JP2005030815A - 燃料油の分析方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を簡単かつ高精度に分析できるようにする。
【解決手段】フィルタホルダ2内に、出口側ガスケット5,サポートスクリーン7,フィルタ6および入口側ガスケット4を順次挿入した後、蓋部材3を装着する。両ガスケット4,5に4個の濾過孔12a,13aと各濾過孔12a,13aを接続する十字状の分配通路12b,13bとからなる案内孔12,13をそれぞれ設ける。これにより、1回のサンプリング作業で4個のサンプルができ上がることになるが、各サンプルの濾過領域が、小型顕微鏡の視野以下の直径となるよう予め寸法設定しておく。Al+Si濃度は、一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を換算する換算グラフを用いて行なう。
【選択図】 図1
【解決手段】フィルタホルダ2内に、出口側ガスケット5,サポートスクリーン7,フィルタ6および入口側ガスケット4を順次挿入した後、蓋部材3を装着する。両ガスケット4,5に4個の濾過孔12a,13aと各濾過孔12a,13aを接続する十字状の分配通路12b,13bとからなる案内孔12,13をそれぞれ設ける。これにより、1回のサンプリング作業で4個のサンプルができ上がることになるが、各サンプルの濾過領域が、小型顕微鏡の視野以下の直径となるよう予め寸法設定しておく。Al+Si濃度は、一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を換算する換算グラフを用いて行なう。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料油中のFCC触媒粒子の数から、FCC触媒粒子の主成分であるAl+Si濃度を推定するための燃料油の分析方法およびその装置に係り、特に充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を簡単かつ高精度に分析することができる燃料油の分析方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在一般に用いられている舶用燃料油は、FCC触媒と呼ばれて主機関等に害を与える硬質の有害粒子を含有している場合が多いため、船内では、燃料油前処理装置を用いて有害粒子を取り除く必要があるが、有害粒子の濃度により、燃料油前処理装置を調整する必要があり、一般的には、FCC粒子の成分であるAl+Siの燃料油中の濃度を用いて、燃料油前処理装置の調整の程度を判断している。
【0003】
ところで、重油等の燃料油中のAl+Si濃度は、充分な専門的知識や設備がない船上においては測定が困難であるため、従来は、サンプリングした燃料油自体、あるいは燃料油を濾過したフィルタを陸上の分析機関に送り、この分析機関で、高度な分析(プラズマ発光分析,原子吸光分析,蛍光X線分析等)を行なってAl+Si濃度を測定する方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の分析方法においては、船舶が洋上を航行している際にはサンプリングした燃料油あるいはこれを濾過したフィルタを陸上の分析機関に送ることができないため、洋上航行中は燃料油を分析することができず、また仮に分析機関に送ることができた場合であっても、分析に長時間を要するという問題がある。
【0005】
ところで船舶においては、燃料油の使用直前に、必要量を燃料油前処理装置で前処理しながら主機関に送って航行する方法を採るのが通例である。このため、燃料油中に有害粒子がどの程度含まれているのか、また燃料油前処理装置で有害粒子がどの程度除去できたのか等を確認することが、主機関の損傷を防止する上で極めて有効であるが、従来の燃料油の分析方法ではこれができず、大きな問題となっている。
【0006】
本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を簡単かつ高精度に分析することができる燃料油の分析方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、燃料油中のAl+Si濃度を、より高精度に分析することができ、しかも分析時間も短縮することができる燃料油の分析方法およびその装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、
燃料油を定量サンプリングする工程と、
サンプリングした燃料油を定量の稀釈剤で稀釈する工程と、
稀釈した燃料油を、小型顕微鏡の視野以下の直径で、フィルタを用いて濾過する工程と、
濾過後のフィルタを洗浄し乾燥させる工程と、
フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を、小型顕微鏡を用いて計数する工程と、
FCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を換算する換算手段を用いて、計数したFCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を求める工程と、
により燃料油を分析するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を、簡単かつ高精度に分析することが可能となる。
【0009】
本発明はまた、小型顕微鏡にディジタルカメラをセットしてフィルタの状態を撮影し、得られたディジタル写真データを、専門部門に送信するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、船舶の着岸前であっても、データを専門部門に送ることができ、より正確な分析結果をより早く得ることが可能となる。
【0010】
本発明はまた、着脱可能な蓋部材を有する容器状のフィルタホルダと;このフィルタホルダ内に収容される入口側ガスケットおよび出口側ガスケットと;両ガスケットの間に介装されるフィルタと;フィルタと出口側ガスケットとの間に介装されるサポートスクリーンと;前記蓋体の中心位置に設けられた入口孔と;前記フィルタホルダ底部の中心位置に設けられた出口孔と;前記入口側ガスケットに設けられ、入口孔から流入した燃料油をフィルタまで案内する入口側案内孔と;前記出口側ガスケットの入口側案内孔に符合する位置に設けられ、フィルタを通過した燃料油を出口孔まで案内する出口側案内孔と;を設け、前記入口側案内孔を、小型顕微鏡の視野以下の直径で濾過可能に設定するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、小型の顕微鏡を用いても、フィルタの濾過領域全体を、フィルタを移動させることなく1回で視認することが可能となり、フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を計数する際に、素人であっても簡単かつ誤りなく計数することが可能となる。
【0011】
本発明はさらに、各案内孔を、フィルタ上の異なる複数の位置で濾過するための濾過孔と、各濾過孔と入口孔または出口孔とを接続する分配通路とで構成するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、複数のサンプリングを1回のサンプリング作業で行なうことが可能となり、大幅な省力化が可能となるとともに、サンプリング作業を複数回行なう場合に比較して、サンプリング量の目標値からのずれ量を少なくして精度の向上を図ることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の実施の一形態に係る燃料油の分析装置を示すもので、この分析装置1は、上方に開口する容器状のフィルタホルダ2と、このフィルタホルダ2の開口部に螺装連結される蓋部材3とを備えており、フィルタホルダ2と蓋部材3との間には、入口側ガスケット4,出口側ガスケット5,フィルタ6,およびサポートスクリーン7が積層状態で介装されるようになっている。
【0013】
前記フィルタホルダ2および蓋部材3は、図1および図2に示すように、その中心位置に入口孔8および出口孔9がそれぞれ設けられており、入口孔8および出口孔9は、フィルタホルダ2の内部に向かって次第に縮径するテーパ孔状をなしている。そしてこれにより、各孔8,9に後述する市販の注射筒を挿入した際に、注射筒が各孔8,9の内周面に完全に密着するようになっている。
【0014】
また、前記フィルタホルダ2の内部には、図1および図2に示すように、入口側ガスケット4と出口側ガスケット5との周方向の位置決めを行なうための位置決めピン10が立設されており、一方前記蓋部材3には、蓋部材3をフィルタホルダ2に装着した際に位置決めピン10が嵌入される環状の案内溝11が設けられている。
【0015】
また、前記入口側ガスケット4には、図1および図2に示すように、前記入口孔8から流入した燃料油をフィルタ6まで案内する入口側案内孔12が設けられており、また前記出口側ガスケット5には、フィルタ6を通過した燃料油を出口孔9まで案内する出口側案内孔13が設けられている。
【0016】
前記各案内孔12,13は、図1および図2に示すように、例えば周方向に等間隔で4個設けられた濾過孔12a,13aと、これら各濾過孔12a,13aを接続する例えば十字状の分配通路12b,13bとで構成されており、入口孔8から流入した燃料油は、分配通路12bで等分に分配され各濾過孔12aを通ってフィルタ6に導かれるとともに、フィルタ6を通過した燃料油は、各濾過孔13aから分配通路13bを介して中心位置に集められ、出口孔9から外部に排出されるようになっている。
【0017】
また、前記各濾過孔12aは、濾過領域が小型顕微鏡の視野以下となるよう、その直径が3mm程度に設定されており、これにより、フィルタ6の濾過領域全体を、フィルタ6を移動させることなく1回で視認できるようになっている。
【0018】
一方、前記各濾過孔13aは、濾過孔12aよりも稍大径の例えば直径が4mm程度に設定されており、これによりフィルタ6を通過した燃料油の全量を確実に捕捉して外部に排出できるようになっている。
【0019】
また、前記両ガスケット4,5の周縁一箇所には、図1および図2に示すように、前記位置決めピン10が嵌入される位置決め用切欠き14,15がそれぞれ設けられており、これにより、入側の各濾過孔12aと出側の各濾過孔13aとの周方向位置が完全に符合するようになっている。
【0020】
前記フィルタ6は、例えば孔径が5〜20μm程度の白色メンブレンフィルタで形成されており、その周縁一箇所には、位置決めピン10を避けるための切欠き16が設けられている。
【0021】
また、前記サポートスクリーン7は、例えば10μm程度の多数の小孔を有するステンレス鋼製のパンチングプレートで形成されており、このサポートスクリーン7を前記フィルタ6の出側に密着させた状態で、両ガスケット4,5間に介装することにより、濾過に支障を来たすことなくフィルタ6を確実にサポートすることができるようになっている。
【0022】
このサポートスクリーン7にもまた、図1および図2に示すように、前記フィルタ6と同様に、その周縁一箇所に、位置決めピン10を避けるための切欠き17が設けられており、両ガスケット4,5間に介装した際に支障を来たすことがないよう考慮されている。
【0023】
次に、前記分析装置1を用いた燃料油の分析方法について説明する。
分析に際しては、図3に示すように、まずサンプリングすべき燃料油としての舶用C重油をサンプリング容器21に採取し、粘度を下げるため50〜80℃程度に加温する。
【0024】
次いで、例えば1ミリリットルの小型注射筒22の先端に、マイクロピペッタ用のディスポーザブルチップ23を装着し、このディスポーザブルチップ23内に燃料油24を、例えば0.2ミリリットル採取する。そして、ディスポーザブルチップ23の外面に付着している燃料油24を、拭き取り紙25を用いて拭き取る。
【0025】
次いで、図4に示すように、拭き取り紙25を敷設したステンレスバット26上に分析装置1を設置し、入口孔8に10ミリリットル以上の容量を有する大型注射筒27をセットする。そして、この大型注射筒27に、トルエンあるいはトリクレン等の溶剤28を10ミリリットル注入する。
【0026】
次いで、図5に示すように、この溶剤28中に小型注射筒22内の燃料油24を排出するとともに、図6に示すように、小型注射筒22のプランジャ29を上下動させて、ディスポーザブルチップ23内が完全にきれいになるまで、溶剤28でディスポーザブルチップ23内を洗浄する。
【0027】
次いで、図7に示すように、大型注射筒27にプランジャ30をセットするとともに、図8に示すように、よく攪拌して燃料油24を溶剤28に溶かす。そして、第9図に示すように、プランジャ30をゆっくり押し出して、燃料油24と溶剤28との混合液31を、分析装置1内に送り込む。これにより、混合液31の濾過が終了したことになる。
【0028】
次いで、図10に示すように、大型注射筒27を分析装置1から取外すとともに、大型注射筒27からプランジャ30を取外す。その後、再度大型注射筒27を分析装置1に装着し、大型注射筒27内に、10ミリリットル程度の溶剤28を注入し、プランジャ30を装着して溶剤28を分析装置1内に押し出す。これにより、大型注射筒27内部,分析装置1内部およびその内部のフィルタ6が洗浄される。この操作を、1〜数回繰返して、分析装置1から排出される濾液が透明になるようにする。
【0029】
次いで、図11に示すように、プランジャ30が押し込まれた状態の大型注射筒27を、分析装置1の出口孔9に装着し、プランジャ30をゆっくり大型注射筒27から引出して、分析装置1内に入口孔8から外気を引入れる。その後、大型注射筒27から大型注射筒27を取外し、プランジャ30を押し込んだ後、再度大型注射筒27を分析装置1の出口孔9に装着して、前記操作を10回程度繰返す。これにより、分析装置1内のフィルタ6の乾燥が充分に行なわれる。
【0030】
このようにして、フィルタ6が充分に乾燥したならば、分析装置1内からフィルタ6を取出し、取出したフィルタ6を、通常は2枚のスライドグラス間に挾んでプレパラートにし、これを小型顕微鏡(図示せず)にセットして、4箇所の濾過領域を順次観察する。そして、4箇所で捕捉された20μm以上のFCC触媒粒子の個数を計数し、その合計を4で割って平均個数を求める。
【0031】
このようにして求めたFCC触媒粒子の個数から、図12に示すAl+Si濃度換算グラフを用いて、Al+Si濃度を推定する。なお、フィルタ6の4箇所の濾過領域は、小型顕微鏡にディジタルカメラをセットしてディジタル写真化し、そのデータをEメール等で陸上の分析機関に送信する。
【0032】
しかして、フィルタ6の4箇所の濾過領域は、小型顕微鏡の視野以下の直径に設定されているので、プレパラートを移動させることなく、1回の操作で各濾過領域を観察することができる。このため、各濾過領域内のFCC触媒粒子個数を計算する際に、素人であっても誤りなく計数することができる。
【0033】
また、4回分のサンプリング操作を、1回の濾過操作で行なうことができるとともに、一度に採取する燃料油24の採取量を増やすことができるため、採取量の誤差を抑えることができ、また4回分の平均値を求めることで、測定精度を向上させることができる。
【0034】
また、FCC触媒粒子の個数からAl+Si濃度を求める際に、図12に示す換算グラフを用いて行なうようにしているので、熟練を要することなく、Al+Si濃度を求めることができる。
【0035】
なお、前記実施の一形態においては、両ガスケット4,5に4個の濾過孔12a,13aを設ける場合について説明したが、濾過孔12a,13aは、3個以下でも5個以上でもよく、その数に制限はない。
【0036】
また、前記実施の一形態においては、換算グラフを用いてAl+Si濃度を求める場合について説明したが、換算グラフに代えて換算表等の他の換算手段を用いるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、
燃料油を定量サンプリングする工程と、
サンプリングした燃料油を定量の稀釈剤で稀釈する工程と、
稀釈した燃料油を、小型顕微鏡の視野以下の直径で、フィルタを用いて濾過する工程と、
濾過後のフィルタを洗浄し乾燥させる工程と、
フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を、小型顕微鏡を用いて計数する工程と、
FCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を換算する換算手段を用いて、計数したFCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を求める工程と、
により燃料油を分析するようにしているので、充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を、簡単かつ高精度に分析することができる。
【0038】
本発明はまた、小型顕微鏡にディジタルカメラをセットしてフィルタの状態を撮影し、得られたディジタル写真データを、専門部門に送信するようにしているので、船舶の着岸前であっても、データを専門部門に送ることができ、より正確な分析結果をより早く得ることができる。
【0039】
本発明はまた、着脱可能な蓋部材を有する容器状のフィルタホルダと;このフィルタホルダ内に収容される入口側ガスケットおよび出口側ガスケットと;両ガスケットの間に介装されるフィルタと;フィルタと出口側ガスケットとの間に介装されるサポートスクリーンと;前記蓋体の中心位置に設けられた入口孔と;前記フィルタホルダ底部の中心位置に設けられた出口孔と;前記入口側ガスケットに設けられ、入口孔から流入した燃料油をフィルタまで案内する入口側案内孔と;前記出口側ガスケットの入口側案内孔に符合する位置に設けられ、フィルタを通過した燃料油を出口孔まで案内する出口側案内孔と;を設け、前記入口側案内孔を、小型顕微鏡の視野以下の直径で濾過可能に設定するようにしているので、小型の顕微鏡を用いても、フィルタの濾過領域全体を、フィルタを移動させることなく1回で視認することができ、フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を計数する際に、素人であっても簡単かつ誤りなく計数することができる。
【0040】
本発明はさらに、各案内孔を、フィルタ上の異なる複数の位置で濾過するための濾過孔と、各濾過孔と入口孔または出口孔とを接続する分配通路とで構成するようにしているので、複数のサンプリングを1回のサンプリング作業で行なうことができ、大幅な省力化が可能となるとともに、サンプリング作業を複数回行なう場合に比較して、サンプリング量の目標値からのずれ量を少なくして精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る燃料油の分析装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1と同様の断面図である。
【図3】燃料油をサンプリングする方法を示す説明図である。
【図4】分析装置に装着された大型注射筒に溶剤を注入する方法を示す説明図である。
【図5】溶剤中にサンプリングした燃料油を注入する方法を示す説明図である。
【図6】小型注射筒に装着されたディスポーザブルチップの洗浄方法を示す説明図である。
【図7】大型注射筒にプランジャを装着した状態を示す説明図である。
【図8】溶剤を攪拌してサンプリングした燃料油を溶剤に溶かしている状態を示す説明図である。
【図9】溶剤に溶かした燃料油を濾過している状態を示す説明図である。
【図10】分析装置の内部等を洗浄している状態を示す説明図である。
【図11】フィルタの乾燥を行なっている状態を示す説明図である。
【図12】FCC触媒粒子の個数からAl+Si濃度を換算する換算グラフを示す説明図である。
【符号の説明】
1 分析装置
2 フィルタホルダ
3 蓋部材
4 入口側ガスケット
5 出口側ガスケット
6 フィルタ
7 サポートスクリーン
8 入口孔
9 出口孔
10 位置決めピン
12 入口側案内孔
12a,13a 濾過孔
12b,13b 分配通路
13 出口側案内孔
22 小型注射筒
23 ディスポーザブルチップ
24 燃料油
27 大型注射筒
28 溶剤
29,30 プランジャ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料油中のFCC触媒粒子の数から、FCC触媒粒子の主成分であるAl+Si濃度を推定するための燃料油の分析方法およびその装置に係り、特に充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を簡単かつ高精度に分析することができる燃料油の分析方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在一般に用いられている舶用燃料油は、FCC触媒と呼ばれて主機関等に害を与える硬質の有害粒子を含有している場合が多いため、船内では、燃料油前処理装置を用いて有害粒子を取り除く必要があるが、有害粒子の濃度により、燃料油前処理装置を調整する必要があり、一般的には、FCC粒子の成分であるAl+Siの燃料油中の濃度を用いて、燃料油前処理装置の調整の程度を判断している。
【0003】
ところで、重油等の燃料油中のAl+Si濃度は、充分な専門的知識や設備がない船上においては測定が困難であるため、従来は、サンプリングした燃料油自体、あるいは燃料油を濾過したフィルタを陸上の分析機関に送り、この分析機関で、高度な分析(プラズマ発光分析,原子吸光分析,蛍光X線分析等)を行なってAl+Si濃度を測定する方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の分析方法においては、船舶が洋上を航行している際にはサンプリングした燃料油あるいはこれを濾過したフィルタを陸上の分析機関に送ることができないため、洋上航行中は燃料油を分析することができず、また仮に分析機関に送ることができた場合であっても、分析に長時間を要するという問題がある。
【0005】
ところで船舶においては、燃料油の使用直前に、必要量を燃料油前処理装置で前処理しながら主機関に送って航行する方法を採るのが通例である。このため、燃料油中に有害粒子がどの程度含まれているのか、また燃料油前処理装置で有害粒子がどの程度除去できたのか等を確認することが、主機関の損傷を防止する上で極めて有効であるが、従来の燃料油の分析方法ではこれができず、大きな問題となっている。
【0006】
本発明は、かかる現況に鑑みなされたもので、充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を簡単かつ高精度に分析することができる燃料油の分析方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、燃料油中のAl+Si濃度を、より高精度に分析することができ、しかも分析時間も短縮することができる燃料油の分析方法およびその装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、
燃料油を定量サンプリングする工程と、
サンプリングした燃料油を定量の稀釈剤で稀釈する工程と、
稀釈した燃料油を、小型顕微鏡の視野以下の直径で、フィルタを用いて濾過する工程と、
濾過後のフィルタを洗浄し乾燥させる工程と、
フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を、小型顕微鏡を用いて計数する工程と、
FCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を換算する換算手段を用いて、計数したFCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を求める工程と、
により燃料油を分析するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を、簡単かつ高精度に分析することが可能となる。
【0009】
本発明はまた、小型顕微鏡にディジタルカメラをセットしてフィルタの状態を撮影し、得られたディジタル写真データを、専門部門に送信するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、船舶の着岸前であっても、データを専門部門に送ることができ、より正確な分析結果をより早く得ることが可能となる。
【0010】
本発明はまた、着脱可能な蓋部材を有する容器状のフィルタホルダと;このフィルタホルダ内に収容される入口側ガスケットおよび出口側ガスケットと;両ガスケットの間に介装されるフィルタと;フィルタと出口側ガスケットとの間に介装されるサポートスクリーンと;前記蓋体の中心位置に設けられた入口孔と;前記フィルタホルダ底部の中心位置に設けられた出口孔と;前記入口側ガスケットに設けられ、入口孔から流入した燃料油をフィルタまで案内する入口側案内孔と;前記出口側ガスケットの入口側案内孔に符合する位置に設けられ、フィルタを通過した燃料油を出口孔まで案内する出口側案内孔と;を設け、前記入口側案内孔を、小型顕微鏡の視野以下の直径で濾過可能に設定するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、小型の顕微鏡を用いても、フィルタの濾過領域全体を、フィルタを移動させることなく1回で視認することが可能となり、フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を計数する際に、素人であっても簡単かつ誤りなく計数することが可能となる。
【0011】
本発明はさらに、各案内孔を、フィルタ上の異なる複数の位置で濾過するための濾過孔と、各濾過孔と入口孔または出口孔とを接続する分配通路とで構成するようにしたことを特徴とする。そしてこれにより、複数のサンプリングを1回のサンプリング作業で行なうことが可能となり、大幅な省力化が可能となるとともに、サンプリング作業を複数回行なう場合に比較して、サンプリング量の目標値からのずれ量を少なくして精度の向上を図ることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。
図1および図2は、本発明の実施の一形態に係る燃料油の分析装置を示すもので、この分析装置1は、上方に開口する容器状のフィルタホルダ2と、このフィルタホルダ2の開口部に螺装連結される蓋部材3とを備えており、フィルタホルダ2と蓋部材3との間には、入口側ガスケット4,出口側ガスケット5,フィルタ6,およびサポートスクリーン7が積層状態で介装されるようになっている。
【0013】
前記フィルタホルダ2および蓋部材3は、図1および図2に示すように、その中心位置に入口孔8および出口孔9がそれぞれ設けられており、入口孔8および出口孔9は、フィルタホルダ2の内部に向かって次第に縮径するテーパ孔状をなしている。そしてこれにより、各孔8,9に後述する市販の注射筒を挿入した際に、注射筒が各孔8,9の内周面に完全に密着するようになっている。
【0014】
また、前記フィルタホルダ2の内部には、図1および図2に示すように、入口側ガスケット4と出口側ガスケット5との周方向の位置決めを行なうための位置決めピン10が立設されており、一方前記蓋部材3には、蓋部材3をフィルタホルダ2に装着した際に位置決めピン10が嵌入される環状の案内溝11が設けられている。
【0015】
また、前記入口側ガスケット4には、図1および図2に示すように、前記入口孔8から流入した燃料油をフィルタ6まで案内する入口側案内孔12が設けられており、また前記出口側ガスケット5には、フィルタ6を通過した燃料油を出口孔9まで案内する出口側案内孔13が設けられている。
【0016】
前記各案内孔12,13は、図1および図2に示すように、例えば周方向に等間隔で4個設けられた濾過孔12a,13aと、これら各濾過孔12a,13aを接続する例えば十字状の分配通路12b,13bとで構成されており、入口孔8から流入した燃料油は、分配通路12bで等分に分配され各濾過孔12aを通ってフィルタ6に導かれるとともに、フィルタ6を通過した燃料油は、各濾過孔13aから分配通路13bを介して中心位置に集められ、出口孔9から外部に排出されるようになっている。
【0017】
また、前記各濾過孔12aは、濾過領域が小型顕微鏡の視野以下となるよう、その直径が3mm程度に設定されており、これにより、フィルタ6の濾過領域全体を、フィルタ6を移動させることなく1回で視認できるようになっている。
【0018】
一方、前記各濾過孔13aは、濾過孔12aよりも稍大径の例えば直径が4mm程度に設定されており、これによりフィルタ6を通過した燃料油の全量を確実に捕捉して外部に排出できるようになっている。
【0019】
また、前記両ガスケット4,5の周縁一箇所には、図1および図2に示すように、前記位置決めピン10が嵌入される位置決め用切欠き14,15がそれぞれ設けられており、これにより、入側の各濾過孔12aと出側の各濾過孔13aとの周方向位置が完全に符合するようになっている。
【0020】
前記フィルタ6は、例えば孔径が5〜20μm程度の白色メンブレンフィルタで形成されており、その周縁一箇所には、位置決めピン10を避けるための切欠き16が設けられている。
【0021】
また、前記サポートスクリーン7は、例えば10μm程度の多数の小孔を有するステンレス鋼製のパンチングプレートで形成されており、このサポートスクリーン7を前記フィルタ6の出側に密着させた状態で、両ガスケット4,5間に介装することにより、濾過に支障を来たすことなくフィルタ6を確実にサポートすることができるようになっている。
【0022】
このサポートスクリーン7にもまた、図1および図2に示すように、前記フィルタ6と同様に、その周縁一箇所に、位置決めピン10を避けるための切欠き17が設けられており、両ガスケット4,5間に介装した際に支障を来たすことがないよう考慮されている。
【0023】
次に、前記分析装置1を用いた燃料油の分析方法について説明する。
分析に際しては、図3に示すように、まずサンプリングすべき燃料油としての舶用C重油をサンプリング容器21に採取し、粘度を下げるため50〜80℃程度に加温する。
【0024】
次いで、例えば1ミリリットルの小型注射筒22の先端に、マイクロピペッタ用のディスポーザブルチップ23を装着し、このディスポーザブルチップ23内に燃料油24を、例えば0.2ミリリットル採取する。そして、ディスポーザブルチップ23の外面に付着している燃料油24を、拭き取り紙25を用いて拭き取る。
【0025】
次いで、図4に示すように、拭き取り紙25を敷設したステンレスバット26上に分析装置1を設置し、入口孔8に10ミリリットル以上の容量を有する大型注射筒27をセットする。そして、この大型注射筒27に、トルエンあるいはトリクレン等の溶剤28を10ミリリットル注入する。
【0026】
次いで、図5に示すように、この溶剤28中に小型注射筒22内の燃料油24を排出するとともに、図6に示すように、小型注射筒22のプランジャ29を上下動させて、ディスポーザブルチップ23内が完全にきれいになるまで、溶剤28でディスポーザブルチップ23内を洗浄する。
【0027】
次いで、図7に示すように、大型注射筒27にプランジャ30をセットするとともに、図8に示すように、よく攪拌して燃料油24を溶剤28に溶かす。そして、第9図に示すように、プランジャ30をゆっくり押し出して、燃料油24と溶剤28との混合液31を、分析装置1内に送り込む。これにより、混合液31の濾過が終了したことになる。
【0028】
次いで、図10に示すように、大型注射筒27を分析装置1から取外すとともに、大型注射筒27からプランジャ30を取外す。その後、再度大型注射筒27を分析装置1に装着し、大型注射筒27内に、10ミリリットル程度の溶剤28を注入し、プランジャ30を装着して溶剤28を分析装置1内に押し出す。これにより、大型注射筒27内部,分析装置1内部およびその内部のフィルタ6が洗浄される。この操作を、1〜数回繰返して、分析装置1から排出される濾液が透明になるようにする。
【0029】
次いで、図11に示すように、プランジャ30が押し込まれた状態の大型注射筒27を、分析装置1の出口孔9に装着し、プランジャ30をゆっくり大型注射筒27から引出して、分析装置1内に入口孔8から外気を引入れる。その後、大型注射筒27から大型注射筒27を取外し、プランジャ30を押し込んだ後、再度大型注射筒27を分析装置1の出口孔9に装着して、前記操作を10回程度繰返す。これにより、分析装置1内のフィルタ6の乾燥が充分に行なわれる。
【0030】
このようにして、フィルタ6が充分に乾燥したならば、分析装置1内からフィルタ6を取出し、取出したフィルタ6を、通常は2枚のスライドグラス間に挾んでプレパラートにし、これを小型顕微鏡(図示せず)にセットして、4箇所の濾過領域を順次観察する。そして、4箇所で捕捉された20μm以上のFCC触媒粒子の個数を計数し、その合計を4で割って平均個数を求める。
【0031】
このようにして求めたFCC触媒粒子の個数から、図12に示すAl+Si濃度換算グラフを用いて、Al+Si濃度を推定する。なお、フィルタ6の4箇所の濾過領域は、小型顕微鏡にディジタルカメラをセットしてディジタル写真化し、そのデータをEメール等で陸上の分析機関に送信する。
【0032】
しかして、フィルタ6の4箇所の濾過領域は、小型顕微鏡の視野以下の直径に設定されているので、プレパラートを移動させることなく、1回の操作で各濾過領域を観察することができる。このため、各濾過領域内のFCC触媒粒子個数を計算する際に、素人であっても誤りなく計数することができる。
【0033】
また、4回分のサンプリング操作を、1回の濾過操作で行なうことができるとともに、一度に採取する燃料油24の採取量を増やすことができるため、採取量の誤差を抑えることができ、また4回分の平均値を求めることで、測定精度を向上させることができる。
【0034】
また、FCC触媒粒子の個数からAl+Si濃度を求める際に、図12に示す換算グラフを用いて行なうようにしているので、熟練を要することなく、Al+Si濃度を求めることができる。
【0035】
なお、前記実施の一形態においては、両ガスケット4,5に4個の濾過孔12a,13aを設ける場合について説明したが、濾過孔12a,13aは、3個以下でも5個以上でもよく、その数に制限はない。
【0036】
また、前記実施の一形態においては、換算グラフを用いてAl+Si濃度を求める場合について説明したが、換算グラフに代えて換算表等の他の換算手段を用いるようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、
燃料油を定量サンプリングする工程と、
サンプリングした燃料油を定量の稀釈剤で稀釈する工程と、
稀釈した燃料油を、小型顕微鏡の視野以下の直径で、フィルタを用いて濾過する工程と、
濾過後のフィルタを洗浄し乾燥させる工程と、
フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を、小型顕微鏡を用いて計数する工程と、
FCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を換算する換算手段を用いて、計数したFCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を求める工程と、
により燃料油を分析するようにしているので、充分な専門的知識や設備がない船上等においても、燃料油中のAl+Si濃度を、簡単かつ高精度に分析することができる。
【0038】
本発明はまた、小型顕微鏡にディジタルカメラをセットしてフィルタの状態を撮影し、得られたディジタル写真データを、専門部門に送信するようにしているので、船舶の着岸前であっても、データを専門部門に送ることができ、より正確な分析結果をより早く得ることができる。
【0039】
本発明はまた、着脱可能な蓋部材を有する容器状のフィルタホルダと;このフィルタホルダ内に収容される入口側ガスケットおよび出口側ガスケットと;両ガスケットの間に介装されるフィルタと;フィルタと出口側ガスケットとの間に介装されるサポートスクリーンと;前記蓋体の中心位置に設けられた入口孔と;前記フィルタホルダ底部の中心位置に設けられた出口孔と;前記入口側ガスケットに設けられ、入口孔から流入した燃料油をフィルタまで案内する入口側案内孔と;前記出口側ガスケットの入口側案内孔に符合する位置に設けられ、フィルタを通過した燃料油を出口孔まで案内する出口側案内孔と;を設け、前記入口側案内孔を、小型顕微鏡の視野以下の直径で濾過可能に設定するようにしているので、小型の顕微鏡を用いても、フィルタの濾過領域全体を、フィルタを移動させることなく1回で視認することができ、フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を計数する際に、素人であっても簡単かつ誤りなく計数することができる。
【0040】
本発明はさらに、各案内孔を、フィルタ上の異なる複数の位置で濾過するための濾過孔と、各濾過孔と入口孔または出口孔とを接続する分配通路とで構成するようにしているので、複数のサンプリングを1回のサンプリング作業で行なうことができ、大幅な省力化が可能となるとともに、サンプリング作業を複数回行なう場合に比較して、サンプリング量の目標値からのずれ量を少なくして精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る燃料油の分析装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1と同様の断面図である。
【図3】燃料油をサンプリングする方法を示す説明図である。
【図4】分析装置に装着された大型注射筒に溶剤を注入する方法を示す説明図である。
【図5】溶剤中にサンプリングした燃料油を注入する方法を示す説明図である。
【図6】小型注射筒に装着されたディスポーザブルチップの洗浄方法を示す説明図である。
【図7】大型注射筒にプランジャを装着した状態を示す説明図である。
【図8】溶剤を攪拌してサンプリングした燃料油を溶剤に溶かしている状態を示す説明図である。
【図9】溶剤に溶かした燃料油を濾過している状態を示す説明図である。
【図10】分析装置の内部等を洗浄している状態を示す説明図である。
【図11】フィルタの乾燥を行なっている状態を示す説明図である。
【図12】FCC触媒粒子の個数からAl+Si濃度を換算する換算グラフを示す説明図である。
【符号の説明】
1 分析装置
2 フィルタホルダ
3 蓋部材
4 入口側ガスケット
5 出口側ガスケット
6 フィルタ
7 サポートスクリーン
8 入口孔
9 出口孔
10 位置決めピン
12 入口側案内孔
12a,13a 濾過孔
12b,13b 分配通路
13 出口側案内孔
22 小型注射筒
23 ディスポーザブルチップ
24 燃料油
27 大型注射筒
28 溶剤
29,30 プランジャ
Claims (4)
- 燃料油を定量サンプリングする工程と、
サンプリングした燃料油を定量の稀釈剤で稀釈する工程と、
稀釈した燃料油を、小型顕微鏡の視野以下の直径で、フィルタを用いて濾過する工程と、
濾過後のフィルタを洗浄し乾燥させる工程と、
フィルタで捕捉された一定以上の粒径のFCC触媒粒子の数を、小型顕微鏡を用いて計数する工程と、
FCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を換算する換算手段を用いて、計数したFCC触媒粒子の数からAl+Si濃度を求める工程と、
を具備することを特徴とする燃料油の分析方法。 - 小型顕微鏡にディジタルカメラをセットしてフィルタの状態を撮影し、得られたディジタル写真データを、専門部門に送信することを特徴とする請求項1記載の燃料油の分析方法。
- 着脱可能な蓋部材を有する容器状のフィルタホルダと;このフィルタホルダ内に収容される入口側ガスケットおよび出口側ガスケットと;両ガスケットの間に介装されるフィルタと;フィルタと出口側ガスケットとの間に介装されるサポートスクリーンと;前記蓋体の中心位置に設けられた入口孔と;前記フィルタホルダ底部の中心位置に設けられた出口孔と;前記入口側ガスケットに設けられ、入口孔から流入した燃料油をフィルタまで案内する入口側案内孔と;前記出口側ガスケットの入口側案内孔に符合する位置に設けられ、フィルタを通過した燃料油を出口孔まで案内する出口側案内孔と;を備え、前記入口側案内孔は、小型顕微鏡の視野以下の直径で濾過可能に設定されていることを特徴とする燃料油の分析装置。
- 各案内孔は、フィルタ上の異なる複数の位置で濾過するための濾過孔と、各濾過孔と入口孔または出口孔とを接続する分配通路とを備えていることを特徴とする請求項3記載の燃料油の分配装置。
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