JP2005029649A - Resin composition, tablet, molded product and chassis or casing of equipment - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高寸法安定性、セルフタッピング性に優れた樹脂組成物、錠剤およびそれから得られる成形品ならびにシャーシ、筐体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶性樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性および薄肉流動性をバランスよく備えているため、軽量化の要求とともにこれらを用いた自動車部品、家電部品、携帯機器部品、事務機部品への展開が検討されてきているが、これまで樹脂化が困難とされていた分野への用途開拓も盛んに試みられ、樹脂に対する要求性能は、益々多様化すると共に厳しくなる傾向にある。近年、特に目立つのが、従来は板金、アルミダイキャストが用いられていた電子機器あるいは事務機のシャーシ部材、FDD(フロッピィーディスクドライブ)、HDD(ハードディスクドライブ)、CD−ROM/R/RW/RAM、DVD−ROM/R/RW/RAMのシャーシ及びCD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)等を情報媒体として用いるゲーム機、音楽プレイヤー、AV機器等のシャーシ、ポンプのケーシング等の部品の樹脂化が検討されている。
【0003】
ところが、製品の小型化・高性能化に伴い、成形品の薄肉化が要求されるものの、流動性不足による成形品の未充填、成形時の残留応力あるいは、高温環境下での使用によるソリ変形による問題、記録メディアの高容量化に伴ないレーザーの出力が高くなることにより生じる発熱等に起因してレーザーの寿命が短くなる問題等があり、その解決が課題となってきている。また、金属代替によってねじによる部品取り付け時のタッピング強度等が要求されている。
【0004】
一般的にフッ素樹脂の添加により自己潤滑性が向上し、成形時の金型からの離型性や摩擦摩耗特性が改良することが知られている。例えば、特許文献1には、液晶性樹脂に特定の低分子量のフルオロカーボン重合体を添加することにより、外観および摺動性を改良し得ることが開示されている。
【0005】
しかし、液晶性樹脂とフッ素樹脂との界面の接着性が改良されていないためと推察されるが、セルフタップ強度を改良するまでには至っていないのが現状である。
【0006】
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂、液晶性ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体およびフィラーを配合することにより、セルフタッピング性を改良する方法について記載されているが、樹脂成分中における液晶性ポリエステルが少量成分にすぎないため、セルフタッピング性は向上するものの、ネジ穴部の寸法変化が大きいため、ねじ込みトルク(ネジを完全に締め付けるトルクの最小値)とネジバカトルク(成形品内部が破損し、空転するトルクの最小値)の差が小さく、組み付け時に不良が生じる可能性があり、より実用性に優れる材料が求められるようになっている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−026699号公報(第2頁、第6頁、実施例)
【特許文献2】
特開2003−113314号公報(第2頁、実施例)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来の問題点を解消し、製品設計自由度を低下させることなく、高寸法安定性、セルフタッピング性に優れ、特に熱伝導性フィラーを用いることで放熱性も優れた樹脂組成物および成形品ならびにシャーシまたは筐体を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。
【0010】
すなわち本発明は、
(1)(A)液晶性樹脂85〜99.5重量%と(B)ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体15〜0.5重量%の合計100重量部に対して、(C)フィラーを、5〜600重量部含有してなり、(A)液晶性樹脂が樹脂組成物中に含まれる熱可塑性樹脂成分の主成分である樹脂組成物、
(2)さらに(D)エラストマーを(A)、(B)の合計100重量部に対し、0.5〜30重量部含有してなる上記(1)記載の樹脂組成物、
(3)(C)フィラーが熱伝導性フィラーであることを特徴とする上記(1)または(2)記載の樹脂組成物、
(4)(A)液晶性樹脂85〜99.5重量%と(B)ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体15〜0.5重量%の合計100重量部に対して、(C)フィラーが5〜600重量部、所望に応じ(D)エラストマーが0.5〜30重量部となり、かつ(A)液晶性樹脂が樹脂組成物中に含まれる熱可塑性樹脂成分の主成分となるように下記(イ)〜(ホ)から選択した原料を圧縮成形してなる錠剤、
(イ)粉体状の(A)液晶性樹脂
(ロ)(B)ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
(ハ)(C)フィラー
(ニ)粉末状の(D)エラストマー
(ホ)(A)〜(D)成分から選択される2種以上であって、(A)または(D)成分を必須成分とする成分を溶融混練してなる組成物の粉体
(5)上記(1)〜(3)いずれか記載の樹脂組成物または上記(4)記載の錠剤を溶融成形してなり、かつ、ネジ挿入部分を有することを特徴とする成形品、(6)上記(5)に記載の成形品を用いて構成されていることを特徴とするシャーシまたは筐体である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0012】
本発明において用いる(A)液晶性樹脂について説明する。
【0013】
液晶性樹脂とは、異方性溶融相を形成し得る樹脂であり、エステル結合を有するものが好ましい。例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、あるいは、上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸およびイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルなど、また液晶性ポリエステルアミドとしては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位、アルキレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位以外にさらにp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドである。上記した液晶性樹脂のうち、液晶性ポリエステルが好ましく、なかでもp−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステルを特に好ましく用いることができる。
【0014】
上記液晶性ポリエステルのうち、好ましい構造の具体例としては、下記(I)、(II)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、または、(I)、(III) および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
【0015】
特に好ましいのは(I)、(II)、(III)および(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエステルである。
【0016】
【化1】
【0017】
(ただし式中のR1は
【0018】
【化2】
【0019】
から選ばれた1種以上の基を示し、R2は
【0020】
【化3】
【0021】
から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素原子または塩素原子を示す。)。
【0022】
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位であり、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、および1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
【0023】
【化4】
【0024】
であり、R2が
【0025】
【化5】
【0026】
であるものが特に好ましい。
【0027】
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記したように、構造単位(I)、(III)、(IV)からなる共重合体および上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体から選択される1種以上であり、上記構造単位(I)、(II)、(III)および(IV)の共重合量は任意である。しかし、本発明の特性を発揮させるためには次の共重合量であることが好ましい。
【0028】
すなわち、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)からなる共重合体の場合は、上記構造単位(I)および(II)の合計は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して30〜95モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましい。また、構造単位(III)は構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して70〜5モル%が好ましく、60〜15モル%がより好ましい。また、構造単位(I)の(II)に対するモル比[(I)/(II)]は好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単位(II)および(III)の合計と実質的に等モルであることが好ましい。
【0029】
一方、上記構造単位(II) を含まない場合は流動性の点から上記構造単位(I)は構造単位(I)および(III)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造単位(IV)は構造単位(III)と実質的に等モルであることが好ましい。
【0030】
ここで実質的に等モルとは、末端を除くポリマー主鎖を構成するユニットが等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
【0031】
また液晶性ポリエステルアミドとしては、上記構造単位(I)〜(IV)以外にp−アミノフェノールから生成したp−イミノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポリエステルアミドが好ましい。
【0032】
上記好ましく用いることができる液晶性ポリエステル、液晶性ポリエステルアミドは、上記構造単位(I)〜(IV)を構成する成分以外に3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4’−ジヒドロキシビフェニル等の芳香族ジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノ安息香酸などを液晶性を損なわない程度の範囲でさらに共重合せしめることができる。
【0033】
本発明において使用する上記液晶性ポリエステルの製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
【0034】
例えば、上記液晶性ポリエステルの製造において、次の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸縮重合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物と2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(5)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマー、オリゴマーまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
【0035】
本発明に使用する液晶性ポリエステルは、非晶性樹脂添加による流動性低下あるいは、フィラーを充填した場合の流動性低下を抑制するため、溶融粘度は0.5〜80Pa・sが好ましく、特に1〜50Pa・sがより好ましい。また、流動性がより優れた組成物を得ようとする場合には、溶融粘度を40Pa・s以下とすることが好ましい。
【0036】
なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
【0037】
ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1 )の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0038】
本発明に用いる(B)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるものであり、好ましくは、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなり、かつ粉体中でポリテトラフルオロエチレンが粒子径が10μm以上の凝集体となっていないことが好ましい。さらに、熱可塑性樹脂に配合した際の分散性の観点から、粒子径0.05〜1.0μmのポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、ビニル単量体を重合した後、凝固またはスプレードライにより、粉体化して得られるものを用いるのがより好ましい。
【0039】
上記ポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合でテトラフルオロエチレンモノマーを重合させることにより得られる。
【0040】
ポリテトラフルオロエチレン粒子を乳化重合により得る際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわない範囲で、共重合成分として、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。共重合成分の含量は、テトラフルオロエチレンに対して10重量%以下であることが好ましい。
【0041】
上記ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液としては、市販原料を用いることができ、その具体例としては、旭硝子フロロポリマー社製のフルオン(R)AD−1、AD−936、ダイキン工業社製のポリフロン(R)D−1、D−2(R)、三井デュポンフロロケミカル社製 のテフロン(登録商標)30J等を代表的に使用することができる。
【0042】
また、前記有機系重合体粒子水性分散液は、ビニル単量体を乳化重合等の公知の方法で重合させることにより得ることができる。
【0043】
有機系重合体粒子水性分散液を得るために用いるビニル単量体および、ポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で重合させるビニル単量体としては、特に制限されるものではないが、(A)液晶性樹脂に配合する際の分散性の観点から、(A)液晶性樹脂との親和性が高いものであることが好ましい。
【0044】
これらビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o −メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、 2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o −メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メ チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヒキシルマレイミド等のマレイミド単量体;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン単量体等を用いることができる。これらの単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0045】
これらの単量体の中で(A)液晶性樹脂との親和性の観点から、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体を30重量%以上含有する単量体を好ましく用いることができる。特に好ましくはスチレンおよびアクリロニトリルからなる群より選ばれる1種以上の単量体を30重量%以上含有する単量体を用いることができる。
【0046】
本発明に用いる(B)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体中に占めるポリテトラフルオロエチレンの含有割合は、0.1〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは、20〜70重量%である。0.1重量%未満であると、特性改良効果が得られず、90重量%を超えると、表面外観および流動性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0047】
本発明に用いる(B)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は、その水性分散液を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固した後に乾燥するか、スプレードライにより粉体化することができる。
【0048】
かくして得られる好ましいポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体は、ポリテトラフルオロエチレンが単独で粒子径10μm以下のドメインを形成しているめに(A)液晶性樹脂分散性がより一層優れるものとなる。この結果、ポリテトラフルオロエチレンが樹脂中で極めて効率よくネットワーク状に微分散化するため、セルフタップ強度がより一層優れる上に、寸法精度にも極めて優れるものを提供できる。
【0049】
上記好ましい(B)成分として、市販のものを用いることができ、その具体例としては、三菱レイヨン社製“メタブレン”(R)A−3000、A−3800等を代表的に使用することができる。
【0050】
本発明に用いる(B)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の(A)成分と(B)成分の合計に対する添加量は、流動性、高寸法安定性およびセルフタップ強度の点から、(A)液晶性樹脂が85〜99.5重量%、(B)が0.5〜15重量%であり、好ましくは(A)88〜99重量%、(B)1〜12重量%、より好ましくは(A)90〜98重量%、(B)2〜10重量%、さらに好ましくは(A)92〜97重量%、(B)3〜8重量%である。
【0051】
本発明に用いる(C)フィラーとしては、繊維状もしくは、非繊維状(板状、鱗片状、粒状、不定形状、破砕品など)のフィラーが挙げられ、具体的には例えば、繊維状フィラーとしてガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ほう酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー等が挙げられ、ガラス繊維あるいは炭素繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものなら特に限定はなく、例えば長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランド、ミルドファイバーなどから選択して用いることができる。また、ガラス繊維はエチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。
【0052】
非繊維状フィラーとしてマイカ、タルク、カオリン、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン等)、カーボン粉末、黒鉛、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、カーボンナノチューブなどが挙げられる。また、金属粉、金属フレーク、金属リボンの金属種の具体例としては銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロム、錫などが例示できる。
【0053】
中でも特に高い熱伝導性(放熱性)を発揮させるためには、高熱伝導性フィラーが好ましく、具体的には、金属粉、金属フレーク、金属リボン、金属繊維、金属酸化物(アルミナ、酸化亜鉛等)、カーボン粉末、黒鉛、PAN系あるいはピッチ系炭素繊維、カーボンフレーク、鱗片状カーボン、カーボンナノチューブ、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、炭化珪素などが挙げられる。
【0054】
ここで、上記金属粉、金属フレークおよび金属リボンの金属種の具体例としては、銀、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、鉄、黄銅、クロムおよび錫などを例示することができる。
【0055】
かかる金属粉、金属フレーク、金属リボンおよび金属繊維は、いずれもチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0056】
上記金属酸化物の具体例としては、SnO2(アンチモンドープ)、In2O3(アンチモンドープ)およびZnO(アルミニウムドープ)などを例示することができ、これらはチタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。
【0057】
上記カーボン粉末は、その原料および製造法から、アセチレンブラック、ガスブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラックおよびディスクブラックなどに分類される。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、その原料および製造法については特に限定されないが、なかでもアセチレンブラックおよびファーネスブラックが特に好適に用いられる。また、カーボン粉末としては、その粒子径、表面積、DBP(ジブチルフタレート)吸油量および灰分などの特性の異なる種々のカーボン粉末が製造され、市販されている。本発明で用いることのできるカーボン粉末は、これら特性については特に制限はないが、強度および電気伝導度のバランスの点から、一次粒径の平均粒径が500nm以下、特に5〜100nm、さらには10〜70nmの範囲にあることが好ましい。また、表面積(BET法)が10m2/g以上、さらには30m2/g以上の範囲にあることが好ましい。さらに、DBP給油量が50ml/100g以上、特に100ml/100g以上の範囲にあることが好ましい。さらにまた、灰分が0.5重量%以下、特に0.3重量%以下の範囲にあることが好ましい。
【0058】
かかるカーボン粉末は、チタネート系、アルミ系およびシラン系などの表面処理剤で表面処理を施されていてもよい。また、樹脂との溶融混練作業性を向上させるために造粒されたものを用いることも可能である。
【0059】
本発明においてはタップ強度を向上させるために用いるフィラーの少なくとも一種に繊維状を用いることが好ましい。
【0060】
本発明においてフィラーの添加量は、(A)液晶性樹脂と(B)ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の合計量100重量部に対して5〜600重量部配合され、好ましくは50〜550重量部、より好ましくは100〜500重量部、さらに好ましくは150〜400重量部である。
【0061】
さらに、本発明において、ねじ込みトルクを低減させ、ネジバカトルクとの差を広げ、セルフタッピング性をさらに向上させるために(D)エラストマーを添加することが可能である。(D)エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、変性オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、イソブチレンなどのα−オレフィン単独または2種以上を重合して得られる(共)重合体、α−オレフィンとアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、などのα,β−不飽和酸およびそのアルキルエステルとの共重合体などが挙げられる。オレフィン系エラストマーの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸ブチル共重合体などが挙げられる。
【0062】
本発明において変性オレフィン系エラストマーを添加することは、ねじ込みトルクを低減させることで、ネジバカトルクとの差を広げ、セルフタッピング性をさらに改良するために有効である。変性オレフィン系エラストマーとしては、上記のようなオレフィン系エラストマーとエポキシ基、酸無水物基、アイオノマーなどの官能基を有する単量体成分(官能基含有成分)を導入して得られるものが挙げられ、上記の官能基を官能基含有成分の例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ[2.2.1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ[2.2.1]5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの酸無水物基を含有する単量体、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどのエポキシ基を含有する単量体、カルボン酸金属錯体などのアイオノマーを含有する単量体が挙げられる。
【0063】
これら官能基含有成分を導入する方法は特に制限なく、前記したようなオレフィン系エラストマーの重合時に共重合せしめたり、オレフィン系エラストマーにラジカル開始剤を用いてグラフト導入するなどの方法を用いることができる。官能基含有成分の導入量は変性オレフィン重合体全体に対して0.001〜40モル%、好ましくは0.01〜35モル%の範囲内であるのが適当である。
【0064】
特に有用な変性オレフィン系エラストマーの具体例としては、エチレン/プロピレン−g−メタクリル酸グリシジル共重合体(”g”はグラフトを表す、以下同じ)、エチレン/ブテン−1−g−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体の亜鉛錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のマグネシウム錯体、エチレン/メタクリル酸共重合体のナトリウム錯体などを挙げることができる。
【0065】
好ましいものとしては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
【0066】
とりわけ好ましいものとしては、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体などが挙げられる。
【0067】
一方、スチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/エチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体などが挙げられるが、なかでもスチレン/ブタジエン共重合体が好ましい。さらに好ましくは、スチレン/ブタジエン共重合体のエポキシ化物が挙げられる。
【0068】
(D)エラストマーの配合量は、(A)成分および(B)成分の合計100重量部に対して通常、0.5〜30重量部、好ましくは0.8〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
【0069】
また、上記エラストマーはセルフタッピング性と流動性のバランスを得るために2種以上を併用して使用することもできる。
【0070】
本発明における樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂(例えばポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンサルファイドスルホン、ポリフェニレンサルファイドケトン、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物などなど)を添加することもできるが、樹脂組成物中に含まれる熱可塑性樹脂成分としては、(A)液晶性樹脂が主成分となるようにする必要がある。本発明において主成分とは、過半量を指すが、(A)液晶性樹脂は、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分の60重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがさらに好ましく、80重量%以上であることが特に好ましい。
【0071】
また本発明における樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(モンタン酸及びその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、着色用カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、燐酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)を添加することができる。
【0072】
本発明の樹脂組成物は、通常公知の方法で製造される。例えば、(A)成分、(B)成分中、その他の必要な添加剤および(C)フィラー、必要に応じて(D)エラストマーを予備混合して、またはせずに押出機などに供給して十分溶融混練することにより調製される。また、(C)フィラーを添加する場合、特に繊維状フィラーの繊維の折損を抑制するために好ましくは、(A)成分、(B)成分、(D)成分および添加剤を押出機の元から投入し、(C)フィラーをサイドフィーダーを用いて、押出機へ供給することにより調整される。
【0073】
樹脂組成物を製造するに際し、例えば“ユニメルト”(R)タイプのスクリューを備えた単軸押出機、二軸、三軸押出機およびニーダタイプの混練機などを用いて180〜350℃で溶融混練して組成物とすることができる。
【0074】
また、フィラーを多量に添加する場合、例えば添加量が(A)と(B)の合計量100重量部に対して100重量部を越えるフィラーを添加するフィラー高充填の樹脂組成物を得る方法として、例えば、特開平8−1663号公報の如く、押出機のヘッド部分をはずして押し出す方法、あるいは、原料を圧縮成形して錠剤化する方法が挙げられる。特に原料を圧縮成形して錠剤化する方法が、得られた組成物の品質安定性の点から好ましい。錠剤化に際しての圧縮成形は固相状態で行うことが好ましい。固相状態とは樹脂粉末が溶融しない状態をいう。
【0075】
錠剤化の具体的な手法としては、たとえば熱可塑性の樹脂粉末、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体およびフィラーをバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、固相状態で均一ブレンドし、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することにより得ることができる。また、熱可塑性の樹脂原料と、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体、フィラーとをバンバリーミキサー、ニーダー、ロールを用いて予めドライブレンドし、もしくはドライブレンドしないで、単軸もしくは二軸の押出機などを用い、一度溶融混練し、冷却粉砕して粉末状としたのち、打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化することも可能である。この場合、溶融混練に供する熱可塑性の樹脂成分としては、溶融混練が可能であれば、粉末状でもペレット状でも特に制限はないが、フィラーの分散不良による特性のバラツキを低減する点から粉末状あるいは粉砕品であることが好ましい。また、単軸もしくは2軸押出機を用いて、予め溶融混練した組成物を粉末状とする場合、フィラーの使用量が多いと、流動性が悪化するため、ダイからの押出ができずペレット化が困難になる場合があるが、その場合には、特開平8−1663号公報に記載の如く、押出機のヘッド部を開放した状態で混練・押出すことも可能である。フィラーが多量である場合、フレーク状の組成物が得られることもある。本発明においてはこれらの方法で予め溶融混練して得られたペレットもしくはフレーク状の組成物を必要により、冷却粉砕して粉末状とした後、錠剤化する。また、これらの方法を組み合わせて錠剤化することも可能である。すなわち、下記(イ)〜(ホ)から選択される原料を所望の含有量となるよう調整し、錠剤化することも可能である。
(イ)(A)液晶性樹脂、好ましくは粉体状の(A)液晶性樹脂
(ロ)(B)ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
(ハ)(C)フィラー
(二)(D)エラストマー、好ましくは粉末状の(D)エラストマー
(ホ)(A)〜(D)成分から選択される2種以上であって、(A)または(D)成分を必須成分とする成分を溶融混練してなる組成物、好ましくはその粉体
上記方法のうち、工程が簡素である点で、上記(イ)〜(ハ)の原料および必要に応じて(ニ)の原料を固相状態で均一ブレンドした混合物を打錠機あるいは圧縮ロールを有する成形機により錠剤(タブレット)化する方法が好ましい。
【0076】
上記(A)、(D)成分の粉末としては、通常、粉末状で入手できるものはそれを使用してもよい。また、、ペレットを常温あるいは冷凍粉砕することによっても得ることができる。冷凍粉砕は、ドライアイスあるいは液体窒素等で凍結させた後、一般的に知られている通常のハンマータイプ粉砕機、カッタータイプ粉砕機あるいは石臼型の粉砕機により行うことができる。本発明において用いる熱可塑性の樹脂粉末としては、得られる錠剤間の組成の均一化および得られた錠剤のハンドリング性を良好にする点から、レーザー回折式粒度分布測定法に基づき測定した場合の粒子の最大長径の数平均粒子径が1000μm以下であることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。かかる粒径を有する粉末を得るには、粉砕などにより得られた粉体を適宜所望の大きさの篩を用いてふるい分けすればよい。
【0077】
本発明の樹脂組成物の錠剤形状としては、輸送時の形状保持性と成形時の易圧壊性を考慮した場合、例えば、円柱状、楕円柱状、円錐台形状、球状、楕円球状、鶏卵型形状、マセック型、円盤状、キュービック状、角柱状のものが挙げられる。なかでも加工時の計量安定性の点から円柱状、楕円柱状、円錐台形状、球状、楕円球状、鶏卵型形状、マセック型が好ましい。
【0078】
また、錠剤の錠剤サイズとしては、底面15mm直径以下×長さ20mm以下が好ましく、なかでも底面の直径または長さ(高さ)の最大値が15mm未満であることが好ましく、最小値が1mm以上であることが好ましい。なお、底面が円状でないものに関して、最大径、最小径の規定方法としては、外接円の最大直径で特定する場合、その最大直径が15mm未満、1mm以上であることが好ましく、更に好ましくは12mm以下、1.5mm以上であるのがよい。
【0079】
また、輸送時等の形状を安定に保つために、錠剤における打錠面の側面もしくは圧縮ロールでの圧縮面に対し、垂直に圧力をかけた時の圧縮破壊強度値(圧壊強度値)が、好ましくは5〜100N、より好ましくは15〜80Nである。好ましい圧壊強度値を得るための方法としては、例えば、原料組成によるところが最も大きく、エステル系、アミド系、燐系添加剤を添加することにより、あるいは錠剤化工程において、原料供給ポケットに均一に原料を供給する方法、圧縮ロールの回転数を下げ圧縮ロール上での材料への加圧時間を延ばす方法、ホッパー内にフィードスクリューを用い、そのスクリューによりロール圧縮前において効果的な脱気と予備圧縮する方法などにより、高い錠剤密度が得られ、高い圧壊強度が得られる。なお、圧壊強度値の測定は、ロードセルなどの歪ゲージの上に錠剤を置き、その上から圧子を低速(好ましくは0.1〜2.0mm/sec)で降下させ、錠剤の圧縮破壊時に歪ゲージが示す圧力を測定する方法を用い行うことができる。
【0080】
かかる方法を用いることにより、従来、成し得なかったフィラーを高充填した樹脂材料を得ることが可能となる。
【0081】
錠剤の形状保持性を向上させる観点から、以下の添加剤を添加することが好ましい。このような添加剤としては、脂肪酸の一価アルコールエステル、脂肪酸金属塩、多塩基酸の脂肪酸エステル、多価アルコールの脂肪酸エステル(例えばモンタン酸エステル、ペンタエリスリトールモノステアレートなど)、およびそれらの誘導体、エポキシ化合物、グリセリンの脂肪酸エステル、シリコーンレジン、フェノール系化合物、ホスフェート系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アミド基含有化合物、シアヌレート化合物およびその塩、脂肪酸の一価アルコールエステル、多塩基酸の一価アルコールエステル、多価アルコールの脂肪酸エステル、およびそれらの誘導体、グリセリンの脂肪酸エステル、シリコーンオイル、ホスファイト系化合物、リン酸エステル(例えば芳香族縮合燐酸エステル、トリフェニルホスフェート、芳香族リン酸エステルなど)等を添加することが可能である。上記脂肪酸の一価アルコールエステル、りん酸エステルが好ましく用いられる。このような添加剤の添加量は、(A)液晶性樹脂およびポリアリーレンサルファイド樹脂から選択される少なくとも1種と(B)ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体の合計量100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部、より好ましくは0.3〜6重量部の範囲が選択される。
【0082】
本発明の樹脂組成物を成形するにあたっての成形方法は、通常の成形方法(射出成形、プレス成形、インジェクションプレス成形など)により、三次元成形品、シート、ケース(筐体)などに加工することができるが、生産性を考慮した場合、射出成形あるいはインジェクションプレス成形等が好ましく採用される。
【0083】
かくして得られる成形品は、高寸法安定性、セルフタップ強度に優れていることなどの特性を生かし、各種ケース、ギヤーケース、LEDランプ関連部品、コネクター、リレーケース、スイッチ、バリコンケース、光ピックアップレンズホルダー、光ピックアップスライドベース、各種端子板、変成器、プリント配線板、液晶パネル枠、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク・デジタルビデオディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、プリンター・複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディマー用ポテンショメーターベース、パワーシートギアハウジング、エアコン用サーモスタットベース、エアコンパネルスィッチ基板、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ランプハウジング、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品、パソコンハウジング、携帯電話ハウジングなどの筐体用途等幅広い分野に有用であり、特にセルフタッピング性に優れることから、ネジ挿入部を有する成形品、さらにはシャーシ、筐体用途に好適であり、具体的には磁気記録再生装置用シャーシ、デジタルディスク駆動装置用シャーシ、モーター部、光学ピックアップおよびディスクテーブルが取り付けられたメカニカルシャーシ、光書き込みユニット固定シャーシ、光学ディスク用ピックアップシャーシ、 OA機器シャーシ、AV機器シャーシ、カメラ外装カバーなどに特に好ましく用いられる。
【0084】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の骨子は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0085】
参考例1 熱可塑性樹脂
LCP(液晶性ポリエステル):p−ヒドロキシ安息香酸995重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ−ト216重量部及び無水酢酸960重量部を撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から320℃まで1.5時間で昇温させた後、320℃、1.5時間で0.5mmHg(67Pa)に減圧し、さらに約0.25時間反応させ重縮合を行った結果、芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位7.5モル当量、エチレンジオキシ単位12.5モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなるペレットを得た。得られたペレットを液体窒素に浸し、サンプルミル(協立理工社製SK−M型)にて粉砕し、篩にて80メッシュパス、150メッシュオンで分級して数平均粒子径150μmのものを得た。
【0086】
なお、上記において数平均粒子径は島津社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。
PC:“ユーピロン”(R)H3000(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
N−6:“アミラン”(R)CM1001(東レ社製)
参考例2 (フッ素系樹脂)
B−1:ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(“メタブレン”(R)A−3000(三菱レイヨン社製))
B−2:ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)6J(三井・デュポン・フロロケミカル社製)、粉末状)
参考例3 フィラー
C−1:ガラス繊維(GF)、EPDM70M10A(繊維状フィラー、日本電気ガラス社製)Eガラス、ミルドファイバー、平均繊維長70μm
C−2:炭素繊維(CF)、XN−100−01Z(繊維状フィラー、繊維長1000μm、日本グラファイトファイバー社製)
C−3:グラファイト(CFW)、CFW50A(鱗片状フィラー、平均粒径50μm、中越黒鉛社製)
なお、平均粒径はJIS−K0069に基づく篩分け試験法により測定した数平均である。
【0087】
参考例4 エラストマー
D−1:“BF−E”(住友化学工業社製)エチレン/グリシジルメタクリレート=97.6/2.4(モル%)共重合体。
【0088】
参考例5 添加剤
E−1:モンタン酸エステルワックス
“リコワックス”(R)(クラリアントジャパン社製)融点78℃(篩にて42メッシュパスしたものを使用)
E−2:“PX−200”(大八化学工業社製粉末状芳香族縮合リン酸エステル、CAS No. 139189−30−3)融点95℃(篩にて42メッシュパスしたものを使用)。
【0089】
実施例1〜5、比較例1〜7
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフッ素系樹脂、参考例3に示したフィラーおよび参考例4に示したエラストマーをリボンブレンダーで表1に示す量でブレンドし、3ホールストランドダイヘッド付きPCM30(2軸押出機;池貝鉄鋼社製)にて表1に示す樹脂温度で溶融混練を行い、ペレットを得た。ついで130℃の熱風オーブンで4時間乾燥した後、後述する評価を行った。
【0090】
実施例6〜9、比較例8〜11
参考例1の熱可塑性樹脂、参考例2に示したフッ素系樹脂および参考例3に示したフィラーおよび参考例4のエラストマー、参考例5の添加剤をリボンブレンダーで表1に示す量をヘンシェルミキサーでブレンドし、自動原料供給フィーダーを備えた月島機械製ロータリー打錠機を用いて常温タブレット化により、7mm直径×3mm長の円柱状のタブレット(錠剤)(最大値7mm、最小値3mm)を得た。なお、この時使用のエラストマーは、液体窒素を用いてハンマーミルで粉砕し、40メッシュパスのものを使用した。ついで140℃の熱風乾燥機で3時間乾燥した後、以下に示す評価を行った。
【0091】
(1)寸法安定性(線膨張率)
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1および表2に示す樹脂温度、金型温度で80mm×80mm×2.0mm厚の試験片を作成し、成形品の中央部から流れ方向に長さ10mm×幅1mm×2mm厚の角柱成形品を切り出し、TMA(セイコー電子社製)を用い、30℃〜150℃(5℃/分)で測定した。
【0092】
(2)セルフタッピング性
住友SG−75 MIII(住友重機械社製)を用いて表1および表2に示す樹脂温度、金型温度で光学部品用スライドベース(シャーシ)成形品(内径1.0mm径のネジ穴を2箇所備えた30mm×30mm×3mm厚の平板状の外周に高さ5mm×厚み1mmのたて壁付きの成形品)を成形し、傘型トルクドライバーで(中村製作所社製”カノン空転式トルクドライバー”1.5LTDK)により、タッピングネジ(BIT SPH1.2×3.0荒先)を成形品の穴に挿入し、ネジ込みトルク(ネジを完全に締め付けるトルクの最小値)とネジバカトルク(成形品内部が破損し、空転するトルクの最小値)を評価した。評価は、ネジ締めトルクとネジバカトルクの差が大きいほど良好である。
【0093】
(3)放熱性
射出成形機UH1000(日精樹脂工業社製)を用いて表1および表2に示す樹脂温度、金型温度で20mm幅×50mm長×5mm厚の試験片を作成し、表面温度70℃のホットプレートに成形品をたて、1時間後、成形品の上部の温度を測定した。評価は、温度が高い方が熱をうまく伝え逃し、熱がこもらず、放熱性良好といえる。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】
上述したように、本発明の樹脂組成物、錠剤は、従来得られなかった高寸法安定性とセルフタッピング性が均衡して優れる。また、高熱伝導性フィラーを用いることで放熱性も優れることから、この利点を活かして、電気・電子関連機器、精密機械関連機器、事務用機器、自動車・車両関連部品、建材、包装材、家具、日用雑貨などの各種用途をはじめとするネジ挿入部を有する成形品として、特にシャーシや筐体として極めて実用的に用いることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin composition excellent in high dimensional stability and self-tapping property, a tablet, a molded product obtained therefrom, a chassis, and a housing.
[0002]
[Prior art]
Since liquid crystalline resins have a good balance of mechanical properties, heat resistance, chemical resistance, and thin-walled fluidity, along with the demand for weight reduction, they can be used in automobile parts, home appliance parts, portable equipment parts, and office machine parts. However, the development of applications in fields where it has been difficult to make resins has been actively attempted, and the required performance for resins tends to become increasingly diversified and severe. Particularly noticeable in recent years are chassis members of electronic devices or office machines that conventionally used sheet metal and aluminum die cast, FDD (floppy disk drive), HDD (hard disk drive), CD-ROM / R / RW / RAM. , Chassis of DVD-ROM / R / RW / RAM and chassis (CD, compact disc), MD (mini disc), DVD (digital video disc), etc. as information media, chassis of audio players, pumps, etc. The use of plastic parts such as casings is being studied.
[0003]
However, along with the downsizing and high performance of products, it is necessary to reduce the thickness of molded products. However, unfilled molded products due to insufficient fluidity, residual stress during molding, or warpage deformation due to use in high-temperature environments. And the problem of shortening the life of the laser due to the heat generated by the increase in the output of the laser accompanying the increase in the capacity of the recording medium. In addition, tapping strength at the time of component mounting with screws is required due to metal substitution.
[0004]
In general, it is known that the addition of a fluororesin improves self-lubricating properties and improves mold release properties and frictional wear characteristics during molding. For example, Patent Document 1 discloses that appearance and slidability can be improved by adding a specific low molecular weight fluorocarbon polymer to a liquid crystalline resin.
[0005]
However, it is presumed that the adhesiveness at the interface between the liquid crystalline resin and the fluororesin has not been improved, but the present situation is that the self-tap strength has not been improved.
[0006]
Further, Patent Document 2 improves self-tapping properties by blending thermoplastic resin, liquid crystalline polyester, polytetrafluoroethylene-containing mixed powder composed of polytetrafluoroethylene and organic polymer particles, and filler. Although the method is described, since the liquid crystalline polyester in the resin component is only a small component, the self-tapping property is improved, but since the dimensional change of the screw hole is large, the screwing torque (torque for completely tightening the screw) ) And screw stupid torque (the minimum value of the torque that causes idling of the molded product and the idling torque) is small, and there is a possibility that defects may occur during assembly, and materials that are more practical are now required. Yes.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2001-026699 A (2nd page, 6th page, Examples)
[Patent Document 2]
JP 2003-113314 A (page 2, example)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention eliminates the above-mentioned conventional problems, and is excellent in high dimensional stability and self-tapping without lowering the degree of freedom in product design. Particularly, a resin having excellent heat dissipation by using a thermally conductive filler. It is an object to provide a composition and a molded article and a chassis or a housing.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have reached the present invention.
[0010]
That is, the present invention
(1) (A) 85 to 99.5% by weight of liquid crystalline resin and (B) 15 to 0.5% by weight of polytetrafluoroethylene-containing mixed powder composed of polytetrafluoroethylene and organic polymer particles. A resin composition comprising 5 to 600 parts by weight of (C) filler with respect to parts by weight, and (A) a liquid crystalline resin as a main component of a thermoplastic resin component contained in the resin composition,
(2) The resin composition according to the above (1), further comprising (D) 0.5 to 30 parts by weight of the elastomer with respect to a total of 100 parts by weight of (A) and (B),
(3) The resin composition as described in (1) or (2) above, wherein the (C) filler is a thermally conductive filler,
(4) (A) liquid crystalline resin 85 to 99.5% by weight and (B) polytetrafluoroethylene-containing mixed powder 15% to 0.5% by weight composed of polytetrafluoroethylene and organic polymer particles 100 in total Heat with which (C) filler is 5 to 600 parts by weight, and (D) elastomer is 0.5 to 30 parts by weight, and (A) liquid crystalline resin is contained in the resin composition with respect to parts by weight. A tablet formed by compression molding a raw material selected from the following (A) to (E) so as to be a main component of the plastic resin component;
(A) Powdery (A) Liquid crystalline resin
(B) (B) polytetrafluoroethylene-containing mixed powder comprising polytetrafluoroethylene and organic polymer particles
(C) (C) Filler
(D) Powdery (D) Elastomer
(E) Powder of a composition obtained by melt-kneading two or more components selected from the components (A) to (D), the components (A) or (D) being essential components
(5) A molded product comprising a resin composition according to any one of (1) to (3) or a tablet according to (4) above, and having a screw insertion portion, (6 ) A chassis or casing characterized by being formed using the molded product described in (5) above.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below. In the present invention, “weight” means “mass”.
[0012]
The (A) liquid crystalline resin used in the present invention will be described.
[0013]
The liquid crystalline resin is a resin that can form an anisotropic molten phase, and preferably has an ester bond. For example, a liquid crystalline polyester comprising a structural unit selected from an aromatic oxycarbonyl unit, an aromatic dioxy unit, an aromatic and / or aliphatic dicarbonyl unit, an alkylenedioxy unit, and the like, and forming an anisotropic melt phase, Or a liquid crystalline polyester amide comprising the above structural unit and a structural unit selected from an aromatic iminocarbonyl unit, an aromatic diimino unit, an aromatic iminooxy unit, etc., and forming an anisotropic melt phase, etc. Specifically, a liquid crystalline polyester comprising a structural unit produced from p-hydroxybenzoic acid and 6-hydroxy-2-naphthoic acid, a structural unit produced from p-hydroxybenzoic acid, produced from 6-hydroxy-2-naphthoic acid Structural units, aromatic dihydroxy compounds and / or aliphatic dicarboxylic acids Liquid crystalline polyester comprising the produced structural unit, structural unit produced from p-hydroxybenzoic acid, structural unit produced from 4,4′-dihydroxybiphenyl, aromatic dicarboxylic acid such as terephthalic acid, isophthalic acid and / or adipic acid , Liquid crystalline polyesters composed of structural units generated from aliphatic dicarboxylic acids such as sebacic acid, structural units generated from p-hydroxybenzoic acid, structural units generated from ethylene glycol, and liquid crystalline properties composed of structural units generated from terephthalic acid Polyester, structural unit produced from p-hydroxybenzoic acid, structural unit produced from ethylene glycol, liquid crystalline polyester comprising structural units produced from terephthalic acid and isophthalic acid, structural unit produced from p-hydroxybenzoic acid, ethylene glycol Or From a structural unit produced, a structural unit produced from 4,4′-dihydroxybiphenyl, a liquid crystalline polyester comprising a structural unit produced from an aliphatic dicarboxylic such as terephthalic acid and / or adipic acid, sebacic acid, from p-hydroxybenzoic acid Liquid crystal composed of structural units generated, structural units generated from ethylene glycol, structural units generated from aromatic dihydroxy compounds, and structural units generated from aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, isophthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid In addition to structural units selected from aromatic oxycarbonyl units, aromatic dioxy units, aromatic and / or aliphatic dicarbonyl units, alkylenedioxy units, and the like as liquid crystalline polyester amides and liquid crystalline polyester amides, p- Raw from aminophenol A polyester amide which forms an anisotropic melt phase containing the p- Iminofenokishi units. Among the above-mentioned liquid crystalline resins, liquid crystalline polyesters are preferable, and in particular, liquid crystalline polyesters composed of structural units generated from p-hydroxybenzoic acid and 6-hydroxy-2-naphthoic acid, structures formed from p-hydroxybenzoic acid Units, structural units produced from ethylene glycol, structural units produced from aromatic dihydroxy compounds, liquid crystalline polyesters comprising structural units produced from aromatic dicarboxylic acids such as terephthalic acid, structural units produced from p-hydroxybenzoic acid, A liquid crystalline polyester composed of a structural unit generated from ethylene glycol and a structural unit generated from an aromatic dicarboxylic acid such as terephthalic acid can be particularly preferably used.
[0014]
Among the liquid crystalline polyesters, specific examples of preferred structures include liquid crystalline polyesters composed of structural units of the following (I), (II), (III) and (IV), or (I), (III) and Examples thereof include liquid crystalline polyester composed of the structural unit (IV).
[0015]
Particularly preferred are liquid crystalline polyesters comprising the structural units (I), (II), (III) and (IV).
[0016]
[Chemical 1]
[0017]
(However, R1 in the formula is
[0018]
[Chemical 2]
[0019]
One or more groups selected from R2
[0020]
[Chemical 3]
[0021]
1 or more types of groups selected from In the formula, X represents a hydrogen atom or a chlorine atom. ).
[0022]
The structural unit (I) is a structural unit generated from p-hydroxybenzoic acid, and the structural unit (II) is 4,4′-dihydroxybiphenyl, 3,3 ′, 5,5′-tetramethyl-4,4. '-Dihydroxybiphenyl, hydroquinone, t-butylhydroquinone, phenylhydroquinone, methylhydroquinone, 2,6-dihydroxynaphthalene, 2,7-dihydroxynaphthalene, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane and 4,4'- A structural unit generated from one or more aromatic dihydroxy compounds selected from dihydroxydiphenyl ether, a structural unit (III) is a structural unit generated from ethylene glycol, a structural unit (IV) is terephthalic acid, isophthalic acid, 4, 4 '-Diphenyldicarboxylic acid, 2,6-naphthalene dicarboxylic acid 4,4′-diphenyl ether dicarboxylic acid, 1,2-bis (phenoxy) ethane-4,4′-dicarboxylic acid, and 1,2-bis (2-chlorophenoxy) ethane-4,4′-dicarboxylic acid Each of the structural units generated from one or more selected aromatic dicarboxylic acids is shown. Of these, R1 is
[0023]
[Formula 4]
[0024]
And R2 is
[0025]
[Chemical formula 5]
[0026]
Are particularly preferred.
[0027]
As described above, the liquid crystalline polyester that can be preferably used in the present invention includes a copolymer comprising the structural units (I), (III), and (IV) and the structural units (I), (II), (III), It is at least one selected from copolymers consisting of (IV), and the copolymerization amount of the structural units (I), (II), (III) and (IV) is arbitrary. However, in order to exhibit the characteristics of the present invention, the following copolymerization amount is preferable.
[0028]
That is, in the case of a copolymer comprising the structural units (I), (II), (III), and (IV), the sum of the structural units (I) and (II) is the structural units (I), (II ) And (III) is preferably 30 to 95 mol%, more preferably 40 to 85 mol%. Moreover, 70-5 mol% is preferable with respect to the sum total of structural unit (I), (II), and (III), and, as for structural unit (III), 60-15 mol% is more preferable. The molar ratio [(I) / (II)] of structural unit (I) to (II) is preferably 75/25 to 95/5, more preferably 78/22 to 93/7. The structural unit (IV) is preferably substantially equimolar to the total of the structural units (II) and (III).
[0029]
On the other hand, when the structural unit (II) is not included, the structural unit (I) is preferably 40 to 90 mol% based on the total of the structural units (I) and (III) from the viewpoint of fluidity. It is particularly preferably 60 to 88 mol%, and the structural unit (IV) is preferably substantially equimolar to the structural unit (III).
[0030]
Here, “substantially equimolar” means that the unit constituting the polymer main chain excluding the terminal is equimolar, but the unit constituting the terminal is not necessarily equimolar.
[0031]
The liquid crystalline polyesteramide is preferably a polyesteramide that forms an anisotropic molten phase containing a p-iminophenoxy unit generated from p-aminophenol in addition to the structural units (I) to (IV).
[0032]
The liquid crystalline polyester and liquid crystalline polyester amide that can be preferably used include 3,3′-diphenyldicarboxylic acid, 2,2′-diphenyldicarboxylic acid and the like in addition to the components constituting the structural units (I) to (IV). Aromatic dicarboxylic acids, adipic acid, azelaic acid, sebacic acid, dodecanedioic acid and other aliphatic dicarboxylic acids, hexahydroterephthalic acid and other alicyclic dicarboxylic acids, chlorohydroquinone, 3,4'-dihydroxybiphenyl, 4, Aromatic diols such as 4′-dihydroxydiphenyl sulfone, 4,4′-dihydroxydiphenyl sulfide, 4,4′-dihydroxybenzophenone, 3,4′-dihydroxybiphenyl, propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6 -Hexanediol, neopentyl glycol 1,4-cyclohexanediol, 1,4-cyclohexanedimethanol and other aliphatic, alicyclic diols and m-hydroxybenzoic acid, 2,6-hydroxynaphthoic acid and other aromatic hydroxycarboxylic acids and p-aminobenzoic acid An acid or the like can be further copolymerized as long as the liquid crystallinity is not impaired.
[0033]
There is no restriction | limiting in particular in the manufacturing method of the said liquid crystalline polyester used in this invention, It can manufacture according to the well-known polyester polycondensation method.
[0034]
For example, in the production of the liquid crystalline polyester, the following production method is preferred.
(1) Diacylated products of aromatic dihydroxy compounds such as p-acetoxybenzoic acid and 4,4′-diacetoxybiphenyl and diacetoxybenzene, and aromatic dicarboxylic acids such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid and isophthalic acid A method for producing a liquid crystalline polyester by deacetic acid condensation polymerization reaction.
(2) Reaction of aromatic dihydroxy compounds such as p-hydroxybenzoic acid and 4,4′-dihydroxybiphenyl and hydroquinone with aromatic dicarboxylic acids such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid and isophthalic acid with acetic anhydride. Then, after acylating a phenolic hydroxyl group, a method for producing a liquid crystalline polyester by a deacetic acid polycondensation reaction.
(3) Phenyl ester of p-hydroxybenzoic acid and aromatic dihydroxy compounds such as 4,4′-dihydroxybiphenyl and hydroquinone and diphenyl esters of aromatic dicarboxylic acids such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid and isophthalic acid Of producing liquid crystalline polyester by dephenol polycondensation reaction.
(4) After reacting p-hydroxybenzoic acid and aromatic dicarboxylic acid such as 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, terephthalic acid, isophthalic acid and the like with a predetermined amount of diphenyl carbonate to obtain diphenyl ester, 4,4 ′ A method for producing a liquid crystalline polyester by dephenol polycondensation reaction by adding an aromatic dihydroxy compound such as dihydroxybiphenyl or hydroquinone.
(5) Polyester polymer such as polyethylene terephthalate, oligomer or liquid crystal by the method of (1) or (2) in the presence of bis (β-hydroxyethyl) ester of aromatic dicarboxylic acid such as bis (β-hydroxyethyl) terephthalate For producing a conductive polyester.
[0035]
The liquid crystalline polyester used in the present invention preferably has a melt viscosity of 0.5 to 80 Pa · s, particularly 1 to suppress a decrease in fluidity due to addition of an amorphous resin or a decrease in fluidity when filled with a filler. -50 Pa · s is more preferable. Moreover, when trying to obtain a composition with more excellent fluidity, the melt viscosity is preferably 40 Pa · s or less.
[0036]
The melt viscosity is a value measured by a Koka flow tester under the condition of melting point (Tm) + 10 ° C. and shear rate of 1,000 (1 / second).
[0037]
Here, the melting point (Tm) is the Tm1 +20 after the observation of the endothermic peak temperature (Tm1) observed when the polymer having been polymerized is measured from room temperature under the temperature rising condition at 20 ° C./min in the differential calorimetry. This is the endothermic peak temperature (Tm2) that is observed when the temperature is kept at a temperature of 5 ° C. for 5 minutes, cooled to room temperature under a temperature drop condition of 20 ° C./minute, and then measured again under a temperature rise condition of 20 ° C./minute. .
[0038]
The (B) polytetrafluoroethylene-containing mixed powder used in the present invention is composed of polytetrafluoroethylene particles and an organic polymer, and preferably, polytetrafluoroethylene particles having a particle diameter of 10 μm or less and an organic system. It is preferable that the polytetrafluoroethylene is not an aggregate having a particle diameter of 10 μm or more in the powder. Furthermore, from the viewpoint of dispersibility when blended with a thermoplastic resin, in a dispersion obtained by mixing an aqueous dispersion of polytetrafluoroethylene particles having a particle diameter of 0.05 to 1.0 μm and an aqueous dispersion of organic polymer particles It is more preferable to use a polymer obtained by polymerizing a vinyl monomer and then pulverizing it by coagulation or spray drying.
[0039]
The aqueous polytetrafluoroethylene particle dispersion is obtained by polymerizing a tetrafluoroethylene monomer by emulsion polymerization using a fluorine-containing surfactant.
[0040]
When polytetrafluoroethylene particles are obtained by emulsion polymerization, fluorine-containing compounds such as hexafluoropropylene, chlorotrifluoroethylene, fluoroalkylethylene, and perfluoroalkylvinylether are used as copolymerization components as long as the properties of polytetrafluoroethylene are not impaired. Olefins and fluorine-containing alkyl (meth) acrylates such as perfluoroalkyl (meth) acrylate can be used. The content of the copolymer component is preferably 10% by weight or less with respect to tetrafluoroethylene.
[0041]
Commercially available raw materials can be used as the polytetrafluoroethylene particle dispersion, and specific examples thereof include Fluoron (R) AD-1, AD-936 manufactured by Asahi Glass Fluoropolymer Co., Ltd. R) D-1, D-2 (R), Teflon (registered trademark) 30J manufactured by Mitsui DuPont Fluorochemical Co., Ltd. and the like can be representatively used.
[0042]
The organic polymer particle aqueous dispersion can be obtained by polymerizing a vinyl monomer by a known method such as emulsion polymerization.
[0043]
Vinyl monomer used for obtaining an aqueous dispersion of organic polymer particles and a vinyl monomer to be polymerized in a dispersion obtained by mixing an aqueous dispersion of polytetrafluoroethylene particles and an aqueous dispersion of organic polymer particles Although it does not restrict | limit especially from a viewpoint of the dispersibility at the time of mix | blending with (A) liquid crystalline resin, it is preferable that it is a thing with high affinity with (A) liquid crystalline resin.
[0044]
Specific examples of these vinyl monomers include styrene, α-methylstyrene, p-methylstyrene, o-methylstyrene, t-butylstyrene, o-ethylstyrene, p-chlorostyrene, o-chlorostyrene, 2, Aromatic vinyl monomers such as 4-dichlorostyrene, p-methoxystyrene, o-methoxystyrene, 2,4-dimethylstyrene; methyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl acrylate, ethyl methacrylate, butyl acrylate , Butyl methacrylate, 2-ethylhexyl acrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, dodecyl acrylate, dodecyl methacrylate, tridecyl acrylate, tridecyl methacrylate, octadecyl acrylate, octadecyl methacrylate, cyclohexyl acrylate, (Meth) acrylic acid ester monomers such as hexyl; vinyl cyanide monomers such as acrylonitrile and methacrylonitrile; α, β-unsaturated carboxylic acids such as maleic anhydride; N-phenylmaleimide, N-methylmaleimide, Maleimide monomers such as N-cyclohexylmaleimide; Epoxy group-containing monomers such as glycidyl methacrylate; Vinyl ether monomers such as vinyl methyl ether and vinyl ethyl ether; Vinyl carboxylates such as vinyl acetate and vinyl butyrate Body; α-olefin monomers such as ethylene, propylene and isobutylene; diene monomers such as butadiene, isoprene and dimethylbutadiene can be used. These monomers can be used alone or in admixture of two or more.
[0045]
Among these monomers, (A) one or more monomers selected from the group consisting of aromatic vinyl monomers and vinyl cyanide monomers from the viewpoint of affinity with liquid crystalline resin A monomer containing 30% by weight or more can be preferably used. Particularly preferably, a monomer containing 30% by weight or more of at least one monomer selected from the group consisting of styrene and acrylonitrile can be used.
[0046]
The content ratio of polytetrafluoroethylene in the (B) polytetrafluoroethylene-containing mixed powder used in the present invention is preferably 0.1 to 90% by weight, more preferably 20 to 70% by weight. is there. If it is less than 0.1% by weight, the effect of improving the characteristics cannot be obtained, and if it exceeds 90% by weight, the surface appearance and fluidity may be adversely affected.
[0047]
The (B) polytetrafluoroethylene-containing mixed powder used in the present invention is dried after the aqueous dispersion is poured into hot water in which a metal salt such as calcium chloride or magnesium sulfate is dissolved, salted out and solidified. Or it can be pulverized by spray drying.
[0048]
The preferred polytetrafluoroethylene-containing mixed powder thus obtained has (A) a liquid crystal resin dispersibility that is further excellent because polytetrafluoroethylene alone forms a domain having a particle diameter of 10 μm or less. As a result, since polytetrafluoroethylene is finely dispersed in the form of a network very efficiently in the resin, a self-tap strength is further improved and a dimensional accuracy is extremely excellent.
[0049]
As the preferred component (B), commercially available products can be used, and specific examples thereof include “Metabrene” (R) A-3000, A-3800 manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd. .
[0050]
The addition amount of the (B) polytetrafluoroethylene-containing mixed powder used in the present invention with respect to the total of the components (A) and (B) is (A) from the viewpoint of fluidity, high dimensional stability, and self-tap strength. The liquid crystalline resin is 85 to 99.5% by weight, and (B) is 0.5 to 15% by weight, preferably (A) 88 to 99% by weight, (B) 1 to 12% by weight, more preferably ( A) 90 to 98% by weight, (B) 2 to 10% by weight, more preferably (A) 92 to 97% by weight, and (B) 3 to 8% by weight.
[0051]
Examples of the filler (C) used in the present invention include fibrous or non-fibrous (plate-like, scale-like, granular, indeterminate shape, crushed product, etc.) fillers. Glass fibers, PAN and pitch carbon fibers, stainless fibers, metal fibers such as aluminum fibers and brass fibers, organic fibers such as aromatic polyamide fibers, gypsum fibers, ceramic fibers, asbestos fibers, zirconia fibers, alumina fibers, silica Fiber, titanium oxide fiber, silicon carbide fiber, rock wool, potassium titanate whisker, barium titanate whisker, aluminum borate whisker, silicon nitride whisker, etc. The type of glass fiber or carbon fiber is generally used for resin reinforcement There is no particular limitation as long as it is used, such as long fiber type and short fiber type. Flop of chopped strands can be selected and used from such milled fiber. The glass fiber may be coated or bundled with a thermoplastic resin such as an ethylene / vinyl acetate copolymer, or a thermosetting resin such as an epoxy resin.
[0052]
Non-fibrous fillers such as mica, talc, kaolin, silica, calcium carbonate, glass beads, glass flakes, glass microballoons, clay, molybdenum disulfide, wollastonite, calcium polyphosphate, graphite, metal powder, metal flakes, metal ribbon, metal Examples thereof include oxides (alumina, zinc oxide, titanium oxide, etc.), carbon powder, graphite, carbon flakes, scaly carbon, carbon nanotubes, and the like. Moreover, silver, nickel, copper, zinc, aluminum, stainless steel, iron, brass, chromium, tin etc. can be illustrated as a specific example of the metal seed | species of metal powder, metal flakes, and a metal ribbon.
[0053]
Among them, in order to exhibit particularly high thermal conductivity (heat dissipation), a high thermal conductivity filler is preferable. Specifically, metal powder, metal flake, metal ribbon, metal fiber, metal oxide (alumina, zinc oxide, etc.) ), Carbon powder, graphite, PAN-based or pitch-based carbon fiber, carbon flake, scaly carbon, carbon nanotube, boron nitride, aluminum nitride, silicon nitride, silicon carbide and the like.
[0054]
Here, specific examples of the metal species of the metal powder, metal flake, and metal ribbon include silver, nickel, copper, zinc, aluminum, stainless steel, iron, brass, chromium, and tin.
[0055]
Such metal powders, metal flakes, metal ribbons, and metal fibers may all be surface-treated with a surface treatment agent such as titanate, aluminum, and silane.
[0056]
Specific examples of the metal oxide include SnO. 2 (Antimony dope), In 2 O 3 (Antimony dope), ZnO (aluminum dope), etc. can be illustrated, and these may be surface-treated with a surface treating agent such as titanate, aluminum and silane.
[0057]
The carbon powder is classified into acetylene black, gas black, oil black, naphthalene black, thermal black, furnace black, lamp black, channel black, roll black, disc black, and the like based on the raw materials and the production method. The carbon powder that can be used in the present invention is not particularly limited in terms of its raw material and production method, and among them, acetylene black and furnace black are particularly preferably used. Further, as the carbon powder, various carbon powders having different characteristics such as particle diameter, surface area, DBP (dibutyl phthalate) oil absorption and ash content are manufactured and commercially available. The carbon powder that can be used in the present invention is not particularly limited with respect to these properties, but from the viewpoint of the balance between strength and electrical conductivity, the average primary particle size is 500 nm or less, particularly 5 to 100 nm, It is preferable that it exists in the range of 10-70 nm. The surface area (BET method) is 10m 2 / G or more, or 30m 2 / G or more is preferable. Furthermore, the DBP oil supply amount is preferably 50 ml / 100 g or more, particularly preferably 100 ml / 100 g or more. Furthermore, the ash content is preferably 0.5% by weight or less, particularly preferably 0.3% by weight or less.
[0058]
Such carbon powder may be surface-treated with a surface treatment agent such as titanate, aluminum, and silane. Moreover, it is also possible to use what was granulated in order to improve melt-kneading workability | operativity with resin.
[0059]
In the present invention, it is preferable to use a fibrous form as at least one kind of filler used for improving the tap strength.
[0060]
In the present invention, the filler is added in an amount of 5 to 600 parts by weight, preferably 50 to 550 parts by weight, based on 100 parts by weight of the total amount of (A) liquid crystalline resin and (B) mixed powder containing polytetrafluoroethylene. Parts, more preferably 100 to 500 parts by weight, still more preferably 150 to 400 parts by weight.
[0061]
Furthermore, in the present invention, it is possible to add (D) an elastomer in order to reduce the screwing torque, widen the difference from the screw fool torque, and further improve the self-tapping property. Examples of (D) elastomers include olefin elastomers, modified olefin elastomers, and styrene elastomers. Examples of olefin elastomers include (co) polymers obtained by polymerizing α-olefins alone or two or more of ethylene, propylene, butene-1, pentene-1, 4-methylpentene-1, isobutylene, and the like, α- Copolymers of olefins with α, β-unsaturated acids and alkyl esters thereof such as acrylic acid, methyl acrylate, ethyl acrylate, butyl acrylate, methacrylic acid, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, butyl methacrylate, etc. Etc. Specific examples of the olefin elastomer include polyethylene, polypropylene, ethylene / propylene copolymer, ethylene / butene-1 copolymer, ethylene / methyl acrylate copolymer, ethylene / ethyl acrylate copolymer, ethylene / acrylic. Examples thereof include butyl acid copolymer, ethylene / methyl methacrylate copolymer, ethylene / ethyl methacrylate copolymer, and ethylene / butyl methacrylate copolymer.
[0062]
In the present invention, the addition of the modified olefin elastomer is effective for reducing the screwing torque, widening the difference from the screw fool torque, and further improving the self-tapping property. Examples of the modified olefin elastomer include those obtained by introducing a monomer component (functional group-containing component) having a functional group such as an epoxy group, an acid anhydride group, or an ionomer with the olefin elastomer as described above. Examples of components containing the above functional groups include maleic anhydride, itaconic anhydride, citraconic anhydride, endobicyclo [2.2.1] 5-heptene-2,3-dicarboxylic acid, endobicyclo [ 2.2.1] Monomers containing acid anhydride groups such as 5-heptene-2,3-dicarboxylic acid anhydride, glycidyl acrylate, glycidyl methacrylate, glycidyl ethacrylate, glycidyl itaconate, glycidyl citraconic acid And a monomer containing an ionomer such as a carboxylate metal complex.
[0063]
The method for introducing these functional group-containing components is not particularly limited, and a method such as copolymerization at the time of polymerization of the olefinic elastomer as described above or graft introduction to the olefinic elastomer using a radical initiator can be used. . The amount of the functional group-containing component introduced is suitably in the range of 0.001 to 40 mol%, preferably 0.01 to 35 mol%, based on the whole modified olefin polymer.
[0064]
Specific examples of particularly useful modified olefin elastomers include ethylene / propylene-g-glycidyl methacrylate copolymer (“g” represents graft, the same applies hereinafter), ethylene / butene-1-g-glycidyl methacrylate copolymer. Polymer, ethylene / glycidyl acrylate copolymer, ethylene / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / methyl acrylate / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / methyl methacrylate / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / propylene -G-maleic anhydride copolymer, ethylene / butene-1-g-maleic anhydride copolymer, ethylene / methyl acrylate-g-maleic anhydride copolymer, ethylene / ethyl acrylate-g-maleic anhydride Acid copolymer, ethylene / methyl methacrylate-g-maleic anhydride Acid copolymer, ethylene / ethyl methacrylate-g-maleic anhydride copolymer, ethylene / methacrylic acid copolymer zinc complex, ethylene / methacrylic acid copolymer magnesium complex, ethylene / methacrylic acid copolymer And the sodium complex.
[0065]
Preferred are ethylene / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / methyl acrylate / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / methyl methacrylate / glycidyl methacrylate copolymer, ethylene / butene-1-g-maleic anhydride. Examples thereof include an acid copolymer and an ethylene / ethyl acrylate-g-maleic anhydride copolymer.
[0066]
Particularly preferred are ethylene / glycidyl methacrylate copolymers, ethylene / methyl acrylate / glycidyl methacrylate copolymers, ethylene / methyl methacrylate / glycidyl methacrylate copolymers, and the like.
[0067]
On the other hand, specific examples of the styrene elastomer include styrene / butadiene copolymer, styrene / ethylene / butadiene copolymer, styrene / ethylene / propylene copolymer, styrene / isoprene copolymer, among others. Styrene / butadiene copolymers are preferred. More preferably, an epoxidized product of a styrene / butadiene copolymer is used.
[0068]
(D) The compounding quantity of an elastomer is 0.5-30 weight part normally with respect to a total of 100 weight part of (A) component and (B) component, Preferably it is 0.8-25 weight part, More preferably, it is 1 ~ 20 parts by weight.
[0069]
The above elastomers can be used in combination of two or more in order to obtain a balance between self-tapping and fluidity.
[0070]
The resin composition in the present invention includes other thermoplastic resins (for example, polyphenylene sulfide, polyphenylene sulfide sulfone, polyphenylene sulfide ketone, random copolymers, block copolymers thereof, and the like thereof as long as the effects of the present invention are not impaired. Although a mixture etc. can also be added, as a thermoplastic resin component contained in a resin composition, it is necessary to make (A) liquid crystalline resin become a main component. In the present invention, the main component refers to a majority amount, but the (A) liquid crystalline resin is preferably 60% by weight or more, more preferably 70% by weight or more of the thermoplastic resin component in the resin composition. More preferably, it is particularly preferably 80% by weight or more.
[0071]
In the resin composition of the present invention, other components, for example, antioxidants and heat stabilizers (hindered phenols, hydroquinones, phosphites, and substituted products thereof) are within the range not impairing the effects of the present invention. , Weathering agents (resorcinol, salicylate, benzotriazole, benzophenone, hindered amine, etc.), release agents and lubricants (montanic acid and its metal salts, esters, half esters, stearyl alcohol, stearamide, various bisamides, Bisurea and polyethylene wax), pigments (cadmium sulfide, phthalocyanine, carbon black for coloring, etc.), dyes (eg, nigrosine), crystal nucleating agents (talc, silica, kaolin, clay, etc.), plasticizers (p-oxybenzoic acid) Octyl, N-butylbenzenesulfonamide, etc.), Antistatic agents (alkyl sulfate type anionic antistatic agents, quaternary ammonium salt type cationic antistatic agents, nonionic antistatic agents such as polyoxyethylene sorbitan monostearate, betaine amphoteric antistatic agents), Flame retardant (eg, red phosphorus, phosphate ester, melamine cyanurate, magnesium hydroxide, aluminum hydroxide hydroxide, ammonium polyphosphate, brominated polystyrene, brominated polyphenylene ether, brominated polycarbonate, brominated epoxy resin or Combinations of these brominated flame retardants and antimony trioxide, etc.) can be added.
[0072]
The resin composition of the present invention is usually produced by a known method. For example, (A) component, (B) component, other necessary additives and (C) filler, and (D) if necessary, premixed with elastomer or supplied to an extruder or the like. It is prepared by fully melting and kneading. Moreover, when adding (C) filler, in order to suppress the breakage of the fiber of a fibrous filler, Preferably (A) component, (B) component, (D) component, and an additive are taken from the origin of an extruder. And (C) the filler is adjusted by feeding it to the extruder using a side feeder.
[0073]
When producing a resin composition, for example, melt-kneading at 180 to 350 ° C. using a single-screw extruder, twin-screw, three-screw extruder and kneader-type kneader equipped with a “unimelt” (R) type screw. To obtain a composition.
[0074]
In addition, when a large amount of filler is added, for example, as a method of obtaining a highly filled resin composition in which a filler exceeds 100 parts by weight with respect to the total amount of 100 parts by weight of (A) and (B). For example, as disclosed in JP-A-8-1663, there is a method of extruding the head portion of the extruder and extruding, or a method of compressing and molding the raw material into tablets. In particular, the method of tableting by compressing the raw material is preferable from the viewpoint of the quality stability of the obtained composition. The compression molding for tableting is preferably performed in a solid state. The solid phase state means a state where the resin powder is not melted.
[0075]
Specific methods for tableting include, for example, thermoplastic resin powder, polytetrafluoroethylene-containing mixed powder and filler using a Banbury mixer, kneader, roll, uniaxial or biaxial extruder, etc. And uniformly blended and formed into tablets (tablets) with a tableting machine or a molding machine having a compression roll. Also, a thermoplastic resin raw material, polytetrafluoroethylene-containing mixed powder, and filler are pre-dry blended using a Banbury mixer, kneader, roll, or without dry blending, a single-screw or twin-screw extruder, etc. It is possible to melt-knead once, cool and pulverize to form a powder, and then form a tablet with a tableting machine or a molding machine having a compression roll. In this case, the thermoplastic resin component used for melt kneading is not particularly limited as long as it can be melt kneaded, either in powder form or pellet form, but it is in powder form from the point of reducing variation in characteristics due to poor dispersion of filler. Or it is preferable that it is a ground product. In addition, when a melt-kneaded composition is made into a powder using a single-screw or twin-screw extruder, if the amount of filler used is large, the fluidity deteriorates, so that extrusion from a die cannot be performed and pelletized. However, in this case, as described in JP-A-8-1663, kneading and extrusion can be performed with the head portion of the extruder being opened. When the amount of the filler is large, a flaky composition may be obtained. In the present invention, if necessary, a pellet or flake composition obtained by melt-kneading in advance by these methods is cooled and pulverized to form a powder and then tableted. In addition, these methods can be combined into tablets. That is, a raw material selected from the following (A) to (E) can be adjusted to have a desired content and tableted.
(A) (A) Liquid crystalline resin, preferably powder (A) Liquid crystalline resin
(B) (B) polytetrafluoroethylene-containing mixed powder comprising polytetrafluoroethylene and organic polymer particles
(C) (C) Filler
(2) (D) elastomer, preferably powdered (D) elastomer
(E) A composition obtained by melt-kneading two or more components selected from the components (A) to (D), the component (A) or (D) being an essential component, preferably a powder thereof
Among the methods described above, the process is simple, and the mixture obtained by uniformly blending the raw materials (i) to (c) and the raw material (d) as necessary in a solid phase is used in a tableting machine or a compression roll. A method of forming a tablet by using a molding machine is preferable.
[0076]
As the powders of the above components (A) and (D), those that are usually available in powder form may be used. It can also be obtained by pelletizing the pellet at room temperature or by freeze pulverization. The freeze pulverization can be carried out by using a generally known hammer type pulverizer, cutter type pulverizer, or stone mill type pulverizer after being frozen with dry ice or liquid nitrogen. The thermoplastic resin powder used in the present invention includes particles obtained by measurement based on a laser diffraction type particle size distribution measurement method from the viewpoint of making the composition uniform between the obtained tablets and improving the handleability of the obtained tablets. The number average particle diameter of the maximum major axis is preferably 1000 μm or less, more preferably 800 μm or less, and even more preferably 500 μm or less. In order to obtain a powder having such a particle size, the powder obtained by pulverization or the like may be appropriately sieved using a sieve having a desired size.
[0077]
As the tablet shape of the resin composition of the present invention, when considering shape retention during transportation and easy crushability during molding, for example, cylindrical shape, elliptical column shape, truncated cone shape, spherical shape, elliptical spherical shape, egg shape , Macek type, disc shape, cubic shape, prismatic shape. Among these, a cylindrical shape, an elliptical column shape, a truncated cone shape, a spherical shape, an elliptic spherical shape, an egg shape, and a Macek shape are preferable from the viewpoint of measurement stability during processing.
[0078]
Further, the tablet size of the tablet is preferably a bottom surface of 15 mm diameter or less × length of 20 mm or less, in particular, the maximum value of the bottom surface diameter or length (height) is preferably less than 15 mm, and the minimum value is 1 mm or more. It is preferable that As for the method of defining the maximum diameter and the minimum diameter with respect to those having a bottom surface that is not circular, when the maximum diameter of the circumscribed circle is specified, the maximum diameter is preferably less than 15 mm, 1 mm or more, more preferably 12 mm. Hereinafter, it is good that it is 1.5 mm or more.
[0079]
In addition, in order to keep the shape stable during transportation, the compression fracture strength value (crush strength value) when pressure is applied perpendicularly to the side of the tableting surface of the tablet or the compression surface of the compression roll, Preferably it is 5-100N, More preferably, it is 15-80N. As a method for obtaining a preferable crushing strength value, for example, it is most dependent on the raw material composition. By adding an ester-based, amide-based, or phosphorus-based additive, or in the tableting process, the raw material is uniformly distributed in the raw material supply pocket. A method of reducing the rotation speed of the compression roll, extending the pressurization time of the material on the compression roll, using a feed screw in the hopper, and effective degassing and pre-compression before roll compression by the screw High tablet density and high crushing strength can be obtained by the above method. The crushing strength value is measured by placing a tablet on a strain gauge such as a load cell, and lowering the indenter at a low speed (preferably 0.1 to 2.0 mm / sec), and straining the tablet at the time of compressive fracture. A method of measuring the pressure indicated by the gauge can be used.
[0080]
By using such a method, it becomes possible to obtain a resin material highly filled with a filler that could not be achieved conventionally.
[0081]
From the viewpoint of improving tablet shape retention, it is preferable to add the following additives. Examples of such additives include monohydric alcohol esters of fatty acids, fatty acid metal salts, fatty acid esters of polybasic acids, fatty acid esters of polyhydric alcohols (eg, montanic acid ester, pentaerythritol monostearate, etc.), and derivatives thereof. , Epoxy compounds, fatty acid esters of glycerin, silicone resins, phenolic compounds, phosphate compounds, phosphite compounds, thioether compounds, benzophenone compounds, amide group-containing compounds, cyanurate compounds and their salts, monohydric alcohol esters of fatty acids , Monobasic alcohol esters of polybasic acids, fatty acid esters of polyhydric alcohols and their derivatives, fatty acid esters of glycerin, silicone oils, phosphite compounds, phosphate esters (eg aromatic condensation) Esters, triphenyl phosphate, it is possible to add an aromatic phosphoric acid ester) and the like. The fatty acid monohydric alcohol ester and phosphate ester are preferably used. The additive amount of such an additive is (A) at least one selected from a liquid crystalline resin and a polyarylene sulfide resin, and (B) a polytetrafluoroethylene-containing mixture comprising polytetrafluoroethylene and organic polymer particles. A range of 0.1 to 10 parts by weight, preferably 0.1 to 8 parts by weight, and more preferably 0.3 to 6 parts by weight is selected with respect to 100 parts by weight of the total amount of powder.
[0082]
The molding method for molding the resin composition of the present invention is to process into a three-dimensional molded product, a sheet, a case (housing), etc. by a normal molding method (injection molding, press molding, injection press molding, etc.). However, in consideration of productivity, injection molding or injection press molding is preferably employed.
[0083]
The molded product thus obtained utilizes various characteristics such as high dimensional stability and excellent self-tapping strength. Various cases, gear cases, LED lamp related parts, connectors, relay cases, switches, variable capacitor cases, optical pickup lenses Represented by holders, optical pickup slide bases, various terminal boards, transformers, printed wiring boards, liquid crystal panel frames, power modules, housings, semiconductors, liquid crystal display parts, FDD carriages, FDD chassis, HDD parts, computer-related parts, etc. Electrical / electronic parts: VTR parts, TV parts, irons, hair dryers, rice cooker parts, microwave oven parts, acoustic parts, audio equipment parts such as audio / laser discs (registered trademark), compact discs, digital video discs, lighting parts , Houses represented by warehouse parts, air conditioner parts, office electrical product parts, office computer related parts, telephone related parts, facsimile related parts, printer / copier related parts, cleaning jigs, motor parts, microscope, binoculars, Optical equipment such as cameras and watches, precision machinery-related parts: alternator terminal, alternator connector, IC regulator, light dimmer potentiometer base, power seat gear housing, air conditioner thermostat base, air conditioner panel switch board, horn terminal, electrical equipment It is useful in a wide range of fields, such as automotive and vehicle-related parts such as parts insulation plates, lamp housings, and ignition device cases, and housings such as PC housings and mobile phone housings. From the above, it is suitable for molded products with screw insertion parts, as well as chassis and housing applications. Specifically, a chassis for magnetic recording / reproducing devices, a chassis for digital disk drive devices, a motor unit, an optical pickup and a disk table are attached. It is particularly preferably used for a mechanical chassis, an optical writing unit fixing chassis, an optical disk pickup chassis, an OA equipment chassis, an AV equipment chassis, a camera exterior cover, and the like.
[0084]
【Example】
Hereinafter, although an example is given and the present invention is explained in detail, the gist of the present invention is not limited only to the following examples.
[0085]
Reference Example 1 Thermoplastic resin
LCP (Liquid Crystalline Polyester): 995 parts by weight of p-hydroxybenzoic acid, 126 parts by weight of 4,4′-dihydroxybiphenyl, 112 parts by weight of terephthalic acid, 216 weights of polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of about 0.6 dl / g And 960 parts by weight of acetic anhydride were charged into a reaction vessel equipped with a stirring blade and a distillation tube, reacted for 3 hours while raising the temperature from room temperature to 150 ° C., and heated from 150 ° C. to 250 ° C. in 2 hours. After raising the temperature from ℃ to 320 ℃ in 1.5 hours, the pressure was reduced to 0.5 mmHg (67 Pa) at 320 ℃ for 1.5 hours, and the reaction was further continued for about 0.25 hours. It consists of 80 molar equivalents of aromatic oxycarbonyl units, 7.5 molar equivalents of aromatic dioxy units, 12.5 molar equivalents of ethylene dioxy units, and 20 molar equivalents of aromatic dicarboxylic acid units. Pellets were obtained. The obtained pellets are immersed in liquid nitrogen, pulverized with a sample mill (SK-M type manufactured by Kyoritsu Riko Co., Ltd.), classified by 80 mesh pass and 150 mesh on with a sieve, and those having a number average particle diameter of 150 μm. Obtained.
[0086]
In the above, the number average particle size was measured using a laser diffraction particle size distribution measuring device manufactured by Shimadzu Corporation.
PC: "Iupilon" (R) H3000 (Mitsubishi Engineering Plastics)
N-6: “Amilan” (R) CM1001 (manufactured by Toray Industries, Inc.)
Reference Example 2 (Fluorine resin)
B-1: Polytetrafluoroethylene-containing mixed powder (“METABREN” (R) A-3000 (manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.))
B-2: Polytetrafluoroethylene (Teflon (registered trademark) 6J (Mitsui / DuPont Fluorochemicals), powder)
Reference Example 3 Filler
C-1: Glass fiber (GF), EPDM70M10A (fibrous filler, manufactured by Nippon Glass Company) E glass, milled fiber, average fiber length 70 μm
C-2: Carbon fiber (CF), XN-100-01Z (fibrous filler, fiber length 1000 μm, manufactured by Nippon Graphite Fiber Co., Ltd.)
C-3: Graphite (CFW), CFW50A (flaky filler, average particle size 50 μm, manufactured by Chuetsu Graphite Co., Ltd.)
In addition, an average particle diameter is the number average measured by the sieving test method based on JIS-K0069.
[0087]
Reference Example 4 Elastomer
D-1: “BF-E” (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd.) ethylene / glycidyl methacrylate = 97.6 / 2.4 (mol%) copolymer.
[0088]
Reference Example 5 Additive
E-1: Montanate ester wax
“Licowax” (R) (manufactured by Clariant Japan) Melting point 78 ° C. (uses 42 mesh pass through sieve)
E-2: “PX-200” (powdered aromatic condensed phosphate ester, CAS No. 139189-30-3, manufactured by Daihachi Chemical Industry Co., Ltd.) Melting point: 95 ° C. (uses 42 mesh pass through sieve).
[0089]
Examples 1-5, Comparative Examples 1-7
The thermoplastic resin of Reference Example 1, the fluororesin shown in Reference Example 2, the filler shown in Reference Example 3 and the elastomer shown in Reference Example 4 were blended in the amount shown in Table 1 with a ribbon blender, and a three-hole strand die head Pellets were obtained by melt-kneading at a resin temperature shown in Table 1 with a PCM30 (twin screw extruder; manufactured by Ikekai Steel Co., Ltd.). Subsequently, after drying for 4 hours in a 130 degreeC hot-air oven, evaluation mentioned later was performed.
[0090]
Examples 6-9, Comparative Examples 8-11
The thermoplastic resin of Reference Example 1, the fluororesin shown in Reference Example 2, the filler shown in Reference Example 3, the elastomer of Reference Example 4, and the additive of Reference Example 5 in a ribbon blender in the amounts shown in Table 1 in a Henschel mixer A 7 mm diameter x 3 mm long cylindrical tablet (tablet) (maximum value 7 mm, minimum value 3 mm) was obtained by tableting at room temperature using a rotary tableting machine made by Tsukishima Machine equipped with an automatic raw material supply feeder. It was. The elastomer used at this time was crushed with a hammer mill using liquid nitrogen, and a 40-mesh pass elastomer was used. Subsequently, after drying with a hot air dryer at 140 ° C. for 3 hours, the following evaluation was performed.
[0091]
(1) Dimensional stability (linear expansion coefficient)
Using an injection molding machine UH1000 (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), a test piece having a thickness of 80 mm × 80 mm × 2.0 mm at the resin temperature and mold temperature shown in Table 1 and Table 2 is prepared, and flows from the center of the molded product. A prismatic molded product 10 mm long × 1 mm wide × 2 mm thick was cut out in the direction and measured at 30 ° C. to 150 ° C. (5 ° C./min) using TMA (Seiko Electronics Co., Ltd.).
[0092]
(2) Self-tapping property
Using a Sumitomo SG-75 MIII (manufactured by Sumitomo Heavy Industries, Ltd.), slide parts (chassis) molded products for optical components (screw holes with an inner diameter of 1.0 mm are provided with 2 resin holes as shown in Tables 1 and 2). Molded 30 mm x 30 mm x 3 mm thick plate-shaped outer periphery with 5 mm height x 1 mm thickness walled product, using umbrella type torque screwdriver (Nakamura Seisakusho "Canon idling torque driver" Insert the tapping screw (BIT SPH1.2 × 3.0 rough tip) into the hole of the molded product with “1.5LTDK”, screwing torque (minimum value of the torque to completely tighten the screw) and screw fool torque (molded product) The minimum torque for idling due to internal breakage was evaluated. The evaluation is better as the difference between the screw tightening torque and the screw stupid torque is larger.
[0093]
(3) Heat dissipation
Using an injection molding machine UH1000 (manufactured by Nissei Plastic Industry Co., Ltd.), a test piece of 20 mm width × 50 mm length × 5 mm thickness is prepared at the resin temperature and mold temperature shown in Table 1 and Table 2, and a hot plate having a surface temperature of 70 ° C. After 1 hour, the temperature of the upper part of the molded product was measured. Evaluation can be said that the higher the temperature, the better the heat is transferred and the heat is not accumulated and the heat dissipation is good.
[0094]
[Table 1]
[0095]
【The invention's effect】
As described above, the resin composition and tablet of the present invention are excellent in balance between high dimensional stability and self-tapping properties that have not been obtained conventionally. In addition, since heat dissipation is excellent by using high thermal conductive fillers, taking advantage of this advantage, electrical and electronic equipment, precision machinery equipment, office equipment, automobile and vehicle parts, building materials, packaging materials, furniture As a molded article having a screw insertion portion including various uses such as daily miscellaneous goods, it can be used extremely practically as a chassis or a housing.
Claims (6)
(イ)粉体状の(A)液晶性樹脂
(ロ)(B)ポリテトラフルオロエチレンと有機系重合粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体
(ハ)(C)フィラー
(ニ)粉末状の(D)エラストマー
(ホ)(A)〜(D)成分から選択される2種以上であって、(A)または(D)成分を必須成分とする成分を溶融混練してなる組成物の粉体A total of 100 parts by weight of (A) 85 to 99.5% by weight of a liquid crystalline resin and (B) 15 to 0.5% by weight of a polytetrafluoroethylene-containing mixed powder composed of polytetrafluoroethylene and organic polymer particles. On the other hand, (C) 5 to 600 parts by weight of filler, (D) 0.5 to 30 parts by weight of elastomer as desired, and (A) a thermoplastic resin component containing a liquid crystalline resin in the resin composition A tablet formed by compression-molding a raw material selected from the following (a) to (e) so as to be a main component of:
(A) Powdery (A) Liquid crystalline resin (B) (B) Polytetrafluoroethylene-containing mixed powder comprising polytetrafluoroethylene and organic polymer particles (C) (C) Filler (D) powder (D) elastomer (e) two or more selected from the components (A) to (D), and a composition obtained by melt-kneading a component having the component (A) or (D) as an essential component Powder
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