JP2005039639A - テレビジョン放送システムおよび方法、送信装置および方法ならびに受信装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 テレビジョン放送のデジタル化が行われても、莫大な費用をかけず、現行のアナログテレビジョン放送システムとの互換性を保ち、受信の安定化による画質の改善が可能なテレビジョン放送システムおよび方法、送信装置および方法ならびに受信装置および方法を提供する。
【解決手段】 従来、NICAM方式などのテレビジョン放送システムで使用されている、アナログ放送の映像信号を搬送する映像信号搬送波の周波数A、アナログ放送の音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波の周波数B、デジタル音声の音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波の周波数Cからなるチャンネル周波数構成で、高圧縮符号化したデジタルテレビジョン信号をデジタル変調して第2の音声信号搬送波で搬送する。
【選択図】 図1
【解決手段】 従来、NICAM方式などのテレビジョン放送システムで使用されている、アナログ放送の映像信号を搬送する映像信号搬送波の周波数A、アナログ放送の音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波の周波数B、デジタル音声の音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波の周波数Cからなるチャンネル周波数構成で、高圧縮符号化したデジタルテレビジョン信号をデジタル変調して第2の音声信号搬送波で搬送する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、テレビジョン放送システムおよび方法、送信装置および方法ならびに受信装置および方法に関し、特に、放送のデジタル化の際に適用して好適なものである。
音声多重方式の一つに、NICAM(Near Instantaneous Companded Audio Multiplex)方式がある。NICAM方式は、デジタル音声信号をアナログ(FM)音声信号の音声信号搬送波とは別の音声信号搬送波にQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調して伝送する準瞬時圧伸方式である。
NICAM方式によるテレビジョン放送は、走査線数625本のPAL I方式を採用しているイギリスで既に実施されており、B/G方式を採用しているヨーロッパの一部でも採用され始めている。NICAM方式によるテレビジョン放送は、走査線数525本の日本やアメリカなどが採用しているM方式、さらにはN方式などでも利用可能であり、NICAM方式の利用に関する様々な提案がなされている。
下記の特許文献1には、NICAM方式によるテレビジョン放送を良好に受信するために、受信時に受信しているデジタル音声信号のエラー回数が所定値を超えた場合に、受信しているデジタル音声信号を他の音声信号に切り換える受信方法および装置が記載されている。
ところで、世界的にメディアのアナログからデジタルへの移行時期を迎えており、欧米日をはじめ各国でテレビジョン放送のデジタル化が進みつつある。デジタルテレビジョン放送の方式としては主要なものが運用され国際規格に組み込まれつつある。これらの方式は用途目的がさまざまで、HD(High Definition)伝送に主眼をおくもの、SD(Standard Definition)主体でチャンネル数を増やし、かつ受信の安定化を目指すもの、移動や携帯での受信まで視野に入れるものまである。
しかしながら、上述したデジタルテレビジョン放送の方式は、何れも従来から放送されているアナログテレビジョン放送との間に設備の点を主体として、殆ど互換性がなく、放送システム全体を構築する場合、その殆どが新規構築となってしまうという問題点がある。また、デジタルとアナログの放送システムが混在する過渡期において、その両システム間での妨害関係の発生を抑えることが困難であるという問題点がある。これらの問題点に対処するためには、莫大な費用が想定される。
したがって、この発明の目的は、テレビジョン放送のデジタル化が行われても、莫大な費用をかけず、現行のアナログテレビジョン放送システムとの互換性を保ち、受信の安定化による画質の改善が可能なテレビジョン放送システムおよび方法、送信装置および方法ならびに受信装置および方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を送信装置が送信し、送信装置が送信したテレビジョン信号を受信装置が受信するテレビジョン放送システムにおいて、送信装置が、デジタルテレビジョン信号を圧縮符号化する符号化手段とを有し、符号化手段で圧縮符号化されたデジタルテレビジョン信号を第2の音声信号搬送波で搬送し、受信装置が、受信したデジタルテレビジョン信号を復号化する復号化手段と、復号化されたデジタルテレビジョン信号をテレビジョン信号として出力する出力手段とを有するテレビジョン放送システムである。請求項4に係る発明は、それら手段によるテレビジョン放送方法である。
また、請求項5に係る発明は、アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を送信可能な送信装置において、デジタルテレビジョン信号を圧縮符号化する符号化手段を有し、符号化手段で圧縮符号化されたデジタルテレビジョン信号を第2の音声信号搬送波で搬送する送信装置である。請求項8に係る発明は、それら手段による送信方法である。
また、請求項9に係る発明は、アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を受信可能な受信装置において、第2の音声信号搬送波で圧縮符号化が施されたデジタルテレビジョン信号を受信し、受信したデジタルテレビジョン信号を復号化する復号化手段と、復号化されたデジタルテレビジョン信号をテレビジョン信号として出力する出力手段とを有する受信装置である。請求項12に係る発明は、それら手段による受信方法である。
この発明によるテレビジョン放送システムおよび方法によれば、送信装置がデジタルテレビジョン信号を圧縮符号化して第2の音声信号搬送波で搬送し、受信装置が受信した圧縮符号化が施されたデジタルテレビジョン信号を復号化してテレビジョン信号として出力するため、従来のテレビジョン放送システムの構成を殆ど変えることなく、第2の音声信号搬送波で搬送する信号の内容を変えるだけで、アナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを送信装置から受信装置へ送出することができる。
この発明による送信装置および方法によれば、デジタルテレビジョン信号を圧縮符号化して第2の音声信号搬送波で搬送しているため、従来のテレビジョン放送の送信装置の構成を殆ど変えることなく、第2の音声信号搬送波で搬送する信号の内容を変えるだけで、アナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを受信装置へ送出することができる。
この発明による受信装置および方法によれば、受信した圧縮符号化が施されたデジタルテレビジョン信号を復号化してテレビジョン信号として出力するため、従来のテレビジョン放送の受信装置の構成を殆ど変えることなく、アナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを送信装置から受信することができる。
この発明の送信装置および方法によれば、搬送波で搬送する信号の内容を変更するだけで、従来のアナログテレビジョン放送波の生成過程を殆ど変えることなくアナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号を送出できる。また、この発明の受信装置および方法によれば、この発明の送信装置および方法により送出されたアナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号を受信できる。
したがって、この発明では、設備の改変を殆ど行うことなく現行のアナログテレビジョン放送システムとの互換性を保ち、安価にデジタルテレビジョン放送を供給する環境を構築することができるという効果を奏する。また、妨害関係等の周波数配置を改めて考慮することなく難視聴用のデジタル放送を視聴者に提供することができるという効果を奏する。
この発明は、多々あるアナログ放送のデジタル化における目的用途の中で、発展途上国等において莫大な費用をかけずに現行のアナログ放送システムとの互換性を保ちながら主として受信の安定化による画質の改善を目的としたデジタル放送の提供を可能とするテレビジョン放送システムを提案するものである。
まず、この発明に適用可能な地上波テレビジョン放送について説明する。世界では、テレビジョンの地上波送信信号の特性として、B/G方式、I方式、D/K方式、L/L’方式を採用している地域が多い。これら方式では、音声信号搬送波が映像信号搬送波の位置から+5.5MHz、+6.0MHz又は+6.5MHz程度離れた位置にあるものが殆どである。また、これら方式を採用している地域で、さらに音声多重放送を行っている地域がある。音声多重放送は、従来の音声信号(主音声)に、別の音声信号(副音声)を付加して、二重音声、ステレオ音声を可能にしたものである。
イギリス、北欧の一部などの地域では、音声多重方式として準瞬時圧伸音声多重方式、所謂NICAM方式が運用されている。NICAM方式では、FM変調によるアナログ音声信号に加えてステレオデジタル(PCM)音声信号を伝送する。デジタル音声信号は、アナログ音声信号の音声信号搬送波(以下、適宜、第1の音声信号搬送波と称する)とは別の音声信号搬送波(以下、適宜、第2の音声信号搬送波と称する)にQPSK変調して伝送される。第2の音声信号搬送波の位置は、第1の音声信号搬送波の内側か外側に通過帯域364kHzppとされている。
図1は、NICAM方式による音声多重放送を実施している地域での、各チャンネルでのアナログテレビジョン放送の周波数構成の一例である。図1に示す例は、スウェーデンにおけるB/G方式の放送波であり、8MHzのチャンネルバンドで構成される。チャンネルバンド内には、映像信号搬送波の周波数Aがあり、映像信号搬送波の周波数Aから5.5MHz離れた周波数Bの位置に第1の音声信号搬送波がある。そして、そこから0.35MHz外側の周波数CにNICAM搬送波、すなわち第2の音声信号搬送波がある。
NICAM方式のビットレートは、728kbpsと決められている。これは、QPSK変調で1シンボル2ビット伝送されていることから、728÷2=364kHzppがシンボルレート、即ち周波数帯域であることが分かる。この発明では、このシンボルレートを前提とする。
この発明では、このNICAM搬送波の周波数帯域にMPEG(Moving Picture Experts Group)4、H.264などの符号化方式で高圧縮符号化された映像/音声のストリームを流すことにより、一つのテレビジョン番組を生成する。以下、SDの画質に対してNICAM搬送波のバンド幅が十分であるかを試算する。
ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial;サービス統合地上デジタル放送)システムの1セグ受信の伝送レートを考えた場合、QPSK変調での符号化率を1/2と想定すると、0.992kHz×384本×2シンボル÷2×188÷204(RS)×8÷9(GI)=312kbpsとなる。現在、日本のISDB−Tシステムでは、この構成でSD伝送の目処をたてている。詳細は、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD−B31を参照のこと。
一方、NICAM搬送波でのQPSK変調での伝送を考えた場合、単一搬送波で考えると、364kHz×2シンボル÷2(符号化率)×188÷204(RS)=335kbpsとなり、上述した前提に基づけばSD伝送は可能である。
但しこの場合、ISDB−Tと異なり、ゴーストに対する対策は、NICAM搬送波自身では有さないが、映像信号搬送波のゴーストリデュース機能を期待することができる。単純なAWGN(Additive White Gaussian Noise;加算的白色ガウス雑音)環境下では、ISDB−Tの符号化率が1/2のQPSK伝送では擬似エラーフリー(QEF;Quasi-Error Free)ラインが−95dBm前後の実力である。NICAM搬送波は、映像信号搬送波に対して通常20dBのレベル差を設けているので、−95+20=−75dBm程度の実効QEFと考えられる。
図2は、この発明によるテレビジョン放送システムの全体構成の一例を示す。放送局1は、送信装置10を所有しており、視聴者2は、受信装置30を所有している。送信装置10は、放送番組のテレビジョン信号をテレビジョン放送波として送出する。受信装置30は、テレビジョン放送波を受信して画面等に出力する。
図3は、この発明の一実施形態による送信装置の一例の構成を示す。なお、この発明と直接関連しない変調器以外の部分は図示および説明を省略するが従来と同様であるものとする。図3に示す送信装置10は、高圧縮符号化装置11、NICAM(QPSK)変調器12、中間周波(IF)変調器13、オールチャンネルコンバータ14などからなる変調器を備えている。
この変調器は、従来のNICAM方式による音声多重放送システムと同じ構成であるが、NICAM搬送波で搬送するデジタル音声信号のストリームを高圧縮符号化されたテレビジョンのストリームとしている。
すなわち、SDのデジタルテレビジョンの映像信号および音声信号が高圧縮符号化装置11に入力される。高圧縮符号化装置11は、入力された映像信号および音声信号に圧縮符号化を施し、ビットストリームを生成する。高圧縮符号化装置11では、例えばMPEG4、H.264などの符号化方式を用いて高圧縮符号化が行われる。
高圧縮符号化装置11で生成されたビットストリームは、NICAM変調器12に送られる。NICAM変調器12は、入力されたビットストリームをQPSK変調し、QPSK信号を生成する。NICAM変調器12で生成されたQPSK信号は、中間周波変調器13に送られる。このQPSK変調は、NICAM方式のテレビジョン放送の送信装置の変調器を利用できるため、ここでは、NICAM変調器12と呼んでいる。
中間周波変調器13は、入力されたQPSK信号から、QPSK中間周波信号を生成する。中間周波変調器13には、さらにアナログ放送用の映像信号と音声信号が入力される。中間周波変調器13は、入力されたアナログ放送用の映像信号から、映像中間周波信号を生成し、入力されたアナログ放送用の音声信号から、音声中間周波信号を生成する。
上述したように、SDのデジタルテレビジョン信号は、NICAM搬送波で搬送することが可能である。したがって、これら映像中間周波信号、音声中間周波信号、QPSK中間周波信号を、それぞれ図1で例示したような、所定の映像信号搬送波の周波数、第1の音声信号搬送波の周波数、第2の音声信号搬送波の周波数の位置関係となるよう多重化し、中間周波のRF信号を生成する。
生成された中間周波のRF信号は、オールチャンネルコンバータ14に送られる。オールチャンネルコンバータ14は、入力された中間周波のRF信号を所定のチャンネル周波数に変換して、テレビジョン放送波を生成する。そして、オールチャンネルコンバータ14で生成されたテレビジョン放送波を送信アンテナ15から送出する。
図4は、この発明の一実施形態による受信装置の一例の構成を示す。なお、この発明と直接関連しない復調器以外の部分は図示および説明を省略するが従来と同様であるものとする。図4に示す受信装置20は、チューナ22、中間周波(IF)復調器23、NICAM(QPSK)復調器24、高圧縮復号化装置25などからなる復調器を備えている。
チューナ22は、指定されたチャンネル周波数のテレビ放送波を受信アンテナ21により受信し、RF信号として入力する。チューナ22に入力されたRF信号は、中間周波復調器23に入力される。中間周波復調器23は、入力されたRF信号を所定の中間周波数に変換してから、映像信号搬送波の周波数からアナログ放送用の映像信号を分離し、第1の音声信号搬送波の周波数からアナログ放送用の音声信号を分離し、第2の音声信号搬送波の周波数からQPSK信号を分離する。
中間周波復調器23で取り出されたアナログ放送用の映像信号と音声信号は、アナログテレビジョン信号としてそれぞれ出力される。中間周波復調器23で取り出されたQPSK信号は、NICAM(QPSK)復調器24に送られる。NICAM復調器24は、入力されたQPSK信号をQPSK復調して、ビットストリームを生成する。このQPSK復調は、NICAM方式によるテレビジョン放送の受信装置の復調器を利用できるため、ここでは、NICAM変調器12と呼んでいる。QPSK復調して得られたビットストリームは、高圧縮復号化装置25に送られる。
高圧縮復号化装置25は、入力されたビットストリームに圧縮復号化を施し、デジタルテレビジョンの映像信号と音声信号を生成して出力する。
以上説明したように、この発明の一実施形態による送信装置10によれば、高圧縮符号化装置11でデジタルテレビジョン信号を圧縮符号化して、中間周波変調器13でNICAM方式のテレビジョン放送におけるデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波で搬送するよう多重化している。これにより、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送の送信装置の構成を殆ど変えることなく、アナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを受信装置20へ送出することができる。
また、この発明の一実施形態による受信装置20によれば、受信したテレビジョン放送波から、中間周波復調器23でNICAM方式のテレビジョン放送におけるデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波で搬送される圧縮符号化が施されたデジタルテレビジョン信号を分離し、分離したデジタルテレビジョン信号を高圧縮復号化装置25で復号化して映像信号と音声信号を出力している。これにより、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送の受信装置の構成を殆ど変えることなく、送信装置10からのアナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを受信することができる。
すなわち、この発明の一実施形態によるテレビジョン放送システムによれば、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送システムの構成を殆ど変えることなく、アナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを送信装置10から受信装置20へ送ることができる。
したがって、この発明の一実施形態では、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送波の生成過程を殆ど変えることなくアナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号を送出するので、設備の改変を殆ど行うことなく現行のアナログテレビジョン放送システムとの互換性を保ち、安価にデジタルテレビジョン放送を供給することができる。また、チャンネル周波数の構成は、従来と同じであるため、妨害関係等の周波数配置を改めて考慮することなく難視聴用のデジタル放送を視聴者に提供することができる。
また、圧縮符号化されたデジタルテレビジョン信号を送信装置10のNICAM変調器12でQPSK変調し、QPSK変調したデジタルテレビジョン信号を受信装置20のNICAM復調装置24でQPSK復調しているので、従来のNICAM方式のテレビジョン放送の送信装置で用いているQPSK変調装置および受信装置で用いているQPSK復調装置を利用できるため、安価にロバストなデジタルテレビジョン放送を供給できる地上デジタル放送システムを実現することができる。
上述した一実施形態によるテレビジョン放送システムは、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送システムにおけるデジタル音声のストリームをMPEG4、H.264などの符号化方式で高圧縮符号化されたデジタルテレビジョンストリームに替えるだけであった。以下、他の実施形態として、周波数帯域は従来のNICAM方式と共通のものを使用し、デジタルテレビジョンストリームの変調をISDB−TなどのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex;直交周波数分割多重)波を想定し伝送する場合について説明する。
以下、SDの画質に対してNICAM搬送波のバンド幅が十分であるかを試算する。ここでは、ある程度のマルチパス対策を考慮し、1/32のガードインタバルを想定する。単一波であろうがマルチキャリアであろうが全体の伝送量は変わらないので、364kbps×188÷204×32÷33=325kbpsとなる。ISDB−Tの場合より、まだ若干ビットレートが高めではあるが、一実施形態での前提に基づくとSD伝送は可能である。
図5は、この発明の他の実施形態による送信装置の一例の構成を示す。なお、この発明と直接関連しない変調器以外の部分は図示および説明を省略するが従来と同様であるものとする。図5に示す送信装置30は、高圧縮符号化装置31、OFDM変調器32、中間周波(IF)変調器33、オールチャンネルコンバータ34などからなる変調器を備えている。
この変調器は、従来のNICAM方式による音声多重放送システムとほぼ同じ構成であるが、NICAM搬送波で搬送するデジタル音声信号のストリームを高圧縮符号化されたテレビジョンのストリームとし、その変調をQPSK変調でなくOFDM変調としている。
すなわち、SDのデジタルテレビジョンの映像信号および音声信号が高圧縮符号化装置31に入力される。高圧縮符号化装置31は、入力された映像信号および音声信号に圧縮符号化を施し、ビットストリームを生成する。高圧縮符号化装置31では、例えばMPEG4、H.264などの符号化方式を用いて高圧縮符号化が行われる。
高圧縮符号化装置31で生成されたビットストリームは、OFDM変調器32に送られる。OFDM変調器32は、入力されたビットストリームをOFDM変調し、OFDM信号を生成するデジタル変調キャリア生成設備である。OFDM変調器32で生成されたOFDM信号は、中間周波変調器33に送られる。
中間周波変調器33は、入力されたOFDM信号から、OFDM中間周波信号を生成する。中間周波変調器33には、さらにアナログ放送用の映像信号と音声信号が入力される。中間周波変調器33は、入力されたアナログ放送用の映像信号から、映像中間周波信号を生成し、入力されたアナログ放送用の音声信号から、音声中間周波信号を生成する。
上述したように、SDのデジタルテレビジョン信号は、NICAM搬送波で搬送することが可能である。したがって、これら映像中間周波信号、音声中間周波信号、OFDM中間周波信号を、それぞれ図1で例示したような、所定の映像信号搬送波の周波数、第1の音声信号搬送波の周波数、第2の音声信号搬送波の周波数の位置関係となるよう多重化し、中間周波のRF信号を生成する。
生成された中間周波のRF信号は、オールチャンネルコンバータ34に送られる。オールチャンネルコンバータ34は、入力された中間周波のRF信号を所定のチャンネル周波数に変換して、テレビジョン放送波を生成する。そして、オールチャンネルコンバータ34で生成されたテレビジョン放送波を送信アンテナ35から送出する。
図6は、この発明の他の実施形態による受信装置の一例の構成を示す。なお、この発明と直接関連しない復調器以外の部分は図示および説明を省略するが従来と同様であるものとする。図6に示す受信装置40は、チューナ42、中間周波(IF)復調器43、OFDM復調器44、高圧縮復号化装置45などからなる復調器を備えている。
チューナ42は、指定されたチャンネル周波数のテレビ放送波を受信アンテナ41により受信し、RF信号として入力する。チューナ42に入力されたRF信号は、中間周波復調器43に入力される。中間周波復調器43は、入力されたRF信号を所定の中間周波数に変換してから、映像信号搬送波の周波数からアナログ放送用の映像信号を分離し、第1の音声信号搬送波の周波数からアナログ放送用の音声信号を分離し、第2の音声信号搬送波の周波数からOFDM信号を分離する。
中間周波復調器43で取り出されたアナログ放送用の映像信号と音声信号は、アナログテレビジョン信号としてそれぞれ出力される。中間周波復調器43で取り出されたOFDM信号は、OFDM復調器44に送られる。OFDM復調器44は、入力されたOFDM信号をOFDM復調して、ビットストリームを生成する。OFDM復調して得られたビットストリームは、高圧縮復号化装置45に送られる。
高圧縮復号化装置45は、入力されたビットストリームに圧縮復号化を施し、デジタルテレビジョンの映像信号と音声信号を生成して出力する。
以上説明したように、この発明の他の実施形態による送信装置30によれば、高圧縮符号化装置31でデジタルテレビジョン信号を圧縮符号化して、中間周波変調器33でNICAM方式のテレビジョン放送におけるデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波で搬送するよう多重化している。これにより、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送の送信装置の構成を殆ど変えることなく、アナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを受信装置40へ送出することができる。
また、この発明の他の実施形態による受信装置40によれば、受信したテレビジョン放送波から、中間周波復調器43でNICAM方式のテレビジョン放送におけるデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波で搬送される圧縮符号化が施されたデジタルテレビジョン信号を分離し、分離したデジタルテレビジョン信号を高圧縮復号化装置45で復号化して映像信号と音声信号を出力している。これにより、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送の受信装置の構成を殆ど変えることなく、送信装置30からのアナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを受信することができる。
すなわち、この発明の他の実施形態によるテレビジョン放送システムによれば、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送システムの構成を殆ど変えることなく、アナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号とを送信装置30から受信装置40へ送ることができる。
したがって、この発明の他の実施形態では、従来のNICAM方式によるテレビジョン放送波の生成過程を殆ど変えることなくアナログテレビジョン信号とデジタルテレビジョン信号を送出するので、設備の改変を殆ど行うことなく現行のアナログテレビジョン放送システムとの互換性を保ち、安価にデジタルテレビジョン放送を供給することができる。また、チャンネル周波数の構成は、従来と同じであるため、妨害関係等の周波数配置を改めて考慮することなく難視聴用のデジタル放送を視聴者に提供することができる。
また、圧縮符号化されたデジタルテレビジョン信号を送信装置30のOFDM変調器32でOFDM変調し、OFDM変調したデジタルテレビジョン信号を受信装置40のOFDM復調装置44でOFDM復調することで、OFDMキャリアで同一帯域内、同一レベルで信号が生成され、周波数領域上で矩形的な信号スペクトラムが実現される。これにより、単一キャリアに比べてマルチパスに強く、ロールオフによる帯域の広がりを考慮する必要なくキャリアを配置することができる。
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、一実施形態では、デジタルテレビジョン信号を高圧縮符号化した後QSPK変調し、他の実施形態では、デジタルテレビジョン信号を高圧縮符号化した後OFDM変調したが、これに限らず、帯域と対映像搬送波レベル比がNICAM方式のテレビジョン放送システムと同じであるならば、他の変調方式としてもよく、さらに、デジタルテレビジョン信号はSD以外であってもよい。例えば伝送レートを上げたい場合には、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)を変調方式として使用してもよい。また、QEF感度を上げたい場合には符号化率を低くしたり、マルチパスに強くする場合には、ガードインタバルを増やすなど、用途に応じて信号パラメータの条件を適宜決定することができる。
10,30・・・送信装置、11,31・・・高圧縮符号化装置、12・・・NICAM(QPSK)変調器、13,33・・・中間周波(IF)変調器、20,40・・・受信装置、23,43・・・中間周波(IF)復調器、24・・・NICAM(QPSK)復調器、25,45・・・高圧縮復号化装置、32・・・OFDM変調器、44・・・OFDM復調器
Claims (12)
- アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を送信装置が送信し、上記送信装置が送信したテレビジョン信号を受信装置が受信するテレビジョン放送システムにおいて、
上記送信装置が、デジタルテレビジョン信号を圧縮符号化する符号化手段とを有し、上記符号化手段で圧縮符号化されたデジタルテレビジョン信号を上記第2の音声信号搬送波で搬送し、
上記受信装置が、受信した上記デジタルテレビジョン信号を復号化する復号化手段と、上記復号化されたデジタルテレビジョン信号をテレビジョン信号として出力する出力手段とを有する
ことを特徴とするテレビジョン放送システム。 - 請求項1に記載のテレビジョン放送システムにおいて、
上記送信装置が、さらに上記第2の音声搬送波を位相変調する変調手段を有し、上記受信装置が、さらに上記位相変調された第2の音声搬送波を復調する復調手段を有することを特徴とするテレビジョン放送システム。 - 請求項1に記載のテレビジョン放送システムにおいて、
上記送信装置が、さらに上記第2の音声搬送波を直交周波数分割多重化する変調手段を有し、上記受信装置が、さらに上記直交周波数分割多重化された第2の音声搬送波を復調する復調手段を有することを特徴とするテレビジョン放送システム。 - アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を送信装置が送信し、上記送信装置が送信したテレビジョン信号を受信装置が受信するテレビジョン放送方法において、
上記送信装置が、デジタルテレビジョン信号を圧縮符号化して上記第2の音声信号搬送波で搬送し、
上記受信装置が、受信した上記デジタルテレビジョン信号を復号化してテレビジョン信号として出力する
ことを特徴とするテレビジョン放送方法。 - アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を送信可能な送信装置において、
デジタルテレビジョン信号を圧縮符号化する符号化手段を有し、
上記符号化手段で圧縮符号化されたデジタルテレビジョン信号を上記第2の音声信号搬送波で搬送する
ことを特徴とする送信装置。 - 請求項5に記載の送信装置において、
さらに、上記第2の音声搬送波を位相変調する変調手段を有することを特徴とする送信装置。 - 請求項5に記載の送信装置において、
さらに、上記第2の音声搬送波を直交周波数分割多重化する変調手段を有することを特徴とする送信装置。 - アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を送信する送信方法において、
デジタルテレビジョン信号を圧縮符号化して上記第2の音声信号搬送波で搬送する
ことを特徴とする送信方法。 - アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を受信可能な受信装置において、
上記第2の音声信号搬送波で圧縮符号化が施されたデジタルテレビジョン信号を受信し、受信した上記デジタルテレビジョン信号を復号化する復号化手段と、
上記復号化されたデジタルテレビジョン信号をテレビジョン信号として出力する出力手段とを有する
ことを特徴とする受信装置。 - 請求項9に記載の受信装置において、
さらに、上記第2の音声搬送波が位相変調されていた場合に、上記第2の音声搬送波を復調する復調手段を有することを特徴とする受信装置。 - 請求項9に記載の受信装置において、
さらに、上記第2の音声搬送波が直交周波数分割多重化による変調がなされていた場合に、上記第2の音声搬送波を復調する復調手段を有することを特徴とする受信装置。 - アナログ映像信号を搬送する映像信号搬送波とアナログ音声信号を搬送する第1の音声信号搬送波とデジタル音声信号を搬送する第2の音声信号搬送波とが多重化されたテレビジョン信号を受信する受信方法において、
上記第2の音声信号搬送波で圧縮符号化が施されたデジタルテレビジョン信号を受信し、受信した上記デジタルテレビジョン信号を復号化してテレビジョン信号として出力する
ことを特徴とする受信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003275748A JP2005039639A (ja) | 2003-07-17 | 2003-07-17 | テレビジョン放送システムおよび方法、送信装置および方法ならびに受信装置および方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009512884A (ja) * | 2005-09-30 | 2009-03-26 | フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド | Nicamプロセッサ |
CN101383928B (zh) * | 2008-07-14 | 2011-11-30 | 青岛海信电器股份有限公司 | 丽音控制方法和应用该方法的电视机 |
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2003
- 2003-07-17 JP JP2003275748A patent/JP2005039639A/ja active Pending
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