【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、珪藻土を主体とした住環境改善材料及びそれを用いた建材、敷設材並びに散布剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従前より、建築物におけるシロアリ被害が大きな問題となっている。シロアリは、一般に湿潤な木材を好んで食べることがよく知られているが、木材の他にも布や紙はもちろん、コンクリート、土、ゴム、ビニール素材等も食害する極めて雑食性の高い害虫であることが知られてきている。このようなシロアリ被害は、日本国内に伴わず、また湿潤か乾燥しているかの気候も問わず、世界中で深刻化している。シロアリ対策としては、これまで合成化学薬剤や天然薬剤等を床下や基礎コンクリート等のシロアリが巣を作りそうな箇所に散布したり塗布する方法が採用されてきてはいるが、このような方法ではシロアリに対する駆除効果が長続きせず、所定期間を空けて何度も薬剤処理する必要があって手間やコストが多大であるという問題があり、また薬剤の中には人体やペット、家畜等に有害で使用に注意を要する成分が含まれていることもある。また、特に湿気がこもりがちな床下は、シロアリ以外にもダニ等の害虫やカビ等の雑菌が繁殖しやすい場所でもあるため、建築物そのものが朽ちたり、その建築物に居住する者に健康被害を及ぼしたりするという問題も指摘されている。
【０００３】
また、気密性の高い今日の建築物では、その気密性の高さ故に居室内に湿気がこもりがちになりカビやダニが繁殖しやすくなっているだけでなく、いわゆる新建材に使用されているホルムアルデヒド等の揮発性有機化学物質（ＶＯＣ）が原因で起こるといわれているシックハウス症候群による居住者の健康被害も大きな問題となっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、青森ヒバや台湾ヒノキに代表される木材を使用した建築物ではシロアリやダニ等の害虫や、カビ等の雑菌が繁殖しにくいと言われている。そして、このような木材に多量に含まれるヒノキチオール成分が防虫・抗菌効果のみならず、ＶＯＣを除去（中和）する効果があることが分かってきている。そこで、ヒノキチオールの精油又はそれを希釈した液剤を直接、建築物の柱や床、基礎部分、壁体等に散布したり塗布するなどすることによって、防シロアリ・防ダニ・抗菌効果を得たり、シックハウス対策としようとする方法が各種考えられている。
しかしながらこのような方法では、一旦、液剤を散布などの処理を施した後、ヒノキチオール成分が揮発してしまうと所期の効果が薄れてしまい、その後繰り返して何度も処理を行わなければならないという不具合がある。特に床下には、建築物の施工前には処理を行いやすいが、建築物が完成してしまうと液剤の散布等を行うのが極めて煩雑となる問題がある。また、液剤は一般に、タンク等に入れて保存・運搬する必要があって、取り扱いが不便である。
【０００５】
また、このところ、調湿性を有し「呼吸する素材」として珪藻土が注目されるようになってきている。珪藻土は、植物プランクトン（珪藻類）が化石化し海底や湖底に堆積してできたもので、珪酸を主成分とし、一粒の大きさが約５０マイクロメートルで、表面及び内部の全体に亘って直径約０．１〜０．２マイクロメートルの微細孔を多数有する超多孔質のものである。このような性質から珪藻土の、不燃性、断熱性、結露防止機能、調湿機能、呼吸性、消臭機能、防水機能、空気浄化機能などの種々の有用な性能・機能を有用な建材として利用されるようになってきている。
【０００６】
そこで本発明は、上述のようなヒノキチオールと珪藻土の有用性に着目して、両者組み合わせた有用な住環境改善材料を提供するとともに、その住環境改善材料を用いた優れた建材等をも提供することを目的としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の住環境改善材料は、珪藻土を主体としてなるものであって、前記珪藻土の細孔部に、ヒノキチオールを含有する液体を保持させてなることを特徴とするものである。
【０００８】
このようなものであれば、珪藻土による不燃性、断熱性、結露防止性、調湿性、呼吸性、消臭性、防水性、空気浄化性等の有用な特徴と、珪藻土の細孔部に吸着され保持されたヒノキチオールの抗菌性、防虫性、ＶＯＣ除去性、リラクゼーション性等の各種の特性とが相俟って、これまでにない優れた住環境改善材料を得ることができる。すなわち、珪藻土が有する優れた特性は損なわず、その細孔部からヒノキチオールが放出されることで、ヒノキチオール独自の効果をも得られるようになる。ここで、ヒノキチオールとしては、青森ヒバや台湾ヒノキ等の木材から抽出した液剤や、化学合成したヒノキチオールの溶液等を適用することができる。
【０００９】
なお、より簡単にヒノキチオールによる効果を得るには、珪藻土の細孔部に、ヒバ油を保持させるようにすることもできる。このようにすれば、ヒバ油中にはヒノキチオールが多量に含まれているので、ヒノキチオールによる抗菌、防カビ、防虫、ＶＯＣ除去、リラクゼーション等の上述の諸効果を得られる上に、ヒバ油からのヒノキチオール抽出工程をなくすことができるので、この住環境改善材料の製造に係るコストや時間を削減することができる。また、天然素材である珪藻土やヒバ油を用いれば、この住環境改善材料を使用した住宅に居住する者（オフィスなどでは働く者）にとっても、安心して使用することができる。
【００１０】
以上のような住環境改善材料を使用した建材としては、主材料であるコンクリート組成中に住環境改善材料を含有させてなる建築物の基礎部、主材料である非透水性のシート本体中に住環境改善材料を含有させてなる防湿シート、当該住環境改善材料を主材料として形成してなる建築物の壁体、主材料である漆喰又はセメントに住環境改善材料を含有させ建築物の壁体に貼り付けて施工される板状の壁パネル、主材料である発泡性を有する建材本体に住環境改善材料を保持又は含有させてなる建築物の壁や床や天井等に施工される発泡性建材、主材料として畳床とその表面に掛けられる畳表とを少なくとも具備し該畳床中に住環境改善材料を含有させてなる畳等が挙げられる。
【００１１】
また、本発明の住環境改善材料を使用して、た散布剤としては、建築物の床下又はその周辺に敷設される敷設材であって、内外に通気可能な収容体の内部に、前記住環境改善材料を収容したものが挙げられる。
【００１２】
さらに、住環境改善材料を使用した散布剤としては、住環境改善材料を組成中に含有し、建築物の基礎部、当該基礎部の周辺における土壌、建築物の床や壁等に散布又は混合し得るようにしたものが挙げられる。
このような各種建材や敷設材、散布剤において、ヒノキチオールに基づく効果をさらに持続的に奏し得るようにするには、ヒノキチオールを含有する液体を内蔵し少なくとも経時変化によって崩壊することで該液体を徐々に放出し得るマイクロカプセル、ヒノキチオールを含有する木材粉末の少なくともいずれか一つを住環境改善材料と併用することが好ましい。また、住環境改善材料の割合は、建材や散布剤の約３％とすることが望ましいが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜の割合で含有させるようにするとよい。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【００１４】
図１は、本実施形態における住環境改善材料１の拡大断面図である。この住環境改善材料１は、珪藻土１１を主体とし、その細孔部１１ａにヒバ油１２を含有させたものである。珪藻土１１の一粒ずつについては、例えば図１に示すように直径約５０マイクロメートルの大きさを有し、直径約０．１〜０．２マイクロメートルの微細孔を無数に備えた超多孔質の微粒子である。
【００１５】
この住環境改善材料１の製造方法について図２を用いて簡単に説明する。まず、同図（ａ）に示すように、所定量の珪藻土１１をヒバ油１２を溜めた容器内に投入する。このヒバ油１２は、青森ヒバや台湾ヒノキの木片や樹皮、枝葉等を細かく粉砕したものに高温高圧の蒸気を当てて生じた液体のうち、ヒノキチオールを多量に含む油溶成分である。珪藻土１１の投入当初は、珪藻土１１がヒバ油１２の液面に浮かんでいるが（同図（ｂ））、細孔部１１ａにヒバ油１２が吸着されると徐々に容器の底に沈むようになる（同図（ｃ））。この沈んだものを取り出すと（同図（ｄ））、本実施形態の住環境改善材料１が得られる。
【００１６】
以下、このようにして得られた住環境改善材料１の適用例について説明する。
【００１７】
まず、図３に示す第１の適用例は、土壌Ｓ中に敷設された栗石層Ａの上に防湿シートＷＲＳを介して施工される建築物の基礎部Ｂ（コンクリート基礎）やその周辺の土壌Ｓに散布するための散布剤１０である。この散布剤１０は、図４に概略的に示すように、前記住環境改善材料１と、ヒバ油１２を内蔵するマイクロカプセル２と、青森ヒバ等の木材チップ３とを基材である水に混ぜて噴霧器Ｐから噴霧するようにした液剤である。前記マイクロカプセル２は、図５に模式的に示すように、カプセル本体２１と、そのカプセル本体２１の内部に保持されたヒノキチオールを含有する液体であるヒバ油１２とからなる。カプセル本体２１は、それぞれ複数の非崩壊性粒子と崩壊性粒子とを混在させた構成の約２μｍ程度の大きさの多孔質粒子であり、非崩壊性粒子をセラミックス粒子２１ａから構成し、崩壊性粒子を大豆レシチン等の植物性タンパク質粒子２１ｂから構成している。このうち植物性タンパク質粒子２１ｂが温度変化や光の作用で経時的に崩壊することによって形成された孔２１ｓから内部のヒバ油１２が放出されることになる。すなわち、マイクロカプセル２は、ヒバ油１２を徐々に放出する徐放性を備えている。なお、ヒバ油１２は、前記住環境改善材料１に含まれるヒバ油１２と同様の工程によって得られるものである。また、住環境改善材料１、マイクロカプセル２や木材チップ３は極めて微少なものであるため、図５ではそれらを誇張して示している。このような構成のマイクロカプセル２は、図４に示すように数十個から数百個程度が相互に引き合った状態の塊となって散布剤１０中に存在している。また、木材チップ３は、ヒノキチオールを多量に含有する青森ヒバ等（他には台湾ヒノキ等）の樹皮や枝葉等を数ミリメートル程度の大きさに粉砕したものである。そして、この用例では、住環境改善材料１、マイクロカプセル２、木材チップ３をそれぞれ散布剤１０の全重量に対して約３％の割合で配合している。なお、この配合割合は３％に限らず適宜変更が可能である。
【００１８】
このような散布剤１０を、建築物の基礎部Ｂやその周辺の土壌Ｓに散布すると、まず、住環境改善材料１の珪藻土１１における細孔部１１ａからヒバ油１２が揮発して、そのヒバ油１２に含まれるヒノキチオールの作用によって土壌Ｓ中や基礎部Ｂ及びその周辺において防シロアリ作用等が奏され、建築初期段階におけるシロアリ被害を予防することができる。また、マイクロカプセル２の植物性タンパク質粒子２１ｂが崩壊し始めると、カプセル本体内２１からヒバ油１２が徐々に放出され、そのヒバ油１２に含まれるヒノキチオールによって、中長期間に亘って防シロアリ効果等が発揮される。なお、植物性タンパク質粒子２１ｂが崩壊することによってできた孔２１ｓはセラミックス粒子２１ａによって可及的に小さく塞がれるため、個々のマイクロカプセル２においても比較的長期間に亘ってヒノキチオールを放出することができるが、マイクロカプセル２によっては初期の段階から崩壊するものからかなり後になって崩壊するものまで様々であるため、マイクロカプセル２による防シロアリ効果は継続的に発揮されることになる。さらに、木材チップ３からはごく少量ずつのヒノキチオールが放出されるため、即効性には劣るものの、殆ど全てのマイクロカプセル２が崩壊してしたり、珪藻土１１からヒバ油１２が放出し終わってその効果が薄れた後でもヒノキチオールを放出し続けるので、さらに長期に亘って防シロアリ効果等が得られることになる。なお、前記液体やマイクロカプセル１、樹皮粉末２から放出されたヒノキチオールによって得られる効果は防シロアリ効果だけではなく、ダニその他の害虫に対する防虫効果や、カビや細菌等に対する除菌・抗菌効果、さらには建築物に使用された合成樹脂接着剤や新建材等から発散するホルムアルデヒド等のシックハウス症候群の原因となるＶＯＣに対する除去効果も含まれるのは勿論である。さらに、ヒバ油１２を放出中あるいは放出後の珪藻土１１は、その細孔部１１ａにおいて、ＶＯＣの吸着効果、臭いの原因物質を吸着する防臭効果、調湿効果等も得ることができる。また、建築物が完成した後、一定時間の経過後に散布剤１０を土壌Ｓや基礎部Ｂに散布することによっても、シロアリ駆除効果を含む各種効果が高い効率で奏されることになる。なお、土壌Ｓには散布剤１０を上方から散布するだけでなく、土壌Ｓ中に散布剤１０を混ぜ合わせるようにしてもよい。
【００１９】
また、散布剤１０の基材としては、水以外にも青森ヒバ等の抽出液（例えば水溶成分や油用成分）を用いると、上記の効果がより一層高まることになる。また、散布剤１０の基材中には、住環境改善材料１のみを含有させてもよいし、前記マイクロカプセル２又は木材チップ３のいずれか一方のみを住環境改善材料１と併用するようにしてもよい。
【００２０】
次に、図６〜図８に示す住環境改善材料１の第２適用例は、建築物の床下Ｆｓやその周辺の土壌Ｓに載置又は埋設するようにした敷設材２０である。なお、床下空間Ｆｓや基礎部Ｂの外側に配置される敷設材２０の数、間隔、土壌Ｓ中に埋設する深さなどは、建築物の広さや予算、その他の要因によって任意に決めることができる。さらに、建築物の完成後であっても可能であれば、床下空間Ｆｓや土壌Ｓ中に敷設材２０を配設するようにしてもよい。個々の敷設材２０は、図８に模式的に示すように、袋状をなす収容体２１と、この収容体２１の内部に収容される住環境改善材料１、マイクロカプセル２、木材チップ３とから構成される。収容体２１は、例えば麻袋や不織布からなる袋など、通気性を有する素材からなるものであって、これら以外にも土嚢用袋等として通常使用されるものなど、種々のものを適用することができる。マイクロカプセル２及び木材チップ３は、前記第１適用例のものと同様のものである。この他にも、収容体２１には土やおがくず等を収容しておいてもよい。なお、収容体２１には、住環境改善材料１のみを収容させておいてもよいし、マイクロカプセル２又は木材チップ３のいずれか一方を住環境改善材料１と併用するようにしてもよい。
【００２１】
そして、このような敷設材２０を図６及び図７に示すように、建築物の基礎部Ｂ、床Ｆ及び土壌Ｓとの間に形成される床下空間Ｆｓに載置したり、建築物外における基礎部Ｂの周辺の土壌Ｓに埋設するなどすることで、住環境改善材料１の珪藻土１１やマイクロカプセル２から放出されるヒバ油１２中のヒノキチオールの作用によって、短期的及び中期的な防シロアリ効果、防カビ効果等が得られることになる。さらに長期的には、前記第１適用例と同様に、木材チップ３から放出されるヒノキチオールによる効果が得られる。また、ヒバ油１２を放出中あるいは放出後の珪藻土１１によって、ＶＯＣの吸着効果、防臭効果、調湿効果等が得られることも、第１適用例と同様である。したがって、第１適用例の散布剤１０と第２適用例の敷設材２０の両方を同時に実施するようにしてもよいのは勿論である。
【００２２】
また、図９及び図１０に示す住環境改善材料１の第３適用例は、建材本体としてロックウール３１を適用した発泡性建材３０である。図９は、発泡性建材３０を吹き付け施工した建築物の壁を一部破断して示すものである。この壁は防耐火性能を向上させたもので、外壁材として防火サイディング３００を配設し、その内側に耐水合板３１０を設け、さらにその内側に耐水シート３２０を張り、この耐水シート３２０の内側に立てた柱３３０同士の間に前記発泡性建材３０を施工し、室内側に内装材として石膏ボード３４０を配設している。なお同図において発泡性建材３０には網掛けを附して示している。図１０は、吹きつけ施工された発泡性建材３０の一部を拡大して模式的に示したものである。この発泡性建材３０は、鉱物を原料として繊維状にして形成した発泡性を有する建材本体たるロックウール３１の互いに絡み合った繊維表面に、上述した各適用例で用いたのと同様の多数の住環境改善材料１、多数のマイクロカプセル２、多数の木材チップ３が付着した状態で保持されている。このような構成の発泡性建材３０は、住環境改善材料１とマイクロカプセル２と木材チップ３とをロックウール３１と共に適宜の発泡機内に混合したうえで、噴射することで施工することができる。あるいは、住環境改善材料１等を混合済のロックウール３１を発泡機で発泡させた後で施工箇所に流し込むようにしてもよい。なお、住環境改善材料１、マイクロカプセル２、木材チップ３の発泡性建材３０に対する割合は、それぞれ約３％とすることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。また、ロックウール３１には住環境改善材料１のみを付着させてもよいし、マイクロカプセル２又は木材チップ３のいずれか一方を住環境改善材料１と併用するようにしてもよい。更に、建材本体としてロックウールの代わりに、グラスウールやセルロースファイバー等の無機・木質繊維性建材を用いることができるのは勿論のこと、その他にもポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォームやフェノール系、イソシアヌレート系等の樹脂性建材を適用することができる。
【００２３】
このような発泡性建材３０によれば、防音断熱材としての基本性能を有していることはいうまでもなく、ロックウール３１に保持された住環境改善材料１やマイクロカプセル２のからヒバ油１２が放出されると、ヒバ油１２中のヒノキチオールによって、新建材や合成樹脂接着剤から発するホルムアルデヒド等のシックハウス症候群の原因物質であるＶＯＣを有効に除去できるとともに、壁や室内に繁殖するダニやシロアリ、カビ等の雑菌の繁殖を防止又は抑制することが可能である。また、住環境改善材料１を構成する珪藻土１１や木材チップ３によっては壁内での調湿作用が得られるうえに、木材チップ３からもさらに長期に亘ってヒノキチオールが放出されるために、住環境改善材料１やマイクロカプセル２の効果と相まって、建築物の防虫、抗菌効果及びシックハウス症候群による人体の健康被害防止を、極めて長期間維持することが可能である。また、ヒノキチオールの芳香による居住者へのリラクゼーション効果も有効に得られる。
【００２４】
さらにまた、図１１に示す住環境改善材料１の第４適用例は、建築物の壁体Ｗにおける屋内側や屋外側に貼り付けて内装壁や外装壁として施工・使用される壁パネル４０である。この壁パネル４０は、図１２に部分的に拡大した断面を示すように、漆喰４１を主たる原材料として構成され、その漆喰４１中に、前述の各適用例と同様の住環境改善材料１、マイクロカプセル２、木材チップ３とを含有させたものである。これら住環境改善材料１、マイクロカプセル２、木材チップ３の漆喰４１に対する割合は、それぞれ約３％とすることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。また、漆喰４１には住環境改善材料１のみを含有させてもよいし、マイクロカプセル２又は木材チップ３のいずれか一方を住環境改善材料１と併用するようにしてもよい。更に、壁パネル４０に漆喰４１そのもの以外の色を付ける場合には、漆喰４１に色土を配合するとよい。
【００２５】
この壁パネル４０は、漆喰の塗装に要する高度な技術を回避し、施工の手間や製造のコストダウンを図るため、所定のサイズに規格化した板状をなすものである。具体的には壁パネル４０の上縁及び下縁に沿ってそれぞれ段部４２、４３を形成し、上側に配置される壁パネル４０の下縁側の段部４３と下側に配置される壁パネル４０の上縁側の段部４２とを相互に係り合わせることによって容易に位置決めができるようにしており、さらに各壁パネル４０を前記段部４２、４３に係合させるようにした取付金具ＢＲを介して壁体Ｗの起立面に整列させて簡単に取り付けられるようにしている。
【００２６】
このような壁パネル４０であると、漆喰４１本来の調湿作用と、住環境改善材料１を構成する珪藻土１１や木材チップ３の調湿作用とが相俟って、屋内の調湿作用を極めて良好に行うことができる。また、住環境改善材料１やマイクロカプセル２のからヒバ油１２が放出されると、ヒバ油１２中のヒノキチオールによって、ＶＯＣを有効に除去できるとともに、壁体Ｗや室内に繁殖するダニやシロアリ、カビ等の雑菌の繁殖を建築初期段階から建築後長期間に亘って防止又は抑制することも可能である。さらに、ヒノキチオールの芳香による居住者へのリラクゼーション効果も有効に得られる。なお、壁パネル４０の主材料は漆喰４１に限らず、セメントや土、あるいはヒバ油１２を含有しない珪藻土１１を使用することもできる。
【００２７】
また、図１３に示す住環境改善材料１の第５適用例は、建築物の床に敷設される畳５０である。この畳は、同図及び図１４に示すように、畳床５１と、畳床５１の表裏両面側に配設される表裏一対の畳表５２と、畳床５１及び畳表５２の間に配設される不織布からなるシート材５３とを備えてなるものである。これらに加えて縁（へり）が設けられる場合もある。畳床２は、ポリウレタンフォームやポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム等の硬質発泡性合成樹脂素材からなる芯材５１１と、その芯材５１１の表裏両面側を覆う位置に配置される木材の小片（削片や破片等）を圧縮成型などして形成したいわゆるパーティクルボードからなる一対のボード材５１２とによって構成している。そして、図１４に示すように、心材５１１を構成する主材料である合成樹脂素材中に、前述の各適用例と同様の住環境改善材料１と、マイクロカプセル２をその成型前に多数混入している。更に、ボード材５１２には、木材チップ３を混入している。これら住環境改善材料１及びマイクロカプセル２の合成樹脂素材の重量に対する割合、木材チップ３のボード材５１２に対する割合は、それぞれ約３％としているが必ずしもこの限りではない。また、心材５１１には住環境改善材料１のみを混入したり、それと木材チップ３を併用して混入してもよく、ボード材５１２にも住環境改善材料１やマイクロカプセル２を混入してもよい。また、図示していないが、畳表５２やシート材５３にも住環境改善材料１、マイクロカプセル２、木材チップ３等を付着又は混在させておくこともできる。
【００２８】
このような畳５０によれば、畳床５１の素材中に含有させた住環境改善材料１やマイクロカプセル２、木材チップ３から時間経過とともに連続的に放出されるヒバ油１２に含まれるヒノキチオールの作用によって、連続的に新建材や合成樹脂製接着剤等から放出されるＶＯＣ除去されてシックハウス症候群の発生を施工当初から長期に亘って抑制することができ、さらには畳５０自体や、壁、床、あるいは室内におけるダニやシロアリ、あるいはカビ等の雑菌類の繁殖を抑制することができる。また、住環境改善材料１を構成する珪藻土１１や木材チップ３が奏する調湿作用によって、調湿性能の高い畳５０を構成することもできる。その他、畳５０から室内に放出されることになるヒノキチオールによって、居住者がリラックス効果を享受することもできるようになる。
【００２９】
なお、本発明の住環境改善材料１は、上述の各適用例に限らない。例えば、図３に示した建築物の基礎部Ｂの主材料であるセメントやモルタル等のコンクリート素材中に住環境改善材料１を混入したり、同じく図３に示した防水シートＷＲＳの主材料である強化ビニル素材等からなる非透水性シートに住環境改善材料１を含有させても、高い対シロアリ性能を発揮することができる。さらに壁体そのものの塗装に際して、住環境改善材料１を主材料として塗り壁施工を行ってもよいし、漆喰の塗り壁に住環境改善材料１を混入することもできる。また、これらに例や上記各適用例において、ヒバ油を含有しない珪藻土と住環境改善材料とを併用してもよいし、各適用例を同時に用いてもよい。
【００３０】
その他、ヒバ油の代わりに、ヒバ油から抽出されるヒノキチオールの溶液を用いたり、化学合成されたヒノキチオールの溶液を用いるなど、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【００３１】
【発明の効果】
本発明は、以上に詳述したように、珪藻土の細孔部にヒバ油やヒノキチオールを含有する液体を保持させた新規な住環境改善材料である。したがって、このような住環境改善材料を各種建材や散布剤、敷設材などに適用することで、珪藻土が有する不燃性、断熱性、結露防止機能、調湿機能、呼吸性、消臭機能、防水機能、空気浄化機能に加えて、ヒノキチオールが有するシロアリやダニ等に対する防虫機能、カビ等の雑菌に対する抗菌機能、シックハウスの原因となるＶＯＣの除去機能、芳香によるリラクゼーション機能などの機能が相乗的に発揮される建築物を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態である住環境改善材料を示す断面図。
【図２】同実施形態の住環境改善材料の製造工程を示す説明図。
【図３】同実施形態の第１適用例を示す概略的な断面図。
【図４】同適用例の散布剤を示す概略図。
【図５】同適用例に使用されるマイクロカプセルの概略的な断面図。
【図６】同実施形態の第２適用例を示す概略的な斜視図。
【図７】同適用例を示す概略的な断面図。
【図８】同適用例の敷設材を示す概略的な断面図。
【図９】同実施形態の第３適用例を示す概略的な斜視図。
【図１０】同適用例の発泡性建材を示す概略的な断面図。
【図１１】同実施形態の第４適用例を示す概略的な斜視図。
【図１２】同適用例の壁パネルを示す部分的な概略断面図。
【図１３】同実施形態の第５適用例を示す概略的な斜視図。
【図１４】同適用例の畳を示す概略的な断面図。
【符号の説明】
１…住環境改善材料
２…マイクロカプセル
３…木材チップ
１０…散布剤
１１…珪藻土
１１ａ…細孔部
１２…ヒバ油
２０…敷設材
３０…建材（発泡性建材）
４０…建材（壁パネル）
５０…畳（建材）
Ｂ…建材（基礎部）
Ｓ…土壌
ＷＲＳ…建材（防湿シート）[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a living environment improvement material mainly composed of diatomaceous earth, a building material using the same, a laying material, and a spraying agent.
[0002]
[Prior art]
Termite damage in buildings has been a major problem for some time. It is well known that termites generally prefer to eat moist wood, but it is a highly omnivorous pest that can damage not only wood but also cloth, paper, concrete, soil, rubber, and vinyl materials. It has been known that there is. Such termite damage is becoming more serious all over the world, regardless of whether it is wet or dry in Japan. As a countermeasure against termites, a method of spraying or applying synthetic chemical agents or natural agents to places where termites such as under floors and foundation concrete are likely to form nests has been adopted. The termite control effect does not last long, and there is a problem that it is necessary to process the drug many times after a predetermined period of time, which is troublesome and expensive. Some drugs are harmful to the human body, pets, livestock, etc. It may contain ingredients that require attention in use. In addition, the floor, which tends to be particularly moist, is also a place where insects such as mites and fungi such as molds can easily propagate in addition to termites, so the building itself may decay or damage the health of those living in the building. It has also been pointed out the problem of
[0003]
Moreover, in today's highly airtight buildings, the high airtightness tends to cause moisture in the living room, making it easier for mold and mites to propagate, and it is also used for so-called new building materials. Health damage to residents due to sick house syndrome, which is said to be caused by volatile organic chemicals (VOC) such as formaldehyde, is also a major problem.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, it is said that insects such as termites and ticks and fungi such as fungi are difficult to propagate in buildings using wood represented by Aomori Hiba and Taiwan Hinoki. Further, it has been found that the hinokitiol component contained in a large amount in such wood has not only an insecticidal and antibacterial effect but also an effect of removing (neutralizing) VOC. Therefore, by spraying or applying the hinokitiol essential oil or a solution diluted with it directly to the pillars, floors, foundations, walls, etc. of buildings, it is possible to obtain termite, mite, and antibacterial effects. There are various ways to take measures against sick house.
However, in such a method, once the treatment such as spraying of the liquid agent is performed, if the hinokitiol component volatilizes, the desired effect is diminished, and the treatment must be repeated many times thereafter. There is a bug. In particular, under the floor, it is easy to perform the treatment before the construction of the building, but there is a problem that it becomes very complicated to spray the liquid agent when the building is completed. Further, the liquid agent is generally inconvenient to handle because it needs to be stored and transported in a tank or the like.
[0005]
Recently, diatomaceous earth has been attracting attention as a “breathing material” having humidity control. Diatomaceous earth is a product of phytoplankton (diatoms) fossilized and deposited on the bottom of the sea or lake, with silicic acid as the main component, a grain size of about 50 micrometers, and the entire surface and interior. It is a superporous material having a large number of micropores having a diameter of about 0.1 to 0.2 micrometers. Due to these properties, diatomaceous earth uses various useful performances and functions such as nonflammability, heat insulation, anti-condensation function, humidity control function, breathability, deodorant function, waterproof function, and air purification function as useful building materials. It has come to be.
[0006]
Therefore, the present invention pays attention to the usefulness of hinokitiol and diatomaceous earth as described above, and provides a useful living environment improving material combined with both, and also provides an excellent building material using the living environment improving material. The purpose is that.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
That is, the living environment improving material of the present invention is mainly composed of diatomaceous earth, and is characterized in that a liquid containing hinokitiol is held in the pores of the diatomaceous earth.
[0008]
If this is the case, it will be adsorbed to the pores of diatomaceous earth with useful characteristics such as nonflammability, heat insulation, anti-condensation, humidity control, breathability, deodorization, waterproofing, air purification, etc. Combined with various properties such as antibacterial properties, insect repellent properties, VOC removal properties, and relaxation properties of the hinokitiol held and retained, an excellent living environment improving material that has never been obtained can be obtained. That is, the superior characteristics of diatomaceous earth are not impaired, and hinokitiol's unique effects can be obtained by releasing hinokitiol from its pores. Here, as the hinokitiol, a liquid agent extracted from wood such as Aomori Hiba and Taiwan Hinoki, a chemically synthesized hinokitiol solution, or the like can be applied.
[0009]
In addition, in order to obtain the effect by hinokitiol more easily, it is also possible to hold the hiba oil in the pores of diatomaceous earth. In this way, since the hinokithiol is contained in a large amount in the hiba oil, the above-mentioned effects such as antibacterial, antifungal, insecticidal, VOC removal, relaxation and the like by the hinokitiol can be obtained, and from the hiba oil Since the hinokitiol extraction step can be eliminated, the cost and time involved in the production of the living environment improving material can be reduced. In addition, if diatomaceous earth and hiba oil, which are natural materials, are used, they can be used with peace of mind even for those who live in a house using the living environment improving material (workers in offices, etc.).
[0010]
As building materials using the living environment improvement material as described above, in the foundation part of the building containing the living environment improvement material in the concrete composition which is the main material, in the non-permeable sheet body which is the main material A moisture-proof sheet containing a living environment improvement material, a wall of a building formed by using the living environment improvement material as a main material, a wall of a building containing a living environment improvement material in plaster or cement as a main material Plate-like wall panels that are applied to the body, foamability that is applied to the walls, floors, ceilings, etc. of buildings that contain or contain living environment improvement materials in the main building material body that has foamability Examples of the building material include a tatami mat that includes at least a tatami floor and a tatami table hung on the surface of the tatami floor, and a living environment improving material is contained in the tatami floor.
[0011]
Moreover, as a spraying agent using the living environment improving material of the present invention, it is a laying material laid under the floor of the building or in the vicinity thereof, and inside the container that can ventilate inside and outside, The thing which accommodated the living environment improvement material is mentioned.
[0012]
Furthermore, as a spraying agent that uses a living environment improvement material, the living environment improvement material is contained in the composition, and it is sprayed or mixed on the foundation of the building, the soil around the foundation, the floor or wall of the building, etc. The ones that can be obtained are listed.
In such various building materials, laying materials, and spraying agents, in order to be able to exert the effect based on hinokitiol more continuously, the liquid containing hinokitiol is built in, and the liquid is gradually broken down by at least aging. It is preferable to use at least one of a microcapsule that can be released into the environment and a wood powder containing hinokitiol in combination with a living environment improving material. Further, the proportion of the living environment improving material is preferably about 3% of the building material and the spraying agent, but is not necessarily limited to this, and it is preferable to contain the material in an appropriate proportion.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0014]
FIG. 1 is an enlarged cross-sectional view of a living environment improving material 1 in the present embodiment. This living environment improvement material 1 is mainly composed of diatomaceous earth 11 and contains a hiba oil 12 in its pores 11a. Each diatomaceous earth 11 has a size of about 50 micrometers in diameter as shown in FIG. 1, for example, and is extremely porous with an infinite number of micropores having a diameter of about 0.1 to 0.2 micrometers. Of fine particles.
[0015]
The manufacturing method of this living environment improvement material 1 is demonstrated easily using FIG. First, as shown in FIG. 2A, a predetermined amount of diatomaceous earth 11 is put into a container in which hiba oil 12 is stored. This hiba oil 12 is an oil-soluble component containing a large amount of hinokitiol among liquids produced by applying high-temperature and high-pressure steam to finely pulverized wood chips, bark, branches and leaves of Aomori hiba and Taiwan cypress. At the beginning of the introduction of diatomaceous earth 11, diatomaceous earth 11 floats on the liquid surface of the hiba oil 12 ((b) in the figure), but when the hiba oil 12 is adsorbed to the pores 11a, it gradually sinks to the bottom of the container. ((C) in the figure). When this sinked thing is taken out (the figure (d)), the living environment improvement material 1 of this embodiment is obtained.
[0016]
Hereinafter, application examples of the living environment improving material 1 obtained in this way will be described.
[0017]
First, the 1st application example shown in FIG. 3 is the foundation part B (concrete foundation) of the building constructed | assembled via the moisture-proof sheet | seat WRS on the chestnut layer A laid in the soil S, and its surrounding soil. A spraying agent 10 for spraying on S. As schematically shown in FIG. 4, this spraying agent 10 is water based on the living environment improving material 1, microcapsules 2 containing hiba oil 12, and wood chips 3 such as Aomori hiba. It is the liquid agent which was mixed with and sprayed from the sprayer P. As schematically shown in FIG. 5, the microcapsule 2 includes a capsule main body 21 and hiba oil 12 that is a liquid containing hinokitiol held in the capsule main body 21. The capsule body 21 is a porous particle having a size of about 2 μm and configured by mixing a plurality of non-disintegrating particles and disintegrating particles, and the non-disintegrating particles are composed of ceramic particles 21a. The particles are composed of vegetable protein particles 21b such as soybean lecithin. Among these, the plant protein particles 21b are released from the inner hiba oil 12 through the holes 21s formed by the time-dependent collapse due to temperature changes and the action of light. That is, the microcapsule 2 has a sustained release property that gradually releases the hiba oil 12. In addition, the hiba oil 12 is obtained by the process similar to the hiba oil 12 contained in the said living environment improvement material 1. FIG. Moreover, since the living environment improvement material 1, the microcapsule 2, and the wood chip 3 are extremely small, they are exaggerated in FIG. As shown in FIG. 4, the microcapsule 2 having such a configuration is present in the spraying agent 10 as a lump with several tens to several hundreds attracting each other. In addition, the wood chip 3 is obtained by pulverizing bark, branches and leaves of Aomori Hiba and the like (in addition, Taiwan Hinoki etc.) containing a large amount of hinokitiol to a size of several millimeters. In this example, the living environment improving material 1, the microcapsule 2, and the wood chip 3 are blended at a ratio of about 3% with respect to the total weight of the spraying agent 10. The blending ratio is not limited to 3% and can be changed as appropriate.
[0018]
When such a spraying agent 10 is sprayed on the foundation B of the building or the surrounding soil S, first, the hiba oil 12 volatilizes from the pores 11a in the diatomaceous earth 11 of the living environment improving material 1, and the hiba Due to the action of hinokitiol contained in the oil 12, termite action or the like is exerted in the soil S or in the base B and its surroundings, and termite damage in the early stage of construction can be prevented. Moreover, when the vegetable protein particle 21b of the microcapsule 2 starts to decay, the cypress oil 12 is gradually released from the capsule body 21, and the hinokitiol contained in the cypress oil 12 prevents termite effect over a medium to long term. Etc. are demonstrated. In addition, since the pores 21s formed by the collapse of the vegetable protein particles 21b are blocked as small as possible by the ceramic particles 21a, the hinokitiol can be released from the individual microcapsules 2 over a relatively long period of time. However, depending on the microcapsule 2, the microcapsule 2 varies from the one that collapses from the initial stage to the one that collapses considerably later, so that the termite-proof effect of the microcapsule 2 is continuously exhibited. Furthermore, since only a small amount of hinokitiol is released from the wood chip 3, although it is inferior in immediate effect, almost all the microcapsules 2 have collapsed or the cypress oil 12 has been released from the diatomaceous earth 11. Since the hinokitiol continues to be released even after the effect is weakened, the termite effect and the like can be obtained over a longer period of time. In addition, the effect obtained by the hinokitiol released from the liquid, the microcapsule 1 and the bark powder 2 is not only a termite effect, but also an insecticidal effect against mites and other pests, a sterilization / antibacterial effect against molds and bacteria, Of course, it also includes a removal effect on VOCs causing sick house syndrome such as formaldehyde emanating from synthetic resin adhesives and new building materials used in buildings. Further, the diatomaceous earth 11 during or after the release of the hiba oil 12 can also obtain a VOC adsorption effect, a deodorizing effect for adsorbing odor-causing substances, a humidity control effect, and the like in the pores 11a. In addition, after the building is completed, by spraying the spraying agent 10 on the soil S or the base portion B after a certain period of time, various effects including the termite extermination effect are exhibited with high efficiency. In addition, not only the spraying agent 10 may be sprayed on the soil S from above, but the spraying agent 10 may be mixed in the soil S.
[0019]
Moreover, when the extract of the spray agent 10 such as Aomori Hiba (for example, a water-soluble component or an oil component) is used in addition to water, the above effect is further enhanced. Further, the base material of the spray agent 10 may contain only the living environment improving material 1, or only one of the microcapsule 2 and the wood chip 3 may be used in combination with the living environment improving material 1. May be.
[0020]
Next, the 2nd application example of the living environment improvement material 1 shown in FIGS. 6-8 is the laying material 20 made to mount or embed in the underfloor Fs of buildings, or the soil S around it. In addition, the number of the laying material 20 arrange | positioned outside the underfloor space Fs and the foundation part B, a space | interval, the depth embed | buried in the soil S, etc. can be decided arbitrarily by the width of a building, a budget, and other factors. it can. Further, the laying material 20 may be disposed in the underfloor space Fs or the soil S if possible even after the building is completed. As shown schematically in FIG. 8, each laying material 20 includes a bag-shaped container 21, a living environment improving material 1, a microcapsule 2, and a wood chip 3 housed in the container 21. Consists of The container 21 is made of a material having air permeability, such as a hemp bag or a non-woven fabric bag. In addition to these, various things such as those normally used as sandbag bags can be applied. it can. The microcapsule 2 and the wood chip 3 are the same as those in the first application example. In addition to this, the container 21 may contain soil, sawdust, or the like. The housing 21 may contain only the living environment improving material 1, or either the microcapsule 2 or the wood chip 3 may be used in combination with the living environment improving material 1.
[0021]
And such a laying material 20 is mounted in the underfloor space Fs formed between the foundation part B of the building, the floor F, and the soil S, as shown in FIGS. By embedding it in the soil S around the base B in Japan, the hinokitiol in the hiba oil 12 released from the diatomaceous earth 11 and the microcapsule 2 of the living environment improving material 1 prevents the short-term and medium-term prevention. A termite effect, an antifungal effect, etc. will be acquired. In the long term, the effect of hinokitiol released from the wood chip 3 can be obtained as in the first application example. Further, the VOC adsorption effect, deodorizing effect, humidity control effect, and the like can be obtained by the diatomaceous earth 11 during or after the release of the hiba oil 12 as in the first application example. Therefore, it is needless to say that both the spraying agent 10 of the first application example and the laying material 20 of the second application example may be implemented simultaneously.
[0022]
Moreover, the 3rd application example of the living environment improvement material 1 shown in FIG.9 and FIG.10 is the foamable building material 30 which applied the rock wool 31 as a building material main body. FIG. 9 shows a partially broken wall of a building on which the foamable building material 30 is sprayed. This wall has improved fire and fire resistance. A fire siding 300 is provided as an outer wall material, a water resistant plywood 310 is provided on the inside thereof, and a water resistant sheet 320 is stretched on the inside thereof. The foamable building material 30 is constructed between the standing pillars 330, and a gypsum board 340 is disposed as an interior material on the indoor side. In the figure, the foamable building material 30 is shown with shading. FIG. 10 schematically shows an enlarged part of the foamable building material 30 that has been sprayed. This foamable building material 30 has a large number of dwellings similar to those used in each of the application examples described above on the fiber surface of the rock wool 31 which is a foamable building material body formed from a mineral as a raw material. The environmental improvement material 1, a large number of microcapsules 2, and a large number of wood chips 3 are held in an attached state. The foamable building material 30 having such a configuration can be applied by mixing the living environment improving material 1, the microcapsule 2, and the wood chip 3 together with the rock wool 31 in an appropriate foaming machine and then injecting it. Alternatively, the rock wool 31 mixed with the living environment improving material 1 or the like may be foamed with a foaming machine and then poured into the construction site. In addition, although it is preferable that the ratio with respect to the foamable building material 30 of the living environment improvement material 1, the microcapsule 2, and the wood chip 3 is each about 3%, it is not necessarily this limitation. Further, only the living environment improving material 1 may be attached to the rock wool 31, or either the microcapsule 2 or the wood chip 3 may be used in combination with the living environment improving material 1. Furthermore, in addition to rock wool, inorganic and wood fiber building materials such as glass wool and cellulose fiber can be used as the building material body, as well as polyurethane foam, polyethylene foam, polystyrene foam, phenolic, isocyanate. A resinous building material such as a nurate type can be applied.
[0023]
According to such a foamable building material 30, it is needless to say that it has the basic performance as a soundproofing heat insulating material, and the living environment improving material 1 and the microcapsule 2 held in the rock wool 31 are used as a hiba oil. When 12 is released, hinokitiol in hiba oil 12 can effectively remove VOCs that cause sick house syndrome such as formaldehyde emitted from new building materials and synthetic resin adhesives, and mites that grow on walls and indoors. It is possible to prevent or suppress the propagation of germs such as termites and molds. Further, depending on the diatomaceous earth 11 and the wood chip 3 constituting the living environment improvement material 1, the humidity control action in the wall can be obtained, and hinokitiol is also released from the wood chip 3 for a long period of time, so Combined with the effects of the environmental improvement material 1 and the microcapsule 2, it is possible to maintain the insect-proofing of the building, the antibacterial effect, and the prevention of human health damage due to sick house syndrome for an extremely long time. Moreover, the relaxation effect to the resident by the fragrance of hinokitiol is also effectively obtained.
[0024]
Furthermore, the fourth application example of the living environment improving material 1 shown in FIG. 11 is a wall panel 40 that is applied to an indoor side or an outdoor side of a building wall W and is constructed and used as an interior wall or an exterior wall. is there. The wall panel 40 is configured with a plaster 41 as a main raw material so as to show a partially enlarged cross-section in FIG. 12. In the plaster 41, the living environment improvement material 1, micro, similar to each of the application examples described above. The capsule 2 and the wood chip 3 are contained. The ratio of the living environment improving material 1, the microcapsule 2, and the wood chip 3 to the plaster 41 is preferably about 3%, but is not necessarily limited thereto. The plaster 41 may contain only the living environment improving material 1, or either the microcapsule 2 or the wood chip 3 may be used in combination with the living environment improving material 1. Furthermore, when adding a color other than the plaster 41 itself to the wall panel 40, it is advisable to add colored soil to the plaster 41.
[0025]
The wall panel 40 has a plate shape standardized to a predetermined size in order to avoid advanced techniques required for plaster coating and to reduce the labor and cost of construction. Specifically, step portions 42 and 43 are formed along the upper and lower edges of the wall panel 40, respectively, and the step portion 43 on the lower edge side of the wall panel 40 disposed on the upper side and the wall panel disposed on the lower side are formed. 40 is attached to the step 42 on the upper edge side of each other, and positioning can be easily performed via a mounting bracket BR for engaging each wall panel 40 with the steps 42 and 43. In this way, it can be easily attached by being aligned with the standing surface of the wall W.
[0026]
In the case of such a wall panel 40, the humidity control action of the plaster 41 and the humidity control action of the diatomaceous earth 11 and the wood chip 3 constituting the living environment improvement material 1 are combined to provide an indoor humidity control action. It can be done very well. In addition, when the hiba oil 12 is released from the living environment improving material 1 and the microcapsule 2, VOC can be effectively removed by the hinokitiol in the hiba oil 12, and mites and termites that propagate in the wall W and the room, It is also possible to prevent or suppress the propagation of germs such as mold from the initial stage of construction over a long period after construction. Furthermore, the relaxation effect to the resident by the fragrance of hinokitiol is also effectively obtained. In addition, the main material of the wall panel 40 is not limited to the plaster 41, and diatomaceous earth 11 that does not contain cement, soil, or hiba oil 12 can also be used.
[0027]
Moreover, the 5th application example of the living environment improvement material 1 shown in FIG. 13 is the tatami mat 50 laid on the floor of a building. This tatami is disposed between the tatami floor 51, the pair of front and back tatami mats 52 disposed on the front and back sides of the tatami floor 51, and the tatami floor 51 and the tatami mat 52, as shown in FIG. And a sheet material 53 made of a non-woven fabric. In addition to these, an edge (edge) may be provided. The tatami floor 2 includes a core material 511 made of a hard foamable synthetic resin material such as polyurethane foam, polystyrene foam, and polyethylene foam, and small pieces of wood (cut pieces and And a pair of board members 512 made of a so-called particle board formed by compression molding or the like. Then, as shown in FIG. 14, the living environment improving material 1 and the microcapsule 2 similar to those in the above application examples are mixed in the synthetic resin material which is the main material constituting the core material 511 before the molding. ing. Further, the wood chip 3 is mixed in the board material 512. The ratio of the living environment improving material 1 and the microcapsule 2 to the weight of the synthetic resin material and the ratio of the wood chip 3 to the board material 512 are about 3%, but are not necessarily limited thereto. Further, only the living environment improving material 1 may be mixed into the core material 511, or it may be mixed with the wood chip 3 in combination, and the living environment improving material 1 and the microcapsule 2 may also be mixed into the board material 512. Good. Moreover, although not shown in figure, the living environment improvement material 1, the microcapsule 2, the wood chip 3, etc. can also be adhered or mixed also to the tatami mat 52 and the sheet | seat material 53. FIG.
[0028]
According to such a tatami 50, the hinokitiol contained in the hiba oil 12 continuously released from the living environment improving material 1, the microcapsule 2 and the wood chip 3 contained in the material of the tatami floor 51 over time. By the action, VOCs continuously released from new building materials, synthetic resin adhesives, etc. are removed, and the occurrence of sick house syndrome can be suppressed for a long time from the beginning of construction, and the tatami 50 itself, walls, It is possible to suppress the propagation of mites such as mites, termites, and molds on the floor or in the room. Moreover, the tatami mat 50 with high humidity control performance can also be configured by the humidity control effect produced by the diatomaceous earth 11 and the wood chip 3 constituting the living environment improving material 1. In addition, a resident can also enjoy a relaxing effect by hinokitiol which will be released indoors from the tatami mat 50.
[0029]
In addition, the living environment improvement material 1 of this invention is not restricted to each above-mentioned application example. For example, the living environment improving material 1 is mixed into a concrete material such as cement or mortar, which is the main material of the foundation B of the building shown in FIG. 3, or the main material of the waterproof sheet WRS shown in FIG. Even if the living environment improving material 1 is contained in a water-impermeable sheet made of a reinforced vinyl material or the like, high termite performance can be exhibited. Furthermore, when painting the wall itself, the painted wall construction may be performed using the living environment improving material 1 as a main material, or the living environment improving material 1 may be mixed into the plastered painted wall. Further, in these examples and the above application examples, diatomaceous earth containing no hiba oil and the living environment improvement material may be used in combination, or each application example may be used simultaneously.
[0030]
In addition, the specific configuration of each part is not limited to the above embodiment, such as using a hinokitiol solution extracted from cypress oil instead of cypress oil, or using a chemically synthesized hinokitiol solution. Various modifications can be made without departing from the spirit of the invention.
[0031]
【The invention's effect】
As described in detail above, the present invention is a novel living environment improving material in which a liquid containing hiba oil or hinokitiol is held in the pores of diatomaceous earth. Therefore, by applying such living environment improvement materials to various building materials, spraying agents, laying materials, etc., diatomaceous earth has nonflammability, heat insulation, anti-condensation function, humidity control function, breathability, deodorant function, waterproofing In addition to functions and air purification functions, the functions of hinokitiol, such as insecticides against termites and mites, antibacterial functions against fungi such as mold, removal of VOCs causing sick house, and relaxation function by aroma Can be provided at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a living environment improving material according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory view showing a manufacturing process of the living environment improving material of the embodiment.
FIG. 3 is a schematic cross-sectional view showing a first application example of the embodiment.
FIG. 4 is a schematic view showing a spraying agent of the same application example.
FIG. 5 is a schematic cross-sectional view of a microcapsule used in the application example.
FIG. 6 is a schematic perspective view showing a second application example of the embodiment.
FIG. 7 is a schematic cross-sectional view showing the same application example.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view showing a laying material of the same application example.
FIG. 9 is a schematic perspective view showing a third application example of the embodiment.
FIG. 10 is a schematic cross-sectional view showing a foamable building material of the same application example.
FIG. 11 is a schematic perspective view showing a fourth application example of the embodiment.
FIG. 12 is a partial schematic cross-sectional view showing a wall panel of the application example.
FIG. 13 is a schematic perspective view showing a fifth application example of the embodiment.
FIG. 14 is a schematic cross-sectional view showing a tatami according to the application example;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Living environment improvement material 2 ... Microcapsule 3 ... Wood chip 10 ... Spraying agent 11 ... Diatomaceous earth 11a ... Pore part 12 ... Hiba oil 20 ... Laying material 30 ... Building material (foamable building material)
40 ... Building materials (wall panels)
50 ... Tatami (building materials)
B ... Building materials (foundation)
S ... Soil WRS ... Building material (moisture-proof sheet)
