JP2005043732A - 光熱写真画像形成材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 写真性能において高い感度と低いカブリの優れ、現像前の保存性と現像後の保存性に優れる光熱写真画像形成材料を提供する。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を設けた光熱写真画像形成材料に於いて、該感光性ハロゲン化銀粒子がカーボンナノチューブに内包化された不安定カルコーゲン化合物で化学増感されていることを特徴とする光熱写真画像形成材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は熱現像により画像を形成する光熱写真画像形成材料に関するもので、特に高い感度と低いカブリを得ることができ、保存性に優れた光熱写真画像形成材料に関する。
近年、医療や印刷の分野で環境保護や作業性の面から湿式処理に伴う廃液の出ない光熱写真材料が強く望まれており、特に熱現像により、高解像度で鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術が必要とされている。これらの写真材料は、100℃以上の温度で現像が行われるので、光熱写真画像形成材料と呼ばれている。
従来からこのタイプの光熱写真画像形成材料は、色素で分光増感された高感度のハロゲン化銀粒子、有機銀塩及び還元剤を含む感光層と、該感光層に向けて照射した光が吸収されずに通過して支持体の界面や中間層や接着層等で乱反射するのを防ぐイラジエーション防止層或いは必要に応じて支持体の反対側に設けるバッキング層から構成され、更には感光層の上やバッキング層の上に取り扱い時の傷の付くのを防ぐための保護層が設けられている。
一般に光熱写真画像形成材料は、露光後加熱現像のみで画像を出すので処理が簡単であるが、感光層中に還元剤を内在させるので現像前後の画像の保存性を向上させることが重要となっている。高い感度を得るためには、ハロゲン化銀の化学増感や増感色素による分光増感が必須であるが、化学増感すると保存性が劣化し易くカブリを低減する化学増感法が求められている。化学増感した場合の保存性向上のためには、保存時の温度による影響を少なくするために、できるだけ高温度で現像して鮮明な画像が出るようにするのがよいのであるが、あまり高温にするとカブリが出易くなり、感度が低下する。そこで120℃±10℃付近の温度で一般的には現像される。カブリを下げるためにメルカプト化合物を使用することが開示され(例えば、特許文献1参照。)ている。しかし、メルカプト化合物ではカブリ抑制の効果が少なく、高い感度が得にくく保存性も向上させるのに限度があった。現像処理後の読影時シャウカステン暴露による焼き出し銀の抑制に使用されるポリハロメタン化合物はカブリ抑制と生保存性に有効であると示されて(例えば、特許文献2参照。)いるが、使用量が多いと感度が低下するため限度があった。保存性の向上ために、結合剤の架橋剤として知られる化合物を使用する試みもされているが充分ではなかった。色素を固定化する内包剤としてシクロデキストリン(例えば、特許文献3参照。)又はカーボンナノチューブ(例えば、特許文献4参照。)が知られているが、色素を内包化すると感度が低下するという問題があった。
特開2000−19681号公報 (第1〜20頁) 特開平9−319022号公報 (第1〜22頁) 特開平6−130606号公報 (第1〜3頁) 特開平6−227806号公報 (第1〜4頁)
本発明の目的は、写真性能において高い感度と低いカブリの優れた光熱写真画像形成材料を提供することにある。本発明の第2の目的は、現像前の保存性(生保存性と略す)と現像後の保存性(画像保存性と略す)に優れる光熱写真画像形成材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
1.支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を設けた光熱写真画像形成材料に於いて、該感光性ハロゲン化銀粒子がカーボンナノチューブに内包化された不安定カルコーゲン化合物で化学増感されていることを特徴とする光熱写真画像形成材料。
2.前記感光性ハロゲン化銀粒子が酸化剤の存在下で化学増感されていることを特徴とする前記1に記載の光熱写真画像形成材料。
3.前記感光性ハロゲン化銀粒子が増感色素の存在下で化学増感されていることを特徴とする前記1又は2に記載の光熱写真画像形成材料。
4.前記感光性ハロゲン化銀粒子がハロメタン化合物の存在下で化学増感されていることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
5.前記感光層又は該感光層に隣接する層中にフタラジン化合物及びヒンダードフェノール化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
6.前記感光層又は該感光層に隣接する層中にイソシアナート基又はビニルスルホン基を少なくとも1つ有する化合物を含有することを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
7.前記感光性ハロゲン化銀粒子が有機銀塩の存在下で化学増感されていることを特徴とする前記1〜6の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
本発明を更に詳しく説明する。本発明の光熱写真画像形成材料は、通常は支持体上に少なくとも1層の感光層及び該感光層に隣接する層を設けた少なくとも2層以上の層構成からなり、必要に応じて感光層の反対側に設けられるバッキング層、その保護層等が含まれる。上記光熱写真画像形成材料の感光層中には、分光増感色素で増感されてもよい本発明の「カーボンナノチューブに内包化された不安定カルコーゲン化合物」(単に内包化増感剤ともいう)(上記不安定カルコーゲン化合物は本発明の有機化合物ともいう)で化学増感された感光性ハロゲン化銀粒子が含まれ、さらに該感光層又はその隣接層には銀源となる有機銀塩、銀塩を現像して銀画像を形成するための還元剤が含有される。上記の光熱写真画像形成材料において必要によりイラジエーション防止用又はハレーション防止用の染料を含有する層が設けられる。
以下、本発明の光熱写真画像形成材料に含有される内包化に使用するカーボンナノチューブ、内包化する化学増感剤でる有機化合物、即ち、硫黄、セレン及びテルル化合物について詳述する。次に併用されるフタラジン化合物、ポリハロメタン化合物及び架橋剤について順次説明する。なお、上記光熱写真画像形成材料の感光層に含有される感光性ハロゲン化銀粒子、感光層又はその隣接層に含有される有機銀塩、還元剤及び感光層又はその隣接層に含有される高分子結合剤等について更に順次後述する。
(カーボンナノチューブ)
カーボンナノチューブは、グラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が1個、または数個入れ子状に配列したファイバー状構造を有し、その直径がナノメートルオーダーのサイズの極めて小さな素材である。これまで、直径がミクロンサイズ以上のカーボンファイバーは古くから知られていたが、直径がナノメートル領域のチューブは1991年の報告[ネイチャー誌(Nature)1991年、354巻、pp.56〜58]によりはじめて明らかにされ、世界中から1次元導電線、触媒、および超強化構造体材料として大きな注目を集めてきた。特に、カーボンナノチューブの入れ子状態を形作る1つ1つの炭素チューブの電気物性が調べられ(フィジカルレビューレター誌(Physical Review Letter)、1992年、68巻、pp1579〜1581)、その直径と螺旋構造のピッチに依存して、カーボンナノチューブの電気特性が、種々の大きさのバンドギャップをもつことが明らかにされたことが、この物質の有用性に対する大きな期待となっている。本発明に使用するカーボンナノチューブでは、入れ子状円筒の中心部にあるチューブは数オングストローム以上の直径であり、この部分には円柱状の空間がある。もし、この空間に有用な写真添加剤を挿入して、徐々に系外に放出することのできる内包カーボンナノチューブを作ることができれば、カーボンナノチューブ自身がもつ材料特性以外に、写真感光材料の性能向上が期待される。例えば、現像抑制剤を内包させ、保存時に徐放させれば、保存時のカブリを抑制したり、現像剤を内包させ、現像時に徐放できれば、現像前までに還元剤の反応を抑えることができるので保存性を向上させることができる。現像後の光カブリ抑制に関しては、光カブリ抑制剤を内包させ、現像後に徐放できれば、現像前の減感を抑えることができるようになる。本発明は上記可能性を鋭意検証してその有用性を確認したものである。カーボンナノチューブの側面は殆ど全て6員環でできているので、構造はある程度完全性があり有機化合物を接触させても、カーボンナノチューブの構造は破壊されない。また、入れ子構造を作る各々のチューブの層間には、有機化合物は簡単にはインターカレーションして導入されることはない。これは、通常のグラファイトの場合には、各々の層の間は2次元(x−y面)に広がるグラファイト状炭素平面が、ファンデアワールス力で結ばれているが、層間隔はx−y面に垂直な方向にある程度自由に広がる。そのため、特定の有機化合物を層間に導入することができて、インターカレート化合物をつくることができる。しかし、カーボンナノチューブの場合には、各々円筒形状をしたチューブは強固で、その円筒の径は構造的に固定され、層間隔はほとんど変化しない。このために、一般にはカーボンナノチューブの層間に、有機化合物が入るインターカレーション化合物を形成することができない。しかしながら、カーボンナノチューブの中心にある中空の穴は、低分子の有機化合物が入れる大きさであるため、低分子有機化合物が詰まったカーボンナノチューブを形成することができる。上述したπ電子の広がりを考慮しても低分子化合物を侵入させ内包化する空間が塞がれることはない。カーボンナノチューブ内に内包させる場合は、前記ナノチューブの直径を大きくしてゆけばよい。カーボンナノチューブの合成方法は、現在各種あるがレーザー蒸着法の場合、触媒の種類と電気炉の温度を調整することで、作製されるナノチューブの直径分布を制御することができる。カーボンナノチューブに類似してカーボンナノホーンという素材があるが、これは、両末端の直径が異なり、大きい部分と小さい部分に挟まれた円錐あるいは円錐台状の構造を言うが、製造方法、内包化の方法もカーボンナノチューブに準じて実施することができ、本発明のカーボンナノチューブの変形として位置付けることができる。円筒状のカーボンナノチューブ表面は通常、6員環のグラファイト構造で覆われているが、この6員環の中に5員環や7員環が混じるとチューブの径が狭くなったり、あるいは広がったりすることが知られている。従って、円錐状のカーボンナノホーンは、ホーンの径が連続的に変化するため、円筒状のカーボンナノチューブに比べて表面のグラファイト構造が不規則となりやすく、表面活性が高く官能基を付加するに容易であり、親水性を高めることもできる。親水性の官能基を付加したカーボンナノホーン は水性溶媒に極めて分散しやすく、また一部は水溶性となって、水溶液中に分散したハロゲン化銀粒子の増感等に好適となる。
本発明に使用する有機化合物の内包の方法は例えば石英管に高真空下で封じ込め、その後有機化合物の分解温度より低い温度で2〜6時間保持する。この温度では有機物は気化、又は昇華し、ナノチューブの内部に侵入していく。反応後は、試料をトルエン中で超音波洗浄し、ナノチューブの外側についた本発明の有機化合物を除去した。これにより、ほとんど全てのナノチューブに本発明の有機化合物が挿入された。ナノチューブに挿入する量は、チューブの内径と長さによるが、1分子〜1000分子程度までである。チューブの内径及び外径は2nm〜200nmが好ましい。
(不安定カルコーゲン化合物)
本発明に使用する不安定カルコーゲン化合物はカーボンナノチューブに内包化され、ハロゲン化銀を化学熟成するときに徐放されカルコーゲンの供給源になることができる化合物で、無機硫黄化合物、チオ尿素化合物、チオセレン化合物、チオテルル化合物及びチウロニウム化合物が好ましい。チオ尿素化合物はチオ尿素の水素原子をアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびオクチル基等)や芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基およびクロロフェニル基等)やヘテロ環基(ピリジル基、フリル基、イミダゾール基)で置換した化合物であり、以下同様にセレン化尿素、テルル化尿素化合物は説明される。前記カルコーゲン化合物の添加量は、ハロゲンか銀1モルに対して1×10-8モル〜1×10-2モルが好ましい。好ましい不安定硫黄、セレン及びテルル化合物の具体的構造式を下記に示す。
Figure 2005043732
本発明に使用するチウロニウム化合物は、チオ尿素の硫黄原子にイミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ベンズオキサゾール基、ベンズチアゾール基またはベンズイミダゾール基等がアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基およびプロピレン基等)を介して結合したものが好ましい。チウロニウム化合物の添加量は、ハロゲン化銀1モルに対して1×10-8モル〜1×10-2モルが好ましい。添加時期は、化学増感時に添加してもよいし、化学増感後塗布直前までの間の任意の時期に添加してもよい。好ましい具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2005043732
(酸化剤)
本発明にの化学熟成時に使用する酸化剤は、過酸化水素、クロラミン化合物、テトラゾリウム化合物等が好ましい。テトラゾリウム化合物は、1,3,5−トリフェニルテトラゾリウム化合物のフェニルまたは該化合物のフェニル基に少なくとも1つのアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基およびオクチル基等)またはアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基およびオクトキシ基等)、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシエトキシ基、シアノ基、ニトロ基等で置換されたものが好ましい。酸化剤の好ましい添加量は、ハロゲン化銀1モルに対して1×10-8モル〜1×10-2モルが好ましい。酸化剤の添加方法は、後述する化学増感剤である不安定硫黄化合物と併用することが好ましい。酸化剤として特に下記の化合物が好ましいが、本発明はこれらに限定されない。
(K−1)過酸化水素
(K−2)クロラミンーB(N−クロロベンゼンスルホンアミド)ソジウム
(K−3)クロラミンーT(N−クロロー4−メチルルベンゼンスルホンアミドナトリウム塩
(K−4)1,3,5−トリメトキシフェニルテトラゾリウムクロライド
(K−5)1,3,5−トリメチルフェニルテトラゾリウムクロライド
(K−6)1,3,5−トリフェニルテトラゾリウムクロライド
上記内包化合物の使用量は、ハロゲン化銀1モルに対して1×10-3〜1×103gの範囲で使用するのが好ましい。添加方法は、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソブチルアルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン等)、芳香族有機溶媒(例えば、トルエン、キシレン等)に溶解して添加しても良いし、微粒子にして分散添加してもよい。この場合は、ジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザー分散を行い、1μm以下の微粒子にして必要に応じて界面活性剤や粘度調節剤を加えて水や有機溶媒に分散して添加することもできる。添加量は塗布液中に0.001質量%から60質量%の範囲で添加することが好ましく、0.01質量%から30質量%の範囲が特に好ましくこの範囲で適宜添加量を調節して使用することができる。上記内包化合物は、一般的な化学増感方法に従って感光性ハロゲン化銀の化学増感をするが、化学増感環境としては、pAgとしては6〜11が好ましく、より好ましくは7〜10であり、pHは4〜10が好ましく、より好ましくは5〜8、温度としては40℃〜90℃が好ましく、より好ましくは45℃〜80℃である。
(増感色素)
本発明に使用する増感色素は、必要により例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号等の各公報、米国特許第4,639,414号、同第4,740,455号、同第4,741,966号、同第4,751,175号、同第4,835,096号等の各明細書に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は例えばResearch Disclosure Item17643IV−A項(1978年12月p.23)、同Item1831X項(1978年8月頁437)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号に記載の化合物が好ましく用いられる。特に好ましい増感色素の一般式(D)を下記に示す。
Figure 2005043732
式中、Z1及びZ2は、同一でも異なっていてもよく、硫黄原子またはセレン原子を表す。Y1及びY4は水素原子を表すほか、Y2が水素原子でない場合のY1、及びY5が水素原子でない場合のY4はメチル基、エチル基、ヒドロキシ基またはメトキシ基を表す。Y2及びY5は水素原子、炭素数3以下の置換されていても良いアルキル基(より好ましくは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシメチル基、ヒドロキシエチル基等。)、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、単環式アリール基(より好ましくは、例えば、フェニル基、トリル基、アニシル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、2−チエニル基、2−フリル基等)、アセチルアミノ基及びプロピオニルアミノ基を表すほか、Y2はY1とで、Y5はY4とで、それぞれ連結し、メチレンジオキシ基、トリメチレン基またはテトラメチレン基をも表す。Y3及びY6は水素原子を表すほか、Y3はY2と、Y6とY5とで、それぞれ連結し、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレン基、テトラメチレン基、またはテトラデヒドロテトラメチレン基をも表す。R1及びR2は同一でも異なっていてもよく、総炭素数12以下の置換されていてもよいアルキル基又はアルケニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基のより好ましい置換基としては、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数6以下のアルコキシ基、炭素数12以下の置換されていてもよいアリール基(例えば、フェニル基、トリル基、スルホフェニル基、カルボキシフェニル基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、4−スルホナフチル基等)、複素環基(例えば、フリル基、チエニル基等)、炭素数12以下の置換されていてもよいアリールオキシ基(例えば、クロロフェノキシ基、フェノキシ基、スルホフェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、炭素数8以下のアシル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、メタンスルホニル基、アセチル基、プロピオニル基等)、炭素数6以下のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、シアノ基、炭素数6以下のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、炭素数8以下の置換されていてもよいアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等)、炭素数12以下の置換されていてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基等)、炭素数12以下のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、メタンスルホンアミノ基等)、炭素数8以下のアシルアミノカルボニル基(例えば、アセチルアミノカルボニル基、メタンスルホニルアミノカルボニル基等)、炭素数7以下のウレイド基(例えば、3−エチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基等)等が挙げられる。置換基は、一個以上有していてもよい。R4は、水素原子を表す他、R4はR3と、又R5とそれぞれ連結して5員環または6員環をも形成出来ることを表す。R4は環を形成しない場合、置換されていても良い低級アルキル基又はフェニル基を表す。Xは、電荷を中和するに必要な対イオンを表す。nは、0または1を表し、分子内塩の場合は0である。
1及びZ2がその構成原子群の一つとなって表される、前述の含窒素複素環核の具体例としては、例えば、ベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、5−エチルベンゾチアゾール、5−プロピルベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5−メトキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、5−p−トリルベンゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾール、5−プロピオニルアミノベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、4,5−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5,6−トリメチレンベンゾチアゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾール、−メチルナフト〔1,2−d〕チアゾール、8−メトキシナフト〔1,2−d〕チアゾール、8,9−ジヒドロナフトチアゾール、ベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾール、5−エチルベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−エトキシベンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾセレナゾール、ナフト〔1,2−d〕セレナゾール、等が挙げられる。R1及びR2が表す基の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、ペンチル基、ヘキシル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、フェネチル基、トリルエチル基、フェノキシエチル基、フェノキシプロピル基、ナフトキシエチル基、スルホフェネチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、カルバモイルエチル基、ヒドロキシエチル基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、エトキシカルボニルメチル基、スルホエチル基、2−クロロ−3−スルホプロピル基、3−スルホプロピル基、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、3−スルホブチル基、4−スルホブチル基、2−(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ)エチル基、2−〔2−(3−スルホプロピルオキシ)エトキシ〕エチル基、アセチルアミノエチル基、メチルスルホニルアミノエチル基、メチルスルホニルアミノカルボニルエチル基、アセチルアニノカルボニルエチル基、等が挙げられる。R4が表す置換されていても良い低級アルキル基または置換されていても良いフェニル基が表す好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−トリル基、等が挙げられる。Xが表す対イオンの具体例としては、カチオンの場合にはカリウム、ナトリウム等のアルカリ金属イオン、トリエチルアンモニウム、N,N−ジメチルベンジルアンモニウム等のアンモニウムイオン、ピリジニウム等のインモニウムイオン等が挙げられ、アニオンの場合には塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン等のハライドイオン、p−トルエンスルホナート、ベンゼンスルホナート等のスルホナートイオン、アセタート等のカルボキシラートイオン、等が挙げられる。前記一般式(D)で表される増感色素に於て、より好ましい増感色素は、一般式(D)により表される増感色素のうち、Z1及びZ2のうちの少なくともいずれか一方が硫黄原子を表す場合であり、Y1及びY4は水素原子を表し、Y2及びY5がそれぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、アセチルアミノ基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、炭素数12以下のアシル基(例えば、ベンゾイル基、ベンゼンスルホニル基、メタンスルホニル基、メタンスルフィル基、アセチル基、プロピオニル基等)を表すほか、Y2はY3と、Y5とY6とで、それぞれ、メチレンジオキシ基、テトラメチレン基、またはテトラデヒドロテトラメチレン基を表す。
以下に一般式(D)で表される増感色素の具体例を挙げる。
Figure 2005043732
Figure 2005043732
Figure 2005043732
(ハロメタン化合物)
本発明に使用するハロメタン化合物は、光カブリの抑制剤として使用され、その機構は、熱と光によりハロラジカルを生成して、ハロゲン化銀粒子のカブリ核を漂白すると考えられ、できるだけ常温ではラジカル生成の解裂反応せず、熱や光の作用を受けたときに、カブリ核を漂白できるハロラジカルを生成するものが好ましい。この特性を引き出すには、トリハロメタン基の置換基の中に、ラジカルの安定機構を取り入れた分子構造を設計するのが好ましい。通常は1個の分子の中に、トリハロメタン基又はジハロメタン基を少なくとも1個有する化合物が好ましく、特に上記ハロメタン基がラジカルの安定性を制御する連結基を介して脂肪族基、芳香族環基或いはヘテロ環基に結合しているものが好ましい。芳香族環やヘテロ環は2価の連結基を介して更に芳香族環やヘテロ環に連結してもよい。芳香族はフェニル基やナフタレン基が好ましく、これら環上にロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基等、ヘテロ環基としては、例えば、ピリジン基、ピリミジン基、キノリン基、フラン環基、チオフェン環基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基等でこれら環上には、芳香族環と同様な置換基を有してもよい。また、芳香族環やヘテロ環上にには、耐拡散性を付与するための基やハロゲン化銀への吸着を促進する基を置換してもよい。トリハロメタン基又はジハロメタン基に隣接する基がスルホニル基やカルボニル基が好ましいが、直接芳香族環やヘテロ環上に結合してもよく、結合の方式は限定されない。芳香族環やヘテロ環は完全に又は部分的に還元された環基が特に好ましい。トリハロメタン基又はジハロメタン基のハロゲン原子としては、臭素原子が好ましいが、塩素、フッ素、沃素でもよく、これらの組み合わせでもよい。好ましい構造を下記一般式(1)に示す。
Figure 2005043732
式中、X1、X2及びX3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子(例えば、臭素原子、塩素原子等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシ岸カルボニル基等)、スルフォニル基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)又はアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)を表すが、少なくとも2つはハロゲン原子である。L1は−C(=O)−、−SO−または−SO2−を表し、pは0または1を表す。
2は環を表し、飽和または不飽和の単環または縮環していてもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環または二環の基(例えばアダマンチル基、シクロブタン基、シクロプロパン基、シクロペンタン基、シクロオクタン基、シクロブテン基、シクロペンテン基、シクロヘキセン基、フェニル、ナフチル等)であり、より好ましくはアダマンチル基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘキセン基、シクロヘキサノン基、シクロペンテン基、フェニル基、ナフチル基であり、更に好ましくは、フェニル基である。Z2がヘテロ環の場合は、N、OまたはSの少なくとも一つの原子を含む3ないし10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環基であり、これらは単環であっても良いし、更に他の環と縮合環を形成してもよい。ヘテロ環基として好ましくは、縮合環を有していてもよい5ないし6員の飽和または不飽和ヘテロ環基であり、より好ましくは縮合環を有していてもよい5ないし6員の芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含む縮合環を有していてもよい5ないし6員の飽和または不飽和ヘテロ環基であり、特に好ましくは窒素原子を1ないし4原子含む縮合環を有していてもよい5ないし6員の不飽和ヘテロ環基である。このようなヘテロ環基におけるヘテロ環として、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、ホスホレン、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニン、テトラザインデンであり、より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾールであり、特に好ましくはピリジン、トリアジン、ベンズオキサゾール、キノリン、ベンズチアゾールである。これらの化合物の具体例を以下に挙げる。
Figure 2005043732
Figure 2005043732
本発明の内包化増感剤と併用する酸化剤、増感色素及びハロメタン化合物は、本発明の内包化剤の1モルに対して1×10-2〜1×103モル添加することが好ましい。添加する位置は、ハロゲン化銀の存在する感光層に限定する必要がなく、隣接層や下塗り層でもよい。添加する方法は、内包化剤と同様な方法で添加することができる。
次に本発明の光熱写真画像形成材料使用される、フタラジン化合物、有機銀塩、還元剤、感光性ハロゲン化銀粒子、結合剤、染料、マット剤その他支持体等について順次説明する。
(フタラジン化合物)
本発明に使用するフタラジン化合物は、現像促進作用を示すもので、その機構は有機銀塩からの銀イオンを、フタラジン銀錯体を形成して物理現像核の銀粒子へ供給するキャリアーとして作用するもので、フタラジン環に各種置換基を導入して得ることができる。好ましいフタラジン化合物は一般式(2)で示すことができる。
Figure 2005043732
式中、R2〜R7は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、芳香族基、ヘテロ環基を表す。置換基の機能として拡散性を制御する基、吸着性基、酸性基等の基であってもよい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基の炭素数は、1〜60が好ましく、特に好ましくは、1〜40である。炭素数が40より多いとカブリ抑制、色調や保存性において良い効果が得られなくなる。フタラジンの合成方法は、WO96/05176A号を参考に合成することができる。好ましいフタラジン化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2005043732
(有機銀塩)
本発明の光熱写真画像形成材料に含有される有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸、ヘテロ有機酸及び酸ポリマーの銀塩などが用いられる。また、配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。銀塩の例は、Research Disclosure第17029及び29963に記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩)等が挙げられる。
(感光性ハロゲン化銀粒子)
本発明の光熱写真画像形成材料の感光層中に含有される感光性ハロゲン化銀は、シングルジェット若しくはダブルジェット法などの写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等のいずれかの方法で予め調製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中に導入することができる。この場合に感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光性ハロゲン化銀を調製するときの保護ポリマーとして米国特許第3,706,564号、同第3,706,565号、同第3,713,833号、同第3,748,143号、英国特許第1,362,970号各明細書に記載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許第1,354,186号明細書に記載されているような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は米国特許第4,076,539号明細書に記載されているように感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各手段を適用することができる。
感光性ハロゲン化銀は、画像形成後の白濁を低く抑えるために、また良好な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好ましい。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.01〜0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好ましい。又、ハロゲン化銀の形状としては特に制限はなく、立方体、八面体の所謂正常晶や正常晶でない球状、棒状、平板状等の粒子がある。又ハロゲン化銀組成としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。
上記ハロゲン化銀の量はハロゲン化銀及び後述の有機銀塩の総量に対し50質量%以下好ましくは25〜0.1質量%、更に好ましくは15〜0.1質量%の間である。上記のハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的にあわせ適宜設定することができるが、通常、反応温度は−20℃〜70℃、その反応時間は30秒〜15時間であり、その反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。
上記した各種の方法によって調製される感光性ハロゲン化銀は、本発明の内包化増感剤の1種単独や組みあわせの他に金化合物、白金化合物、パラジウム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感することができる。この化学増感の方法及び手順については、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許第1,518,850号等の各明細書、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号等の各公報に記載されている。又ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許第3,980,482号明細書に記載されているように、増感剤を存在させてもよい。
又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整のために元素周期律表の6族から10族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させることができる。特に元素周期律表の6族から10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましく、中でも印刷製版用感光材料に使用される場合はRh、Re、Ru、Ir、Osから選ばれることが好ましい。これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に導入できる。
金属のイオン又は錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等の各公報に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。好ましくは粒子内部に分布をもたせることができる。これらの金属化合物は、水或いは適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
(還元剤)
本発明に使用する好ましい還元剤は、光熱写真画像形成材料に含有され、熱現像で還元作用を示すもので、米国特許第3,770,448号、同3,773,512号、同3,593,863号等の各明細書に記載されているものを挙げることができる。特に好ましい還元剤は、ヒンダードフェノール類である。ヒンダードフェノール類としては、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005043732
式中、Rは水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(例えば、−C49、2,4,4−トリメチルペンチル)、芳香族環基(例えば、フェニル基、ナフチル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基等)、又はヘテロ環基(フリル基、チオフェニル基、ピリジル基、オキサゾリル基、チアゾリル基等)を表し、R′及びR″は全て水素原子であることはなく、それぞれ独立に炭素原子数1〜25の直鎖又は分枝のアルキル基(例えば、メチル、エチル、t−ブチル)を表す。特に式中、Rが不飽和環基であることが好ましく、特にシクロへキセニル基が好ましい。
一般式(3)で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発明は、以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 2005043732
前記一般式(3)で表される化合物を始めとする還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当り1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜3モルである。添加方法は、前期内包化剤の添加方法と同様な方法を採用することができる。
(結合剤)
本発明の光熱写真画像形成材料の感光層又は非感光層に用いられる高分子結合剤としては、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤が反応する場として好ましい素材、熱消色染料が80〜200℃以下の熱で消色する反応に好ましい素材、あるいは塩基発生前駆体が熱により速やかに塩基を発生するような素材が選択される。上記高分子結合剤としては例えばメタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等を含む極性溶媒に溶解して用いられるポリマーと、水分散系ポリマーとがあり、本発明の光熱写真画像形成材料の高分子結合剤としては、いずれでもよい。また、好ましいポリマーの組成について更にガラス転移点が−20℃から80℃が好ましく、特に−5℃から60℃が好ましい。ガラス転移点が高いと熱現像する温度が高くなり、逆に低いとカブリが発生し易くなり、感度の低下や軟調になるからである。
上記極性溶媒等に溶解して用いられるポリマーとしては例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、デンプンおよびその誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などが挙げられる。更に乾燥後、膜を形成したのち、その塗膜の平衡含水率の低いものが好ましく、特に含水率の低いものとして、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(メチルメタクリル酸)などのポリ(アクリル酸エステル)類、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類を挙げることができる。
(架橋剤)
結合剤は、単独で造膜することにより、下層や上層との接着を保持し、傷の付きにくい膜強度を得ることができるが、架橋剤を使用することにより更に膜接着や膜強度を高めることができる。又、架橋剤は他に上記膜物性向上のためのみでなく、カブリ抑制や保存性をよくすることができる。その機構は、以下のように考えられる。支持体や下塗り層の表面にコロナ放電処理することにより生成するアミン化合物類は、塗布された感光層へ移行し、カブリを増大させる。しかし、該アミン化合類を捕捉したり、不活性化する架橋剤の存在は、カブリ発生を抑制する。上記アミン化合物の生成は、空気中の窒素と膜中の水素原子や場合によっては酸素原子等がコロナ放電時にプラズマ状態になり、原子の再配列が進行することによる。pH調節剤として使用するアンモニア水もカブリ増大の起因物質として反応に預かると考えられる。その他に、写真添加剤として使用される素材の中の微量の不純物の中にカブリを増大させるものやカルコーゲン増感剤の使用において、増感後生成する分解物のアミン化合物類があると推定されている。架橋剤の使用に際しては、下塗り層、AH層、感光層、保護層、バッキング層又はバッキング保護層等に添加する方法等がある。塗布液の安定性の観点から、塗布直前にスタチックミキサーを使用して添加することが好ましいが、塗布液の調製時に添加してもよい。好ましい架橋剤は、イソシアナート基又は、ビニルスルホニル基を有する架橋剤が好ましい。特に好ましい架橋剤はイソシアナート基又はビニルスルホニル基を少なくとも2個、より好ましくは3個有する多官能型架橋剤を挙げることができる。ビニルスルホニル化合物の合成方法は、特開2003−2874号を参考にすることができる。好ましい架橋剤としてH1〜H13を下記に示す。
(H1) ヘキサメチレンジイソシアナート
(H2) ヘキサメチレンジイソシアナートの3量体
(H3) トリレンジイソシアナート
(H4) フェニレンジイソシアナート
(H5) キシリレンジイソシアナート
Figure 2005043732
本発明の内包化増感剤と併用するイソシアナート基又はビニルスルホニル基を有する化合物は、本発明の内包化増感剤の1モルに対して1×10-2〜1×103モル添加することが好ましい。添加する位置は、ハロゲン化銀の存在する感光層に限定する必要がなく、隣接層や下塗り層でもよい。添加する方法は、内包化増感剤と同様な方法で添加することができる。
(必要によってAI層又はバッキング層に使用される染料)
本発明の光熱写真画像形成材料は、必要により該光熱写真画像形成材料のイラジエーション防止用又はハレーション防止用のAI層又はバッキング層が設けられ、該AI層又はバッキング層に用いられる染料としては画像露光光を吸収する染料であればよいが、好ましくは前述した米国特許第5,384,237号公報等に記載される熱消色性染料が用いられる。用いられる染料が熱消色性でない場合は、使用量が光熱写真画像形成材料に画像障害を及ぼさない範囲に限定されるが、熱消色性染料であれば必要にして十分な量の染料を添加することができる。
(マット剤)
マット剤としては有機物及び無機物の何れでもよく、無機物のマット剤としては、例えばスイス特許第330,158号明細書に記載のシリカ、スイス特許第330,158号明細書に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号明細書に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号明細書に記載のポリカーボネート等を用いることができる。
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算したときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μmである。又、粒子の単分散度は50以下であることが好ましく、更に好ましくは40以下であり、特に好ましくは20以下となるマット剤である。ここで、粒子の単分散度は粒子径の標準偏差を粒子径の平均値で割り100を掛けた数字で表される。本発明に係るマット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。
(支持体)
支持体としては、紙、合成紙、不織布、金属箔、プラスチックフィルムなどの支持体が使用可能であり、またこれらを組み合わせた複合シートを任意に用いてもよい。
(画像露光)
露光方法としては、特開平9−304869号明細書、同9−311403号および特開2000−10230号明細書記載の方法によりレーザー露光することができる。
(熱現像装置)
光熱写真画像形成材料を現像する装置は、特開平11−65067号明細書、同11−72897号および同84619号明細書記載の装置を使用することができる。
写真性能において高い感度と低いカブリの優れ、現像前の保存性と現像後の保存性に優れる光熱写真画像形成材料を提供する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の実施の態様はこれらにより限定れない。
〈カーボンナノチューブに内包化した増感剤(以後、内包化増感剤という)の作製〉
レーザー蒸着法を用いて、触媒の種類と電気炉の温度を調整することで、カーボンナノチューブの直径分布を制御し、直径が10nm、長さ40nm程度のカーボンナノチューブを合成した。触媒として、NiとCoの合金触媒を用いた。以下にカーボンナノチューブ合成条件を示す。ターゲット:Ni/Co(0.4/0.4質量%)触媒含有グラファイトターゲット雰囲気ガス:アルゴン50662Pa電気炉温度:1250℃レーザー出力:260mJ/パルス(10Hz)、レーザースポットサイズ:6mmにおけるナノチューブ含有率は65%であった。このすすを過酸化水素還流法により精製し、高純度ナノチューブ100gを得ることができた。なお、この精製過程でナノチューブの両端を形成している5員環が分解され、ナノチューブの両端には欠陥部分が生じ、筒状又はストロー状の穴あきナノチューブが形成された。得られた上記ナノチューブをパイレックス(R)管に高真空下で封じ込め、その後260℃の温度で3時間保持した。この温度で、表1に示す本発明の不安定カルコーゲン化合物を、蒸発、気化又は昇華させ、ナノチューブの内部に導入し、内包化増感剤を作製した。反応後は、試料をトルエン中で超音波洗浄し、ナノチューブの外側についた有機化合物を除去した。導入の確認は、質量分析計で行った。平均含有率は、硫黄化合物で5質量%、有機セレン化合物で4質量%、有機テルル化合物で3質量%であった。
〈下引済み支持体の作製〉
厚さ175μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面に600W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1を設け、また反対側の面に下記下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層B−1を設けた。
《下引塗布液a−1》
ブチルアクリレート(30質量%)、t−ブチルアクリレート(20質量%)、
スチレン(25質量%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(25質量%)
の共重合体ラテックス液固形分30%) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1lに仕上げる。
《下引塗布液b−1》
ブチルアクリレート(40質量%)、スチレン(20質量%)、
グリシジルアクリレート(40質量%)の共重合体ラテックス液(固形分30%)
270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1lに仕上げる。
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、600W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層A−2を設け、下引層B−1の上には下記下引上層B−2を設けた。
《下引上層A−2》
ゼラチン 0.43g/m2
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.01g/m2
《下引上層塗布液B−2》
スチレンブタジエン共重合ラテックス液(固形分20%) 0.08g/m2
ポリエチレングリコール(質量平均分子量600) 0.06g/m2
〈化学増感されたハロゲン化銀粒子乳剤Aの調製〉
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度28℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む(トータルハロゲンモル数が硝酸銀74gと等モル)水溶液370mlをpAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で10分間かけて添加した。硝酸銀の添加と同期してヘキサクロロイリジウムのナトリウム塩を10-6モル/銀1モル添加した。その後4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ36nm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、1Lに仕上げpH5.9、pAg7.5に調整して、この時点で化学熟成を行う場合には、内包化増感剤をハロゲン化銀1モル当たり2×10-5モルなるように加え、60℃48分化学熟成を行い(ここでの内包化増感剤による化学増感をJ−1法と略す)、熟成終了後、再度凝集沈降後、36℃24時間乾燥してハロゲン化銀粒子乳剤Aを350gを得た。前記又は後述する化学熟成を行うときに更に酸化剤、色素又はハロメタン化合物をハロゲン化銀1モル当たり1×10-5モル加えて化学熟成行う実験も行った。
〈水分散有機銀塩の調製〉
4720mlの純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。上記の有機酸ナトリウム溶液の温度を55℃に保ったまま、前記ハロゲン化銀粒子乳剤A(銀0.038モルを含む)と純水420mlを添加し5分間攪拌した。次に1モル/リットルの硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、さらに20分攪拌し、この時点で化学熟成を行う場合には、内包化増感剤をハロゲン化銀1モル当たり、2×10-5モル加え加え化学熟成を57℃46分行った(ここでの内包化増感剤による化学増感をJ−2法と略す)。熟成終了後、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、最後に乾燥し、固形分335gを得た。
〈感光層及びバッキング層の塗布〉
前記下引層を施した支持体上に以下の各層を順次形成し、試料を作製した。尚、乾燥は各々45℃,1分間で行った。
《バッキング層側塗布》
バック面側には以下の熱消色性染料組成物の水溶液又は水分散体にさらに水に加えて調製した塗布液を以下の付き量なるように塗布乾燥してバッキング層を形成した。
《バッキング層塗布》
イナートゼラチン 1.8g/m2
染料C 1.2×10-5モル/m2
活性剤:N−プロピルオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2
ジヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 0.02g/m2
架橋剤:1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン 0.02g/m2
《バッキング保護層の塗布》
イナートゼラチン 1.1g/m2
架橋剤:1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン 0.01g/m2
活性剤:N−プロピルパーフロロオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2
マット剤(PMMA:平均粒子径5μm) 0.12g/m2
イナートゼラチン 1.8g/m2
染料C 1.2×10-5モル/m2
活性剤:N−プロピルオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2
ジヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 0.02g/m2
架橋剤:1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン 0.02g/m2
《バッキング保護層の塗布》
イナートゼラチン 1.1g/m2
架橋剤:1,2−ビス(ビニルスホンアミド)エタン 0.01g/m2
活性剤:N−プロピルパーフロロオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2
マット剤(PMMA:平均粒子径5μm) 0.12g/m2
《感光層側の塗布》
《イラジエーション防止層の塗布》
結合剤PVB−1 0.4g/m2
染料C 1.2×10-5モル/m2
感光層形成のため以下の組成物をメチルエチルケトン溶媒に溶解した塗布液を調製した。この塗布液を43℃に保ち、この時点で化学熟成を行う場合には、内包化化学増感剤をハロゲン化銀1モル当たり3×10-5モル加え、49分間化学熟成を行った。以下の付き量になるように塗布乾燥した。銀量として0.86g/m2になる量の調製液をポリマー結合剤と混合した。
結合剤PVB−1 2.6g/m2
フタラジン化合物:一般式(2)で示される化合物:表1記載
1.2×10-4モル/m2
分光増感色素:表1記載 2×10-5モル/m2
カブリ防止剤−1:ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 0.3mg/m2
カブリ防止剤−2:イソチアゾロン 1.2mg/m2
還元剤:一般式(3)で示される化合物 3×10-3モル/m2
架橋剤:表1記載 2×10-5モル/m2
《表面保護層》
以下の組成物を加えて調製した塗布液を、以下の付き量になるように感光層上に塗布乾燥して表面保護層を形成した。
セルロースアセテートブチレート 1.2g/m2
4−メチルフタル酸 0.7g/m2
テトラクロロフタル酸 0.2g/m2
テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2
シリカマット剤(平均粒径5μm) 0.5g/m2
界面活性剤E 0.1g/m2
Figure 2005043732
〈写真性能の評価〉
上記作製した試料を5cm×12cmのサイズで50枚用意した後、2つに分け、一方を23℃で46%RHの雰囲気下、810nmの半導体レーザー露光用の感光計で露光し、露光後130℃で8秒間加熱後、得られた試料の写真性能を評価した(常温写真性能)。別の一方は23℃RH46%で機密性のアルミ箔包装袋に減圧(10hPa)熱シールし、48℃の恒温室に30日間保存した後、同様に露光、現像して性能を評価した(高温写真性能、即ち、生保存性)。なお、レーザー露光及び現像処理は23℃±1℃相対湿度54%±1%に調湿した部屋で行った。
上記感度およびカブリの測定は透過光用濃度計により測定した。感度はカブリ濃度より0.3高い濃度を与える露光量の比の逆数で評価し、試料101を基準(100)として相対評価で表した。現像後の保存性(画像保存性)は、現像済み試料を10000ルクスの輝度のシャウカステン上に10時間放置した後の光カブリ値を示した。
Figure 2005043732
表1より本発明の内包化増感剤を単独又は酸化剤、ハロメタン化合物又は色素の存在下に使用すると現像時の写真性能(感度及びカブリ特性)、生保存性及び画像保存性が優れていることがわかる。本発明に更にフタラジン、ヒンダードフェノール化合物或いはイソシアナート又はビニルスルホニル架橋剤で更に架橋されると熱現像時の常温写真性能および生保存性及び画像保存性が向上していることがわかる。

Claims (7)

  1. 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を設けた光熱写真画像形成材料に於いて、該感光性ハロゲン化銀粒子がカーボンナノチューブに内包化された不安定カルコーゲン化合物で化学増感されていることを特徴とする光熱写真画像形成材料。
  2. 前記感光性ハロゲン化銀粒子が酸化剤の存在下で化学増感されていることを特徴とする請求項1に記載の光熱写真画像形成材料。
  3. 前記感光性ハロゲン化銀粒子が増感色素の存在下で化学増感されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光熱写真画像形成材料。
  4. 前記感光性ハロゲン化銀粒子がハロメタン化合物の存在下で化学増感されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
  5. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中にフタラジン化合物及びヒンダードフェノール化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
  6. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中にイソシアナート基又はビニルスルホン基を少なくとも1つ有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
  7. 前記感光性ハロゲン化銀粒子が有機銀塩の存在下で化学増感されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光熱写真画像形成材料。
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