【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リム組み性能を損ねることなく、耐リム外れ性能を向上した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に略示するように、空気入りタイヤのビード部aには、カーカスbの両端部を固定しかつリムrとの嵌合力を充分に確保するために、円環状の強固なビードコアcが設けられている。このビードコアcとしては、スチールなどの高強度のビードワイヤの1本を多列多段に巻回させた所謂シングルワインド構造、或いは複数本のビードワイヤを引き揃えたテープ状体を複数層に巻重ねた所謂テープビード構造のものが、一般に採用されている。
【0003】
他方、ビード部aには、タイヤ走行中の横力Fにより、ビードトウa1を中心としヒール側が浮き上がる向きの回転モーメントMが作用する。そしてこれが原因して、ビードトウa1のハンプへの乗り越えをしやすくさせるなど、リム外れを誘発させる。
【0004】
そのため、従来においては、ビードワイヤを太くしたり、又ビードワイヤの巻き数を増加させる等の手法によりビードコア自体の強化が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしかかる手法では、リムとの嵌合力の大幅な増加を招き、リム組み性能を著しく阻害するという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、ビード部のタイヤ内腔に向くビードトウ側面に、断面略四辺形状又は略三角形状をなしかつその断面積、高さ、長さ等を規制した硬質のゴムからなるプロテクタを隆起させて補強することにより、回転変形に対する突っ支え棒の役目を果たすことができ、前記回転モーメントを抑え、リム組み性能を損ねることなく、耐リム外れ性能を向上しうる空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−114501号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部に至るカーカスを具える空気入りタイヤであって、
前記ビード部は、リムのリムベース面に支持されるビードベース面と、タイヤ内腔に面するビードトウ側面とが交わるトウ端を有するビードトウ部に、
前記ビードトウ側面から隆起するリム外れ防止用のプロテクタを設けるとともに、
このプロテクタは、ゴム硬度(デュロメータA硬さ)が70〜98゜の硬質のゴムからなり、しかも前記ビードベース面の延長線を半径方向内方に越えることなく前記トウ端からタイヤ軸方向内方にのびる底辺と、前記ビードトウ側面に沿う斜辺とを有する断面略四辺形状又は略三角形状をなすとともに、その断面積S1を7.0〜100.0mm2 、前記ビードトウ側面からの隆起高さT1を3.0〜5.0mm、かつ前記斜辺のビードトウ側面に沿う長さL1を5.0〜20.0mmとしたことを特徴としている。
【0009】
又請求項2の発明では、前記プロテクタは、断面略四辺形状をなし、かつその断面積S1を10.0〜100.0mm2 としたことを特徴としている。
【0010】
又請求項3の発明では、前記プロテクタは、断面略三角形状をなし、かつその断面積S1を7.0〜60.0mm2 としたことを特徴としている。
【0011】
又請求項4の発明では、前記プロテクタは、周方向に断続されるとともに、分断されるプロテクタの合計長さは、全周長の1/2倍以上かつ周方向に繰り返しパターンにより配置されることを特徴としている。
【0012】
又請求項5の発明では、前記プロテクタは、前記底辺が前記トウ端から半径方向外方に傾斜してのびることを特徴としている。
【0013】
なお本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、非リム組状態において、タイヤサイズで規定されるリム巾に合わせてビード部を保持したときに特定される値とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤが乗用車用タイヤである場合を示す断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図である。
【0015】
図1において、空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
【0016】
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35°の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードがプライ間相互で交差するように傾斜の向きを違えて重置され、これによってベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。ベルトコードとしては、スチールコード、及びそれに匹敵するコード強力を有する例えば芳香族ポリアミド等の高モジュラス有機繊維コードが好適に採用できる。
【0017】
なお本例では、前記ベルト層7に対する拘束力を高めて高速耐久性能等を向上させる目的で、ベルト層7の外側にバンド層9を配した場合を例示している。このバンド層9は、タイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で螺旋巻きしたバンドコードを有し、少なくとも前記ベルト層7のタイヤ軸方向外端部を覆って延在する。
【0018】
次に、前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列する1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aからなり、カーカスコードとして、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどの有機繊維コードが好適に採用される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
【0019】
又前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、前記ビードコア5から半径方向外方に向かって先細状にのびるビードエーペックスゴム8が設けられ、ビード部4からサイドウォール部3にかけて補強している。このビードエーペックスゴム8には、ゴム硬度H0(デュロメータA硬さ)が80〜98°の硬質のゴムが用いられる。
【0020】
又前記ビードコア5は、本例では、ビードワイヤを多段多列に巻回することによって形成される断面略矩形状のリング状体であって、テープビード構造、及びシングルワインド構造の何れのものも採用できる。ビードワイヤとしては、例えば鋼線などのスチールの他、芳香族ポリアミド繊維などの種々のワイヤ素材が採用しうる。
【0021】
次に、前記ビード部4は、図2に拡大して示すように、リムのリムベース面に支持されるビードベース面10と、タイヤ内腔に面するビードトウ側面11とが交わるトウ端PAを有するビードトウ部Pを具える。
【0022】
そして本発明では、該ビードトウ部Pに、前記ビードトウ側面11から隆起するリム外れ防止用のプロテクタ20を設けている。このプロテクタ20は、ゴム硬度(デュロメータA硬さ)が70〜98゜の硬質のゴムからなる。
【0023】
しかもプロテクタ20は、前記ビードベース面10の延長線を半径方向内方に越えることなく前記トウ端PAからタイヤ軸方向内方にのびる底辺20aと、前記ビードトウ側面11に沿う斜辺20bとを有する断面略四辺形状又は略三角形状をなす。なお四辺形状として、例えば矩形形状、平行四辺形形状、台形形状等種々のものが採用でき、本例では、前記底辺20aが、前記トウ端PAからタイヤ軸方向内方に向かって半径方向外方に傾斜してのびる、特にビードトウ側面11に対して略直角にのびる断面略矩形形状の場合を例示している。
【0024】
又プロテクタ20は、その断面積S1を7.0〜100.0mm2 、前記ビードトウ側面11からの隆起高さT1を3.0〜5.0mm、かつ前記斜辺20bのビードトウ側面11に沿う長さL1を5.0〜20.0mmとして形成される。
【0025】
ここで、前記プロテクタ20は、走行中の横力に起因するビードトウ部Pを中心とした回転変形に対して、その変形を抑える突っ支え棒的な役目を果たすことができ、その回転モーメントを低く抑え、ハンプへの乗り越えを抑制しうるなど、耐リム外れ性能を大巾に向上させることが可能となる。
【0026】
他方、硬質ゴムからなるプロテクタ20は、ビードワイヤに比して圧縮に対する抗力が十分に低い。そのため、ビードワイヤの巻き数を増加させる場合のような、リムとの嵌合力の著しい上昇をもたらすことがなく、従って、リム組み性能の低下を低く抑えることができる。
【0027】
なおプロテクタ20の前記ゴム硬度H1が70゜未満、前記断面積S1が7.0mm2 未満、前記隆起高さT1が3.0mm未満、及び前記長さL1が5.0mm未満では、耐リム外れ性能の向上効果を充分に発揮することができなくなる。逆に前記ゴム硬度H1が98゜より大、前記断面積S1が100.0mm2 より大、前記隆起高さT1が5.0mmより大、及び前記長さL1が20.0mmより大のときには、例えゴムといえどもリムとの嵌合力が上昇してしまい、リム組み性能の低下を招く。
【0028】
かかる観点から、前記ゴム硬度H1は、好ましくは、前記ビードエーペックスゴム8のゴム硬度H0より大、さらには85〜95°の範囲とするのが望ましく、特にプロテクタ20が、本例の如く断面略四辺形状の場合には、前記断面積S1を10〜100.0mm2 、さらには10〜80mm2 の範囲とするのが好ましい。
【0029】
なおプロテクタ20は、前記ビードトウ側面11を介して隣接するビード外皮ゴム4Gとは、ゴム硬度が相違するため明確に区別することができる。
【0030】
また前記プロテクタ20は、周方向に連続して形成することができるが、周方向に断続的に形成するのも好ましい。このとき、耐リム外れ性能を有効に発揮するためには、分断されるプロテクタの合計長さΣL0を、ビードトウ部Pにおける全周長TLの1/2倍以上とすることが必要であり、好ましくは3/4倍以上とするのが望ましい。
【0031】
又耐リム外れ性能を周方向に均一に発揮するために、分断されるプロテクタを周方向に繰り返しパターンで配置することも必要である。即ち、プロテクタを周方向長さが異なるn種類に分断したとき、このn種類のプロテクタを同じ繰り返しパターンで配置する。なお均一化のために、1種類(n=1)のプロテクタを等ピッチ間隔で配置することが好ましく、このとき、分断されるプロテクタの周方向長さL0は、全周長TLの30〜70%の範囲とするのが好ましい。
【0032】
又図3に、プロテクタ20の他の実施例を開示する。図3において、プロテクタ20は、前記底辺20aと斜辺20bとを有する断面略三角形状をなし、本例では、前記底辺20aが前記トウ端PAから半径方向外方に傾斜してのびるものを例示している。なお要求により、二点鎖線で示すように,前記底辺20aを、ビードベース面10の延長線に沿って半径方向内方に傾斜させることもできる。
【0033】
又プロテクタ20が断面略三角形状をなす場合には、断面略四辺形状の場合に比して、同一断面積S1のときには、突っ支え効果が高く、従って、断面積S1が7.0〜60.0mm2 の範囲で耐リム外れ性能の向上効果を充分に発揮することができる。
【0034】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0035】
【実施例】
タイヤサイズが215/45R17のタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤの、耐リム外れ性能、及びリム組み性能をテストし比較した。なお表1の仕様以外は同一仕様とした。
【0036】
【表1】
【0037】
(1)耐リム外れ性能;
・リム外れ抗力
JISD4230の5.2項に規定されるビードアンシーティング試験に準拠し、標準リムに潤滑剤なしでリム組みした後、内圧を抜き、タイヤのビード部に横力を加えてビード部がリム外れが生じたときの横力の値を測定した。
・実車リム外れ
供試タイヤを低内圧状態(50kPa)でテスト車両に装着し、進入速度40km/Hで半径25mのUターンを10回繰り返して行い、リム外れの有無で判定した。リム外れのないものが合格、有るものは不合格。
【0038】
(2)リム組み性能;
供試タイヤをタイヤレバーを用いて正規リムに手組みし、そのときの装着容易性に関して作業者の官能評価により、○(良好)、△(少し難がある)、×(困難)の三段階で評価した。
【0039】
表の如く実施例のタイヤは、リム組み性能を損ねることなく、耐リム外れ性能を向上しうるのが確認できた。
【0040】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、ビード部のタイヤ内腔に向くビードトウ側面に、断面略四辺形状又は略三角形状をなしかつその断面積、高さ、長さ等を規制した硬質のゴムからなるプロテクタを隆起させているため、リムとの嵌合圧の増加を抑えながら、ビード部の捻り変形を効果的に抑えることができ、リム組み性能を損ねることなく、耐リム外れ性能を大巾に向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】そのビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】プロテクタの他の実施例を示す断面図である。
【図4】従来技術を説明する断面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
6 カーカス
10 ビードベース面
11 ビードトウ側面
20 プロテクタ
20a 底辺
20b 斜辺
P ビードトウ部
PA トウ端
R リム
Rb リムベース面[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic tire having improved anti-rim removal performance without impairing rim assembly performance.
[0002]
[Prior art]
As shown schematically in FIG. 4, the bead portion a of the pneumatic tire has an annular strong bead core c for fixing both ends of the carcass b and sufficiently securing the fitting force with the rim r. Is provided. As this bead core c, a so-called single wind structure in which one of high-strength bead wires such as steel is wound in multiple rows and multiple stages, or a so-called tape-like body in which a plurality of bead wires are aligned is wound in a plurality of layers. A tape bead structure is generally employed.
[0003]
On the other hand, a rotational moment M in a direction in which the heel side is lifted around the bead toe a1 acts on the bead portion a due to the lateral force F during tire traveling. This causes a rim disengagement such as making it easier for the bead toe a1 to get over the hump.
[0004]
For this reason, conventionally, the bead core itself has been reinforced by increasing the thickness of the bead wire or increasing the number of turns of the bead wire.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, this method has a problem that the fitting force with the rim is greatly increased and the rim assembly performance is significantly hindered.
[0006]
Therefore, the present invention raises a protector made of hard rubber having a substantially quadrilateral or substantially triangular cross-section and restricting its cross-sectional area, height, length, etc. on the side of the bead toe facing the tire lumen of the bead portion. By providing the pneumatic tire, it is possible to provide a pneumatic tire that can serve as a support rod against rotational deformation, can suppress the rotational moment, and can improve the rim removal resistance performance without deteriorating the rim assembly performance. It is aimed.
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 1-114501
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention of claim 1 of the present application is a pneumatic tire having a carcass extending from a tread portion to a sidewall portion to a bead portion,
The bead portion includes a bead toe portion having a toe end where a bead base surface supported by a rim base surface of a rim and a bead toe side surface facing a tire lumen intersect,
While providing a protector for preventing the rim from rising from the side of the bead toe,
This protector is made of a hard rubber having a rubber hardness (durometer A hardness) of 70 to 98 °, and inward in the tire axial direction from the toe end without exceeding the extension line of the bead base surface radially inward. The cross-sectional area S1 is 7.0 to 100.0 mm 2 , and the raised height T1 from the bead toe side is defined as having a substantially quadrilateral shape or a substantially triangular shape having a base extending to the side and a hypotenuse along the bead toe side surface. The length L1 along the bead toe side surface of the oblique side is set to 5.0 to 20.0 mm.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, the protector has a substantially quadrangular cross section and a cross sectional area S1 of 10.0 to 100.0 mm 2 .
[0010]
According to a third aspect of the present invention, the protector has a substantially triangular cross section and a cross sectional area S1 of 7.0 to 60.0 mm 2 .
[0011]
According to a fourth aspect of the present invention, the protector is interrupted in the circumferential direction, and the total length of the divided protectors is ½ times or more of the entire circumferential length and is arranged in a repeating pattern in the circumferential direction. It is characterized by.
[0012]
According to a fifth aspect of the present invention, the protector is characterized in that the bottom side extends in a radially outward direction from the toe end.
[0013]
In this specification, unless otherwise specified, the dimensions and the like of each part of the tire are values specified when the bead part is held in accordance with the rim width defined by the tire size in a non-rim assembled state. .
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a case where the pneumatic tire of the present invention is a passenger car tire, and FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view showing a bead portion thereof.
[0015]
In FIG. 1, a pneumatic tire 1 is disposed on a carcass 6 extending from a tread portion 2 through a sidewall portion 3 to a bead core 5 of a bead portion 4, inside the tread portion 2, and radially outside the carcass 6. Belt layer 7.
[0016]
The belt layer 7 is composed of two or more belt plies 7A and 7B in this example in which belt cords are arranged at an angle of, for example, 10 to 35 ° with respect to the tire circumferential direction. The belt plies 7A and 7B are stacked with different inclination directions so that the belt cords cross each other between the plies, thereby increasing the belt rigidity, and having a substantially full width of the tread portion 2 with a tagging effect. Strongly reinforced. As the belt cord, a steel cord and a high modulus organic fiber cord such as an aromatic polyamide having cord strength comparable to that of the steel cord can be suitably used.
[0017]
In this example, the case where the band layer 9 is disposed outside the belt layer 7 is illustrated for the purpose of increasing the restraining force on the belt layer 7 and improving the high-speed durability performance and the like. The band layer 9 has a band cord spirally wound at an angle of, for example, 5 ° or less with respect to the tire circumferential direction, and extends at least covering the outer end portion of the belt layer 7 in the tire axial direction.
[0018]
Next, the carcass 6 is composed of one or more carcass plies 6A in which the carcass cords are arranged at an angle of 70 to 90 ° with respect to the tire circumferential direction, and in this example, one carcass ply 6A. An organic fiber cord such as rayon is preferably used. The carcass ply 6A includes a series of ply turn-up portions 6b that are turned back from the inner side in the tire axial direction around the bead core 5 to both ends of the ply main body portion 6a straddling the bead cores 5 and 5.
[0019]
Further, a bead apex rubber 8 is provided between the ply body 6a and the ply turn-up part 6b so as to taper outward from the bead core 5 in the radial direction, and is reinforced from the bead 4 to the sidewall 3. doing. As the bead apex rubber 8, a hard rubber having a rubber hardness H0 (durometer A hardness) of 80 to 98 ° is used.
[0020]
Further, in this example, the bead core 5 is a ring-shaped body having a substantially rectangular cross section formed by winding bead wires in multiple stages and multiple rows, and adopts either a tape bead structure or a single wind structure. it can. As a bead wire, various wire materials, such as aromatic polyamide fiber other than steel, such as a steel wire, can be adopted, for example.
[0021]
Next, as shown in an enlarged view in FIG. 2, the bead portion 4 has a toe end PA where a bead base surface 10 supported by the rim base surface of the rim and a bead toe side surface 11 facing the tire lumen intersect. A bead toe part P is provided.
[0022]
In the present invention, the bead toe part P is provided with a protector 20 for preventing the rim from coming up from the bead toe side surface 11. The protector 20 is made of a hard rubber having a rubber hardness (durometer A hardness) of 70 to 98 °.
[0023]
In addition, the protector 20 has a cross-section having a bottom side 20a extending inward in the tire axial direction from the toe end PA without crossing an extension line of the bead base surface 10 inward in the radial direction, and an oblique side 20b extending along the bead toe side surface 11. It has a substantially quadrilateral shape or a substantially triangular shape. As the quadrilateral shape, for example, various shapes such as a rectangular shape, a parallelogram shape, and a trapezoidal shape can be adopted. In this example, the bottom side 20a is radially outward from the toe end PA toward the inner side in the tire axial direction. In particular, a case of a substantially rectangular cross-section extending at a right angle to the bead toe side surface 11 is illustrated.
[0024]
The protector 20 has a cross-sectional area S1 of 7.0 to 100.0 mm 2 , a raised height T1 from the bead toe side face 11 of 3.0 to 5.0 mm, and a length along the bead toe side face 11 of the oblique side 20b. L1 is formed as 5.0 to 20.0 mm.
[0025]
Here, the protector 20 can serve as a support rod that suppresses the deformation with respect to the rotational deformation around the bead toe portion P caused by the lateral force during traveling, and the rotational moment is reduced. It is possible to greatly improve the rim detachment resistance performance, such as restraining and suppressing overcoming the hump.
[0026]
On the other hand, the protector 20 made of hard rubber has a sufficiently low resistance to compression compared to a bead wire. Therefore, there is no significant increase in the fitting force with the rim as in the case where the number of turns of the bead wire is increased, and therefore, a decrease in the rim assembly performance can be kept low.
[0027]
When the rubber hardness H1 of the protector 20 is less than 70 °, the cross-sectional area S1 is less than 7.0 mm 2 , the raised height T1 is less than 3.0 mm, and the length L1 is less than 5.0 mm, the rim is removed. The performance improvement effect cannot be fully exhibited. Than atmospheric the reversed rubber hardness H1 is 98 °, the cross-sectional area S1 is larger than 100.0 mm 2, the when larger than the protrusion height T1 is 5.0 mm, and the length L1 is larger than 20.0mm, the Even if rubber, the fitting force with the rim is increased, leading to a decrease in rim assembly performance.
[0028]
From this point of view, the rubber hardness H1 is preferably larger than the rubber hardness H0 of the bead apex rubber 8 and more preferably in the range of 85 to 95 °. In the case of a quadrilateral shape, the cross-sectional area S1 is preferably in the range of 10 to 100.0 mm 2 , more preferably 10 to 80 mm 2 .
[0029]
The protector 20 can be clearly distinguished from the bead skin rubber 4G that is adjacent via the bead toe side surface 11 because the rubber hardness is different.
[0030]
The protector 20 can be formed continuously in the circumferential direction, but it is also preferable that the protector 20 be formed intermittently in the circumferential direction. At this time, in order to effectively exhibit the rim detachment resistance performance, it is necessary that the total length ΣL0 of the divided protectors is ½ times or more the total circumferential length TL in the bead toe portion P. Is preferably 3/4 times or more.
[0031]
Further, in order to exhibit the rim removal resistance uniformly in the circumferential direction, it is also necessary to arrange the protectors to be divided in a repeated pattern in the circumferential direction. That is, when the protector is divided into n types having different circumferential lengths, the n types of protectors are arranged in the same repeating pattern. In order to make uniform, it is preferable to arrange one type (n = 1) of protectors at equal pitch intervals. At this time, the circumferential length L0 of the divided protectors is 30 to 70 of the total circumferential length TL. % Is preferable.
[0032]
FIG. 3 discloses another embodiment of the protector 20. In FIG. 3, the protector 20 has a substantially triangular cross section having the bottom side 20a and the hypotenuse 20b. In this example, the bottom side 20a extends from the toe end PA in a radially outward direction. ing. If necessary, the bottom side 20a can be inclined inward in the radial direction along the extension line of the bead base surface 10, as indicated by a two-dot chain line.
[0033]
Further, when the protector 20 has a substantially triangular cross section, the support effect is higher when the cross sectional area S1 is equal to that of the substantially quadrilateral cross section, and therefore the cross sectional area S1 is 7.0 to 60. In the range of 0 mm 2, the effect of improving the anti-rim removal performance can be sufficiently exhibited.
[0034]
As mentioned above, although especially preferable embodiment of this invention was explained in full detail, this invention is not limited to embodiment of illustration, It can deform | transform and implement in a various aspect.
[0035]
【Example】
A tire having a tire size of 215 / 45R17 was prototyped based on the specifications shown in Table 1, and the rim removal resistance performance and rim assembly performance of each sample tire were tested and compared. The specifications other than those shown in Table 1 were the same.
[0036]
[Table 1]
[0037]
(1) Anti-rim removal performance;
・ Rim detachment resistance In accordance with the bead unseating test specified in Section 5.2 of JIS D4230, after assembling the rim without a lubricant on the standard rim, the internal pressure is released and lateral force is applied to the bead portion of the tire. The lateral force value was measured when the rim came off.
The test vehicle tires with the rim coming off were mounted on the test vehicle in a low internal pressure state (50 kPa), a U-turn with a radius of 25 m was repeated 10 times at an approach speed of 40 km / H, and the presence / absence of rim coming off was determined. Those without rim removal pass, those with rim removal fail.
[0038]
(2) Rim assembly performance;
The test tire is assembled into a regular rim using a tire lever, and the three levels of ○ (good), △ (slightly difficult), and × (difficult) are determined by the operator's sensory evaluation for ease of mounting. It was evaluated with.
[0039]
As shown in the table, it was confirmed that the tires of the examples could improve the rim detachment resistance performance without deteriorating the rim assembly performance.
[0040]
【The invention's effect】
As described above, the present invention is a protector comprising a hard rubber having a substantially quadrilateral or triangular shape on the side surface of the bead toe facing the tire lumen and whose cross-sectional area, height, length and the like are restricted. As the rim is raised, the torsional deformation of the bead portion can be effectively suppressed while suppressing an increase in the fitting pressure with the rim, and the rim removal resistance performance is greatly improved without impairing the rim assembly performance. It becomes possible to do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a pneumatic tire according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view of the bead portion.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing another embodiment of the protector.
FIG. 4 is a cross-sectional view illustrating a conventional technique.
[Explanation of symbols]
2 Tread portion 3 Side wall portion 4 Bead portion 6 Carcass 10 Bead base surface 11 Bead toe side surface 20 Protector 20a Bottom side 20b Slope side P Bead toe portion PA Toe end R Rim Rb Rim base surface