JP2005024073A - ヨウ化アルキル貯蔵容器およびヨウ化アルキルの精製方法 - Google Patents

ヨウ化アルキル貯蔵容器およびヨウ化アルキルの精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ヨウ化アルキルの貯蔵容器を提供する。
【解決手段】 本発明の容器は、銅、銀、これらの合金からなる安定化材を、容器内のヨウ化アルキル液体とヨウ化アルキル気体との双方に接触できるように収納したことを特徴とする。該安定化材は、ヨウ化アルキル気相部と液相部とにそれぞれに配すると、液相と気相双方のヨウ化アルキルの分解を抑制し、ヨウ素の発生を抑制し、従って、分解物であるヨウ素による容器の腐食を回避でき、またヨウ化アルキル自体の安定性を確保し、安定に保存・輸送することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヨウ化アルキル貯蔵容器に関し、容器内部のヨウ化アルキル液体と気体との接触面にヨウ化アルキルの分解を抑制する安定化材を使用し、容器の腐食を防止すると共に、ヨウ化アルキルを劣化させることなく長期に亘り安定に貯蔵し得る容器、および該容器を使用するヨウ化アルキルの精製方法に関する。
ハロゲン化アルキルは、化製品原料、溶剤あるいは燻蒸剤としての用途があり、産業上多用されている化合物である。例えば、炭素数が1のヨウ化メチルは、沸点が低く、土壌、木材、農産物、建屋・構造物から文化財等の燻蒸剤として使用され、常温で気体で存在し得る。一方、アルキル基の種類によっては常温で液体で存在するものもある。このような態様に応じて、ハロゲン化アルキルの保存用容器としては、各種のタイプが使用されている。特に、ハロゲン化アルキルの中には上記のように燻蒸剤として使用されるものもあり、少なからず毒性を有する。このため、保存・輸送中の漏洩を回避するために耐圧ガラス製、金属製高圧容器(ボンベ)または常圧金属容器などが使用されている。
また、ヨウ化アルキルは、僅かな光あるいは保管状態等の因子によりヨウ素を遊離することは知られるところである。例えば、アルキル基をRで示す場合に、ヨウ化アルキル(RI)が水と反応してヨウ素(I2)とアルコール(ROH)とを発生する。ヨウ素は茶褐色ガス状物であり、ヨウ化アルキルに溶解すると製品を着色する原因となる。また、ヨウ化アルキル中に遊離ヨウ素を含むことは製品そのものの劣化にとどまらず、ヨウ素による容器・気化器等金属への腐食を招き、更に、浸透漏洩、被燻蒸物への予想外の薬害を生じさせる原因となる。このため、発生するヨウ素の漏れを防止するためテフロン(登録商標)などで作製されたパッキンを装着して機密性を確保したり、ヨウ素による金属部の腐食を防止するために容器内部をテフロン(登録商標)等でコーティングしたり、または、発生したヨウ素をトラップするためにハイポ水などの安定化剤などを投入し、ヨウ化アルキルの保存および/または輸送中の成分劣化ならびに容器本体の保護を図っている。
しかしながら、設計段階では十分な耐腐食性や気密性が担保されている容器を使用しても、分解の結果発生するヨウ素が容器内の金属を腐食し、またはパッキン類の劣化を促進し、経時的に漏洩し気密性を失わせてゆくことが多い。このようなヨウ化アルキル分解の原因は、ヨウ化アルキル充填時または保管時の光・熱、金属容器内表面の酸化物などと考えられるが、これらを原因を完全に取り除くことは不可能に近く、結局は容器を短命にしているに過ぎない。
また、容器内表面へテフロン(登録商標)コーティングをする方法は、容器構造が閉鎖的であるため容器内の清掃が困難となる。また、ラジカルスカベンジャー剤、ハイポ水等の安定化剤を添加しても、気体相で腐食が発生した場合その効果は十分でなく、また安定化剤の添加は、ヨウ化アルキルの純度を下げる事になるため、用途によっては好ましくない。
本発明者らは、金属銅、金属銀、銅と銀との合金等がヨウ素に対して高い親和性をもつことに注目し、ヨウ化アルキルの保存や輸送の際にこれら金属銅、金属銀、銅と銀との合金等の少なくともいずれか1種を安定化材としてヨウ化アルキルの液体と気体とに接触させると、容器自体の腐食を抑制できることを見い出し、本発明を完成させた。
また、本発明の容器にヨウ化アルキルを貯蔵すると、貯蔵および輸送中のヨウ化アルキルの分解をも防止できる。しかも、該貯蔵容器を用いると、既に分解により発生したヨウ素が混在し製品が着色する場合であっても、貯蔵容器内でヨウ素を除去することができるため、貯蔵容器から取り出したヨウ化アルキル製品は無色に精製される。すなわち、上記課題は以下の(1)〜(6)によって解決される。
(1) 容器内部に存在するヨウ化アルキルとの接触面であって、ヨウ化アルキル液体との接触面とヨウ化アルキル気体との接触面とが、ヨウ化アルキルの安定化材で構成されることを特徴とする、ヨウ化アルキル貯蔵容器。
(2) 容器内部に、ヨウ化アルキル液体とヨウ化アルキル気体とに接触するようにヨウ化アルキルの安定化材が配設されることを特徴とする、ヨウ化アルキル貯蔵容器。
(3) 該安定化材が、金属銅、金属銀、銅と銀との合金、または銅と銀との複合金属からなる少なくとも1種である、上記(1)または(2)記載のヨウ化アルキル貯蔵容器。
(4) 該安定化材が、ヨウ化アルキル液体との接触面とヨウ化アルキル気体との接触面とで異なる部材で構成される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のヨウ化アルキル貯蔵容器。
(5) ヨウ化アルキルが、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化イソプロピルおよびヨウ化ブチルからなる群から選ばれる1種以上である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のヨウ化アルキル貯蔵容器。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかに記載のヨウ化アルキル貯蔵容器にヨウ化アルキルを収納し、該ヨウ化アルキルの分解によって発生したヨウ素を該ヨウ化安定化材と反応させることを特徴とする、ヨウ化アルキルの精製方法。
本発明によれば、従来より分解しやすい性質から着色などの劣化を招き易く、このため容器の腐食などの問題が発生し、または保存が難しかったヨウ化アルキルを長期にわたって安定に保存できる。
本発明の第一は、容器内部に存在するヨウ化アルキルとの接触面であって、ヨウ化アルキル液体との接触面とヨウ化アルキル気体との接触面とが、ヨウ化アルキルの安定化材で構成されることを特徴とする、ヨウ化アルキル貯蔵容器である。
ヨウ化アルキルとしては、炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基を有するものであり、特に好ましくはヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化イソプロピルおよびヨウ化ブチルからなる群から選ばれる1種以上である。いずれも分解してヨウ素を発生し、製品の着色や容器の腐食を招くおそれがある。これらはアルキル基の炭素数によって常温で気体または液体で存在するが、貯蔵容器が耐圧製であれば気体を加圧下に収納することができる。
本発明の貯蔵容器の形状としては、ヨウ化アルキルを収納できるように少なくとも1箇所のヨウ化アルキルの出入り口を有していれば、その外形は方形、球形、円錐形、多角錐形、円柱形、多角柱形、その他のいずれでもよく、従来公知のガスボンベや消火器などのように円柱の上下がやや半球状に湾曲した形状であってもよい。収納量に応じて形状も好適なものを選択でき、例えば大容量の場合にはドラム缶形、中容量の場合にガスボンベ形などとすることもできる。
該容器の材質としては、貯蔵するヨウ化アルキルと反応せず、しかも気密性が確保でき、耐圧製に優れる材質を使用することが好ましい。貯蔵容器の収納量にも依存するが、ガラス、鉄、ステンレス等の鉄との合金などを好ましく使用することができる。
本発明の貯蔵容器の特徴は、容器内部のヨウ化アルキル液体とヨウ化アルキル気体とに接触する面が、ヨウ化アルキルの安定化材で構成される点にある。ヨウ化アルキルの液体と接触する面にのみ安定化材が使用されると、ヨウ化アルキルの液相側の分解は抑制されるが、実際には気相においてもヨウ化アルキルの分解を促進する水分が含まれ、また光や熱の影響も受けるため、充填時に混入した大気中の水分や分解によって発生したヨウ素が気相に存在する。本発明では、ヨウ化アルキルの液体と気体との双方の分解を抑制してヨウ素の発生を抑制し、従来から問題となっていた容器の気相部に発生する腐食や蓋部のパッキンの劣化を防止することができる。
ヨウ化アルキルの安定化材としては、金属銅、金属銀、銅と銀との合金、または銅と銀との複合金属からなる少なくとも1種である。銅と銀との合金や複合金属の比率は特定されず、相互に0〜100質量%の範囲で配合することができる。なお、合金とは、二種以上の金属を融合させてできた均一物質の意味であり、複合金属とは、例えば銀粒子と銅粒子とが混合されたが均一組成となっていない物質を意味する。
安定化材の形状としては、上記部材を網状、線状、鎖状、板状、箔状、管状、粒状、その他、板状のものを成型して方形や球形にしたもの、内部が空洞の球状などであってもよく、好ましくはヨウ化アルキルとの接触効率を考慮して、表面積が多い形状とする。特に粒状のものでは容器内での散乱を防ぐためにステンレス製の網袋に入れたものを用いてもよく、またはビーズ状に連ねたものを使用してもよい。
これらヨウ化アルキルの安定化材が接触するヨウ化アルキル接触面としては、容器内壁が該当し、その他、容器内部に収納される各種部材が該当する。例えば、内容物をくみ出すためのポンプのサイホン管部分が内蔵される場合には、このようなサイホン管も該接触面に該当する。
一方、本発明では、ヨウ化アルキル貯蔵容器とは別体でヨウ化アルキル安定化材が配設されていてもよい。例えば、ヨウ化アルキルを充填した場合に、ヨウ化アルキルの気体と液体との双方に接触し得る容器内部に安定化材が収納される場合が、好ましい態様として例示できる。すなわち、本発明では、該安定化材がヨウ化アルキル液体とヨウ化アルキル気体とに接触していればよく、容器の一部がヨウ化アルキル安定化材によって構成される場合に限定されず、ヨウ化アルキルと安定化材とが接触できればいずれの形態であってもよい。例えば、容器内に収納したヨウ化アルキル中に安定化材が沈殿し、または浮遊することでヨウ化アルキル液体、ヨウ化アルキル気体と接触できる場合であってもよい。以下に、本発明における好ましい貯蔵容器の態様を、図を用いて説明する。
図1は、円柱状の容器の上部に突出させて設けたヨウ化アルキル出入口を設け、その出入口に蓋がされた状態を示す図である。1は容器外筒を、2は容器蓋部を、3はヨウ化アルキル安定化材を、4は容器に収納したヨウ化アルキルの液相を、5は気相を示す。なお、図示しないがヨウ化アルキルの出入口と蓋部2とは、パッキンによって気密が確保されている。
本発明の容器は、銅板のヨウ化アルキル安定化材3が容器1の内部に収納されている。一般に、ヨウ化アルキルは反応性が高く、容器収納時の大気の混入をさけるために、遮光、除湿環境下でヨウ化アルキルを充填している。例えば、ヨウ化アルキルが沸点の低いヨウ化メチルの場合には、加圧下に充填し、充填後には液体上部にヨウ化メチルの気体が充満している。本発明の貯蔵容器は、このようなヨウ化アルキルの充填時の態様を考慮して、ヨウ化アルキルを充填した場合にヨウ化アルキルとヨウ化アルキル安定化材3とが接触できるように配設されている。ヨウ化アルキルは、酸化、光、熱などによってヨウ素を発生し、該ヨウ素が容器の腐食原因となっているが、本発明によれば安定化材を配設することでヨウ化アルキルの分解を効率的に抑制し、腐食を防止することができる。
本発明で使用するヨウ化アルキル安定化材としては、金属銅、金属銀、銅と銀との合金、または銅と銀との複合金属があり、これらはヨウ素との親和性が高いため容易にヨウ化物を形成し、速やかにヨウ化アルキルに不溶の反応物を形成する。このため分解時に発生するヨウ素ガスが気相に放出され、または液相に溶解されることがない。このため、ヨウ化アルキル貯蔵容器の腐食を効率的に防止することができる。
ヨウ化アルキル安定化材3とヨウ化アルキルとの接触は、ヨウ化アルキルの状態が液相4と気相5といずれの面にも接触するようにヨウ化アルキル安定化材3を配設することが好ましい。ヨウ化アルキルの分解反応は、液相のみならず気相部分でも発生するため、気相5にも接触できるようにヨウ化アルキル安定化材3を配設すると、液相4でのヨウ化アルキル分解抑制効果と相乗的に作用して、特に優れた分解抑制効果を得ることができる。この点、従来の安定化材であるラジカルスカベンジャー剤、ハイポ水等は、液相に存在させるものであり、液相のヨウ化アルキルの分解を抑制することはできても、気相の分解を抑制することは困難であった。しかしながら、気相においてもヨウ化アルキルの分解を促進する水分が含まれ、また光や熱の影響も受ける。充填時に混入した大気中の水分や分解によって発生したヨウ素が気相に存在するためである。さらに、発生したヨウ素は金属酸化反応に触媒的作用をもち容器劣化を著しく進める。しかしながら、気相にもヨウ化アルキル安定化材3を配設すると、液相でのヨウ化アルキルの分解抑制と相乗的に作用して極めて効率的に分解を防止し、容器内に収納されたヨウ化アルキルの気相および液相におけるヨウ素の発生を抑制することができる。このため、従来から問題となっていた容器の気相部に発生する腐食や蓋部のパッキンの劣化を防止することができる。
図2は、ヨウ化アルキル安定化材3がヨウ化アルキルの液相4と、気相5とにそれぞれ別個に配設される態様を示す。液相に配設するヨウ化アルキルは、容器内に留置すれば液相内に沈殿するため、残存するヨウ化アルキル量に無関係に使用中にヨウ化アルキルと接触できる。一方、気相にヨウ化アルキル安定化材3を配設するには、例えば板状の金属銅をフックなどで固定して配置すればよい。
図3は、耐圧製の貯蔵容器の一例を示す部分断面図である。1は容器外筒を、3はヨウ化アルキル安定化材を、4は容器に収納したヨウ化アルキルを示し、7はバルブを、8はバルブ接合部を、9は保護キャップを示す。ヨウ化アルキルを充填した後に窒素などの不活性ガスで与圧すれば、サイホン管構造によって充填したヨウ化アルキルを取り出すことができる。このような耐圧製貯蔵容器の場合には、金属銅などで構成した棒状のヨウ化アルキル安定化材3を容器内に挿入することでヨウ化アルキルの分解によって発生する腐食を防止することができる。ヨウ化アルキル安定化材3は、液相4と気相5との双方に接触できるように長尺物を使用すれば、挿入および使用が簡便である。
耐圧容器の他の態様として、図4に示すように、バルブ7が容器内部の液相4に到達するサイホン管6が配設される形状の場合には、サイホン管6内部またはサイホン管6外周に金属銅、金属銀などを被覆し、またはサイホン管6を金属銅、金属銀、銅と銀との合金、または銅と銀との複合金属などで構成して使用してもよい。
更に、図5に示すように、該サイホン管6に金属銅、金属銀、銅と銀との合金、または銅と銀との複合金属等からなる板状物を巻きつけるような形態であっても、または図6に示すように、合成樹脂の表面に金属銅、金属銀、銅と銀との合金、または銅と銀との複合金属を被覆したボール状物をヨウ化アルキル安定化材3として浮遊させてもよい。上記態様は、いずれもヨウ化アルキルの液相部と気相部との双方にヨウ化アルキル安定化材が接触するため、気相と液相とのヨウ化アルキルの分解を抑制することができる。
本発明では、安定化材の取り出しが容易な点で、サイホン管にヨウ化アルキル安定化材3が巻きついた態様やサイホン管6自体がヨウ化アルキル安定化材3で構成されることが好ましい。
なお、安定化材である金属銅、金属銀、銅・銀合金にあっては一旦使用した後取り出して表面の研磨、酸処理などにより生成した沃素化合物を取り除くことで再利用が可能である。
本発明の貯蔵容器に使用されるヨウ化アルキル安定化材の使用量としては特に制限はなく、含まれる分解物であるヨウ素の含有量などによって適宜選択できる。好ましくは、ヨウ化アルキルの収納量1Lに対し、0.5〜9cm2、好ましくは1〜3cm2とする。容器収納時のヨウ化アルキル量や使用経過時に残存するヨウ化アルキル量に関わらず、安定化材の表面積が上記範囲にあれば、ヨウ化アルキルの分解を効率的に抑制でき、しかも仮にヨウ素が発生してもヨウ素がヨウ化アルキル安定化材と結合して不溶性の化合物に変化するため、ヨウ化アルキル中に再溶解することがない。すなわち、本発明で使用するヨウ化アルキルの安定化材は、その存在によってヨウ化アルキルの分解を抑制でき、ヨウ化アルキル中にヨウ素などの分解物が存在する場合には、ヨウ化アルキルとの親和性に優れるためにただちに反応して不溶性のヨウ化物を形成し、気相および液相のヨウ素量を低減させる。このため、容器の腐食が防止されるのである。一方、該安定化材は、ヨウ素と反応して不溶性のヨウ化銀やヨウ化銅となり安定化材にそのまま付着するため、安定化材表面にヨウ化物が付着し、ヨウ素との反応が困難となった場合には、物理的または化学的に該ヨウ化物を除去すれば、安定化材としての再使用が可能となる。
本発明の容器は、簡便かつ効果的な安定化材を保存・移動用容器の内側の液相部および気相部に配することで、保存および輸送中のヨウ化アルキルの劣化を防止し、ならびに容器本体の保護を効率的に可能とする。
本発明の第二は、上記ヨウ化アルキル貯蔵容器にヨウ化アルキルを収納し、該ヨウ化アルキルの分解によって発生したヨウ素を該ヨウ化安定化材と反応させることを特徴とする、ヨウ化アルキルの精製方法である。
本発明の第一の貯蔵容器にヨウ化アルキルを貯蔵すると、たとえヨウ化アルキル充填時に光などにより分解が起こり着色した場合であっても、充填後1週間〜一ヶ月経過後には、無色のヨウ化アルキルを容器から抜き出すことができる。分解によって発生したヨウ素が、ヨウ化アルキル安定化材と反応してヨウ化アルキルに不溶性の固形物となり、ヨウ化アルキル液体や気体と分離されたためと考えられる。
特にヨウ化アルキル安定化材が板状物の場合であり、容器内部に固定されている場合は、該安定化材がサイホン管自体を構成する場合には、該安定化材がヨウ化アルキルと同時に抜き出されるおそれがない。このため特別のヨウ化物との分離工程を行うことなく、精製後のヨウ化アルキルを抜き出すことができる。
本発明の精製方法によれば、例えばヨウ化メチルを燻蒸目的で使用する場合には、透明のヨウ化メチルを燻蒸剤として使用することができ、燻蒸対象物への着色を防止することができる。
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
実施例1
高さ60cm×直径20cm、内容積17Lねじ式バルブ一体型サイホン管付鉄製ボンベ(標準ボンベ)および同仕様のボンベのサイホン管部分に厚さ0.1mm×幅3cm×長さ40cm銅箔の端を、底から5cmの位置でサイホン管部に太さ1mmの銅線で固定し、上部に向かって螺旋状に長さ25cmになるように巻き付けた(銅箔入りボンベ)。
標準ボンベおよび銅箔入りボンベの2本づつにヨウ化メチルの20kgを入れ窒素で内圧を5kg/cm2に調整したもの4本を用意し倉庫内でバルブを上に向け立てたまま3ヶ月保管した。
保管後各ボンベのバルブを開けヨウ化メチルを取り出したところ、標準ボンベ2本に保管していたヨウ化メチルは透明赤褐色を示していた。銅箔入りボンベ2本ではヨウ化メチルは無色透明で充填時のままであった。サイホン管をはずし各ボンベの中央部を大型サンダーで切断し内部を観察したところ標準ボンベではヨウ化メチル液体接触部は黒色(放置後赤褐色に変化)にヨウ化メチル気体接触部では黒褐色(放置後赤褐色に変化)に錆が生じ底部には錆と思われる沈殿物が溜まっていた。銅箔入りボンベでは顕著な変化はなく底部には沈殿物は認められなかった。また、標準ボンベのサイホン管(真鍮製)のヨウ化メチル液体接触部分にヨウ化物と思われる乳白色の表面皮膜が形成されていた。
実施例2
実施例1で標準ボンベ2本に保管していた褐色化したヨウ化メチルの40kgを混ぜ合わせた後、褐色化したヨウ化メチル20kgづつを新たな標準ボンベおよび新たな銅箔入りボンベにそれぞれ入れ窒素加圧後、バルブを上に向け立てたまま1ヶ月保管した。
保管後各ボンベのバルブを開けヨウ化メチルを取り出したところ標準ボンベに保管していたヨウ化メチルは充填時よりさらに濃い透明赤褐色を示していた。銅箔入りボンベ2本ではヨウ化メチルは本来の無色透明に変わっていた。
図1は、本発明の円柱状の容器の上部に突出させて設けたヨウ化アルキル出入口を設け、その出入口に蓋がされた状態を示す図である。 図2は、本発明のヨウ化アルキル安定化材がヨウ化アルキルの液相と気相とにそれぞれ別個に配設される態様を示す図である。 図3は、本発明の耐圧製の貯蔵容器の一例を示す部分断面図である。 図4は、耐圧製容器のバルブにサイホン管が配設され、該サイホン管にヨウ化アルキル安定化材が被覆された態様を示す図である。 図5は、サイホン管にヨウ化アルキル安定化材が巻きついた態様を示す図である。 図6は、液面に浮遊し得るヨウ化アルキル安定化材が収納された態様を示す図である。
符号の説明
1・・・貯蔵容器、2・・・容器蓋部、3・・・ヨウ化アルキル安定化材、4・・・ヨウ化アルキル液相、5・・・ヨウ化アルキル気相、6・・・サイホン管、7・・・バルブ、8・・・バルブとの接合部、9・・・保護キャップ。

Claims (6)

  1. 容器内部に存在するヨウ化アルキルとの接触面であって、ヨウ化アルキル液体との接触面とヨウ化アルキル気体との接触面とが、ヨウ化アルキルの安定化材で構成されることを特徴とする、ヨウ化アルキル貯蔵容器。
  2. 容器内部に、ヨウ化アルキル液体とヨウ化アルキル気体とに接触するようにヨウ化アルキルの安定化材が配設されることを特徴とする、ヨウ化アルキル貯蔵容器。
  3. 該安定化材が、金属銅、金属銀、銅と銀との合金、または銅と銀との複合金属からなる少なくとも1種である、請求項1または2記載のヨウ化アルキル貯蔵容器。
  4. 該安定化材が、ヨウ化アルキル液体との接触面とヨウ化アルキル気体との接触面とで異なる部材で構成される、請求項1〜3のいずれかに記載のヨウ化アルキル貯蔵容器。
  5. ヨウ化アルキルが、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化イソプロピルおよびヨウ化ブチルからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のヨウ化アルキル貯蔵容器。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のヨウ化アルキル貯蔵容器にヨウ化アルキルを収納し、該ヨウ化アルキルの分解によって発生したヨウ素を該ヨウ化安定化材と反応させることを特徴とする、ヨウ化アルキルの精製方法。
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