分は、上記析出流体として、あるいは予め媒質内に溶解されて供給される。析出物質の析出量は、供給する析出物質の濃度、析出に要する時間などによって適宜調整可能である。
例えば、媒質がゲルである場合は、析出流体をゲルの外部から供給することが可能である。具体的には、目的物質と析出誘起物質との集合体を内部に含有するゲルを析出流体に浸漬することによって、析出物質がゲル内に浸透し、析出物質は目的物質の周囲を取り囲むように析出し、結果として、目的物質が析出物質によって被覆された構造物が得られる。必要に応じて、適切な手段でゲルを除去し、析出物質の塊または析出物質で被覆された目的物質を得ることができる。
あるいは、例えば、ガラスの場合は、析出誘起物質を目的物質として用い、高温の溶融状態にて目的物質を所望の位置に配置させて吐出すると同時に、冷却して固化し、予めガラス内に混合されていた析出物質および/または析出物質の成分からの析出物質を目的物質(すなわち、析出誘起物質)の周囲に析出させることが可能である。
<マイクロパーツの製造方法>
本発明の第1のマイクロパーツの製造方法は、液体試料の供給口および該液体試料の吐出口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備えた液体試料吐出手段において、液体試料を該吐出手段に供給する工程であって、該液体試料が、ゲルになり得る媒質中に目的物質および析出誘起物質を溶解または分散させることによって調製されている、工程;該シリンダの内部空間に不均一電界を生じさせ、該目的物質および析出誘起物質を所望の位置に集合させる工程であって、該所望の位置が該シリンダの中心軸付近である、工程;該液体試料を吐出させると同時にゲルにする工程;および該ゲルを析出流体に浸漬して、集合している該析出誘起物質の周囲に析出物質を析出させる工程、を含む。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
例えば、図1は、媒質中に目的物質(○)および析出誘起物質(●)が分散されている液体試料を吐出する場合の、液体試料吐出手段の模式図である。液体試料は、例えば、流体駆動ポンプにより供給口からシリンダ内に導入され、吐出口の方向に移動する。吐出口付近では、シリンダ内壁に設けられた不均一電界発生電極により、シリンダの内部空間には所定の不均一電界が形成される。そのため、例えば、溶媒の誘電率および導電率を適切な値に調整することによって、目的物質および析出誘起物質を誘電泳動力によってシリンダの中心軸付近に集合させることができる。この状態で吐出手段を駆動させると、目的物質および析出誘起物質の集合体を含む液体試料が吐出口から吐出され得る。
次に、例えば、連続的に吐出された液体試料は適切な手段によってゲル化され、図4に示すように、中心軸付近に目的物質および析出誘起物質の集合体を含む細長い紐状のゲルとなる。このゲルを、析出流体に浸漬すると、析出流体中の析出物質および/または析出物質の成分がゲル内に浸透して、集合している析出誘起物質に接触し、その周囲に析出物質が析出する。析出後、必要に応じて適切な方法でゲルを除去すれば、細いワイヤー状の目的物質の周囲が析出物質でコーティングされている形状のマイクロパーツが得られる。あるいは、液体試料が液滴として吐出される場合は、目的物質の集合体(例えば、DNA断片)が析出物質(例えば、リン酸カルシウム)でコーティングされている粒子としてのマイクロパーツが得られる。
本発明の第2のマイクロパーツの製造方法は、液体試料の吐出口および該液体試料の供給口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備えた液体試料吐出手段において、液体試料を該吐出手段に供給する工程であって、該液体試料が、固体になり得る媒質中に目的物質を溶解または分散させることによって調製されている、工程;該シリンダの内部空間に不均一電界を生じさせ、該目的物質を所望の位置に集合させる工程であって、該所望の位置が該シリンダの中心軸付近である、工程;および該液体試料を吐出させると同時に固体にする工程、を含む。
第2の方法について、図5を用いて説明すると、シリンダ内で中心軸付近に集合させた目的物質を含む液体試料は、例えば、連続的に吐出されると同時に適切な手段によって固化され、中心軸に沿って目的物質の集合体を含む棒状物のマイクロパーツが得られる。
例えば、目的物質が導電性物質であり、媒質が絶縁性物質であり、そして液体試料を連続的に吐出する場合、絶縁性物質でコーティングされている導電性ワイヤーを得ることができる。また、液滴として吐出する場合の例としては、例えば、目的物質が磁性体微粒子であり、そして媒質がガラスであれば、ガラスコーティングされた磁性体粒子が得られる。
(モデル実験)
ポリスチレン標準球を目的物質(析出誘起物質)のモデルとして、誘電泳動法により、目的物質を所定の位置に保持し得ることを確認した。図6は、この実施例に用いた誘電泳動装置の断面図を示す。この装置1は、四重極電極2、絶縁ゴム3、および透明なアクリル板4から構成されている。試料入口5から供給された試料6は、四重極電極2を通過し、ポリイミドチューブ7から回収されるように構成されている。この試料のフローは、ポリイミドチューブの先端にシリンジポンプ(シリンジポンプミュートンmini(センシュー科学製))(図示せず)を取りつけて、所定の速度で吸引することにより、形成されている。四重極電極2は交流電源(WAVEFACTORY WF1946)から電圧が印加されるように構成され、試料入口5から入ってきた試料6の四重極電極における試料の挙動は、装置の下部に取りつけた顕微鏡8(ニコン倒立顕微鏡ECLIPSE TE-2000U)で連続的に観察した。
5μmポリスチレン標準球(MAGSPHER inc製、Monosized PS Microsphere)および1μmポリスチレン標準球(Duke Scientific Corporation, Latex Microspher Suspension-5100A)(いずれも1.05g/cmの水溶液)とを数量比で約16:1となるように混合し、約20倍量の0.02質量%塩化カリウム溶液で希釈し、試料とした。チャンバー内を試料で満たし、シリンジポンプで10nl/分の速度で、試料の吸引を開始し、四重極電極に12V、100kHzの交流電圧を印加した。この電圧の印加により、電極への流入量が少ない初期段階では、ポリスチレン球は図7に示すように、液滴もしくはクラスター状となっており、流入量の増加とともに、図8に示すような直径約15μmのポリスチレンスリングが形成された。このとき、1μmのポリスチレン標準球は、電極の中心部には集まらず、周辺部に散在して、フローされていた。
その後、シリンジポンプでの吸引を止めたところ、フローが遅くなり、ポリスチレンスリングが約20μm程度の太さになった(図9参照)。
次に、上記ポリスチレン標準球混合物の濃度を約1.5倍にした0.02質量%塩化カリウム溶液を調製し、シリンジポンプで10nl/分の速度で、試料の吸引を開始した。その後、四重極電極に7V、100kHzの交流電圧を印加した。ポリスチレンスリングの太さは約35μmとなった(図10参照)。
その後、印加電圧を低下させたところ、ポリスチレンスリングが約40μm程度の太さになった(図11参照)。
ポリスチレンスリングの形成が可能であることから、導電性物質を使用することによって、微細構造を有する導電性ワイヤーの形成が可能であることが示された。また、1μmのポリスチレン標準球を周辺部に同時に散在させることができたことから、これを絶縁物質に代えることによって、絶縁が可能となることも示している。さらに、ワイヤー径は、流す材料の量(濃度)、フロー速度、電圧などによって制御し得ることも確認された。さらに、ポリスチレンによるクラスター作成が可能であることから、一定量の目的物質を含んだ液滴を作成することが可能であることも示された。
本発明の方法は、配線材料などとして使用し得る微細なワイヤーを製造し得るので、マイクロパーツの製造分野に特に好適に使用される。また、例えば、医薬品の製造分野(薬剤送達システム(DDS)など)、食品分野(酸化防止、食品の劣化防止など)、建築分野(コンクリートの崩壊防止など)、あるいは光学分野(フォトニック結晶、光学素子(スーパープリズム、光波長フィルタ、偏光分離器、光分岐素子、光スイッチなど)で利用される。
目的物質および析出誘起物質が媒質中に分散された液体試料を吐出する場合の、本発明で使用される液体試料吐出手段の模式図である。 図2aは、本発明で使用される液体試料吐出手段の一実施態様におけるシリンダの透視模式図であり、そして図2bは、図2aにおけるA−A’断面模式図である。 複数の電極によって定常電界または進行波電界を形成した場合の、本発明で使用される液体試料吐出手段のシリンダの断面模式図である。 液体試料が連続的に吐出されると同時にゲル化されて、中心軸付近に目的物質および析出誘起物質の集合体を含むゲルが形成されることを示す模式図である。 液体試料が連続的に吐出されると同時に固化されて、中心軸付近に目的物質の集合体を含む固体が形成されることを示す模式図である。 実施例で用いた誘電泳動装置の断面図である。 ポリスチレン球が液滴もしくはクラスター状となっていることを示す顕微鏡写真である。 12V、100kHzの交流電圧を印加したときに形成されたポリスチレンスリングの顕微鏡写真である。 図8の顕微鏡写真撮影後、シリンジポンプでの吸引を止めたときに形成されたポリスチレンスリングの顕微鏡写真である。 ポリスチレン標準球混合物の濃度を約1.5倍とし、7V、100kHzの交流電圧を印加したときに形成されたポリスチレンスリングの顕微鏡写真である。 図10の顕微鏡写真撮影後、印加電圧を低下させたときに形成されたポリスチレンスリングの顕微鏡写真である。
符号の説明
1 誘電泳動装置
2 四重極電極
3 絶縁ゴム
4 アクリル板
5 試料入口
6 試料
7 ポリイミドチューブ
8 顕微鏡

Claims (14)

  1. マイクロパーツの製造方法であって、
    液体試料の供給口および該液体試料の吐出口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備えた液体試料吐出手段において、液体試料を該吐出手段に供給する工程であって、該液体試料が、ゲルになり得る媒質中に目的物質および析出誘起物質を溶解または分散させることによって調製されている、工程;
    該シリンダの内部空間に不均一電界を生じさせ、該目的物質および析出誘起物質を所望の位置に集合させる工程であって、該所望の位置が該シリンダの中心軸付近である、工程;
    該液体試料を吐出させると同時にゲルにする工程;および
    該ゲルを析出流体に浸漬して、集合している該析出誘起物質の周囲に析出物質を析出させる工程、
    を含む、方法。
  2. 前記液体試料が連続流として吐出される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記液体試料が液滴の形態で吐出される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記不均一電界発生手段が不均一電界発生電極である、請求項1から3のいずれかの項に記載の方法。
  5. 前記不均一電界発生電極が、前記シリンダの内壁に同芯軸対称に一定間隔で複数設けられている、請求項4に記載の方法。
  6. 前記不均一電界発生電極が、前記シリンダの中心軸方向に一定間隔で複数設けられている、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記目的物質が導電性物質であり、そして前記析出物質が絶縁性物質である、請求項1から6のいずれかの項に記載の方法。
  8. マイクロパーツの製造方法であって、
    液体試料の吐出口および該液体試料の供給口を有するシリンダならびに該シリンダの内部空間への不均一電界発生手段を備えた液体試料吐出手段において、液体試料を該吐出手段に供給する工程であって、該液体試料が、固体になり得る媒質中に目的物質を溶解または分散させることによって調製されている、工程;
    該シリンダの内部空間に不均一電界を生じさせ、該目的物質を所望の位置に集合させる工程であって、該所望の位置が該シリンダの中心軸付近である、工程;および
    該液体試料を吐出させると同時に固体にする工程、
    を含む、方法。
  9. 前記液体試料が連続流として吐出される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記液体試料が液滴の形態で吐出される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記不均一電界発生手段が不均一電界発生電極である、請求項8から10のいずれかの項に記載の方法。
  12. 前記不均一電界発生電極が、前記シリンダの内壁に同芯軸対称に一定間隔で複数設けられている、請求項11に記載の方法。
  13. 前記不均一電界発生電極が、前記シリンダの中心軸方向に一定間隔で複数設けられている、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記目的物質が導電性物質であり、そして前記媒質が絶縁性物質である、請求項8から13のいずれかの項に記載の方法。
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