JP2005020550A - 通信システム,無線通信装置,サーバ,および無線通信装置のデータ通信方法 - Google Patents

通信システム,無線通信装置,サーバ,および無線通信装置のデータ通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膨大なデータをダウンロードもしくはアップロードしている最中に電波信号の伝播状態が変動したとしても伝送効率を極力低下させることなく、ユーザの体感速度を向上することができるようにする。
【解決手段】制御回路1aは、電波信号の受信状態が回復傾向であるか悪化傾向であるかを判定し、この結果に基づいて最大セグメント長,ウィンドウサイズに関わるTCP/IPパラメータを設定することにより1パケットのデータサイズを設定し、当該データサイズで通信することをプロキシサーバ5に要求する。プロキシサーバ5でこの要求が受付けられると、設定されたパケットのデータサイズでプロキシサーバ5およびカーナビゲーション装置1間で通信する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波信号を介してサーバとの間でデータ通信する通信システム,無線通信装置,サーバおよび無線通信装置のデータ転送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、無線通信装置とサーバとの間で電波信号を介してデータ通信することができる通信システムでは、無線通信装置側で基地局から受信する電波信号のビル等に反射する干渉波(フェージング)等の影響がデータの通信速度に多大な影響を及ぼすことが知られており、電波信号の伝播状態が悪化したときにはデータが消失する場合もあり、この場合にはデータの再送制御が必要とされている。
尚、特許文献1は、第1に、利用者が希望したデータのダウンロード等を受信状態が良好な場所において自動的に開始することにより、ダウンロードを行う間利用者の時間を束縛しないこと,および第2に、良好な電波状態が確保できた場合に、その旨を利用者に通知し、ダウンロードの開始を促すことにより常に最適なデータ通信の環境下でデータのダウンロードを可能とすることを目的とした携帯通信端末が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−300649号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
無線通信装置側で膨大なデータをダウンロードもしくはアップロードしている最中に電波信号の伝播状態が変動したときには、電波信号の受信状態が悪化することで通信中のセッションが途中で切断されてしまう虞もあるため、この場合には伝送(転送)効率が悪化してしまい好ましくない。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、膨大なデータをダウンロードもしくはアップロードしている最中に電波信号の伝播状態が変動したとしても伝送効率を極力低下させることなく、これによりユーザの体感速度を向上することができる通信システム、無線通信装置、サーバおよび無線通信装置のデータ通信方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の手段を採用できる。すなわち、無線通信装置の受信手段がサーバ側から送信される電波信号を受信し、判定手段が当該電波信号の受信状態を判定し、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおける各層のいずれかで規定されるプロトコルのヘッダ中に含まれるパラメータを設定することによりデータサイズを設定する。通信手段は、無線通信装置から当該データサイズで通信することをサーバに要求する。するとサーバはこの要求を受付け、無線通信装置とサーバとの間で当該データサイズでデータ通信を行う。すなわち、膨大なデータをダウンロードもしくはアップロードしている最中に電波信号の伝播状態が変動したとしても、その電波信号の伝播状態に応じて変化する電波信号の受信状態に合せて通信時のデータサイズを変更することで、電波信号の伝播状態に応じて転送速度を変化させることができる。これにより、ユーザが膨大なデータをダウンロードもしくはアップロードする最中に、電波信号の伝播状態が変動したとしても伝送(転送)効率を極力低下させることなく、ユーザの体感速度を向上させることができる。
尚、請求項3記載の無線通信装置、および請求項5記載のサーバは請求項1記載の通信システムを構成している。
尚、またデータサイズを設定する際には、OSI参照モデルにおいて、望ましくはトランスポート層以下,もしくはネットワーク層以下,もしくはデータリンク層で規定されるプロトコルのヘッダ中のパラメータを設定することによりデータサイズを設定することが望ましい。
【0007】
また、請求項2,4,6に係る発明において、パラメータは、最大セグメント長,ウィンドウサイズに関わるTCP/IPパラメータで構成されているため、特にTCP/IPを使用する場合に電波信号の伝播状態に応じてより有効的に転送速度を変化させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の無線通信装置を、無線通信モジュール付カーナビゲーション装置に適用した通信システムの一実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、通信システムを概略的にブロック図で示している。尚、図1に示す通信システムSは、携帯電話網を利用したネットワークを中心に示すものである。
【0010】
カーナビゲーション装置1には、携帯電話網を利用して外部通信を可能にする無線通信モジュール2が取付可能で、車両に搭載可能に構成されており、移動局としても機能するようになっている。カーナビゲーション装置1は制御回路1aを備えている。制御回路1aは、CPUを主体として構成されメモリや位置特定部(何れも図示せず)を接続しており、メモリに記憶されたプログラムに基づいてナビゲーション機能および後述する通信機能を達成するように構成されている。ナビゲーション機能は、周知のように図示しないGPS衛星から送信されるGPS信号等に基づいて車両の現在位置を高精度に特定し表示部(図示せず)に地図情報と共に現在位置情報を表示させる機能である。尚、制御回路1aは、本発明の判定手段、設定手段、通信手段に相当している。
カーナビゲーション装置1に受信手段としての無線通信モジュール2が取付けられると、基地局3およびPDSN4を介してプロキシサーバ5との間で電波信号を介して通信可能になる。尚、無線通信モジュール2および基地局3間においては、所定のデータ変調方式により変調された電波信号により無線送受信が行われる。その詳細については、本発明とは直接関係しないためその詳細説明を省略する。
【0011】
PDSN(Packet Data Serving Node)4は、外部接続要求に対するユーザ認証およびトラフィック管理等の処理を行うように構成されている。また固定局としても機能するプロキシサーバ5は、コンテンツサーバ7からのダウンロードデータのキャッシュ機能を有しており、プロキシサーバ5と外部装置(図1中の無線通信装置Aや携帯電話機8)との間の通信網と、インターネット6網との通信を中継するように構成されている。プロキシサーバ5は、本発明のサーバに相当しており、受付手段および通信手段としても機能する。
コンテンツサーバ7は、音楽データ,画像データ等の各種コンテンツを記憶保持するサーバであり、外部から要求を受付けると当該データを所定のアプリケーション層のプロトコル(例えばFTP(File Transfer Protocol),HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等)により配信する機能やデータ保存する機能を有している。
このようにして、無線通信装置Aの制御回路1aは、プロキシサーバ5を介してインターネット6網,各種コンテンツサーバ7に接続することができ、各種データをダウンロードおよびアップロードすることができる。
【0012】
上記構成の動作について、図2および図3をも参照しながら説明する。
本実施形態では、膨大なデータをダウンロードする際の動作について説明する。以下、無線通信装置Aおよびプロキシサーバ5間で通信する際の各階層におけるプロトコル等を、OSI参照モデル(OSI階層モデルとも称される)との対応と共に図2を参照しながら簡潔に説明する。
図2は、無線通信装置A(もしくは携帯電話機8)およびプロキシサーバ5間の通信時におけるプロトコルの階層構造を中心に示している。
下位層側から説明する。PPP(Point−to−Point Protocol)は、2地点間で1または複数のプロトコルのデータグラムを送受信するためのプロトコルであり、OSI参照モデルのデータリンク層に対応して通信方式が規定されている。
【0013】
Ethernet(登録商標)は、CSMA/CD方式のLAN機能を達成するもので、OSI参照モデルのデータリンク層の下位副層であるMAC(Media Access Control)層以下が定義される。
【0014】
IP(Internet Protocol)は、OSI参照モデルのネットワーク層に対応している。IPはIPデータグラムの規定を行い、IPアドレスの設定及び識別や、接続されたネットワークにおけるIPデータグラムの配送や、中継ノードを介してデータグラムを転送する際の通信経路制御や、データグラムのフラグメンテーション処理を行うようになっている。
【0015】
ICMP(Internet Control Message Protocol)は、IPプロトコルの状態に関する情報を管理するプロトコルであり、無線通信装置Aおよびプロキシサーバ5間のデータ転送中に生じたエラーを送信元に返送するためにIPと組み合わせられて設けられるプロトコルであり、OSI参照モデルのネットワーク層に対応している。
【0016】
TCP(Transmission Control Protocol)は、OSI参照モデルのトランスポート層に対応している。TCPは、相互接続されたネットワークにおいてコネクション制御、転送制御、順序制御、流量制御(フローコントロール)機能を達成するようになっている。
【0017】
UDP(User Datagram Protocol)は、OSI参照モデルのトランスポート層に対応している。UDPは、相互接続されたネットワークにおいてIPデータグラムを直接用いて、コネクションを用いずにデータを送信する機能を達成するプロトコルである。
【0018】
ソケットインタフェースは、API(Application Programming Interface)機能により達成される論理インタフェースであり、仮想ソケット制御部およびアプリケーション層(アプリケーションプログラム)側から下位層の例えばTCP/IPを使用できるように構成されている。
【0019】
無線通信装置Aおよびプロキシサーバ5間は、前述説明したこれらのプロトコルおよび仮想ソケット制御部(および仮想ソケットインタフェース)を通じて、両ホスト(無線通信装置Aおよびプロキシサーバ5)に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて互いに通信可能に構成されている。
【0020】
<仮想ソケット制御部について>
以下、本発明の特徴の中心部分となる仮想ソケット制御部について説明する。仮想ソケット制御部は、OSI参照モデルにおけるセッション層もしくはトランスポート層の拡張部として設けられており、SSL(Secure Sockets Layer)認証等によるデータの暗号/解読処理(セキュリティ処理),データ圧縮伸張処理等が行われる。尚、仮想ソケット制御部とアプリケーション層とのインタフェースとして図2に示すように仮想ソケットインタフェースが設けられている。尚、従来、仮想ソケット制御部においては、このように一般的な処理が行われていたが、本発明においてこの仮想ソケット制御部を追加変更することにより本発明の目的を達成することができる。
【0021】
カーナビゲーション装置1が、無線通信モジュール2を通じてアプリケーションプログラムによりプロキシサーバ5側に接続要求を行うと、当該ホスト間(無線通信装置Aおよびプロキシサーバ5間)でコネクションが確立され、前述説明したプロトコルによるセッションが開始される。
【0022】
両ホストAおよび5がコネクションを確立するときには、無線通信装置AはTCPにおいて、TCPヘッダのコードビットフィールドを設定してSYNパケットをプロキシサーバ5側に送信する。
【0023】
このとき、MTU(Maximum Transmission Unit)は、PPPやEthernetの場合1500オクテット(バイト)であるため、最大セグメント長(MSS:Maximum Segment Size)を設定するために、両ホストAおよび5の間でMTUが相互に通知され、最大セグメント長は1500程度(例えば1460)オクテットで設定される。このとき、制御回路1aはTCP/IPパラメータのフラグを高速通信用フラグに設定する。またコネクションを確立するときには、無線通信装置A側では、TCPヘッダのウィンドウサイズフィールドを設定しプロキシサーバ5側に送信することで連続受信可能なパケットの数,ウィンドウサイズを通知することで受信可能なデータサイズを通知する。
【0024】
セッションが開始されるときには、両ホストAおよび5は、セッションIDを記憶保持する。すなわち、例えば無線通信モジュール2および基地局3間における電波信号の伝播状態が悪化することによりセッションが一旦中断されたとしても、電波信号の伝播状態が回復したときには当該セッションIDを互いに要求,応答確認することにより当該セッションIDのセッションを再開することもできる。
【0025】
このようにしてセッションIDを保持した状態で両ホストAおよび5間で通信が行われると、例えばTCP/IPにより通信を行う場合には、TCPヘッダ,IPヘッダ等が設定され最大セグメント長,ウィンドウサイズ等のTCP/IPパラメータが一旦設定された状態ではセッションが完全終了するまでは再設定することができないため、電波信号の伝播状態がどのように変化してもそのセッションが継続されてしまい、例えば1パケットのデータサイズを変更することができなくなり伝送効率が悪いこともある。
【0026】
例えば次のような例が挙げられる。前述したように1パケットのデータサイズが両ホストAおよび5間で比較的大きく(例えば1460オクテット)設定された状態で、両ホストAおよび5間で通信中に電波信号の伝播環境が悪化した場合を想定する。このとき、電波信号の伝播環境が悪化することにより受信データのパケットロスが生じると、特にコネクション型のTCP/IPを用いた通信が行われるとパケットの再送制御が行われるため、1パケットのデータサイズが比較的大きい場合には、1パケットのデータサイズが大きな設定のままセッションが完全終了するまで両ホストAおよび5間で通信することになる。このため伝送効率が悪くなる。特に車両に無線通信機器Aが搭載された状態で当該車両が道路などを走行中には、マルチパス、フェージング等の影響が時々刻々と変化し、電波信号に重畳するデータの品質劣化が激しくなり、より顕著に問題が現われる。
【0027】
そこで伝送効率を向上させるため、カーナビゲーション装置1側の制御回路1aは、仮想ソケット制御部において図3に示す処理を行う。図3は、無線通信装置A側の制御回路1aが行うセッション制御アルゴリズムをフローチャートで示している。尚、制御回路1aが仮想ソケット制御部で行う処理内容として、データの暗号/解読処理(セキュリティ処理),データ圧縮伸張処理等も挙げられるが、これらの処理については本発明に直接関連せず、従来のデータ通信技術と同様のため、その動作説明を省略する。
両ホストAおよび5間でコネクションが確立されセッションを開始するときに、無線通信装置Aは受信した電波信号のEc/Io(パイロット信号強度対全受信信号強度)のレベルを電波信号の受信状態として測定,算出する(S1〜S2)。そして、このEc/Ioのレベルが第1のしきい値以上のレベルで継続する時間が所定時間(例えば1〜数秒)以上であるか否かを判定することにより回復傾向にあるか否かを判定する(S3)。
【0028】
また、Ec/Ioのレベルが第2のしきい値以下のレベルで継続する時間が所定時間(例えば1〜数秒)以上であるか否かを判定することにより悪化傾向にあるか否かを判定する(S3)。尚、第2のしきい値は第1のしきい値よりも小さい。すなわち、ヒステリシス特性を有する判定特性に基づいて回復傾向にあるか悪化傾向にあるかを判定する。したがって、急激なEc/Ioのレベル変動に対応することがなくなるため、誤判定を防止することができる。
【0029】
また、Ec/Ioのレベルの傾向がこれらの何れにも属さない不感帯にある場合においては、この測定状態を継続し電波信号の受信および測定を繰り返す(S3:維持からS1〜S2)。
【0030】
回復傾向にあると判定された場合には、制御回路1aは、TCP/IPパラメータが高速通信用であるか否かを確認する(S4)。具体的には、TCP/IPパラメータのフラグを確認する。このとき、前述したようにTCP/IPパラメータのフラグは高速通信用に設定されており、1パケット1460オクテットで通信しているため、YESと判定される。制御回路1aは、TCP/IPにおいて輻輳制御により通信制限が行われているか否かを判定する(S5)。すなわち、輻輳制御によりTCP/IPセッションの数が制限されているか否かを判定する。
【0031】
通信制限中の場合にはS6において輻輳制御による通信制限を解除する。すなわち、TCP/IPのセッション数を増加するように設定し、S1から処理を繰り返す。S5において通信制限中でなければS6の処理を行うことなくS1に戻り処理を繰り返す。
【0032】
尚、輻輳制御とは、無線通信装置A側で通信開始初期には少ないセッションで設定しプロキシサーバ5との間で通信し、プロキシサーバ5側から確認応答(ACK)を受付けながらセッション数を増加または減少させて調整する制御を示している。
【0033】
すなわち、Ec/Ioのレベルの傾向が回復傾向で、かつTCP/IPパラメータが高速通信用に設定されている場合には、パケット数を最大限まで増加する制御を行うと共にセッション数を増加させて通信制御を行う。したがって、電波信号の受信状態が良好である場合には1パケット1460オクテット(最大限)まで増加させた状態で、さらにセッション数を増加させた状態で受信することができ、例えば膨大なデータを無線通信装置A側でダウンロードする際には効率的に受信することができ、高速通信することができる。
【0034】
さて、ここで電波信号の伝播環境が悪化した場合を想定すると、S3において、Ec/Ioのレベルの傾向が悪化傾向と判定される(S3:悪化)。さらに悪化傾向であることが所定時間(例えば、1秒)継続した場合には、制御回路1aはTCP/IPパラメータが低速通信用であるか否かを判定する(S8)。この時点では、TCP/IPパラメータのフラグが高速通信用に設定されているので、制御回路1aはNOと判定しS9〜S11の処理を行う。すなわち、セッションを切断し(S9)、低速通信用のTCP/IPパラメータを設定する(S10)と共に、TCP/IPパラメータのフラグを低速通信用に設定する。この場合、制御回路1aはプロキシサーバ5に当該データサイズで通信を行うことを要求する。プロキシサーバ5はこの通信要求を受付けると、無線通信装置Aに確認応答する。すると無線通信装置Aおよびプロキシサーバ5はセッションを開始する(S11)。
【0035】
S10の処理についてより詳細に説明すると、S10において、低速通信用のTCP/IPパラメータを設定する際には、1パケットを500〜600オクテット程度(デフォルト値)に最大セグメント長が設定されるようにヘッダの中のパラメータを設定する。このパラメータを設定する具体的方法としては、TCPヘッダのオプションフィールドで最大セグメント長を設定する方法が挙げられる。また、低速通信用のTCP/IPパラメータを設定する際には、ウィンドウサイズが例えば1となるようにTCPヘッダの中のウィンドウサイズフィールド(パラメータ)を設定する。
【0036】
すなわち、制御回路1aは、Ec/Ioのレベルの傾向が悪化傾向で,かつTCP/IPパラメータを低速通信用に設定した場合には、最大セグメント長を例えばデフォルト値の500〜600オクテット程度(例えば536オクテット)に設定し、ウィンドウサイズを例えば1に設定するように制御を行い、セッションを再度開始する。セッションを開始すると、1パケット500〜600オクテット程度で受信する。したがって、例えば電波信号の伝播環境が悪化した状態で無線通信装置A側で膨大なデータをダウンロードする場合に、たとえパケットロスしたとしても、1パケットのデータサイズが小さいため、各ホストAおよび5間のデータの再送制御に関わる時間が少なくなり、データ伝送効率の低下を極力防ぐことができる。これにより、ユーザの体感速度を向上させることができる。
S7において、Ec/Ioのレベルの傾向が悪化傾向にある時間が所定時間継続しない場合には(S7:NO)、輻輳制御により通信制限されているか否かを判定する(S12)ことで、セッション数が制限されているか否かを判定し、制限されていない場合には輻輳制御により通信制限を行い(S13)、セッション数を減少させる。
【0037】
したがって、S3において悪化傾向と判定された後、S7においてこの悪化傾向が所定時間継続しないため、低速通信用のTCP/IPパラメータに設定されなかったとしても、S12およびS13において輻輳制御により通信制限が行われるので、データ伝送効率の低下を極力防ぐことができる。尚、S8〜S11の間においても、輻輳制御により通信制限しセッション数を低減して設定するようにしても良い。
【0038】
さて、基地局3および無線通信装置A間の電波信号の伝播状態が悪化している状態でこの状態が悪化した状態から回復し、Ec/Ioの値が良化したことを想定して以下説明する。この場合、電波信号の伝播状態が悪化している状態では、TCP/IPパラメータは制御回路1aにより低速通信用に設定されるが、S3において回復傾向にあると判定すると、S4においてNOと判定される。このとき、制御回路1aはセッションを切断し、高速通信用のTCP/IPパラメータを設定し、プロキシサーバ5に当該データサイズで通信を行うことを要求する。プロキシサーバ5はこの通信要求を受付けると、無線通信装置Aに確認応答する。そして無線通信装置Aの制御回路1aはプロキシサーバ5との間でセッションを開始し(S14〜S16)、S1から処理を繰り返す。
【0039】
したがってS15において、TCP/IPパラメータを高速通信用に設定する際に、最大セグメント長1460オクテット、ウィンドウサイズを最大に設定することができるので、効率良くデータ伝送することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、カーナビゲーション装置1の制御回路1aは、仮想ソケット制御部において電波信号のEc/Ioレベルを測定,算出し、電波信号の受信状態が回復傾向であるか悪化傾向であるかを判定し、この結果に基づいて最大セグメント長,ウィンドウサイズに関わるTCP/IPパラメータを設定することにより1パケットのデータサイズを設定し、当該データサイズで通信することをプロキシサーバ5に要求し、当該要求が受付けられると、設定されたパケットのデータサイズでプロキシサーバ5およびカーナビゲーション装置1間で通信する。したがって、たとえ膨大なデータをダウンロードもしくはアップロードしている最中に電波信号の伝播状態が変動したとしても伝送効率を極力低下させることなく、これによりユーザの体感速度を向上することができる。
【0041】
言い換えると、制御回路1aは、仮想ソケット制御部において最大セグメント長,ウィンドウサイズのうち少なくとも何れか1つのパラメータを設定することによりデータサイズを設定するため、伝送効率を極力低下させることなく、ユーザの体感速度を向上することができる。
【0042】
尚、IPによるパケットの分割(フラグメント)機能やパケット長フィールド等を設定することにより、データサイズを変更設定するように構成しても良いが、この場合コネクション型のTCPでなくコネクションレス型のUDPを使用するとデータ消失する虞があるため、本実施形態のようにTCP/IPにおける最大セグメント長およびTCPヘッダのウィンドウサイズのTCP/IPパラメータによりパケットのデータサイズを変更設定し、可能な限り一度にデータを転送するように構成することが、より望ましい。
【0043】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような変形,拡張が可能である。
無線通信装置を無線通信モジュール2付カーナビゲーション装置1に適用した実施形態を示したが、他の移動体用無線通信装置,車載用無線通信装置,携帯電話機、PDA等に適用しても良い。
ダウンリンク(プロキシサーバ5側→無線通信装置Aにダウンロード)側が高速な非対称型の通信システムに適用することもできるし、アップリンク(無線通信装置A→プロキシサーバ5側にアップロード)側が高速な非対称型通信や対称型通信の通信システムにも適用することができる。
電波信号の受信状態を判定する手段として、Ec/Ioのレベルを測定,算出し所定のしきい値を基準として判定する実施形態を示したが、これは例えばRSSI(Receive Signal Strength Indicator;電界強度)、CIR(搬送波対干渉比,信号電力対干渉電力比,干渉レベル)、もしくはBER(Bit Error Rate),FER(Frame Error Rate)等の誤り率、を測定,算出し電波信号の受信状態を判定するようにしても良いし、これらのパラメータを組み合わせて判定するようにしても良い。
TCP/IPに限らず、他のプロトコルで行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す通信システムの概略的なブロック図
【図2】プロトコル構造を示す図
【図3】動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1はカーナビゲーション装置、1aは制御回路(判定手段、設定手段、通信手段)、2は無線通信モジュール(受信手段)、5はプロキシサーバ(サーバ,受付手段,通信手段)、7はコンテンツサーバ、8は携帯電話機(無線通信装置)、Aは無線通信装置、Sは通信システムである。

Claims (7)

  1. サーバと、電波信号を介して前記サーバとの間でデータ通信する無線通信装置とを備えた通信システムにおいて、
    前記無線通信装置は、
    前記サーバ側から送信される電波信号を受信する受信手段と、
    この受信手段により受信された電波信号の受信状態を判定する判定手段と、
    この判定手段により判定された電波信号の受信状態に基づいてOSI参照モデルにおける各層のいずれかで規定されるプロトコルのヘッダ中に含まれるパラメータを設定することによりデータサイズを設定する設定手段と、
    この設定手段により設定されたデータサイズで通信することを前記サーバに要求し当該要求が受付けられると当該データサイズで前記サーバとの間でデータ通信する通信手段と、を備え、
    前記サーバは、
    前記無線通信装置の設定手段により設定されたデータサイズで前記通信手段から通信することが要求されると当該データサイズでデータ通信することを受付ける受付手段と、
    この受付手段により受付けられたデータサイズで前記無線通信装置との間でデータ通信する通信手段を備えたことを特徴とする通信システム。
  2. 前記パラメータは、最大セグメント長,ウィンドウサイズに関わるTCP/IPパラメータであることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  3. 電波信号を介してサーバとの間でデータ通信する無線通信装置において、
    前記サーバ側から送信される電波信号を受信する受信手段と、
    この受信手段により受信された電波信号の受信状態を判定する判定手段と、
    この判定手段により判定された電波信号の受信状態に基づいてOSI参照モデルにおける各層のいずれかで規定されるプロトコルのヘッダ中に含まれるパラメータを設定することでデータサイズを設定する設定手段と、
    この設定手段により設定されたデータサイズで前記サーバとの間でデータ通信する通信手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  4. 前記パラメータは、最大セグメント長,ウィンドウサイズに関わるTCP/IPパラメータであることを特徴とする請求項3記載の無線通信装置。
  5. 電波信号を介して無線通信装置との間でデータ通信するサーバにおいて、
    当該サーバ側から送信される電波信号を受信した無線通信装置が当該電波信号の受信状態に基づいてOSI参照モデルにおける各層のいずれかで規定されるプロトコルのヘッダ中に含まれるパラメータを設定することでデータサイズを設定し当該データサイズで通信することが要求されると当該要求を受付ける受付手段と、
    この受付手段により受付けられたデータサイズで前記無線通信装置との間でデータ通信する通信手段とを備えたことを特徴とするサーバ。
  6. 前記パラメータは、最大セグメント長,ウィンドウサイズに関わるTCP/IPパラメータであることを特徴とする請求項5記載のサーバ。
  7. 電波信号を介してサーバとの間でデータ通信する無線通信装置のデータ通信方法において、
    前記サーバ側から送信される電波信号を受信するステップと、
    受信された電波信号の受信状態を判定するステップと、
    判定された電波信号の受信状態に基づいてOSI参照モデルにおける各層のいずれかで規定されるプロトコルのヘッダ中に含まれるパラメータを設定することでデータサイズを設定するステップと、
    設定されたデータサイズで前記サーバとの間でデータ通信するステップと、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置のデータ通信方法。
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