JP2005027645A - 水流と梃子の原理を応用した底生動物定量採集器 - Google Patents
水流と梃子の原理を応用した底生動物定量採集器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】河川における底生動物の定量採集の採集精度を向上させ、同時に生息環境についての情報を収集する。
【解決手段】河床を4つの面で囲って、一定面積の底生動物を隔離する。上流側の面を可動式として下部に河床を剥ぎ取る爪を付け、水流によって生ずる水圧と梃子の原理を応用して上流側の面を下流側に移動させ、爪によって剥ぎ取った河床材料と共に隔離した底生動物を下流側に取り付けたサーバーネットで採集する。サーバーネットには大きさの異なる数種類の篩が取り付けてあり、目合によって河床材料は礫、砂礫、砂等に分類される。以上の操作により、隔離した面の底生動物をほとんど漏らさずに採集することができると共に、河床材料の分類から生息環境についての情報も得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】河床を4つの面で囲って、一定面積の底生動物を隔離する。上流側の面を可動式として下部に河床を剥ぎ取る爪を付け、水流によって生ずる水圧と梃子の原理を応用して上流側の面を下流側に移動させ、爪によって剥ぎ取った河床材料と共に隔離した底生動物を下流側に取り付けたサーバーネットで採集する。サーバーネットには大きさの異なる数種類の篩が取り付けてあり、目合によって河床材料は礫、砂礫、砂等に分類される。以上の操作により、隔離した面の底生動物をほとんど漏らさずに採集することができると共に、河床材料の分類から生息環境についての情報も得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、河川等の生物調査で底生動物を定量的に採集する方法に関し、河床の一定面積内に生息する底生動物を立体構造の枠を用いて他の部分から隔離し、隔離した底生動物を河床材料と共に採取することによって定量的な採集の精度を向上させるとともに、一緒に採取した河床材料を分類することによって底生動物の生息環境についての情報も同時に得ることができる装置に関するものである。
コドラートとサーバーネットを組み合わせた底生動物の定量採集方法は、河川の生物調査ではごく一般的に行われている調査方法である。ここで、コドラートとは25cm四方、30cm四方、50cm四方などの大きさを持つ方形の枠、ないしはこの枠で囲まれた部分を指し、サーバーネットとは底生動物捕集用に作られた目の細かい丈夫なネットのことを言う。
このコドラートとサーバーネットを組み合わせた採集方法は、方形枠(コドラート)を河床に置いてその下流側にサーバーネットを配置し、方形枠の内部にある石を取り上げ、手で洗って石についた底生動物をサーバーネットに流し込むといった方法のため、厳密には枠外の底生動物が流れ込むことや枠内の底生動物が枠外に逃げ出すこともしばしば見受けられる採集方法である。
また、手を用いて方形枠の内部の石を操作するため、埋もれた石の間の底生動物を完全には採集できないといった欠点や、河川の水深や流速による採集の難易度の違い、あるいは個人の採集技術によっても採集量が異なるなど、定量調査として位置付けられているにもかかわらず、精度の劣る採集方法である。
解決しようとする課題は、底生動物の定量採集において、コドラート内に生息する底生動物を高精度でかつ容易に採集するとともに、底生動物の生息環境を河床材料から判断するための情報を得ることを可能とする器具の開発である。
本発明は、従来、方形の枠であったコドラートを4つの面を持つ立体構造としてコドラート内を外部から隔離したことにより、コドラート内から外部への底生動物の逃亡や外部からの入り込みを防ぎ、コドラート内の底生動物を高い精度で採集する事を可能とした。
また、従来、人が直接、手を用いて行っていた石の掘り起こしや底生動物の洗い流しなどの作業を、水流によって生ずる水圧と梃子の原理を利用して河床に差し込んだ爪を動かし、河床を一定の深さで剥ぎ取ることによって効率化し、簡単で確実にコドラート内の底生動物を採集できるようにした。
さらに、本発明では、底生動物と一緒に河床材料を採取し、これを目合の異なる篩で分別することにより、底生動物の生息環境を河床材料から判断するための情報収集が、底生動物の採集と同時に行えるようになった。
図1は、本発明によって底生動物と河床材料を採取する際の実施方法を示したものである。
この一連の動きを説明すると、まず、本発明による底生動物定量採集器(以下、定量採集器という。)を足などで河床に固定する。このとき、定量採集器上流側の可動する面7の下部に取り付けた爪8は、河床に突き刺さるようにする。
この一連の動きを説明すると、まず、本発明による底生動物定量採集器(以下、定量採集器という。)を足などで河床に固定する。このとき、定量採集器上流側の可動する面7の下部に取り付けた爪8は、河床に突き刺さるようにする。
次に、上流側の可動する面7に取り付けてある支点5を、定量採集器本体9の側面に取り付けた2つ目の支点受け4に移動する。この移動した支点5を用いて力点となる取っ手6を上流側に動かすことによって、梃子の原理により爪8は河床を剥ぎ取るように下流側に移動する。
この時、上流側の可動する面7と下流側に取り付けたサーバーネット1の両方には、水流による水圧によって下流方向に流されようとする力が働いているが、上流側の可動する面7と下流側のサーバーネット1を連結することにより、下流側に流されようとする2つの力を、河床を剥ぎ取るための力として利用することができる。
定量採集器の下流側にあるサーバーネットの蛇腹部分2の節の一つ一つには、目合の異なる篩10が取り付けてある。河床の剥ぎ取りが終わった段階で定量採集器の本体9から蛇腹部分2を含めてサーバーネット1を取り外し、篩10の目合の大きい方を上にして全体を立てに配置し、上から順次水洗いをする。この時、篩10の目合に応じて河床材料は下に流れ落ち、大きさに応じてそれぞれの篩の部分で留まるため、河床材料を礫、砂礫、砂などに分類することができる。
この作業により、底生動物は篩の各段階で下のほうに洗い落とされ、最終的にはすべての底生動物が一番下のネットで採集される。
本発明は、次のような効果をもたらす。
これまでの底生動物の定量採集方法は、河川における水流・水深の違いなどによって作業の難易度が変わってくるため、地点別の河川状況の違いや同一地点における当日の河川状況によっても採集精度に大きな違いが見られた。また、採集する人間の熟練度によっても採集精度は異なる傾向があった。
本発明により、異なる水深・水流でも同一の採集精度が確保される。また、採集するための操作が統一され、しかも、熟練を必要としない簡単な操作であるため、採集者の熟練度に左右されない採集が可能となる。このため、採集の際に生じる誤差は大幅に低減される。
本発明は、コドラートを置く河床面を他の部分から立体構造を用いて隔離するため、これまでの方形枠を用いた方法に見られるような底生動物の枠外からの流れ込みや、枠内からの逃亡を防止することができる。このため、従来の方法に比べ、採集精度を高めることができる。
本発明は、水流による水圧と梃子の原理を応用して、少ない力で確実に底生動物が生息している河床そのものを剥ぎ取るため、石の隙間に隠れている底生動物なども取りこぼし無く採集できる。このため、人間が手を用いて直接石を操作する採集方法よりも、高い精度で採集することが可能である。
本発明は、河床材料も同時に採取するため、底生動物の生息場所である河床について、その粒度組成や材質などの情報も同時に得ることができる。
1 サーバーネット
2 蛇腹部分
3 連結用の帯
4 支点受け
5 支点
6 力点となる取っ手
7 可動式の面
8 爪
9 定量採集器本体
10 篩
2 蛇腹部分
3 連結用の帯
4 支点受け
5 支点
6 力点となる取っ手
7 可動式の面
8 爪
9 定量採集器本体
10 篩
Claims (5)
- 河川において、河床を4つの面からなる立体の枠で囲み、水圧を受ける上流側の面を可動式にしてその下部に河床を剥ぎ取る爪を取り付け、この可動式の面が下部に取り付けた爪と共に下流側に移動することにより、枠の内部に生息する底生動物を河床材料と一緒に定量的に採集するようにした底生動物採集器。
- 請求項1の上流側に位置する可動式の面と連動し、かつ、水流による水圧を受けて請求項1の可動式の面を引っ張るように動く底生動物捕集用のネットを、請求項1の可動式の面の反対側に取り付けた底生動物採集器。
- 請求項2で、底生動物捕集用のネットの胴体部分を蛇腹式とすることにより、請求項1の可動式の面を引っ張る際にネットの部分が延びるように動く底生動物採集器。
- 請求項1の可動式の面に、梃子の原理において支点となる突起と力点となる取っ手を取り付けることにより、下部に取り付けた爪が作用点となって河床を剥ぎ取るように動く底生動物採集器。
- 請求項1の可動式の面の下部に取り付けた爪が河床を剥ぎ取る際に、剥ぎ取った河床材料を一定の大きさに篩い分ける篩を底生動物捕集用のネットの内部に持つ底生動物採集器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003293970A JP2005027645A (ja) | 2003-07-13 | 2003-07-13 | 水流と梃子の原理を応用した底生動物定量採集器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005027645A true JP2005027645A (ja) | 2005-02-03 |
Family
ID=34213457
Family Applications (1)
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JP2003293970A Withdrawn JP2005027645A (ja) | 2003-07-13 | 2003-07-13 | 水流と梃子の原理を応用した底生動物定量採集器 |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103548788A (zh) * | 2013-10-28 | 2014-02-05 | 莱州海益苗业有限公司 | 海参采捕装置 |
CN104186438A (zh) * | 2014-08-13 | 2014-12-10 | 张�浩 | 一种底栖动物采吸装置 |
KR101565941B1 (ko) | 2013-12-23 | 2015-11-04 | (주)코리아에코웍스 | 다기능 수서생물 정량조사장치 |
CN116019069A (zh) * | 2023-02-09 | 2023-04-28 | 中国水产科学研究院黑龙江水产研究所 | 一种河流自由移动型底栖动物定性采集装置 |
-
2003
- 2003-07-13 JP JP2003293970A patent/JP2005027645A/ja not_active Withdrawn
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CN116019069A (zh) * | 2023-02-09 | 2023-04-28 | 中国水产科学研究院黑龙江水产研究所 | 一种河流自由移动型底栖动物定性采集装置 |
CN116019069B (zh) * | 2023-02-09 | 2023-08-15 | 中国水产科学研究院黑龙江水产研究所 | 一种河流自由移动型底栖动物定性采集装置 |
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