JP2005052405A - 車両用シート装置 - Google Patents

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洋一 佐藤
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Abstract

【課題】 シートクッションに対してシートバックを、略上下方向向きの回転軸心を中心として回動させて退避位置に切り換えて、そのシート後方向の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う十分な乗員乗降(荷物出入)空間を容易に作ることができる、車両用シート装置を提供する。
【課題手段】 シートクッション3に対してシートバック4の幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心a回りに回動自在に枢支する枢支機構5と、シートバック4を、シートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構6とを備え、回動ロック機構6を解除した状態で、枢支機構5の回転軸心aを中心としてシートバック4をシートバック使用位置とこの使用位置から前方へ回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は車両用シート装置に関し、特に、シートクッションに対してシートバック(シートバック可動部)を、略上下方向向きの回転軸心を中心として回動させて、シートバック使用位置と退避位置とに亙って切り換え可能に構成したものに関する。
従来、自動車に装備されるシートは、シートクッションとシートバックを有し、一般に、運転席や助手席の前部シートは、シートクッションとシートバックを別体に構成して、シートクッションに対してシートバックをリクライニング可能に連結したリクライニングシートとなっている。ところで、後部座席を有するが、その後部座席の側方に後部乗降口が無い自動車においては、前部乗降口から後部座席側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う場合に、前部シートのシートバックを前側へ倒し、更には、シートクッションを前方へスライドさせて、乗員乗降(荷物出入)空間を作る必要がある。
また、自動車の乗員室内に荷物を積み込もうとする場合、例えば、荷物が長尺物の場合には、前部シート(助手席)のシートバックが邪魔になって、長尺物を積み込むことができないことがある。そこで、リクライニング機構を利用して、前部シートのシートバックを前方或いは後方へ倒して、長尺物を後部座席と助手席と亙って積み込むことが可能な自動車は広く実用に供されている。ここで、特許文献1には、シートバックをシートクッションに対して斜め前方へ傾けた前傾乗降位置と、このシートバックを更に前方へ倒してテーブル状にする位置とに切り換え可能な自動車用シートが開示されている。
尚、特許文献2には、シートバックをアッパシートバックとロアシートバックの上下2つに分割し、アッパシートバックの左右一端部をロアシートバックに縦軸により枢支し、アッパシートバックの左右他端部をロアシートバックにリンク機構を介して揺動可能に連結し、乗員がこのシートに着座したまま振り返るときに、その動作に追従してアッパシートバックが縦軸回りに僅かな角度だけ回動する車両用シートが開示されている。
特開2002−225598号公報 特開平7−315085号公報
前記のように、後部座席の側方に後部乗降口が無い自動車においては、前部乗降口から後部シート側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う場合に、乗員乗降(荷物出入)空間を作るために、前部シートのシートバックを前側へ倒し、更には、シートクッションを前方へスライドさせ、また、その後は、前部シートのシートバックを起立させ、更には、シートクッションを後方へスライドさせて元に戻す必要がある。つまり、前部乗降口から後部シート側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行うために、シートバック更にはシートクッションを移動させることが煩雑であり、その労力も大きく大変である。また、長尺物の荷物を乗員室内に積み込もうとする場合、前部シート(助手席)のシートバックを前方又は後方へ倒して、長尺物を後部座席と助手席とに亙って積み込むことができるが、特に、その荷物の安定が悪い場合、自動車のカーブ走行時等に、助手席の荷物が運転手側へ移動して運転手に当たるという、望ましくない事態も起こり兼ねない。
特許文献1の自動車用シートでは、シートバックが前傾乗降位置に切り換えられた状態では、前傾姿勢のシートバックが邪魔になり、後部座席への十分な乗員乗降空間及び荷物出入空間を作ることができず、乗降性が悪いうえに荷物の出し入れも行いにくい。また、シートバックをテーブル状にすると、前傾乗降位置に比べると若干乗降性が良くなり荷物の出し入れも行い易くなるものの、シートクッションの上にシートバックが重なった状態となるため、乗降口が狭くなる。また、後部座席と助手席とに亙って長尺物を積む場合には、シートバックをテーブル状態にする必要があるが、シートクッションの上に重ねられたシートバックの上面と後部座席とに亙って長尺物を積むことになるため、前後の高さに違いが生じて長尺物を安定した状態で積むことができない。
尚、特許文献2の車両用シートは、乗員がシートに着座したまま振り返り易くするために、その振り返り動作に追従してアッパシートバックが縦軸回りに僅かな角度だけ回動するようにしたものであり、前部乗降口から後部シート側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行い易くするために、アッパシートバックを回動させるようにしたものではない。即ち、アッパシートの回動角度は、リンク機構を設けたこともあり、せいぜい20度程度となるため、アッパシートバックを回動させたとしても、後部シート側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行うために、十分な乗員乗降(荷物出入)空間を作ることが難しい。
また、特許文献2の車両用シートでは、シートバックをアッパシートバックとロアシートバックに分割したものであるため、仮に、ロアシートバックに対してアッパシートバックを大きく回動できるようにしても、前部乗降口から後部シート側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う場合、残ったロアシートバックが邪魔になる虞がある。そこで、シートクッションに対してシートバック全体を回動させるように構成することが考えられるが、シートバックを20度程度しか回動させることができないと、上記課題を解決できない。また、自動車の前部シートは、通常、シートクッションにシートバックをリクライニング可能に連結しているため、このリクライニング可能なシートバックを、シートクッションに対して略上下方向向きの回転軸心回りに回動可能に構成することは容易ではない。
本発明の目的は、シートクッションに対してシートバック(シートバック可動部)を、略上下方向向きの回転軸心を中心として回動させて、シートバック使用位置と退避位置とに亙って簡単に且つ確実に切り換え可能にし、シートバックを退避位置に切り換えた状態で、そのシート後方向の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う十分な乗員乗降(荷物出入)空間を容易に作ることができ、しかも、こうした効果を、シートバックをリクライニングさせるリクライニング機構を採用した場合に不具合いが生じることなく達成することができる、車両用シート装置を提供することである。
請求項1の車両用シート装置は、車両のシートクッションとシートバックを有するシートを備えた車両用シート装置において、前記シートバックの少なくとも上側部分を構成する且つ前記シートクッションとは別体のシートバック可動部と、前記シートクッションに対してシートバック可動部の幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支する枢支機構と、前記シートバック可動部を、シートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構とを備え、前記回動ロック機構を解除した状態で、前記枢支機構の回転軸心を中心としてシートバック可動部を前記シートバック使用位置とこの使用位置から前方へ回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成したものである。
この車両用シート装置では、シートバックの少なくとも上側部分がシートバック可動部に構成されている。シートバック可動部はシートクッションとは別体であり、シートクッションに対してシートバック可動部の幅方向一端部が枢支機構により略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支されている。回動ロック機構により、シートバック可動部がシートバック使用位置に解除可能にロックされて回動不能となり、回動ロック機構が解除されると、枢支機構の回転軸心を中心としてシートバック可動部が回動可能となり、このシートバック可動部をシートバック使用位置から前方へ回動させて退避位置に切り換えて、このシート後方の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う、乗員乗降(荷物出入)空間を作ることができる。その後、シートバック可動部を退避位置から後方へ回動させてシートバック使用位置に切り換えて元に戻し、回動ロック機構で回動不能にロックすることができる。尚、シートバック可動部をシートバック使用位置から前方へ回動させて退避位置に切り換える角度については、少なくとも45度以上、望ましくは約90度とすることが好ましい。
請求項2の車両用シート装置は、車両のシートクッションとシートバックを有するシートを備えた車両用シート装置において、前記シートクッションに対してシートバックの幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支する枢支機構と、前記シートバックを、シートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構とを備え、前記回動ロック機構を解除した状態で、前記枢支機構の回転軸心を中心としてシートバックを前記シートバック使用位置とこの使用位置から前方へ回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成したものである。
この車両用シート装置では、シートクッションに対してシートバックの幅方向一端部が枢支機構により略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支されている。回動ロック機構により、シートバックがシートバック使用位置に解除可能にロックされて回動不能となり、回動ロック機構が解除されると、枢支機構の回転軸心を中心としてシートバックが回動可能となり、このシートバックをシートバック使用位置から前方へ回動させて退避位置に切り換えて、このシート後方の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う、乗員乗降(荷物出入)空間を作ることができる。その後、シートバックを退避位置から後方へ回動させてシートバック使用位置に切り換えて元に戻し、回動ロック機構で回動不能にロックすることができる。ここで、シートバックをシートバック使用位置から前方へ回動させて退避位置に切り換える角度については、少なくとも45度以上、望ましくは約90度とすることが好ましい。
請求項3の車両用シート装置は、請求項2の発明において、前記シートクッションに対してシートバックをリクライニング可能に連結するリクライニング機構であって、このリクライニング機構とシートバックの幅方向他端部とを切り離し可能に連結する連結アームを有するリクライニング機構を設け、前記回動ロック機構は、シートバックの幅方向他端部と連結アームとを解除可能にロックし、前記連結アームは、前記回動ロック機構を解除した状態で、シートバックの幅方向他端部と連結可能なアーム使用位置と、このアーム使用位置から倒したアーム退避位置とに亙って切り換え可能に構成したものである。
この車両用シート装置では、リクライニング機構により、シートクッションに対してシートバックをリクライニングさせることができる。リクライニング機構は、このリクライニング機構とシートバックの幅方向他端部とを切り離し可能に連結する連結アームを有し、回動ロック機構によりシートバックの幅方向他端部と連結アームとがロックされて、シートバックが枢支機構の回転軸心回りに回動不能となりリクライニング可能となる。回動ロック機構が解除され、リクライニング機構とシートバックの幅方向他端部とが切り離された状態で、シートバックを退避位置へ切り換え、連結アームをアーム退避位置に切り換えて、その連結アームが邪魔にならないように、このシート後方の後部座席側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う乗員乗降(荷物出入)空間を作ることが可能となる。
請求項4の車両用シート装置は、請求項3の発明において、前記シートバックが前記使用位置と退避位置とに亙って回動する動作に連動させて、前記リクライニング機構の連結アームを前記アーム使用位置とアーム退避位置とに亙って自動的に切り換えるアーム位置切換機構を設けたものである。シートバックをシートバック使用位置から退避位置へ回動させることで、連結アームがアーム使用位置からアーム退避位置へ自動的に切り換えられ、シートバックを退避位置からシートバック使用位置へ回動させることで、連結アームがアーム退避位置からアーム使用位置へ自動的に切り換えられる。
請求項5の車両用シート装置は、請求項2〜4の何れかの発明において、前記シートバックが前記退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、前記ロック機構が自動的にシートバックをロックするように構成したものである。シートバックを退避位置から使用位置へ切り換えると、ロック機構によりシートバックが自動的にロックされる。
請求項6の車両用シート装置は、請求項2〜5の何れかの発明において、前記シートクッションに対してシートバックを前記退避位置へ回動付勢する回動付勢手段を設けたものである。回動付勢手段の回動付勢力により、シートバックをシートバック使用位置から退避位置へ回動させる際、その回動動作をサポートすることができ、また、シートバックを退避位置へ切り換えた状態で保持することもできる。
請求項7の車両用シート装置は、請求項1の発明において、前記シートバック可動部が前記退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、前記ロック機構が自動的にシートバック可動部をロックするように構成したものである。シートバック可動部を退避位置から使用位置へ切り換えると、ロック機構によりシートバック可動部が自動的にロックされる。
請求項8の車両用シート装置は、請求項1又は7の発明において、前記シートクッションに対してシートバック可動部を前記退避位置へ回動付勢する回動付勢手段を設けたものである。回動付勢手段の回動付勢力により、シートバック可動部をシートバック使用位置から退避位置へ回動させる際、その回動動作をサポートすることができ、また、シートバック可動部を退避位置へ切り換えた状態で保持することもできる。
請求項1の車両用シート装置によれば、シートバック可動部をシートバック使用位置と退避位置とに亙って簡単に且つ確実に切り換えることができ、シートバック可動部をシートバック使用位置から前方へ回動させるだけでシートバック可動部を退避位置に切り換えて、そのシート後方向の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う十分な乗員乗降(荷物出入)空間を容易に作り、つまりは、後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを簡単に行うことが可能になる。特に、助手席において、シートバック可動部をシートバック使用位置から前方へ約90度回動させて退避位置とした場合には、助手席と後部座席とに亙って長尺物の荷物を積み込むことも可能となり、また、退避位置のシートバック可動部が運転席と助手席を仕切る仕切壁となるようにして、そのシートバック可動部により、助手席の荷物が運転手側へ移動して運転手に当たる、という望ましくない事態が起こることを防止することができる。
請求項2の車両用シート装置によれば、シートバックをシートバック使用位置と退避位置とに亙って簡単に且つ確実に切り換えることができ、シートバックをシートバック使用位置から前方へ回動させるだけでシートバックを退避位置に切り換えて、そのシート後方向の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う十分な乗員乗降(荷物出入)空間を容易に作り、つまりは、後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを簡単に行うことが可能になる。しかも、シートバック全体を退避位置に移動させることができるため、非常に広い乗員乗降(荷物出入)空間を作ることが可能になる。特に、助手席において、シートバックをシートバック使用位置から前方へ約90度回動させて退避位置とした場合には、助手席と後部座席とに亙って長尺物の荷物を積み込むことも可能となり、また、退避位置のシートバックが運転席と助手席を仕切る仕切壁となるようにして、そのシートバックにより、助手席の荷物が運転手側へ移動して運転手に当たる、という望ましくない事態が起こることを防止することができる。
請求項3の車両用シート装置によれば、リクライニング機構を設けたので、シートクッションに対してシートバックをリクライニングさせることができる。リクライニング機構は、このリクライニング機構とシートバックの幅方向他端部とを切り離し可能に連結する連結アームを有し、回動ロック機構によりシートバックの幅方向他端部と連結アームとをロックして、シートバックが枢支機構の回転軸心回りに回動不能となりリクライニング可能となる。回動ロック機構を解除し、リクライニング機構とシートバックの幅方向他端部とを切り離した状態で、シートバックを退避位置へ切り換えると共に、連結アームをアーム退避位置に切り換えて、その連結アームが邪魔にならないように、このシート後方の後部座席側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う乗員乗降(荷物出入)空間を作ることが可能となる。
請求項4の車両用シート装置によれば、シートバックが使用位置と退避位置とに亙って回動する動作に連動させて、リクライニング機構の連結アームをアーム使用位置とアーム退避位置とに亙って自動的に切り換えるアーム位置切換機構を設けたので、シートバックをシートバック使用位置から退避位置へ回動させることで、連結アームをアーム使用位置からアーム退避位置へ自動的に切り換えることができ、シートバックを退避位置からシートバック使用位置へ回動させることで、連結アームをアーム退避位置からアーム使用位置へ自動的に切り換えることができ、連結アームをアーム使用位置とアーム退避位置とに亙って切り換える労力を軽減することができる。
請求項5の車両用シート装置によれば、シートバックが退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、ロック機構が自動的にシートバックをロックするように構成したので、シートバックを退避位置から使用位置へ切り換えるだけで、自動的に使用位置のシートバックをロックでき、別途シートバックをロックする手間を省きその労力を軽減できる。
請求項6の車両用シート装置によれば、シートクッションに対してシートバックを退避位置へ回動付勢する回動付勢手段を設けたので、この回動付勢手段の回動付勢力により、シートバックをシートバック使用位置から退避位置へ回動させる際、その回動動作をサポートすることができ、また、シートバックを退避位置へ切り換えた状態で保持することもできる。
請求項7の車両用シート装置によれば、シートバック可動部が退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、ロック機構が自動的にシートバック可動部をロックするように構成したので、シートバック可動部を退避位置から使用位置へ切り換えるだけで、自動的に使用位置のシートバック可動部をロックでき、別途シートバック可動部をロックする手間を省きその労力を軽減できる。
請求項8の車両用シート装置によれば、シートクッションに対してシートバック可動部を退避位置へ回動付勢する回動付勢手段を設けたので、この回動付勢手段の回動付勢力により、シートバック可動部をシートバック使用位置から退避位置へ回動させる際、その回動動作をサポートすることができ、また、シートバック可動部を退避位置へ切り換えた状態で保持することもできる。
本実施形態の車両用シート構造は、前部座席のシートバックの全体或いはシートバックの少なくとも上側部分を含む一部のシートバック可動部をシートバック使用位置で解除可能にロックし、このロックを解除した状態で、シートバック使用位置のシートバック又はシートバック可動部を、その幅向内端部の略上下方向向きの回転軸心回りに前方へ約90度回動させ退避位置に切り換えて、前部乗降口から後部座席側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う、乗員乗降空間(荷物出入空間にもなるが、これを含めて、以下、乗員乗降空間と記して説明する)を作るようにしたものである。
図1と図2は、自動車において、前部座席である助手席を備えた車両用シート装置の斜視図であり、図示していないが、助手席の側方には運転席が設けられ、これら前部座席の後方に後部座席が設けられ、前部座席の側方にサイドドアで開閉される前部乗降口が設けられている。尚、後部座席の側方に後部乗降口は無いものとする。本実施形態では、車両用シート装置は助手席側と運転席側の両方に適用されるが、助手席側のシート装置と運転席側のシート装置は左右対称に構成されるため、助手席側のシート装置について説明し、運転席側のシート装置については説明を省略する。尚、以下、図1の矢印で示す前方と左方を前方と左方として説明する。尚、助手席は運転席の左側にある。
図1〜図3に示すように、車両用シート装置1(以下、シート装置1という)は、シートクッション3とシートバック4を有するシート2と、シートクッション3に対してシートバック4の幅方向一端部である内端部を略上下方向向きの回転軸心a回りに回動自在に枢支する枢支機構5と、シートバック4を図1のシートバック使用位置(以下、使用位置という)で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構6とを備え、回動ロック機構6を解除した状態で、枢支機構5の回転軸心aを中心としてシートバック4を使用位置とこの使用位置から前方へ約90度回動させた図2の退避位置とに亙って切り換え可能に構成してある。
シート装置1は、シートクッション3に対してシートバック4をリクライニング可能に連結するリクライニング機構7であって、このリクライニング機構7とシートバック4の幅方向他端部である外端部とを切り離し可能に連結する連結アーム45を有するリクライニング機構7を備え、回動ロック機構6は、シートバック4の幅方向他端部と連結アーム45とを解除可能にロックし、連結アーム45は、回動ロック機構6を解除した状態で、シートバック4の幅方向他端部と連結可能な図1のアーム使用位置と、このアーム使用位置から前側に倒した図2のアーム退避位置とに亙って切り換え可能に構成してある。
リクライニング機構7の連結アーム45のアーム使用位置とアーム退避位置との切り換え可能な構成について、シート装置1は、シートバック4が使用位置と退避位置とに亙って回動する動作に連動させて、リクライニング機構7の連結アーム45をアーム使用位置とアーム退避位置とに亙って自動的に切り換えるアーム位置切換機構8を備えている。
ここで、このシート2のシートクッション3は、シートバック4と共に前後にスライド可能に構成され、そのために、図3〜図5に示すように、シートクッション3の下端部に、前後に夫々左右1対のスライダー9が設けられ、左2つのスライダー9と右2つのスライダー9が夫々前後方向向きのスライドレール(図示略)に摺動自在に係合している。
先ず、枢支機構5について説明する。
図3と、シート2の右側要部の背面図である図4に示すように、シートクッション3において、右端後部のスライダー9にブラケット10が固定されて上方へ延び、そのブラケット10に、左右方向向きの回転軸11が内嵌されて回動自在に支持され、その回転軸11にナックルブラケット12が固定的に連結され、そのナックルブラケット12に回動支持フレーム20が固定されている。一方、シートバック4の内端部に回動フレーム21が固定的に設けられ、この回動フレーム21が回動支持フレーム20に、回転軸心a回りに回動可能に且つ回転軸心a向きに殆ど移動不能に連結され支持されている。
図4、図7に示すように、回動支持フレーム20は上側へ突出するネジ軸部20aを有し、このネジ軸部20aが回動フレーム21に下側へ開口するように形成されたネジ穴21aに螺合されて、シートクッション3に対してシートバック4の幅方向一端部が略上下方向向きの回転軸心a回りに回動自在に枢支されている。ここで、シートバック4を使用位置から退避位置へ回動させる方向が、ネジ軸部20aとネジ穴21aの締め付け側となり、シートバック4を退避位置へ回動させたとき、回動支持フレーム20のネジ軸部20aの基端側の段状端面と回動フレーム21の下端面とを当接させて、シートバック4が退避位置から更に運転席側へ回動しないように構成してもよい。
次に、回動ロック機構6について説明する。
図3と、シート2の左側要部の背面図である図5に示すように、シートクッション3において、左端後部のスライダー9にブラケット15が固定されて上方へ延び、そのブラケット15に、左右方向向きの回転軸16が内嵌されて回動自在に支持され、その回転軸16にナックルブラケット17が固定的に連結され、そのナックルブラケット17に管状の回動ロックフレーム30が固定されている。尚、リクライニング機構7の連結アーム45は、このナックルブラケット17と回動ロックフレーム30等からなるものである。
回動ロック機構6は、前記回動ロックフレーム30と、シートバック4の外端部に固定されたガイド管31と、ガイド管31に移動可能に収容された回動ロックロッド32と、この回動ロックロッド32をガイド管31から下方へ突出させる側へ付勢するバネ部材33(圧縮コイルバネ33)と、ガイド管31に形成されたガイド溝34と、回動ロックロッド32に固定されると共にガイド溝34に係合してガイド管31の外側まで突出するガイドピン35と、ガイドピン35の先端部に取り付けられた例えば球状の操作部材36等で構成されている。尚、ガイド管31はシートバック本体の内部に設けられ、そのため、図1、図2に示すように、このシートバック本体表面部にガイド溝34に対応する溝34cが形成され、シートバック本体の外側に操作部材36が配設される。
回動ロックロッド32は、回動ロックフレーム30の約2倍強の長さを有し、ガイド管31は回動ロックロッド32よりも長く、バネ部材33で付勢された回動ロックロッド32を略全てガイド管31に収容可能に構成してある。回動ロックロッド32の長さ方向中央部よりも少し上側にガイドピン35が固定され、ガイド管31の下側部分にガイド溝34が形成されている。図6に示すように、ガイド溝34は、上下方向向きの直線溝34aと、直線溝34aの上端から下方へ少し延びる湾曲溝34bとを有する。
ガイドピン35が直線溝34aを移動する距離が、回動ロックロッド32の上下移動ストロークとなり、図6に実線で示すように、ガイドピン35が直線溝34aの下端部に係合すると、回動ロックロッド32の全長の約1/2部分がガイド管31から下方へ突出し、シートバック4が使用位置に位置している状態で、その回動ロックロッド32が回動ロックフレーム30に内嵌(係合)されて、シートバック4が回転軸心a回りに回動不能になる。ガイドピン35が直線溝34aの下端部に係止された状態で、回動ロックロッド32はこれ以上ガイド管31から下方へ突出しないように抜け止めされる。
ガイドピン35が直線溝34aの上端部に係合すると、回動ロックロッド32の略全部がガイド管31に収容され、回動ロックロッド32の回動ロックフレーム30との嵌合(係合)が解除されて、シートバック4が回転軸心a回りに回動可能になる。回動ロックロッド32の下端部分にはテーパ部32aが形成されており、図6に鎖線で示すように、ガイドピン35が湾曲溝34bの下端部に係合すると、回動ロックロッド32の略テーパ部32aのみがガイド管31から下方へ突出し、回動ロックフレーム30の上端部と接触可能な位置となる。
ここで、回動ロック機構6の動作について、乗員等が行う操作を含めて説明すると、先ず、シートバック4が使用位置に位置し、ガイドピン35が直線溝34aの下端部に係合している状態で、シートバック4が回動不能にロックされているが、このロックを解除するために、乗員等が操作部36を持って引き上げ、ガイドピン35を直線溝34aに沿って上方へ移動させることで回動ロックロッド32を上方へ移動させ、シートバック4を回転軸心a回りに回動させるために、最終的には、ガイドピン35を湾曲溝34bの下端部に係合させる。但し、この場合、回動ロックロッド32のテーパ部32aがガイド管31から下方へ突出し、回動ロックフレーム30の上端部と接触可能となるため、ガイドピン35を直線溝34aの上端部に係合させた状態で、シートバック4を少し前方へ回動させ、回動ロックフレーム30と回動ロックロッド32の位置をずらした状態で、ガイドピン35を湾曲溝34bの下端部に係合させることになる。
こうして、ガイドピン35を湾曲溝34bの下端部に係合させた状態で、シートバック4を回転軸心a回りに回動させることが可能となる。次に、シートバック4を使用位置で回動させないように再びロックする場合には、シートバック4を使用位置へ回動させ戻すことで自動的に行われる。即ち、シートバック4が使用位置に切り換わる直前で、回動ロックロッド32のテーパ部32aが回動ロックフレーム30の上端部に接触して上方へ持ち上げられ、このとき、ガイドピン35が湾曲溝34bから直線溝34aの上端へ移行し、その後、シートバック4が使用位置になると、バネ部材33の付勢力により回動ロッド32が下方へ押動されて回動ロックフレーム30に内嵌される。このように、シートバック4が退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、ロック機構6が自動的にシートバック4をロックするように構成してある。
次に、リクライニング機構7について説明する。
図3〜図5に示すように、リクライニング機構7は、シートクッション3とシートバック4を連結する、右側の前記ブラケット10と回転軸11とナックルブラケット12と、左側の前記ブラケット15と回転軸16とナックルブラケット17と、右側の回転軸11に固定されたラチェット40と、このラチェット40に解除可能に係合位置で係合する係合部材41と、係合部材41を係合位置から解除位置に切り換えるためのリクライニング操作部材42を有する。
係合部材41はラチェット40と係合する係合位置に付勢されており、この係合部材41がラチェット40と係合した状態で、回転軸11が回転拘束され、シートバック4が固定される。リクライニング操作部材42を持って引き上げるように操作すると、係合部材41がラチェット40から係合解除し、回転軸11が回転可能となり、シートバック4をリクライニングさせることができ、所定角度範囲の所望の角度でシートバック4を位置決めして、リクライニング操作部材42を放すと、係合部材41がラチェット40と係合し、その角度でシートバック4が固定される。シートバック4を所定角度範囲でリクライニングさせる場合には、リクライニング操作部材42を引き上げた状態で持ったまま行う必要がある。但し、前記所定角度範囲外へシートバック4を回動させると(例えば、前方へ大きく倒す場合)、リクライニング操作部材42は引き上げられた状態で保持される。
次に、アーム位置切換機構8について説明する。
図3〜図5、図9に示すように、アーム位置切換機構8は、ギヤ50、ギヤ保持部材51、ギヤ52、ワイヤ53、ワイヤチューブ54、動力伝達体55等で構成されている。図4に示すように、ギヤ50とギヤ保持部材51とギヤ52は、シート2の右端部分に設けられ、ギヤ50は、シートバック4側の回動フレーム21の下端部外周側に固定され、ギヤ保持部材51はシートクッション3側の回動支持フレーム20の上端部分に固定され、このギヤ保持部材51にギヤ52が回動自在に支持されてギヤ50に噛合し、このギヤ51にワイヤ53の一端部が連結されている。
図5、図9に示すように、動力伝達体55はシート2の左端部分に設けられ、この動力伝達体55は、分離可能に連結される可動軸56と枢支ピン57からなる。左後端のスライダー9に固定されたブラケット15にケース支持部材58aが固定され、このケース支持部材58aに固定されたケース58に、可動軸56が左右方向へ移動自在にガイドされて収容され、ワイヤ53の他端部はケース58を貫通して可動軸56に連結されている。可動軸56に形成されたスプライン穴に、枢支ピン57のスプライン軸部が内嵌されて、可動軸56と枢支ピン57とが相対回動不能に結合される。ケース58の内部には、可動軸56を枢支ピン57と結合する側へ付勢するバネ部材59が装着され、通常は、可動軸56と枢支ピン57は結合されている。
回動ロック機構6によるロックを解除して、シートバック4を回転軸心a回りに回動させると、その回動力が、ギヤ50,52、ワイヤ53、動力伝達体55、回転軸16を介して、リクライニング機構7の連結アーム45に伝達されて、連結アーム45が回転軸16回りに回動される。こうして、シートバック4を使用位置と退避位置とに亙って回動させると、その動作に連動して、リクライニング機構7の連結アーム45がアーム使用位置とアーム退避位置とに亙って自動的に切り換えられる。
ところで、リクライニング機構7によりシートバック4をリクライニングさせる場合、連結アーム45も回動するため、前記動力伝達体55の可動軸56と枢支ピン57が結合された状態では、その回動力がアーム位置切換機構8を介してシートバック4に伝達され、シートバック4は回転軸心a回りにも回動することになるが、この動作は不要である。また、シートバック4は通常回動ロック機構6でロックされているため、結局、シートバック4をリクライニングさせることができなくなる。そこで、シートバック4をリクライニングさせる際には、動力伝達体55の可動軸56と枢支ピン57の結合を自動的に分離して、シートバック4を回転軸心a回りに回動させる動力を伝達不能にするクラッチ機構60が設けられている。
このクラッチ機構60は、前記動力伝達体55とケース58とバネ部材59、リクライニング機構7のリクライニング操作部材42、ワイヤ61、ワイヤチューブ62等で構成されている。動力伝達体55の可動軸56にはブラケット56aが一体的に設けられ、このブラケット56aがケース支持部材58aに形成された少なくとも左右方向に長い溝58bから下方へ突出してる。通常、バネ部材59の付勢力により、ブラケット56aは溝58bの左端部に係止され、この状態で、動力伝達体55の可動軸56と枢支ピン57が係合されている。この状態で、可動軸56が回動可能に、溝58bの少なくとも左端部は周方向長い円弧状に形成されている。
ワイヤ61は、その一端部がリクライニング操作部材42に連結され、他端部が可動軸56のブラケット56aに連結されている。尚、ワイヤチューブ62の他端部は、ケース支持部材58aに取付部材により連結されている。リクライニング操作部材42を操作しない状態において、動力伝達体55の可動軸56と枢支ピン57は結合されているが、リクライニング操作部材42を引き上げるように操作すると、ワイヤ61と共に可動軸56が右側へ引っ張られて移動し、可動軸56と枢支ピン57の結合が解除される。この可動軸56と枢支ピン57の結合が解除された状態で、ラチェット40から係合部材が係合解除して、シートバック4をリクライニングさせることができる。
以上説明したシート装置1の作用・効果について説明する。
このシート装置1は、シート2のシートクッション3に対してシートバック4の幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支する枢支機構5と、シートバック4を、シートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構6とを備え、回動ロック機構6を解除した状態で、枢支機構5の回転軸心aを中心としてシートバック4を使用位置とこの使用位置から前方へ回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成した。
従って、回動ロック機構6により、シートバック4が使用位置に解除可能にロックされて回動不能となり、回動ロック機構6が解除されると、枢支機構5の回転軸心aを中心としてシートバック4が回動可能となり、このシートバック4を使用位置から前方へ約90度回動させて退避位置に切り換えて、このシート後方の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う、乗員乗降空間を作ることができる。その後、シートバック4を退避位置から後方へ約90度回動させて使用位置に切り換えて元に戻し、回動ロック機構6で回動不能にロックすることができる。
つまり、このシート装置1によれば、シートバック4を使用位置と退避位置とに亙って簡単に且つ確実に切り換えることができ、シートバック4を使用位置から前方へ約90度回動させるだけでシートバック4を退避位置に切り換えて、そのシート後方向の後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う十分な乗員乗降空間を容易に作り、つまりは、後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを簡単に行うことが可能になる。
しかも、シートバック4全体を退避位置に移動させることができるため、非常に広い乗員乗降空間を作ることが可能になる。特に、シートバック4をシートバック使用位置から前方へ約90度回動させて退避位置としているため、助手席と後部座席とに亙って長尺物の荷物を積み込むことも可能となり、また、退避位置のシートバック4が運転席と助手席を仕切る仕切壁となるため、そのシートバック4により、助手席の荷物が運転手側へ移動して運転手に当たる、という望ましくない事態が起こることを防止することができる。
リクライニング機構7を設けたので、シートクッション3に対してシートバック4をリクライニングさせることができる。リクライニング機構7は、このリクライニング機構7とシートバック4の幅方向他端部とを切り離し可能に連結する連結アーム45を有し、回動ロック機構6によりシートバック4の幅方向他端部と連結アーム45とをロックして、シートバック4が枢支機構5の回転軸心a回りに回動不能となりリクライニング可能となる。回動ロック機構6を解除し、リクライニング機構7とシートバック4の幅方向他端部とを切り離した状態で、シートバック4を退避位置へ切り換えると共に、連結アーム45をアーム退避位置に切り換えて、その連結アーム45が邪魔にならないように、このシート後方の後部座席側への乗員の乗降や荷物の出し入れを行う乗員乗降空間を作ることが可能となる。
シートバック4が使用位置と退避位置とに亙って回動する動作に連動させて、リクライニング機構7の連結アーム45をアーム使用位置とアーム退避位置とに亙って自動的に切り換えるアーム位置切換機構8を設けたので、シートバック4を使用位置から退避位置へ回動させることで、連結アーム45をアーム使用位置からアーム退避位置へ自動的に切り換えることができ、連結アーム45をアーム使用位置とアーム退避位置とに亙って切り換える労力を軽減できる。
シートバック4が退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、回動ロック機構6が自動的にシートバック4をロックするように構成したので、シートバック4を退避位置から使用位置へ切り換えるだけで、自動的に使用位置のシートバック4をロックでき、別途シートバック4をロックする手間を省きその労力を軽減できる。
図10、図11に示すように、このシート装置1Aは、シートクッション3Aとシートバック4Aを有するシート2Aと、シートクッション3Aに対してシートバック4Aの幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心a回りに回動自在に枢支する枢支機構5Aと、シートバック4Aをシートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構6Aを備え、回動ロック機構6Aを解除した状態で、枢支機構5Aの回転軸心aを中心としてシートバック4をシートバック使用位置とこの使用位置から前方へ約90度回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成したものである。
このシート装置1Aには、リクライニング機構が省略されている。それ故、実施例1のシート装置1に設けられている、リクライニング機構7及びアーム位置切換機構8は省略されている。それ故、シートバック4Aをリクライニングさせることはできないが、実施例1と同様、シートバック4Aをシートバック使用位置から退避位置に切り換えて、後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行うことができると共に、構造を簡単化できるため製作コストを低減することができる。尚、枢支機構5A、回動ロック機構6Aについては、基本的には、実施例1と同様であるので説明を省略する。
図12に示すように、このシート装置1Bは、シートクッション3Bとシートバック4Bを有するシート2Bと、シートバック4Bの少なくとも上側部分を構成する且つシートクッション3Bとは別体のシートバック可動部4Baと、シートクッション3Bに対してシートバック可動部4Baの幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心a回りに回動自在に枢支する枢支機構5Bと、シートバック可動部4Baを、シートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構6Bとを備え、回動ロック機構6Bを解除した状態で、枢支機構5Bの回転軸心aを中心としてシートバック可動部4Baをシートバック使用位置とこの使用位置から前方へ約90度回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成したものである。
このシート装置1では、シートバック4Bのうちシートバック可動部4Ba以外の部分とシートクッション3Bとは一体的に構成してある。但し、これらを別体に構成してもよい。また、リクライニング機構やアーム位置切換機構も設けられていない。それ故、構造を簡単化して製作コストを低減することができる。そして、シートバック可動部4Baをシートバック使用位置から退避位置に切り換えて、後部座席への乗員の乗降や荷物の出し入れを行うことが可能になる。尚、枢支機構5B、回動ロック機構6Bについては、基本的には、実施例1と同様であるので説明を省略する。
図13に示すように、このシート装置は、シートクッションに対してシートバック又はシートバック可動部を退避位置へ回動付勢する回動付勢手段としてのバネ部材70を設けたものである。このバネ部材70はコイルバネで構成され、その下端部がシートクッション側の回動支持フレーム20に連結され上端部がシートバック側の回動フレーム21に連結され、シートバック又はシートバック可動部を退避位置へ回動付勢する状態で組み付けられている。このバネ部材70の組み付けについては、例えば、回動フレーム21に形成されたバネ収容穴にバネ部材70を収容すると共に、このバネ部材70を回動支持フレーム20のネジ軸部20aが挿通するように組み付けられる。
このシート装置によれば、バネ部材70の回動付勢力により、シートバック又はシートバック可動部をシートバック使用位置から退避位置へ回動させる際、その回動動作をサポートすることができ、また、シートバック又はシートバック可動部を退避位置へ切り換えた状態で保持できる。尚、その他の構成は、実施例1〜3の何れかと同様である。
その他、前記実施例において次のように変更してもよい。
1]シートバック又はシートバック可動部の幅方向外端部を枢支機構により略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支すると共に、シートバック又はシートバック可動部の幅方向内端部をシートクッションに対して回動ロック機構により回動不能にロックする。2]シートバック又はシートバック可動部を退避位置に保持する保持機構を設ける。例えば、保持機構は、シートバックが退避位置に位置している状態で、シートクッションとシートバックを解除可能にロックする、係合部と被係合部を有するロック機構で構成する。
3]シートバック又はシートバック可動部を使用位置から前方へ90度以外の角度(例えば、45度)回動させた位置を退避位置とするようにしてもよい。
4]このシート装置を後部座席に適用してもよい。その後部座席の後方に荷室がある場合、そのシートバックを退避位置へ移動させることにより、荷室への荷物の出し入れを、後部座席側から行うことが可能となる。
5]実施例1のシート装置1において、構造を簡素化して部品点数を減らし、製作コストを低減するために、アーム位置切換機構8を省略してもよい。この場合、シートバック4を前方へ回動させてから、手動で連結アーム45を回動させてアーム使用位置とアーム退避位置とに亙って切り換えるようにしてもよい。
6]その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施可能であり、また、自動車以外の種々の車両のシート装置に適用可能である。
本発明の実施例1に係るシート装置(シートバック使用位置)の斜視図である。 シート装置(シートバック退避位置)の斜視図である。 シート装置の要部の背面図である。 シート装置の右部要部の背面図である。 シート装置の左部要部の背面図である。 ガイド管の回動ロックロッドの側面図である。 回動支持フレームと回動フレームの分離状態での斜視図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 シート装置のクラッチ機構の要部の断面図である。 実施例2に係るシート装置(シートバック使用位置)の斜視図である。 シート装置(シートバック退避位置)の斜視図である。 実施例3に係るシート装置(シートバック使用位置)の斜視図である。 実施例4に係る回動支持フレームと回動フレームのバネ部材の分離状態での斜視図である。
符号の説明
1,1A,1B シート装置
2,2A,2B シート
3,3A,3B シートクッション
4,4A,4B シートバック
4Ba シートバック可動部
5,5A,5B 枢支機構
6,6A,6B 回動ロック機構
7 リクライニング機構
8 アーム位置切換機構
45 連結アーム
70 バネ部材

Claims (8)

  1. 車両のシートクッションとシートバックを有するシートを備えた車両用シート装置において、
    前記シートバックの少なくとも上側部分を構成する且つ前記シートクッションとは別体のシートバック可動部と、
    前記シートクッションに対してシートバック可動部の幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支する枢支機構と、
    前記シートバック可動部を、シートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構とを備え、
    前記回動ロック機構を解除した状態で、前記枢支機構の回転軸心を中心としてシートバック可動部を前記シートバック使用位置とこの使用位置から前方へ回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成したことを特徴とする車両用シート装置。
  2. 車両のシートクッションとシートバックを有するシートを備えた車両用シート装置において、
    前記シートクッションに対してシートバックの幅方向一端部を略上下方向向きの回転軸心回りに回動自在に枢支する枢支機構と、
    前記シートバックを、シートバック使用位置で回動させないように解除可能にロックする回動ロック機構とを備え、
    前記回動ロック機構を解除した状態で、前記枢支機構の回転軸心を中心としてシートバックを前記シートバック使用位置とこの使用位置から前方へ回動させた退避位置とに亙って切り換え可能に構成したことを特徴とする車両用シート装置。
  3. 前記シートクッションに対してシートバックをリクライニング可能に連結するリクライニング機構であって、このリクライニング機構とシートバックの幅方向他端部とを切り離し可能に連結する連結アームを有するリクライニング機構を設け、
    前記回動ロック機構は、シートバックの幅方向他端部と連結アームとを解除可能にロックし、
    前記連結アームは、前記回動ロック機構を解除した状態で、シートバックの幅方向他端部と連結可能なアーム使用位置と、このアーム使用位置から倒したアーム退避位置とに亙って切り換え可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載の車両用シート装置。
  4. 前記シートバックが前記使用位置と退避位置とに亙って回動する動作に連動させて、前記リクライニング機構の連結アームを前記アーム使用位置とアーム退避位置とに亙って自動的に切り換えるアーム位置切換機構を設けたことを特徴とする請求項3に記載の車両用シート装置。
  5. 前記シートバックが前記退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、前記ロック機構が自動的にシートバックをロックするように構成したことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の車両用シート装置。
  6. 前記シートクッションに対してシートバックを前記退避位置へ回動付勢する回動付勢手段を設けたことを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の車両用シート装置。
  7. 前記シートバック可動部が前記退避位置から使用位置へ切り換えられたとき、前記ロック機構が自動的にシートバック可動部をロックするように構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート装置。
  8. 前記シートクッションに対してシートバック可動部を前記退避位置へ回動付勢する回動付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1又は7に記載の車両用シート装置。
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