JP2005022819A - Tower crane support device - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タワークレーン支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高層ビルのような建造物を建設する場合、タワークレーンが広く用いられている。このタワークレーンは、建造物の上層階が出来上がっていくのに合わせて、上層にクライミングさせ、上昇させていく必要がある。タワークレーンをクライミングさせる方法としては、「マストクライミング」と呼ばれる方法と、「フロアクライミング」と呼ばれる方法の2通りがある。この2通りの方法について、順に説明する。
【0003】
図30は、タワークレーンのマストクライミングを説明するための側面図である。図30に示すタワークレーン400は、主に、建造物600の領域の外部に設けられた基礎上に立設されたマスト500と、マスト500の上端部に設置されたクレーン本体8とで構成されている。クレーン本体8は、例えば油圧シリンダを備えた昇降機構を有しており、マスト500に対し相対的に上下方向に移動可能になっている。
【0004】
マスト500は、建造物600の高さ以上の高さが必要であるため、建造物600の構築高さが上昇していくのに合わせて、継ぎ足して延長する必要がある。マストクライミングを行う際には、まず、マスト500の上端にマストの単位構造体を継ぎ足してマスト500を上方に延長する。次いで、前記昇降機構を作動して、クレーン本体8を延長されたマスト500の上端部まで上昇させる。これがマストクライミングである。
【0005】
マスト500は、荷を吊ったクレーン本体8からモーメントや水平力を受けるが、このモーメントや水平力に耐えて自立可能な高さ(以下、「自立高さ」と言う)には限界がある。よって、継ぎ足して延長した後のマスト500の高さが自立高さを超える場合には、壁つなぎ700により、自立高さ以内のピッチ(間隔)で、マスト500を建造物600の外壁に連結・固定する必要がある。
【0006】
次に、フロアクライミングについて説明する。図31は、タワークレーンのフロアクライミングを説明するための側面図である。
【0007】
図31(a)は、タワークレーンの使用時の状態である。フロアクライミングの場合には、タワークレーンは、建造物の領域の内部に設置される。図31(a)に示すように、下層階の2つの本設梁(建造物本体の梁)56、56の間には、ベース受け架台200と呼ばれる仮設の梁が掛け渡されている。ベース受け架台200は、略平行に配置された一対の受梁210と、各受梁210の両端からそれぞれ突出し、受梁210の長手方向に沿って変位可能なアウトリガー220とを有している。受梁210の長さは、本設梁56、56の間隔(スパン)より短く設定されている。そして、アウトリガー220は、各受梁210の両端から突出した状態となっており、本設梁56に対し固定部材により固定されている。
【0008】
タワークレーンのマスト3の下端部には、脚部としての折りたたみ架台4が設置されており、折りたたみ架台4と一対の受梁210とが固定手段により固定されている。このようにして、フロアクライミングの場合、タワークレーンの使用時には、タワークレーンは、マスト3の下端部付近にてベース受け架台200により支持されている。また、マスト3の高さは、自立高さ以内とされている。
【0009】
フロアクライミングを行う際には、まず、図31(b)に示すように、上層階の本設梁56、56の間に仮設のベル受架台300を設置し、ベル受架台300にクレーン本体8のガイドフレームを固定する。これにより、タワークレーンを上層のベル受架台300で支持する。
【0010】
次いで、下層階の本設梁56とアウトリガー220とを固定する固定部材を取り外してその固定を解除し、アウトリガー220を受梁210の内部に引き込む。そして、この状態でクレーン本体8の昇降機構を作動し、図31(c)に示すように、マスト3をベース受け架台200と共に引き上げる。
【0011】
マスト3を引き上げたら、引き込んでいたアウトリガー220を再び突出させ、固定部材により上階の本設梁56に固定する。
【0012】
次いで、クレーン本体8のガイドフレームとベル受架台300との固定を解除してベル受架台300を撤去した後、クレーン本体8の昇降機構を作動し、クレーン本体8自身を上昇させる。これにより、図31(d)に示すように、タワークレーン全体のフロアクライミングが終了する。
【0013】
以上説明したようなマストクライミングとフロアクライミングとを比較すると、次に述べるように、フロアクライミングの方がメリットが大きい。すなわち、まず第1に、フロアクライミングの場合には、タワークレーンを建造物の領域内に設置することから、マスト3を中心とするタワークレーンの作業半径を360°(全周)使って建造物の領域をカバーすることができるという利点がある。これに対し、マストクライミングの場合には、タワークレーン400を建造物の領域外に設置するため、マスト500を中心とするタワークレーンの作業半径をほぼ180°(半周)しか実質的に利用することができない。このため、マストクライミングの場合には、建造物の領域全体をカバーするためにタワークレーンの設置台数が増加するという欠点がある。例えば、図30のような場合には、2台のタワークレーン400で両側から建造物600の領域をカバーしているが、仮にフロアクライミングとして建造物600の中央(中心)にタワークレーンを設置できれば、1台で足りる。
【0014】
第2に、フロアクライミングの場合には、どれほど上層までクライミングを繰り返しても、マストを継ぎ足すための単位構造体や壁つなぎ700のような仮設機材が不要、という利点がある。これに対し、マストクライミングの場合には、上層にクライミングすればするほど、継ぎ足すマスト500の単位構造体や壁つなぎ700が数多く必要となる。
【0015】
しかしながら、フロアクライミングの場合には、タワークレーンからの荷重がすべて建造物の梁(本設梁56)および柱に作用するため、建造物の梁および柱の強度が比較的小さい場合には、タワークレーンからの荷重が作用する箇所の梁や柱がそれに耐えきれず、実施することができないという問題があった。例えば、鉄骨造り(S造)と比べて梁および柱の強度が小さい鉄筋コンクリート造り(RC造)の建造物を建設する際には、フロアクライミングを採用することができず、マストクライミングとせざるを得ない場合があった。
【0016】
なお、鉄筋コンクリート造りであっても、梁や柱を太くして強度を高めればフロアクライミングを実施することもできるが、これでは、建造物自体に必要な建設資材が増大して、メリットがない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、建設する建造物の梁や柱への荷重を軽減することができるタワークレーン支持装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(14)の本発明により達成される。
【0019】
(1) タワークレーンを該タワークレーンのマストの下端部付近にて支持するベース受け架台と、
前記タワークレーンを前記マストの中間部にて支持し、主に水平方向の力を受ける水平力支持体とを備え、
常時は、前記ベース受け架台および前記水平力支持体をそれぞれ建造物に対し固定して前記タワークレーンを支持し、前記タワークレーンのクライミング時には、その固定を解除し、前記ベース受け架台および前記水平力支持体を前記マストとともに引き上げるよう使用することを特徴とするタワークレーン支持装置。
【0020】
(2) 建造物の領域の内部において前記タワークレーンを支持する上記(1)に記載のタワークレーン支持装置。
【0021】
(3) 前記水平力支持体は、前記マストの外周を囲むように配置される枠部材と、一端側が前記枠部材に連結され、他端側が建造物に連結されるステー部材とを有する上記(1)または(2)に記載のタワークレーン支持装置。
【0022】
(4) 前記水平力支持体は、前記マストと前記枠部材との間に装着されるインナー部材を有する上記(3)に記載のタワークレーン支持装置。
【0023】
(5) 前記ステー部材は、その他端側が建造物に連結された第1の位置と、建造物側のものに干渉しないように退避した第2の位置とに変位可能であり、前記タワークレーンのクライミング時には、前記第2の位置とされる上記(3)または(4)に記載のタワークレーン支持装置。
【0024】
(6) 前記ステー部材の長さを調節する調節手段を有する上記(3)ないし(5)のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。
【0025】
(7) 前記水平力支持体は、前記枠部材からほぼ四方に突出する4組の前記ステー部材により建造物に連結可能である上記(3)ないし(6)のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。
【0026】
(8) 前記枠部材は、ほぼ長方形状をなし、その各辺の両端付近には、それぞれ、前記ステー部材に連結する連結部が設けられており、
前記連結部に連結された前記ステー部材により、前記枠部材の各辺をそれぞれ前記建造物に連結可能である上記(3)ないし(7)のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。
【0027】
(9) 前記枠部材の各辺に形成された連結部に連結された前記ステー部材は、当該辺にほぼ直交する方向に突出して前記建造物に連結される上記(8)に記載のタワークレーン支持装置。
【0028】
(10) 前記ベース受け架台は、略平行に配置され、前記マストの下端部に固定される一対の受梁と、前記各受梁の両端からそれぞれ突出し、前記受梁の長手方向に変位可能な突出部材と、前記突出部材を変位させる変位手段とを備え、
常時は、突出した状態の前記突出部材と建造物の梁とを固定し、前記タワークレーンのクライミング時には、前記突出部材と前記建造物の梁との固定を解除し、前記突出部材を退避させる上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。
【0029】
(11) 前記突出部材のうちの少なくとも同方向に突出する2個の突出部材が、それぞれ、長さの異なるものに交換可能に設置されている上記(10)に記載のタワークレーン支持装置。
【0030】
(12) 前記突出部材のうちの少なくとも同方向に突出する2個の突出部材の突出長さをそれぞれ調節することができる上記(10)または(11)に記載のタワークレーン支持装置。
【0031】
(13) 前記変位手段は、油圧シリンダで構成されており、
前記ベース受け架台は、前記突出部材と前記建造物の梁とが固定されている状態で、前記油圧シリンダに外力が作用したとき、その力を逃がして前記油圧シリンダに過大な力が作用することを防止する安全機構を備えている上記(10)ないし(12)のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。
【0032】
(14) 前記油圧シリンダは、ピストンの伸長方向と収縮方向とに正圧を作用させることができる複動油圧シリンダであり、前記安全機構は、前記伸長方向に正圧を作用させる流路と前記収縮方向に正圧を作用させる流路とを接続可能な切替弁である上記(13)に記載のタワークレーン支持装置。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のタワークレーン支持装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明のタワークレーン支持装置の実施形態によりタワークレーンを支持した状態を示す側面図である。図1に示すように、タワークレーン支持装置1は、フロアクライミングを行うタワークレーン800を建造物に対し支持、固定するものであり、タワークレーン800をマスト2Bの下端部付近にて支持するベース受け架台1Aと、タワークレーン800をマスト2Bの中間部にて支持し、主に水平方向の力を受ける水平力支持体(水平力支持構造体)1Bとを備えている。
【0035】
ベース受け架台1Aは、2つの本設梁(建造物本体の梁)56、56の間に掛け渡すように設置、固定されている。水平力支持体1Bは、ベース受け架台1Aが設置された本設梁56、56より上層の階(図示の場合には4階上)の本設梁56に設置、固定されている。
【0036】
ここで、ベース受け架台1Aがタワークレーン800から受ける荷重(力)について説明する。ベース受け架台1Aは、タワークレーン800より、鉛直下向きに作用する垂直荷重、水平方向に作用する水平力、および、モーメントの3つの荷重を受ける。これら3つの荷重の大きさは、吊り荷の重さや、マスト2Bの高さ、作業半径(マスト2Bの中心から吊り荷までの距離)等により、様々に変化する。
【0037】
従来のフロアクライミングの場合には、前記の3つの荷重のすべてがベース受け架台を介して建造物の本設梁56や柱に作用していた。このため、ベース受け架台の付近の梁や柱に作用する荷重が大きく、その梁や柱の強度が比較的小さい場合には前記3つの荷重に耐えきれず、フロアクライミングを実施することができなかった。
【0038】
これに対し、本発明のタワークレーン支持装置1では、水平力支持体1Bを設け、この水平力支持体1Bによってマスト2Bに作用する水平方向の力を支持することにより、ベース受け架台1Aに作用するモーメントおよび水平力を大幅に軽減することができる。これにより、ベース受け架台1Aが固定された本設梁56やその付近の柱に作用する荷重(力)が大幅に軽減される。よって、建設する建造物の梁や柱の強度が比較的小さく(例えばRC造:鉄筋コンクリート造りの建物)、従来においてはタワークレーンをマストクライミングとせざるを得なかったような場合でも、タワークレーン800のフロアクライミングを実施することができる。
【0039】
また、本発明では、従来においてフロアクライミングを実施する際に建造物の本設梁の補強が必要であった場合でも、S造(鉄骨造り)またはRC造にかかわらず、その補強を省略または少なくすることができる。
【0040】
このようなタワークレーン支持装置1においてタワークレーン800のフロアクライミングを行う際には、ベル受架台300を設置してクレーン本体8を支持した後、ベース受け架台1Aおよび水平力支持体1Bの建造物に対する固定をそれぞれ解除する。次いで、クレーン本体8の昇降機構を作動し、マスト2Bと共にベース受け架台1Aおよび水平力支持体1Bを引き上げ、ベース受け架台1Aおよび水平力支持体1Bをそれぞれ再び建造物に固定する。そして、ベル受架台300を撤去した後、クレーン本体8の昇降機構を作動し、クレーン本体8をマスト2Bの上端部まで上昇させる。これにより、タワークレーン800のフロアクライミングが終了する。
【0041】
以下、ベース受け架台1Aおよび水平力支持体1Bのそれぞれの構成について、詳細に説明する。
【0042】
図2は、図1に示すタワークレーン支持装置におけるベース受け架台の側面図、図3は、図2に示すベース受け架台の平面図、図16は、図2に示すベース受け架台の正面図である。
【0043】
これらの図に示すベース受け架台1Aは、一対の受梁9と、各受梁9同士を接続(連結)する一対の垂直ブレス(連結部材)2と、各受梁9の両端からそれぞれ突出するアウトリガー(突出部材)30とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0044】
一対の受梁9は、それぞれ、細長の略直方体状をなし、平面視(図3)で見て略平行に配置されている。各受梁9は、その構成が同様であるため、一方の受梁9について代表的に説明する。受梁9の内部には、その長手方向に沿って、アウトリガー30を挿通(収納)する空間(アウトリガー収納部19)が形成されている。アウトリガー収納部19の横断面形状は、略長方形になっている。受梁9の長さは、ベース受け架台1Aを設置する箇所の2本の本設梁56、56の間隔(以下、「本設梁のスパン」と言う。)より短く設定されている。受梁9は、その中央から両側がほぼ対称に構成されている。
【0045】
一対の垂直ブレス2は、ともに同様の構成であり、それぞれ、複数のビームを組み合わせて構成されており、枠状をなしている。各垂直ブレス2は、各受梁9にほぼ直交し、かつ、水平面に対して垂直な姿勢で設置され、両受梁9を連結している。また、各垂直ブレス2は、それぞれ、受梁9の両端から、受梁9の全長のほぼ1/4の長さだけ内側の位置に設置されている。このような垂直ブレス2が設けられていることにより、ベース受け架台1Aは、タワークレーンから受ける水平方向の力に対する強度が増大し、より強固にタワークレーンを支持(固定)することができる。
【0046】
アウトリガー30は、細長の略直方体状をなし、各受梁9の両端から各受梁9内のアウトリガー収納部19に挿入されるように設置されている。すなわち、アウトリガー30は、ベース受け架台1Aに4個設置されており、その構成は、同様である。そして、各アウトリガー30は、各受梁9のアウトリガー収納部19に沿って変位(摺動)可能であり、各受梁9の端部から突出する長さ(突出長さ)を変えることができる。
【0047】
図2および図3は、タワークレーン800の使用時(フロアクライミングを行っていない状態)を示しており、各アウトリガー30は、各受梁9の両端から突出した状態にある。そして、各アウトリガー30の突出した部分が、それぞれ、本設梁56の上に位置しており、これらの部分と本設梁56とが後述する固定部材により固定されている。
【0048】
このように本設梁56上に固定されたベース受け架台1Aの上に、タワークレーン800のマスト2Bの下端部に固着された折りたたみ架台(脚部)4が固定されている。タワークレーン800の折りたたみ架台4は、折りたたみ架台本体5と、この折りたたみ架台本体5の外周部に等角度間隔で設けられた4つの脚6とを有している。各脚6は、いずれも同様の構成となっている。収納時には、各脚6は、鉛直方向の回転軸を中心に回転させて折りたたみ架台本体5に沿って折りたたみ可能になっている。
【0049】
折りたたみ架台4は、各脚6を広げた状態として、ベース受け架台1Aに固定されている。この状態では、各脚6は、平面視(図3)で見て、マスト2Bの中心(中心軸)から、等角度(90°)間隔で径方向にそれぞれ突出し、各受梁9の上にその2つずつが位置している。タワークレーン800は、マスト2Bの中心をベース受け架台1Aの中心と一致させて載置されている。すなわち、マスト2Bの中心軸は、受梁9の長手方向の中央に位置し、かつ、一対の受梁9の間の中央に位置している。また、各脚6と各受梁9とは、平面視で見て、ほぼ45°の角度をなしている。そして、各脚6と各受梁9とは、後述する固定手段により固定されている。
【0050】
このようなベース受け架台1Aは、図3(平面視)で見て上下左右に4箇所に分けた部分(各アウトリガー30がそれぞれ突出/退避する部分)について、その構成が同様または対称となっている。また、各アウトリガー30と本設梁56との固定方法およびタワークレーン800の各脚6と各受梁9との固定方法についてもこの4箇所で同様または対称となっている。そこで、以下の説明では、これらの4箇所のうちの1箇所の構成について代表的に説明する。
【0051】
アウトリガー30の突出した部分は、一対の上カンザシ(架台固定用上カンザシ)52と、一対の下カンザシ(架台固定用下カンザシ)53と、4本のカンザシボルト(架台固定用ボルト)54とを含む固定部材により、本設梁56に固定されている。
【0052】
各上カンザシ52は、いずれも、カンザシボルト54を挿通する孔が両端部にそれぞれ形成された細長の部材であり、アウトリガー30の上にアウトリガー30に直交して設置されている。各下カンザシ53は、それぞれ、上カンザシ52とほぼ同様の部材であり、本設梁56の下に本設梁56と直交して設置されている。すなわち、各上カンザシ52と各下カンザシ53とは、互いに直交する向きを向いている。そして、各上カンザシ52と各下カンザシ53とは、それぞれのボルト挿通孔の中心軸を合わせて設置されている。
【0053】
4つのカンザシボルト54は、それぞれ、両端にネジ部が形成された長尺のボルトであり、上カンザシ52のボルト挿通孔と下カンザシ53のボルト挿通孔とを貫通し、アウトリガー30および本設梁56を挟むように設置されている。そして、各カンザシボルト54の両端のネジ部にそれぞれナット145を組み付け、これらのナット145を締め付けて、アウトリガー30と本設梁56とが強固に固定されている。なお、フロアクライミングを行う際には、これらの固定部材を取り外し、アウトリガー30と本設梁56との固定を解除する。
【0054】
折りたたみ架台4の脚6は、上カンザシ(クレーン固定用上カンザシ)10と、下カンザシ(クレーン固定用下カンザシ)13と、2本のカンザシボルト(クレーン固定用ボルト)25とを含む固定手段により、受梁9に固定されている。
【0055】
折りたたみ架台4の脚6には、厚さ方向に貫通する孔部が形成されており、この孔部に上カンザシ10が挿通されている。上カンザシ10は、カンザシボルト25が上下方向に貫通するボルト挿通孔11が両端部にそれぞれ形成された細長の部材である。上カンザシ10は、脚6に直交するように設けられており、受梁9に対しては、所定角度(45°程度)傾斜して位置している。
【0056】
下カンザシ13は、上カンザシ10とほぼ同様の部材であり、カンザシボルト25が上下方向に貫通するボルト挿通孔14が両端部にそれぞれ形成されている。下カンザシ13は、受梁9の下に設置されており、各ボルト挿通孔14の中心軸を各ボルト挿通孔11の中心軸と合わせて、上カンザシ10と平行になっている。
【0057】
2つのカンザシボルト25は、それぞれ、両端にネジ部が形成された長尺のボルトであり、上カンザシ10のボルト挿通孔11と下カンザシ13のボルト挿通孔14とを貫通し、受梁9を挟むように設置されている。そして、各カンザシボルト25の両端のネジ部にそれぞれナット116を組み付け、これらのナット116を締め付けて、脚6(折りたたみ架台4)と受梁9とが強固に固定されている。なお、この脚6と受梁9とは、一旦固定した後は、通常、タワークレーン800の使用を終えてタワークレーン800を解体・撤去するまで、固定したままの状態とされる。
【0058】
図6は、アウトリガー30が受梁9内にすべて収納された状態(フロアクライミング時の状態)を、受梁9の一方の側面部を取り去って示した断面側面図、図7は、アウトリガー30を図6中のA−B線で切断した断面正面図、図8は、アウトリガー30が最大の突出長さに突出した状態を、受梁9の一方の側面部を取り去って示した断面側面図、図12は、アウトリガー30を図6中のC−D線で切断した断面平面図である。以下、これらの図および前出の図を参照して、アウトリガー30の構成等について説明する。なお、以下の説明では、アウトリガー30については、その突出する方向(図6中の右方向)を「先端」、その反対方向(図6中の左方向)を「基端」と言う。
【0059】
図6に示すように、アウトリガー30は、受梁9内に形成されたアウトリガー収納部19に設置されており、受梁9の長手方向に沿って移動可能になっている。アウトリガー30は、箱型構造をなしており、受梁9内のアウトリガー収納部19に設けられた油圧シリンダ(変位手段)32に駆動され、受梁9の長手方向に沿って搬送される(変位する)ようになっている。
【0060】
油圧シリンダ32に油圧を供給する油圧ユニット29は、一方の受梁9と一方の垂直ブレス2とがなす角部の付近に設置されている(図3参照)。この油圧ユニット29から各アウトリガー30を移動する4個の油圧シリンダ32のそれぞれに油圧が供給される。油圧シリンダ32は、油圧ユニット29から油圧が供給されることより、ピストンロッド32aが伸縮し、アウトリガー30を変位させる。
【0061】
アウトリガー30の略々中央部には、アウトリガー30を補強等するために垂直補強板33がアウトリガー30の長手方向に直交するように設けられている。すなわち、アウトリガー30の内部空間は、垂直補強板33により、長手方向に略2等分割されている。
【0062】
また、図7に示すように、アウトリガー30内の垂直補強板33からアウトリガー30の先端の先端板35までの間には、アウトリガー30の長手方向に沿って、水平面と垂直に平行補強板34が設けられている。垂直補強板33からアウトリガー30の先端の先端板35までの間の内部空間は、平行補強板34により、水平方向に略2等分割されている。
【0063】
また、図12に示すようにアウトリガー30の平行補強板34で仕切られた細長の空間は、垂直補強板33に対して並行に設置された例えば6枚の垂直副補強板55が設けられている。この垂直副補強板55は、垂直補強板33および平行補強板34と共に、アウトリガー30に大きい荷重が掛かる部分(先端部分)を補強するようになっている。このような構成により、アウトリガー30は、タワークレーン800や吊り荷の重量に対し、十分な強度を有している。
【0064】
油圧シリンダ32は、受梁9およびアウトリガー30の長手方向に沿って設置されている。すなわち、油圧シリンダ32のピストンロッド32aが伸縮する方向は、アウトリガー30が受梁9に対し変位する方向と平行になっている。また、油圧シリンダ32は、図6に示す状態では、最も収縮した状態となっている。
【0065】
油圧シリンダ32の基端部には、接続ピン挿入孔が形成されており、受梁9内のほぼ中央部に設置されたブラケット28に接続ピン49を介して接続されている。
【0066】
アウトリガー30の基端の基端板36には、シリンダ貫通孔37が設けられ、油圧シリンダ32が挿通されている。すなわち、油圧シリンダ32の先端側(ピストンロッド32a側)は、アウトリガー30の内部に入り込んでおり、図6に示す状態では、油圧シリンダ32aの大部分がアウトリガー30の内部に位置している。
【0067】
垂直補強板33には、シリンダ挿入孔38が設けられ、アウトリガー30内に入り込んだ油圧シリンダ32のピストンロッド32aの先端部39が挿通されている。ピストンロッド32aの先端部39には、接続ピン挿入孔40が設けられている。シリンダ挿入孔38の付近の平行補強板34にも接続ピン挿入孔が形成されており、これと接続ピン挿入孔40とを合わせて、接続ピン41が挿入されている。これにより、ピストンロッド32aの先端部39がアウトリガー30と接続されている。
【0068】
アウトリガー30には、図6に示すようにピストンロッド32aの先端部39と平行補強板34との接続部分に、例えば人間の腕が挿入可能な孔部42が設けられている。作業者は、この孔部42に腕を入れ、接続ピン41の差し込み/引き抜きをすることができる。
【0069】
このような構成により、油圧ユニット29を駆動することでアウトリガー30を変位させることができる。すなわち、油圧ユニット29を送出駆動すると、この油圧ユニット29の駆動時間に応じて油圧シリンダ32によりアウトリガー30が送出される。そして、油圧シリンダ32がいっぱいに伸びきると油圧ユニット29が自動的に停止する。図8に示すように、このとき、アウトリガー30は、その全長の略々半分程度が受梁9の端部から突出した状態となる。
【0070】
また、油圧ユニット29を戻し駆動すると、この油圧ユニット29の駆動時間に応じてアウトリガー30が受梁9内に引き込まれる。そして、油圧シリンダ32が縮みきると油圧ユニット29が自動的に停止し、図6に示すようにアウトリガー30全体が受梁9内に収納された(退避した)状態となる。
【0071】
また、アウトリガー30は、前述したように、ピストンロッド32aの先端部39に設けられている接続ピン挿入孔40に接続ピン41を挿入することで、受梁9に対し油圧シリンダ32を介して接続されているので、接続ピン41を引き抜くことにより、受梁9から引き出して、簡単に取り外すことができる。また、接続ピン41に代えて、油圧シリンダ32の基端部を受梁9に接続している接続ピン49を引く抜くことによっても、アウトリガー30を受梁9から簡単に取り外すことができる。この場合には、アウトリガー30とともに油圧シリンダ32も受梁9から取り外される。
【0072】
このような構成により、受梁9からアウトリガー30を取り外すことで、受梁9とアウトリガー30とを別々にして、重量を軽減することができる。これにより、使用現場への運搬、使用箇所への設置および使用後の撤去の際の取り扱いが容易となる。
【0073】
図9は、アウトリガー30を取り外した状態の受梁9の正面図、図10および図11は、それぞれ、アウトリガー30の突出長さを制限する制限手段により制限された長さにアウトリガー30が突出した状態を、受梁9の一方の側面部を取り去って示した断面側面図である。以下、これらの図および前出の図を参照して、アウトリガー30の突出長さ(最大送出量)の制限手段の構成等について説明する。
【0074】
図6および図7に示すように、アウトリガー30の一方の側面部の上側には、凸状のストッパ(第1の凸部)45、46が固定的に設けられている。ストッパ46の取り付け位置は、ストッパ45の取り付け位置に対し、アウトリガー30の基端方向に所定長さ離れており、また、ストッパ45の取り付け位置に対し、下方に所定長さ離れている。すなわち、各ストッパ45、46の取り付け位置は、アウトリガー30の搬送方向に沿って階段状にずれていることとなる。
【0075】
これに対して、図9に示すように受梁9の端部付近の内壁面(アウトリガー収納部19の内壁面)には、アウトリガー30に設けられたストッパ45およびストッパ46に対応する位置(高さ)に、ストッパ(第2の凸部)47、48が、それぞれ、例えばボルト止め等により着脱可能に設けられている。
【0076】
この着脱可能なストッパ47、48のうち、ストッパ47を受梁9に取り付けてアウトリガー30の送出を行うと、図6に一点鎖線で示すように、アウトリガー30側のストッパ45と、図6中点線で示す受梁9側のストッパ47とが当接してアウトリガー30が停止し、その送出量(突出長さ)が制限されることとなる。
【0077】
一方、ストッパ48を受梁9に取り付けてアウトリガー30の送出を行うと、図6に一点鎖線で示すように、アウトリガー30側のストッパ46と、図6中点線で示す受梁9側のストッパ48とが当接してアウトリガー30が停止し、その送出量(突出長さ)が制限されることとなる。
【0078】
具体的には、受梁9にストッパ47を取り付けた場合には、図10に示すように、アウトリガー30側のストッパ45が受梁9側のストッパ47に当接してアウトリガー30の送出が停止した状態で、アウトリガー30は、その全長の略1/4程度が受梁9の端部から突出する。
【0079】
また、受梁9にストッパ48を取り付けた場合には、図11に示すように、アウトリガー30側のストッパ46が受梁9側のストッパ48に当接してアウトリガー30の送出が停止した状態で、アウトリガー30は、その全長の略1/3程度が受梁9の端部から突出する。
【0080】
なお、受梁9にストッパ47およびストッパ48を取り付けない場合には、図8を用いて説明したように、油圧シリンダ32が伸びきった状態でアウトリガー30の送出が停止し、アウトリガー30は、その全長の略半分程度が受梁9の端部から突出する。
【0081】
以上説明したように、ベース受け架台1Aは、アウトリガー30の突出する長さ(受梁9の端部からアウトリガー30の先端までの長さ)を3段階に調節することができる。これにより、ベース受け架台1Aは、本設梁56のスパンが様々な長さの場所に対応して、アウトリガー30を適当な長さに突出させて使用することができる。
【0082】
また、ベース受け架台1Aの4個のアウトリガー30のうちの同方向に突出する2個のアウトリガー30の突出長さと、他の2個のアウトリガー30の突出長さとが異なるように調節すると、マスト2Bの中心軸(クレーンの旋回中心)を本設梁56のスパンの中心から偏心させる(ずらす)ことができる。これは、次のような場合に有効である。すなわち、他のいくつかのタワークレーンと合わせて、建造物の領域のすべてでクレーンを使用できるようにするために、クレーンの旋回中心をどちらかの側に寄せたいという場合である。通常は、両側の本設梁56に均等に重量がかかるように、マスト2Bの中心軸を本設梁56のスパンの中心に位置させることが多い。
【0083】
また、建造物の構造によっては、タワークレーン800を設置する2つの本設梁56が平行でなく傾斜している場合(「ハ」の字状等)がある。このような場合、ベース受け架台1Aの一方の受梁9のアウトリガー30の突出長さと、他方の受梁9のアウトリガー30の突出長さとが異なるように調節することにより、ベース受け架台1Aを使用することができる。
【0084】
このように、ベース受け架台1Aは、様々な形状・寸法の設置箇所に対応して、各アウトリガー30を適当な長さに突出させて使用することができ、汎用性が高い。
【0085】
さらに、ベース受け架台1Aは、前述したようにアウトリガー30が取り外し可能に設置されているので、長さの異なる同様のアウトリガー30を用意し、受梁9からアウトリガー30を取り外して、これに交換することにより、アウトリガー30の突出長さを変えることができる。これにより、さらに幅広くアウトリガー30の突出長さを調節することが可能であり、上述したような場合において、さらに幅広い条件に対応することができ、汎用性がより高い。
【0086】
ここで、図示の本実施形態では、アウトリガー30は、全体が受梁9内に収納されるような長さのものであるが、アウトリガー30は、タワークレーン800のフロアクライミングを妨げない程度(本設梁56と干渉しない程度)に内側に退避すればよい。このため、異なる長さのアウトリガー30に交換する際、そのアウトリガー30の長さは、必ずしも全体が受梁9内に収納される長さとする必要はなく、タワークレーン800のフロアクライミングを妨げない程度に受梁9内に収納される(引き込まれる)長さであればよい。すなわち、図示のアウトリガー30より長いものでも使用可能である。
【0087】
また、交換したアウトリガー30に前述したようなストッパ45、46と同様のストッパを設けることにより、さらに突出長さを様々に調節することができる。
【0088】
図6、図8、図10、図11に示すように、アウトリガー30の側面部下側には、アウトリガー30の長手方向に沿って複数の固定用孔50が設けられている。また、受梁9には、図2に示すように、端部付近の側面部に前記各固定用孔50に対応する位置(高さ)にピン挿入孔51が設けられている。各固定用孔50は、前述したように3段階にアウトリガー30の突出長さが調節されたときのそれぞれの状態で、ピン挿入孔51と一致する位置に形成されている。
【0089】
ベース受け架台1Aを本設梁56に固定するとき(タワークレーン800の使用時)には、受梁9のピン挿入孔51とアウトリガー30の固定用孔50とが重なって形成される孔に、固定ピン57を挿入する。これにより、アウトリガー30が受梁9に対し突出した状態で固定される。このように、固定ピン57は、アウトリガー30を突出した状態に固定する固定手段を構成するものである。タワークレーン800の使用時には、前述したように、タワークレーン800からベース受け架台1Aに対して、水平方向にも力が作用する。ベース受け架台1Aにおいては、受梁9とアウトリガー30とが固定ピン57で強固に固定されるため、水平力が作用したときも受梁9がアウトリガー30に対して移動することがなく、タワークレーン800を安定して支持することができる。
【0090】
なお、アウトリガー30を突出した状態に固定する固定手段は、固定ピン57のような構成に限らず、例えば、凹部と凸部との係合、くさび形部材の挿入、ボルト締めによる固定等であってもよい。
【0091】
図13は、図6中のE−F線での断面平面図、図14は、図6中のG−H線での断面正面図である。以下、これらの図および前出の図を参照して、受梁9の構成等について詳細に説明する。なお、図14では、アウトリガー30の図示を省略し、受梁9のみが図示されている。
【0092】
これらの図に示すように、受梁9は、横断面形状が上下方向に長い略四角形状をなす筒状の外枠62を有している。図14に示すように、外枠62の内部には、2つの仕切り板(隔壁部)64が水平に設置されている。すなわち、受梁9の横断面形状は、略「目」の字状をなしている。これにより、外枠62の内部は、上下に3つの空間に隔てられており、上から、上補強板設置部60、アウトリガー収納部19、下補強板設置部61が形成されている。アウトリガー30は、中央のアウトリガー収納部19に摺動可能に設置(挿入)されている。また、2つの仕切り板64は、図6等に示すように、受梁9の全長に渡って設けられている。
【0093】
外枠62の外周部の4つの角部には、フランジ68が水平方向に形成されている。また、外枠62の側面部には、上下方向のリブ69が長手方向に沿って複数箇所に設けられている。
【0094】
上補強板設置部60および下補強板設置部61の内部には、複数の補強板63が長手方向に垂直に設けられている。すなわち、これらの各補強板63は、上補強板設置部60および下補強板設置部61の内部を長手方向にさらに複数の空間に仕切る隔壁のようになっている。
【0095】
補強板63は、ベース受け架台1Aが本設梁56に固定され、タワークレーン800を支持している状態のときに、アウトリガー30から力が大きくかかる位置に設置されており、このような位置を補強する補強部材を構成するものである。
【0096】
具体的に述べると、図8、図10および図11に示すように、アウトリガー30を前記の3段階に調節した長さに突出したときのアウトリガー30の基端に対応する位置に、それぞれ、補強板63が設置されている。また、アウトリガー30の突出長さにかかわらず大きな力のかかる受梁9の端部にも、補強板63が設置されており、この補強板63は、他の補強板63よりも厚さの厚いものとされている。なお、補強板63は、これら以外の位置にも適宜設置されている。
【0097】
図8に示すアウトリガー30が最大に突出した状態のときの、アウトリガー30の下角部65に対応する部分には、最も大きな力がかかる。このため、この位置の下補強板設置部61には、補強板63に加えて、さらに4枚の副補強板67a〜67dが水平面と垂直に設けられており、重点補強部66が形成されている。
【0098】
副補強板67a〜67dは、補強板63により仕切られた空間をさらに複数の空間に仕切る隔壁のようになっている。具体的には、図13に示すように、副補強板67a、67bは、それぞれ、当該補強板63の一方の側に設置され、副補強板67c、67dは、それぞれ、当該補強板63の他方の側に設置されている。そして、副補強板67aは、当該補強板63に対しほぼ45°傾斜しており、副補強板67bは、当該補強板63に対し、副補強板67aと反対の方向にほぼ45°傾斜している。同様に、副補強板67cは、当該補強板63に対しほぼ45°傾斜しており、副補強板67dは、当該補強板63に対し、副補強板67cと反対の方向にほぼ45°傾斜している。換言すれば、副補強板67a〜67dは、当該補強板63を挟んで、十文字状に配置されている。このような重点補強部66により、受梁9は、アウトリガー30が最大に突出した状態のときにかかる大きな力に十分耐え得るようになっている。
【0099】
以上述べたように、受梁9は、外枠62、仕切り板64、補強板63等で構成されたボックス構造(中空構造)となっている。これにより、大きな力のかかるところに適宜補強部材を配置することができ、高い強度が得られる。このため、ベース受け架台1Aは、大きなタワークレーンの自重や重い吊荷による荷重にも十分耐え得ることができ、大小様々なタワークレーンに対応して幅広く使用することができる。さらに、無駄な部材のない合理化された構造であるため、受梁9の軽量化が図られる。このため、ベース受け架台1Aの設置、撤去、運搬を容易に行うことができる。
【0100】
図15は、油圧シリンダ32および油圧ユニット29を含む油圧制御システムのブロック図である。以下、図15を参照して、油圧シリンダ32を保護する安全機構について説明する。
【0101】
タワークレーン800の使用時には、前述したように受梁9とアウトリガー30とが固定ピン57により固定されているが、受梁9のピン挿入孔51およびアウトリガー30の固定用孔50と、固定ピン57との間には、遊びを設けているため、この固定状態でも、受梁9とアウトリガー30とが相対的に例えば数ミリ程度は長手方向に動くようになっている。その遊びの範囲内においては、固定ピン57が前述したようなタワークレーン800からの水平力を負担せず、その力が油圧シリンダ32に作用することとなる。このため、油圧シリンダ32が座屈する等して、油圧シリンダ32が破損するおそれがある。
【0102】
ベース受け架台1Aにおいては、前述したように油圧シリンダ32の伸縮する方向がアウトリガー30の突出方向(受梁9の長手方向)と平行になっている。これにより、上述したような場合でも、油圧シリンダ32にかかる力は、そのピストンロッド32aが伸縮する方向と平行に作用し、油圧シリンダ32を曲げるように作用しない。このため、油圧シリンダ32に無理な力が掛かりにくい。
【0103】
また、ベース受け架台1Aは、前述したように、アウトリガー30の突出長さを調節可能であるので、アウトリガー30の突出長さを設置箇所に合わせて、無理なく設置することができ、アウトリガー30と受梁9との間に力が残留したまま固定されることがないので、油圧シリンダ32に余分な力が作用しない。
【0104】
さらに、タワークレーン支持装置1においては、後述する水平力支持体1Bによってマスト2Bに作用する水平力が支持(負担)されることにより、ベース受け架台1Aに作用するモーメントおよび水平力が大幅に軽減される。よって、油圧シリンダ32に作用する力も軽減される。
【0105】
このように、ベース受け架台1Aは、油圧シリンダ32に負担の掛かりにくい構成となっており、油圧シリンダ32が破損するおそれが元々少ないが、本実施形態のベース受け架台1Aには、より確実に油圧シリンダ32を保護すべく、油圧シリンダ32にかかる過大な力を逃がして、油圧シリンダ32を保護する安全機構が設けられている。
【0106】
図15に示すように、油圧シリンダ32は、ピストン32bの両側に油圧を作用させることができる複動油圧シリンダとなっている。すなわち、油圧シリンダ32内の底部側の第1室32cと、開口部側の第2室32dとの両方に油圧(正圧)を作用することができるようになっており、第1室32cに正圧を作用するとピストンロッド32aが伸長し、第2室32dに正圧を作用するとピストンロッド32aが収縮する。油圧シリンダ32の第1室32cには、伸長流路101の一端が接続され、第2室32dには、収縮流路102の一端が接続されている。そして、伸長流路101および収縮流路102の他端が油圧ユニット29に接続されている。なお、ベース受け架台1Aには、4個のアウトリガー30に対してそれぞれ油圧シリンダ32が設けられているが、図15には、そのうちの1個の油圧シリンダ32のみが代表的に図示されており、他の3個は、これと並列に接続されている。
【0107】
油圧ユニット29は、作動油を貯留するタンク91と、モータ90を駆動して作動油を送油するポンプ92と、ポンプ92から送油された作動油を適宜切り替えて各油圧シリンダ32に供給する切替弁93と、タンク91内の作動油をポンプ92に供給するストレーナ94と、タンク91内に給油を行うための給油口付きエアブリーザ95と、油面計96と、圧力計97と、ポンプ92により送油された作動油を送る送り流路98と、油圧シリンダ32から戻る作動油をタンク91に戻す戻り流路99とを有している。
【0108】
切替弁93は、以下に説明するように、その構造上、前記安全機構としての機能を有している。
【0109】
切替弁93は、送り流路98と戻り流路99とを、それぞれ、伸長流路101と収縮流路102とに接続し、ピストンロッド32aを伸長する状態と、逆に、送り流路98と戻り流路99とを、それぞれ、収縮流路102と伸長流路101とに接続し、ピストンロッド32aを収縮する状態とに切り替え可能になっている。アウトリガー30を変位させるときには、切替弁93をこのうちのいずれかの状態とする。
【0110】
切替弁93は、さらに、伸長流路101と収縮流路102とを接続(短絡)する状態に切り替えることができるようになっている。アウトリガー30を所定の長さに突出するまで移動し、ベース受け架台1Aを本設梁56に固定した後は、切替弁93をこの状態とする。これにより、次に説明するように、油圧シリンダ32に過大な力がかかることが防止される。
【0111】
例えば、油圧シリンダ32に対して圧縮力が作用し、ピストンロッド32aが収縮方向に若干移動しようとすると、第1室32c内の作動油が伸長流路101に少量流入する。伸長流路101と収縮流路102は、切替弁93により短絡されているので、伸長流路101および収縮流路102内の作動油は、伸長流路101に流入した作動油に押し出され、収縮流路102内の作動油が少量第2室32d内に流入する。このように、油圧シリンダ32の第1室32cから押し出された作動油は、伸長流路101および収縮流路102を順に介して油圧シリンダ32の第2室32d内に戻るため、第1室32c内の油圧が逃がされ、その油圧が高まることがない。
【0112】
これと反対に、油圧シリンダ32に対して引っ張りの力が作用したときは、作動油が逆の方向に流れることにより、第2室32d内の油圧が逃がされ、その油圧が高まることがない。よって、この状態では、ピストンロッド32aが自由に伸縮することができる。これにより、油圧シリンダ32に過大な力が作用することがなく、油圧シリンダ32が座屈したり、油圧ユニット29が破損したりするおそれがない。また、大きな圧縮力に耐えるような大型の油圧シリンダに代えて、遥かに小型の油圧シリンダを使用することができ、製造コストを低減することができる。
【0113】
図17(a)は、垂直ブレス2を取り外した状態の受梁9の断面正面図、図17(b)は、垂直ブレス2を取り付ける上ブラケット81および下ブラケット82の側面図である。以下、これらの図および前出の図を参照して、垂直ブレス2の構成および受梁9と垂直ブレス2との接続部分の構成等について説明する。ただし、垂直ブレス2の両端と各受梁9との接続部分は、同様の構成となっているので、一方の側の構成について、代表的に説明する。なお、図17(a)では、アウトリガー30の図示を省略している。
【0114】
前述したように、一対の受梁9は、一対の垂直ブレス2により、それぞれ相互に連結されている。図16に示すように、垂直ブレス2は、各受梁9の上端部同士を接続する上水平バー70と、各受梁9の下端部同士を接続する下水平バー71と、略「×」字状をなすクロスバー76とを有している。クロスバー76は、クロスバー片72と第1のクロスバー半片73と第2のクロスバー半片74とを中間接続部75で接合して構成されている。
【0115】
垂直ブレス2は、さらに、この上水平バー70の一端部70aとクロスバー片72の一端部72aとを接続する接続片77と、上水平バー70の他端部70bと第1のクロスバー半片73の一端部73aとを接続する接続片78と、下水平バー71の一端部71aと第2のクロスバー半片74の一端部74aとを接続する接続片79と、下水平バー71の他端部71bとクロスバー片72の他端部72aとを接続する接続片80とを有している。
【0116】
このように、垂直ブレス2は、複数のバー(ビーム)を組み合わせて構成された枠状構造物となっている。そして、垂直ブレス2の4つの角部には、それぞれ、水平方向に沿って配置された2つのボルト孔が形成されている。
【0117】
図17に示すように、受梁9の内側面部の上下には、それぞれ、垂直ブレス2を取り付ける上ブラケット81、下ブラケット82が設置されている。上ブラケット81および下ブラケット82は、側面視で見て「コ」の字状をなし、受梁9の長手方向に垂直な向きに突出するように設けられている。
【0118】
上ブラケット81および下ブラケット82には、垂直ブレス2の前記ボルト孔に対応するボルト孔86が形成されており、垂直ブレス2と上ブラケット81および下ブラケット82とをボルト87で固定することができるようになっている。このようにして、受梁9と垂直ブレス2とが接続される。
【0119】
上ブラケット81および下ブラケット82には、それぞれ、ボルト孔86が水平方向に沿って5つ設けられている。これら5つのボルト孔86から選択した2つのボルト孔86に、垂直ブレス2の角部の前記2つのボルト孔を合わせて、垂直ブレス2を取り付けるようになっている。この、垂直ブレス2を取り付けるボルト孔86を選択することで、受梁9に対する垂直ブレス2の取り付け固定位置を受梁9に垂直な方向に例えば4段階に変えることができる。これにより、ベース受け架台1Aは、一対の受梁9の間隔を4段階に調節することができる。
【0120】
ここで、タワークレーンは、その種類・大きさ等により、脚6の大きさ(マスト2Bの中心軸からの突出長さ)が異なる。ベース受け架台1Aは、上述したような構成により、タワークレーンの脚6の大きさに合わせて一対の受梁9の間隔を調節することにより、各種のタワークレーンを設置することができる。
【0121】
図4は、下カンザシ13の一部切り欠き底面図、図5は、下カンザシ13を取り外した状態の受梁9の底面図である。以下、これらの図を参照して、下カンザシ13の構成および下カンザシ13と受梁9との固定部分の構成等について説明する。
【0122】
図4に示すように、下カンザシ13は、カンザシ本体16と、このカンザシ本体16を受梁9に取り付けるための一対の取り付けプレート17とを有している。各取り付けプレート17は、その上面をカンザシ本体16の上端面と揃えて、カンザシ本体16に対して所定の角度を持って(斜めになるように)、例えば溶接処理等により強固に固着されている。
【0123】
各取り付けプレート17の端部には、それぞれ、2つのボルト孔18が取り付けプレート17の短手方向に沿って並設されている。これらのボルト孔18は、細長の長方形の4つの頂点にそれぞれ位置するように配置されている。
【0124】
これに対し、図5に示すように、受梁9の外側の側面部には、フランジ20が設けられ、受梁9の内側の側面部にはフランジ21が設けられている。フランジ20、21は、ともに略長方形のプレート部材であり、その下面を受梁9の下端面と揃えて、例えば溶接により受梁9に固着されている。また、フランジ20、21は、互いにほぼ同様の形状をなし、受梁9を挟んで向かい合うように設置されている。フランジ21は、フランジ20の取り付け位置よりも所定長さ受梁9の端部方向にずらした位置に取り付けられている。
【0125】
フランジ20、21には、それぞれ、受梁9の長手方向に沿って配置された6つのボルト孔20a、21aが設けられている。フランジ20のボルト孔20aと、フランジ21のボルト孔21aとは、受梁9の長手方向について同じ位置に配置されている。また、フランジ20、21には、カンザシボルト25が挿通する位置に、それぞれ、切り欠き20b、21bが形成されている。
【0126】
下カンザシ13は、その4つのボルト孔18を、フランジ20の6つのボルト孔20aのうちから選択した隣り合う2つと、この2つのボルト孔20aと受梁9の長手方向について同じ位置にある2つのボルト孔21aとに合わせて、ボルトで取り付けるようになっている。このボルト孔20a(または21a)の選択により、下カンザシ13は、受梁9に対する取り付け固定位置を受梁9の長手方向に沿って4段階に調節することができる。
【0127】
以上述べたように、下カンザシ13は、ボルト止めにより受梁9の下面にそれ自体で取り付けて固定できるようになっている。これと異なり、下カンザシ13が受梁9にそれ自体で取り付けておくことができない場合には、タワークレーン800の設置時にベース受け架台1Aの上にタワークレーン800の折りたたみ架台4を固定する際、下カンザシ13を何らかの手段で支えておく必要がある。また、タワークレーン800の撤去時に折りたたみ架台4をベース受け架台1Aから取り外す際にも、同様に下カンザシ13を支えておく必要がある。しかし、下カンザシ13は、重量物である上に、受梁9の下に位置するためクレーンを使用することができず、支えておく作業が困難で、作業者の負担が大きかった。
【0128】
これに対し、本実施形態では、タワークレーン800の折りたたみ架台4を設置する際、受梁9の下面に予め下カンザシ13を取り付けておくことができ、下カンザシ13を支える必要がない。また、タワークレーン800の折りたたみ架台4を撤去する際も、下カンザシ13を支える必要がない。これにより、作業を迅速、容易かつ安全に行うことができ、作業者の負担も軽減される。
【0129】
また、下カンザシ13の受梁9に対する取り付け固定位置を受梁9の長手方向に沿って4段階に調節することができることにより、タワークレーン800の脚6の大きさ(マスト2Bの中心軸からの突出長さ)に合わせて、下カンザシ13の取り付け位置を調節して、タワークレーン800を設置することができる。これにより、脚6の大きさの異なる各種のタイプのタワークレーンに対応することができる。
【0130】
以上、本実施形態のタワークレーン支持装置1におけるベース受け架台1Aについて説明したが、本発明では、ベース受け架台の構成はこれに限定されない。
【0131】
例えば、一対の受梁9は、互いに長さの異なるものであってもよい。
また、油圧シリンダ32に過大な力が作用することを防止する安全機構は、図示のような構成に限らず、例えば、油圧シリンダ32と受梁9との接続部やピストンロッド32aとアウトリガー30との接続部に、過大な力を吸収する例えばゴムのような弾性部材を介して油圧シリンダ32を設置するような構成であってもよい。
【0132】
さらに、ベース受け架台としては、図示の構成に限らず、例えば、受梁の両端に突出部材(アウトリガー)が回動可能に設置され、本設梁に対する固定時にはこの突出部材を受梁と平行に(一直線に)伸ばし、フロアクライミング時には受梁側にたたむように回動させて退避させるようなものであってもよい。
【0133】
また、突出部材(アウトリガー)の出し入れを手動で行うようなものであってもよい。
【0134】
次に、タワークレーン支持装置1における水平力支持体1Bについて詳細に説明する。
図18は、図1に示すタワークレーン支持装置における水平力支持体を示す側面図、図19は、図18に示す水平力支持体の平面図、図20は、図18に示す水平力支持体のインナー部材を示す側面図、図21および図22は、図18に示す水平力支持体のインナー部材を示す平面図、図23は、図18に示す水平力支持体の枠部材を示す平面図である。なお、図18では、図19中の最も下に位置する2本のステー部材を省略して図示する。
【0135】
これらの図に示す水平力支持体1Bは、建造物に対してマスト2Bの中間部(高さ方向の途中の部分)を支持し、主に水平力を受ける構造体であり、マスト2Bの外周を囲むように配置される枠部材4Bと、マスト2Bと枠部材4Bとの間に挟まれるように装着され、マスト2Bを介して互いに対向するように位置する一対のインナー部材3Bと、複数のステー部材5Bとを有している。
【0136】
以下、水平力支持体1Bのインナー部材3B、枠部材4Bおよびステー部材5Bをそれぞれ説明する。
【0137】
各インナー部材3Bの構造は、ほぼ同一であるので、代表的に一方のインナー部材3Bを説明する。
【0138】
図18〜図22に示すように、インナー部材3Bの全体形状は、略四角形であり、マスト2Bの長手方向に対して平行な一対のフレーム31Bと、前記長手方向に対して垂直な一対のフレーム32Bとを有している。
【0139】
前記一対のフレーム31Bには、それぞれ、マスト2Bの長手方向に沿って、かつ一定のピッチ(等間隔)で、複数の孔部311が形成されている。
【0140】
この孔部311のピッチは、後述する係合部材71Bの孔部711および係合部材72Bの孔部721のピッチのn倍(但し、nは2以上の整数)であるのが好ましい。本実施形態では、前記孔部311のピッチは、前記孔部711および721のピッチの2倍に設定されている。
【0141】
後述する係合部材71Bおよび72は、それぞれ、ボルト73Bおよびナット74Bで、この複数の孔部311に選択的に固定される。
【0142】
各フレーム31Bの前記孔部311の形成されている部分(孔部形成部分)312の長さは、マスト2Bの隣接する横材(水平方向のフレーム)22Bと横材22Bとの間隔と等しいか、または前記間隔より大きいのが好ましく、前記間隔より大きいのがより好ましい。
【0143】
孔部形成部分312の長さを前記のように設定することにより、マスト2Bに対するインナー部材3Bの位置を変更することなく、そのマスト2Bを隣接する横材22Bと横材22Bとの間の任意の位置で支持することができる。
【0144】
また、図19、図21および図22に示すように、前記一対のフレーム32Bの両端部には、それぞれ、突部321が形成されている。
【0145】
この突部321と突部321との間の間隔は、マスト2Bの図19中横方向の長さ(幅)より若干大きい。
【0146】
インナー部材3Bがマスト2Bに取り付けられた際、各突部321は、それぞれ、マスト2Bの対応する主材(垂直方向のフレーム)21Bに係合し、これにより、マスト2Bに対し、インナー部材3Bの図19中横方向の移動が規制される。
【0147】
前記一対のフレーム32Bのうちの、図20中上側に位置するフレーム32Bの図20中上側には、フック36Bが設けられている。このフック36Bは、フレーム32Bの中央部に位置している。
【0148】
また、前記フレーム32Bの図20中上側には、一対の係合棒33Bが、マスト2Bの長手方向に対して垂直であり、かつ横材22Bに対して垂直な方向に移動可能に設置されている。
【0149】
各係合棒33Bは、それぞれ、前記フレーム32Bの図20中上側に固定されたカバー330によりフレーム32Bに取り付けられており、各係合棒33Bの一部分は、それぞれ、そのカバー330で覆われている。このカバー330は、係合棒33Bをマスト2Bの長手方向と横材22Bとに垂直な方向へ案内するガイド部材として機能する。
【0150】
この一対の係合棒33Bは、フック36B(フレーム32Bの中央部)に対して対称に配置されている。
【0151】
インナー部材3Bがマスト2Bに取り付けられた際、各係合棒33Bは、それぞれ、マスト2Bの横材22Bに係合し、これにより、マスト2Bに対し、インナー部材3Bの図18中下側への移動が規制される。
【0152】
一方、インナー部材3Bは、それ自体や、後述する枠部材4B、ステー部材5B、踊り場6Bの自重等により図18中下側へ付勢されており、これにより、マスト2Bに対し、インナー部材3Bの図18中上側への移動が規制される。
【0153】
前記各係合棒33Bおよび各カバー330の構造は、ほぼ同一であるので、代表的に一方の係合棒33Bおよびカバー330を説明する。
【0154】
図21に示すように、カバー330の側面には、図21中上下方向に並んだ一対の孔部331が形成されている。各孔部331は、それぞれ、図21中横方向に形成されている。
【0155】
図20に示すように、係合棒33Bの横断面形状は、略四角形である。
この係合棒33Bは、マスト2Bの横材22Bに係合し得る第1の位置(図21参照)と、横材22Bに係合しない第2の位置(図22参照)との間を移動し得るようになっている。
【0156】
係合棒33Bの側面には、図21中上下方向に並んだ二対の孔部332、333が形成されている。各孔部332および333は、それぞれ、図21中横方向であって、かつ前記カバー330の孔部331と等しい高さ(図20中上下方向の位置)に形成されている。
【0157】
前記一方の一対の孔部332は、図21中下側(基端側)に配置され、他方の一対の孔部333は、図21中上側(先端側)に配置されている。
【0158】
一対の孔部332の間隔と、一対の孔部333の間隔と、前記カバー330の一対の孔部331の間隔とは、すべて等しい。
【0159】
係合棒33Bを第1の位置に固定する場合には、図21に示すように、係合棒33Bの先端部をカバー330から突出させ、カバー330の一対の孔部331と係合棒33Bの一対の孔部332とを一致させ、これらの孔部に一対のピン335を挿入する。
【0160】
逆に、係合棒33Bを第2の位置に固定する場合には、図22に示すように、係合棒33Bの先端部をカバー330内に収納し(係合棒33Bの基端部をカバー330から突出させ)、カバー330の一対の孔部331と係合棒33Bの一対の孔部333とを一致させ、これらの孔部に一対のピン335を挿入する。
【0161】
また、係合棒33Bの図21中の上側の端部(先端部)には、孔部334が2つ形成されている。各孔部334は、それぞれ、図21の紙面に対して垂直な方向に形成されている。
【0162】
これらの孔部334には、選択的にピン336が挿入され、そのピン336の先端部が係合棒33Bの下面より突出し、マスト2Bの横材22Bの内側に係合する。これにより、インナー部材3Bがマスト2Bから離間する方向への移動が規制される。
【0163】
前記各ピン335、336および係合棒33Bは、例えば、チェーン等の部材で、インナー部材3Bに連結されており、これにより、落下が防止される。
【0164】
なお、前記孔部331、332、333およびピン335により、係合棒33Bの移動を規制するストッパーが構成される。
【0165】
また、前記フレーム32Bの図20中上側には、2つの孔部341が形成された一対の吊りピース34が設けられている。これらの吊りピース34は、それぞれ、前記一対の係合棒33Bより外側に位置している。
【0166】
また、前記各フレーム31Bの図20中上側の端部には、それぞれ、支柱350が固定されている。各支柱350の図20中上側には、それぞれ、ブラケット35Bが、その支柱350の中心軸を中心に回転(回動)自在に設置されている。各ブラケット35Bには、それぞれ、孔部351が形成されている。
【0167】
次に、枠部材4Bを説明する。
図18、図19および図23に示すように、枠部材4Bは、2分割した略コ字状の部材(単位部材)41Bを連結したものであり、その全体形状は、ほぼ長方形(またはほぼ正方形)である。各単位部材41Bは、それぞれ、H型鋼で構成されている。
【0168】
各単位部材41Bの構造は、ほぼ同一であるので、代表的に一方の単位部材41Bを説明する。
【0169】
単位部材41Bの2つの角部には、それぞれ、一対のブラケット42Bが図18中上下方向に並設されている。各ブラケット42Bには、それぞれ、孔部421が2つ形成されている。
【0170】
上下方向(図23の紙面に垂直な方向)に並ぶ一対の孔部421により、後述するステー部材5Bを連結するための連結部が構成される。
【0171】
このような構成により、本実施形態では、枠部材4B全体では、ステー部材5Bの一端側を連結する連結部が計8個設けられており、これらの連結部は、ほぼ長方形をなす枠部材4Bの各辺の両端付近にそれぞれ1個ずつ配置されている。
【0172】
また、図23に示すように、単位部材41Bの一対の先端部には、それぞれ、孔部43Bが上下方向(図23の紙面に垂直な方向)に並設されている。
【0173】
前記一対の単位部材41Bの先端部は、互いの孔部43B同士が一致するように重ね合わされる。そして、その孔部43Bにピン44Bが挿入され、これにより、一対の単位部材41Bが連結され、枠部材4Bが得られる。
【0174】
図18に示すように、この枠部材4Bには、必要に応じて、踊り場6Bが連結される。
【0175】
この場合、前記踊り場6Bは、複数本の支柱(スタンション)61Bを介して枠部材4Bに連結される。各支柱61Bの一端側は、それぞれ、図示しないボルトおよびナットにより踊り場6Bの図18中上側に固定され、他端側は、それぞれ、図示しないボルトおよびナットにより枠部材4Bに固定される。
【0176】
この連結用の支柱61Bを設けることにより、踊り場6Bと枠部材4Bとの連結等の各部材の連結(水平力支持体1Bの一対の半体の組み立て)を地上で行うことができ、これにより、その作業を容易、迅速かつ安全に行うことができる。
【0177】
また、前記各支柱61Bは、踊り場6Bの図18中上側に固定され、踊り場6Bの図18中下側は、平になっている。このため、地上での前記各部材の連結を容易に行うことができる。
【0178】
また、図18および図23に示すように、単位部材41Bの上側には、孔部461が形成された4つの吊りピース46Bが設けられている。これらの吊りピース46Bは、図18中左側に2つ、図18右側に2つ配置されている。
【0179】
図18に示すように、単位部材41B(枠部材4B)は、固定手段7Bにより、前述したインナー部材3Bに対し、マスト2Bの長手方向の複数の位置のうちのいずれかに選択的に固定される。この固定手段7Bは、インナー部材3Bの一対のフレーム31Bのそれぞれに設けられる。
【0180】
各固定手段7Bの構造は、ほぼ同一であるので、代表的に一方の固定手段7Bを説明する。
【0181】
図18、図24および図25に示すように、固定手段7Bは、孔部711が形成され、単位部材41Bのフレーム45Bに係合する係合部材71Bと、孔部721が形成され、前記フレーム45Bに係合する係合部材72Bと、これらの係合部材71B、72Bをインナー部材3Bの孔部311に固定するボルト73Bおよびナット74Bとで構成されている。
【0182】
係合部材71Bの孔部711は、マスト2Bの長手方向に沿って2つ形成され、また、係合部材72Bの孔部721は、マスト2Bの長手方向に沿って、等間隔で4つ形成されている。
【0183】
前述したように、これらの孔部711および721のピッチは、それぞれ、インナー部材3Bのフレーム31Bに形成されている孔部311のピッチの半分に設定されている。
【0184】
このため、インナー部材3B側の孔部311のピッチを比較的大きくして、インナー部材3Bの強度を十分に保ちつつ、インナー部材3Bに対する枠部材4Bの高さ(マスト2Bの長手方向の位置)を細かく調節することができる。
【0185】
係合部材71Bは、その段差部712において単位部材41Bのフレーム45Bの図18中上側に係合し、これにより、インナー部材3Bに対し、枠部材4Bの図18および図25中上側への移動を規制する。
【0186】
一方、係合部材72Bは、その段差部722において単位部材41Bのフレーム45Bの図18中下側に係合し、これにより、インナー部材3Bに対し、枠部材4Bの図18および図25中下側への移動を規制する。
【0187】
これにより、フレーム45B(枠部材4B)は、インナー部材3Bに対し、マスト2Bの長手方向および図25中横方向の移動が規制される。
【0188】
なお、前記複数の孔部311と、固定手段7Bとで、枠部材4Bの高さを調節する高さ調節手段が構成される。
【0189】
次に、ステー部材5Bを説明する。
各ステー部材5Bの構造は、ほぼ同一であるので、代表的に1つのステー部材5Bを説明する。
【0190】
図18に示すように、ステー部材5Bの一端側には、上下に配置され、互いに平行な2つの板状の突出部51B、51Bが形成されており、各突出部51Bには、ピン111が挿入可能な孔部が形成されている。この上下方向に並ぶ一対の孔部により、連結部が構成されている。また、ステー部材5Bの他端側には、上下に配置され、互いに平行な2つの板状の突出部52B、52Bが形成されており、各突出部52Bには、ピン112が挿入可能な孔部が形成されている。この上下方向に並ぶ一対の孔部により、連結部が構成されている。
【0191】
ステー部材5Bの一対の突出部51B、51Bは、枠部材4Bの一対の孔部421の間に挿入され、突出部51Bの孔部と孔部421とが重なった孔にピン111が挿入されている。これにより、ステー部材5Bの一端側は、枠部材4Bのブラケット42B(連結部)に対し連結されている。
【0192】
本設梁56には、ステー部材5Bに対応する位置に、板状のブラケット561が設置(固着)されている。ブラケット561の本設梁56から突出する部分には、孔部が形成されており、一対の突出部52B、52Bの間にブラケット561の突出部分が挿入され、突出部52Bの孔部とブラケット561の孔部とが重なった孔にピン112が挿入されている。これにより、ステー部材5Bの他端側は、本設梁56に対し連結されている。
【0193】
ステー部材5Bには、その長さを調節するスクリュー式の調節手段(長さ調節手段)が設けられている。すなわち、ステー部材5Bは、中間部を構成する部材の両端側に、突出部51Bが形成された部材と突出部52Bが形成された部材とがそれぞれ螺合により結合された構成(ターンバックルのような構成)になっており、中間部を構成する部材に設置されたハンドル(操作部)522を所定方向に回転させると、ステー部材5Bが伸長し、前記と逆方向に回転させると、ステー部材5Bが収縮するようになっている。これにより、水平力支持体1Bは、各建造物によって異なる本設梁56のスパン(間隔)や配置に対応して使用することができる。また、タワークレーン800のフロアクライミングを行った後、上層階の本設梁56にステー部材5Bを連結する際、ステー部材5Bの長さを微調整することができ、容易に連結することができる。
【0194】
このようなステー部材5Bは、前述したようにして本設梁56(ブラケット561)に連結された位置(第1の位置)と、本設梁56(ブラケット561)に干渉しないように退避した位置(第2の位置)との間で変位可能になっている。すなわち、図19中の左下および右上に位置するステー部材5Bに示すように、ピン112を抜去してステー部材5Bの他端側とブラケット561との連結を解除し、ピン111を中心としてステー部材5Bを回動させることにより、ステー部材5Bを内側に退避させることができる。
【0195】
タワークレーン800のフロアクライミングを行う際には、すべてのステー部材5Bは、このように退避した第2の位置とされる。そして、マスト2Bとともに水平力支持体1Bを引き上げて上昇させた後、すべてのステー部材5Bを再び前記第1の位置まで回動させ、上層階の本設梁56に対し前記と同様にして連結する。このように、本実施形態では、ステー部材5Bを突出した状態と退避した状態とに容易に変位させることができ、タワークレーン800のフロアクライミングを迅速に行うことができる。
【0196】
本実施形態では、ステー部材5Bは、枠部材4Bの8個の連結部にそれぞれ連結されている。すなわち、8本のステー部材5Bがある。そして、ブラケット561は、4本の柱58の間でほぼ長方形(正方形)をなすように位置する4本の本設梁56に対し、それぞれ2個ずつで計8個設置されている。
【0197】
枠部材4Bの各辺の両端付近に一端が連結された一対(一組)のステー部材5Bの他端は、それぞれ、当該辺に平行する(隣接する)本設梁56の2個のブラケット561に連結されている。このようにして、本実施形態では、枠部材4Bの各辺がそれぞれ本設梁56に連結されており、これにより、枠部材4Bは、建造物に対しより強固に固定されている。よって、タワークレーン800からの水平力によるマスト2Bの横ブレ(水平方向への変位)をより確実に規制することができ、水平力支持体1Bは、マスト2Bに作用する水平力のうちのより多くを負担することができる。その結果、ベース受け架台1Aに作用するモーメントおよび水平力をより小さくすることができ、ベース受け架台1Aが固定された本設梁56やその付近の柱への荷重(負担)をより軽減することができる。
【0198】
また、枠部材4Bの各辺の両端付近に連結された一対(一組)のステー部材5Bは、それぞれ、当該辺にほぼ直交するように(垂直な方向に)に外側に突出して、本設梁56のブラケット561に連結されている。換言すれば、枠部材4Bは、図19中の上下左右の四方に突出する4対(4組)のステー部材5Bにより本設梁56に連結されている。これにより、マスト2Bに作用する水平力の向きにかかわらず、その水平力が十分に水平力支持体1Bによって負担され、ベース受け架台1Aへのモーメントおよび水平力を軽減することができる。よって、前記のようにフロアクライミングの場合にはタワークレーン800の作業半径が360°全周使用されるが、クレーン本体8がどの向きに旋回して吊り荷を吊った状態であっても、ベース受け架台1Aが固定された本設梁56やその付近の柱への負担を十分に軽減することができる。
【0199】
図29に示すように、この水平力支持体1Bは、枠部材4Bをインナー部材3Bに対して昇降(マスト2Bの長手方向に移動)させる昇降手段として、手動式のチェーンブロック8Bを有する。このチェーンブロック8Bにより、インナー部材3Bに対し、枠部材4Bを容易かつ確実に移動させることができる。このチェーンブロック8Bは、インナー部材3Bに着脱自在に設置される。
【0200】
次に、水平力支持体1Bをマスト2Bに取り付ける際の手順を説明する。
[1] 枠部材4Bに、必要に応じて踊り場6Bを連結する。
踊り場6Bを連結する場合は、地上で、一対の単位部材41Bの一方に、2つに分割されている踊り場6B用の単位部材の一方を複数本の支柱61Bを介して連結し、他方の単位部材41Bに、踊り場6B用の他方の単位部材を複数本の支柱61Bを介して連結する。
【0201】
この場合、まず、踊り場6B用の一方の単位部材上に、各支柱61Bをそれぞれ図示しないボルトおよびナットで固定する。
【0202】
そして、図示しないクレーンにより、一方の単位部材41Bを吊り上げ、前記各支柱61B上に移動させ、各支柱61Bに図示しないボルトおよびナットで固定する。
【0203】
なお、他方の単位部材41Bへの踊り場6B用の他方の単位部材の連結の手順については、前記と同様であるので、その説明を省略する。
【0204】
[2] 地上で、一対のインナー部材3Bの一方に、一対の単位部材41Bの一方を固定し、他方のインナー部材3Bに、他方の単位部材41Bを固定する。
【0205】
まず、図24に示すように、一方のインナー部材3Bの一対のフレーム31Bの所定の位置(高さ)に、それぞれ、係合部材71Bをボルト73Bおよびナット74Bで固定する。
【0206】
この場合、係合部材71Bの2つの孔部711のうちのいずれか一方の位置と、インナー部材3Bの所定の孔部311の位置とを一致させ、ボルト73Bをこれらの孔部311および711に挿入し、そのボルト73Bにナット74Bを螺合する。
【0207】
次いで、図示しないクレーンにより、一方のインナー部材3Bを吊り上げ、図25に示すように、一方の単位部材41Bのフレーム45Bを前記インナー部材3Bのフレーム31Bに当接させつつ、そのフレーム45Bを係合部材71Bに係合させる。
【0208】
次いで、係合部材72Bを前記フレーム45Bに係合させ、その係合部材72Bをボルト73Bおよびナット74Bで固定する。
【0209】
この場合、係合部材72Bの4つの孔部721のうちの、図25中上側から1番目および3番目の孔部721の位置か、または、図25中上側から2番目および4番目の孔部721の位置と、インナー部材3Bの所定の2つの孔部311の位置とを一致させ、ボルト73Bをこれらの孔部311および721に挿入し、そのボルト73Bにナット74Bを螺合する。
【0210】
なお、他方のインナー部材3Bへの他方の単位部材41Bの固定の手順については、前記と同様であるので、その説明を省略する。
【0211】
このようにして、水平力支持体1Bの一対の半体が、それぞれ、地上で組み立てられる。
【0212】
[3] 図26に示すように、図示しないクレーンにより、前記一方のインナー部材3Bおよび単位部材41Bを吊り上げ、それをマスト2Bの所定の位置に取り付ける。
【0213】
この場合、図21および図27に示すように、各係合棒33Bの先端部をそれぞれカバー330から突出させ、それぞれ、カバー330の一対の孔部331と係合棒33Bの一対の孔部332とを一致させ、これらの孔部に一対のピン335を挿入する。
【0214】
また、各係合棒33Bの孔部334に、それぞれ、ピン336を挿入する。この際、2つの孔部334のうちの一方を選択する。
【0215】
そして、図28に示すように、前記各係合棒33Bをマスト2Bの目標の横材22Bに掛ける(係合させる)とともに、各フレーム32Bのそれぞれの一対の突部321をマスト2Bの主材21Bに係合させる。
【0216】
次いで、前記と同様にして、前記クレーンにより、他方のインナー部材3Bおよび単位部材41Bを吊り上げ、それをマスト2Bの所定の位置に取り付ける。
【0217】
[4] 図28に示すように、一対の単位部材41Bの先端部を、互いの孔部43B同士が一致するように重ね合わせ、その孔部43Bにピン44Bを挿入する。
【0218】
これにより、一対の単位部材41Bが連結され、この枠部材4Bおよび一対のインナー部材3Bがマスト2Bの所定の位置に取り付けられる。
【0219】
なお、各単位部材41Bに踊り場6B用の部材を固定した場合には、これらの部材を連結し、踊り場6Bを完成させる。
【0220】
[5] 必要に応じて、枠部材4Bの高さ調整を行う。
高さ調整の際は、まず、図29に示すように、各インナー部材3Bの各ブラケット35Bに、それぞれ、チェーンブロック8Bを取り付け、各チェーンブロック8Bのチェーン82Bの先端に取り付けられたフック81Bをそれぞれ枠部材4Bの対応する吊りピース46Bに引っ掛ける。
【0221】
次いで、各係合部材71Bおよび72Bを取り外し、各チェーンブロック8Bを操作して、枠部材4Bをインナー部材3Bに対して上昇または下降(図29中上下方向に移動)させ、その枠部材4Bを目標の位置(高さ)、すなわち、本設梁56に固定されているブラケット561と同じ高さに位置させる。
【0222】
次いで、前記[2]と同様にして、各係合部材71Bおよび72Bをボルト73Bおよびナット74Bで取り付け、これによりインナー部材3Bに枠部材4Bを固定する。
【0223】
以上で、高さ調整が終了し、この後、各チェーンブロック8Bをぞれぞれ取り外す。なお、この高さ調整は、孔部711および721のピッチを最小単位として行うことができる。
【0224】
また、この高さ調整は、タワークレーン800のフロアクライミングを行った後、上層階の本設梁56にステー部材5Bを連結する際に、ステー部材5Bとブラケット561との高さ合わせをする場合にも行うことができる。
以上で、水平力支持体1Bのマスト2Bへの取り付けが完了する。
【0225】
なお、水平力支持体1Bは、マスト2Bに取り付けた後、マスト2Bの他の位置(高さ)へ移動することもできる。この作業は、下記のようにする。
【0226】
まず、クレーンにより、インナー部材3Bおよび枠部材4Bを吊り上げ、各係合棒33Bをそれぞれ図22に示す第2の位置へ位置させる。係合棒33Bを第2の位置へ位置させる際には、一対のピン335およびピン336を抜き取り、図22に示すように、係合棒33Bの先端部をカバー330内に収納し(係合棒33Bの基端部をカバー330から突出させ)、カバー330の一対の孔部331と係合棒33Bの一対の孔部333とを一致させ、これらの孔部に一対のピン335を挿入する。
【0227】
次いで、前記クレーンにより、インナー部材3Bおよび枠部材4Bをマスト2Bに沿って目標の位置(高さ)へ移動、すなわち、係合棒33Bが、その係合棒33Bを掛ける横材22B(目標の横材22B)と、前記横材22Bより1つ上方の横材22Bとの間に位置するようにインナー部材3Bおよび枠部材4Bを移動させる。
【0228】
次いで、各係合棒33Bからそれぞれ一対のピン335を抜き取り、図21に示すように、各係合棒33Bの先端部をそれぞれカバー330から突出させ、それぞれ、カバー330の一対の孔部331と係合棒33Bの一対の孔部332とを一致させ、これらの孔部に一対のピン335を挿入する。また、各係合棒33Bの孔部334に、それぞれ、ピン336を挿入する。この際、2つの孔部334のうちの一方を選択する。
【0229】
次いで、前記クレーンにより、各係合棒33Bがそれぞれ前記目標の横材22Bに係合するまで、インナー部材3Bおよび枠部材4Bを下降させる。
【0230】
このようにして、水平力支持体1Bをマスト2Bの所定の横材22Bから、その横材22Bより上方または下方の任意の横材22Bに、移動させ、係合棒33Bを掛けることができる。以上で、水平力支持体1Bをマスト2Bを他の位置(高さ)へ移動する作業が完了する。
【0231】
以上説明したように、本実施形態の水平力支持体1Bによれば、枠部材4Bがインナー部材3Bを介してマスト2Bに固定され、インナー部材3Bに対する枠部材4Bの位置(高さ)を調節する高さ調節手段を有しているので、マスト2Bをその長手方向の任意の位置で支持することができる。
【0232】
すなわち、水平力支持体1Bは、マスト2Bをその横材22Bの位置のみならず、横材22Bの存在しない位置でも支持することができ、建造物の本設梁56の高さ(位置)に合わせて、マスト2Bのいかなる位置にも設置することができる。
【0233】
また、枠部材4Bは、2分割した単位部材41Bで構成されており、地上で各単位部材41Bをインナー部材3Bに固定した後、前記両単位部材41Bをマスト2Bの所定の位置で連結(特に、ピン44Bで連結)するので、水平力支持体1Bの取り付け作業を容易、迅速かつ安全に行うことができる。
【0234】
特に、この水平力支持体1Bは、一対の半体を地上で組み立て、これらの半体をマスト2B上で連結することで得られるので、水平力支持体1Bの取り付け作業を容易、迅速かつ安全に行うことができる。
【0235】
また、水平力支持体1Bは、踊り場6Bを有するので、マスト2B上(高所)において作業を行う場合でもその作業を安全に行うことができる。
【0236】
また、水平力支持体1Bは、インナー部材3Bの係合棒33Bが移動し得るので、水平力支持体1Bを実質的に解体することなく、マスト2Bに沿って移動させることができる。これにより、水平力支持体1Bの移動の際の作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0237】
また、マスト2Bと建造物との間隔には、設計時に対して例えば10mm前後の誤差を生じることがあり、ステー部材の長さを調節することができない場合には、建造物毎に、マスト2Bとその建造物との間隔を測定し、測定値に合わせて専用のステー部材を製造する必要があり、このため、前記測定、前記専用のステー部材の製造等に、手間や時間がかかってしまうが、この水平力支持体1Bでは、ステー部材5Bに、その長さを調節する調節手段が設けられているので、前記のような問題は生じない。すなわち、この水平力支持体1Bによれば、ステー部材5Bの長さを調節することができるので、たとえマスト2Bと建造物との間隔に設計時に対して誤差が生じたとしても、容易かつ確実に、ステー部材5Bを連結することができる。
【0238】
以上、本実施形態のタワークレーン支持装置1における水平力支持体1Bについて説明したが、本発明では、水平力支持体の構成はこれに限定されない。
【0239】
例えば、水平力支持体は、枠部材に孔部を設け、この孔部と、インナー部材の複数の孔部のうちの所定の孔部とを一致させ、これらの孔部にボルトを挿入し、該ボルトとナットとで、前記枠部材とインナー部材とを固定するようなものでもよい。また、本発明では、インナー部材は、なくてもよい。
【0240】
また、ステー部材の数やその配置は、マストを十分に支持・固定できるようなものであれば、いかなる数、配置でもよい。例えば、前記実施形態では、枠部材の各辺にそれぞれ連結され、四方に突出するステー部材により四方の本設梁に枠部材が固定されているものであるが、一方側、二方側または三方側の本設梁(または柱)に対し枠部材を固定するようなものでもよい。
【0241】
また、前記実施形態では、支持されるマストの横断面の全体形状は、略四角形であるが、本発明では、前記マストの形状は、特に限定されず、例えば、前記マストの横断面の全体形状が、五角形、六角形、円形等であってもよく、これに合わせて枠部材の全体形状がほぼ五角形、六角形、円形等のものであってもよい。
【0242】
以上、本発明のタワークレーン支持装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、タワークレーン支持装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0243】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、ベース受け架台に作用するモーメントおよび水平力を大幅に軽減することができ、これにより、ベース受け架台が固定された付近の建造物の梁や柱に作用する荷重を大幅に軽減することができる。よって、建設する建造物の梁や柱の強度が比較的小さく、従来においてタワークレーンをマストクライミングとせざるを得なかったような場合でも、フロアクライミングとすることができ、これにより、マストクライミングにする場合と比べて次のような利点がある。
【0244】
・タワークレーンの作業半径を360°利用して建造物の領域をカバーできるので、タワークレーンの設置台数を少なくすることができる。
【0245】
・延長するマストの単位構造体や壁つなぎのような仮設機材が不要となり、建設コストを低減できる。
【0246】
・タワークレーンを建造物の領域内に設置するため、敷地の狭い現場でも、荷取りスペースの確保が容易となる。
【0247】
・建造物の領域外にタワークレーンのマストを立設するための杭や基礎が不要となり、建設コストを低減できる。
【0248】
・免震構造の建造物を建設する場合にも適する。すなわち、免震構造の建造物を建設する場合、マストクライミングであると、建造物外の基礎上に立設されたタワークレーンのマストと建造物とが地震時に別々に揺れるため、耐荷重の高い壁つなぎや建造物の梁および柱の補強を必要とするが、本発明では、これらが不要となる。
【0249】
また、本発明では、従来においてフロアクライミングを実施する際に建造物の本設梁の補強が必要であった場合でも、その補強を省略または少なくすることができる。
【0250】
また、本発明では、ベース受け架台および水平力支持体がマストと共にクライミングするので、クライミング時にこれらをマストから脱着する作業が不要で、クライミング作業も容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタワークレーン支持装置の実施形態によりタワークレーンを支持した状態を示す側面図である。
【図2】図1に示すタワークレーン支持装置におけるベース受け架台の側面図である。
【図3】図2に示すベース受け架台の平面図である。
【図4】クレーン固定用下カンザシの一部切り欠き底面図である。
【図5】クレーン固定用下カンザシを取り外した状態の受梁の底面図である。
【図6】アウトリガーが受梁内にすべて収納された状態を示す断面側面図である。
【図7】アウトリガーを図6中のA−B線で切断した断面正面図である。
【図8】アウトリガーが最大の突出長さに突出した状態を示す断面側面図である。
【図9】アウトリガーを取り外した状態の受梁の正面図である。
【図10】アウトリガーの突出長さを制限する制限手段により制限された長さにアウトリガーが突出した状態を示す断面側面図である。
【図11】アウトリガーの突出長さを制限する制限手段により制限された長さにアウトリガーが突出した状態を示す断面側面図である。
【図12】アウトリガーを図6中のC−D線で切断した断面平面図である。
【図13】受梁を図6中のE−F線で切断した断面平面図である。
【図14】受梁を図6中のG−H線で切断した断面正面図である。
【図15】油圧シリンダおよび油圧ユニットを含む油圧制御システムのブロック図である。
【図16】図2に示すベース受け架台の正面図である。
【図17】垂直ブレスを取り付ける受梁の上ブラケットおよび下ブラケットを示す図である。
【図18】図1に示すタワークレーン支持装置における水平力支持体を示す側面図である。
【図19】図18に示す水平力支持体の平面図である。
【図20】図18に示す水平力支持体のインナー部材を示す側面図である。
【図21】図18に示す水平力支持体のインナー部材を示す平面図である。
【図22】図18に示す水平力支持体のインナー部材を示す平面図である。
【図23】図18に示す水平力支持体の枠部材を示す平面図である。
【図24】図18に示す水平力支持体をマストに取り付ける際の手順を説明するための図である。
【図25】図18に示す水平力支持体をマストに取り付ける際の手順を説明するための図である。
【図26】図18に示す水平力支持体をマストに取り付ける際の手順を説明するための図である。
【図27】図18に示す水平力支持体をマストに取り付ける際の手順を説明するための図である。
【図28】図18に示す水平力支持体をマストに取り付ける際の手順を説明するための図である。
【図29】図18に示す水平力支持体をマストに取り付ける際の手順を説明するための図である。
【図30】タワークレーンのマストクライミングを説明するための側面図である。
【図31】タワークレーンのフロアクライミングを説明するための側面図である。
【符号の説明】
1 タワークレーン支持装置
1A ベース受け架台
2 垂直ブレス
3 マスト
4 折りたたみ架台
5 折りたたみ架台本体
6 折りたたみ架台の脚部
8 クレーン本体
9 受梁
10 上カンザシ
11 ボルト挿通孔
13 下カンザシ
14 ボルト挿通孔
16 カンザシ本体
17 取り付けプレート
18 ボルト孔
19 アウトリガー収納部
20 フランジ
20a ボルト孔
20b 切り欠き
21 フランジ
21a ボルト孔
21b 切り欠き
25 カンザシボルト
28 ブラケット
29 油圧ユニット
30 アウトリガー
32 油圧シリンダ
32a ピストンロッド
32b ピストン
32c 第1室
32d 第2室
33 垂直補強板
34 平行補強板
35 先端板
36 基端板
37 シリンダ貫通孔
38 シリンダ挿入孔
39 ピストンロッドの先端部
40 接続ピン挿入孔
41 接続ピン
42 孔部
45 ストッパ
46 ストッパ
47 ストッパ
48 ストッパ
49 接続ピン
50 固定用孔
51 ピン挿入孔
52 上カンザシ
53 下カンザシ
54 カンザシボルト
55 垂直副補強板
56 本設梁
561 ブラケット
57 固定ピン
58 柱
60 上補強板設置部
61 下補強板設置部
62 外枠
63 補強板
64 仕切り板
65 アウトリガーの下角部
66 重点補強部
67a〜67d 副補強板
70 上水平バー
70a 上水平バーの一端部
70b 上水平バーの他端部
71 下水平バー
72 クロスバー片
73 第1のクロスバー半片
74 第2のクロスバー半片
75 中間接続部
76 クロスバー
77 接続片
78 接続片
79 接続片
80 接続片
81 上ブラケット
82 下ブラケット
86 ボルト孔
87 ボルト
90 モータ
91 タンク
92 ポンプ
93 切替弁
94 ストレーナ
95 エアブリーザ
96 油面計
97 圧力計
98 送り流路
99 戻り流路
101 伸長流路
102 収縮流路
116 ナット
145 ナット
1B 水平力支持体
2B マスト
21B 主材
22B 横材
3B インナー部材
31B フレーム
311 孔部
312 孔部形成部分
32B フレーム
321 突部
33B 係合棒
330 カバー
331〜334 孔部
335、336 ピン
34B 吊りピース
341 孔部
35B ブラケット
350 支柱
351 孔部
36B フック
4B 枠部材
41B 単位部材
42B ブラケット
421 孔部
43B 孔部
44B ピン
45B フレーム
46B 吊りピース
461 孔部
5B ステー部材
51B、52B 突出部
522 ハンドル
6B 踊り場
61B 支柱
7B 固定手段
71B 係合部材
711 孔部
712 段差部
72B 係合部材
721 孔部
722 段差部
73B ボルト
74B ナット
8B チェーンブロック
81B フック
82B チェーン
111、112 ピン
200 ベース受け架台
210 受梁
220 アウトリガー
300 ベル受架台
400、800 タワークレーン
500 マスト
600 建造物
700 壁つなぎ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a tower crane support device.
[0002]
[Prior art]
Tower cranes are widely used when building structures such as high-rise buildings. This tower crane needs to be climbed and raised as the upper floor of the building is completed. There are two methods for climbing the tower crane: a method called “mast climbing” and a method called “floor climbing”. These two methods will be described in order.
[0003]
FIG. 30 is a side view for explaining mast climbing of the tower crane. A
[0004]
Since the
[0005]
The
[0006]
Next, floor climbing will be described. FIG. 31 is a side view for explaining floor climbing of the tower crane.
[0007]
FIG. 31A shows a state when the tower crane is used. In the case of floor climbing, the tower crane is installed inside the building area. As shown in FIG. 31A, a temporary beam called a
[0008]
A
[0009]
When performing floor climbing, first, as shown in FIG. 31 (b), a
[0010]
Next, the fixing member that fixes the
[0011]
When the
[0012]
Next, after fixing the guide frame of the crane
[0013]
Comparing mast climbing and floor climbing as described above, floor climbing has greater merit as described below. That is, first of all, in the case of floor climbing, since the tower crane is installed in the area of the building, the work radius of the tower crane centering on the
[0014]
Second, in the case of floor climbing, there is an advantage that no matter how many times the climbing is repeated, a unit structure for adding a mast and temporary equipment such as a
[0015]
However, in the case of floor climbing, all the loads from the tower crane act on the building beams (main beam 56) and the columns. Therefore, when the strength of the building beams and columns is relatively small, There was a problem that the beams and columns where the load from the crane was applied could not withstand it and could not be implemented. For example, when building a reinforced concrete structure (RC structure) where the strength of beams and columns is smaller than that of steel structure (S structure), floor climbing cannot be adopted, and it must be mast climbing. There was no case.
[0016]
Even if the structure is reinforced concrete, floor climbing can be carried out by increasing the strength by increasing the thickness of beams and pillars. However, this increases the construction materials necessary for the building itself, and has no merit.
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
The objective of this invention is providing the tower crane support apparatus which can reduce the load to the beam and column of the building to construct.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
Such an object is achieved by the present inventions (1) to (14) below.
[0019]
(1) a base receiving stand for supporting the tower crane near the lower end of the mast of the tower crane;
The tower crane is supported at an intermediate portion of the mast, and includes a horizontal force support body that mainly receives a horizontal force,
Normally, the base receiving frame and the horizontal force support are respectively fixed to a building to support the tower crane, and when the tower crane is climbed, the fixing is released, and the base receiving frame and the horizontal force support are released. A tower crane support device, which is used to pull up a support body together with the mast.
[0020]
(2) The tower crane support device according to (1), wherein the tower crane is supported inside a building area.
[0021]
(3) The said horizontal force support body has the frame member arrange | positioned so that the outer periphery of the said mast may be enclosed, and the stay member by which one end side is connected with the said frame member and the other end side is connected with a building ( The tower crane support apparatus according to 1) or (2).
[0022]
(4) The tower crane support device according to (3), wherein the horizontal force support includes an inner member that is mounted between the mast and the frame member.
[0023]
(5) The stay member is displaceable to a first position where the other end side is connected to the building and a second position retracted so as not to interfere with the thing on the building side. The tower crane support device according to the above (3) or (4), which is the second position during climbing.
[0024]
(6) The tower crane support device according to any one of (3) to (5), further including an adjusting unit that adjusts the length of the stay member.
[0025]
(7) The tower crane support according to any one of (3) to (6), wherein the horizontal force support body is connectable to a building by four sets of the stay members protruding substantially in four directions from the frame member. apparatus.
[0026]
(8) The frame member has a substantially rectangular shape, and a connection portion that is connected to the stay member is provided in the vicinity of both ends of each side.
The tower crane support device according to any one of (3) to (7), wherein each side of the frame member can be connected to the building by the stay member connected to the connecting portion.
[0027]
(9) The tower crane according to (8), wherein the stay member connected to a connecting portion formed on each side of the frame member protrudes in a direction substantially orthogonal to the side and is connected to the building. Support device.
[0028]
(10) The base receiving frame is arranged substantially in parallel, and protrudes from both ends of the pair of receiving beams fixed to the lower end portion of the mast, and can be displaced in the longitudinal direction of the receiving beams. A projecting member, and displacement means for displacing the projecting member,
Normally, the protruding member and the beam of the building in a protruding state are fixed, and when the tower crane is climbed, the fixing of the protruding member and the beam of the building is released, and the protruding member is retracted. (1) The tower crane support apparatus in any one of (9).
[0029]
(11) The tower crane support device according to (10), wherein two projecting members projecting in at least the same direction among the projecting members are installed so as to be replaceable with different lengths.
[0030]
(12) The tower crane support device according to (10) or (11), wherein the protrusion lengths of two protrusion members protruding in at least the same direction among the protrusion members can be adjusted.
[0031]
(13) The displacement means is constituted by a hydraulic cylinder,
When an external force is applied to the hydraulic cylinder in a state where the projecting member and the beam of the building are fixed, the base receiving base releases the force and an excessive force is applied to the hydraulic cylinder. The tower crane support device according to any one of the above (10) to (12), which is provided with a safety mechanism for preventing the above.
[0032]
(14) The hydraulic cylinder is a double-acting hydraulic cylinder capable of applying a positive pressure in an extension direction and a contraction direction of a piston, and the safety mechanism includes a flow path for applying a positive pressure in the extension direction and the flow path. The tower crane support device according to (13), which is a switching valve that can be connected to a flow path that applies positive pressure in the contraction direction.
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a tower crane support device of the present invention will be described in detail based on a preferred embodiment shown in the accompanying drawings.
[0034]
FIG. 1 is a side view showing a state in which a tower crane is supported by an embodiment of the tower crane support apparatus of the present invention. As shown in FIG. 1, the tower crane support device 1 supports and fixes a
[0035]
The base cradle 1 </ b> A is installed and fixed so as to span between two permanent beams (beams of a building body) 56 and 56. The horizontal force support 1B is installed and fixed on the
[0036]
Here, the load (force) received from the
[0037]
In the case of conventional floor climbing, all of the three loads described above act on the
[0038]
On the other hand, in the tower crane support device 1 of the present invention, the horizontal force support 1B is provided, and the horizontal force support 1B supports the horizontal force acting on the
[0039]
Further, according to the present invention, even when it is necessary to reinforce the main beam of the building when performing floor climbing in the past, the reinforcement is omitted or reduced regardless of the S structure (steel structure) or RC structure. Can do.
[0040]
When the
[0041]
Hereinafter, each structure of the
[0042]
2 is a side view of the base receiving stand in the tower crane support apparatus shown in FIG. 1, FIG. 3 is a plan view of the base receiving stand shown in FIG. 2, and FIG. 16 is a front view of the base receiving stand shown in FIG. is there.
[0043]
A
[0044]
Each of the pair of receiving
[0045]
The pair of vertical braces 2 have the same configuration, each of which is configured by combining a plurality of beams, and has a frame shape. Each vertical brace 2 is installed in a posture substantially perpendicular to each receiving
[0046]
The
[0047]
2 and 3 show a state in which the
[0048]
In this way, on the
[0049]
The
[0050]
Such a
[0051]
The protruding portion of the
[0052]
Each of the
[0053]
Each of the four
[0054]
The
[0055]
The
[0056]
The
[0057]
Each of the two
[0058]
FIG. 6 is a cross-sectional side view showing the state in which the
[0059]
As shown in FIG. 6, the
[0060]
The
[0061]
A vertical reinforcing
[0062]
Further, as shown in FIG. 7, a parallel reinforcing
[0063]
In addition, as shown in FIG. 12, the elongate space partitioned by the parallel reinforcing
[0064]
The
[0065]
A connection pin insertion hole is formed in the base end portion of the
[0066]
The
[0067]
The vertical reinforcing
[0068]
As shown in FIG. 6, the
[0069]
With such a configuration, the
[0070]
When the
[0071]
Further, as described above, the
[0072]
With such a configuration, by removing the
[0073]
FIG. 9 is a front view of the
[0074]
As shown in FIGS. 6 and 7, convex stoppers (first convex portions) 45 and 46 are fixedly provided above one side surface portion of the
[0075]
On the other hand, as shown in FIG. 9, the inner wall surface (the inner wall surface of the outrigger housing portion 19) near the end of the
[0076]
Out of these
[0077]
On the other hand, when the
[0078]
Specifically, when the
[0079]
Further, when the
[0080]
When the
[0081]
As described above, the
[0082]
Further, if the projecting lengths of the two
[0083]
In addition, depending on the structure of the building, there are cases where the two
[0084]
In this way, the
[0085]
Furthermore, since the
[0086]
Here, in the illustrated embodiment, the
[0087]
Further, by providing the replaced
[0088]
As shown in FIGS. 6, 8, 10, and 11, a plurality of fixing
[0089]
When the
[0090]
Note that the fixing means for fixing the
[0091]
13 is a cross-sectional plan view taken along line EF in FIG. 6, and FIG. 14 is a cross-sectional front view taken along line GH in FIG. Hereinafter, the configuration and the like of the
[0092]
As shown in these drawings, the
[0093]
[0094]
Inside the upper reinforcing
[0095]
The reinforcing
[0096]
Specifically, as shown in FIGS. 8, 10 and 11, the reinforcement is respectively provided at a position corresponding to the base end of the
[0097]
The largest force is applied to the portion corresponding to the
[0098]
The auxiliary reinforcing
[0099]
As described above, the
[0100]
FIG. 15 is a block diagram of a hydraulic control system including the
[0101]
When the
[0102]
In the
[0103]
In addition, as described above, since the protruding length of the
[0104]
Further, in the tower crane support device 1, the horizontal force acting on the
[0105]
As described above, the
[0106]
As shown in FIG. 15, the
[0107]
The
[0108]
The switching
[0109]
The switching
[0110]
The switching
[0111]
For example, when a compressive force acts on the
[0112]
On the contrary, when a pulling force is applied to the
[0113]
17A is a sectional front view of the
[0114]
As described above, the pair of receiving
[0115]
The vertical brace 2 further includes a connecting
[0116]
Thus, the vertical brace 2 is a frame-like structure configured by combining a plurality of bars (beams). And two bolt holes arranged along the horizontal direction are formed in four corners of the vertical brace 2, respectively.
[0117]
As shown in FIG. 17, an
[0118]
Bolt holes 86 corresponding to the bolt holes of the vertical brace 2 are formed in the
[0119]
The
[0120]
Here, the tower crane differs in the size of the leg 6 (projection length from the central axis of the
[0121]
FIG. 4 is a partially cutaway bottom view of the
[0122]
As shown in FIG. 4, the
[0123]
Two bolt holes 18 are juxtaposed along the short direction of the mounting
[0124]
On the other hand, as shown in FIG. 5, a
[0125]
The
[0126]
The
[0127]
As described above, the
[0128]
On the other hand, in this embodiment, when installing the
[0129]
In addition, since the fixing position of the
[0130]
As described above, the
[0131]
For example, the pair of receiving
Further, the safety mechanism for preventing an excessive force from acting on the
[0132]
Further, the base support is not limited to the configuration shown in the figure. For example, protruding members (outriggers) are rotatably installed at both ends of the receiving beam, and the protruding member is parallel to the receiving beam when fixed to the main beam. It may be extended (in a straight line) and rotated to retract to the receiving beam side during floor climbing.
[0133]
Alternatively, the protruding member (outrigger) may be manually inserted and removed.
[0134]
Next, the horizontal force support 1B in the tower crane support device 1 will be described in detail.
18 is a side view showing a horizontal force support in the tower crane support apparatus shown in FIG. 1, FIG. 19 is a plan view of the horizontal force support shown in FIG. 18, and FIG. 20 is a horizontal force support shown in FIG. 21 and 22 are plan views showing the inner member of the horizontal force support shown in FIG. 18, and FIG. 23 is a plan view showing the frame member of the horizontal force support shown in FIG. It is. In FIG. 18, the two stay members located at the bottom in FIG. 19 are omitted.
[0135]
The horizontal force support 1B shown in these drawings is a structure that supports the middle part (middle part in the height direction) of the
[0136]
Hereinafter, the
[0137]
Since the structure of each
[0138]
As shown in FIGS. 18 to 22, the overall shape of the
[0139]
In the pair of
[0140]
The pitch of the
[0141]
Engaging
[0142]
Is the length of the portion (hole forming portion) 312 in which the
[0143]
By setting the length of the
[0144]
Further, as shown in FIGS. 19, 21, and 22,
[0145]
The interval between the
[0146]
When the
[0147]
A hook 36B is provided on the upper side in FIG. 20 of the
[0148]
Further, on the upper side in FIG. 20 of the
[0149]
Each engaging
[0150]
The pair of
[0151]
When the
[0152]
On the other hand, the
[0153]
Since the structures of the engagement bars 33B and the
[0154]
As shown in FIG. 21, a pair of
[0155]
As shown in FIG. 20, the cross-sectional shape of the
The
[0156]
On the side surface of the
[0157]
The one pair of
[0158]
The distance between the pair of
[0159]
When fixing the engaging
[0160]
Conversely, when the engaging
[0161]
Further, two
[0162]
A
[0163]
The
[0164]
The
[0165]
Further, a pair of
[0166]
Moreover, the support |
[0167]
Next, the
As shown in FIG. 18, FIG. 19 and FIG. 23, the
[0168]
Since the structure of each
[0169]
A pair of
[0170]
A pair of
[0171]
With this configuration, in the present embodiment, the
[0172]
Further, as shown in FIG. 23, a
[0173]
The tip portions of the pair of
[0174]
As shown in FIG. 18, a
[0175]
In this case, the
[0176]
By providing this connecting
[0177]
Moreover, each said support |
[0178]
As shown in FIGS. 18 and 23, four
[0179]
As shown in FIG. 18, the
[0180]
Since the structure of each fixing means 7B is substantially the same, one fixing means 7B will be described as a representative.
[0181]
As shown in FIGS. 18, 24, and 25, the fixing means 7B has a
[0182]
Two
[0183]
As described above, the pitch of the
[0184]
For this reason, the height of the
[0185]
The engaging member 71B is engaged with the upper side in FIG. 18 of the
[0186]
On the other hand, the engaging member 72B engages with the lower side in FIG. 18 of the
[0187]
Accordingly, the
[0188]
The plurality of
[0189]
Next, the
Since the structure of each
[0190]
As shown in FIG. 18, on one end side of the
[0191]
The pair of protrusions 51B and 51B of the
[0192]
On the
[0193]
The
[0194]
Such a
[0195]
When the floor crane of the
[0196]
In the present embodiment, the
[0197]
The other ends of the pair (one set) of
[0198]
In addition, a pair (one set) of
[0199]
As shown in FIG. 29, the horizontal force support 1B has a manual chain block 8B as an elevating means for elevating (moving in the longitudinal direction of the
[0200]
Next, a procedure for attaching the horizontal force support 1B to the
[1] A
When connecting the
[0201]
In this case, first, each
[0202]
Then, one
[0203]
Since the procedure for connecting the other unit member for the
[0204]
[2] On the ground, one of the pair of
[0205]
First, as shown in FIG. 24, the engaging members 71B are fixed to the predetermined positions (heights) of the pair of
[0206]
In this case, the position of any one of the two
[0207]
Next, one
[0208]
Next, the engaging member 72B is engaged with the
[0209]
In this case, of the four
[0210]
Since the procedure for fixing the
[0211]
In this way, the pair of halves of the horizontal force support 1B are each assembled on the ground.
[0212]
[3] As shown in FIG. 26, the one
[0213]
In this case, as shown in FIGS. 21 and 27, the front ends of the
[0214]
Further, the
[0215]
Then, as shown in FIG. 28, each engaging
[0216]
Next, in the same manner as described above, the other
[0217]
[4] As shown in FIG. 28, the tip portions of the pair of
[0218]
Thereby, a pair of
[0219]
In addition, when the member for landing 6B is fixed to each
[0220]
[5] The height of the
When adjusting the height, first, as shown in FIG. 29, the chain block 8B is attached to each
[0221]
Next, each engagement member 71B and 72B is removed, and each chain block 8B is operated to raise or lower the
[0222]
Next, in the same manner as in [2], the engaging members 71B and 72B are attached with
[0223]
Thus, the height adjustment is completed, and then each chain block 8B is removed. This height adjustment can be performed with the pitch of the
[0224]
In addition, this height adjustment is performed when the height of the
This completes the attachment of the horizontal force support 1B to the
[0225]
The horizontal force support 1B can be moved to another position (height) of the
[0226]
First, the
[0227]
Subsequently, the
[0228]
Next, the pair of
[0229]
Next, the
[0230]
In this manner, the horizontal force support 1B can be moved from the
[0231]
As described above, according to the horizontal force support 1B of the present embodiment, the
[0232]
That is, the horizontal force support 1B can support the
[0233]
The
[0234]
In particular, the horizontal force support 1B can be obtained by assembling a pair of halves on the ground and connecting these halves on the
[0235]
Moreover, since the horizontal force support body 1B has the
[0236]
Further, since the engaging
[0237]
Further, the distance between the
[0238]
As mentioned above, although the horizontal force support body 1B in the tower crane support apparatus 1 of this embodiment was demonstrated, in this invention, the structure of a horizontal force support body is not limited to this.
[0239]
For example, the horizontal force support body is provided with a hole in the frame member, the hole and a predetermined hole of the plurality of holes of the inner member are matched, and bolts are inserted into these holes, The bolt and nut may be used to fix the frame member and the inner member. In the present invention, the inner member may be omitted.
[0240]
Further, the number and arrangement of stay members may be any number and arrangement as long as the mast can be sufficiently supported and fixed. For example, in the above-described embodiment, the frame member is fixed to the four main beams by stay members that are connected to the sides of the frame member and project in four directions, but one side, two sides, or three sides The frame member may be fixed to the main beam (or column) on the side.
[0241]
In the embodiment, the overall shape of the cross section of the mast to be supported is substantially square. However, in the present invention, the shape of the mast is not particularly limited. For example, the overall shape of the cross section of the mast is However, it may be a pentagon, a hexagon, a circle, or the like, and the overall shape of the frame member may be substantially a pentagon, a hexagon, a circle, or the like.
[0242]
As mentioned above, although the tower crane support apparatus of this invention was demonstrated about embodiment of illustration, this invention is not limited to this, Each part which comprises a tower crane support apparatus is arbitrary which can exhibit the same function. It can be replaced with the configuration of Moreover, arbitrary components may be added.
[0243]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the moment and the horizontal force acting on the base support gantry can be greatly reduced, so that the beam or column of the building in the vicinity where the base cradle is fixed can be reduced. The acting load can be greatly reduced. Therefore, even if the strength of the beams and pillars of the building to be constructed is relatively small and the tower crane has been forced to be mast-climbing in the past, it can be made floor-climbing, thereby making it a mast-climbing. There are the following advantages compared to the case.
[0244]
-Since the work radius of the tower crane can be used to cover the area of the building, the number of tower cranes installed can be reduced.
[0245]
・ Temporary equipment such as an extended mast unit structure and wall connection is not required, and construction costs can be reduced.
[0246]
・ Because the tower crane is installed in the area of the building, it is easy to secure a cargo collection space even in a small site.
[0247]
・ Piles and foundations for erecting the mast of a tower crane outside the building area are not required, and construction costs can be reduced.
[0248]
・ Suitable for building seismic isolation structures. In other words, when building a base-isolated structure, if it is mast climbing, the tower crane mast and the building standing on the foundation outside the building will swing separately at the time of the earthquake, so the load resistance is high. It is necessary to reinforce the wall connection and the beams and columns of the building, but these are unnecessary in the present invention.
[0249]
Further, according to the present invention, even when it has been necessary to reinforce the main beam of the building when performing floor climbing in the past, the reinforcement can be omitted or reduced.
[0250]
Further, in the present invention, since the base support frame and the horizontal force support body are climbed together with the mast, it is not necessary to remove them from the mast during climbing, and the climbing work can be easily and quickly performed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a state in which a tower crane is supported by an embodiment of a tower crane support device of the present invention.
FIG. 2 is a side view of a base receiving stand in the tower crane support device shown in FIG.
FIG. 3 is a plan view of the base receiving stand shown in FIG. 2;
FIG. 4 is a partially cut-out bottom view of a lower kanzashi for crane fixing.
FIG. 5 is a bottom view of the receiving beam in a state where a lower crane fixing crane is removed.
FIG. 6 is a cross-sectional side view showing a state in which all outriggers are stored in the receiving beam.
7 is a cross-sectional front view of the outrigger cut along the line AB in FIG. 6. FIG.
FIG. 8 is a cross-sectional side view showing a state in which an outrigger protrudes to a maximum protruding length.
FIG. 9 is a front view of the receiving beam with the outrigger removed.
FIG. 10 is a cross-sectional side view showing a state in which the outrigger protrudes to a length limited by a limiting unit that limits the protruding length of the outrigger.
FIG. 11 is a cross-sectional side view showing a state in which the outrigger protrudes to a length limited by a limiting unit that limits the protruding length of the outrigger.
12 is a cross-sectional plan view of the outrigger cut along line CD in FIG. 6. FIG.
13 is a cross-sectional plan view of the receiving beam taken along line EF in FIG. 6. FIG.
14 is a cross-sectional front view of the receiving beam taken along the line GH in FIG. 6. FIG.
FIG. 15 is a block diagram of a hydraulic control system including a hydraulic cylinder and a hydraulic unit.
FIG. 16 is a front view of the base receiving stand shown in FIG. 2;
FIG. 17 is a view showing an upper bracket and a lower bracket of a receiving beam to which a vertical brace is attached.
18 is a side view showing a horizontal force support in the tower crane support apparatus shown in FIG. 1. FIG.
19 is a plan view of the horizontal force support shown in FIG.
20 is a side view showing an inner member of the horizontal force support shown in FIG. 18. FIG.
21 is a plan view showing an inner member of the horizontal force support shown in FIG.
22 is a plan view showing an inner member of the horizontal force support shown in FIG.
23 is a plan view showing a frame member of the horizontal force support shown in FIG.
FIG. 24 is a diagram for explaining a procedure when the horizontal force support shown in FIG. 18 is attached to the mast.
25 is a view for explaining a procedure when the horizontal force support shown in FIG. 18 is attached to the mast.
26 is a view for explaining a procedure when the horizontal force support shown in FIG. 18 is attached to the mast.
FIG. 27 is a view for explaining a procedure when the horizontal force support shown in FIG. 18 is attached to the mast.
FIG. 28 is a view for explaining a procedure when the horizontal force support shown in FIG. 18 is attached to the mast.
FIG. 29 is a view for explaining a procedure when the horizontal force support shown in FIG. 18 is attached to the mast.
FIG. 30 is a side view for explaining mast climbing of the tower crane.
FIG. 31 is a side view for explaining floor climbing of the tower crane.
[Explanation of symbols]
1 Tower crane support device
1A base stand
2 Vertical breath
3 Mast
4 Folding base
5 Folding base
6 Legs of the folding mount
8 Crane body
9 Receiving beam
10 Kanzashi
11 Bolt insertion hole
13 Lower Kanzashi
14 Bolt insertion hole
16 Kanzashi body
17 Mounting plate
18 Bolt hole
19 Outrigger storage
20 Flange
20a Bolt hole
20b cutout
21 Flange
21a Bolt hole
21b Notch
25 Kanzashi Bolt
28 Bracket
29 Hydraulic unit
30 Outrigger
32 Hydraulic cylinder
32a Piston rod
32b piston
32c Room 1
32d Second chamber
33 Vertical reinforcing plate
34 Parallel reinforcing plate
35 Tip plate
36 Base plate
37 Cylinder through hole
38 Cylinder insertion hole
39 Tip of piston rod
40 Connection pin insertion hole
41 connection pins
42 holes
45 Stopper
46 Stopper
47 Stopper
48 Stopper
49 Connection pin
50 fixing holes
51 pin insertion hole
52 Kanzashi
53 Lower Kanzashi
54 Kanzashi Bolt
55 Vertical secondary reinforcing plate
56 Main beam
561 Bracket
57 Fixing pin
58 pillars
60 Upper reinforcing plate installation part
61 Lower reinforcement plate installation part
62 Outer frame
63 Reinforcing plate
64 partition plate
65 Lower corner of outrigger
66 Critical reinforcement
67a-67d Sub reinforcing plate
70 top horizontal bar
70a One end of the upper horizontal bar
70b The other end of the upper horizontal bar
71 Bottom horizontal bar
72 Crossbar pieces
73 First crossbar half
74 Second crossbar half
75 Intermediate connection
76 Crossbar
77 Connection piece
78 connection piece
79 Connection piece
80 connection piece
81 Upper bracket
82 Lower bracket
86 Bolt hole
87 volts
90 motor
91 tanks
92 Pump
93 Switching valve
94 Strainer
95 Air Breeza
96 Oil level gauge
97 Pressure gauge
98 Feed flow path
99 Return channel
101 Extension channel
102 Shrinkage flow path
116 nut
145 nut
1B Horizontal force support
2B mast
21B Main material
22B Slab
3B inner member
31B frame
311 hole
312 Hole forming part
32B frame
321 Projection
33B engagement rod
330 cover
331-334 hole
335, 336 pins
34B Hanging piece
341 hole
35B bracket
350 prop
351 hole
36B hook
4B Frame member
41B Unit member
42B Bracket
421 hole
43B hole
44B pin
45B frame
46B Hanging piece
461 hole
5B Stay member
51B, 52B Protrusion
522 Handle
6B landing
61B Prop
7B Fixing means
71B engagement member
711 hole
712 Stepped part
72B engagement member
721 hole
722 Stepped part
73B bolt
74B nut
8B chain block
81B hook
82B chain
111, 112 pins
200 base cradle
210 Receiving beam
220 Outrigger
300 bell cradle
400, 800 tower crane
500 mast
600 building
700 Wall splicing
Claims (14)
前記タワークレーンを前記マストの中間部にて支持し、主に水平方向の力を受ける水平力支持体とを備え、
常時は、前記ベース受け架台および前記水平力支持体をそれぞれ建造物に対し固定して前記タワークレーンを支持し、前記タワークレーンのクライミング時には、その固定を解除し、前記ベース受け架台および前記水平力支持体を前記マストとともに引き上げるよう使用することを特徴とするタワークレーン支持装置。A base stand for supporting the tower crane near the lower end of the tower crane mast;
The tower crane is supported at an intermediate portion of the mast, and includes a horizontal force support body that mainly receives a horizontal force,
Normally, the base receiving frame and the horizontal force support are respectively fixed to a building to support the tower crane, and when the tower crane is climbed, the fixing is released, and the base receiving frame and the horizontal force support are released. A tower crane support device, which is used to pull up a support body together with the mast.
前記連結部に連結された前記ステー部材により、前記枠部材の各辺をそれぞれ前記建造物に連結可能である請求項3ないし7のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。The frame member has a substantially rectangular shape, and a connecting portion is provided near each end of each side to connect to the stay member.
The tower crane support device according to any one of claims 3 to 7, wherein each side of the frame member can be connected to the building by the stay member connected to the connecting portion.
常時は、突出した状態の前記突出部材と建造物の梁とを固定し、前記タワークレーンのクライミング時には、前記突出部材と前記建造物の梁との固定を解除し、前記突出部材を退避させる請求項1ないし9のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。The base support base is disposed substantially in parallel and fixed to a lower end portion of the mast, and a protruding member that protrudes from both ends of each of the receiving beams and can be displaced in the longitudinal direction of the receiving beams, And displacement means for displacing the protruding member,
Usually, the protruding member and the beam of the building are fixed, and when the tower crane is climbed, the fixing of the protruding member and the beam of the building is released, and the protruding member is retracted. Item 10. The tower crane support device according to any one of Items 1 to 9.
前記ベース受け架台は、前記突出部材と前記建造物の梁とが固定されている状態で、前記油圧シリンダに外力が作用したとき、その力を逃がして前記油圧シリンダに過大な力が作用することを防止する安全機構を備えている請求項10ないし12のいずれかに記載のタワークレーン支持装置。The displacement means is constituted by a hydraulic cylinder,
When an external force is applied to the hydraulic cylinder in a state where the projecting member and the beam of the building are fixed, the base receiving base releases the force and an excessive force is applied to the hydraulic cylinder. The tower crane support apparatus according to any one of claims 10 to 12, further comprising a safety mechanism for preventing the above-described problem.
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