JP2005051785A - デジタルデータへの透かし埋込み及びその検知方法及び装置 - Google Patents

デジタルデータへの透かし埋込み及びその検知方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 デジタルデータに透かしを埋め込み及び検知するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】 データを独立成分分析によって分析し、データの特性を符号化する変換行列Wを導出する。データは、この変換行列Wを使用して符号化され、透かしが埋め込まれる。その後、変換行列の逆行列を透かしの施されたデータを得るために適用する。透かしの存在は、再び変換行列を適用し、透かしの存在の有無が判断される。上記データとしては画像データや他の形態のデータを用いることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、デジタルデータ、特に画像データに透かしを埋め込むとともに、それを検知する方法及び装置に関する。
デジタル技術の開発により、デジタルマルチメディアデータの用途に急激な展開があった。アナログのオーディオ及びビデオ機器は、徐々にそのデジタル後継機にとって代わられる過程にある。デジタル記憶及びインターネット接続の支援により、マルチメディアデータ及びアプリケーションの配布は、はるかに容易で、より速くなっている。このため、著作権問題は、デジタルコンテンツデータの所有者にとってますます重要な問題となっている。この理由から、データが改変(modify)されたという事実を検知可能な形態で、デジタルデータ(データの「透かし」)を改変する技術が開発されつつある。デジタル透かし技術を用いることで、著作権所有者は、データが自身のものであることを容易に証明することできるため、著作権の強化が容易に達成される。しかしながら、デジタル透かしは、著作権保護のために使用されるばかりでなく、指標付け、キャプション付け、及びデータ隠し等にも使用される。
透かしシステムには、通常2つの段階がある。すなわち、(i)透かしの埋込みと、(ii)透かしの検出/抽出である。画像所有権の保護に利用される場合には、埋め込まれた透かしが検出され、改変済の画像から抽出される。透かしを埋め込むための技術で、第1の重要な問題は、透かしを埋め込むことが行われるべき領域(「ワークスペース」)の選択である。
例えば、既存の透かし技術は、空間領域、離散コサイン変換(discrete cosine transform:DCT)領域、メラン−フーリエ変換(Mellin-Fourier transform)領域、ウェーブレット(wavelet)領域などで作動する。他の重要な問題としては、透かしが隠されるべき、ピクセル、ブロック、あるいは変換係数の選択である。
透かしは、画像中の改変が不可視であるように画像を改変して、ホスト画像に埋め込まれることが望ましい。そのような「不可視性(imperceptibility)」は、画像透かしシステムで最も重要な必要条件のうちの1つである。さらに、望ましくは、透かしの除去(「透かしへの攻撃」)が困難であるべきである。
画像データへの透かし埋込に関する従来の技術としては、例えば非特許文献1に記載されているものがある。
C. Podilchuk and W. Zeng, "Image-adaptive watermarking using visual models"(「視覚的モデルを使用する画像適応型透かし入れ」), IEEE Journal on Selected Areas in Communications, vol. 16, no. 4, pp.525-539, 1998. B. A. Oishausen and D. J. Field, "Sparse Coding with an Overcomplete Basis Set: A Strategy employed by V1?"(過剰に完全な基底系での疎符号化:V1によって使用される戦略?), Vision Res., 37(23), 1997. A. J. Bell and T. J. Sejnowski, "The 'Independent Components' of Natural Scenes are Edge Filters"(「自然なシーンの独立成分はエッジフィルタである」), Vision Res., 37(23):3327-3338, 1997. B. A. Oishausen and D. J. Field. "Emergence of Simple-Cell Receptive-Field Properties by Learning a Sparse Code for Natural Images"(「自然画像のための疎符号の学習による単純細胞受容野特性の出現」), Nature, 381:607-609, 1996. John Wiley, L. A. Qlzak, and J. P. Thomas, "Handbook of Perception and Human Performance. Volume 1: Sensory Processes and Perception. Chapter 7: Seeing Spatial Patterns."(「知覚とヒューマンパフォーマンスのハンドブック第1巻:感覚のプロセス及び知覚第7章:空間パターンを見る」), University of California, Los Angeles, California, 1986. G. E. Legge, "Spatial Frequency Masking in Human Vision: Binocular Interactions"(「ヒトの視覚の空間周波数マスキング:両眼の相互作用」), J. Opt. Soc. Am. A, 69(6):838-847, June 1979. H. R. Wilson, D. K. McFarlane, and G. C. Phillips, "Spatial Frequency Tuning of Orientation Selective Units Estimated by Oblique Masking"(「傾斜したマスキングによって推定された指向性の選択的なユニットの空間周波数チューニング」), Vision Research, 23(9):873-847, 1983. J. H. van Hateren and A. van der Schaaf, "Independent Component Filters of Natural Images compared with Simple Cells in Primary Visual Cortex"(「一次視覚野中の単純細胞と比較した自然な画像の独立成分フィルタ」), Proc. Royal Soc. Lond. B, 265:359-366, 1998. A. Hyvarinen, 'Fast and Robust Fixed-point Algorithms for Independent Component Analysis"(「独立成分分析用の速くて耐性のある固定小数点アルゴリズム」), IEEE Transactions on Neural Networks, 1 O(3):626-634, May 1999.
以下、上述した2つの望ましい点について、従来の透かし技術を説明する。
(1)空間領域透かしは、最も簡単な透かし技術である。空間領域技術の利点は、後段の処理にかかわらず、これらが任意の画像に容易に適用し得るということである。1つの方法は、最下位ビット(Least Significant Bits)改変方法(LSB)と呼ばれる。この技術では、透かしは、ホスト画像のいかなる場所にも埋め込まれ得る。したがって、高いチャンネル容量があり、また、小さな透かしオブジェクトが、複数回埋め込まれ得る。これらのオブジェクトの殆どが、攻撃のために失われても、1つの透かしが残っていれば、成功と看做されるであろう。しかしながら、LSB置換は、その単純性にもかかわらず、多くの問題点を抱えている。それは、切り取り(cropping)のような変換(transformations)に対しても生き残ることは可能であるが、ノイズ又は損失を伴う(lossy)圧縮を加えた場合には、透かしは完全に除去されてしまう。さらに、より巧みな攻撃としては、各ピクセルのLSBビットを単に設定する方法もある。このような方法によれば、オリジナルデータへの影響を無視できる程度に抑えた状態で、透かしを完全に除去することが可能となる。さらに、一旦、埋込みアルゴリズムが知られると、埋め込まれた透かしは容易に発見が可能となってしまう。基本的なLSB置換法への1つの改善方法では、与えられた「シード」(seed)又はキーに基づき擬似乱数発生器を使用して、埋込みに使用されるピクセルを決定する。さらに進化した空間領域方法、例えば相関性に基づいた技術も存在する。空間技術の他の欠点としては、それらを生成する埋込み技術が、透かしをより容易に除去可能にするものでなければ、公表され得ないことである。また、滑らかな(smooth)領域とノイズのある領域とを区別するのが難しくなるので、適応型の透かし技術が、空間領域では困難になる。
(2)離散コサイン変換(DCT)領域透かしは、通常、中間周波数AC成分中でのJPEGとMPEGとの関連で広く研究されている。DCT領域の埋込み操作は、多くの場合JPEG及びMPEG圧縮に耐性(robust)がある。このため、透かしは、JPEG/MPEG攻撃に対して、より容易に抵抗することができる。DCT領域の透かしは、計算時間を最小限にするために、圧縮したフォーマットに透かしを直接埋め込むこともできる。しかしながら、DCT領域圧縮の視認性に関する従来の研究によれば、透かし入り画像上の透かしが視認可能であることを予測している。通常、透かしは、DCT領域の低周波数AC係数に埋め込まれている。
(3)ウェーブレット領域技術は、最近数十年間に、画像処理で一般に適用されてきたウェーブレット解析信号処理方法を活用している。ウェーブレット解析は、通常、周波数領域で画像を詳細に解析する、多重解像度解析(multi-resolution analysis:MRA)に基づいている。ウェーブレット変換は、画像のマルチスケール空間周波数分解、例えば近似画像(approximate image)LL及び3つの詳細画像LH、HL、HHのような4つの帯域へのものからなる。MRAは、ヒトの目による知覚と互換性を有するので、耐性(robustness)対視認性の点から、オリジナルの画像中で、透かし埋込み位置の選択を良好に管理する際に有用である。ウェーブレット変換は、さらに、進行中の圧縮標準JPEG2000で鍵となっている。ウェーブレット領域透かしは、JPEG2000圧縮に対する耐性を備えているという長所も有する。
(4)殆どの透かし技術は、アフィン幾何学的歪み(affined geometric distortion)、すなわち画像の回転、スケーリング及び平行移動(rotation, scaling and translation:RST)の後に、透かしを抽出する際に重大な問題に遭遇する。これは、同期ミス(mis-synchronization)と呼ばれる。このため、メラン−フーリエ変換領域透かし技術が導入されてきた。その理由として、この変換は、RST変形並びにそれらの組合せ及び任意の順での置換下では不変である。この方法での透かしも、幾何学的な歪み問題の解決に対処する方法と透かしを埋め込む処理とを組み合わせるという長所を持ち得る。しかしながら、そのような技術の実用に際して起こり得る1つの欠点は、この透かし技術が、透かしの複雑さを極めて増加させるということである。他の欠点としては、透かしについて、不視認性を保証することが簡単ではないということである。
透かしの「不可視性」についての最終判断は、ヒトの目に依存する。したがって、そのワークスペースとそのワークスペース内で用いられる技術は、理想的には、人間の視認システム(HVS:Human Vision System)に基づいて、選択されるべきである。しかしながら、前述の透かし領域の何れも、HVSに直接基づかず、代わりに周波数ベースの数学的な関数から導出される。幾つかの周知のウェーブレット透かし技術は、透かしを埋め込むために、ある周波数帯を選択することにより、HVSに従って透かし埋込み位置を選択する。しかし、これらの技術は、完全にはHVSの必要条件を満たさず、埋込みの不可視性を保証しない。
本発明の目的は、データ中に透かしを埋め込む方法及び装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、透かしを認識するための方法及び装置を提供することにある。
本発明においては、データ(例えば画像データ)を分析して、データにおける統計的に相互に独立している成分(statistically mutually independent components)を符号化する変換行列を導出することを提案する。このような変換をデータに適用すると、データはこれら統計的に独立した成分の振幅となる。透かしはこれらの振幅を改変することによって加えられ、その後、上記変換行列の逆行列を適用して、透かしの施されたデータを得る。透かしの存在は、上記変換行列を再び適用し、透かしの有無をチェックすることで確かめることができる。
したがって、変換関数が固定されており且つ様々な種類の画像に柔軟に対応できない上記従来の透かし技術とは対照的に、本発明の技術は「画像適応型」である。このため本発明によれば、透かしを除去する(「攻撃する」)ことが困難になり、かつ画像の不可視性が改善され得る。
上記変換プロセスとしては、独立成分分析法(Independent Component Analysis:ICA)として一般に知られているものを使用することが好ましい。このような構成によれば、上記変換行列(ICA分析フィルタ)は、原画像データ(「ホスト画像」)から透かしを埋め込むためのICA領域への変換を行うとともに、その変換結果を上記変換行列の逆行列(ICA合成フィルタ)により変換して時間領域に戻す。なお、ICAプロセスでは多くの変形例が可能であり、本発明では典型的にICAと呼ばれているアルゴリズムだけの使用に限定されるものではない。
例えば、2D画像処理については、ICA分析及び合成フィルタは、空間領域の局在、指向性及び周波数領域帯域通過の特性を有しており、ヒトの視覚野の一次細胞と同様の特性を示すことは周知である(非特許文献2、3)。言いかえれば、ICA変換によって得られた殆どのICA画像特徴は、知覚的に有意な成分と呼ばれる、画像中の最も必須の要素であるエッジ詳細構造を表わす。既存の知覚的に有意な特徴に似ている特徴を加えるために、画像が改変される場合に、その追加された要因は、殆ど目に見えない(これは「マスキングされる」)ことが知られている。したがって、視覚的に有意な特徴に基づく透かしを用いることは、不可視性が良いことを意味している。
大きな係数が殆どないという意味では、ICA係数の分布が「疎」であり、これらの大きな値が統計的に有意であることを意味している。さらに、透かしが、画像の有意の特徴に基づく方法で加えられるので、このICAベースの透かし技術は、画像への著しい損傷を与えない任意の画像処理技術(例えば圧縮)に対して耐性がある。例えば、ごく普通の画像操作では、画像中の高周波の成分を除去する。すなわち、それら高周波成分は目視した画像の質にとって有意ではなく、ICA特徴が中間帯域周波数中で帯域通過されるからである。
さらに、一般的に、透かしを除去するか弱める傾向がある攻撃は、主な画像コンテンツに影響しないように設計されている。このため、本発明の透かしには大きな影響はない。したがって、本発明による装置では、様々な攻撃に対しても透かしには耐性がある。攻撃がWM(透かし)を除去又は縮小しようとすれば、画像品質も著しく影響されるため、攻撃者にとっても望ましいことではない。
ICA変換は、多くの「パッチ」(ホスト画像を構成する部分)の分析から求めるのが好ましい。これらのパッチは、ホスト画像から任意に得ることができる。一般に、任意のパッチのセットに基づくICA変換は、他のICA変換を経たものから、統計的に極めて独立している傾向がある。
好ましくは、本発明の透かし埋込み及び検出スキームにおいて、複数のICA特徴へ透かしビットを広げるために、個人鍵(private key)を用いた擬似乱数系列(pseudo-random sequence)を使用する。画像操作からの強い改変による、誤った組合せ問題の発生を制限するために、WMパターンの長さは、可能な限り維持されるのが好ましい。
本発明は、オリジナルの未加工画像に適用可能なだけでなく、任意の圧縮画像への拡張も可能である。また、圧縮した画像は、伸張し、目標ホスト画像として扱うことができ、同じ透かしシステムが、それらに適用することができるため、再圧縮も可能である。また、本発明の方法は、圧縮した画像に対して直接適用することができる。
透かし検出方法は、オリジナルのホスト画像を使用する場合及び使用しない場合のいずれの場合でも、(異なる実施形態として)行われ得る。埋込み方法は、これらの2つの方策のいずれを透かしの検出に使用するかによって変わる。
以下に詳細説明されるように、本発明の多くのバリエーションがアプリケーションに応じて使用可能である。例えば、(i)符号化された値のどれに透かしを加えなければならないかを以下のようにして決定するか、(ii)透かしパターンがどのように生成されるか、さらに、(iii)透かしがどのように加えられるか(例えば、線形又は非線形に、符号化された値のある部分を改変することで、それらの値の違いが予め選択された範囲に該当するようにする)が考慮される。
本発明の一実施態様によれば、
・データを分析して、統計的に相互に独立した成分の振幅を、該データから抽出するための変換行列を導出する変換行列ステップと、
・前記変換行列を用いて前記データを符号化する符号化ステップと、
・透かしパターンを用いて、符号化されたデータの少なくとも一部を改変する改変ステップと、
・前記透かしパターンが埋め込まれている、透かしが施されたデータを得るために前記変換行列の逆行列を使用してデータを復号する復号ステップとを有するデータ中に透かしを埋め込む方法が提供される。
本発明の他の実施態様では、透かしが施されたデータからの透かし画像を検出するための方法が提供される。
また、本発明の他の実施態様では、上述した実施態様の方法におけるステップを実現するための手段を有する装置が提供される。このような手段としては、例えば情報処理装置がある。なお、この情報処理装置は、必ずしも、物理的に単一の装置である必要はなく、プロセッサが複数の個別集積回路から構成される構成としてもよい。
本発明によれば、データ中に透かしを埋め込む方法及び装置が提供される。また、本発明によれば、透かしを認識するための方法及び装置が提供される。
本発明の実施形態について詳細に説明する前に、画像データのようなデータを処理するための独立成分分析(Independent Component Analysis:ICA)技術を簡単に説明する。なお、本発明が適用される技術分野(データの透かし)への、ICA技術又はそれに類似する技術の適用は、現在知られていない。
ICA技術は、完全に統計的意味で、信号を互いに独立した成分(以下では、相互独立成分と呼ぶ)に変換する信号処理方法である。画像処理では、1つのICA特徴(変換)(ICA Feature (Transform))から得られた画像係数は、他のICA特徴からのものから統計的に独立している。言いかえれば、分析フィルタ及び合成フィルタからなるICA特徴(変換)はそれぞれ、一義的且つ正確に、他の特徴と極めて異なるように、画像中の特定の共通形状を極めて良く表わしている。この種類の変換によれば、表現の冗長性が最小となっている1組の特徴が与えられる。
例えば、Xが、観測ベクトル(observation vector)として、各列xを備えた観測行列(observation matrix)であると仮定する。ICAは、例えばデータ適応型学習などの任意の手段を用いて、変換されたデータY=W×Xの列の上の変換されたベクトルyが互いに統計的に独立しているように、変換行列Wを求める。この独立性は、数学的に言えば、任意の関数fの相関性(2次以上)がY(i≠j)中の任意の変形されたデータy及びyについて0に等しいことを意味する(f(y)*f(yi)=0)。
ICAに基づく画像解析では、成分の独立性に加えて、ICA変換された各成分の振幅は、スーパーガウス分布としても知られている極めて疎な分布である確率密度関数(pdf:probability display function)を通常持っている。この確率分布の特性は、1)分布の平均値に現れる極めて高いピーク、2)両側に現れる長い尾部(tail)である。図1(a)に、典型的なスーパーガウス分布(実線)と、通常のガウス分布(点線)とを示す。図1(b)は、ICA係数の具体例を示し、また、図1(c)は、スーパーガウス分布に対応するヒストグラムである。図1(c)から、ICA係数の振幅の2つの特性が分かる。すなわち、小さい係数は、極めて大きな値を有しているので、画像を表わすのに極めて有意であり、大きい係数は、小さな値を有している。これらは、本発明による透かしの埋込み及び検出で幾つかの利点をもたらす。
ICA変換によって、各個々の画像から多種の異なるICA特徴が選出されるが、これらは、全て以下の点を共有している。すなわち、ICT特徴は、空間的に指向性を有し、帯域通過され、空間及び周波数領域の双方で局所化される(非特許文献3、8参照)。言いかえれば、これらは、ある角度、幅及び長さを備えた、幾つかのエッジ及びバーである。これらは、実際に2D画像中の必須要素あるいは有意な形状である。興味深いことに、これら形状は、ヒトの視覚野中においても主要な神経細胞パターンに対応する。
視認システム(Human Vision System:HVS)は、目の網膜からの視覚的な刺激を様々な異なる成分へ分割すると考えられている。これらの成分は、網膜から皮質(視覚野)まで異なる同調伝達経路(tuned channel)を通過するが、各伝達経路は、異なるそれぞれの成分に合うように調整されている(非特許文献2、4、5)。視野における成分の特性(characteristics)は、以下の通りである。
*その位置(画像領域における座標に対応)
*その指向性(フーリエ領域における位相に対応)
*空間周波数(フーリエ領域における大きさに対応)。
知覚の伝達経路は、上記特性がそれ自身の特性に合うように調整された信号によってのみ刺激が行われる。異なる伝達経路は、異なる特性を持っている。さらに、ヒトの視覚(非特許文献5)の知覚のモデルによれば、同様の特性を持っている信号は目から皮質(視覚野)まで同じ伝達経路を使用する。そのような信号が相互に作用し、非線形効果の影響を受けるように見える。マスキングは、これらの効果のうちの1つである。接近している特性を備えているが、より高いエネルギレベルでの他の信号のために信号が見えなくなる、マスキング(Masking)という現象が起こる(非特許文献6、7)。
視野における成分の特性がICA変換における特徴(properties)の特性と非常に近いものであるため、ICA変換によって得られた殆どのICA画像特徴は、画像中の最も必須の要素(知覚的に有意な成分)であるエッジ状、バー状の構成を表わす。特徴は、図1で示される。図1(d)は、典型的な画像についての変換Wの一部分を示し、図1(e)は、そのフーリエ変換結果を示す。双方のケースで、振幅値は、グレイスケール値として表わされる。図1(d)では、大きな振幅は白く、一方、図1(e)では、大きな振幅は黒く現されている。
図2に、データベース1から得られた画像に対応して行われる、本実施形態における画像への透かし埋込み及び検出方法を概略的に示す。
本実施形態の埋込みプロセスの第1段階「ICA特徴学習」では、ICA変換及びICA逆変換(図3を参照して、以下詳細に記述される)を得るために、ユニット4によって、データベース1からの画像が使用される。
埋込みプロセスの第2段階「(ICA−WM)埋込み」において、ICA変換とデータベース1からの画像とを用いて、ICAベースの係数(ユニット7)が生成される。第2のデータベース3からの透かし及び第3のデータベース5からのキーは、透かしパターンを生成するためにユニット9によって使用される。このパターンは、透かしが施された係数を形成するために、ICAベースの係数でユニット11によって組み合わせられる。その後、透かしの施された係数は、透かし入り画像を生成するために、逆ICA変換を使用するユニット13によって変換される。
一旦この透かしが施された画像が生成されると、共有領域(public domain)に入れることができるが、ここでは、通常、圧縮/伸張(解凍)操作、攻撃及びノイズにさらされる。
検知プロセス「ICA−WM検出」では、全ての歪みについて画像を補償する第1の前処理段階(ユニット14によって行われる)がある。このような歪みは、共有領域(例えば幾何学的な歪み、デジタルからアナログ、アナログからデジタルへの効果、輝度バリエーション効果など)で受けた可能性がある。続いて、ユニット15は、ICA変換を用いて、透かしの施された画像をワープされた(warped)透かしの施されたデータに変換する。ユニット17は、ワープされた透かしの施されたデータ及び透かしパターンを使用して、透かしの施された画像中の透かしの存在の有無を示す結果を生成する。
適応型ICA特徴学習の手順を図3に示す。本図の左側がプロセスステップを示し、図の右側の要素が、それらのステップの典型的な結果を図説している。
1)ステップ21において、画像10のような画像が複数のパッチ20を生成するために用いられる。これらのパッチは、画像10から任意に選択された8×8ピクセル配列である。図3には12個のパッチ20が示されているが、実際には、何千もの8×8画像パッチが、画像中の全ての種類の画像状態をカバーするためように、該画像から任意に選択されるのが好ましい。なお、パッチを任意に生成する代わりに、パッチを規則的にブロック毎に選択する構成としてもよい。例えば、左から右及び上から下へ交互にブロックを選択する。
2)ステップ22において、8×8パッチ20は、それぞれ64×1列ベクトルにベクトル化される。また、ベクトルは、データ行列X中でそれぞれの列として使用される。したがって、行列Xは、64要素分の高さを備え、パッチ20の数と同じ数の要素を横方向に有する。
3)ステップ23において、行列Xの行及び列は、次のものによって処理される。すなわち、各行の各要素から該行の平均値を減算して改変された行列を形成する。次に、該改変された行列において、各列の各要素から該列の平均値を減算する。この結果、行又は列の各々が0(ゼロ)平均を有する「前処理が施された画像パッチ」の行列が得られる。
4)ステップ24において、PCA白色化(pre-whitening)が以下のように行われる。行毎に相関性を除去するために、データ行列Xに対して主成分分析(PCA)を行うことによって、白色化される。例えば、最初に64×64行列である分散行列Cov=X*Xが得られる。その後、それらに関する64個の固有ベクトルを得て、これらの固有ベクトルを対応する行として有する白色化行列Vを形成する。統計的には、上記プロセスは、2次の非相関(2nd order de-correlation)と呼ばれる。データ行列Xは、X’=V×Xで与えられた新しい行列X’を形成するためにVを使用して処理される。
5)ステップ25において、「ICA学習」が行われる。例えば、Aapo Hyvarinenによる高速ICA(Fast ICA)と呼ばれるアルゴリズム(非特許文献9)。このICA学習は、分離(demixing)行列dWを形成するためにデータ行列X’を使用する。本システムが収束している場合、Y=dW×X’で与えられた出力行列Yの行は、可能な限り独立している。入力が2次無相関(2nd order uncorrelated)であるので、行列dWは直交である。
6)ステップ26において、「ICA特徴形成」は、行列W(図2「ICA変換」)を生成するために行われ、W=dW×Vによって与えられる。行列Wの行は、画像10の64個のICA重みフィルタを表わす。図2の「逆変換」は、A=W−1(又は、A=V−1×dWに相当)によって与えられる逆行列Aである。行列Aの列は、対応する64のICA合成関数を表わす。マトリックスA及びWの各々は、64×64行列である。合成行列(合成フィルタの組)A及び分析行列(分析フィルタの組)Wは、後でICA透かしの埋込み及び透かし検出プロセスに使用される。
図4に、ICAベースの透かし埋込み手順の一例を示す。本手順には5つの段階が含まれている。すなわち、(31)空間領域のホスト画像の前処理、(32)分析行列Wの利用によって、前処理されたホスト画像をICA領域にICA変換して、ICA係数を引き出す、(33)ICA係数に透かしを埋め込む、(34)合成行列Aを用いて逆ICAにより、ICA係数から画像強度へ変換して戻す、(35)空間領域での後処理、である。これらの段階について詳細に説明する。
空間領域(段階31)の前処理では、ホスト画像の全体的な(global)平均値を得て、該平均値を該ホスト画像の各ピクセル値から引き、さらに、後段での画像復元(ステップ36)のために該平均値を記録する。次に、ホスト画像は、符号30で示される、8ピクセル×8ピクセルの連続的なブロックに分割される(ステップ37)。そのようなブロックNの数は、ホスト画像のサイズに依存する。なお、図4で示される例においては、Nは64であるが、本発明はこの例に限定されるものではない。
次に、これらのブロックの局所平均値が得られる。ブロックの各画素から該局所平均値が減算され、さらに画像復元のために該局所平均値が記録される(ステップ38)。8×8画素ブロックは、N個の列ベクトルにそれぞれベクトル化される、各列ベクトルは、64個の成分を有しており(ステップ39)、また、N個の列ベクトルは64Nの行列Zにまとめられる。
ICA変換(段階32)は、行列C=W×Z(ステップ40)を形成するために、データ行列Zに重み(分析)行列Wを適用することにより行われる。各ブロックに対応する行列Cの各部分は、64個のICA係数cを表わす。各ブロックの64の係数cは、後の復元処理のために記録された分散及びオリジナルの平均により、ゼロ平均及び単位分散へ正規化される(ステップ41)。
透かしを埋め込む段階(段階33)について説明する。ここでの幾つかの重要な点は、WM埋込みのためのICA係数の選択、WMパターンの定式化及びICA係数によるそれらの改変である。
上記透かし埋込み段階(段階33)の第1のステップ(ステップ42)において、ステップ41で得られた画像中のどのICA係数が、透かし埋込みに適しているか否か選択する。このシステムでは、視認を困難にするマスキング効果を十分に利用するために、埋込み用のICA係数の選択に関し、以下の2つのスキームがある。なお、本発明は、以下に説明するスキームに限定されるものではなく、透かし埋込みにおいては、他の多くのスキームをICA係数の選択に利用可能である。
上記選択処理に用いることが可能な1つの方法は、全てのICA特徴に対応するICA係数のエネルギに基づき選択を行う方法である。ICA分析及び合成関数は、それらの係数のエネルギ(分散)の順序でソートされる。大きなエネルギに対応する関数は、リストの初めに置かれる。図4(b)は、ICA係数の典型的な分布を示す。ICA係数のマグニチュードによって、この分布のICA係数は3つのクラスに分類することができる。クラス1としてラベル付けされた係数は、大きいマグニチュード有しているので、これらが画像操作(イメージ処理操作は大きなICA係数を削除しないように実行される)に対して耐性があることを意味する。しかしながら、これは相関性検出中に時々大きな予期しない自己混信を引き起こし得る。したがって、本実施形態の透かし埋込みで、クラス1の係数を使用されることは望ましくない。例えば、係数の最大値の30%を超える値を備えた係数は、通常修正されないが、これらの数はわずかである。クラス2としてラベル付けされた係数は、中間領域のマグニチュードを有するが、まだ有意なICA特徴である。これらは、クラス1の係数よりも、圧縮に対しそれほど耐性はないが、それらの相関性混信は極めて低い(これはスペクトル拡散法に好適である)。クラス2の係数も、オリジナルのICA成分がより高いエネルギを持つので、かつクラス1での係数からの「近隣マスキング」が大きなマグニチュードを備えている。このため、ICA係数への小さな変化は見ることができない。これによって公知の「自己マスキング」効果による、良好な不可視性を提供する。通常、エネルギ順リスト中の第17次〜第48次の関数(すなわち、クラス2の係数)は、透かしを埋め込むために選択されている。クラス3のICA係数は、ゼロ近くの小さなマグニチュードを有する通常高周波の特徴あるいはノイズである。これらは、最小の耐性の成分である。また、本実施形態は、そのような係数の透かし入れを行わない。例えば、最大の係数の1%未満の値を備えたICA係数は、透かし入れに使用しないのが好ましい。
上述した選択処理方法の代替方法としては、さらに所望の特性を有するクラス2内の係数を選択する方法がある。例えば、本方法では、ステップ41で導出されたICA分析及び合成関数は、それらの主な3つの特性(エッジの空間位置、指向性及び周波数マグニチュード)によって並べられる。これらは、これら特性のパラメータが連続的に滑らかに変わるよう構成されている。例えば、関数は、主として低周波から高周波に並べられるが、それら関数のうち周波数が近いものについては、0乃至2πの角度範囲における位相の方向にしたがって並べられる。さらに、それら関数のうち空間位置が近いものについては、隣接するように並べられる。このような配置構成にする理由は、同様の特性を備えた成分間のマスキング効果を最大限にするためである。透かしパターンは、隣接配置された関数と共に一組の係数へ埋め込まれる。また、この係数の組は、係数が全てクラス2に属するように選択される。マスキング閾値も、不可視性の保証のためにここで適用することができる(非特許文献6、7)。このように並べられた関数リスト中のある領域を適切に選択することによって、攻撃下での耐性を保証することができた。例えば、低周波数〜中間周波数の範囲内の関数は、画像圧縮の下で比較的良く残存する。この技術によって、周知の「近隣マスキング(neighbor masking)」効果に基づいた良好なマスキングが可能になる。ここで、より高いエネルギレベルで同様の特性を有する近傍範囲内のICA特徴によって得られた他のICA成分のために、小さい大きさの透かしは見ることができない。
上記透かし埋めこみ段階(35)でのその他の重要な点は、透かしパターンの生成である。有効に透かしを埋め込む場合、ある特性を備えた透かしパターンを生成するために、図2のデータベース3から得られる透かしビット(0又は1)をフォーマットする何らかの前処理を行うことは有益である。本実施形態では、透かしパターンを生成するために「スペクトル拡散」技術を使用するが、これは、信号符号化と透かし入れの分野の中で一般的に使用されている。スペクトル拡散技術における透かしパターン定式化のキーポイントは、狭帯域のオリジナルの透かしビットを広域スペクトルのパターンに変換することである。個人鍵は透かしパターンを安全性を確保するために提供される。
スペクトル拡散処理ができるように、ステップ43(それらは図2のユニット9に相当する)において、図2のデータベース5から得られた個人鍵を用いて、広帯域ガウス分布擬似乱数の幾つかの数列(series)を生成する。これらの数列は、狭帯域のオリジナルの透かしビットをそれぞれの広域スペクトルパターンに変換するために、対応する透かしビットにより変調(modulate)される。
したがって、これらの透かしパターンは、透かしパターンが埋め込まれるICA係数とは相関性が無くなる。このプロセスも、直接拡散符号分割多元接続(CDMA)として知られている。このスキームは、個人鍵を有する当事者だけが透かしを検知するか削除することができるので、ICAベースの透かし入れが安全なシステムであることを確実にするという有利な効果を奏する。なお、耐性及び抽出精度を改善するために、任意に何らかの誤り訂正符号(ECC)を透かしビットに挿入することによって、透かしパターンを生成するスキームを変えることもできる。CDMAであるが故に、互いに混信しないように異なる透かしビットに対する透かしパターンが全て直交している限り、ICA係数の同じ部分上に複数の透かしパターンを埋め込むことも可能である。
なお、透かしビットはバイナリであるが、透かしパターンは実数値である(又は、むしろ、多数の強度値のうちの1つである)。透かしパターンの強度の合計は、透かし強さパラメータαによって決定されるが、これは、透かし不可視性と耐性との間のトレードオフ(trade-off)における選択のための、制御変数として用いられる。
上に示されるように生成された透かしパターンは、互いに統計的に直交している。例えば、複数の透かしが同じデータに埋め込まれることになっている場合、これは有益である。異なる乱数の数列の直交性を改善するために、標準2次非相関方法例えばPCAによって、任意にパターンを前処理して、これらを無相関(uncorrelated)にすることができる。
上述されるように、使用される透かしパターンは実数値であるが、本実施形態においては、この点に限定されるものではない。例えば、直交バイナリパターン(例えば、値+1/−1を有するか又は値1/0を有する)も使用することができる。本実施形態での使用に好適なそのような周知の数列の幾つかは、「m−系列」、「アダマール系列」、又は「ゴールド系列」と称される。
これらの技術は、限られた数の純粋に直交するパターンを生成するが、図10(a)はそれを、より安全にするための技術の一例を示す。本技術において、1つのm−系列が、ユニット80へ入力されるが、このユニット80は、+1/−1ビットの乱数系列(random sequence)(例えば、ゼロ平均を有する実数値の乱数の系列に、符号操作(sign operation)を適用することにより生成される)をも受けつける。ユニット80は、透かしパターンとして用いることができる符号化されたバイナリ系列を生成するために、個々の成分毎に乗算を行う。
ステップ44において、ステップ43で得られた透かしパターンは、透かしの施された係数を得るために、ステップ42で選択されたICA係数に埋め込まれる。透かしパターンがN個のαωの系列で、(iが、領域I・・・N中の整数である場合)、及び各値ωが、バイナリの値であると仮定する。ICA係数はf(n)として表示されるが、ここで、nは、1からN'(N'がICA係数の総数である場合に)までの整数である。透かしパターンは、nがj+1からj+Nまでであるように、選択されたICA係数に埋め込まれ得る。使用され得る可能な埋込み式は次の通りである。
f’(j+i)=f(j)(1+α・ω) (数1)
使用され得る他の埋込み式は次の通りである。
f’(j+i)=f(j)+α・ω (数2)
いずれの場合でも、透かしが施された係数f’(n)と不変であったこれらのICA係数f(n)を組み合わせることによって、透かし入り画像(ステップ45)の各ブロックについて、最終のICA係数c’(行列C’の形で)が生成される。
なお、耐性のある検出を実現するための十分に良い相関性レベルを備えるためには、透かしパターンが十分に長いことが重要である。また、透かしを特定の画像へ埋め込むために、多くのパッチブロック(例えば8×8ブロック)をブロック毎にICA分析を行うことでホストデータ内に定義し、さらに、ステップ(44)において任意の透かしビット(0/1)を複数のブロック中で符号化してもよい。使用されるブロックの数は、ホスト画像のサイズに基づいて選択される。実験によると、本実施形態において、1つの透かしビットのブロックの適切な数が50〜100であることが分かった。また、透かしビットの数は大きすぎる場合、例えば1つの透かしビットにつき10未満のブロックしかない場合、1つの透かしビットに対し多数のブロックを維持することができない。
耐性を増強させる他の方法としては、幾つかの透かしビットを共にクラスタ化して、透かしパターンを共有する方法がある。例えば、1つの透かしビットは、それぞれがゼロ(0)あるいは1を表わす2つの透かしパターンに埋め込まれ得る。2つの透かしビットは、00、01、10及び11にそれぞれ相当する4つの透かしパターンに埋め込まれ得る。一般に、n透かしビットについては、2の透かしパターンが、透かしビットの実現するための可能性をそれぞれ表わすために必要である。透かしパターンの長さは、n(例えば2に比例した)分増大するので、相関性にはより耐性が備わる。このような方法によれば、各透かしビットの検出率は増加する。
極めて小さなエネルギ(例えば、最大強度成分の強度の1%未満の強度を有する成分)のICA成分に、あるいは極めて高エネルギ(例えば、最大強度成分の強度の30%を超える強度を有する成分)のICA成分に、ICA成分は埋め込まれていない。
段階34(逆ICA変換)には、ステップ41で得られた値を用いた、透かしが施された係数c’の各ブロックの分散及びオリジナルの平均を回復するステップ46が含まれている。その後、ステップ47において、これらは、合成行列A(分析行列Wの逆変換である)の適用により、Z’=A×c’となるように、強度データ行列Z’に変換される。
段階35(空間領域での後処理)には、8×8ブロックを形成するために、行列Zのベクトルを再成形するステップ48が含まれ、且つその後ステップ38で得られたそのブロックのそれぞれの局所平均値の分だけ、各ブロックの画素の各々を増加するステップ49が含まれる。ステップ50において、ブロックは完全な画像を形成するように配置される。最後に、ステップ51において、ステップ36で得られた全体的な平均値が各ピクセル値に加えられ、最終の透かし入り画像が得られる。
ICA透かし検出について、図5を参照して説明する。ICA透かし検出は、埋込み処理に対応するものであり、図4で得られた、透かし入り画像(あるいは未知の技術によって共有領域中で処理されたものの改定版)から、そこに埋め込まれた透かしを検知するものである。
図5の中で示されたような検出プロセスの手順には、以下の大きな段階が含まれる:共有領域にあった間の画像への何らかの歪みを補う前処理(例えば、幾何学的な歪み、デジタルからアナログへの又はアナログからデジタルへの歪み、輝度改変の補償など)。これは、図2(ステップ60)のユニット14によって行われる;空間の領域での前処理(段階61)、ICA変換(段階62)及び透かし検出(段階63)。なお、データベース3及び5へのアクセスがあると仮定したが、この方法がオリジナルの画像10についてのいかなる知識も必要としない。
前処理(段階61)は、図4の前処理手順31と同じであり、その結果としてデータ行列Z2を得るものである。これは、透かしが施されたデータ行列Z’と同じである場合とそうでない場合もある。
ICA変換(段階62)において、ゼロ平均及びユニット分散で前処理された画像データ(Z”)をICA係数c”=W×Z”に変換するために、同じ分析行列Wが用いられる。
透かし検出(段階63)では、ICA係数は、図4のステップ42との同じ方法によってステップ64において選択される。透かしパターンは、図4のステップ43と同じキー及びECC方法にしたがって、ステップ65で生成されるが、パラメータαは使用しない。ステップ66において、以下の数式にしたがって、c”の選択された成分f”で透かしパターンωの相関性δを直接計算する。
Figure 2005051785
上記は中心極限定理(central limit theorem)にしたがって、ある非ゼロ値に収束する。相関性値δと検知閾値Tと比較する。例えば、2つの異なる透かしパターンω 及びω を考慮すれば、透かしパターンω についての閾値は、ω の自己相関及びω とω との相関性の平均値であり得るように、検知閾値は選択されてもよい。反対に、その後、透かしパターンω に対する閾値は、ω の自己相関及びω とω との相関性の平均値でもよい。このような技術は、相関性という意味で、1つの透かしパターンそのものに対する類似性が、ホスト画像パッチ及び他の透かしパターンに対するそれよりも常に大きいという仮定に依存する。
上記のような相関性ベースのWM埋込み検出方法の利点は、周知のプロセッサが該方法を極めて高速に実行可能ということである。さらに、該方法はオリジナルのホスト画像10に関する情報を持たない場合でも行うことができる。CDMAスキームを採用するので、検出が、未加工透かし入り画像上で行われる場合、極めて正確になり得る。画像圧縮、画像歪みのような様々な攻撃の下でも、多くの場合、より多くの係数を用いて、透かしパターンを埋め込み且つ検知することで、抽出精度を飛躍的に増加させることができる。同時に、透かしビットの容量が減少するが、多くの場合、透かしデータに小量だけ著作権データを含めればよいので、著作権保護では大きな問題ではない。
透かしパターンが図10(a)の中で示される技術を用いて生成された場合、検出ステップ65及び66は、図10(b)で示されるプロセスと取り替えられる。この場合、符号化されたバイナリ系列は、ステップ64で選択された係数から得られる。この系列は、図10(a)のユニット80と同じ関数を行うユニット80へ入力される。さらに、ユニット80への入力は、図10(a)の中で使用される同じ乱数系列である。ユニット80は、このように、抽出されたバイナリ系列を乱数系列と相互相関させることによって、透かしデータを生成するために使用されるm−系列を出力する。
なお、本技術も、未加工画像の透かし入れに制限されない。より正確に言えば、圧縮した画像もホスト画像として扱うことができる。これは、図6で図説される。この透かし埋込みプロセスでは、追加の2ステップが必要である。先ず、圧縮した画像は、伸張された(ステップ71)後、透かし埋込みプロセスが実行され(ステップ72)、その結果の透かし画像が再圧縮されて(ステップ73)、画像寸法と質の適切な設定を備えた圧縮透かし画像が得られる。圧縮された画像は、例えば、JPEG、JPEG2000などのフォーマットであり得る。
同様に、図7で図説された、対応する透かし検出プロセスは、図5の中で示されるプロセスと同一の透かし検出プロセス(ステップ76)に先立ち実行される、画像伸張のステップ75を含んでいる。
画像圧縮とは別に、幾何学的な歪み、画像の再取得、デジタルからアナログ(DA)及びアナログからデジタル(AD)への変換など、画像に対して従来から実行されているような処理は、意図的あるいは偶然に、透かし入り画像を変更する可能性がある。これらの処理は、通常、透かし検出手順の前の前処理ステップとして、幾つかの標準画像復元方法を使用することにより修正することができる。例えば、空間のモーメントに基づいた画像正規化は、幾何学的な歪みの削除のために使用することができる。また、異なる色チャンネル及び画素輝度上でのデジタルフィルタリングは、DA/ADプロセスで導かれるノイズを削除するために使用されてきた。このような処理は、従来の技術を利用することによって実行することができる。
さて、本発明の範囲内で上述の実施形態を変形し得る4つの方法について説明する。これらの変形の各々は、本発明のそれぞれの実施形態として下に示されるが、必要に応じて、これらの変形を任意に組み合わせてもよい。これら変形例の概略は次の通りである。
(1)データベース1に格納するデータとして、オリジナルの画像の代わりに、変換された画像データ、例えばJPEG2000圧縮画像のウェーブレット係数を格納してもよい。
(2)上述の検出方法とは対照的に、該検出方法ではオリジナルのホスト画像を使用してもよい。好ましくは、検出技術を変更するだけでなく、対応する埋込み技術の変更も含んでいる。
(3)線形加算によって透かしデータを加える上述の技術の代わりに、例えば透かしデータに基づいたICA係数の量子化を行ってもよい。
(4)キーを用いて、どのICA成分が透かしの埋込みに使用されるかを選択する。
以下、上述した4つの変形を用いる実施形態について詳細に説明する。
(1)透かしの施された圧縮画像データ
上述したように、図2で示される実施形態では、データベース1に含まれるホスト画像は、画素領域中及び図6、7で示される実施形態中のオリジナルの画像であり、画素領域中の伸張画像は、ICA透かし入れ用のホスト画像として使用され、その後、再び圧縮される。
一方、本実施形態においては、全体的な構造は、未だ図1の中で示されるものと同様であるが、データベース1に含まれるデータは、変換/圧縮された画像データそのものであり、それから得られた画像データを伸張してはいない。例えば、データは、JPEG2000を圧縮した画像中の多重解像度ウェーブレット係数であってもよい。これらの係数は、JPEG2000画像ファイルにおいて利用可能である。また、JPEG2000ファイルからそれらを抽出し、透かし入れの後にJPEG2000ファイルにそれらを復元するには周知の技術を用いることができる。これらのウェーブレット係数が、データベース1に含まれると仮定する。
図8は、周知のJPEG2000アルゴリズムによって生成された多重解像度ウェーブレット係数の一例である。上記係数は、隣接したレベル間の4:1割合中のサイズで、6レベルある。各レベルは、水平(H)、垂直(V)及び対角(D)ブロックを有する。H1、V1及びD1は、それぞれ第1レベルの水平、垂直、対角のブロックであり、H2、V2及びD2は、それぞれ第2レベルの水平、垂直、対角のブロックである。
本実施形態では、ICA特徴学習の段階は、対応するICA分析及び合成フィルタ(W及びA)を生成するソースとして、各ブロック(例えばH1又はV1)について個々に行われる。図9は、1組の64分析フィルタWについての一例を示す。
埋込み及び検出段階の各々では、ステップ7及び15は、各ブロックについて別々に行われる。これらのステップで、各ブロックに対応するフィルタは、そのブロックを変換するか逆変換するために用いられる。
(2)ホスト画像を使用する検出
上述したように、図2〜5の実施形態は、検出プロセス(いわゆる「ブラインド検出」)の間にオリジナルのホスト画像を用いていない。一方、本実施形態は、検出プロセス(いわゆる「非ブラインド検出」)中でオリジナルのホスト画像を用いている。
本実施形態では、図2〜5示される構成と同様の構成を有しているが、図5の検出プロセスにおいて、ステップ66の数3の使用を以下のステップで入れ替えることにより改変する:(1)ホスト画像からICA係数を得て、(2)ステップ64で得られたICA係数から、それらを減算して、オリジナルのWMパターンに近いWMパターンを得る。
ホスト画像が検出において利用可能なので、スペクトル拡散の相関性計算でのホスト画像からの混信は、ホスト画像の係数を減算することにより最小にすることができる。また、より有意な関数が、WM埋込みに使用されればされる程、任意のイメージング操作によって、より少ない歪みに帰結し得る。
本実施形態では、検出プロセスだけでなく埋込みプロセスも、図2〜5の実施形態とはわずかに異なっているのが好ましい。この場合、WMパターンを、高エネルギのICA係数に埋め込むことが望ましく、自己マスキング効果によって視覚的にブロックされた小さな変化によって調整される。例えば、第1〜第10の関数が、ここでは望ましい。しかし、検出段階中に、オリジナルのホスト画像を使用しない検出方法では、大きなICA係数を使用しないように通常は注意する。その理由としては、これは、相関性検出中に大きな混信を時々引き起こし兼ねないからである。一方、ホスト画像を使用する方法では、大きな係数を透かし入れに使用することが望まれる。混信は、ホスト画像の係数を減算することにより、最低に維持される。
(3)量子化によるICA係数の透かし入れ
上述したように、図4のステップ44において、透かしパターンが線形加算によって選択されたICA係数に加えられる。本実施形態は、図2〜5の実施形態と同一であるが、透かしパターンを埋め込むために量子化方法を用いる点が異なる。本実施形態は、予め選択された個々のICA係数、あるいはICA係数の組を用いて、透かしデータによって予め選択されたこのICA係数(「再構築ポイント(reconstruction points)」)を設定する。個々のICA係数が改変される場合、これは「スカラ量子化」と呼ばれる。ICA係数のセットが改変される場合、「ベクトル量子化」と呼ばれる。同様に、本実施形態中の検出プロセスは、再構築ポイントを写像し、どの透かしビットがそこに格納されるか決めることにより、図5のステップ66を改変することで、透かしを検知する。このプロセスは「量子化及び交換(quantize-and-replace)」戦略と呼ばれる。
最初、本実施形態で使用するのに好適なスカラ量子化スキームを説明する。この技術では、対となるICA係数が選択され、また、それらの初期マグニチュードは、f(i)及びf(j)として示される。それらの間の絶対差は、次式で与えられる。
Δ=|f(i)|−|f(j)|.
0又は1であり得るWとして表示されている、1つのWMビットを埋め込むために、係数ペアf(i)及びf(j)は、絶対的な距離が次式になるように改変される。
Figure 2005051785
ここで、Qは検出耐性又は許容差を制御するパラメータである。ここで、(1)変化ができるだけ小さく、また、(2)変化ができるだけ自己不可視性特徴を使用するようになっている。特に、変化は以下の通りである。
Figure 2005051785
及び
Figure 2005051785
本スキームは、以下に説明するように、ベクトル量子化方法までそのまま拡張することができる。1つのブロックあるいは複数のブロック内の選択されたICA係数の中で、2×m係数は、f(i)・・・f(i)及びf(j)・・・f(j)として選択される。2つのグループ間の絶対差は、次式で与えられる。
Δ=ftotal(i)−ftotal(j)
ここで、ftotal(i)=|f(i)|+|f(i)|+・・・+|f(i)|及びftotal(j)=|f(j)|+|f(j)|+・・・+|f(j)|.0あるいは1であり得るWとして表示されている1つのWMビットを埋め込むために、係数f(i)・・・f(i)及びf(j)・・・f(j)は、絶対距離が以下になるように改変される。
Figure 2005051785
ここで、Qは、再び、検出耐性か許容差を制御するパラメータである。特に、上記変化は次の通りである。
Figure 2005051785
Figure 2005051785
及び
Figure 2005051785
なお、ベクトル量子化中の係数改変は、同じ耐性パラメータ値Qについて、スカラ量子化中のものより小さくなり得る。
したがって、ベクトル量子化ではより良い不可視性及びより良い耐性が可能となる。
上記検出段階では、WMビットWは、係数ペア又は2つの係数グループを比較することによって簡単に検知される。特に、|f(i)|≦|f(j)|の場合(スカラ量子化の場合)又はftotal(i)≦ftotal(j)の場合(ベクトル量子化の場合)、これはW=0を意味する。反対に、|f(i)|>|f(j)|の場合(スカラ量子化の場合)又はftotal(i)>ftotal(j)の場合(ベクトル量子化の場合)、これはw=1を意味する。
ここで説明した技術は、1つの量子化及び交換ステップで、複数の透かしビットを埋め込むことまで容易に拡張することができる。例えば、強度f(i)、f(j)及びf(k)の3つの選択されたICA係数を仮定する。これらが各々別々に少なくともQだけ離れており、強度の順序により透かしビットを符号化するように、これらの3つの強度は改変してもよい。例えば、最も高い改変済の強度がHとして書かれている場合、最低の改変済の強度はLとして書かれており、他の改変済の強度はMとして書かれていれば、符号化される透かしビット(W)の対応は、以下の表1で与えられる。
Figure 2005051785
上記表1において、XXは将来の使用のために予約されたパターンを意味する。言いかえれば、そこには、f(k)が最も高くなるようにICA係数の値が量子化される場合は決してない。
線形加算とは対照的に、これらの様々な量子化方法は非線形である。たとえオリジナルの画像が利用可能でなくても、これらは高エネルギの係数を利用することができる。このスキームは、等しい重みで、高低双方のマグニチュード係数を扱う。
本量子化スキームが、画像自身の雑音(image self noise)(混信)を抑えるので、ステップ42のエネルギ順に配列するという戦略は、本実施形態においては好適である。したがって、高エネルギのICA係数を使用することは望ましい。有意の特徴は、量子化変化用について良好な自己マスキング効果を意味する。これらの大きなマグニチュードのために、大きな量子化許容差が、再構築ポイント間の距離を拡大させることができるが、それでもなお、透かし入れの不可視性は維持される。さらに、これらの有意の特徴は、圧縮等のイメージング処理の下では、より少ない歪みを有する。したがって、本実施形態によれば、それらの平均エネルギの順にICA係数をソートすることにより、ステップ42相当の処理を行う。また、透かしパターンは、クラス1のICA係数及び図7のクラス2で最も高いエネルギ成分、例えば第1〜第10のICA係数に埋め込む構成としてもよい。
(4)埋込みに使用するICA成分の選択における個人鍵の使用
透かし埋込みのスキームは公共に開示されることが通常必要とされるが、埋め込まれた透かしのセキュリティを維持することが望ましい。これを行うためには、上記のスキームでそのセキュリティを保護するための個人鍵を使用する必要がある。本実施形態では、個人鍵は、上述の透かしを生成するためのスペクトル拡散技術に似た方法で擬似乱数の系列を生成するために使用される。本実施形態では、擬似乱数は透かしパターンを作るためには必ずしも用いられないが、その代わりに又は追加的に、ステップ42で選択されたICA係数の中から、透かし埋込みのための量子化及び交換プロセスが行われ、i、j又はkに属するクラスに分類されるICA係数を選択するために使用される。例えば、量子化透かしを埋め込むために、エネルギ順のリストにある最初の10個のICA特徴が選択されていると仮定する。個人鍵に基づいて、1つは奇数及びもう1つは偶数の2つの乱数系列、例えば1,5,9,3,5,7,7,1,・・・のグループ1、及び8,2,8,6,2,4,10,4,・・・のグループ2を生成してもよい。これらの2つの数列において対応する項目はペアになる(例えば、1と8、5と2など)。奇数及び偶数の各ペアは、各ブロック(ここで、奇数はグループiに属し、偶数はjである)への量子化埋込みのために選択された係数である。異なる個人鍵については、系列が異なるので、透かし入れは攻撃に対して安全である。
図2〜5の実施形態の上記の変形を詳細に説明したが、実施形態の他の多くの変形が、本発明の範囲内で可能であり、また、それらの実施は当業者には明らかである。
第1の例を説明する。上記の実施形態は、標準ICA操作の比較的複雑な組によって、変換W及びAを構造的に導出するが、本発明の代替実施形態では、計算負荷や時間がそれほどかからない技術によって、変換W及びAを導出し得る。例えば、第1のステップとして、データが分析され、予め定めた変換W及びAの組が格納されているライブラリから選択される。このような選択処理は、変換W及びAを構造的に導き出すよりもはるかに速い。第2のステップとして、変換W及びAは、ICAの特性がガボール関数(Gabor functions)のものに極めて近いので、画像に基づいて(例えばガボール関数を利用して)改変してもよい。したがって、W及びAの導出は、「半適応型」として考えることができる。なお、このような構成によれば、検出ステップで用いるWとAを格納するためメモリ容量がより少なくて済むという利点もある。その理由としては、任意の画像について、予め決定された変換のどれが透かし入れに用いられたか、これらがどのように適応されたかだけを格納すればよいからである。
第2の例を説明する。上述の技術は、周知のICA技術を利用することで、オーディオデータ又はビデオデータなどが透かし入れデータとして使用される場合まで拡張することができる。
本発明は、多くの分野に適用可能である。本発明は、例えば、著作権保護に使用することができる。保護されるホスト画像へ、透かしとして著作権のある情報を埋め込む。この場合、ホスト画像の所有権を主張するために、著作権情報を後で抽出する。さらに、本発明は、画像認証にも使用することができる。埋め込まれた透かし情報も、ICAベースのWMパターンの存在を検知することによって、画像そのもの中のどんな変更及び変更された位置も識別するために使用することができる。さらに、本発明は、画像にデータを隠すために使用できる。記載、映像に関連する情報あるいは指標付けデータなどの情報を透かしとして埋め込むことができるので、このような情報が保護され添付される。さらに、本発明は、画像取引の追跡用に使用することができる。画像取引の経路は、画像の送信時には常に透かしを画像に埋め込み、後でこのデータを抽出することによって、追跡ができる。
本発明は、例えば次のような分野でも利用可能である。
−映画(すなわち、無許可のカメラ録画を追跡するために、商用映画上の透かしに基づいた著作権保護スキーム)のようなマルチメディアデータ上に第1の透かしを提供する。
−追加的又は隠された情報が転送されるようにマルチメディアデータにメタデータを埋め込む。
図1(a)〜1(e)はICA画像の幾つかの特性を説明する説明図である。 本発明の一実施形態であるICAベースの透かしシステムのフローチャートである。 図2のシステムの一部であり、ICA特徴を結び付けるプロセスのフローチャートである。 図4AはICAベースの透かしを埋め込むプロセスのフローチャートであり、図2のシステムの一部である。 図4Bはフローチャートのステップで行われたICA係数の分類の説明図である。 図2のシステムの一部であるICAベースの透かし検出プロセスのフローチャートである。 図2、3及び4の埋込みプロセスが、どのように圧縮した画像に適用され得るか図説するフローチャートである。 図6のプロセスで得られた画像に、図5のICAベースのWM検出プロセスをどのように適用することができるか図説するフローチャートである。 公知のJPEG2000アルゴリズム中で生成された多重解像度ウェーブレット係数を説明する説明図である。 図8で示されるウェーブレット係数から生成されたICA係数を説明する説明図である。 図10(a)及び10(b)は、本発明の他の実施形態中の符号化及び復号プロセスを説明する説明図である。
符号の説明
1、3、5 データベース
7、9、11、13、14、15、17 ユニット
10 画像
20 パッチ
30 ホスト画像

Claims (17)

  1. 透かしをデータに埋め込む透かし埋込み方法において、
    データを分析して、統計的に相互に独立した成分の振幅を、該データから抽出するための変換行列を導出する変換行列ステップと、
    前記変換行列を用いて前記データを符号化する符号化ステップと、
    透かしパターンを用いて、符号化されたデータの少なくとも一部を改変する改変ステップと、
    前記透かしパターンが埋め込まれている、透かしが施されたデータを得るために前記変換行列の逆行列を使用してデータを復号する復号ステップとを有する透かし埋込み方法。
  2. 前記成分は、独立成分分析を用いて取得されることを特徴とする請求項1に記載の透かし埋込み方法。
  3. 前記独立成分分析は、データの複数のパッチを用いて行われることを特徴とする請求項2に記載の透かし埋込み方法。
  4. 前記符号化されたデータの中の改変された部分は、前記成分を振幅順に並べ、該並べられた複数の振幅の範囲の1つ又は複数の範囲の中に含まれている振幅を持つ成分を選択することで、選択されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透かし埋込み方法。
  5. 前記選択された複数の成分は、中間の振幅範囲に属することを特徴とする請求項4に記載の透かし埋込み方法。
  6. 前記符号化されたデータの中の改変された部分は、成分類似条件(component similarity criterion)に基づき、さらに選択されることを特徴とする請求項5に記載の透かし埋込み方法。
  7. 少なくとも1つの擬似乱数パターンを発生させるための鍵と透かしデータを用いて前記透かしパターンを生成するステップをさらに有し、
    前記擬似乱数系パターンは、前記透かしデータにより改変されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の透かし埋込み方法。
  8. 前記符号化されたデータの一部は、該一部に前記透かしパターンを線形加算することで改変されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の透かし埋込み方法。
  9. 前記符号化されたデータの一部は、前記符号化されたデータを複数含む複数のグループの値がそれぞれ、予め定められた範囲内にある値の分だけ異なるように改変されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の透かし埋込み方法。
  10. 変換行列を用いて生成された透かしが施されたデータに含まれている前記透かしデータの存在を検出する透かし検出方法において、
    前記変換行列を用いて前記透かしが施されたデータを符号化する符号化ステップと、
    透かしパターンを用いて前記符号化された前記透かしが施されたデータの少なくとも一部を調べて、前記透かしパターンの存在の有無を検出する検出ステップとを有する透かし検出方法。
  11. 前記検出ステップの前に透かしパターン及び鍵を用いて前記透かしパターンを生成する生成ステップをさらに有する請求項10に記載の透かし検出方法。
  12. 前記符号化され前記透かしが施されたデータの一部は、前記符号化され前記透かしが施されたデータの特徴に基づき選択されることを特徴とする請求項10又は11に記載の透かし検出方法。
  13. 前記検出ステップでは、前記透かしデータと前記符号化され前記透かしが施されたデータの一部との間の相関を算出し、該相関が閾値よりも大きいか否かを判断することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の透かし検出方法。
  14. 前記検出ステップでは、前記符号化され前記透かしが施されたデータの予め定めた項目の中で異なるものの値を比較することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の透かし検出方法。
  15. 前記検出ステップでは、請求項1の符号化ステップで取得された前記符号化されデータの対応する値を前記符号化され前記透かしが施されたデータから抽出することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の透かし検出方法。
  16. 透かし埋込み装置において、
    透かしをデータに埋め込む処理手段を備え、
    前記処理部は、
    前記データを分析して、統計的に相互に独立した成分の振幅を、該データから抽出するための変換行列を導出する導出手段と、
    前記変換行列を用いて前記データを符号化する符号化手段と、
    透かしパターンを用いて、符号化されたデータの少なくとも一部を改変する改変手段と、
    前記透かしパターンが埋め込まれている、透かしが施されたデータを得るために前記変換行列の逆行列を使用してデータを復号する復号手段とを備える透かし埋込み装置。
  17. 変換行列を用いて生成された透かしが施されたデータに含まれている前記透かしデータの存在を検出する透かし検出装置において、
    処理手段を備え、
    前記処理手段は、
    前記変換行列を用いて前記透かしが施されたデータを符号化し、
    透かしパターンを用いて前記符号化された前記透かしが施されたデータの少なくとも一部を調べて、前記透かしパターンの存在の有無を検出するように構成されていることを特徴とする透かし検出装置。
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