JP2005049501A - 地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】位置情報が高精度で得られるGPS機能を利用しつつ地図の表示にかかる時間を短縮する。
【解決手段】この地図表示システムは、上空に配置された複数のGPS衛星1a〜1cからの電波(GPS電波)を受信する携帯電話機2と、この携帯電話機2より通信中の基地局を介して複数のGPS衛星1a〜1cからの情報と複数の基地局3a〜3cからの情報とを受信してそれぞれの情報にて携帯電話機2の位置計測(測位)を行うサーバ5とを備える。サーバ5は、簡易計測部52と精密計測部54の2つの計測部で測位し、簡易的に先に測位した位置情報で全体の地図イメージをダウンロードしておき、後から精密に測位して得た位置情報との差分の地図データをダウンロードして携帯電話機2においてマージすることでユーザに対して高精度の位置情報を短時間に提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】この地図表示システムは、上空に配置された複数のGPS衛星1a〜1cからの電波(GPS電波)を受信する携帯電話機2と、この携帯電話機2より通信中の基地局を介して複数のGPS衛星1a〜1cからの情報と複数の基地局3a〜3cからの情報とを受信してそれぞれの情報にて携帯電話機2の位置計測(測位)を行うサーバ5とを備える。サーバ5は、簡易計測部52と精密計測部54の2つの計測部で測位し、簡易的に先に測位した位置情報で全体の地図イメージをダウンロードしておき、後から精密に測位して得た位置情報との差分の地図データをダウンロードして携帯電話機2においてマージすることでユーザに対して高精度の位置情報を短時間に提供する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯端末の現在位置を表示する地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GPS(Global Positioning System)の機能を搭載した携帯電話機、つまり携帯端末が普及しており、GPS機能と地図情報を組み合わせた道案内などの携帯端末向け位置情報サービスが盛んになっている。
【0003】
従来、位置情報を提供するシステムの一つに、カーナビゲーションシステムがある(例えば特許文献1参照)。
このカーナビゲーションシステムの場合、PHSから受信された位置情報を利用して移動式情報提供装置が現在位置を測位して自身に記憶されている地図情報を読み出すことで、100m程度の精度のエリア関連情報を提供できる。また、この文献には、100mという精度ではあるがGPS衛星を利用することも記載されている。
また、近年では、位置特定精度が10m程度のGPS機能を備えた携帯電話機も登場している。GPS機能を備えた携帯電話機を用いる位置情報サービスの場合、携帯電話機の記憶容量が多くないことからカーナビゲーションシステムとは異なり、GPS機能によりGPS衛星から携帯電話機に受信された電波をそのまま基地局を通じてサーバへ転送し、サーバ側で携帯電話機(ユーザ)の現在地の緯度・経度を測定し、必要な地図イメージを携帯電話機へダウンロードする形態をとっている。
ところで、GPS機能を利用する高精度の位置計測には、ある程度の計測時間が必要である。また、携帯電話機の通信速度は、PHS等のように64kbpsなどと早くなったとはいえ、一般的なPDC方式のもので9800bpsであり、速いものでもCDMA方式の144Kbps程度である。また、携帯電話機の画面は、つい最近まで番号表示用の小窓であったものが今では地図表示可能なサイズ、例えばQVGAサイズなどにまでに広く大画面化している。
このようにGPS機能を利用した位置情報サービスの場合、高精度ではあるものの位置測定に時間がかかる上、大きいサイズの地図イメージを表示するには、ダウンロードにかなりの時間(数十秒程度)がかかってしまう。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−325036号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のGPS機能を備えた携帯電話機を用いた位置情報サービスの場合、記憶容量の関係で、地図イメージがサーバ側に蓄積されていることから、位置特定した際に該当地図イメージをダウンロードするというサービス形態をとっており、GPS機能で高精度に位置を測定して地図を画面に表示するまでにユーザは長い時間待たされるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、位置情報が高精度で得られるGPS機能を利用しつつ地図の表示にかかる時間を短縮することのできる地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の地図表示システムは、GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信する携帯端末の画面に当該携帯端末の位置情報を表示する地図表示システムにおいて、前記携帯端末に表示する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、前記基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する第1位置計測部と、前記GPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する第2位置計測部と、前記第1位置計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末に表示すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出して前記携帯端末に送る第1地図イメージ送信手段と、前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、前記第2位置計測部により測位された位置情報と前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報とを基に送信済みの地図イメージの領域との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段と、前記携帯端末に受信された各地図イメージをマージして前記携帯端末の画面に表示する手段とを具備したことを特徴している。
本発明の地図配信サーバは、GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信した携帯端末から送信されたGPS衛星の情報と基地局の情報とを受信し、前記携帯端末の位置計測を行い前記携帯端末へ該当範囲の地図イメージを配信する地図配信サーバにおいて、前記携帯端末からの位置情報要求を受信する手段と、前記位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数の基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する簡易計測部と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数のGPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する精密計測部と、前記簡易計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末へ送信すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、位置情報要求元の前記携帯端末へ配信する第1地図イメージ送信手段と、前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、前記精密計測部により測位された位置情報から前記地図イメージ記憶手段より読み出す地図イメージの領域を求め、前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段とを具備したことを特徴としている。
【0008】
本発明の携帯端末は、GPS衛星から受信した電波から得た情報と携帯電話網の基地局から受信した電波から得た情報とを地図配信サーバへ送信することで自身の現在位置周辺の地図イメージの配信要求を行い、この配信要求に対して前記地図配信サーバから配信される地図イメージを画面上に表示する携帯端末において、前記地図配信サーバより送信されてきた所定の領域の第1地図イメージと、この第1地図イメージとの差分として送られてきた第2地図イメージとを受信する手段と、前記受信手段により受信された第1地図イメージおよび第2地図イメージをマージするマージ手段と、前記マージ手段によりマージされた地図イメージを表示する表示手段とを具備したことを特徴としている。
【0009】
本発明の地図配信サーバプログラムは、GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信した携帯端末から送信されたGPS衛星の情報と基地局の情報とを受信し、前記携帯端末の位置計測を行い前記携帯端末へ該当範囲の地図イメージを配信する地図配信サーバに処理を実行させる地図配信サーバプログラムにおいて、前記地図配信サーバを、前記携帯端末からの位置情報要求を受信する手段と、前記位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数の基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する簡易計測部と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数のGPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する精密計測部と、前記簡易計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末へ送信すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、位置情報要求元の前記携帯端末へ配信する第1地図イメージ送信手段と、前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、前記精密計測部により測位された位置情報から前記地図イメージ記憶手段より読み出す地図イメージの領域を求め、前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段として機能させることを特徴としている。
【0010】
本発明では、地図配信サーバに対して携帯端末から位置情報要求があると、第1および第2位置計測部により同時に携帯端末の位置計測が開始されて、第1位置計測部により先に測位された位置情報を基に携帯端末に表示すべき領域の地図イメージを地図イメージ記憶手段より読み出して携帯端末に送る。また、この際に送信済みの地図イメージに関する領域情報を領域情報記憶手段に記憶しておく。そして、第2位置計測部により測位されると、その位置情報から求めた地図イメージの領域と領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報とを基に送信済みの地図イメージの領域との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを地図イメージ記憶手段より読み出して携帯端末へ送信する。携帯端末では、受信された各地図イメージをマージして携帯端末の画面に表示する。
つまり、簡易位置計測と精密位置計測とを同時に実行し、簡易的に素早く求めたおおよその携帯端末の位置周辺領域の地図イメージを先に送っておき、後で精密計測されたときは、差分のみの地図データを送信することで、精密計測後に携帯端末へ送る地図イメージの容量を少なくできるので、位置情報要求を行ってから携帯端末に地図を表示するまでの時間を短縮することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る一つの実施形態の地図表示システムの構成を示す図である。
【0012】
同図に示すように、この実施形態の地図表示システムは、上空に配置された複数のGPS衛星1a〜1cと、CDMAネットワーク4に接続された複数のCDMA無線基地局3a〜3c(以下基地局3a〜3cと称す)と、これらのGPS衛星1a〜1cからの電波(GPS電波)を受信する携帯端末としての携帯電話機2と、携帯電話機2より通信中の基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を介して複数のGPS衛星1a〜1cからの情報と複数の基地局3a〜3cからの情報とを受信して携帯電話機2の位置計測(測位)を行い、該当地図イメージを送信する地図配信用のサーバコンピュータ5(以下サーバ5と称す)とを備えており、携帯電話機2のユーザに対して高精度の位置情報サービスを提供する。
それぞれの基地局3a〜3cには、GPSアンテナが設けられており、正確な時刻に基づいて動作している。携帯電話機2は、これら複数の基地局3a〜3cら電波を受信し、GPS衛星に見立てることで、サーバ5を介して簡易的に位置を計測する。なお、計測には、携帯電話機2から見える全ての基地局の情報を利用できるので、基地局は3つ以上でも良い。
【0013】
サーバ5は、地図イメージ記憶手段としての地図データベース51と、第1位置計測部としての簡易計測部52と、領域情報記憶手段としてのメモリ53と、第2位置計測部としての精密計測部54と、制御部55を備えている。
地図データベース51には、全国各地の地図イメージが矩形のブロック単位に記憶されている。各ブロックは、緯度・経度に対応させたX・Y座標の管理テーブルで管理されている。地図をある縮尺率で所定サイズでページ化し、そのページをブロックの大きさでマトリクス状に分割したときのページ左下隅に位置するブロック名をX・Y座標(0,0)とし、そのブロックの情報には、ブロック四隅の緯度・経度が対応付けられている。このブロック(0,0)の直ぐ上のブロックは(0,1)となり、ブロック(0,0)の直ぐ右横のブロックは(1,0)となる。
【0014】
簡易計測部52は、複数の基地局3a〜3cからの情報を基に携帯電話機2の位置計測(測位)を行い、絶対位置(緯度・経度)を求める。
メモリ53には、制御部55により、簡易計測の結果、携帯電話機2へ送信された地図イメージを構成するブロックの情報(送信済みの地図イメージの領域情報)が記憶される。ブロックの情報としては、X・Y座標名のどのブロックが送られたかという情報である。
【0015】
精密計測部54は、複数のGPS衛星1a〜1cからの情報を基に携帯電話機2の位置計測(測位)を行い、緯度・経度を求める。
制御部55は、携帯電話機2より位置情報取得要求が受信された場合、携帯電話機2より情報としてGPS衛星1a〜1cの情報が受信されたか、基地局3a〜3cの情報が受信されたか、両方の情報が受信されたかに応じて簡易計測部52および精密計測部54の少なくとも一方に測位を行わせ、緯度・経度の情報を取得する。
制御部55は、GPS衛星1a〜1cと基地局3a〜3cの両方の情報が受信された場合、簡易計測部52によって先に求められた緯度・経度のポイントを含むブロックを中心として、携帯電話機2の画面に対応したポイント周辺を表示するのに必要なブロックを地図データベース51より読み出して配信(送信)すると共に、配信したブロックの情報(領域情報)をメモリ53に記憶する。
【0016】
制御部55は、精密計測部54によって後で求められた精密な緯度・経度のポイントを含むブロックを中心として、携帯電話機2の画面に対応したポイント周辺を表示するのに必要なブロックを求め、メモリ53に記憶されている送信済のブロックの情報と比較して互いの差分を求め、地図データベース51より差分のブロックを読み出して配信(送信)すると共に、配信したブロックの情報をメモリ53に記憶する。
【0017】
すなわち、このサーバ5は、携帯電話機2からの位置情報要求を受信し、位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図データベース51と、位置情報要求が受信されたことで、複数の基地局3a〜3cからの情報を基に携帯電話機2の位置を測位する簡易計測部52と、位置情報要求が受信されたことで、複数のGPS衛星1a〜1cからの情報を基に携帯電話機2の位置を測位する精密計測部54と、簡易計測部52により測位された位置情報を基に携帯電話機2へ送信すべき領域の地図イメージ(複数のブロック)を地図データベース51より読み出し、位置情報要求元の携帯電話機2へ送信する第1地図イメージ送信手段としての制御部55と、送信したブロック(地図イメージ)に関する領域情報を記憶するメモリ53とを備えている。制御部55は、精密計測部54により測位された位置情報から地図データベース51より読み出すべき地図イメージの領域を求め、メモリ53に記憶されている送信済みの地図イメージ(ブロック)の情報(領域情報)との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージ(ブロック)を地図データベース51より読み出し、携帯電話機2へ送信する第2地図イメージ送信手段として機能する。
つまり、制御部55は、精密計測部54により測位された位置とメモリ53に記憶されている送信済みのブロックの情報とを基に互いのブロックの差分を求め、求めた差分のブロックを地図データベース51より読み出し、携帯電話機2へ送信する。
【0018】
図2に示すように、携帯電話機2は、アンテナ21、CDMA無線通信部22、操作部23、メモリ24、表示部25、GPSアンテナ26、GPS無線通信部27、CPU28などを備えている。
アンテナ21は、最寄のエリアの基地局3a〜3cとの間でCDMA方式の無線通信を行うためのアンテナである。CDMA無線通信部22は、アンテナ21にて基地局3a〜3cとの音声通話の通信およびデータ通信などを行う。また、CDMA無線通信部22は、サーバ5から送信されてきたブロック単位の地図イメージを受信する手段として機能する。GPSアンテナ26は、上空の少なくとも3つのGPS衛星1a〜1cより電波を受信するアンテナであり、例えば平面偏波無指向性アンテナなどが用いられている。
【0019】
GPS無線通信部27は、GPS衛星1a〜1cからの電波をアンテナ26を通じて受信する。GPS衛星は、地球の周りの高度約2万200kmの軌道上を約12時間の周期で回る24個の人工衛星であり、この中のいくつかの衛星から電波を端末が拾うことで、自身の位置を知ることができる。GPS衛星から電波を受信するためには、端末自身が衛星を探索して捕捉しなければならないが、このシステムの場合、衛星の捕捉に必要な作業をCDMAネットワーク4に接続されたサーバ5が補佐する。このため、端末側の負荷が少なく衛星を短時間に捕捉できる。
また、GPS無線通信部27は、GPS衛星1a〜1cから受け取った情報をCPU28を通じてCDMA無線通信部22に渡し、通信中(回線接続中)のいずれかの基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を通じてサーバ5へ送信してサーバ5側で測位を行うので、この際の携帯電話機2側の負荷が少なくて済む。
【0020】
メモリ24には、通話およびデータ通信を制御するファームウェア、アプリケーションソフトウェア、通信データなどが記憶されている。表示部23は、携帯電話の機能画面を表示する。操作部24は、機能画面においてユーザ操作に応じた指示入力をCPU28に行う。CPU28は、メモリ24に記憶されているファームウェア、アプリケーションソフトウェアを読み込みその処理を実行することで上記機能画面の表示機能、操作部24から入力された指示を実行する機能、位置情報表示機能などを実現する。
携帯電話機2にて位置情報サービスを受ける際に、サーバ5より通信中(回線接続中)の基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を通じてCDMA無線通信部22に受信されたブロック単位の地図イメージがメモリ24に記憶される。メモリ24はフラッシュメモリであり、携帯電話機本体のバッテリの有無にかかわらず記憶内容(地図イメージ、ソフトウェア、電話帳データなど)は保持される。
なお、ブロック単位の地図イメージとしては、簡易計測の結果として先に送信されてきたブロックを第1地図イメージといい、精密計測の結果として後から送られてきた差分のブロックを第2地図イメージという。
CPU28は、受信された第1地図イメージおよび第2地図イメージをマージするマージ手段として機能する。表示部25は、CPU28によりマージされた地図イメージを表示する表示手段としての機能する。
【0021】
携帯電話機2は、これらのGPS衛星1a〜1cからの電波を受信するGPS電波受信機能と複数の基地局3a〜3cとの制御通信機能と、これらGPS電波および基地局電波による位置情報表示機能と、複数の基地局3a〜3cの中の一つを通じた通話およびデータ通信機能とを備えている。
【0022】
以下、図3〜図5を参照してこの地図表示システムの動作を説明する。
この地図表示システムでは、携帯電話機2を携帯するユーザが位置情報サービスを利用する場合、携帯電話機2の操作部23を操作して位置情報サービスの画面を表示部25に表示させて位置情報取得操作、つまり地図表示操作を行う(S101)。
この操作により、操作部23からCPU28に指示が行われ、CPU28は、CDMA無線通信部22とGPS無線通信部27を制御してそれぞれのアンテナ21,26より電波を受信させる。これにより、CDMA無線通信部22はアンテナ21にて基地局3a〜3cからの電波を受信する(S102)と共に、いずれかの基地局(3a〜3cのうちのいずれか)との無線回線の接続を行う。そしてCDMA無線通信部22は、接続された基地局(3a〜3cのうちのいずれか)およびCDMAネットワーク4を通じてGPS衛星1a〜1cの探索をサーバ5へ依頼する。サーバ5は、基地局3a〜3cが受信したGPS衛星1a〜1cの電波からGPS衛星1a〜1cの位置を捕捉し、携帯電話機2へ通知する。
携帯電話機2では、サーバ5からのGPS衛星1a〜1cの位置に関する捕捉情報をCDMA無線通信部22が受信すると、その情報をCPU28を通じてGPS無線通信部27に渡し、GPS無線通信部27は、サーバ5から受け取ったGPS衛星1a〜1cの位置に関する捕捉情報を基にGPS衛星1a〜1cを捕捉してGPS衛星1a〜1cからの電波をアンテナ26を通じて受信する(S103)。
それぞれの無線通信部でGPS衛星1a〜1c、基地局3a〜3cから受信された電波を復調して得られた情報をCPU28が受け取り、CDMA無線通信部22に送信させる(S104)。なお、位置情報取得操作を行った場所が例えばビル影等の場合、基地局3a〜3cの電波のみが受信されてGPS衛星1a〜1cからの電波が受信できない場合もある。また、その逆の場合もある。両方とも受信不能な場合は、位置情報サービスの画面で操作されても位置情報サービスは開始されない。
【0023】
サーバ5では、携帯電話機2と無線回線が接続されたいずれか一つの基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を通じて携帯電話機2から送信された情報を制御部55が受信すると(S105)、制御部55は、受信情報の内容を解析してどのような位置計測が可能かを判定する。つまり携帯電話機2からどんな情報が得られたかによって測位の方法を変える。例えばGPS衛星1a〜1cからの情報だけしか得られなかった場合は、GPS衛星1a〜1cからの情報だけで位置測定をせざるを得ない。つまり制御部55は、GPS衛星1a〜1cからの情報で位置の計測が可能か、基地局3a〜3cからの情報で位置の計測が可能か、両方の情報で位置計測可能か、などを判定する(S106)。
この判定の結果、いずれか一方のみの位置測定しかできないような場合(S106の一方のみ可能)、制御部55は、該当計測部(簡易計測部52と精密計測部54のうちの一方)にて位置測定を行わせて、測位した位置を含むブロックを中心とした周辺のブロックを決定し、該当ブロック(地図イメージ)を地図データベース51より読み出して携帯電話機2へ送信(ダウンロード)する(S107)。
【0024】
一方、S106での判定処理結果、利用法の測定が可能な場合、制御部55は、簡易計測部52と精密計測部54とに測定を行わせる。これにより、GPS衛星からの情報による携帯電話機2の位置測定(以下精密測位と称す)と、基地局電波による携帯電話機2の位置測定(以下簡易測位と称す)とが平行してほぼ同時に実行される(S108)。
【0025】
通常、簡易測位の結果の方が先に求められるので、簡易計測部52による測位の結果、つまり地図上のおおよその絶対位置(緯度・経度)が求められると(S109)、制御部55は、その位置に該当する地図イメージのブロックと、そのブロックを中心として測位の違いでほとんど変化しない周辺ブロックとを求め、該当ブロックを地図データベース51から読み出して送信(ダウンロード)する(S110)。おおよそとは測定誤差が例えば数十m程度のことを言う。なお、制御部55が送信するデータとしては、該当ブロックのイメージデータだけでなく、現在位置のマーク情報、目的地のマーク情報、現在位置から目的地までの経路情報などもある。目的地付きの場合、目的地周辺の地図イメージは確定しているため制御部55は初めに送信する。
そして、制御部55は、送信した地図イメージ(ブロック)の情報、つまりどのブロックを送ったかという情報をメモリ53に記憶する(S111)。
【0026】
その後、精密計測部54による測位の結果、つまり地図上の精密な絶対位置(緯度・経度)が求められると(S112)、制御部55は、その位置に該当する地図イメージのブロックと、そのブロックを中心とする周辺ブロックとを求め、メモリ53に既に記憶している送信済みのブロックの情報と比較して、互いの差分を求め、差分のブロックを地図データベース51から読み出して携帯電話機2へ送信(ダウンロード)する(S113)。精密とは測定誤差が例えば数m程度のことを言う。なお、この場合も、次の位置情報取得要求に備えて制御部55は、送信した地図イメージ(ブロック)の情報、つまりどのブロックを送ったかという情報をメモリ53に記憶する。
【0027】
一方、携帯電話機2では、位置情報取得要求に対する応答として、サーバ5より簡易測位の結果の地図イメージ(ブロック)がCDMAネットワーク4および回線接続中の基地局(3a〜3cのいずれか)を通じてCDMA無線通信部22に順次受信され(S114)、メモリ24に蓄積されてゆく。全てのブロックがダウンロードされるまでにはある程度時間がかかる。このためダウンロードの最後の方では、精密測位の結果の差分のブロックも送られてくる。
そこで、携帯電話機2のCPU28は、メモリ24に記憶されたブロックと差分として後から送られてきたブロックとをマージして(S115)、マージした地図イメージを表示部25に表示する(S116)。各ブロックをマージする上では、現在位置のマーキング、現在位置から目的地までの経路情報表示などの処理も行われる。
つまり、CPU28は、メモリ24に記憶されたブロックと差分として後から送られてきたブロックとを比較して差分の相当する既に受信済みのブロックを後から送られてきたブロックに置き換え、また現在位置や目的地のマーキングを行って、全ブロックを表示部25に順次表示する。
【0028】
ここで、図4,図5を参照して携帯電話機2の画面を例にして位置情報取得の仕方について説明する。
例えば現在位置のみの位置情報取得要求を行った場合、図4に示すように、初めに簡易計測の結果である第1地図イメージとして、例えば9区画のブロック31が携帯電話機2に受信される。そのブロック31のほぼ中心に位置するマークPが簡易計測の結果の現在位置である。
続いて、精密計測の結果である第2地図イメージとして第1地図イメージを左斜め下に1区画づつずらせたときの差分の7区画のブロック32が受信される。また、マークQが精密計測の結果の現在位置であり、実際(携帯電話機2の画面)にはマークQが表示される。
また、例えば現在位置から目的地までの位置情報取得要求を行った場合、図5に示すように、簡易計測の結果である第1地図イメージとして、例えば20区画のブロック41と24区画のブロック42が携帯電話機2に初めに受信される。20区画のブロック41のほぼ中心に位置するマークEが簡易計測の結果の目的地の位置である。24区画のブロック42は、ほとんど変化しない地図イメージ(ブロック)であるため先に送信しておく。また、20区画のブロック41は、目的地周辺の地図イメージであり位置が確定しているため先に送るようにする。続いて、精密計測の結果である第2地図イメージとして送信済みの区画を含まない差分の20区画のブロック43が受信される。また、マークPは簡易計測の結果の現在位置であり、マークQは精密計測の結果の現在位置であり、実際(携帯電話機2の画面)にはマークQが表示される。
【0029】
このようにこの実施形態の地図表示システムによれば、携帯電話システムのCDMA通信網(携帯電話機2、CDMAネットワークおよび基地局3a〜3c)を利用した簡易測位機能にて、現在位置のおおよその絶対位置(緯度・経度)を短時間に計測し、測定した絶対位置(緯度・経度)を基に地図データベース51から読み出した周辺地図イメージ(ブロック)をサーバ5から携帯電話機2へダウンロードしておき、その後、GPS機能を利用した正確な位置情報が計測されると、先にダウンロードした送信済みブロックの情報とGPS機能より得られた正確な位置情報から求めたブロックの情報との差分のブロックを携帯電話機2へダウンロードし、携帯電話機2において受信された各地図イメージ(ブロック)をマージ、つまり合成あるいは部分的に入れ替えることで携帯電話機2の画面に比較的高速に地図を表示することができる。
また、GPS衛星1a〜1cからの電波と基地局3a〜3cからの電波というように2つの異なるタイプの電波を受信して測位を行うので、地下街などGPS機能が利用できない場合でも、携帯用のアンテナ(基地局)が設置されている場所であれば、簡易位置情報を利用した大まかな地図を表示することができる。
また、この地図表示システムによれば、簡易的な位置情報測定結果を利用した現在地周辺から目的地までの案内付きの地図データおよび簡易的な位置情報測定結果が、精密な位置情報測定結果と大幅にずれない限りは不変の周辺地図データを、精密な位置情報計測結果を取得する前にその処理と平行してダウンロードできるので、精密な位置情報計測結果を取得した後は、不足分としてわずかなデータをダウンロードするだけで済む。
現在位置と目的地の位置を含めた地図イメージを携帯電話機2に表示する場合、簡易計測で求めた送信対象の地図イメージの領域のうち、確定している目的地周辺の地図イメージを先に送っておき、精密計測の結果得られた現在地周辺の地図イメージを後から送ることで、GPS機能だけで精密計測した後に全部の地図イメージを送るのに比べ、地図を表示するまでの時間を大幅に短縮することができる。つまり、GPS機能のよる精度の高い位置情報取得と目的地周辺の地図データのダウンロードを同時に行うことにより、システム全体として操作開始からデータ表示までの応答時間を高速化できる。
この結果、位置情報が高精度で得られるGPS機能を利用しつつ地図の表示にかかる時間を短縮することができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、携帯電話機2の負荷を軽減するために簡易計測および精密計測等の位置計測をサーバ5が行う場合の例について説明したが、携帯電話機2の処理能力(性能)が向上した場合、携帯電話機2が2つの位置計測を同時に行い、必要に地図イメージのダウンロード要求のみをサーバ5に行い、サーバ5は、ダウンロード要求に対して該当地図イメージを配信するだけにしても良い。
上記実施形態では、精密な位置計測機能としてGPS機能を利用したが、この他、例えばジャイロと加速時計による位置情報計測機能、現在時刻と恒星の位置あるいは恒星から一定間隔で送られてくるパルスを利用した計測機能、これらを組み合わせたものでも良い。
また、簡易的な位置計測機能は、携帯電話会社のアンテナ網を利用した位置計測、近くにある同種の端末を利用した位置情報取得、付近を航行する飛行機・船舶からの電波を利用した位置情報取得、近くにある商店、駅などとの通信を行うことでの位置情報取得などでも良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、位置情報が高精度で得られるGPS機能を利用しつつ地図の表示にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態の地図表示システムの構成を示す図。
【図2】この地図表示システムにおいて、携帯電話機の構成を示す図。
【図3】この地図表示システムの動作を示す通信シーケンス図。
【図4】この地図表示システムにおける携帯電話機の表示画面の表示例を示す図。
【図5】携帯電話機の表示画面の他の表示例を示す図。
【符号の説明】
1a〜1c…GPS衛星、2…携帯電話機、3a〜3c…基地局、4…CDMAネットワーク、5…サーバ、21…アンテナ、22…CDMA無線通信部、23…操作部、24…メモリ、25…表示部、26…アンテナ、27…GPS無線通信部、28…CPU、51…地図データベース、52…簡易計測部、53…メモリ、54…精密計測部、55…制御部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯端末の現在位置を表示する地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GPS(Global Positioning System)の機能を搭載した携帯電話機、つまり携帯端末が普及しており、GPS機能と地図情報を組み合わせた道案内などの携帯端末向け位置情報サービスが盛んになっている。
【0003】
従来、位置情報を提供するシステムの一つに、カーナビゲーションシステムがある(例えば特許文献1参照)。
このカーナビゲーションシステムの場合、PHSから受信された位置情報を利用して移動式情報提供装置が現在位置を測位して自身に記憶されている地図情報を読み出すことで、100m程度の精度のエリア関連情報を提供できる。また、この文献には、100mという精度ではあるがGPS衛星を利用することも記載されている。
また、近年では、位置特定精度が10m程度のGPS機能を備えた携帯電話機も登場している。GPS機能を備えた携帯電話機を用いる位置情報サービスの場合、携帯電話機の記憶容量が多くないことからカーナビゲーションシステムとは異なり、GPS機能によりGPS衛星から携帯電話機に受信された電波をそのまま基地局を通じてサーバへ転送し、サーバ側で携帯電話機(ユーザ)の現在地の緯度・経度を測定し、必要な地図イメージを携帯電話機へダウンロードする形態をとっている。
ところで、GPS機能を利用する高精度の位置計測には、ある程度の計測時間が必要である。また、携帯電話機の通信速度は、PHS等のように64kbpsなどと早くなったとはいえ、一般的なPDC方式のもので9800bpsであり、速いものでもCDMA方式の144Kbps程度である。また、携帯電話機の画面は、つい最近まで番号表示用の小窓であったものが今では地図表示可能なサイズ、例えばQVGAサイズなどにまでに広く大画面化している。
このようにGPS機能を利用した位置情報サービスの場合、高精度ではあるものの位置測定に時間がかかる上、大きいサイズの地図イメージを表示するには、ダウンロードにかなりの時間(数十秒程度)がかかってしまう。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−325036号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のGPS機能を備えた携帯電話機を用いた位置情報サービスの場合、記憶容量の関係で、地図イメージがサーバ側に蓄積されていることから、位置特定した際に該当地図イメージをダウンロードするというサービス形態をとっており、GPS機能で高精度に位置を測定して地図を画面に表示するまでにユーザは長い時間待たされるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、位置情報が高精度で得られるGPS機能を利用しつつ地図の表示にかかる時間を短縮することのできる地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラムを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の地図表示システムは、GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信する携帯端末の画面に当該携帯端末の位置情報を表示する地図表示システムにおいて、前記携帯端末に表示する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、前記基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する第1位置計測部と、前記GPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する第2位置計測部と、前記第1位置計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末に表示すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出して前記携帯端末に送る第1地図イメージ送信手段と、前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、前記第2位置計測部により測位された位置情報と前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報とを基に送信済みの地図イメージの領域との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段と、前記携帯端末に受信された各地図イメージをマージして前記携帯端末の画面に表示する手段とを具備したことを特徴している。
本発明の地図配信サーバは、GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信した携帯端末から送信されたGPS衛星の情報と基地局の情報とを受信し、前記携帯端末の位置計測を行い前記携帯端末へ該当範囲の地図イメージを配信する地図配信サーバにおいて、前記携帯端末からの位置情報要求を受信する手段と、前記位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数の基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する簡易計測部と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数のGPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する精密計測部と、前記簡易計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末へ送信すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、位置情報要求元の前記携帯端末へ配信する第1地図イメージ送信手段と、前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、前記精密計測部により測位された位置情報から前記地図イメージ記憶手段より読み出す地図イメージの領域を求め、前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段とを具備したことを特徴としている。
【0008】
本発明の携帯端末は、GPS衛星から受信した電波から得た情報と携帯電話網の基地局から受信した電波から得た情報とを地図配信サーバへ送信することで自身の現在位置周辺の地図イメージの配信要求を行い、この配信要求に対して前記地図配信サーバから配信される地図イメージを画面上に表示する携帯端末において、前記地図配信サーバより送信されてきた所定の領域の第1地図イメージと、この第1地図イメージとの差分として送られてきた第2地図イメージとを受信する手段と、前記受信手段により受信された第1地図イメージおよび第2地図イメージをマージするマージ手段と、前記マージ手段によりマージされた地図イメージを表示する表示手段とを具備したことを特徴としている。
【0009】
本発明の地図配信サーバプログラムは、GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信した携帯端末から送信されたGPS衛星の情報と基地局の情報とを受信し、前記携帯端末の位置計測を行い前記携帯端末へ該当範囲の地図イメージを配信する地図配信サーバに処理を実行させる地図配信サーバプログラムにおいて、前記地図配信サーバを、前記携帯端末からの位置情報要求を受信する手段と、前記位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数の基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する簡易計測部と、前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数のGPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する精密計測部と、前記簡易計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末へ送信すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、位置情報要求元の前記携帯端末へ配信する第1地図イメージ送信手段と、前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、前記精密計測部により測位された位置情報から前記地図イメージ記憶手段より読み出す地図イメージの領域を求め、前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段として機能させることを特徴としている。
【0010】
本発明では、地図配信サーバに対して携帯端末から位置情報要求があると、第1および第2位置計測部により同時に携帯端末の位置計測が開始されて、第1位置計測部により先に測位された位置情報を基に携帯端末に表示すべき領域の地図イメージを地図イメージ記憶手段より読み出して携帯端末に送る。また、この際に送信済みの地図イメージに関する領域情報を領域情報記憶手段に記憶しておく。そして、第2位置計測部により測位されると、その位置情報から求めた地図イメージの領域と領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報とを基に送信済みの地図イメージの領域との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを地図イメージ記憶手段より読み出して携帯端末へ送信する。携帯端末では、受信された各地図イメージをマージして携帯端末の画面に表示する。
つまり、簡易位置計測と精密位置計測とを同時に実行し、簡易的に素早く求めたおおよその携帯端末の位置周辺領域の地図イメージを先に送っておき、後で精密計測されたときは、差分のみの地図データを送信することで、精密計測後に携帯端末へ送る地図イメージの容量を少なくできるので、位置情報要求を行ってから携帯端末に地図を表示するまでの時間を短縮することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る一つの実施形態の地図表示システムの構成を示す図である。
【0012】
同図に示すように、この実施形態の地図表示システムは、上空に配置された複数のGPS衛星1a〜1cと、CDMAネットワーク4に接続された複数のCDMA無線基地局3a〜3c(以下基地局3a〜3cと称す)と、これらのGPS衛星1a〜1cからの電波(GPS電波)を受信する携帯端末としての携帯電話機2と、携帯電話機2より通信中の基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を介して複数のGPS衛星1a〜1cからの情報と複数の基地局3a〜3cからの情報とを受信して携帯電話機2の位置計測(測位)を行い、該当地図イメージを送信する地図配信用のサーバコンピュータ5(以下サーバ5と称す)とを備えており、携帯電話機2のユーザに対して高精度の位置情報サービスを提供する。
それぞれの基地局3a〜3cには、GPSアンテナが設けられており、正確な時刻に基づいて動作している。携帯電話機2は、これら複数の基地局3a〜3cら電波を受信し、GPS衛星に見立てることで、サーバ5を介して簡易的に位置を計測する。なお、計測には、携帯電話機2から見える全ての基地局の情報を利用できるので、基地局は3つ以上でも良い。
【0013】
サーバ5は、地図イメージ記憶手段としての地図データベース51と、第1位置計測部としての簡易計測部52と、領域情報記憶手段としてのメモリ53と、第2位置計測部としての精密計測部54と、制御部55を備えている。
地図データベース51には、全国各地の地図イメージが矩形のブロック単位に記憶されている。各ブロックは、緯度・経度に対応させたX・Y座標の管理テーブルで管理されている。地図をある縮尺率で所定サイズでページ化し、そのページをブロックの大きさでマトリクス状に分割したときのページ左下隅に位置するブロック名をX・Y座標(0,0)とし、そのブロックの情報には、ブロック四隅の緯度・経度が対応付けられている。このブロック(0,0)の直ぐ上のブロックは(0,1)となり、ブロック(0,0)の直ぐ右横のブロックは(1,0)となる。
【0014】
簡易計測部52は、複数の基地局3a〜3cからの情報を基に携帯電話機2の位置計測(測位)を行い、絶対位置(緯度・経度)を求める。
メモリ53には、制御部55により、簡易計測の結果、携帯電話機2へ送信された地図イメージを構成するブロックの情報(送信済みの地図イメージの領域情報)が記憶される。ブロックの情報としては、X・Y座標名のどのブロックが送られたかという情報である。
【0015】
精密計測部54は、複数のGPS衛星1a〜1cからの情報を基に携帯電話機2の位置計測(測位)を行い、緯度・経度を求める。
制御部55は、携帯電話機2より位置情報取得要求が受信された場合、携帯電話機2より情報としてGPS衛星1a〜1cの情報が受信されたか、基地局3a〜3cの情報が受信されたか、両方の情報が受信されたかに応じて簡易計測部52および精密計測部54の少なくとも一方に測位を行わせ、緯度・経度の情報を取得する。
制御部55は、GPS衛星1a〜1cと基地局3a〜3cの両方の情報が受信された場合、簡易計測部52によって先に求められた緯度・経度のポイントを含むブロックを中心として、携帯電話機2の画面に対応したポイント周辺を表示するのに必要なブロックを地図データベース51より読み出して配信(送信)すると共に、配信したブロックの情報(領域情報)をメモリ53に記憶する。
【0016】
制御部55は、精密計測部54によって後で求められた精密な緯度・経度のポイントを含むブロックを中心として、携帯電話機2の画面に対応したポイント周辺を表示するのに必要なブロックを求め、メモリ53に記憶されている送信済のブロックの情報と比較して互いの差分を求め、地図データベース51より差分のブロックを読み出して配信(送信)すると共に、配信したブロックの情報をメモリ53に記憶する。
【0017】
すなわち、このサーバ5は、携帯電話機2からの位置情報要求を受信し、位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図データベース51と、位置情報要求が受信されたことで、複数の基地局3a〜3cからの情報を基に携帯電話機2の位置を測位する簡易計測部52と、位置情報要求が受信されたことで、複数のGPS衛星1a〜1cからの情報を基に携帯電話機2の位置を測位する精密計測部54と、簡易計測部52により測位された位置情報を基に携帯電話機2へ送信すべき領域の地図イメージ(複数のブロック)を地図データベース51より読み出し、位置情報要求元の携帯電話機2へ送信する第1地図イメージ送信手段としての制御部55と、送信したブロック(地図イメージ)に関する領域情報を記憶するメモリ53とを備えている。制御部55は、精密計測部54により測位された位置情報から地図データベース51より読み出すべき地図イメージの領域を求め、メモリ53に記憶されている送信済みの地図イメージ(ブロック)の情報(領域情報)との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージ(ブロック)を地図データベース51より読み出し、携帯電話機2へ送信する第2地図イメージ送信手段として機能する。
つまり、制御部55は、精密計測部54により測位された位置とメモリ53に記憶されている送信済みのブロックの情報とを基に互いのブロックの差分を求め、求めた差分のブロックを地図データベース51より読み出し、携帯電話機2へ送信する。
【0018】
図2に示すように、携帯電話機2は、アンテナ21、CDMA無線通信部22、操作部23、メモリ24、表示部25、GPSアンテナ26、GPS無線通信部27、CPU28などを備えている。
アンテナ21は、最寄のエリアの基地局3a〜3cとの間でCDMA方式の無線通信を行うためのアンテナである。CDMA無線通信部22は、アンテナ21にて基地局3a〜3cとの音声通話の通信およびデータ通信などを行う。また、CDMA無線通信部22は、サーバ5から送信されてきたブロック単位の地図イメージを受信する手段として機能する。GPSアンテナ26は、上空の少なくとも3つのGPS衛星1a〜1cより電波を受信するアンテナであり、例えば平面偏波無指向性アンテナなどが用いられている。
【0019】
GPS無線通信部27は、GPS衛星1a〜1cからの電波をアンテナ26を通じて受信する。GPS衛星は、地球の周りの高度約2万200kmの軌道上を約12時間の周期で回る24個の人工衛星であり、この中のいくつかの衛星から電波を端末が拾うことで、自身の位置を知ることができる。GPS衛星から電波を受信するためには、端末自身が衛星を探索して捕捉しなければならないが、このシステムの場合、衛星の捕捉に必要な作業をCDMAネットワーク4に接続されたサーバ5が補佐する。このため、端末側の負荷が少なく衛星を短時間に捕捉できる。
また、GPS無線通信部27は、GPS衛星1a〜1cから受け取った情報をCPU28を通じてCDMA無線通信部22に渡し、通信中(回線接続中)のいずれかの基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を通じてサーバ5へ送信してサーバ5側で測位を行うので、この際の携帯電話機2側の負荷が少なくて済む。
【0020】
メモリ24には、通話およびデータ通信を制御するファームウェア、アプリケーションソフトウェア、通信データなどが記憶されている。表示部23は、携帯電話の機能画面を表示する。操作部24は、機能画面においてユーザ操作に応じた指示入力をCPU28に行う。CPU28は、メモリ24に記憶されているファームウェア、アプリケーションソフトウェアを読み込みその処理を実行することで上記機能画面の表示機能、操作部24から入力された指示を実行する機能、位置情報表示機能などを実現する。
携帯電話機2にて位置情報サービスを受ける際に、サーバ5より通信中(回線接続中)の基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を通じてCDMA無線通信部22に受信されたブロック単位の地図イメージがメモリ24に記憶される。メモリ24はフラッシュメモリであり、携帯電話機本体のバッテリの有無にかかわらず記憶内容(地図イメージ、ソフトウェア、電話帳データなど)は保持される。
なお、ブロック単位の地図イメージとしては、簡易計測の結果として先に送信されてきたブロックを第1地図イメージといい、精密計測の結果として後から送られてきた差分のブロックを第2地図イメージという。
CPU28は、受信された第1地図イメージおよび第2地図イメージをマージするマージ手段として機能する。表示部25は、CPU28によりマージされた地図イメージを表示する表示手段としての機能する。
【0021】
携帯電話機2は、これらのGPS衛星1a〜1cからの電波を受信するGPS電波受信機能と複数の基地局3a〜3cとの制御通信機能と、これらGPS電波および基地局電波による位置情報表示機能と、複数の基地局3a〜3cの中の一つを通じた通話およびデータ通信機能とを備えている。
【0022】
以下、図3〜図5を参照してこの地図表示システムの動作を説明する。
この地図表示システムでは、携帯電話機2を携帯するユーザが位置情報サービスを利用する場合、携帯電話機2の操作部23を操作して位置情報サービスの画面を表示部25に表示させて位置情報取得操作、つまり地図表示操作を行う(S101)。
この操作により、操作部23からCPU28に指示が行われ、CPU28は、CDMA無線通信部22とGPS無線通信部27を制御してそれぞれのアンテナ21,26より電波を受信させる。これにより、CDMA無線通信部22はアンテナ21にて基地局3a〜3cからの電波を受信する(S102)と共に、いずれかの基地局(3a〜3cのうちのいずれか)との無線回線の接続を行う。そしてCDMA無線通信部22は、接続された基地局(3a〜3cのうちのいずれか)およびCDMAネットワーク4を通じてGPS衛星1a〜1cの探索をサーバ5へ依頼する。サーバ5は、基地局3a〜3cが受信したGPS衛星1a〜1cの電波からGPS衛星1a〜1cの位置を捕捉し、携帯電話機2へ通知する。
携帯電話機2では、サーバ5からのGPS衛星1a〜1cの位置に関する捕捉情報をCDMA無線通信部22が受信すると、その情報をCPU28を通じてGPS無線通信部27に渡し、GPS無線通信部27は、サーバ5から受け取ったGPS衛星1a〜1cの位置に関する捕捉情報を基にGPS衛星1a〜1cを捕捉してGPS衛星1a〜1cからの電波をアンテナ26を通じて受信する(S103)。
それぞれの無線通信部でGPS衛星1a〜1c、基地局3a〜3cから受信された電波を復調して得られた情報をCPU28が受け取り、CDMA無線通信部22に送信させる(S104)。なお、位置情報取得操作を行った場所が例えばビル影等の場合、基地局3a〜3cの電波のみが受信されてGPS衛星1a〜1cからの電波が受信できない場合もある。また、その逆の場合もある。両方とも受信不能な場合は、位置情報サービスの画面で操作されても位置情報サービスは開始されない。
【0023】
サーバ5では、携帯電話機2と無線回線が接続されたいずれか一つの基地局(3a〜3cのうちのいずれか)を通じて携帯電話機2から送信された情報を制御部55が受信すると(S105)、制御部55は、受信情報の内容を解析してどのような位置計測が可能かを判定する。つまり携帯電話機2からどんな情報が得られたかによって測位の方法を変える。例えばGPS衛星1a〜1cからの情報だけしか得られなかった場合は、GPS衛星1a〜1cからの情報だけで位置測定をせざるを得ない。つまり制御部55は、GPS衛星1a〜1cからの情報で位置の計測が可能か、基地局3a〜3cからの情報で位置の計測が可能か、両方の情報で位置計測可能か、などを判定する(S106)。
この判定の結果、いずれか一方のみの位置測定しかできないような場合(S106の一方のみ可能)、制御部55は、該当計測部(簡易計測部52と精密計測部54のうちの一方)にて位置測定を行わせて、測位した位置を含むブロックを中心とした周辺のブロックを決定し、該当ブロック(地図イメージ)を地図データベース51より読み出して携帯電話機2へ送信(ダウンロード)する(S107)。
【0024】
一方、S106での判定処理結果、利用法の測定が可能な場合、制御部55は、簡易計測部52と精密計測部54とに測定を行わせる。これにより、GPS衛星からの情報による携帯電話機2の位置測定(以下精密測位と称す)と、基地局電波による携帯電話機2の位置測定(以下簡易測位と称す)とが平行してほぼ同時に実行される(S108)。
【0025】
通常、簡易測位の結果の方が先に求められるので、簡易計測部52による測位の結果、つまり地図上のおおよその絶対位置(緯度・経度)が求められると(S109)、制御部55は、その位置に該当する地図イメージのブロックと、そのブロックを中心として測位の違いでほとんど変化しない周辺ブロックとを求め、該当ブロックを地図データベース51から読み出して送信(ダウンロード)する(S110)。おおよそとは測定誤差が例えば数十m程度のことを言う。なお、制御部55が送信するデータとしては、該当ブロックのイメージデータだけでなく、現在位置のマーク情報、目的地のマーク情報、現在位置から目的地までの経路情報などもある。目的地付きの場合、目的地周辺の地図イメージは確定しているため制御部55は初めに送信する。
そして、制御部55は、送信した地図イメージ(ブロック)の情報、つまりどのブロックを送ったかという情報をメモリ53に記憶する(S111)。
【0026】
その後、精密計測部54による測位の結果、つまり地図上の精密な絶対位置(緯度・経度)が求められると(S112)、制御部55は、その位置に該当する地図イメージのブロックと、そのブロックを中心とする周辺ブロックとを求め、メモリ53に既に記憶している送信済みのブロックの情報と比較して、互いの差分を求め、差分のブロックを地図データベース51から読み出して携帯電話機2へ送信(ダウンロード)する(S113)。精密とは測定誤差が例えば数m程度のことを言う。なお、この場合も、次の位置情報取得要求に備えて制御部55は、送信した地図イメージ(ブロック)の情報、つまりどのブロックを送ったかという情報をメモリ53に記憶する。
【0027】
一方、携帯電話機2では、位置情報取得要求に対する応答として、サーバ5より簡易測位の結果の地図イメージ(ブロック)がCDMAネットワーク4および回線接続中の基地局(3a〜3cのいずれか)を通じてCDMA無線通信部22に順次受信され(S114)、メモリ24に蓄積されてゆく。全てのブロックがダウンロードされるまでにはある程度時間がかかる。このためダウンロードの最後の方では、精密測位の結果の差分のブロックも送られてくる。
そこで、携帯電話機2のCPU28は、メモリ24に記憶されたブロックと差分として後から送られてきたブロックとをマージして(S115)、マージした地図イメージを表示部25に表示する(S116)。各ブロックをマージする上では、現在位置のマーキング、現在位置から目的地までの経路情報表示などの処理も行われる。
つまり、CPU28は、メモリ24に記憶されたブロックと差分として後から送られてきたブロックとを比較して差分の相当する既に受信済みのブロックを後から送られてきたブロックに置き換え、また現在位置や目的地のマーキングを行って、全ブロックを表示部25に順次表示する。
【0028】
ここで、図4,図5を参照して携帯電話機2の画面を例にして位置情報取得の仕方について説明する。
例えば現在位置のみの位置情報取得要求を行った場合、図4に示すように、初めに簡易計測の結果である第1地図イメージとして、例えば9区画のブロック31が携帯電話機2に受信される。そのブロック31のほぼ中心に位置するマークPが簡易計測の結果の現在位置である。
続いて、精密計測の結果である第2地図イメージとして第1地図イメージを左斜め下に1区画づつずらせたときの差分の7区画のブロック32が受信される。また、マークQが精密計測の結果の現在位置であり、実際(携帯電話機2の画面)にはマークQが表示される。
また、例えば現在位置から目的地までの位置情報取得要求を行った場合、図5に示すように、簡易計測の結果である第1地図イメージとして、例えば20区画のブロック41と24区画のブロック42が携帯電話機2に初めに受信される。20区画のブロック41のほぼ中心に位置するマークEが簡易計測の結果の目的地の位置である。24区画のブロック42は、ほとんど変化しない地図イメージ(ブロック)であるため先に送信しておく。また、20区画のブロック41は、目的地周辺の地図イメージであり位置が確定しているため先に送るようにする。続いて、精密計測の結果である第2地図イメージとして送信済みの区画を含まない差分の20区画のブロック43が受信される。また、マークPは簡易計測の結果の現在位置であり、マークQは精密計測の結果の現在位置であり、実際(携帯電話機2の画面)にはマークQが表示される。
【0029】
このようにこの実施形態の地図表示システムによれば、携帯電話システムのCDMA通信網(携帯電話機2、CDMAネットワークおよび基地局3a〜3c)を利用した簡易測位機能にて、現在位置のおおよその絶対位置(緯度・経度)を短時間に計測し、測定した絶対位置(緯度・経度)を基に地図データベース51から読み出した周辺地図イメージ(ブロック)をサーバ5から携帯電話機2へダウンロードしておき、その後、GPS機能を利用した正確な位置情報が計測されると、先にダウンロードした送信済みブロックの情報とGPS機能より得られた正確な位置情報から求めたブロックの情報との差分のブロックを携帯電話機2へダウンロードし、携帯電話機2において受信された各地図イメージ(ブロック)をマージ、つまり合成あるいは部分的に入れ替えることで携帯電話機2の画面に比較的高速に地図を表示することができる。
また、GPS衛星1a〜1cからの電波と基地局3a〜3cからの電波というように2つの異なるタイプの電波を受信して測位を行うので、地下街などGPS機能が利用できない場合でも、携帯用のアンテナ(基地局)が設置されている場所であれば、簡易位置情報を利用した大まかな地図を表示することができる。
また、この地図表示システムによれば、簡易的な位置情報測定結果を利用した現在地周辺から目的地までの案内付きの地図データおよび簡易的な位置情報測定結果が、精密な位置情報測定結果と大幅にずれない限りは不変の周辺地図データを、精密な位置情報計測結果を取得する前にその処理と平行してダウンロードできるので、精密な位置情報計測結果を取得した後は、不足分としてわずかなデータをダウンロードするだけで済む。
現在位置と目的地の位置を含めた地図イメージを携帯電話機2に表示する場合、簡易計測で求めた送信対象の地図イメージの領域のうち、確定している目的地周辺の地図イメージを先に送っておき、精密計測の結果得られた現在地周辺の地図イメージを後から送ることで、GPS機能だけで精密計測した後に全部の地図イメージを送るのに比べ、地図を表示するまでの時間を大幅に短縮することができる。つまり、GPS機能のよる精度の高い位置情報取得と目的地周辺の地図データのダウンロードを同時に行うことにより、システム全体として操作開始からデータ表示までの応答時間を高速化できる。
この結果、位置情報が高精度で得られるGPS機能を利用しつつ地図の表示にかかる時間を短縮することができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、携帯電話機2の負荷を軽減するために簡易計測および精密計測等の位置計測をサーバ5が行う場合の例について説明したが、携帯電話機2の処理能力(性能)が向上した場合、携帯電話機2が2つの位置計測を同時に行い、必要に地図イメージのダウンロード要求のみをサーバ5に行い、サーバ5は、ダウンロード要求に対して該当地図イメージを配信するだけにしても良い。
上記実施形態では、精密な位置計測機能としてGPS機能を利用したが、この他、例えばジャイロと加速時計による位置情報計測機能、現在時刻と恒星の位置あるいは恒星から一定間隔で送られてくるパルスを利用した計測機能、これらを組み合わせたものでも良い。
また、簡易的な位置計測機能は、携帯電話会社のアンテナ網を利用した位置計測、近くにある同種の端末を利用した位置情報取得、付近を航行する飛行機・船舶からの電波を利用した位置情報取得、近くにある商店、駅などとの通信を行うことでの位置情報取得などでも良い。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、位置情報が高精度で得られるGPS機能を利用しつつ地図の表示にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態の地図表示システムの構成を示す図。
【図2】この地図表示システムにおいて、携帯電話機の構成を示す図。
【図3】この地図表示システムの動作を示す通信シーケンス図。
【図4】この地図表示システムにおける携帯電話機の表示画面の表示例を示す図。
【図5】携帯電話機の表示画面の他の表示例を示す図。
【符号の説明】
1a〜1c…GPS衛星、2…携帯電話機、3a〜3c…基地局、4…CDMAネットワーク、5…サーバ、21…アンテナ、22…CDMA無線通信部、23…操作部、24…メモリ、25…表示部、26…アンテナ、27…GPS無線通信部、28…CPU、51…地図データベース、52…簡易計測部、53…メモリ、54…精密計測部、55…制御部。
Claims (4)
- GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信する携帯端末の画面に当該携帯端末の位置情報を表示する地図表示システムにおいて、
前記携帯端末に表示する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、
前記基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する第1位置計測部と、
前記GPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する第2位置計測部と、
前記第1位置計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末に表示すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出して前記携帯端末に送る第1地図イメージ送信手段と、
前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、
前記第2位置計測部により測位された位置情報と前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報とを基に送信済みの地図イメージの領域との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段と、
前記携帯端末に受信された各地図イメージをマージして前記携帯端末の画面に表示する手段と
を具備したことを特徴とする地図表示システム。 - GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信した携帯端末から送信されたGPS衛星の情報と基地局の情報とを受信し、前記携帯端末の位置計測を行い前記携帯端末へ該当範囲の地図イメージを配信する地図配信サーバにおいて、
前記携帯端末からの位置情報要求を受信する手段と、
前記位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、
前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数の基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する簡易計測部と、
前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数のGPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する精密計測部と、
前記簡易計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末へ送信すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、位置情報要求元の前記携帯端末へ配信する第1地図イメージ送信手段と、
前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、
前記精密計測部により測位された位置情報から前記地図イメージ記憶手段より読み出す地図イメージの領域を求め、前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段と
を具備したことを特徴とする地図配信サーバ。 - GPS衛星から受信した電波から得た情報と携帯電話網の基地局から受信した電波から得た情報とを地図配信サーバへ送信することで自身の現在位置周辺の地図イメージの配信要求を行い、この配信要求に対して前記地図配信サーバから配信される地図イメージを画面上に表示する携帯端末において、
前記地図配信サーバより送信されてきた所定の領域の第1地図イメージと、この第1地図イメージとの差分として送られてきた第2地図イメージとを受信する手段と、
前記受信手段により受信された第1地図イメージおよび第2地図イメージをマージするマージ手段と、
前記マージ手段によりマージされた地図イメージを表示する表示手段と
を具備したことを特徴とする携帯端末。 - GPS衛星からの電波と携帯電話網の基地局からの電波とを受信した携帯端末から送信されたGPS衛星の情報と基地局の情報とを受信し、前記携帯端末の位置計測を行い前記携帯端末へ該当範囲の地図イメージを配信する地図配信サーバに処理を実行させる地図配信サーバプログラムにおいて、
前記地図配信サーバを、
前記携帯端末からの位置情報要求を受信する手段と、
前記位置情報要求元に送信する地図イメージを記憶した地図イメージ記憶手段と、
前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数の基地局からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する簡易計測部と、
前記位置情報要求が受信されたことで、前記複数のGPS衛星からの情報を基に前記携帯端末の位置を測位する精密計測部と、
前記簡易計測部により測位された位置情報を基に前記携帯端末へ送信すべき領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、位置情報要求元の前記携帯端末へ配信する第1地図イメージ送信手段と、
前記第1地図イメージ送信手段により送信された地図イメージに関する領域情報を記憶する領域情報記憶手段と、
前記精密計測部により測位された位置情報から前記地図イメージ記憶手段より読み出す地図イメージの領域を求め、前記領域情報記憶手段に記憶されている送信済みの地図イメージの領域情報との差分を求め、求めた差分の領域の地図イメージを前記地図イメージ記憶手段より読み出し、前記携帯端末へ送信する第2地図イメージ送信手段
として機能させることを特徴とする地図配信サーバプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204504A JP2005049501A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003204504A JP2005049501A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005049501A true JP2005049501A (ja) | 2005-02-24 |
Family
ID=34263490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003204504A Withdrawn JP2005049501A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 地図表示システム、地図配信サーバ、携帯端末、地図配信プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005049501A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008157712A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-10 | Pioneer Electronic Corp | 携帯用電話端末装置、携帯用電話端末装置用プログラム及び現在位置測定開始方法 |
-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204504A patent/JP2005049501A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008157712A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-10 | Pioneer Electronic Corp | 携帯用電話端末装置、携帯用電話端末装置用プログラム及び現在位置測定開始方法 |
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