【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複写機・プリンター・ファクシミリなどの画像情報記録装置（画像形成装置）において未定着画像を加熱・加圧定着させるための定着装置として用いて好適な、特にベルトニップ方式の加熱装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ベルトニップ方式の加熱装置は、加熱ニップ部を形成する１対の相互接触部材の少なくとも一方をベルト部材にし、加熱ニップ部に被加熱材を導入して挟持搬送させて加熱する構成のもので、加熱ニップ部の幅（被加熱材搬送方向の寸法）を大きく設定することができることで、被加熱材の搬送速度を大きくしても十分な加熱時間を確保することが可能である等の利点がある。
【０００３】
例えば特許文献１には画像定着装置としてのベルトニップ方式の加熱装置の具体的構成例が記載されている。
【０００４】
１）第１の従来例
図７はその一例を示すものである。２１と３０は加熱ニップ部（以下、定着ニップ部と記す）ｎを形成させる１対の相互接触部材としての、加熱ローラ（第１の定着部材、定着ローラ）と、ベルトアセンブリ（第２の定着部材、加圧部材）である。
【０００５】
加熱ローラ２１は回転自由に軸受保持されており、矢印の時計方向に回転駆動される。またこの加熱ローラ２１は内部熱源２２により加熱され、温調系により表面温度が所定の定着温度に維持されるように温調される。
【０００６】
ベルトアセンブリ３０は、無端ベルト３５、加圧ローラ３２、第１と第２の２本の支持ローラ（支持軸）３３・３４、アシストパッド１０４等からなり、ベルト３５は加圧ローラ３５および第１と第２の支持ローラ３３・３４の都合３本のローラ間に懸回張架してある。
【０００７】
加圧ローラ３２は不図示の加圧手段により加熱ローラ方向に押圧付勢されて加熱ローラ２１に対してベルト３５を挟んで所定の押圧力で圧接している。アシストパッド１０４はベルト３５の内側で、加圧ローラ３２よりもベルト移動方向上流側に配設され、不図示の加圧手段により加熱ローラ方向に押圧付勢されて加熱ローラ２１に対してベルト３５を挟んで所定の押圧力で圧接している。
【０００８】
上記の加圧ローラ３２とアシストパッド１０４との間におけるベルト部分と加熱ローラ２１の外面部分との相互接触ニップ域が定着ニップ部ｎである。
【０００９】
アシストパッド１０４はベース板１０５に弾性層と表面低摩擦層を設けた固定部材であり、表面低摩擦層側をベルト３５の内面に接触させて配設してある。
ベルトアセンブリ３０のベルト３５は加熱ローラ２１の回転駆動に伴い、定着ニップ部ｎにおける加熱ローラ２１との摩擦力で従動回転する。
【００１０】
加熱ローラ２１が回転駆動され、それに伴いベルトアセンブリ３０のベルト３５も従動回転し、加熱ローラ２１が熱源２２により加熱され、所定の定着温度に温調された状態において、定着ニップ部ｎの加熱ローラ２１とベルト３５との間に未定着トナー像ｔを担持した記録材（以下、記録シートと記す）Ｐが導入され、定着ニップ部ｎを挟持搬送されていく。その挟持搬送過程において未定着トナー像ｔが加熱ローラ２１の熱で加熱されて記録シートＰの面に固着像として熱定着される。
【００１１】
定着ニップ部ｎの幅（ベルト移動方向の寸法）はアシストパッド１０４の幅寸法により広狭容易に設定することができ、定着ニップ部幅を大きく設定することで、記録シートＰの搬送速度を大きくしても十分な定着時間（加熱時間）を確保することが可能である。
【００１２】
また、加圧ローラ３２は、紙厚が薄く紙腰の弱い記録シートに多量のトナーを定着させる場合にも、剥離爪などを必要とせず、定着ニップ部ｎの記録シート出口において、何の剥離装置を用いずに記録シートＰを加熱ローラ２１の表面から剥離できるという所謂セルフストリッピングを可能とするものである。すなわち、一般に加熱ローラ２１の表面は弾性層を有しており、この弾性層に加圧ローラ３２が圧接すると、前記加熱ローラ２１と加圧ローラ３２との圧接領域Ａにおいて、加熱ローラ２１の表面が弾性変形し、加熱ローラ２１と加圧ローラ３２との間を通過する記録シートＰが加熱ローラ２１から剥離する方向へ導かれるのである。
【００１３】
しかし、このセルフストリッピング性能を向上させるために加圧ローラ３２の圧力を大きくすると、記録シートＰ上の未定着画像ｔがずれる現象（像ずれ）が発生する。この現象は、加圧ローラ３２の高い圧力によって加熱ローラ２１上の弾性層に極度のゆがみが発生し、これに伴って、記録シートＰの速度が増大することに起因する。この像ずれを防止するために、前記アシストパッド１０４が設けられている。すなわち、このアシストパッド１０４は、定着ニップ部ｎ内の加圧ローラ３２よりも記録シート搬送方向上流側で加熱ローラ２１を極度に歪ませないように広範囲領域Ｃに大きな圧力をかけるためのものであり、これにより、この領域Ｃにおける加熱ローラ２１と記録シートＰとの密着力が、加熱ローラ２１と加圧ローラ３２との圧接領域Ａにおける加圧ローラ３２と記録シートＰとの密着力よりも大きくなり、その結果、前記記録シートＰの速度は加熱ローラ２１の速度と同じになることから、前記像ずれは有効に防止されるのである。
【００１４】
しかしながら、固定部材であるアシストパッド１０４と回転体であるベルト３５の内面とは摺擦により、双方に耐久による磨耗劣化が生じる。一般に磨耗は摺擦速度と両者の加圧力により支配されるため、特に高速化を目指した場合は、ベルト３５へのダメージが大きく、ベルト３５やアシストパッド１０４の長寿命化の妨げとなる。この対策として、ベルト３５の内面へのシリコンオイルオイル塗布により摺擦抵抗を下げる手法が提案されている。
【００１５】
しかし、トナーの定着性や、光沢性を向上するため、アシストパッド１０４への加圧力を増加させた場合には、ベルト３５とアシストパッド１０４の摺擦抵抗が原因となり、ベルト３５の搬送不良（スリップ）を引き起こす。
【００１６】
一般にスリップ対策としては、ベルト３５内の第１または第２の支持ローラ３３、３４の何れかに駆動を与えてベルト３５の搬送力を高める工夫がなされるが、ベルト内面に潤滑剤を塗布した系では潤滑剤がその駆動支持ローラからベルト３５へ駆動効率を下げ、充分な効果が得られにくい。
【００１７】
即ち、ベルト３５の内面特性に関しては、アシストパッド１０４との摺擦部における摩擦係数μの低減と、駆動支持ローラ当接部における摩擦係数μの確保という相矛盾した特性が要求される。アシストパッド１０４に表面摩擦係数μの低い部材を用い、駆動ローラに表面摩擦係数μの高い部材を用いることで、ある程度この矛盾を解消し得るが、圧力を増していった際の効果が不十分である。
【００１８】
ベルト３５のスリップは記録シートＰの搬送不良や画像不良のみならず、加熱ローラ２１の表層の摺擦による加熱ローラ表層材の傷及び、弾性層の異常変形による弾性層の劣化等、加熱ローラ２１に与えるダメージも大きく、加熱ローラ２１の寿命へも影響する重要な課題である。
【００１９】
２）第２の従来例
この対策として、上記図７の加熱装置において固定部材としてのアシストパッド１０４を、図８のように、ベルト３５の回転に従動する回転部材としての圧力補助ローラ３１とした装置構成も提案されている。
【００２０】
圧力補助ローラ３１はステンレス等の金属軸上にシリコンゴムやシリコンスポンジ等の柔らかい弾性体で被覆された弾性体ローラであり、ベルト３５の内面からベルト３５を加熱ローラ２１に密着させ、ベルト３５と加熱ローラ２１の表面がずれるのを防止するためのローラである。この構成においては、ベルト３５に内接する部材３１〜３４の全てはベルト３５と共に回転する回転部材であり、先のようなベルト３４の内面との摺擦により生じる弊害を解決することが出来る。
【特許文献１】
特開平９−３４２９１号公報
【００２１】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図８の第２の従来例のように、圧力補助ローラ３１を用いたベルトニップ方式の加熱装置（定着装置）にあっては、加圧ローラ３２と圧力補助ローラ３１との干渉を防止するという観点からすれば、加圧ローラ３２と圧力補助ローラ３１とを近接して配置することが困難であり、しかも両ローラ３２・３１の形状からして、図８に示すように、加熱ローラ２１とベルト３５との接触ニップ域である定着ニップ部ｎの全幅のうち、加熱ローラ２１に対する、加圧ローラ３２の接触部領域Ａと圧力補助ローラ３１の接触部領域Ｃとの間には、無端ベルト３５のみが加熱ローラ２１に接触配置される領域Ｂが存在した。この領域Ｂの幅は図７の第１の従来例において加圧ローラ３２の接触部領域Ａとアシストパッド１０４の接触部領域Ｃとの間に生じる無端ベルト３５のみが加熱ローラ２１に接触配置される領域Ｂよりも幅が大きい。
【００２２】
このため、図８のＡ、Ｂ、Ｃに示す各接触ニップ域における加熱ローラ２１に対するベルト３５の圧力分布は図９のようになり、加圧ローラ３２及び圧力補助ローラ３１が接触していないＢの領域では、かかる圧力が微小となっていた。このような状況下において、微小圧力状態となるＢの領域では、トナー層中の空気及び水蒸気の活動を抑え込めるだけの圧力がなく、しかも、その範囲が広いために記録シートＰが微小圧力状態となるＢの領域を通過する際に、トナー層中から放出される空気及び水蒸気の絶対量が多くなり、コート紙等の通気性の低い記録シートＰにおいて、微小圧力部位における画像の乱れが発生しやすくなり、万全とは言えない。
【００２３】
本発明は以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、ベルトニップ方式の加熱装置について、加熱ニップ部の圧力確保と、ベルトのスリップの防止によるベルト搬送性の安定化を両立させること、定着装置にあっては定着ニップ部域における圧力確保によるトナー像の光沢感の確保と、ベルトのスリップの防止によるベルト搬送性の安定化を両立させることを目的としている。
【００２４】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、加熱ニップ部を形成する１対の相互接触部材を有し、加熱ニップ部に被加熱材を導入して挟持搬送させて加熱する加熱装置において、少なくとも一方の接触部材が、第１ベルト部材と、該第１ベルト部材の内側に配置された第２ベルト部材を有し、且つ第１ベルト部材と第２ベルト部材をもう一方の接触部材に押圧する押圧部材を有することを特徴とする加熱装置、である。
【００２５】
この構成により、加熱ニップ部の圧力確保と、ベルトのスリップの防止によるベルト搬送性の安定化を両立させることができ、定着装置にあっては定着ニップ部域における圧力確保によるトナー像の光沢感の確保と、ベルトのスリップの防止によるベルト搬送性の安定化を両立させることができる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
［第１の実施例］
（１）画像形成装置例
図１は本発明に従うベルトニップ方式の加熱装置をトナー像の定着装置として搭載させた画像形成装置の一例の概略構成図である。
【００２７】
１は感光ドラムであり、ＯＰＣ、アモルファスＳｅ、アモルファスＳｉ等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム１は矢印の方向に回転駆動され、その表面は帯電装置としての帯電ローラ２によって一様帯電される。
【００２８】
次に、レーザースキャナ３によって画像情報に応じてＯＮ／ＯＦＦ制御されたレーザービームＬによる走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置４でトナー像として現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、２成分現像法、ＦＥＥＤ現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【００２９】
可視化されたトナー像は、所定のタイミングで給紙機構部７から給紙搬送された記録シート（記録材、転写材、用紙）Ｐ上に転写装置としての転写ローラ５により感光ドラム１上より転写される。
【００３０】
ここで感光ドラム１上のトナー像の画像形成位置と記録シートＰの先端の書き出し位置が合致するようにトップセンサ８にて記録シートＰの先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録シートＰは感光ドラム１と転写ローラ５に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録シートＰは加熱定着装置９へと搬送され、永久画像として定着される。加熱定着装置９を出た画像定着済みの記録シートＰはシートパス１０を搬送されて排紙トレイ１１上に排出される。
一 方、感光ドラム１上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置６により感光ドラム１表面より除去され、感光ドラム１は繰り返して作像に供される。
【００３１】
（２）定着装置９
図２は本実施例における定着装置９の側面模型図、図３はフィルムアセンブリの途中部分省略の正面模型図である。
【００３２】
本実施例の定着装置９は前述した図７の第１の従来例の定着装置と同様にアシストパッド１０４を用いたベルトニップ方式の加熱装置である。前述した図７の装置と同じ構成部材・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
【００３３】
本実施の形態において、定着ニップ部（加熱ニップ部）ｎを形成する１対の相互接触部材のうちの一方の接触部材である加熱ローラ（定着ローラ）２１は、外径６０ｍｍの中空ローラで、アルミの芯金２１ａ上に、シリコンゴムからなる厚さ２ｍｍの耐熱弾性層２１ｂを形成し、更にその外周面に離型層としての厚さ３０μｍのフッ素樹脂層２１ｃを形成してなる三層構造で構成されている。芯金２１ａは此処ではアルミを用いたが、鉄等の他の金属を用いても良い。この加熱ローラ２１は不図示の駆動源により回転力が与えられて、矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【００３４】
加熱ローラ２１の表面には加熱ローラ表面の温度を検知するための温度検知素子としてサーミスタ４１が当接されており、加熱ローラ内部には熱源として例えばハロゲンランプからなるヒータ２２を配設してある。
【００３５】
ヒータ２２は給電回路４３からの給電により発熱し、その発熱により加熱ローラ２１が内部より加熱される。加熱された加熱ローラ２１の表面温度がサーミスタ４１で検知され、その検知温度情報が温調回路４２に入力する。温調回路４２はサーミスタ４１で検知される加熱ローラ表面温度が所定の定着温度に維持されるように給電回路４３からヒータ２２への給電制御することで加熱ローラ２１を温調制御する。
【００３６】
定着ニップ部ｎを形成する１対の相互接触部材のうちのもう一方の接触部材であるベルトアセンブリ２２において、加圧ローラ３２および第１と第２支持ローラ３３・３４の都合３本のローラ間に懸回張架した無端ベルト３５を第１ベルトとしたとき、本実施例においては、この第１ベルト３５の内側において加圧ローラ３２とアシストパッド１０４の両者に対してルーズに掛け回して第２ベルトとしての無端ベルト３６を配設してある。
【００３７】
すなわち、第１ベルト３５に内接する第２ベルト３６の２重のベルト３５・３６を有し、この第１ベルト３５と第２ベルト３６を第２ベルト３６の内側の、押圧部材としての加圧ローラ３２とアシストパッド１０４により加熱ローラ２１に押圧して加熱ローラ２１との第１ベルト３５との間に所定幅の定着ニップ部ｎを形成させている。
【００３８】
本実施例においては、第１ベルト３５を懸回張架させている、加圧ローラ３２および第１と第２支持ローラ３３・３４のうち、第２支持ローラ３４を第１ベルト３５の駆動ローラとして駆動源Ｍから不図示のギア列を介して駆動力を伝達して第１ベルト３５を矢印の反時計方向に回転駆動させている。すなわち第１ベルト３５は回転駆動される加熱ローラ２１と上記の第２支持ローラ３４の双方から駆動力をえている。第２ベルト３６は定着ニップ部ｎにおける第１ベルト３５の内面との摩擦力で第１ベルト３５の回転に従動して加圧ローラ３２とアシストパッド１０４との外回りを回転する。
【００３９】
加熱ローラ２１が回転駆動され、またベルトアセンブリ２２の第２支持ローラ３４が回転駆動されて、第１ベルト３５が回転駆動され、第２ベルト３６が従動回転し、加熱ローラ２１が熱源２２により加熱され、所定の定着温度に温調された状態において、定着ニップ部ｎの加熱ローラ２１と第１ベルト３５との間に未定着トナー像ｔを担持した記録シートＰが導入され、定着ニップ部ｎを挟持搬送されていく。その挟持搬送過程において未定着トナー像ｔが加熱ローラ２１の熱で加熱されて記録シートＰの面に固着像として熱定着される。
【００４０】
第１ベルト３５は、例えば耐熱性樹脂であるポリイミドフィルムなどで構成され、表面にはＰＦＡ等の離型層を有するものが好ましい。本実施例では、第１ベルト３５は直径７５ｍｍの無端ベルトで、厚み７５μｍのポリイミドの基層上に２５０μｍのシリコンゴム耐熱弾性層を有し、３０μｍのＰＦＡチューブを表層に被覆したものを用いた。この第１ベルト３５の内面摩擦係数は約０．３であった。
【００４１】
第１ベルト３５に内接する第２ベルト３６は、例えば耐熱性樹脂であるポリイミドフィルムなどで構成され、この第２ベルト３６には、押圧部材である加圧ローラ３２とアシストパッド１０４が内接している。本実施例では第２ベルト３６には、直径４０ｍｍの基層が１００μｍのポリイミドの無端ベルトを用いた。
【００４２】
第１ベルト３５は、記録シートＰに直接接触するため、弾性層を有することで、例えば記録シートＰの両面に画像形成する際の裏面に形成された画像の画質劣化を低減できる。これは、記録シートＰの表面の凹凸に起因する第１ベルト３５と記録シートＰ上のトナー像の接触ムラに伴なう画像の光沢ムラや、トナー像の潰れムラ等が有る。
【００４３】
第２ベルト３６は、直接記録シートＰに触れないため、弾性層を有することの画質への効果は小さい。むしろ、第２ベルト３６は内接する静止したアシストパッド１０４と摺擦するため、外接する第１ベルト３５の回転との相対速度により弾性層が両者に引っ張り合われることになり、弾性層の寿命が大きく縮まる。第１ベルト３５の方は、外接する加熱ローラ２１と内接する第２ベルト３６の速度差が略無いため引き合いによる弾性層の劣化が無く、弾性層を有すことができる。
また、本実施の形態では、加圧ローラ３２は、加熱ローラ２１と第１ベルト３５との接触ニップ域である定着ニップ部ｎの出口に配設される加圧ローラを兼用しており、不図示の圧縮コイルスプリングによって加熱ローラ２１の中心に向かって付勢されており、第１ベルト３５を加熱ローラ２１に押圧している。ここで、加圧ローラ３２は外径２０ｍｍのローラで、少なくとも加熱ローラ２１よりも高硬度に形成されており、加圧ローラ３２の加熱ローラ２１に対する圧接部Ａでは加熱ローラ２１が弾性変形し、記録シートＰのセルフストリッピング機能を維持するようになっている。加圧ローラ３２と加熱ローラ２１の圧接部Ａのニップ幅は約３ｍｍに設定した。
【００４４】
更に、第２ベルト３６の内側には、不図示の圧縮コイルスプリングにより圧接配置されるアシストパッド１０４が設けられている。アシストパッド１０４は、ベルト搬送方向の幅が２０ｍｍの弾性パッドで、台座上に耐熱弾性体であるシリコンゴム層を有し、フッ素コートされたガラスクロスがシリコンゴム層を覆っている。ガラスクロス層は第２ベルト３６の内面と、アシストパッド１０４の表面の摩擦抵抗を下げるために用いている。アシストパッド１０４と加圧ローラ３２の間隙は約１ｍｍに設定されている。該アシストパッド１０４は加熱ローラ２１の軸方向に向かってコイルスプリングによって第１ベルト３５、第２ベルト３６を加熱ローラ２１に加圧している。第１ベルト３５と第２ベルト３６を挟んでアシストパッド１０４と加熱ローラ２１が形成する圧接部Ｃのニップ幅は約２０ｍｍである。つまり、第１ベルト３５は加圧ローラ３２、アシストパッド１０４からの加圧力を、第２ベルト３６を介して受け、加熱ローラ２１に圧接している。尚、アシストパッド１０４は加熱ローラ２１より低硬度に形成されており、圧接部Ｃにおける加熱ローラ２１へ加圧の平均面圧は、圧接部Ａにおける加圧ローラ３２の加熱ローラ２１への加圧の平均面圧より低い。此処で、平均面圧とは「各圧接部Ｃ・Ａのニップ部にかかる総圧」を「各圧接部Ｃ・Ａのニップ部の面積」で割り算した値である。
【００４５】
アシストパッド１０４のベース板１０５の背面には、第２ベルト３６の内面に潤滑剤としてのシリコンオイルを塗布するオイル塗布機構１０６が設置されている。これは、１０００ｃｓのシリコンオイルを含んだ不織布からなるフェルトで、第２ベルト３６の内面に当接するように設置されている。第２ベルト３６は内面のみに、このオイル塗布機構１０６から潤滑剤としてのシリコンオイルを微量塗布されている。この結果、アシストパッド１０４と第２ベルト３６の内面の摩擦抵抗は下がり、より効果的にベルトのスリップを防止できる。尚オイル塗布後の第２ベルト３６の内面の摩擦係数は、約０．１〜０．２と第１ベルト３５より低く出来ている。
【００４６】
例えば、前述の図７の従来例１のような定着装置では、記録シートＰが定着ニップ部ｎに到達すると、「記録シートＰを定着ニップ部ｎに噛み込む事による定着装置のトルク変動」、記録シート種によっては「加熱ローラ２１、第１ベルト３５、記録シートＰの摩擦係数の関係」、又は「記録シートＰから出される水蒸気等の影響」が原因となり、記録シートＰ−加熱ローラ２１間、又は記録シートＰ−第１ベルト３５間でスリップが起こり、第１ベルト３５及び記録シートＰの搬送不良が起こる。
【００４７】
本実施例１では、前記したように、ベルトアセンブリ３０の第２支持ローラ３４に駆動源Ｍより第１ベルト３５を駆動する駆動力が与えられ、第１ベルト３５及び記録シートＰのスリップを防止している。即ち、第１ベルト３５は、加熱ローラ２１、第２支持ローラ３４の双方から駆動力を得ている。第２支持ローラ３４からの駆動力は、記録シートＰの定着ニップ部ｎの噛み込みの影響を受けずに第１ベルト３５に伝達されるため、第１ベルト３５の搬送性は安定させることができる。尚、第２ベルト３６は専用の駆動ローラを持たず、前述したように、第１ベルト３５に従動している。
【００４８】
第２支持ローラ３４の表面は、耐熱シリコンゴムが被覆されており、駆動力を効率的に第１ベルト３５に伝達している。もし仮に、第１ベルト３５の内面に、シリコンオイル等の潤滑剤が侵入すると、シリコンオイルの潤滑性が原因となり第２支持ローラ３４から第１ベルト３５に駆動が伝わり辛くなる。そこで、第１ベルト３５、第２ベルト３６の長手方向の配置を、図３に示すように、第２ベルト３６の幅（面長）Ｗ３６を第１ベルト３５の幅（面長）Ｗ３５より長くし、オイル塗布機構１０６によって第２ベルト３６の内面に塗られたシリコンオイルが第２ベルト３６の端部を伝って第１ベルト３５に付着することを防止している。尚、第２ベルト３６の端部の裏面又は表面に任意の親水処理（疎油処理）を施しておくことで、第２ベルト３６の端部からのオイル漏れをより効果的に防止できる。
【００４９】
図２・図３に示すように、第１ベルト３５はベルトの寄り補正機構として、第１支持ローラ３３にステアリング機構４４を有し、光学センサ４５を用いて、第１ベルトの寄りを検知した際、制御回路部４６により第１支持ローラ３３の一端側３３ａを支点にステアリング機構４４によって第１支持ローラ３３の他端側３３ｂを記録シート搬送方向の上流側及び下流側に変位させ、第１ベルト３５の長手方向のベルトテンションを制御することで、第１ベルト３５のローラ３２〜３４の長手に沿う寄り移動を補正している。これは、回転中のベルトが長手方向でテンションの低いほうに変位していく動作を利用している。
【００５０】
一方、第２ベルト３６に関しては、第１ベルト３５より外径が小さく第１ベルト３５程の複雑なベルト寄り制御機構４４〜４６は必要としない。又第２ベルト３６は多軸に張架されていないのでテンションを利用したベルト寄り制御機構が効果的に機能しない。このため、第２ベルト３６は両端部に突き当て部材１０７ａ、１０７ｂ（図３）を有するのみで、この突き当て部材へのベルト端部突き当てのみで該ベルト３６の寄り移動を規制している。突き当てのみでの寄り規制はベルト端部の劣化が生じやすい。このため、第２ベルト３６の基層のポリイミド厚みを第１ベルト３５の基層のポリイミドより厚くしている。尚、第１支持ローラ３３は不図示のコイルバネで第１ベルト３５に所定のテンションをかけており、テンションローラとしても機能している。
【００５１】
前述した図７の第１の従来例（従来例１と記す）の定着装置と本実施例（実施例１と記す）１の定着装置に関し、加圧ローラ３２の加熱ローラ２１への加圧力を総圧１９６Ｎに維持したまま、アシストパッド１０４の加熱ローラ２１への加圧力（総圧）を増加させていった際の記録シート通紙時のベルト３５及び記録シートＰのスリップの有無を評価した結果を表１に示す。
【００５２】
記録シートＰには坪量１０５ｇ／ｍ２の転写材を用い、画像はシアントナー単色の画像比率５０％の万線画像を用い、１０００枚通紙時の記録シートＰ及びベルト３５の目視でのスリップ及び、スリップによる画像の乱れを評価した。
【００５３】
【表１】
【００５４】
スリップの発生の無かったものを〇、スリップが発生したものを×として示す。
【００５５】
従来例１では２９４Ｎ以上ではスリップの発生が見られたが、実施例１では３９２Ｎまでスリップの発生を抑えられ、本実施例がスリップに効果的であることが確認された。
【００５６】
又、特に記録シートとして光沢紙を用いた際のトナー像の光沢度は加圧ローラ３２及び、アシストパッド１０４の加圧力に依存しており、加圧力が高いほうがより高い光沢度を得やすい。坪量１５０ｇ／ｍ２、光沢度８０％の光沢紙にシアントナー単色のベタ画像を加熱ローラ１８５℃、加熱ローラの回転速度１００ｍｍ／ｓの条件で、実施例１の３９２Ｎ加圧の系で定着した画像と、従来例１の１９６Ｎ加圧の系で定着した画像を比較したところ、後者は光沢度４０〜５０％程度の画像しか得られなかったのに対し、前者は７０％以上の高光沢画像を得られた。これは、実施例１が対ベルトのスリップ性を向上し、加圧力を印加できた効果である。尚、光沢度の測定には全て入射角６０°のグロス計を用いた。
【００５７】
このように、本実施例においては、第２ベルト３６の内面に潤滑剤を塗布して、塗布後の第２ベルト３６の内面の見かけの摩擦係数を下げることで第２ベルト３６とアシストパッド１０４の摩擦抵抗を下げ、且つ第１ベルト３５の内面には潤滑剤を塗布せずに第１ベルト３５の内面の摩擦係数を高く保持することで、第１ベルト３５と駆動源たる第２支持ローラ３４の摩擦抵抗を確保して駆動源Ｍによる第１ベルト３５の搬送力を確保することで、第１及び第２ベルト３５・３６がスリップすることなく安定したベルト搬送性を確保することが出来た。この結果、ベルトと加熱ローラ間により高加圧力を印加することが可能となり、高光沢な高品位の定着画像を得易く出来た。
【００５８】
本実施例は要するに第１ベルト３５に内接する第２ベルト３６の２重のベルトを有し、第２ベルト３６の内面に摺動する固定の加圧パッド１０４により、定着ニップ部ｎの圧力を得る定着装置であり、第２ベルト３６は、内面摩擦係数の低いものを用い、又は、潤滑剤を塗布して内面摩擦係数を下げて、回転不可の加圧パッド１０４との摩擦抵抗を下げる。一方、第１ベルト３５は内接するベルト駆動ローラ３４を設ける。第１ベルト３５に内面摩擦係数の高いベルトを用いてベルト駆動ローラ３４からの駆動伝達効率を向上し、ベルト駆動力を確保する。この結果、パッド部１０４に高圧を印加しても、加圧パッド１０４と第２ベルト３６との摩擦抵抗に打ち負けずに第１と第２の両ベルト３５・３６を駆動可能となり、記録シートＰと両ベルト３５・３６のスリップを防止できる。すなわち、高速化と高色域、高グロスの両立ができ、ベルト定着での高圧設定時のベルト駆動安定性の確保（ベルトスリップの防止）ができる。
【００５９】
［第２の実施例］
図４は第２の実施例の定着装置９の側面模型図である。図５は図４の部分拡大図である。
【００６０】
本実施例の定着装置９は上記第１の実施例における定着装置９との対比において、第２ベルト３６を加圧ローラ３２には掛け渡さず、アシストパッド１０４のみに掛けた構成にしたものである。本実施例２の定着装置９は、第２ベルト３６の周長と掛けまわし方及び、第１ベルト３５の駆動ローラを第２支持ローラ３４ではなく加圧ローラ３２とした点及び、加圧ローラ３２とアシストパッド１０４の間隙を３ｍｍに広げ、第２ベルト３６と加圧ローラ３２の間に両者の干渉を防止するスペーサーローラ１００を設けた点が、第１の実施例と異なるものの、その他の概要は第１の実施例の装置と同様である。第２ベルト３６は直径３０ｍｍの無端ベルトとした。
【００６１】
本実施例の定着装置９は、第２ベルト３６をアシストパッド１０４のみにかけ、加圧ローラ３２に掛けまわさなかったことで、加圧ローラ３２は、オイル塗布部材１０６により第２ベルト３６の内面に塗布されたシリコンオイルが付着されない。従って、加圧ローラ３２を第１ベルト３５の駆動ローラとして設定しても、駆動の伝達効率を損なわずに効率的に第１ベルト３５を駆動できる。加圧ローラ３２は、加熱ローラ２１との間で第１ベルト３５を挟持、加圧しているため第１ベルト３５の内面と加圧ローラ３２表面間の摩擦力は他の第１・第２支持ローラ３３、３４と第１ベルト３５間の摩擦力に比べ最大値を得られ易く、従って最大のベルト搬送力を与え易い。これは、摩擦力Ｆが、支持ローラとベルト間に働く加圧力Ｆ’（ベルトのテンションを含む）と摩擦係数μとの関係式
Ｆ＝μＦ’
の関係式で示されることによる。この摩擦力Ｆこそが駆動ローラによる第１ベルト３５の搬送力となるのは衆知の通りである。
【００６２】
ここで、第２ベルト３６と加圧ローラ３２の回転方向に着目してみると、スペーサーローラ１００の存在する両者の最近接位置では、図５中、第２ベルト３６は上から下へ、加圧ローラ３２は下から上へと、互いに反対方向に回動しており、前述の画像ズレやコート紙の異常画像を対策するため、加圧ローラ３２とアシストパッド１０４の距離を縮めていった際、相反する方向に回動する第２ベルト３６と加圧ローラ３２が摺擦し、第１ベルト３５の搬送不良や、第２ベルト３６及び駆動ローラたる加圧ローラ３２の表面劣化が課題となる。そこで、本実施例では、第２ベルト３６と加圧ローラ３２の最近接位置近傍に加圧ローラ３２に接触し、加圧ローラ３２に従動するスペーサーローラ１００を配置することで、図５に示すように各ローラ、ベルトの回転方向の矛盾による摺擦を解消している。
【００６３】
スペーサーローラ１００は、外径２ｍｍのステンレスのローラで、加圧ローラ３２に当接されている本実施例の定着装置駆動時の各ローラ及びベルトの回転方向を図５で説明する。加熱ローラ２１は時計周りに回転し、加熱ローラ２１に外接し、加熱ローラ２１と共動する第１ベルト３５は反時計回りに回転している。又、第１ベルト３５に内接し、該第１ベルト３５と共動する加圧ローラ３２、第２ベルト３６は反時計回りに回転している。次に加圧ローラ３２、第２ベルト３６に外接し、加圧ローラ３２、第２ベルト３６と共同するスペーサーローラ１００は時計回りに回転する。この様に、定着装置内の全ての回転体（加熱ローラ２１、第１ベルト３５、加圧ローラ３２、第２ベルト３６、スペーサーローラ１００）は、互いに接する回転部材が、逆動、摺擦することなく回転するため、ストレスの無いスムーズなベルト搬送が可能となった。このため、比較的加圧ローラ３２とアシストパッド１０４の距離を縮めることが可能となった。
【００６４】
本実施例でも、第１の実施例以上に安定な第１ベルト３５及び第２ベルト３６、記録シートＰのスリップを防止した安定した搬送を実現できた。
【００６５】
尚、アシストパッド１０４と加圧ローラ３２の間隙を空けたことで、第１ベルト３５の加熱ローラ２１への微小加圧領域Ｂ（アシストパッド１０４と加熱ローラ２１の圧接部ニップ領域Ｃと、加圧ローラ３２と加熱ローラ２１の圧接ニップ領域Ａ部の間に存在する第１ベルト３５と加熱ローラ２１のニップ領域Ｂのことで、第１ベルト３５のテンションのみで第１ベルトを加熱ローラ２１に加圧している）が広がるものの、微小加圧領域Ｂの弊害である画像ズレやコート紙の異常画像の悪化は小さかった。これは、加圧ローラ３２が直接、第１ベルト３５を駆動し、アシストパッド１０４が第１ベルト３５の搬送ブレーキとなるため、両者間の微小加圧領域Ｂで第１ベルト３５のテンションが高く設定できたためと考えられる。
【００６６】
即ち、微小加圧領域Ｂのニップ部の加圧力は、テンションローラたる第１支持ローラ３３にかけられた第１ベルト３５のテンションに加え、加圧ローラ３２の駆動力とアシストパッド１０４のブレーキとの引っ張り合いにより生じるテンション分、高く加圧できる計算になる。第２支持ローラ３４で第１ベルト３５を駆動した第１の実施例では、第１支持ローラ３３に同じテンションを掛けた場合でも、駆動ローラたる第２支持ローラ３４の上流に加圧ローラ３２、第１支持ローラ３３が存在し、両ローラ３２・３３の回転抵抗も存在するためもあり、上記引っ張り合いによるテンションの効果が小さく、微小加圧領域の加圧力は本第２の実施例の方が高くなっていると考えられる。
【００６７】
［第３の実施例］
図６は第３の実施例の定着装置９の側面模型図である。本実施例は上記第２の実施例の定着装置から、第１と第２の支持ローラ３３、３４を取り除き、第１ベルト３５の周長を更に短くしている。第２ベルト３６の掛けまわし方はそのままで、第１ベルト３５を、加圧ローラ３２とアシストパッド１０４を内包した第２ベルト３６に掛けまわしている。第１ベルト３５の層構成は第２の実施例のままに直径を約４０ｍｍのものを用いた。
【００６８】
アシストパッド１０４と加熱ローラ２１の圧接ニップ部Ｃと加圧ローラ３２と加熱ローラ２１の圧接ニップ部Ａの間に存在する第１ベルト３５の加熱ローラ２１への微小加圧領域Ｂは、第１ベルト３５を駆動する加圧ローラ３２の駆動力と、アシストパッド１０４のブレーキ力によるテンションのみで加圧されるため、微小加圧領域Ｂの弊害である画像ズレやコート紙の異常画像のレベルは悪化するものの、コート紙の使用を前提としない、低コストな画像形成装置の画質としては、充分な画質であった。
【００６９】
定着装置の小型化や、ベルト部材の小型化及び支持ローラの省略による低熱容量化が実現できた。
【００７０】
定着装置を温調した状態で１５分間の空回転を行った際のヒータの消費電力＝空回転放熱量を測定した結果、第２の実施例に比べ、約２５％の空回転放熱量の低減を得られた。
【００７１】
このように、第１ベルト３５に支持ローラ等によるテンションを与えない系に於いても、第１ベルト３５を第２ベルト３６が内包しない加圧ローラ３２等の駆動ローラと加熱ローラ２１とに挟持することで、両者の加圧力により、第１ベルト３５と加圧ローラ３２間の摩擦力が発生するので、加圧ローラ３２の駆動力を第１ベルト３５に伝達することが可能となり、第１ベルト３５、及び第２ベルト３６、記録シートＰのスリップを防止し、ベルト及び記録シートの搬送安定性を確保できた。
【００７２】
［その他］
１）上述した各実施例では、記録シートＰの未定着画像面側に加熱ローラ２１が接触し、非未定着画像面側にベルト回転体を用いた例を説明してきたが、逆に未定着画像面側にベルト回転体を用い、非未定着画像面側にローラを用いた定着装置でも、未定着画像面側と、非未定着画像面側両方にベルトを用いた定着装置に於いても、前述の通りベルトを二重化することで、同等の効果を得ることができる。
【００７３】
２）本発明の加熱装置は実施例の画像加熱定着装置としての使用に限られず、未定着画像を記録材に仮に定着せしめる仮定着装置、定着画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する表面改質装置等の像加熱装置としても有効である。またその他、例えば、紙幣等のシワ除去用の熱プレス装置、熱ラミネート装置、紙等の含水分を蒸発させる加熱乾燥装置など、シート状部材を加熱処理する加熱装置として用いても有効であることは勿論である。
【００７４】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【００７５】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ベルトニップ方式の加熱装置について、加熱ニップ部の圧力確保と、ベルトのスリップの防止によるベルト搬送性の安定化を両立させることができ、定着装置にあっては、定着ニップ部域における圧力確保によるトナー像の光沢感の確保と、ベルトのスリップの防止によるベルト搬送性の安定化を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１の実施例における画像形成装置の概略構成模型図である。
【図２】第１の実施例における加熱装置（定着装置）の側面模型図である。
【図３】フィルムアセンブリの途中部分省略の正面模型図である。
【図４】第２の実施例における加熱装置（定着装置）の側面模型図である。
【図５】図４の部分拡大図である。
【図６】第３の実施例における加熱装置（定着装置）の側面模型図である。
【図７】従来例１の加熱装置（定着装置）の側面模型図である。
【図８】従来例２の加熱装置（定着装置）の側面模型図である。
【図９】定着ニップ部内の圧分布を説明するイメージ図である。
【符号の説明】
２１：加熱ローラ、２２：ヒータ、３１：加圧補助ローラ、３２：加圧ローラ、３３：第１支持ローラ、３４：第２支持ローラ、３５：第１ベルト、３６：第２ベルト、１００：スペーサーローラ、１０４：アシストパッド、１０６：オイル塗布部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is particularly suitable for use as a fixing device for heating and pressure-fixing an unfixed image in an image information recording apparatus (image forming apparatus) such as a copying machine, a printer, and a facsimile. Relates to the device.
[0002]
[Prior art]
The heating device of the belt nip method is configured to heat at least one of a pair of mutual contact members forming the heating nip portion as a belt member, introduce a material to be heated into the heating nip portion, convey the material, and heat it. Since the width of the heating nip portion (dimension in the heated material conveyance direction) can be set large, there is an advantage that a sufficient heating time can be secured even if the conveyance speed of the heated material is increased. is there.
[0003]
For example, Patent Document 1 describes a specific configuration example of a belt nip type heating device as an image fixing device.
[0004]
1) First conventional example
FIG. 7 shows an example. Reference numerals 21 and 30 denote a heating roller (first fixing member and fixing roller) and a belt assembly (second fixing member) as a pair of mutual contact members for forming a heating nip portion (hereinafter referred to as a fixing nip portion) n. Member, pressure member).
[0005]
The heating roller 21 is rotatably supported by a bearing and is driven to rotate in the clockwise direction indicated by an arrow. The heating roller 21 is heated by an internal heat source 22 and is temperature-controlled by a temperature control system so that the surface temperature is maintained at a predetermined fixing temperature.
[0006]
The belt assembly 30 includes an endless belt 35, a pressure roller 32, first and second support rollers (support shafts) 33 and 34, an assist pad 104, and the like. The belt 35 includes the pressure roller 35 and the first roller. And the second support rollers 33 and 34 are suspended between three rollers.
[0007]
The pressure roller 32 is pressed and urged in the direction of the heating roller by a pressing means (not shown) and is pressed against the heating roller 21 with a predetermined pressing force with the belt 35 interposed therebetween. The assist pad 104 is disposed on the inner side of the belt 35 and on the upstream side of the pressure roller 32 in the belt movement direction, and is pressed and urged in the direction of the heating roller by a pressing unit (not shown) to the belt 35 against the heating roller 21. Is pressed with a predetermined pressing force.
[0008]
A mutual contact nip region between the pressure roller 32 and the assist pad 104 between the belt portion and the outer surface portion of the heating roller 21 is a fixing nip portion n.
[0009]
The assist pad 104 is a fixing member in which an elastic layer and a low surface friction layer are provided on the base plate 105, and the surface low friction layer side is disposed in contact with the inner surface of the belt 35.
The belt 35 of the belt assembly 30 is driven to rotate by the frictional force with the heating roller 21 in the fixing nip n as the heating roller 21 rotates.
[0010]
The heating roller 21 is driven to rotate, and the belt 35 of the belt assembly 30 is driven to rotate. The heating roller 21 is heated by the heat source 22 and is adjusted to a predetermined fixing temperature. A recording material (hereinafter referred to as a recording sheet) P carrying an unfixed toner image t is introduced between the belt 21 and the belt 35, and is nipped and conveyed through the fixing nip n. In the nipping and conveying process, the unfixed toner image t is heated by the heat of the heating roller 21 and thermally fixed as a fixed image on the surface of the recording sheet P.
[0011]
The width of the fixing nip n (the dimension in the belt moving direction) can be easily set to be wide or narrow depending on the width of the assist pad 104. By increasing the width of the fixing nip, the conveyance speed of the recording sheet P can be increased. However, it is possible to ensure a sufficient fixing time (heating time).
[0012]
Further, the pressure roller 32 does not require a peeling claw or the like when fixing a large amount of toner on a recording sheet having a thin paper thickness and a weak paper, and does not require any peeling at the recording sheet exit of the fixing nip n. This enables so-called self-stripping, in which the recording sheet P can be peeled off from the surface of the heating roller 21 without using an apparatus. That is, generally, the surface of the heating roller 21 has an elastic layer, and when the pressure roller 32 is in pressure contact with the elastic layer, the surface of the heating roller 21 in the pressure contact area A between the heating roller 21 and the pressure roller 32. Is elastically deformed, and the recording sheet P passing between the heating roller 21 and the pressure roller 32 is guided in the direction of peeling from the heating roller 21.
[0013]
However, when the pressure of the pressure roller 32 is increased in order to improve the self-stripping performance, a phenomenon (image shift) in which the unfixed image t on the recording sheet P is shifted occurs. This phenomenon is caused by the extreme distortion of the elastic layer on the heating roller 21 caused by the high pressure of the pressure roller 32 and the increase in the speed of the recording sheet P. In order to prevent this image shift, the assist pad 104 is provided. That is, the assist pad 104 is used to apply a large pressure to the wide area C so as not to distort the heating roller 21 extremely upstream of the pressure roller 32 in the fixing nip n in the recording sheet conveyance direction. Thus, the adhesion force between the heating roller 21 and the recording sheet P in this area C is greater than the adhesion force between the pressure roller 32 and the recording sheet P in the pressure contact area A between the heating roller 21 and the pressure roller 32. As a result, the speed of the recording sheet P becomes the same as the speed of the heating roller 21, so that the image shift is effectively prevented.
[0014]
However, both the assist pad 104 as a fixing member and the inner surface of the belt 35 as a rotating body rub against each other, resulting in wear deterioration due to durability. In general, since wear is governed by the rubbing speed and the pressure applied to both, particularly when high speed is aimed at, the damage to the belt 35 is great, and the life of the belt 35 and the assist pad 104 is hindered. As a countermeasure against this, a method has been proposed in which the rubbing resistance is reduced by applying silicon oil oil to the inner surface of the belt 35.
[0015]
However, when the pressure applied to the assist pad 104 is increased in order to improve the toner fixing property and glossiness, the belt 35 and the assist pad 104 have a frictional resistance, and the belt 35 is poorly conveyed ( Slip).
[0016]
In general, as a countermeasure against slip, a device is devised to increase the conveying force of the belt 35 by driving either the first or second support roller 33, 34 in the belt 35, but a lubricant is applied to the inner surface of the belt. In the system, the lubricant reduces the driving efficiency from the driving support roller to the belt 35, and it is difficult to obtain a sufficient effect.
[0017]
That is, as for the inner surface characteristics of the belt 35, contradictory characteristics are required such as reduction of the friction coefficient μ at the rubbing portion with the assist pad 104 and securing of the friction coefficient μ at the driving support roller contact portion. This contradiction can be solved to some extent by using a member with a low surface friction coefficient μ for the assist pad 104 and a member with a high surface friction coefficient μ for the drive roller, but the effect of increasing the pressure is insufficient. It is.
[0018]
The slip of the belt 35 includes not only the conveyance failure of the recording sheet P and the image defect, but also the heating roller 21 such as scratches on the surface material of the heating roller due to the rubbing of the surface layer of the heating roller 21 and deterioration of the elastic layer due to abnormal deformation of the elastic layer. This is an important issue affecting the life of the heating roller 21.
[0019]
2) Second conventional example
As a countermeasure, an apparatus configuration in which the assist pad 104 as a fixing member in the heating device of FIG. 7 is a pressure assist roller 31 as a rotating member that follows the rotation of the belt 35 as shown in FIG. .
[0020]
The pressure auxiliary roller 31 is an elastic body roller covered with a soft elastic body such as silicon rubber or silicon sponge on a metal shaft such as stainless steel, and the belt 35 is brought into close contact with the heating roller 21 from the inner surface of the belt 35. This is a roller for preventing the surface of the heating roller 21 from shifting. In this configuration, all of the members 31 to 34 inscribed in the belt 35 are rotating members that rotate together with the belt 35, and the above-described adverse effects caused by the friction with the inner surface of the belt 34 can be solved.
[Patent Document 1]
JP-A-9-34291
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the belt nip type heating device (fixing device) using the pressure auxiliary roller 31 as in the second conventional example of FIG. 8, the interference between the pressure roller 32 and the pressure auxiliary roller 31 is caused. From the viewpoint of prevention, it is difficult to dispose the pressure roller 32 and the pressure auxiliary roller 31 close to each other, and in addition to the shape of the rollers 32 and 31, as shown in FIG. Of the entire width of the fixing nip n, which is the contact nip area between the roller 21 and the belt 35, between the contact area A of the pressure roller 32 and the contact area C of the pressure auxiliary roller 31 with respect to the heating roller 21. There was a region B in which only the endless belt 35 was placed in contact with the heating roller 21. The width of this region B is such that only the endless belt 35 generated between the contact portion region A of the pressure roller 32 and the contact portion region C of the assist pad 104 in the first conventional example of FIG. The width is larger than the region B.
[0022]
Therefore, the pressure distribution of the belt 35 with respect to the heating roller 21 in each contact nip region shown in FIGS. 8A, 8B, and 8C is as shown in FIG. 9, and the pressure roller 32 and the pressure auxiliary roller 31 are not in contact with each other. In this area, the pressure was very small. Under such circumstances, in the region B where the micro pressure state is reached, there is no pressure that can suppress the activities of air and water vapor in the toner layer, and the recording sheet P is in the micro pressure state because the range is wide. When passing through the region B, the absolute amount of air and water vapor released from the toner layer increases, and in the recording sheet P having low air permeability such as coated paper, image disturbance occurs at a minute pressure portion. It becomes easy to do and cannot be said to be perfect.
[0023]
The present invention has been made in order to solve the above technical problems, and in the belt nip type heating device, both ensuring the pressure of the heating nip portion and stabilizing the belt conveyance by preventing the belt from slipping. In the fixing device, the object is to achieve both of ensuring the glossiness of the toner image by securing the pressure in the fixing nip area and stabilizing the belt conveyance by preventing the belt from slipping.
[0024]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention has a pair of mutual contact members that form a heating nip portion, and in a heating device that introduces a material to be heated into the heating nip portion, and conveys and heats the heated nip portion, at least one contact member is a first contact member. A first belt member; a second belt member disposed inside the first belt member; and a pressing member that presses the first belt member and the second belt member against the other contact member. A heating device.
[0025]
With this configuration, it is possible to achieve both the securing of the pressure in the heating nip and the stabilization of the belt conveyance by preventing the belt from slipping. In the fixing device, the glossiness of the toner image is secured by securing the pressure in the fixing nip area. Ensuring the stability of the belt and preventing the belt from slipping.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[First embodiment]
(1) Example of image forming apparatus
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of an example of an image forming apparatus in which a belt nip type heating device according to the present invention is mounted as a toner image fixing device.
[0027]
Reference numeral 1 denotes a photosensitive drum, and a photosensitive material such as OPC, amorphous Se, or amorphous Si is formed on a cylindrical substrate such as aluminum or nickel. The photosensitive drum 1 is rotationally driven in the direction of the arrow, and its surface is uniformly charged by a charging roller 2 as a charging device.
[0028]
Next, scanning exposure is performed with a laser beam L which is ON / OFF controlled according to image information by the laser scanner 3 to form an electrostatic latent image. This electrostatic latent image is developed and visualized as a toner image by the developing device 4. As a developing method, a jumping developing method, a two-component developing method, an FEED developing method, or the like is used, and image exposure and reversal development are often used in combination.
[0029]
The visualized toner image is transferred from the photosensitive drum 1 by a transfer roller 5 as a transfer device onto a recording sheet (recording material, transfer material, paper) P fed and conveyed from the paper feeding mechanism unit 7 at a predetermined timing. Is done.
[0030]
Here, the top sensor 8 detects the leading edge of the recording sheet P so that the image forming position of the toner image on the photosensitive drum 1 matches the writing position of the leading edge of the recording sheet P, and the timing is adjusted. The recording sheet P conveyed at a predetermined timing is nipped and conveyed between the photosensitive drum 1 and the transfer roller 5 with a constant pressure. The recording sheet P to which the toner image has been transferred is conveyed to the heat fixing device 9 and fixed as a permanent image. The image-fixed recording sheet P that has exited the heat fixing device 9 is conveyed through the sheet path 10 and discharged onto the paper discharge tray 11.
On the other hand, residual toner remaining on the photosensitive drum 1 is removed from the surface of the photosensitive drum 1 by the cleaning device 6, and the photosensitive drum 1 is repeatedly used for image formation.
[0031]
(2) Fixing device 9
FIG. 2 is a side model diagram of the fixing device 9 in this embodiment, and FIG. 3 is a front model diagram in which a middle part of the film assembly is omitted.
[0032]
The fixing device 9 of the present embodiment is a belt nip heating device using an assist pad 104, as in the first conventional fixing device of FIG. The same components and parts as those in the apparatus shown in FIG.
[0033]
In the present embodiment, a heating roller (fixing roller) 21 which is one contact member of a pair of mutual contact members forming a fixing nip portion (heating nip portion) n is a hollow roller having an outer diameter of 60 mm. A three-layer structure in which a heat-resistant elastic layer 21b made of silicon rubber and having a thickness of 2 mm is formed on an aluminum cored bar 21a, and a fluororesin layer 21c having a thickness of 30 μm is formed on the outer peripheral surface thereof. It consists of The cored bar 21a is made of aluminum here, but other metals such as iron may be used. The heating roller 21 is rotationally driven in a clockwise direction indicated by an arrow at a predetermined peripheral speed by applying a rotational force from a driving source (not shown).
[0034]
A thermistor 41 is in contact with the surface of the heating roller 21 as a temperature detecting element for detecting the temperature of the surface of the heating roller, and a heater 22 made of, for example, a halogen lamp is provided as a heat source inside the heating roller. .
[0035]
The heater 22 generates heat by supplying power from the power supply circuit 43, and the heat roller 21 is heated from the inside by the generated heat. The surface temperature of the heated heating roller 21 is detected by the thermistor 41, and the detected temperature information is input to the temperature adjustment circuit 42. The temperature control circuit 42 controls the temperature of the heating roller 21 by controlling the power supply from the power supply circuit 43 to the heater 22 so that the surface temperature of the heating roller detected by the thermistor 41 is maintained at a predetermined fixing temperature.
[0036]
In the belt assembly 22, which is the other contact member of the pair of mutual contact members forming the fixing nip portion n, between the pressure roller 32 and the three rollers of the first and second support rollers 33 and 34. In this embodiment, the endless belt 35 suspended and stretched around the first belt 35 is loosely wound around both the pressure roller 32 and the assist pad 104 inside the first belt 35. An endless belt 36 as a two-belt is provided.
[0037]
That is, it has double belts 35 and 36 of a second belt 36 inscribed in the first belt 35, and the first belt 35 and the second belt 36 are pressurized as a pressing member inside the second belt 36. A fixing nip portion n having a predetermined width is formed between the roller 32 and the assist pad 104 against the heating roller 21 and the first belt 35 with the heating roller 21.
[0038]
In this embodiment, of the pressure roller 32 and the first and second support rollers 33, 34 that suspend and stretch the first belt 35, the second support roller 34 is a drive roller for the first belt 35. As described above, the driving force is transmitted from the driving source M through a gear train (not shown) to rotate the first belt 35 in the counterclockwise direction indicated by the arrow. That is, the first belt 35 receives driving force from both the heating roller 21 that is rotationally driven and the second support roller 34 described above. The second belt 36 rotates around the pressure roller 32 and the assist pad 104 by following the rotation of the first belt 35 by the frictional force with the inner surface of the first belt 35 at the fixing nip n.
[0039]
The heating roller 21 is rotationally driven, the second support roller 34 of the belt assembly 22 is rotationally driven, the first belt 35 is rotationally driven, the second belt 36 is driven, and the heating roller 21 is heated by the heat source 22. In a state where the temperature is adjusted to a predetermined fixing temperature, the recording sheet P carrying the unfixed toner image t is introduced between the heating roller 21 and the first belt 35 of the fixing nip n, and the fixing nip n Is being nipped and conveyed. In the nipping and conveying process, the unfixed toner image t is heated by the heat of the heating roller 21 and thermally fixed as a fixed image on the surface of the recording sheet P.
[0040]
The first belt 35 is preferably made of, for example, a polyimide film that is a heat-resistant resin, and has a release layer such as PFA on the surface. In the present embodiment, the first belt 35 is an endless belt having a diameter of 75 mm, having a 250 μm silicon rubber heat-resistant elastic layer on a 75 μm thick polyimide base layer, and a 30 μm PFA tube coated on the surface layer. The internal friction coefficient of the first belt 35 was about 0.3.
[0041]
The second belt 36 inscribed in the first belt 35 is made of, for example, a polyimide film that is a heat-resistant resin, and the pressure roller 32 that is a pressing member and the assist pad 104 are inscribed in the second belt 36. Yes. In this embodiment, a polyimide endless belt having a base layer of 40 mm in diameter and a base layer of 100 μm was used as the second belt 36.
[0042]
Since the first belt 35 is in direct contact with the recording sheet P, the first belt 35 has an elastic layer, so that image quality deterioration of an image formed on the back surface when images are formed on both surfaces of the recording sheet P, for example, can be reduced. This includes unevenness in gloss of the image due to contact unevenness between the first belt 35 and the toner image on the recording sheet P due to unevenness on the surface of the recording sheet P, unevenness in the toner image, and the like.
[0043]
Since the second belt 36 does not directly touch the recording sheet P, the effect on the image quality of having the elastic layer is small. Rather, since the second belt 36 rubs against the stationary assist pad 104 that is inscribed, the elastic layer is pulled by the relative speed with respect to the rotation of the first belt 35 that is inscribed, and the life of the elastic layer is shortened. It shrinks greatly. Since the first belt 35 has almost no speed difference between the circumscribed heating roller 21 and the inscribed second belt 36, there is no deterioration of the elastic layer due to attraction, and the first belt 35 can have an elastic layer.
In the present embodiment, the pressure roller 32 also serves as a pressure roller disposed at the exit of the fixing nip portion n, which is a contact nip region between the heating roller 21 and the first belt 35, and is not used. It is urged | biased toward the center of the heating roller 21 by the compression coil spring of illustration, and is pressing the 1st belt 35 to the heating roller 21. FIG. Here, the pressure roller 32 is a roller having an outer diameter of 20 mm, and is formed with a hardness higher than at least the heating roller 21. The heating roller 21 is elastically deformed at the pressure contact portion A of the pressure roller 32 with respect to the heating roller 21, The self-stripping function of the recording sheet P is maintained. The nip width of the pressure contact portion A between the pressure roller 32 and the heating roller 21 was set to about 3 mm.
[0044]
Further, an assist pad 104 is provided on the inner side of the second belt 36 so as to be press-contacted by a compression coil spring (not shown). The assist pad 104 is an elastic pad having a width of 20 mm in the belt conveyance direction, and has a silicon rubber layer that is a heat-resistant elastic body on a pedestal, and a fluorine-coated glass cloth covers the silicon rubber layer. The glass cloth layer is used to reduce the frictional resistance between the inner surface of the second belt 36 and the surface of the assist pad 104. The gap between the assist pad 104 and the pressure roller 32 is set to about 1 mm. The assist pad 104 presses the first belt 35 and the second belt 36 against the heating roller 21 by a coil spring in the axial direction of the heating roller 21. The nip width of the pressure contact portion C formed by the assist pad 104 and the heating roller 21 with the first belt 35 and the second belt 36 interposed therebetween is about 20 mm. That is, the first belt 35 receives pressure applied from the pressure roller 32 and the assist pad 104 via the second belt 36 and is in pressure contact with the heating roller 21. The assist pad 104 is formed with a lower hardness than the heating roller 21, and the average surface pressure applied to the heating roller 21 at the pressure contact portion C is the pressure applied to the heating roller 21 by the pressure roller 32 at the pressure contact portion A. Lower than the average surface pressure. Here, the average surface pressure is a value obtained by dividing "the total pressure applied to the nip portion of each pressure contact portion C / A" by "the area of the nip portion of each pressure contact portion C / A".
[0045]
An oil application mechanism 106 that applies silicon oil as a lubricant to the inner surface of the second belt 36 is installed on the back surface of the base plate 105 of the assist pad 104. This is a felt made of a non-woven fabric containing 1000 cs of silicone oil, and is installed so as to contact the inner surface of the second belt 36. The second belt 36 is coated with a small amount of silicon oil as a lubricant from the oil application mechanism 106 only on the inner surface. As a result, the frictional resistance between the assist pad 104 and the inner surface of the second belt 36 decreases, and the belt slip can be more effectively prevented. The friction coefficient of the inner surface of the second belt 36 after oil application is about 0.1 to 0.2, which is lower than that of the first belt 35.
[0046]
For example, in the fixing device as in Conventional Example 1 of FIG. 7 described above, when the recording sheet P reaches the fixing nip portion n, “torque fluctuation of the fixing device due to the recording sheet P biting into the fixing nip portion n”, Depending on the type of recording sheet, the relationship between the friction coefficient of the heating roller 21, the first belt 35, and the recording sheet P, or the “effect of water vapor or the like emitted from the recording sheet P” causes the recording sheet P to be between the heating roller 21. Or, slip occurs between the recording sheet P and the first belt 35, and conveyance failure of the first belt 35 and the recording sheet P occurs.
[0047]
In the first embodiment, as described above, the driving force for driving the first belt 35 from the driving source M is applied to the second support roller 34 of the belt assembly 30 to prevent the first belt 35 and the recording sheet P from slipping. doing. That is, the first belt 35 obtains driving force from both the heating roller 21 and the second support roller 34. Since the driving force from the second support roller 34 is transmitted to the first belt 35 without being affected by the biting of the fixing nip n of the recording sheet P, the transportability of the first belt 35 can be stabilized. it can. The second belt 36 does not have a dedicated driving roller, and is driven by the first belt 35 as described above.
[0048]
The surface of the second support roller 34 is covered with heat-resistant silicon rubber, and the driving force is efficiently transmitted to the first belt 35. If a lubricant such as silicone oil enters the inner surface of the first belt 35, the drive from the second support roller 34 to the first belt 35 becomes difficult due to the lubricity of the silicone oil. Therefore, as shown in FIG. 3, the first belt 35 and the second belt 36 are arranged in the longitudinal direction such that the width (surface length) W36 of the second belt 36 is longer than the width (surface length) W35 of the first belt 35. In addition, the silicone oil applied to the inner surface of the second belt 36 by the oil application mechanism 106 is prevented from adhering to the first belt 35 along the end of the second belt 36. It should be noted that oil leakage from the end portion of the second belt 36 can be more effectively prevented by subjecting the back surface or the front surface of the end portion of the second belt 36 to any hydrophilic treatment (oleophobic treatment).
[0049]
As shown in FIGS. 2 and 3, the first belt 35 has a steering mechanism 44 on the first support roller 33 as a belt deviation correction mechanism, and detects the deviation of the first belt using an optical sensor 45. At this time, the control circuit 46 displaces the other end side 33b of the first support roller 33 to the upstream side and the downstream side in the recording sheet conveying direction by the steering mechanism 44 with the one end side 33a of the first support roller 33 as a fulcrum. By controlling the belt tension in the longitudinal direction of the belt 35, the shift of the first belt 35 along the length of the rollers 32 to 34 is corrected. This utilizes an operation in which the rotating belt is displaced in the longitudinal direction toward a lower tension.
[0050]
On the other hand, the second belt 36 does not require complicated belt shift control mechanisms 44 to 46 that are smaller in outer diameter than the first belt 35 and as complex as the first belt 35. Further, since the second belt 36 is not stretched on multiple axes, the belt shift control mechanism using the tension does not function effectively. For this reason, the second belt 36 only has the abutting members 107a and 107b (FIG. 3) at both ends, and the movement of the belt 36 is restricted only by abutting the belt end against the abutting member. . The deviation restriction only by abutting tends to cause deterioration of the belt end. For this reason, the polyimide thickness of the base layer of the second belt 36 is made thicker than the polyimide of the base layer of the first belt 35. The first support roller 33 applies a predetermined tension to the first belt 35 with a coil spring (not shown), and also functions as a tension roller.
[0051]
Regarding the fixing device of the first conventional example (referred to as Conventional Example 1) and the fixing device of this example (referred to as Example 1) in FIG. 7 described above, the pressure applied to the heating roller 21 by the pressure roller 32 is as follows. While maintaining the total pressure 196N, the presence or absence of slippage of the belt 35 and the recording sheet P when the recording sheet was passed when the pressure (total pressure) applied to the heating roller 21 of the assist pad 104 was increased was evaluated. The results are shown in Table 1.
[0052]
The recording sheet P has a basis weight of 105 g / m. 2 The image was a single line image with a cyan toner monochrome image ratio of 50%, and the slippage of the recording sheet P and the belt 35 when 1000 sheets were passed and the image disturbance due to the slip were evaluated. .
[0053]
[Table 1]
[0054]
The case where no slip occurred is indicated by ◯, and the case where slip occurred is indicated by ×.
[0055]
In Conventional Example 1, the occurrence of slip was observed at 294N or more, but in Example 1, the occurrence of slip was suppressed to 392N, and it was confirmed that this example was effective for slip.
[0056]
In particular, the glossiness of the toner image when glossy paper is used as the recording sheet depends on the pressure applied by the pressure roller 32 and the assist pad 104, and higher glossiness is more likely to be obtained. Basis weight 150g / m 2 An image obtained by fixing a solid image of a single color of cyan toner on glossy paper having a glossiness of 80% with a heating roller of 185 ° C. and a rotation speed of the heating roller of 100 mm / s, using the 392N pressurization system of Example 1, and a conventional example When the images fixed by the 196N pressurization system of No. 1 were compared, only the images having a glossiness of about 40 to 50% were obtained with the latter, while the images with a high glossiness of 70% or more were obtained. This is the effect that Example 1 improved the slip property of the belt and applied pressure. Note that a gloss meter with an incident angle of 60 ° was used for all measurements of glossiness.
[0057]
As described above, in this embodiment, the lubricant is applied to the inner surface of the second belt 36, and the apparent friction coefficient of the inner surface of the second belt 36 after application is lowered to reduce the second belt 36 and the assist pad 104. The first belt 35 and the second support roller as a driving source are maintained by keeping the friction coefficient of the inner surface of the first belt 35 high without reducing the frictional resistance of the first belt 35 without applying a lubricant to the inner surface of the first belt 35. By securing the frictional resistance of 34 and ensuring the conveying force of the first belt 35 by the drive source M, it is possible to ensure a stable belt conveying property without the first and second belts 35 and 36 slipping. It was. As a result, a high pressing force can be applied between the belt and the heating roller, and a high-gloss high-quality fixed image can be easily obtained.
[0058]
In short, this embodiment has a double belt of a second belt 36 inscribed in the first belt 35, and the pressure of the fixing nip n is controlled by a fixed pressure pad 104 that slides on the inner surface of the second belt 36. The second belt 36 has a low inner surface friction coefficient, or a lubricant is applied to lower the inner surface friction coefficient to reduce the frictional resistance with the non-rotatable pressure pad 104. On the other hand, the first belt 35 is provided with an inscribed belt driving roller 34. By using a belt having a high internal friction coefficient as the first belt 35, the drive transmission efficiency from the belt driving roller 34 is improved and the belt driving force is secured. As a result, even if a high pressure is applied to the pad portion 104, the first and second belts 35 and 36 can be driven without defeating the frictional resistance between the pressure pad 104 and the second belt 36, and the recording sheet can be driven. The slip of P and both belts 35 and 36 can be prevented. That is, both high speed, high color gamut, and high gloss can be achieved, and belt driving stability at the time of high pressure setting in belt fixing can be secured (belt slip prevention).
[0059]
[Second Embodiment]
FIG. 4 is a side model view of the fixing device 9 of the second embodiment. FIG. 5 is a partially enlarged view of FIG.
[0060]
In comparison with the fixing device 9 in the first embodiment, the fixing device 9 of the present embodiment is configured such that the second belt 36 is not applied to the pressure roller 32 but only to the assist pad 104. is there. The fixing device 9 according to the second exemplary embodiment includes a method of multiplying the circumferential length of the second belt 36, a point that the driving roller of the first belt 35 is the pressure roller 32 instead of the second support roller 34, and the pressure roller. Although the spacer roller 100 is provided between the second belt 36 and the pressure roller 32 and the spacer roller 100 is provided between the second belt 36 and the pressure roller 32. The outline is the same as that of the apparatus of the first embodiment. The second belt 36 was an endless belt having a diameter of 30 mm.
[0061]
In the fixing device 9 of this embodiment, the second belt 36 is applied only to the assist pad 104 and not applied to the pressure roller 32, so that the pressure roller 32 is applied to the inner surface of the second belt 36 by the oil application member 106. The applied silicone oil does not adhere. Therefore, even if the pressure roller 32 is set as a driving roller for the first belt 35, the first belt 35 can be driven efficiently without impairing drive transmission efficiency. Since the pressure roller 32 sandwiches and pressurizes the first belt 35 with the heating roller 21, the friction force between the inner surface of the first belt 35 and the surface of the pressure roller 32 is the other first and second support. It is easy to obtain a maximum value as compared with the frictional force between the rollers 33 and 34 and the first belt 35, and therefore it is easy to give the maximum belt conveying force. This is because the frictional force F is a relational expression between the pressure F ′ (including the belt tension) acting between the support roller and the belt and the friction coefficient μ.
F = μF '
According to the relational expression of As is well known, this frictional force F is the conveying force of the first belt 35 by the driving roller.
[0062]
Here, when attention is paid to the rotational directions of the second belt 36 and the pressure roller 32, the second belt 36 is added from top to bottom in FIG. The pressure roller 32 rotates in the opposite direction from the bottom to the top, and the distance between the pressure roller 32 and the assist pad 104 is reduced in order to take measures against the above-described image misalignment and abnormal images of the coated paper. At this time, the second belt 36 that rotates in the opposite direction and the pressure roller 32 rub against each other, and the conveyance failure of the first belt 35 and the surface deterioration of the pressure belt 32 that is the second belt 36 and the driving roller are problems. Become. Therefore, in this embodiment, the spacer roller 100 that is in contact with the pressure roller 32 and is driven by the pressure roller 32 is disposed in the vicinity of the closest position of the second belt 36 and the pressure roller 32 as shown in FIG. Thus, the friction caused by the contradiction in the rotation direction of each roller and belt is eliminated.
[0063]
The spacer roller 100 is a stainless steel roller having an outer diameter of 2 mm. The rotation direction of each roller and belt when the fixing device of this embodiment is in contact with the pressure roller 32 will be described with reference to FIG. The heating roller 21 rotates clockwise, circumscribes the heating roller 21, and the first belt 35 that moves together with the heating roller 21 rotates counterclockwise. Further, the pressure roller 32 and the second belt 36 which are inscribed in the first belt 35 and cooperate with the first belt 35 are rotated counterclockwise. Next, the spacer roller 100 which is in contact with the pressure roller 32 and the second belt 36 and rotates together with the pressure roller 32 and the second belt 36 rotates clockwise. In this manner, all the rotating bodies (the heating roller 21, the first belt 35, the pressure roller 32, the second belt 36, and the spacer roller 100) in the fixing device have the rotating members that contact each other reversely and rub. Since it rotates without any problems, it is possible to smoothly convey the belt without stress. For this reason, the distance between the pressure roller 32 and the assist pad 104 can be relatively reduced.
[0064]
Also in this embodiment, it was possible to realize a stable conveyance that prevented slipping of the first belt 35 and the second belt 36 and the recording sheet P, which was more stable than in the first embodiment.
[0065]
Note that the clearance between the assist pad 104 and the pressure roller 32 is increased, so that the minute pressure region B (the pressure contact part nip region C between the assist pad 104 and the heat roller 21) and the first belt 35 are added to the heating roller 21. The nip region B between the first belt 35 and the heating roller 21 that exists between the pressure nip region A portion of the pressure roller 32 and the heating roller 21, and the first belt is attached to the heating roller 21 only by the tension of the first belt 35. However, the image misalignment and the deterioration of the abnormal image on the coated paper, which are adverse effects of the minute pressurizing region B, were small. This is because the pressure roller 32 directly drives the first belt 35 and the assist pad 104 serves as a conveyance brake for the first belt 35, so that the tension of the first belt 35 is high in the minute pressure region B between them. This is probably because it was set.
[0066]
That is, the pressure applied to the nip portion in the minute pressure region B is determined by the driving force of the pressure roller 32 and the brake of the assist pad 104 in addition to the tension of the first belt 35 applied to the first support roller 33 as a tension roller. The amount of tension generated by the tension can be increased. In the first embodiment in which the first belt 35 is driven by the second support roller 34, even when the same tension is applied to the first support roller 33, the pressure roller 32, upstream of the second support roller 34 as the drive roller, The first support roller 33 is present, and the rotational resistance of both the rollers 32 and 33 is also present. Therefore, the tension effect due to the tension is small, and the pressurizing force in the minute pressurizing region is the same as in the second embodiment. Seems to be higher.
[0067]
[Third embodiment]
FIG. 6 is a schematic side view of the fixing device 9 of the third embodiment. In this embodiment, the first and second support rollers 33 and 34 are removed from the fixing device of the second embodiment, and the circumferential length of the first belt 35 is further shortened. The first belt 35 is wound around the second belt 36 including the pressure roller 32 and the assist pad 104 while maintaining the manner in which the second belt 36 is wound. The layer configuration of the first belt 35 was approximately 40 mm in diameter as in the second embodiment.
[0068]
A minute pressure region B to the heating roller 21 of the first belt 35 existing between the assist pad 104 and the pressure nip C of the heating roller 21 and the pressure nip A of the pressure roller 32 and the heating roller 21 is a first pressure region B. Since the pressure is applied only by the driving force of the pressure roller 32 that drives the belt 35 and the tension by the brake force of the assist pad 104, the level of image misalignment and the abnormal image of the coated paper that are adverse effects of the minute pressure area B are as follows. Although the image quality deteriorates, the image quality of the low-cost image forming apparatus that does not presuppose the use of coated paper is sufficient.
[0069]
A reduction in the heat capacity can be realized by downsizing the fixing device, downsizing the belt member, and omitting the support roller.
[0070]
As a result of measuring the power consumption of the heater when idling for 15 minutes with the temperature of the fixing device adjusted, the amount of heat dissipated by idling is measured. Was obtained.
[0071]
Thus, even in a system in which the first belt 35 is not tensioned by a support roller or the like, the first belt 35 is sandwiched between the heating roller 21 and the driving roller such as the pressure roller 32 that is not enclosed by the second belt 36. As a result, a frictional force is generated between the first belt 35 and the pressure roller 32 due to the applied pressure of both, so that the driving force of the pressure roller 32 can be transmitted to the first belt 35. The belt 35, the second belt 36, and the recording sheet P were prevented from slipping, and the conveyance stability of the belt and the recording sheet was ensured.
[0072]
[Others]
1) In each of the above-described embodiments, the heating roller 21 is in contact with the unfixed image surface side of the recording sheet P and the belt rotating body is used on the non-unfixed image surface side. Even in a fixing device using a belt rotating body on the image surface side and a roller on the non-unfixed image surface side, in a fixing device using a belt on both the unfixed image surface side and the non-unfixed image surface side As described above, the same effect can be obtained by doubling the belt.
[0073]
2) The heating device of the present invention is not limited to use as the image heating and fixing device of the embodiment, but is a hypothetical fixing device that temporarily fixes an unfixed image on a recording material, and a recording material carrying a fixed image is reheated to gloss, etc. It is also effective as an image heating apparatus such as a surface modification apparatus for modifying the image surface property. In addition, for example, it is effective even when used as a heating device for heat-treating a sheet-like member, such as a heat press device for removing wrinkles such as banknotes, a heat laminating device, a heat drying device for evaporating moisture content such as paper. Of course.
[0074]
While various examples and embodiments of the present invention have been shown and described above, the spirit and scope of the present invention are not limited to the specific descriptions and figures in the present specification by those skilled in the art. It will be understood that various modifications and changes are fully described in the appended claims.
[0075]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the belt nip type heating device, it is possible to achieve both the securing of the pressure in the heating nip portion and the stabilization of the belt conveyance property by preventing the belt from slipping. Therefore, it is possible to achieve both of ensuring the glossiness of the toner image by ensuring the pressure in the fixing nip area and stabilizing the belt conveyance by preventing the belt from slipping.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration model diagram of an image forming apparatus according to a first embodiment.
FIG. 2 is a side model view of the heating device (fixing device) in the first embodiment.
FIG. 3 is a front model view in which a middle part of the film assembly is omitted.
FIG. 4 is a schematic side view of a heating device (fixing device) in a second embodiment.
FIG. 5 is a partially enlarged view of FIG. 4;
FIG. 6 is a schematic side view of a heating device (fixing device) in a third embodiment.
7 is a side model view of a heating device (fixing device) of Conventional Example 1. FIG.
FIG. 8 is a side model view of a heating device (fixing device) according to Conventional Example 2;
FIG. 9 is a conceptual diagram illustrating pressure distribution in a fixing nip portion.
[Explanation of symbols]
21: heating roller, 22: heater, 31: auxiliary pressure roller, 32: pressure roller, 33: first support roller, 34: second support roller, 35: first belt, 36: second belt, 100: Spacer roller, 104: Assist pad, 106: Oil application member
