JP2005036435A - トンネルの構造およびその築造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】曲管状の埋設管17〜19をトンネル1の長さ方向と交差して複数配置する。
前記埋設管17〜19に沿って覆工壁23〜25を形成する。
前記埋設管17〜19と覆工壁23〜25の両端部をトンネル1の両側部で支持する。
前記トンネル1を、本線構造物6を布設する本線トンネル3と、支線構造物8を布設する支線トンネル4とに連通可能に設ける。
前記トンネル1内に、前記本線構造物6と、該本線構造物6から支線構造物8へ分流し、または支線構造物8から本線構造物6へ合流可能な、分合流域35とを設ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば大深度かつ大断面の道路トンネルにおけるランプ部の施工に好適で、地盤改良や種々の補強工法を極力廃し、安全で合理的かつ能率良く施工でき、工期の短縮化と工費の低減を図れるとともに、シ−ルドトンネルまたは山岳トンネルの何れにも適用でき、しかも道路等の合流や分岐ないし拡幅を合理的に行なえる、トンネルの構造およびその築造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市部においては、電力やガス、通信等のインフラ設備の整備や、道路や鉄道等の交通インフラ網の拡充が望まれている。
しかし、都市部では地上部の使用が困難であるため、前記インフラ設備等は急速に地下に移行し、しかもその過密化に伴って、ますます大深度化し大断面化してきている。
このため、都市部では地下インフラの総合的な整備と構築が要請され、そのための基本技術の開発が急がれている。その解決手段として、例えば地上部を使用する開削工法や、種々の補助工法を伴う地中切り拡げ工法は、施工の安全性や工期、工費に課題が多く、採用できない。
【0003】
このよう要請に応ずるものとして、二つの先進トンネルを離間して掘削し、該先進トンネルの一方に推進装置等を搬入し、該推進装置から他方の先進トンネルに向けてアーチ状鋼製パイプル−フを布設し、先進トンネルにコンクリ−トを打設して架台を構築し、前記パイプル−フの両端部を支持させた後、先進トンネルと前記パイプル−フとの間の地山を掘削する、大断面トンネルの構築方法がある(例えば、特許文献1および2参照)。
【0004】
しかし、この従来の施工法およびトンネルは、鋼製パイプル−フの布設前は、先進トンネルに上載荷重や土圧が掛かり、先進トンネルに支保工等の十分な補強を要するとともに、狭隘な先進トンネルを利用して推進装置やパイプル−フ等を搬出入するため、この搬送作業が困難で能率が悪く、工期の長期化を助長する。
しかも、施工したトンネルの内空断面は、その長さ方向の全域に亘って略一様であるため、トンネル内に一様な道幅の単純な道路を布設することはできるが、道路の合流または分岐に応じて道幅を変化させる道路の布設には、対応が難しかった。
【0005】
また、他の先行技術として、三つの基地導坑を離間して掘削し、外側の二つの基地導坑に推進装置等を搬入し、該推進装置から中央の基地導坑に向けて曲線状の埋設管を布設し、各基地導坑にコンクリ−トを打設して基礎桁を構築し、これらの基礎桁で前記埋設管の両端部を支持させた後、基地導坑と前記埋設管との間の地山を掘削し、埋設管に沿って覆工壁を施工する、トンネルの築造方法がある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
しかし、この従来の施工法およびトンネルは、前述の先行技術と同様に埋設管の布設前は、基地導坑に上載荷重や土圧が掛かり、基地導坑に支保工等の十分な補強を要するとともに、狭隘な基地導坑を利用して推進装置やパイプル−フ等を搬出入するため、この搬送作業が困難で能率が悪く、工期の長期化を助長する。
しかも、施工したトンネルの内空断面は、中央の基礎桁を介して左右に分かれ、その長さ方向の全域に亘って略一様であるため、単純な道路はトンネル内に布設できるが、道路を分岐させ或いは合流させる複雑な道路の布設には、対応できなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平3−279600号公報
【特許文献2】
特開平4−64697号公報
【特許文献3】
特許第2697762号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決し、例えば大深度かつ大断面の道路トンネルにおけるランプ部の施工に好適で、地盤改良や種々の補強工法を極力廃し、安全で合理的かつ速やかに施工でき、工期の短縮化と工費の低減を図れるとともに、シ−ルドトンネルまたは山岳トンネルの何れにも適用でき、しかも道路等の合流ないし分岐や拡幅を合理的に施工できる、トンネルの構造およびその築造方法提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明は、曲管状の埋設管をトンネルの長さ方向と交差して複数配置し、前記埋設管に沿って覆工壁を形成し、前記埋設管と覆工壁の両端部をトンネルの両側部で支持するトンネルの構造において、前記トンネルを、本線構造物を布設する本線トンネルと、支線構造物を布設する支線トンネルとに連通可能に設け、前記トンネル内に、前記本線構造物と、該本線構造物から支線構造物へ分流し、または支線構造物から本線構造物へ合流可能な、分合流域とを設け、トンネル内で本線構造物と支線構造物との間の分流または合流を実現するとともに、前記トンネルを介して、本線トンネルと支線トンネルとの円滑かつ合理的な連係を実現し、地下ランプ部の合理的な構築を提供するようにしている。
【0010】
請求項2の発明は、前記トンネルの一端部側に、前記分流部または合流部を設け、前記分流または合流の円滑化と施工の容易化を実現するとともに、トンネルの構成の簡潔化を図るようにしている。
請求項3の発明は、前記分合流域の幅を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次、増大若しくは減少させ、前記分流または合流の円滑化と安全性を実現するとともに、トンネルの合理的な構成を実現するようにしている。
請求項4の発明は、前記トンネルの外側を前記埋設管で囲繞し、トンネル強度の向上を図るようにしている。
請求項5の発明は、前記トンネル内の一側に、前記本線構造物を偏在させ、トンネル内における本線構造物と分合流域との合理的な布設を実現するようにしている。
【0011】
請求項6の発明は、前記トンネルの内空を、前記本線トンネル空間と支線トンネル空間とを略包摂可能に形成し、または前記本線トンネル空間と支線トンネル空間との相加空間以上に拡大し、例えば前記本線トンネル施工後の前記トンネルの合理的な施工や、前記支線トンネルの合理的な施工を実現するとともに、前記両トンネル空間を更に拡大した大断面トンネルの施工を実現するようにしている
請求項7の発明は、前記本線トンネルの内空断面を、支線トンネルの内空断面よりも大きく形成し、本線および支線等の構造物の利用状況に応じたトンネルを築造するようにしている。
請求項8の発明は、前記トンネルの内空断面を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次変化させ、前記トンネル内に並設した本線構造物と分合流域、並びに分岐部と合流部との構成に対応可能な、合理的なトンネルの構造を提供するようにしている。
【0012】
請求項9の発明は、前記トンネルの内空断面積を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次、増大若しくは減少させ、前記トンネル内に並設した本線構造物と分合流域、並びに分岐部と合流部との構成に対応可能な、合理的なトンネルの構造を提供するようにしている。
請求項10の発明は、前記埋設管を作業者が出入り可能な内径に形成し、前記埋設管布設時の作業者による例えば先端装置の着脱作業やその整備点検、或いは前記埋設管を利用した作業者による補助工法の施工を実現可能にしている。
【0013】
請求項11の発明は、トンネルの長さ方向に基地導坑を離間して掘削し、該導坑の一方から他方の基地導坑に向けて曲管状の埋設管を複数布設し、前記埋設管の両端部を前記基地導坑部で支持し、前記埋設管で区画した一側の地山を掘削後後、前記埋設管に沿って覆工壁を形成するトンネルの築造方法において、前記トンネルの施工区間に本線構造物を施工可能な少なくとも本線トンネルを施工し、該本線トンネルを挟む両側に基地導坑を掘削し、該基地導坑を介し前記本線トンネルの外側に前記埋設管を複数布設後、前記本線トンネルを撤去するとともに、前記埋設管で区画した一側の地山を掘削するようにして、前記トンネル施工域に予め少なくとも本線トンネルを施工し、当該施工域の地山を補強後、基地導坑を掘削することで、基地導坑の強度負担を軽減し、その補強を簡易化するとともに、埋設管を布設し地山の支持強度を強化後、本線トンネルと地山を撤去し掘削して、各作業の安全性を確保するようにしている。
【0014】
請求項12の発明は、前記トンネルを、前記本線トンネルの施工に後行して施工し、前述した各作業の安全性を確保するとともに、前記本線トンネルの施工に追随してトンネルを施工することで、施工の迅速化と工期の短縮化を図るとともに、トンネル施工時に本線トンネルの施工設備や資材等を活用し得るようにしている。
請求項13の発明は、前記本線トンネルの坑内設備や資材等を利用して、前記トンネルを施工するようにし、前記トンネルの合理的かつ円滑な施工を実現し、工期の短縮化と工費の低減を図るようにしている。
請求項14の発明は、前記本線トンネルが既設トンネルであり、本線トンネルに布設した本線を活用し、各種の装置や機材、資材等を容易かつ迅速に搬送して、工期の短縮化と工費の低減を図るとともに、前記トンネルの拡幅に容易に応じられるようにしている。
【0015】
請求項15の発明は、前記基地導坑の少なくとも一方と前記本線トンネルとの間に作業通路を掘削し、該作業通路を介して前記本線トンネルから前記一方の基地導坑へ、各種装置および資材等を搬入し、本線トンネルおよびその坑内設備を活用して、合理的な施工を図るようにしている。
請求項16の発明は、前記基地導坑の一方を前記本線トンネルの近接位置に掘削し、他方の基地導坑を前記本線トンネルの一側から他側端部に亘って、段階的または漸次離間しまたは近接して掘削し、本線および分合流域の構成に応じた基地導坑を施工するようにしている。
【0016】
請求項17の発明は、前記作業通路を、前記基地導坑に複数掘削し、前記各種装置および資材等の搬出入を容易かつ迅速に行なえるようにしている。
請求項18の発明は、前記作業通路を介して、前記基地導坑に設置した各種装置等を本線トンネルへ搬出し、これを次期施工位置の作業通路を介して基地導坑へ搬入し、前記各種装置および資材等の利用と搬出入を合理的かつ容易に行なうようにしている。
請求項19の発明は、前記本線トンネルを、例えば略一側半部と略他側半部に分けて段階的に撤去し、本線トンネルの撤去を安全に行なうとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避するようにしている。
【0017】
請求項20の発明は、前記埋設管で区画した地山を、例えば略一側半部と略他側半部に分けて段階的に掘削し、地山の掘削を安全に行なうとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避するようにしている。
請求項21の発明は、前記基地導坑から、前記埋設管を一側方向および他側方向へ布設し、これらの埋設管でトンネルの外側を囲繞して、トンネルの強度を強化するようにしている。
請求項22の発明は、前記埋設管として、作業者が出入り可能な内径を有する埋設管を使用し、前記埋設管布設時の作業者による例えば先端装置の着脱作業やその整備点検、或いは前記埋設管を利用した作業者による補助工法の施工を実現可能にしている。
請求項23の発明は、前記トンネルの施工区間に、前記本線トンネルと、支線構造物を施工可能な支線トンネルとを略並行して施工し、基地導坑の補強の簡素化と、施工の迅速化並びに工期の短縮化を図るようにしている。
【0018】
請求項24の発明は、トンネルの長さ方向に基地導坑を離間して配置し、該導坑の一方から他方の基地導坑に向けて曲管状の埋設管を複数布設し、前記埋設管の両端部を前記基地導坑部で支持し、前記埋設管で区画した一側の地山を掘削後、前記埋設管に沿って覆工壁を形成するトンネルの築造方法において、前記トンネルの施工区間に、本線構造物を施工可能な本線トンネルと、支線構造物を施工可能な支線トンネルとを略並行して施工し、該本線トンネルと支線トンネルの外側の一側を部分的または連続的に拡幅し、該拡幅部の一方から他方の拡幅部に向けて、曲管状の複数の埋設管を本線トンネルと支線トンネルの外側に布設し、前記本線トンネルと支線トンネルを順次撤去するとともに、前記埋設管で区画した一側の地山を順次掘削し、当該施工域に本線トンネルと支線トンネルとを施工して地山を補強し、前記トンネルの一側に前記基地導坑と等価で施工が容易な拡幅部を設け、拡幅部の補強を簡素化するとともに、前記二つのトンネルを略並行して施工することで、施工の迅速化と工期の短縮化を図るとともに、トンネル施工後は前記拡幅部を非常駐車帯または避難域に利用可能にしている。
【0019】
請求項25の発明は、前記トンネルを、前記本線トンネルおよび支線トンネルの施工に後行して施工し、前述した各作業の安全性を確保するとともに、前記先行トンネルの施工に追随してトンネルを施工することで、工期の短縮化を図るとともに、トンネル施工時に先行トンネルの施工設備や資材等を活用し得るようにしている。
請求項26の発明は、前記本線トンネルと支線トンネルが既設トンネルであり、本線トンネルと支線トンネルに布設した本線と支線を活用し、各種の装置や機材、資材等を容易かつ迅速に搬送して、工期の短縮化と工費の低減を図るとともに、前記トンネルの拡幅に容易に応じられるようにしている。
請求項27の発明は、前記本線トンネルと支線トンネルを、例えば略一側半部と略他側半部に分けて、それぞれ段階的に撤去するようにして、本線トンネルと支線トンネルの撤去を安全に行なうとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避するようにしている。
【0020】
請求項28の発明は、前記埋設管で区画した地山を、例えば略一側半部と略他側半部に分けて段階的に掘削し、地山の掘削を安全に行なうとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避するようにしている。
請求項29の発明は、前記拡幅部から、前記埋設管を一側方向および他側方向へ布設し、これらの埋設管でトンネルの外側を囲繞して、トンネルの強度を強化するようにしている。
請求項30の発明は、前記埋設管として、作業者が出入り可能な内径を有する埋設管を使用するようにして、前記埋設管布設時の作業者による例えば先端装置の着脱作業やその整備点検、或いは前記埋設管を利用した作業者による補助工法の施工を実現可能にしている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を都市部に布設する大深度かつ大断面の道路トンネルのランプ部におけるランプトンネルの施工に適用し、かつこれを後述の本線トンネルと略同時期に施工する図示の実施形態について説明すると、図1乃至図17において1は、都市部の地上から大深度の地山2に布設した、本発明の主題のトンネルであるランプトンネルで、該トンネル1の両側に本線トンネル3,3が施工され、また前記ランプトンネル1の一側に支線トンネル4が施工され、該トンネル4が隣接する本線トンネル3と分岐または合流可能にされている。
【0022】
前記ランプトンネル1は、該トンネル1内の後述する本線および分合流域間において、車両Vの合流若しくは分岐に必要な長さに形成され、その施工後または施工と同時に支線トンネル4を施工している。
前記支線トンネル4の分岐または合流は、後述する本線および支線上における車両Vの走行方向によって決定され、図示のように車両Vをランプトンネル1の一側から支線トンネル4方向へ走行させる場合は、支線トンネル4が本線トンネル3から分岐し、車両Vを反対方向へ走行させる場合は、支線トンネル4が本線トンネル3に合流する。
【0023】
この場合、実施形態ではランプトンネル1の一側に単一の支線トンネル4を施工しているが、ランプトンネル1が非常に大断面の場合は、複数の支線トンネル4を施工することが可能であり、その場合はランプトンネル1の一側に限らず、その両側に単一若しくは複数の支線トンネル4を施工することも可能である。
【0024】
前記本線トンネル3,3は実施形態の場合、シ−ルド工法によって円形断面に施工され、その外殻5を複数のセグメントで覆工しており、その内側に構造物として基幹道路である二車線の本線6を施工している。
また、前記支線トンネル4は実施形態の場合、シ−ルド工法によって円形断面に施工され、その内空断面積は本線トンネル3よりも小径に形成され、その外殻7を複数のセグメントで覆工し、その内側に構造物として主要道路である一車線の支線8を施工している。
【0025】
前記本線6および支線8は、各トンネル3,4の施工と同時に施工される。
なお、本線トンネル3,3と支線トンネル4は、シ−ルド工法に限らず在来の他の工法で施工してもよく、その内空断面も円形に限らず、馬蹄形等種々の形状に施工することが可能である。
【0026】
前記ランプトンネル1は、本線トンネル3と、本線トンネル3および支線トンネル4との間に亘って施工され、その内空断面は図2乃至図4のように略横長楕円形状に形成され、かつその断面形状は支線トンネル4側に向かって段階的に変化し、その内空断面積は支線トンネル4側に向かって段階的に増大している。
すなわち、ランプトンネル1はその一側端部の内空で本線トンネル3の空間を略包摂し、また支線トンネル4と同側端部の内空で本線トンネル3および支線トンネル4の空間を略包摂する、大断面に形成されている。
【0027】
前記ランプトンネル1は、側壁下部の外側に長さ方向に沿って設置した基礎桁9〜12を備え、該基礎桁9〜12は、予め同位置を掘削した基地導坑13〜16にコンクリ−トを打設して形成されている。
このうち、前記基礎桁9は、ランプトンネル1の一側に連続して形成され、基礎桁10〜12はランプトンネル1の他側に、各走行域Z1〜Z3に亘って不連続に形成され、かつ基礎桁9との間隔を段階的に拡大して施工されている。
【0028】
前記基礎桁10は分岐開始域Z1 の略前半部に形成され、基礎桁11は分岐開始域Z1の後半部から加速域Z2の全域に亘って形成され、その長さは基礎桁10の略4.6倍に形成され、また前記基礎桁12は分岐域Z3の全域に形成され、その長さは前記基礎桁10と同一に形成されている。
そして、前記基礎桁9から基礎桁10〜12に亘って、曲線状の複数の埋設管17〜19が本線トンネル3の上方を跨いで、本線トンネル3ないしランプトンネル1の長さ方向と直交方向に布設されている。
【0029】
前記埋設管17〜19は、同様な曲線半径の短管を複数継ぎ足して構成され、その内径は作業者が出入り可能な管径に形成されていて、例えば埋設管17〜19の布設時、埋設管17〜19に抜き差し可能に装着する、拡縮可能なカッタ−を備えた先端装置(図示略)の組み付けやその作動点検、或いは布設後の埋設管17〜19内に、例えば地盤改良用のパッカ−注入装置を設置する際に、作業者が管内で作業可能にしている。
【0030】
前記埋設管17〜19の曲線半径は互いに相違し、このうち基礎桁9,10に支持した埋設管17の曲線半径が最小で、基礎桁9,12に支持した埋設管19の曲線半径が最大に形成されている。
前記埋設管17〜19の内側に吹付コンクリ−ト20〜22が所定厚に形成され、該吹付コンクリ−ト20〜22の内側に覆工壁23〜25が所定厚に形成されている。
【0031】
図中、26〜31は前記基地導坑13と、基地導坑14〜16との各対向位置、実施形態では基地導坑14〜16の一側端部に掘削形成した作業通路で、本線トンネル3の外殻5に設けた後述の通路口を介して、本線トンネル3の内部と連通可能にされ、後述の推進装置や埋設管17〜19の継ぎ足し短管、関係する装置および資材、作業者等を、本線トンネル3を介して搬出入可能にしている。
この場合、前記作業通路26〜31は、前記位置以外に適宜設けることも可能で、そのようにすることで前記搬出入の能率向上を図れる。32〜34は各域のランプトンネル1の下部に施工したインバ−ト部である。
【0032】
前記ランプトンネル1の内側に、構造物である本線6と分合流域35とが隣接して設けられ、このうち分合流域35は、本線6または支線8が分流若しくは合流し、またはそれらに移行する遷移域を有している。
前記分合流域35は図1のように、分岐開始区間のZ1域で本線6から次第にまたは段階的に拡幅され、その最大幅を加速区間のZ2域で一定に保ち、分岐区間のZ3域で更に漸次または段階的に拡幅して、支線8へ連絡している。
それゆえ、ランプトンネル1の内空断面ないし断面積は、分岐開始域から加速域、分岐域の順に段階的若しくは漸次増大して形成されている。
【0033】
この他、図中36は前記基地導坑14〜16内に複数設置した推進装置で、前述した埋設管17〜19の曲線短管を順次継ぎ足して地山2へ推進可能にされ、その所定距離推進後に回収作動して、埋設管17〜19内に装着した拡縮可能なカッターを有する先端装置を、掘削先端側、すなわち到達側の基地導坑13で回収し、または発進側の基地導坑14に引き戻して回収可能にしている。
この場合、実施形態では一側の基地導坑14〜16に推進装置36を設置しているが、対向する基地導坑13に設置することも可能であり、そのようにすることで、推進装置36等の搬出入を容易かつ速やかに行なえる。
【0034】
37は、基地導坑14〜16の施工域の地山2に適当な止水用注入材を注入して、地山2を止水かつ固結強化処理した止水処理部、38は埋設管17〜19の施工域の地山2に、例えば二重管ダブルパッカ−注入工法によって適当な注入材を注入し、地山2を固結強化処理した地盤改良処理部、39は本線トンネル3内に架設した足場、40〜44は分岐開始区間Z1、加速区間Z2、分岐区間Z3における本線6および分合流域35の占有空間である。
【0035】
45は本線トンネル3の掘削時に坑内に布設した運搬設備である軌道で、該軌道45に台車46が走行可能に設置され、該台車46を介して前述した推進装置36や埋設管短管、掘削機材、掘削土砂、セグメント等を搬送可能にしている。47,48は前記作業通路26〜31に対応する本線トンネル3の外殻に形成した通路口で、実施形態では作業通路26〜31に対応するセグメントの一部を抜き取って形成している。
【0036】
このように構成した本発明のトンネルの築造方法によるランプトンネル1の築造は、本線トンネル3と略同時期の施工と、本線トンネル3の築造後、つまり本線トンネル3を既設トンネルとして利用する施工とに分かれる。
そこで、先ずランプトンネル1を本線トンネル3と同時期に施工する場合について説明すると、大深度の地山2にシ−ルド工法によって、本線トンネル3を例えば小断面側の分岐開始区間Z1から大断面の分岐区間Z3方向、つまり図1上散点矢視方向へ掘削する。
そして、本線トンネル3の坑内に運搬設備である軌道45を布設し、台車46を走行可能に設置するとともに、本線トンネル3の外殻5を複数のセグメントで覆工する。この状況は図5のようである。
【0037】
次に、基地導坑13〜16の施工域周辺の地山2が、湧水若しくは軟弱である場合、前記本線トンネル3がランプトンネル1の施工区間を通過しまたは通過途中に、適当な止水用注入材を地山2に注入し、当該部37を止水処理して固結かつ強化する。この状況は図6のようである。
【0038】
この後、基地導坑13〜16に対応する本線トンネル3の外殻5、実施形態では覆工したセグメントの一部を取り外して通用口47,48を形成し、該通用口47,48を介して、前記止水処理部37を本線トンネル3と直交方向へ掘削し、作業通路26,27を形成する。
そして、作業通路26,27を所定距離掘削したところで、当該位置から本線トンネル3に沿って基地導坑13〜16を掘削する。この状況は図7および図8のようである。
【0039】
この場合、各作業通路26,27と基地導坑13〜16を一度に掘削するか、例えば基地導坑13〜16の間隔が相違する各区間毎に段階的に掘削するか、何れの施工条件を選択し得るが、後者の方法によれば基地導坑13〜16の荷重負担が軽減される利点がある。
また、各作業通路26,27と基地導坑13〜16の掘削に際し、本発明は本線トンネル3を先行して築造し、前記掘削部周辺の地山2を支持しているから、各通路26,27および基地導坑13〜16の強度負担が軽減され、その支保を簡易に行なえる。
【0040】
この後、台車46に推進装置36、埋設管17の継ぎ足し短管、および関係装置および資材を積み込み、台車46を軌道45に沿って移動して、作業通路26,27の開口位置へ搬送する。
そして、前記推進装置36等を台車46から積み下ろし、これらを一方の作業通路27から基地導坑14へ搬送し、該導坑14の所定位置に推進装置36を適数設置する。
この場合、推進装置36等を一方の作業通路27から基地導坑14へ搬送して設置しているが、他方の作業通路26から基地導坑13へ搬送して設置してもよい。
【0041】
こうして推進装置36を設置したところで、拡縮可能なカッタ−を備えた先端装置(図示略)を先導管に抜き差し可能に装着し、該先端装置を推進装置36に保持して駆動し、カッタ−を介し地山2を掘削するとともに、推進装置36を駆動して、先端装置を前記掘削分、地山2へ上向きに送り出す。
そして、先端装置が所定位置推進したところで、先導管の後端部に埋設管17の継ぎ足し短管を接続し、先端装置の駆動を再開して、地山2を掘削するとともに、推進装置36の駆動を再開して、先端装置と継ぎ足し短管を所定距離地山2へ上向きに送り出す。
【0042】
先端装置が所定位置推進したところで、前記短管に別の埋設管17の短管を継ぎ足し、先端装置と推進装置36の駆動を再開して、先端装置を推進する。
以下、前記作業を繰り返し、所定本数の埋設管17の短管を継ぎ足し、埋設管17を本線トンネル3の上方に布設し、先端のカッタ−が他方の基地導坑13に到達したところで、先端装置と推進装置36の駆動を停止する。
この後、カッタ−ビットを縮小し、先端装置と先導管との連結を解除し、先端装置を先導管と埋設管17から引き抜き、これを発進側の基地導坑14に戻して回収する。
この場合、前記先端装置を到達側の基地導坑13で回収してもよく、そのようにすることで先端装置を基地導坑14へ引き戻す煩雑な作業から解消される。
前記先端装置は回収後、整備点検して別の先導管に装着し、別の推進装置36に保持して使用する。
【0043】
こうして、所定数の埋設管17を施工区間に布設したところで、当該区間の布設作業を終了する。この状況は図9および図10のようである。
この後、前記使用した推進装置36や設備機材を、基地導坑14から作業通路27を介して本線トンネル3へ搬出し、これらを台車46に積み込んで次の作業通路29へ搬送する。
そして、前記推進装置36や設備機材を作業通路29を介して基地導坑15へ搬入し、これを設置する。また、台車46に埋設管18の継ぎ足し短管を積み込み、これを作業通路29を介して基地導坑15へ搬入し、前述と同じ要領で埋設管18を布設する。
【0044】
前記施工区間の埋設管18の布設を終了後、使用した推進装置36や設備機材を本線トンネル3へ搬出し、これらを台車46に積み込んで次の作業通路30へ搬送する。
また、台車46に埋設管19の継ぎ足し短管を積み込み、これを作業通路30を介して基地導坑16へ搬入し、前述と同じ要領で埋設管19を布設する。
【0045】
このように各施工区間内では、同一曲線半径の埋設管17〜19ないしその曲線短管を布設するから、基地導坑14〜16を本線6ないし分合流域35に沿って平面上テ−パ状に形成し、そのテ−パ毎に形状寸法の相違した埋設管17〜19ないしその曲線短管を製作し施工する不合理から解消される。
【0046】
このようにして各施工区間または全施工区間の埋設管17〜19の布設後、例えば二重管ダブルパッカ−注入工法によって適当な注入材を地山2に注入し、埋設管17〜19周辺の地山2を固結強化し、当該部38を地盤改良する。この状況は図11のようである。
【0047】
この後、基地導坑13〜16にコンクリ−トを所定量打設し、埋設管17〜19の端部を埋め込んで固化し、基礎桁9〜12を作製するとともに、該基礎桁9〜12を介して埋設管17〜19を支持する。
また、基礎桁9〜12の作製と前後して、前記本線トンネル3内の下半部の全域に適当な足場39を組み立てる。この状況は図12のようである。
【0048】
そして、前記足場39を利用して、本線トンネル3の外殻5の上半部、つまりセグメントの上半部を撤去し、各埋設管17〜19と本線トンネル3とで区画した、ランプトンネル1の内空上半部の地山2を掘削する。
前記地山2を掘削後、埋設管17〜19の内側に吹付コンクリ−ト20〜22を施工し、必要に応じてロックボルト工を施工して、当該部を補強する。この状況は図13のようである。
【0049】
この後、本線トンネル3の外殻5と、各基礎桁10〜12との間 の地山2の下半部を掘削し、前記足場39の残部を撤去する。この状況は図14のようである。
このように足場39を上下半部に亘って段階的に撤去し、周辺の地山2を上下半部に亘って段階的に掘削しているから、それらの撤去や掘削を安全に施工できるとともに、ランプトンネル1の施工を各区間に亘って安全に行なえる。
【0050】
そして、前記足場39を完全に撤去し、本線トンネル3のインバ−ト部を掘削し、当該部にコンクリ−トを打設して、インバ−ト部32〜34を形成する。
なお、各インバ−ト部32〜34の片側の直下に本線トンネル3の外殻5の一部を残置し、インバ−ト部32を支持させる。この状況は図15のようである。
【0051】
この後、吹付コンクリ−ト20〜22の内側と、基礎桁9〜12 およびインバ−ト部32〜34の接合部に亘って覆工壁23〜25を施工し、図16のようにランプトンネル1の内空を完成後、本線6および分合流域35を施工し、それらの周囲を間仕切りして各占有空間40〜44を形成する。この状況は図17のようである。
【0052】
このようにランプトンネル1を本線トンネル3と略同時期、厳密には若干後行して施工する場合は、本線トンネル3の施工時に使用した坑内の軌道45や台車46等の搬送設備や他の資材を活用でき、一連の施工を合理的かつ円滑に行なえるから、工期の短縮化と工費の低減を図れる。
また、本発明は大深度大断面トンネルの築造に当って、都市部では施工困難な開削工法を採らず、また種々の補助工法を多用する従来の地中切り拡げ工法の代わりに、大径の曲線管である埋設管17〜19を用いて、煩雑な工法を極力廃し、安全かつ合理的な非開削工法を実現したものである。
【0053】
一方、本線トンネル3の築造後にランプトンネル1を施工する場合は、本線トンネル3およびランプトンネル1に本線6および分合流域35が施工されているから、これらを利用した車両による推進装置36や資材等の容易かつ迅速な搬送が可能になり、その分工期の短縮化と工費の低減を図れる。
したがって、道路等構造物の分岐や合流を目的としたトンネルの施工に限らず、既設トンネルの拡幅に好適な利点がある。
【0054】
こうして、築造したランプトンネル1は、大径の曲線管である埋設管17〜19と、覆工壁23〜25が略同心円状のア−チ形に形成され、それらの両端部が基礎桁9〜12に支持されているから、それらに作用する水平反力や曲げモ−メントに十分に抗することができる。
その際、埋設管17〜19の両端部を基地導坑13〜16の底部深くに差し込み、地山2でも支持するようにすれば、埋設管17〜19の支持強度が向上し、またその端部の荷重による変位、いわゆる踊りも阻止されて、安全性が向上する
【0055】
なお、ランプトンネル1の施工に前後して支線トンネル4を施工する場合、ランプトンネル1の内空は支線トンネル4の断面空間を略包摂しているから、ランプトンネル1の内空を有効利用でき、支線トンネル4を合理的に施工できるとともに、ランプトンネル1との分岐部ないし合流部を容易に施工することができる
【0056】
また、前述の実施形態ではランプトンネル1の施工区間内に予め本線トンネル3を施工しているが、支線トンネル4を一定区間施工することも可能であり、その際、本線トンネル3と支線トンネル4とを略並行して施工すれば、基地導坑13〜16の補強の簡素化を図れるとともに、工期の短縮化を図れる。
【0057】
図18乃至図32は本発明の他の実施形態を示し、前述の構成と対応する部分に同一の符号を用いている。
このうち、図18は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態は分岐開始区間Z1と分岐区間Z3を、分岐方向へ漸次広がる平面上テ−パ状に形成し、ランプトンネル1の掘削面積ないし掘削量を低減して、工期の短縮化と工費の低減を図るようにしている。
【0058】
図19乃至図23は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は基地導坑13または基地導坑14〜16から、埋設管17〜19を上向きに推進し、また別の埋設管49〜51を下向きに推進し、これらの埋設管をランプトンネル1の施工域の全域に亘って布設している。この状況は図23のようである。
前記埋設管49〜51は実施形態の場合、ランプトンネル1が上下非対称構造のため、前記埋設管17〜19と異なる曲線半径に形成され、このための曲線短管を要している。したがって、ランプトンネル1が上下対称構造であれば、前記埋設管17〜19を共用することができ、その製作や取り扱いが合理的かつ容易になる。
【0059】
次に、前記埋設管17〜19と前記埋設管49〜51を布設する場合は、例えば基地導坑14〜16に上向き推進用の推進装置36aと、下向き推進用の推進装置36bとを交互に離間して設置し、これらに埋設管17〜19用の各曲線短管と、前記埋設管49〜51用の各曲線短管と、関係機材および資材を搬送し、これらを組み付ける。前記推進装置36a,36bや各曲線短管等の搬送は、前述と同様に本線トンネル3から作業通路27,29,31と経て、基地導坑14〜16に搬送する。
【0060】
そして、推進装置36aから埋設管17〜19を上向きに推進し、本線トンネル3の上方を巻き込んで他方の基地導坑13に導入し、また推進装置36bから埋設管49〜51を下向きに推進し、本線トンネル3の下方を摺り抜けて、他方の基地導坑13に導入する。
この後、図11のように埋設管17〜19,49〜51の周辺の地盤を適宜改良し、また基地導坑14〜16にコンクリ−トを打設して基礎桁9〜12を形成し、該基礎桁9〜12に埋設管17〜19,49〜51の端部を固定したところで、図12のように本線トンネル3の下部に足場39を組み立てる。
【0061】
次に、前記足場39を利用して、本線トンネル3の外殻5の上半部、つまりセグメントの上半部を撤去し、各埋設管17〜19と本線トンネル3とで区画した、ランプトンネル1の内空上半部の地山2を掘削する。
前記地山2を掘削後、埋設管17〜19の内側に吹付コンクリ−ト20〜22を施工し、必要に応じてロックボルト工を施工して、図13のように当該部を補強する。
【0062】
この後、足場39の残部と、本線トンネル3の外殻5であるセグ メントの残部を撤去し、各埋設管49〜51上におけるランプトンネル1の内空下半部の地山2を掘削する。
このように本線トンネル3の外殻5や、足場39を上下半部に亘って段階的に撤去し、またランプトンネル1の内空の地山2を上下半部に亘って段階的に掘削し、それらの撤去や掘削を安全に施工するとともに、ランプトンネル1の施工を各区間に亘って安全に行なう。
【0063】
そして、本線トンネル3を完全に撤去後、前記各埋設管49〜51上に吹付コンクリ−ト52〜54を所定厚に形成し、該コンクリ−ト52〜54上に覆工壁55〜57を施工し、該覆工壁55〜57と、吹付コンクリ−ト52〜54と、埋設管49〜51とで、ランプトンネル1の各区間にインバ−ト部を形成する。
こうして、ランプトンネル1の内空を完成後、本線6および分合流域35を施工し、かつそれらの周囲を間仕切りして、各占有空間40〜44を形成する。
【0064】
この実施形態の施工法は、前述と同様にランプトンネル1を本線トンネル3と略同時期に施工する場合と、本線トンネル3の施工後に行なう場合があり、その場合の利点は前述の通りである。
【0065】
こうして、築造したランプトンネル1は、内空の上部に大径の曲線管である埋設管17〜19と、覆工壁23〜25が略同心円状のア−チ形に形成され、また内空の下部に大径の曲線管である埋設管49〜51と、覆工壁55〜57が略同心円状のア−チ形に形成され、それらの両端部が共通の基礎桁9〜12に支持されているから、それらに作用する水平反力や曲げモ−メントに十分に抗することができる。
【0066】
図24乃至図32は本発明の第4の実施形態を示し、この実施形態は前述のように本線トンネル3を施工後、基地導坑13〜16を掘削して埋設管17〜19を布設し、この布設後に本線トンネル3を撤去し地山2を掘削する代わりに、ランプトンネル1の一部に本線トンネル3と支線トンネル4を並行して施工し、それらの一側を拡幅し、この拡幅部から埋設管を布設し、この布設後に本線トンネル3と支線トンネル4を順次撤去し、地山2を掘削するようにして、地山2の安定と掘削作業の安全性を確保し、また掘削土砂の低減を図るようにしている。
【0067】
すなわち、本線トンネル3の施工後、適宜止水処理し、支線トンネル4の施工部の地山2を固結かつ強化し、ランプトンネル1の一部、例えば本線トンネル3と支線トンネル4の各空間を包摂可能な加速区間Z2と分岐区間Z3とに亘って、本線トンネル3と支線トンネル4を略同時期または支線トンネル4を若干後行し、それらを並行して施工する。この状況は図24および図25のようである。
【0068】
この後、前記本線トンネル3と支線トンネル4の一側、実施形態では外側の一部または全域に、例えば非常駐車帯として利用可能で、かつ前記基地導坑13〜16と等価な拡幅部58,59を、複数箇所または連通して掘削する。この状況は図26のようである。
前記拡幅は、拡幅部58,59に対応する各トンネル3,4の外殻であるセグメント5,60の一部を取り除き、当該部から各トンネル3,4の施工設備を利用して掘削し土砂を搬送する。
この場合、前記拡幅は前記基地導坑13〜16に比べ、本線トンネル3または支線トンネル4に近接し掘削距離も短小であるから、掘削作業を容易かつ速やかに行なえ、また拡幅部58,59の補強も簡素化できる。
【0069】
前記拡幅部58,59の掘削後、本線トンネル3と支線トンネル4の各布設設備を利用して、推進装置36、埋設管19,51の継ぎ足し用短管、関係機材等を何れか一方の拡幅部58,59、実施形態では拡幅部59に搬入して設置する
実施形態では、上向き推進用および下向き推進用の推進装置36を交互に設置しているが、前述の実施形態のように上向き推進用の推進装置36のみを設置し、地山2の掘削後、インバ−ト部を掘削してもよい。
【0070】
そして、拡幅部59に設置した推進装置36から、埋設管19,51の継ぎ足し用短管を上向きおよび下向きに推進し、該短管を順次継ぎ足して本線トンネル3と支線トンネル4の直上および直下に布設し、その先端部が他方の拡幅部58へ到達したところで、前記推進を停止し、先端装置を回収して次期施工位置に埋設管19,51を布設する。この状況は図27のようである。
この埋設管19,51の布設に際しても、本線トンネル3と支線トンネル4とで地山2を支持しているから、前記布設作業を安全かつ円滑に行なえる。
【0071】
埋設管19,51の布設後、図28のように布設域を適宜改良処理し、当該部38を補強したところで、拡幅部58,59の一部にコンクリ−トを打設し、基礎桁61,62を施工して、埋設管19,51の両端部を支持する。
また、これと前後して本線トンネル3と支線トンネル4内に、各セグメント撤去用の適当な足場39,63を組み立てる。この状況は図29のようである。
【0072】
そして、前記足場39,63を利用して各上半部のセグメントを撤去し、トンネル1内の略上半部の地山2を掘削し、埋設管19の内側に吹付コンクリ−ト22を施工する。この状況は図30のようである。
この場合、本線トンネル3または支線トンネル4の何れか一方のセグメントを撤去し、当該部の地山2を掘削後、他方のトンネルのセグメントを撤去し、当該部の地山2を掘削すれば、前記作業を安全かつ円滑に行なえる。
【0073】
この後、各足場39,63を撤去し、下半部のセグメントを撤去後、トンネル1内の略下半部の地山2を掘削し、埋設管51の内側に吹付コンクリ−ト54を施工する。この状況は図31のようである。
この場合、前記足場39,63の双方を撤去し、双方のセグメントを撤去後、地山2を掘削すれば、前記作業を合理的かつ円滑に行なえる。
【0074】
そして、この後、吹付コンクリ−ト22,54の内側に覆工壁25,57を施工し、構造物である本線6および分合流域35または支線8を施工すれば、一連の工事が完了する。
この場合、前記基礎桁61、62の内側端面を除いて覆工壁25,57を施工すれば、本線6および分合流域35または支線8の一側で、ランプトンネル1の側壁部内面に、前記拡幅部58,59の一部である凹状の退避域63,64が形成され、当該部を本線6および分合流域35または支線8の非常駐車帯として利用し得る。
【0075】
このように前記実施形態は、本線トンネル3と支線トンネル4を並行して施工し、工期の短縮化を図るとともに、それらの拡幅部58,59から埋設管19,51を布設することで、前記布設作業の合理化を図れ、また拡幅部58,59は、前述の基地導坑13〜16に比べ工事が大規模にならず施工が容易であり、また拡幅部58,59の支保の簡便化を図れる一方、トンネル1の施工後は前記拡幅部58,59の一部を、例えば非常駐車帯若しくは非難域に利用し得るようにしたものである。
【0076】
なお、前述の実施形態では何れも、ランプトンネル1、本線トンネル3および支線トンネル4を道路トンネルに適用しているが、これに限らず例えば鉄道トンネルに適用することも可能である。
また、前述の実施形態ではランプトンネル1を本線トンネル3側に偏在して布設しているが、本線トンネル3を中央に配置してランプトンネル1を左右対称に施工することも可能であり、そのようにすることで本線6の両側に分合流域35を施工することができる。
なお、前述したトンネルおよびその築造工法は、都市部のトンネルに限らず、山岳トンネルおよびその施工に適用できることは勿論である。
【0077】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明は、トンネルを、本線構造物を布設した本線トンネルと、支線構造物を布設した支線トンネルとに連通可能に設け、前記トンネル内に、前記本線構造物と、該本線構造物から支線構造物へ分流し、または支線構造物から本線構造物へ合流可能な、分合流域とを設けたから、トンネル内で本線構造物と支線構造物との間の分流または合流を実現することができ、また前記トンネルを介して、本線トンネルと支線トンネルとの円滑かつ合理的な連係を実現することができ、地下ランプ部の合理的な構築を提供することができる。
請求項2の発明は、前記トンネルの一端部側に、前記分流部または合流部を設けたから、前記分流または合流の円滑化と施工の容易化を実現するとともに、トンネルの構成の簡潔化を図ることができる。
【0078】
請求項3の発明は、前記分合流域の幅を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次、増大若しくは減少させたから、前記分流または合流の円滑化と安全性を実現するとともに、トンネルの合理的な構成を実現することができる。
請求項4の発明は、前記トンネルの外側を前記埋設管で囲繞したから、トンネルの支持強度を向上することができる。
請求項5の発明は、前記トンネル内の一側に、前記本線構造物を偏在させたから、トンネル内における本線構造物と分合流域との合理的な布設を実現することができる。
【0079】
請求項6の発明は、前記トンネルの内空を、前記本線トンネル空間と支線トンネル空間とを略包摂可能に形成し、または前記本線トンネル空間と支線トンネル空間との相加空間以上に拡大したから、例えば前記本線トンネル施工後の前記トンネルの合理的な施工や、前記支線トンネルの合理的な施工を実現するとともに、前記両トンネル空間を更に拡大した大断面トンネルの施工を実現することがでる。
請求項7の発明は、前記本線トンネルの内空断面を、支線トンネルの内空断面よりも大きく形成したから、本線および支線等の構造物の利用状況に応じたトンネルを築造することができる。
【0080】
請求項8の発明は、前記トンネルの内空断面を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次変化させたから、前記トンネル内に並設した本線構造物と分合流域、並びに分岐部と合流部との構成に対応可能な、合理的なトンネルの構造を提供することができる。
請求項9の発明は、前記トンネルの内空断面積を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次、増大若しくは減少させたから、前記トンネル内に並設した本線構造物と分合流域、並びに分岐部と合流部との構成に対応可能な、合理的なトンネルの構造を提供することができる。
請求項10の発明は、前記埋設管を作業者が出入り可能な内径に形成したから、前記埋設管布設時の作業者による例えば先端装置の着脱作業やその整備点検、或いは前記埋設管を利用した作業者による補助工法の施工を実現することができる。
【0081】
請求項11の発明は、トンネルの施工区間に本線構造物を施工可能な少なくとも本線トンネルを施工し、該本線トンネルを挟む両側に基地導坑を掘削し、該基地導坑を介し前記本線トンネルの外側に前記埋設管を複数布設後、前記本線トンネルを撤去するとともに、前記埋設管で区画した一側の地山を掘削するから、前記トンネル施工域に予め少なくとも本線トンネルを施工し、当該施工域の地山を補強後、基地導坑を掘削することによって、基地導坑の強度負担を軽減し、その補強を簡易化するとともに、埋設管を布設し地山の支持強度を強化後、本線トンネルと地山を撤去または掘削して、各種作業の安全性を確保することができる。
【0082】
請求項12の発明は、前記トンネルを、前記本線トンネルの施工に後行して施工するから、前述した各作業の安全性を確保できるとともに、前記本線トンネルの施工に追随してトンネルを施工することで、各種作業の総合的な工期の短縮化を図れ、しかもトンネル施工時に本線トンネルの施工設備や資材等を活用することができる。
請求項13の発明は、前記本線トンネルの坑内設備や資材等を使用して、前記トンネルを施工するから、前記トンネルの合理的かつ円滑な施工を実現し、工期の短縮化と工費の低減を図ることができる。
請求項14の発明は、前記本線トンネルが既設トンネルであるから、該本線トンネルを利用して、その拡幅を合理的かつ容易に施工することができる。
【0083】
請求項15の発明は、前記基地導坑の少なくとも一方と前記本線トンネルとの間に作業通路を掘削し、該作業通路を介して前記本線トンネルから前記一方の基地導坑へ、各種装置および資材等を搬入するから、本線トンネルおよびその坑内設備の活用を図れ、合理的な施工を実現することができる。
請求項16の発明は、前記基地導坑の一方を前記本線トンネルの近接位置に掘削し、他方の基地導坑を前記本線トンネルの一側から他側端部に亘って、段階的または漸次離間しまたは近接して掘削するから、本線および分合流域の構成に応じた基地導坑を施工することができる。
【0084】
請求項17の発明は、前記作業通路を、前記基地導坑に複数掘削するから、前記各種装置および資材等の搬出入を容易かつ迅速に行なうことができる。
請求項18の発明は、前記作業通路を介して、前記基地導坑に設置した各種装置等を本線トンネルへ搬出し、これを次期施工位置の作業通路を介して基地導坑へ搬入するから、前記各種装置および資材等の利用と搬出入を合理的かつ容易に行なうことができる。
請求項19の発明は、前記本線トンネルを、例えば略一側半部と略他側半部に分けて段階的に撤去するから、本線トンネルの撤去を安全に行なえるとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避し、施工の安全性を確保することができる。
【0085】
請求項20の発明は、前記埋設管で区画した地山を、例えば略一側半部と略他側半部に分けて段階的に掘削するから、地山の掘削を安全に行なえるとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避し、施工の安全性を確保することができる。
請求項21の発明は、前記基地導坑から、前記埋設管を一側方向および他側方向へ布設するから、これらの埋設管でトンネルの外側を囲繞し、トンネルの支持強度を強化することができる。
請求項22の発明は、前記埋設管として、作業者が出入り可能な内径を有する埋設管を使用するから、前記埋設管布設時の作業者による例えば先端装置の着脱作業やその整備点検、或いは前記埋設管を利用した作業者による補助工法の施工を実現することができる。
請求項23の発明は、前記トンネルの施工区間に、前記本線トンネルと、支線構造物を施工可能な支線トンネルとを略並行して施工し、基地導坑の補強の簡素化と、施工の迅速化並びに工期の短縮化を増進することができる。
【0086】
請求項24の発明は、トンネルの施工区間に、本線構造物を施工可能な本線トンネルと、支線構造物を施工可能な支線トンネルとを略並行して施工し、該本線トンネルと支線トンネルの外側の一側を部分的または連続的に拡幅し、該拡幅部の一方から他方の拡幅部に向けて、曲管状の複数の埋設管を本線トンネルと支線トンネルの外側に布設し、前記本線トンネルと支線トンネルを順次撤去するとともに、前記埋設管で区画した一側の地山を順次掘削するから、当該施工域に本線トンネルと支線トンネルとを施工して地山を補強し、前記トンネルの一側に従来の基地導坑と等価で施工が容易な拡幅部を設け、施工の容易化と拡幅部の補強を簡素化するとともに、前記二つのトンネルを略並行して施工することで、施工の迅速化と工期の短縮化を図ることができ、しかもトンネルの施工後は、前記拡幅部を非常駐車帯または避難域に利用することができる。
【0087】
請求項25の発明は、前記トンネルを、前記本線トンネルおよび支線トンネルの施工に後行して施工するから、前述した各作業の安全性を確保するとともに、前記先行トンネルの施工に追随してトンネルを施工することで、工期の短縮化を図るとともに、トンネル施工時に先行トンネルの施工設備や資材等を活用し得る利点がある。
請求項26の発明は、前記本線トンネルと支線トンネルが既設トンネルであれば、本線トンネルと支線トンネルに布設した本線と支線を活用し、各種の装置や機材、資材等を容易かつ迅速に搬送して、工期の短縮化と工費の低減を図れるとともに、前記トンネルの拡幅に容易に応じられる効果がある。
【0088】
請求項27の発明は、前記本線トンネルと支線トンネルを、例えば略一側半部と略他側半部に分けて、それぞれ段階的に撤去するから、本線トンネルと支線トンネルの撤去を安全に行なえるとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避することができる。
請求項28の発明は、前記埋設管で区画した地山を、例えば略一側半部と略他側半部に分けて段階的に掘削するから、地山の掘削を安全に行なえるとともに、周辺の地山に対する影響を極力回避することができる。
【0089】
請求項29の発明は、前記拡幅部から、前記埋設管を一側方向および他側方向へ布設するから、これらの埋設管でトンネルの外側を囲繞して、トンネルの強度を強化することができる。
請求項30の発明は、前記埋設管として、作業者が出入り可能な内径を有する埋設管を使用するから、前記埋設管布設時の作業者による例えば先端装置の着脱作業やその整備点検、或いは前記埋設管を利用した作業者による補助工法の施工を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を地下道路トンネルのランプ部に適用した状況を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図4】図1のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図5】本発明の施工手順を示す図5乃至図17において、その施工初期の本線トンネルの施工状況を示す断面図である。
【図6】本発明の施工手順を示す断面図で、図5に示す施工後の止水処理の施工状況を示している。
【図7】本発明の施工手順を示す断面図で、図6に示す施工後に通路口を設け、作業通路と基地導坑を掘削する施工状況を示している。
【図8】図7に示す作業通路と基地導坑の施工状況を示す斜視図である。
【図9】本発明の施工手順を示す断面図で、図7に示す施工後に埋設管を布設する施工状況を示している。
【図10】図9に示す埋設管を布設する施工状況を示す斜視図である。
【図11】本発明の施工手順を示す断面図で、図9に示す施工後の地盤改良処理の施工状況を示している。
【図12】本発明の施工手順を示す断面図で、図11に示す施工後の基礎桁コンクリ−ト打設等の施工状況を示している。
【図13】本発明の施工手順を示す断面図で、図12に示す施工後に本線トンネルの上半部のセグメントを撤去し、上半部の地山を掘削している施工状況を示している。
【図14】本発明の施工手順を示す断面図で、図13に示す施工後に本線トンネルの下半部のセグメントを撤去し、下半部の地山を掘削している施工状況を示している。
【図15】本発明の施工手順を示す断面図で、図14に示す施工後の足場を撤去してインバ−ト部を掘削し、コンクリ−トを打設している施工状況を示している。
【図16】本発明の施工手順を示す断面図で、図15に示す施工後の上部覆工壁の施工状況を示している。
【図17】本発明の施工手順を示す断面図で、図16に示す施工後に本線および支線を布設する施工状況を示している。
【図18】本発明の第2の実施形態を示す平面図で、ランプトンネル内の分合流域の一部を、トンネルの長さ方向に沿って漸次拡幅している。
【図19】本発明の第3の実施形態を示す施工完成後の状況を示す斜視図で、ランプトンネルの上下に埋設管を布設して、前記トンネルの外側を囲繞している。
【図20】図19のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図21】図19のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図22】図19のF−F線に沿う拡大断面図である。
【図23】前記第3の実施形態の施工途中の状況を示す斜視図で、ランプトンネルの上下に埋設管を布設して、前記トンネルの外側を囲繞している。
【図24】本発明の第4の実施形態の施工手順を示す図24乃至図32において、その施工初期の本線トンネルの施工状況を示す断面図である。
【図25】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図24に示す施工後の止水処理と支線トンネルの施工状況を示している。
【図26】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図25に示す施工後の本線トンネルと支線トンネルの拡幅施工状況を示している。
【図27】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図26に示す施工後の埋設管布設施工状況を示している。
【図28】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図27に示す施工後の地盤改良処理工状況を示している。
【図29】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図28に示す施工後の基礎桁コンクリ−ト打設と、足場組み立て施工状況を示している。
【図30】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図29に示す施工後の上半部セグメント撤去と、上半部掘削等の施工状況を示している。
【図31】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図29に示す施工後の足場撤去と下半部掘削、下半部セグメント撤去等の施工状況を示している。
【図32】前記第4の実施形態の施工手順を示す断面図で、図29に示す施工後の二次覆工と構造物の施工状況を示している。
【符号の説明】
1 トンネル(ランプトンネル)
2 地山
3 本線トンネル
4 支線トンネル
6 本線
8 支線
13〜16 基地導坑
17〜19 埋設管
23〜25 覆工壁
26〜31 作業通路
35 分合流域
49〜51 埋設管
57 覆工壁
58〜59 拡幅部
Claims (30)
- 曲管状の埋設管をトンネルの長さ方向と交差して複数配置し、前記埋設管に沿って覆工壁を形成し、前記埋設管と覆工壁の両端部をトンネルの両側部で支持するトンネルの構造において、前記トンネルを、本線構造物を布設する本線トンネルと、支線構造物を布設する支線トンネルとに連通可能に設け、前記トンネル内に、前記本線構造物と、該本線構造物から支線構造物へ分流し、または支線構造物から本線構造物へ合流可能な、分合流域とを設けたことを特徴とするトンネルの構造。
- 前記トンネルの一端部側に、前記分流部または合流部を設けた請求項1記載のトンネルの構造。
- 前記分合流域の幅を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次、増大若しくは減少させた請求項1記載のトンネルの構造。
- 前記トンネルの外側を前記埋設管で囲繞した請求項1記載のトンネルの構造。
- 前記トンネル内の一側に、前記本線構造物を偏在させた請求項1記載のトンネルの構造。
- 前記トンネルの内空を、前記本線トンネル空間と支線トンネル空間とを略包摂可能に形成し、または前記本線トンネル空間と支線トンネル空間との相加空間以上に拡大した請求項1記載のトンネルの構造。
- 前記本線トンネルの内空断面を、支線トンネルの内空断面よりも大きく形成した請求項1記載のトンネルの構造。
- 前記トンネルの内空断面を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次変化させた請求項1記載のトンネルの構造。
- 前記トンネルの内空断面積を、トンネルの長さ方向に沿って段階的または漸次、増大若しくは減少させた請求項8記載のトンネルの構造。
- 前記埋設管を作業者が出入り可能な内径に形成した請求項1記載のトンネルの構造。
- トンネルの長さ方向に基地導坑を離間して掘削し、該導坑の一方から他方の基地導坑に向けて曲管状の埋設管を複数布設し、前記埋設管の両端部を前記基地導坑部で支持し、前記埋設管で区画した一側の地山を掘削後、前記埋設管に沿って覆工壁を形成するトンネルの築造方法において、前記トンネルの施工区間に本線構造物を施工可能な少なくとも本線トンネルを施工し、該本線トンネルを挟む両側に基地導坑を掘削し、該基地導坑を介し前記本線トンネルの外側に前記埋設管を複数布設後、前記本線トンネルを撤去するとともに、前記埋設管で区画した一側の地山を掘削するようにしたことを特徴とするトンネルの築造方法。
- 前記トンネルを、前記本線トンネルの施工に後行して施工する請求項11記載のトンネルの築造方法。
- 前記本線トンネルの坑内設備や資材等を利用して、前記トンネルを施工する請求項12記載のトンネルの築造方法。
- 前記本線トンネルが既設トンネルである請求項11記載のトンネルの築造方法。
- 前記基地導坑の少なくとも一方と前記本線トンネルとの間に作業通路を掘削し、該作業通路を介して前記本線トンネルから前記一方の基地導坑へ、各種装置および資材等を搬入する請求項11または請求項12記載のトンネルの築造方法。
- 前記基地導坑の一方を前記本線トンネルの近接位置に掘削し、他方の基地導坑を前記本線トンネルの一側から他側端部に亘って、段階的または漸次離間しまたは近接して掘削する請求項11記載のトンネルの築造方法。
- 前記作業通路を、前記基地導坑に複数掘削する請求項15記載のトンネルの築造方法。
- 前記作業通路を介して、前記基地導坑に設置した各種装置等を本線トンネルへ搬出し、これを次期施工位置の作業通路を介して、基地導坑へ搬入する請求項15記載のトンネルの築造方法。
- 前記本線トンネルを段階的に撤去する請求項11記載のトンネルの築造方法。
- 前記埋設管で区画した地山を段階的に掘削する請求項11記載のトンネルの築造方法。
- 前記基地導坑から、前記埋設管を一側方向および他側方向へ布設する請求項11記載のトンネルの築造方法。
- 前記埋設管として、作業者が出入り可能な内径を有する埋設管を使用する請求項11記載のトンネルの築造方法。
- 前記トンネルの施工区間に、前記本線トンネルと、支線構造物を施工可能な支線トンネルとを略並行して施工する請求項11記載のトンネルの築造方法。
- トンネルの長さ方向に基地導坑を離間して配置し、該導坑の一方から他方の基地導坑に向けて曲管状の埋設管を複数布設し、前記埋設管の両端部を前記基地導坑部で支持し、前記埋設管で区画した一側の地山を掘削後、前記埋設管に沿って覆工壁を形成するトンネルの築造方法において、前記トンネルの施工区間に、本線構造物を施工可能な本線トンネルと、支線構造物を施工可能な支線トンネルとを略並行して施工し、該本線トンネルと支線トンネルの外側の一側を部分的または連続的に拡幅し、該拡幅部の一方から他方の拡幅部に向けて、曲管状の複数の埋設管を本線トンネルと支線トンネルの外側に布設し、前記本線トンネルと支線トンネルを順次撤去するとともに、前記埋設管で区画した一側の地山を順次掘削するようにしたことを特徴とするトンネルの築造方法。
- 前記トンネルを、前記本線トンネルおよび支線トンネルの施工に後行して施工する請求項24記載のトンネルの築造方法。
- 前記本線トンネルと支線トンネルが既設トンネルである請求項24記載のトンネルの築造方法。
- 前記本線トンネルと支線トンネルを、それぞれ段階的に撤去する請求項24記載のトンネルの築造方法。
- 前記埋設管で区画した地山を段階的に掘削する請求項24記載のトンネルの築造方法。
- 前記拡幅部から、前記埋設管を一側方向および他側方向へ布設する請求項24記載のトンネルの築造方法。
- 前記埋設管として、作業者が出入り可能な内径を有する埋設管を使用する請求項24記載のトンネルの築造方法。
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- 2003-07-17 JP JP2003198218A patent/JP2005036435A/ja active Pending
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