JP2005017423A - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】転写体の周方向の速度むらによる色ずれの発生を低減し、転写体を交換した場合でも、各色間の相対的な色ずれを効果的に補正し、色ずれの少ない良好なカラー画像を出力できるカラー画像形成装置を得る。
【解決手段】複数の光ビームを出射する光源と、光源から出射される複数の光ビームを偏向する偏向手段と、偏向された各光ビームが走査することにより露光され潜像が形成される複数の感光体と、各感光体に対してそれぞれ異なる色のトナーを供給して各色に対応する静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、各感光体のトナー像を順次転写して重ね合わせる転写体20と、を有するカラー画像形成装置。転写体20上もしくはこの転写体20を梱包するケースに、予め計測された周速度ずれを補正するための補正データ24が記録されている。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の光ビームを出射する光源と、光源から出射される複数の光ビームを偏向する偏向手段と、偏向された各光ビームが走査することにより露光され潜像が形成される複数の感光体と、各感光体に対してそれぞれ異なる色のトナーを供給して各色に対応する静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、各感光体のトナー像を順次転写して重ね合わせる転写体20と、を有するカラー画像形成装置。転写体20上もしくはこの転写体20を梱包するケースに、予め計測された周速度ずれを補正するための補正データ24が記録されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から出射される複数の光ビームを偏向し、感光体上で走査させて画像を形成し、かつ、各光ビームに対応する感光体上に色ごとの画像を形成してこれらを重ねて転写するカラー画像形成装置に関するもので、例えば、デジタルカラー複写機、カラーレーザプリンタなどに適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラーデジタル複写機やカラーレーザプリンタなどのカラー画像形成装置の高速化要求に伴い、複数の光走査光学系とこれに対応した数の感光体とを有するタンデム方式といわれるカラー画像形成装置が実用化されている。例えば、4つの感光体ドラムを記録紙の搬送方向に配列し、これらの各感光体ドラムに対応した複数の走査光学系で同時にそれぞれの感光体ドラム表面を走査して露光することによって潜像を形成する。これらの潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化したのち、これらの可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写し、カラー画像を得るようになっている。上記のようなカラー画像形成装置は、4ドラムタンデム方式といわれるものである。
【0003】
タンデムカラー画像形成装置の一例を図9に示す。図9において、装置内の下部側には水平方向に配設されて給紙カセット1から給紙される転写紙(図示せず)を搬送する搬送ベルト2が設けられている。この搬送ベルト2上にはイエローY用の感光体ドラム3Y,マゼンタM用の感光体ドラム3M,シアンC用の感光体ドラム3C及びブラックK用の感光体ドラム3Kが転写紙の搬送方向上流側から順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付けて区別するものとする。これらの感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスを順に実行するためのプロセス部材が順に配設されている。像担持体としての感光体ドラム3Yを例に採れば、帯電チャージャ4Y、走査結像光学系5Y、現像装置6Y、転写チャージャ7Y、クリーニング装置8Y等が順に配設されている。他の感光体ドラム3M,3C,3Kに対しても同様である。即ち、図9に示す例は、感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kの表面を各色毎に設定された被照射面乃至は被走査面とするものであり、各感光体ドラムに対して走査結像光学系が1対1の対応関係で設けられている。
【0004】
また、搬送ベルト2の周囲には、感光体ドラム5Yよりも転写紙搬送方向上流側に位置させてレジストローラ9と、ベルト帯電チャージャ10が設けられ、感光体5Kよりも下流側に位置させてベルト分離チャージャ11、除電チャージャ12、クリーニング装置66等が順に設けられている。また、ベルト分離チャージャ11よりも搬送方向下流側には定着装置67が設けられ、排紙トレイ15に向けて排紙ローラ68で結ばれている。
【0005】
このような概略構成において、例えば、フルカラーモード乃至は複数色モード時であれば、各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kに対して、Y,M,C,K用の各色の画像信号に基づき各々の走査結像光学系により光ビーム5Y,5M,5C,5Kの光走査が行われ、上記各感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々の対応する色トナーで現像されてトナー像となり、搬送ベルト2上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、フルカラー画像として定着された後、排紙される。また、黒色モード(単色モード)時であれば、感光体ドラム3Y,3M,3C及びそのプロセス部材は非動作状態とされ、感光体3Kに対してのみ黒色用の画像信号に基づき走査結像光学系5Kによる光ビームの光走査で静電潜像が形成される。この静電潜像は黒色トナーで現像されてトナー像となり、搬送ベルト2上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に転写されることにより、黒色なるモノクロ画像として定着された後、排紙される。
【0006】
なお、符号31M、32Mは2枚のレンズからなるfθレンズである。各fθレンズは光学ハウジング31に固定されているが、プレート33M上にfθレンズが載置され、プレート33Mが光学ハウジング31に固定されている。プレート33Mはfθレンズ31M、32Mの当接面側の全面又は一部と接触している。fθレンズ31M、32Mの材質は非球面形状が容易かつ低コストなプラスチック材質からなる。具体的には低吸水性や高透明性、成形性に優れた合成樹脂が好適である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
4ドラムタンデム方式は1ドラム方式に対して、カラー画像もモノクロ画像も同じ速度で出力することができるため、高速プリントに有利である。その反面、4つの感光体に対応した4つの走査光学系を有するため、画像形成装置の小型化が一つの課題となっている。また、各々の感光体表面で顕像化されたトナー像を転写体に転写する際の色ずれを低減することが課題となっている。
【0008】
上記色ずれには、副走査方向の色ずれと主走査方向の色ずれがある。副走査方向の色ずれの主な発生原因として以下のものが挙げられる。
・感光体の周方向(副走査方向)の送り速度むら
・転写体の周方向(副走査方向)の送り速度むら
・感光体相互間の位置誤差
・走査光学系相互間のビームスポット書き込み位置ずれ
【0009】
特に、上記転写体の周方向(副走査方向)の送り速度むらは、さらに以下の要因に分けられる。
a.転写ベルトの製造上の厚みムラ
b.転写体を駆動する、駆動ローラの偏心
上記a,bの要因は、個々の転写体ごとに異なるため、転写体の寿命などにより、転写ユニットを交換すると、交換後に大きな色ずれを発生するという問題があった。
【0010】
そこで従来は、例えば以下の対策がとられていた。
(1)画像形成装置の立ち上げ時すなわち電源スイッチをオンしたとき、または連続プリントの途中に、転写体上にY、M、C、Kの各色からなるトナーで基準マークを順次転写し、各色の基準マークずれを検知し、そのデータに基づいて色ずれ補正する。
(2)転写体の書込領域外にスリット状の等間隔の基準マークを全周に渡って設けておき、転写体駆動時の基準マークからの検知信号の変動を検知し、そのデータに基づいて色ずれ補正する。
【0011】
しかしながら、上記(1)の方法によれば、画像形成装置の立ち上げ時または連続プリントの途中に、トナーによる基準マークを書き込む必要があるため、トナー消費量が多くなり、ランニングコストが高くなるという難点がある。上記(2)の方法によれば、スリットを等間隔に例えば10μm以下程度に精度高く形成することは困難で、コスト高になる問題があった。
【0012】
そこで本発明は、複数の感光体を有し、各感光体上のトナー像を転写体に重ねて転写するカラー画像形成装置において、転写体の周方向の速度むらによる色ずれの発生を低減するとともに、転写体を交換した場合においても、各色間の相対的な色ずれを効果的に補正し、色ずれの少ない良好なカラー画像を出力できるカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
なお、本発明に関連のある先行技術として、副走査方向の画像書き込み開始位置のずれが大きくなり色ずれが生じるという課題を解決するために、中間転写基準信号とライン同期信号との位相関係に応じて、複数の光ビームのうち、感光体に最初に画像を書き込む光ビームを切り換えることにより、副走査方向の各色ごとの画像書き込み開始位置を調整して色ずれを補正する補正手段を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1記載の先行技術は、転写体の速度むらに起因する色ずれの問題に着目したものではなく、具体的な構成も本願発明とは異なっている。
【0014】
【特許文献1】
特開平10−239939号公報
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、タンデム方式のカラー画像形成装置において、転写体上もしくはこの転写体を梱包するケースに、予め計測された周速度ずれを補正するための補正データが記録されていることを特徴とする。
【0016】
時間軸上における転写体表面の周方向速度の変化を観測すると、図8(a)に示すように、転写体1周期に対して正弦状に変化するのが一般的である。そして、その振幅量ΔZおよびホームポジションから書き込み開始までの位相差Δtは、転写体によって固有の値になっている。
【0017】
そこで本発明は、転写体または梱包体に個々の転写体に固有の、計測された周速度ずれデータを予め記録しておき、例えば転写ユニット交換時に、例えば以下の方法で固有データを読み取るようにした。
1)転写ベルト上に記録されたバーコードなどの情報を読み取り、画像形成装置本体に記録する。
2)転写ユニットまたは梱包にラベルなどで記述された番号または記号などを画像形成装置の操作パネルから入力する。
こうして得られた転写体固有の速度ずれデータに基づき、転写体の周方向の速度むらを補正することにより、転写体に形成されるカラー画像の色ずれを補正することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかるカラー画像形成装置の実施形態について説明する。まず、請求項1記載の発明に対応する実施形態を説明する。図1、図2において、符号20は、転写体としての中間転写ベルトを示しており、この中間転写ベルト20は、図19について説明したように、並列的に配置された複数の感光体の直近下方に複数の感光体にまたがって配置されている。中間転写ベルト20は駆動ローラ21と従動ローラ22との間に掛け渡されるとともに、もう一つの従動ローラ23によって適宜の張力が付与されている。中間転写ベルト20には、上記各感光体に形成された対応する色のトナー像が重ねて転写されることによってカラー画像が形成されるようになっている。このカラー画像はさらに図示されない転写紙に転写され、この転写紙は定着部でトナーによるカラー画像が定着されて装置外に排出されるようになっている。なお、図9に示す例では、各感光体のトナー像が転写紙に重ねて転写されるように構成されていたが、図1、図2に示す実施形態では、上記のように、中間転写ベルト20が介在していて、中間転写ベルト20のカラー画像が転写紙に転写されるようになっている。
【0019】
上記中間転写ベルト20の表面には、予め計測された、その中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための補正データを表すバーコード24が、中間転写ベルト20の移動方向に沿って、かつ、トナーによる画像形成領域外に記録されている。上記駆動ローラ21の近傍には、上記バーコード24を読み込むためのセンサー25が配置されている。センサー25は、筐体26を有し、筐体26内には、LEDなどからなる発光素子27、この発光素子27からの照明光を集光して中間転写ベルト20の表面に照射するレンズ28、中間転写ベルト20の表面による反射光を集光する受光レンズ29、この受光レンズ29で集光された光を受光するフォトダイオードなどからなる受光素子30が組み込まれている。上記発光素子27によって照明され受光素子30で受光される領域に上記バーコード24が進入してくると、バーコード24に応じて受光素子30の検出出力が変化するので、受光素子30の検出出力によってバーコード24を読み取ることができる。読み取られたバーコード情報は、予め計測された中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための固有の補正データであるから、このデータを適宜のメモリーに記録しておく。
【0020】
なお、中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための補正データは、これを中間転写ベルト20の梱包に記録ないしは記述しておいてもよい。記述の方法は、例えば、補正データを記録したラベルを貼り付けてもよいし、梱包に直接印刷してもよい。補正データは数字でもよいし記号でもよい。梱包に記録ないしは記述された補正データを画像形成装置の操作パネルに設けられている操作ボタンなどの操作によって入力するようにし、入力データは画像形成装置のメモリーに記録しておく。
【0021】
こうして得られた個々の中間転写ベルト20固有データに基づき、中間転写ベルト20の周方向の速度むらを補正することにより、形成されるカラー画像の色ずれを補正することができる。図8(b)は、このようにして中間転写ベルト20の周方向の速度むらを補正したあとの色ずれの様子を示す。
【0022】
次に、請求項2記載の発明に対応する実施形態について説明する。この実施形態は、前記実施の形態のように転写体がベルトで構成されていることを特徴とし、かつ、個々の中間転写ベルト20固有の補正データに、転写体1周当たりの周期と振幅データを含んでいることを特徴とする。転写体1周当たりの周期とは、図8について既に説明したとおりであり、振幅データは図8(a)に示すΔZのことである。
【0023】
この実施形態においても、図8(b)に示すような、良好な色ずれ補正効果を得ることができる。また、中間転写ベルト20に補正データを記録する必要がなく、したがって補正データを読み取るセンサーも不要であるから、画像形成装置本体のレイアウトの自由度を高めることができ、コンパクトに収納することができる。さらに、中間転写ベルト20の厚みむらによる周方向速度変動の振幅と位相の変動データ、駆動ローラの加工誤差による振幅と位相の変動データなどを付加することで、さらに、精度の高い色補正を実現することも可能である。
【0024】
請求項3に対応する本発明の別の実施形態を図3に示す。図3に示す実施形態でも転写体として中間転写ベルト20を用いている。この中間転写ベルト20も、駆動軸に連結される駆動ローラ21、およびベルトが撓むことなくテンションを与えつつ駆動ローラ21に連れ回る二つの従動ローラ22、23で構成されている。この実施形態の特徴は、転写ベルト20の少なくとも一箇所に、ホームポジション検知用マーク35が標記されていることである。このホームポジション検知用マーク35を図示されない光学式センサーなどで検知し、これを検知した時点から、図8(a)に示す位相Δtのずれを補正する。
【0025】
なお、図1、図2に示すバーコード24は、これをホームポジション検知用マーク35として兼ねさせることもできる。ホームポジション検知用マーク35は、スリット状の黒色インク印刷でもよいし、中間転写ベルト20にスリット状の孔を開けることによって形成したものでもよい。このようなマークは、例えば、LEDを光源とする照明光の照射とフォトダイオードからなる受光素子で構成された検知センサーにより読み取ることができる。
本発明の上記実施形態は、上記ホームポジション検知用マーク35を基準として、前述の、予め計測された転写体の周速度ずれを補正するための補正データが記録されていることを特徴とする。
【0026】
次に、請求項4記載の発明に対応する実施形態について説明する。この実施形態は、転写体の周速度ずれを補正するための補正データに基づき、感光体上の露光位置を可変する色ずれ補正手段を有することを特徴とする。この色ずれ補正手段は、レーザー露光装置内の光学部品、例えば、レンズ、ミラー、プリズム等を駆動し、副走査対応方向にレーザービームをシフトすることにより色ずれ補正を行うことを特徴とする。
【0027】
その一例を図4、図5、図6、図7に示す。図5は光走査装置の部分と感光体および中間転写ベルトの部分を示す。各感光体ドラムと中間転写ベルトには、これまで説明してきた実施形態の対応する部材と同じ符号を付した。図5において、光源42は4つの半導体レーザーおよびカップリングレンズなどを有していて4つのレーザービームを出射するようになっている。4つのレーザービームは書き込み開始位置補正手段としての楔形状プリズム44を透過し、さらにシリンドリカルレンズを透過して、偏向手段としてのポリゴンミラー14に至るように構成されている。楔形状プリズム44はレーザービームごとに書き込み開始位置を補正することができるように、個別に姿勢を調整可能となっている。周知のとおり、レーザービームは上記シリンドリカルレンズによってポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像が結ばれる。
【0028】
ポリゴンミラー14は高速回転駆動され、上記各レーザービームを所定の角度範囲で等角速度的に偏向する。偏向された各レーザービームの進路上には走査光学系、光路を折り曲げるミラーが配置されていて、各レーザービームは、イエローに対応する画像を形成する感光体ドラム3Y、マゼンタに対応する画像を形成する感光体ドラム3M、シアンに対応する画像を形成する感光体ドラム3C、ブラックに対応する画像を形成する感光体ドラム3Kの表面上に、それぞれビームスポットとして収束されるとともに、各感光体表面を被走査面として回転中心軸線方向に走査するようになっている。各感光体表面上の走査は、上記走査光学系のfθ機能によって等速度的に行われる。このようにして各感光体ドラムがレーザービームで主走査方向に繰り返し走査され、これと同時に、各感光体ドラムが一定速度で回転駆動されることによって副走査が行われ、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は前述のようにして各感光体ドラムに対応した色のトナーで現像され、中間転写ベルト20に重ねて転写され、カラー画像が形成される。中間転写ベルト20のカラー像は図示されない転写紙に転写され、定着されて排出される。
【0029】
図5において、符号38は、レーザービームによる書き込み開始側の端部においてレーザービームを検出するビームスポット位置検出手段を示す。このビームスポット位置検出手段28によってレーザービームを検出した時点から所定時間後に、光源を構成する各半導体レーザーを書き込み信号での変調を開始することにより、感光体ドラムへの書き込みが開始される。符号39は、書き込み終了側の端部においてレーザービームを検出するビームスポット位置検出手段を示す。なお、図5では一つのレーザービームについてのビームスポット位置検出手段にのみ符号を付しているが、全てのレーザービームについて書き込み開始側と書き込み終了側に、ビームスポット位置検出手段が配置されている。
【0030】
図5において、楔形状プリズム44は、レーザービームによる書き込み開始位置補正手段であって、各レーザービームに対応する楔形状プリズムの姿勢を、略光軸回りに回転調整することにより、主走査方向のビームスポット位置を変えることができるようになっている。この楔形状プリズムの回転調整量は、前述の中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための補正データに基づく。その結果として、個々の色に対応した感光体ドラム上の潜像形成位置を副走査方向に微調整して、各色の画像が重ねられたカラー画像の色ずれを補正することができるようになっている。
【0031】
楔形状プリズム44の回転調整機構の具体例を図6、図7に示す。図6、図7において、楔形状プリズム44は枠体45によって保持されている。枠体45は適宜の保持手段によって、プリズム44を通るビームのほぼ光軸周りに回転することができるように保持されている。プリズム44の両面のなす角度をαとする。枠体45の一側縁部からはアーム46が突出していて、アーム46の下側にはナット48の先端が当たっている。ナット48はモータ47の回転出力軸に形成されたリードねじと螺合していて、モータ47によりリードねじが回転駆動されることにより、ナット48の高さ位置が変動するようになっている。上記アーム46は、バネ49によって上側から下に向かって付勢されている。したがって、モータ47によってナット48の位置が調整されることにより、楔形状プリズム44の回転位置が変わるようになっている。
【0032】
ナット48の変位量をΔxとすると、このときの枠体45およびプリズム44の回転量Δγは、枠体45の回転中心すなわち支点から、アーム46とナット48との接点すなわち作用点までの距離Rによって決まる。プリズム44の回転量をγとすると、プリズム44による光ビームの偏向量φは、楔形状プリズム44の両面のなす角度αによって決まる。このようにして、モータ47の回転を制御することにより、楔形状プリズム44の姿勢を微調整することができ、これによって、被走査面上における書き込み開始位置を微調整することができる。また、中間転写ベルト20の周速度ずれに応じて楔形状プリズム44の姿勢を調整することにより、中間転写ベルト20上の画像のずれを補正して、色ずれのない高品質のカラー画像を得ることができる。
【0033】
図5に示す実施形態では、光源42から偏向手段であるポリゴンミラー14に至る光路中に、楔形状のプリズム44をレーザービームごとに配置していたが、楔形状のプリズム44は一つのレーザービームに対応する一つのプリズムのみであってもよい。少なくとも1つの楔形状プリズムを略光軸回りに回転調整することにより、主走査方向のビームスポット位置を可変とすることができ、カラー画像の色ずれを補正することができる。また、このプリズム44の回転調整機構が書き込み開始位置補正手段としても機能し、転写の周速度ずれデータに基づき、画像データ書込み中に感光体上の主走査方向のビームスポット位置を制御することができる。
以上説明した実施形態によれば、図8(b)に示すように、特に振幅の大きい低周波の色ずれ成分を良好に補正して、色ずれの少ない高品質のカラー画像を得ることができる。
【0034】
次に、請求項5記載の発明に対応する実施形態について説明する。この実施形態は、予め計測された転写体の周速度ずれを補正するための補正データに基づいて色ずれを補正する補正手段の構成に特徴がある。すなわち、転写体を駆動するための駆動ローラの回転速度を変えることにより色ずれ補正を行うことを特徴とする。具体的には、図1〜図3に示すような構成の中間転写ベルト20において、上記補正データに基づき駆動ローラ21の回転速度を調整するようにする。駆動ローラ21に動力を伝える駆動手段であるモータ47がステッピングモータである場合は、その駆動パルスの単位時間当たりステップ数を、転写体の周速度ずれデータに基づいて変えることにより、中間転写ベルト20の表面の周速度が一定となるように制御する。
【0035】
次に、請求項6記載の発明に対応する実施形態について図4を参照しながら説明する。図4において、中間転写ベルト20、駆動ローラ21、従動ローラ22、23からなる構成は前述の実施形態と同じである。この実施形態の特徴は、中間転写ベルト20の表面に、その1周分にわたって各色トナー像の基準マーク50を順次転写し、各色の基準マーク50のずれを光学式センサー40で検知することにより、転写体の周速度ずれデータを計測し、そのデータをメモリーに格納するようにした点にある。また、転写体交換後に、上記メモリーに格納された周速度ずれデータに基づき色ずれ補正を行う色ずれ補正手段を有している点にある。上記基準マーク50は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーで形成された特定のパターンを一組として、これを転写ベルト20の1周にわたって形成する。また、図示の例では、転写ベルト20の幅方向両端部と中央部に上記パターンを形成している。これに応じてセンサー40も3組配置されている。センサー40は、図2について説明したような、発光素子と受光素子を有してなる光学式センサーで構成することができる。
【0036】
この実施形態によれば、中間転写ドラム1周分の、トナー像によるマーク50を形成するのは、基本的に中間転写ドラム20の交換時のみでよい。そのため、マーク50を形成するために消費されるトナー量はごく僅かであり、トナー消費によるランニングコストは殆ど問題とならない。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、転写体の周方向の速度むらによる色ずれの発生を低減することができるとともに、転写体の交換時においても、各色間の相対的な色ずれを効果的に補正することができ、色ずれの少ない良好なカラー画像を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な転写体の周速ずれ計測手段の一例を示す斜視図である。
【図2】上記転写体の周速ずれ計測手段の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な転写体の周速ずれ計測手段の別の例を示す斜視図である。
【図4】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な転写体の周速ずれ計測手段のさらに別の例を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な色ずれ補正手段を含む光走査装置と感光体および転写体の例を示す斜視図である。
【図6】上記色ずれ補正手段の側面断面図である。
【図7】上記色ずれ補正手段の正面図である。
【図8】転写体の速度変動と色ずれを示すもので、(a)は転写体上の速度変動を、(b)は転写体上の速度変動補正後の色ずれを示すグラフである。
【図9】タンデム方式カラー画像形成装置の一般的な例を概念的に示す正面図である。
【符号の説明】
3Y 感光体
3M 感光体
3C 感光体
3K 感光体
14 偏向手段としてのポリゴンミラー
20 中間転写ベルト
21 駆動ローラ
24 補正データを表すバーコード
25 センサー
35 ホームポジション検知用マーク
40 センサー
44 色ずれ補正手段としての楔形状プリズム
50 各色トナー像の基準マーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から出射される複数の光ビームを偏向し、感光体上で走査させて画像を形成し、かつ、各光ビームに対応する感光体上に色ごとの画像を形成してこれらを重ねて転写するカラー画像形成装置に関するもので、例えば、デジタルカラー複写機、カラーレーザプリンタなどに適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラーデジタル複写機やカラーレーザプリンタなどのカラー画像形成装置の高速化要求に伴い、複数の光走査光学系とこれに対応した数の感光体とを有するタンデム方式といわれるカラー画像形成装置が実用化されている。例えば、4つの感光体ドラムを記録紙の搬送方向に配列し、これらの各感光体ドラムに対応した複数の走査光学系で同時にそれぞれの感光体ドラム表面を走査して露光することによって潜像を形成する。これらの潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化したのち、これらの可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写し、カラー画像を得るようになっている。上記のようなカラー画像形成装置は、4ドラムタンデム方式といわれるものである。
【0003】
タンデムカラー画像形成装置の一例を図9に示す。図9において、装置内の下部側には水平方向に配設されて給紙カセット1から給紙される転写紙(図示せず)を搬送する搬送ベルト2が設けられている。この搬送ベルト2上にはイエローY用の感光体ドラム3Y,マゼンタM用の感光体ドラム3M,シアンC用の感光体ドラム3C及びブラックK用の感光体ドラム3Kが転写紙の搬送方向上流側から順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付けて区別するものとする。これらの感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスを順に実行するためのプロセス部材が順に配設されている。像担持体としての感光体ドラム3Yを例に採れば、帯電チャージャ4Y、走査結像光学系5Y、現像装置6Y、転写チャージャ7Y、クリーニング装置8Y等が順に配設されている。他の感光体ドラム3M,3C,3Kに対しても同様である。即ち、図9に示す例は、感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kの表面を各色毎に設定された被照射面乃至は被走査面とするものであり、各感光体ドラムに対して走査結像光学系が1対1の対応関係で設けられている。
【0004】
また、搬送ベルト2の周囲には、感光体ドラム5Yよりも転写紙搬送方向上流側に位置させてレジストローラ9と、ベルト帯電チャージャ10が設けられ、感光体5Kよりも下流側に位置させてベルト分離チャージャ11、除電チャージャ12、クリーニング装置66等が順に設けられている。また、ベルト分離チャージャ11よりも搬送方向下流側には定着装置67が設けられ、排紙トレイ15に向けて排紙ローラ68で結ばれている。
【0005】
このような概略構成において、例えば、フルカラーモード乃至は複数色モード時であれば、各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kに対して、Y,M,C,K用の各色の画像信号に基づき各々の走査結像光学系により光ビーム5Y,5M,5C,5Kの光走査が行われ、上記各感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々の対応する色トナーで現像されてトナー像となり、搬送ベルト2上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、フルカラー画像として定着された後、排紙される。また、黒色モード(単色モード)時であれば、感光体ドラム3Y,3M,3C及びそのプロセス部材は非動作状態とされ、感光体3Kに対してのみ黒色用の画像信号に基づき走査結像光学系5Kによる光ビームの光走査で静電潜像が形成される。この静電潜像は黒色トナーで現像されてトナー像となり、搬送ベルト2上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に転写されることにより、黒色なるモノクロ画像として定着された後、排紙される。
【0006】
なお、符号31M、32Mは2枚のレンズからなるfθレンズである。各fθレンズは光学ハウジング31に固定されているが、プレート33M上にfθレンズが載置され、プレート33Mが光学ハウジング31に固定されている。プレート33Mはfθレンズ31M、32Mの当接面側の全面又は一部と接触している。fθレンズ31M、32Mの材質は非球面形状が容易かつ低コストなプラスチック材質からなる。具体的には低吸水性や高透明性、成形性に優れた合成樹脂が好適である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
4ドラムタンデム方式は1ドラム方式に対して、カラー画像もモノクロ画像も同じ速度で出力することができるため、高速プリントに有利である。その反面、4つの感光体に対応した4つの走査光学系を有するため、画像形成装置の小型化が一つの課題となっている。また、各々の感光体表面で顕像化されたトナー像を転写体に転写する際の色ずれを低減することが課題となっている。
【0008】
上記色ずれには、副走査方向の色ずれと主走査方向の色ずれがある。副走査方向の色ずれの主な発生原因として以下のものが挙げられる。
・感光体の周方向(副走査方向)の送り速度むら
・転写体の周方向(副走査方向)の送り速度むら
・感光体相互間の位置誤差
・走査光学系相互間のビームスポット書き込み位置ずれ
【0009】
特に、上記転写体の周方向(副走査方向)の送り速度むらは、さらに以下の要因に分けられる。
a.転写ベルトの製造上の厚みムラ
b.転写体を駆動する、駆動ローラの偏心
上記a,bの要因は、個々の転写体ごとに異なるため、転写体の寿命などにより、転写ユニットを交換すると、交換後に大きな色ずれを発生するという問題があった。
【0010】
そこで従来は、例えば以下の対策がとられていた。
(1)画像形成装置の立ち上げ時すなわち電源スイッチをオンしたとき、または連続プリントの途中に、転写体上にY、M、C、Kの各色からなるトナーで基準マークを順次転写し、各色の基準マークずれを検知し、そのデータに基づいて色ずれ補正する。
(2)転写体の書込領域外にスリット状の等間隔の基準マークを全周に渡って設けておき、転写体駆動時の基準マークからの検知信号の変動を検知し、そのデータに基づいて色ずれ補正する。
【0011】
しかしながら、上記(1)の方法によれば、画像形成装置の立ち上げ時または連続プリントの途中に、トナーによる基準マークを書き込む必要があるため、トナー消費量が多くなり、ランニングコストが高くなるという難点がある。上記(2)の方法によれば、スリットを等間隔に例えば10μm以下程度に精度高く形成することは困難で、コスト高になる問題があった。
【0012】
そこで本発明は、複数の感光体を有し、各感光体上のトナー像を転写体に重ねて転写するカラー画像形成装置において、転写体の周方向の速度むらによる色ずれの発生を低減するとともに、転写体を交換した場合においても、各色間の相対的な色ずれを効果的に補正し、色ずれの少ない良好なカラー画像を出力できるカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
なお、本発明に関連のある先行技術として、副走査方向の画像書き込み開始位置のずれが大きくなり色ずれが生じるという課題を解決するために、中間転写基準信号とライン同期信号との位相関係に応じて、複数の光ビームのうち、感光体に最初に画像を書き込む光ビームを切り換えることにより、副走査方向の各色ごとの画像書き込み開始位置を調整して色ずれを補正する補正手段を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1記載の先行技術は、転写体の速度むらに起因する色ずれの問題に着目したものではなく、具体的な構成も本願発明とは異なっている。
【0014】
【特許文献1】
特開平10−239939号公報
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、タンデム方式のカラー画像形成装置において、転写体上もしくはこの転写体を梱包するケースに、予め計測された周速度ずれを補正するための補正データが記録されていることを特徴とする。
【0016】
時間軸上における転写体表面の周方向速度の変化を観測すると、図8(a)に示すように、転写体1周期に対して正弦状に変化するのが一般的である。そして、その振幅量ΔZおよびホームポジションから書き込み開始までの位相差Δtは、転写体によって固有の値になっている。
【0017】
そこで本発明は、転写体または梱包体に個々の転写体に固有の、計測された周速度ずれデータを予め記録しておき、例えば転写ユニット交換時に、例えば以下の方法で固有データを読み取るようにした。
1)転写ベルト上に記録されたバーコードなどの情報を読み取り、画像形成装置本体に記録する。
2)転写ユニットまたは梱包にラベルなどで記述された番号または記号などを画像形成装置の操作パネルから入力する。
こうして得られた転写体固有の速度ずれデータに基づき、転写体の周方向の速度むらを補正することにより、転写体に形成されるカラー画像の色ずれを補正することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかるカラー画像形成装置の実施形態について説明する。まず、請求項1記載の発明に対応する実施形態を説明する。図1、図2において、符号20は、転写体としての中間転写ベルトを示しており、この中間転写ベルト20は、図19について説明したように、並列的に配置された複数の感光体の直近下方に複数の感光体にまたがって配置されている。中間転写ベルト20は駆動ローラ21と従動ローラ22との間に掛け渡されるとともに、もう一つの従動ローラ23によって適宜の張力が付与されている。中間転写ベルト20には、上記各感光体に形成された対応する色のトナー像が重ねて転写されることによってカラー画像が形成されるようになっている。このカラー画像はさらに図示されない転写紙に転写され、この転写紙は定着部でトナーによるカラー画像が定着されて装置外に排出されるようになっている。なお、図9に示す例では、各感光体のトナー像が転写紙に重ねて転写されるように構成されていたが、図1、図2に示す実施形態では、上記のように、中間転写ベルト20が介在していて、中間転写ベルト20のカラー画像が転写紙に転写されるようになっている。
【0019】
上記中間転写ベルト20の表面には、予め計測された、その中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための補正データを表すバーコード24が、中間転写ベルト20の移動方向に沿って、かつ、トナーによる画像形成領域外に記録されている。上記駆動ローラ21の近傍には、上記バーコード24を読み込むためのセンサー25が配置されている。センサー25は、筐体26を有し、筐体26内には、LEDなどからなる発光素子27、この発光素子27からの照明光を集光して中間転写ベルト20の表面に照射するレンズ28、中間転写ベルト20の表面による反射光を集光する受光レンズ29、この受光レンズ29で集光された光を受光するフォトダイオードなどからなる受光素子30が組み込まれている。上記発光素子27によって照明され受光素子30で受光される領域に上記バーコード24が進入してくると、バーコード24に応じて受光素子30の検出出力が変化するので、受光素子30の検出出力によってバーコード24を読み取ることができる。読み取られたバーコード情報は、予め計測された中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための固有の補正データであるから、このデータを適宜のメモリーに記録しておく。
【0020】
なお、中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための補正データは、これを中間転写ベルト20の梱包に記録ないしは記述しておいてもよい。記述の方法は、例えば、補正データを記録したラベルを貼り付けてもよいし、梱包に直接印刷してもよい。補正データは数字でもよいし記号でもよい。梱包に記録ないしは記述された補正データを画像形成装置の操作パネルに設けられている操作ボタンなどの操作によって入力するようにし、入力データは画像形成装置のメモリーに記録しておく。
【0021】
こうして得られた個々の中間転写ベルト20固有データに基づき、中間転写ベルト20の周方向の速度むらを補正することにより、形成されるカラー画像の色ずれを補正することができる。図8(b)は、このようにして中間転写ベルト20の周方向の速度むらを補正したあとの色ずれの様子を示す。
【0022】
次に、請求項2記載の発明に対応する実施形態について説明する。この実施形態は、前記実施の形態のように転写体がベルトで構成されていることを特徴とし、かつ、個々の中間転写ベルト20固有の補正データに、転写体1周当たりの周期と振幅データを含んでいることを特徴とする。転写体1周当たりの周期とは、図8について既に説明したとおりであり、振幅データは図8(a)に示すΔZのことである。
【0023】
この実施形態においても、図8(b)に示すような、良好な色ずれ補正効果を得ることができる。また、中間転写ベルト20に補正データを記録する必要がなく、したがって補正データを読み取るセンサーも不要であるから、画像形成装置本体のレイアウトの自由度を高めることができ、コンパクトに収納することができる。さらに、中間転写ベルト20の厚みむらによる周方向速度変動の振幅と位相の変動データ、駆動ローラの加工誤差による振幅と位相の変動データなどを付加することで、さらに、精度の高い色補正を実現することも可能である。
【0024】
請求項3に対応する本発明の別の実施形態を図3に示す。図3に示す実施形態でも転写体として中間転写ベルト20を用いている。この中間転写ベルト20も、駆動軸に連結される駆動ローラ21、およびベルトが撓むことなくテンションを与えつつ駆動ローラ21に連れ回る二つの従動ローラ22、23で構成されている。この実施形態の特徴は、転写ベルト20の少なくとも一箇所に、ホームポジション検知用マーク35が標記されていることである。このホームポジション検知用マーク35を図示されない光学式センサーなどで検知し、これを検知した時点から、図8(a)に示す位相Δtのずれを補正する。
【0025】
なお、図1、図2に示すバーコード24は、これをホームポジション検知用マーク35として兼ねさせることもできる。ホームポジション検知用マーク35は、スリット状の黒色インク印刷でもよいし、中間転写ベルト20にスリット状の孔を開けることによって形成したものでもよい。このようなマークは、例えば、LEDを光源とする照明光の照射とフォトダイオードからなる受光素子で構成された検知センサーにより読み取ることができる。
本発明の上記実施形態は、上記ホームポジション検知用マーク35を基準として、前述の、予め計測された転写体の周速度ずれを補正するための補正データが記録されていることを特徴とする。
【0026】
次に、請求項4記載の発明に対応する実施形態について説明する。この実施形態は、転写体の周速度ずれを補正するための補正データに基づき、感光体上の露光位置を可変する色ずれ補正手段を有することを特徴とする。この色ずれ補正手段は、レーザー露光装置内の光学部品、例えば、レンズ、ミラー、プリズム等を駆動し、副走査対応方向にレーザービームをシフトすることにより色ずれ補正を行うことを特徴とする。
【0027】
その一例を図4、図5、図6、図7に示す。図5は光走査装置の部分と感光体および中間転写ベルトの部分を示す。各感光体ドラムと中間転写ベルトには、これまで説明してきた実施形態の対応する部材と同じ符号を付した。図5において、光源42は4つの半導体レーザーおよびカップリングレンズなどを有していて4つのレーザービームを出射するようになっている。4つのレーザービームは書き込み開始位置補正手段としての楔形状プリズム44を透過し、さらにシリンドリカルレンズを透過して、偏向手段としてのポリゴンミラー14に至るように構成されている。楔形状プリズム44はレーザービームごとに書き込み開始位置を補正することができるように、個別に姿勢を調整可能となっている。周知のとおり、レーザービームは上記シリンドリカルレンズによってポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像が結ばれる。
【0028】
ポリゴンミラー14は高速回転駆動され、上記各レーザービームを所定の角度範囲で等角速度的に偏向する。偏向された各レーザービームの進路上には走査光学系、光路を折り曲げるミラーが配置されていて、各レーザービームは、イエローに対応する画像を形成する感光体ドラム3Y、マゼンタに対応する画像を形成する感光体ドラム3M、シアンに対応する画像を形成する感光体ドラム3C、ブラックに対応する画像を形成する感光体ドラム3Kの表面上に、それぞれビームスポットとして収束されるとともに、各感光体表面を被走査面として回転中心軸線方向に走査するようになっている。各感光体表面上の走査は、上記走査光学系のfθ機能によって等速度的に行われる。このようにして各感光体ドラムがレーザービームで主走査方向に繰り返し走査され、これと同時に、各感光体ドラムが一定速度で回転駆動されることによって副走査が行われ、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は前述のようにして各感光体ドラムに対応した色のトナーで現像され、中間転写ベルト20に重ねて転写され、カラー画像が形成される。中間転写ベルト20のカラー像は図示されない転写紙に転写され、定着されて排出される。
【0029】
図5において、符号38は、レーザービームによる書き込み開始側の端部においてレーザービームを検出するビームスポット位置検出手段を示す。このビームスポット位置検出手段28によってレーザービームを検出した時点から所定時間後に、光源を構成する各半導体レーザーを書き込み信号での変調を開始することにより、感光体ドラムへの書き込みが開始される。符号39は、書き込み終了側の端部においてレーザービームを検出するビームスポット位置検出手段を示す。なお、図5では一つのレーザービームについてのビームスポット位置検出手段にのみ符号を付しているが、全てのレーザービームについて書き込み開始側と書き込み終了側に、ビームスポット位置検出手段が配置されている。
【0030】
図5において、楔形状プリズム44は、レーザービームによる書き込み開始位置補正手段であって、各レーザービームに対応する楔形状プリズムの姿勢を、略光軸回りに回転調整することにより、主走査方向のビームスポット位置を変えることができるようになっている。この楔形状プリズムの回転調整量は、前述の中間転写ベルト20固有の周速度ずれを補正するための補正データに基づく。その結果として、個々の色に対応した感光体ドラム上の潜像形成位置を副走査方向に微調整して、各色の画像が重ねられたカラー画像の色ずれを補正することができるようになっている。
【0031】
楔形状プリズム44の回転調整機構の具体例を図6、図7に示す。図6、図7において、楔形状プリズム44は枠体45によって保持されている。枠体45は適宜の保持手段によって、プリズム44を通るビームのほぼ光軸周りに回転することができるように保持されている。プリズム44の両面のなす角度をαとする。枠体45の一側縁部からはアーム46が突出していて、アーム46の下側にはナット48の先端が当たっている。ナット48はモータ47の回転出力軸に形成されたリードねじと螺合していて、モータ47によりリードねじが回転駆動されることにより、ナット48の高さ位置が変動するようになっている。上記アーム46は、バネ49によって上側から下に向かって付勢されている。したがって、モータ47によってナット48の位置が調整されることにより、楔形状プリズム44の回転位置が変わるようになっている。
【0032】
ナット48の変位量をΔxとすると、このときの枠体45およびプリズム44の回転量Δγは、枠体45の回転中心すなわち支点から、アーム46とナット48との接点すなわち作用点までの距離Rによって決まる。プリズム44の回転量をγとすると、プリズム44による光ビームの偏向量φは、楔形状プリズム44の両面のなす角度αによって決まる。このようにして、モータ47の回転を制御することにより、楔形状プリズム44の姿勢を微調整することができ、これによって、被走査面上における書き込み開始位置を微調整することができる。また、中間転写ベルト20の周速度ずれに応じて楔形状プリズム44の姿勢を調整することにより、中間転写ベルト20上の画像のずれを補正して、色ずれのない高品質のカラー画像を得ることができる。
【0033】
図5に示す実施形態では、光源42から偏向手段であるポリゴンミラー14に至る光路中に、楔形状のプリズム44をレーザービームごとに配置していたが、楔形状のプリズム44は一つのレーザービームに対応する一つのプリズムのみであってもよい。少なくとも1つの楔形状プリズムを略光軸回りに回転調整することにより、主走査方向のビームスポット位置を可変とすることができ、カラー画像の色ずれを補正することができる。また、このプリズム44の回転調整機構が書き込み開始位置補正手段としても機能し、転写の周速度ずれデータに基づき、画像データ書込み中に感光体上の主走査方向のビームスポット位置を制御することができる。
以上説明した実施形態によれば、図8(b)に示すように、特に振幅の大きい低周波の色ずれ成分を良好に補正して、色ずれの少ない高品質のカラー画像を得ることができる。
【0034】
次に、請求項5記載の発明に対応する実施形態について説明する。この実施形態は、予め計測された転写体の周速度ずれを補正するための補正データに基づいて色ずれを補正する補正手段の構成に特徴がある。すなわち、転写体を駆動するための駆動ローラの回転速度を変えることにより色ずれ補正を行うことを特徴とする。具体的には、図1〜図3に示すような構成の中間転写ベルト20において、上記補正データに基づき駆動ローラ21の回転速度を調整するようにする。駆動ローラ21に動力を伝える駆動手段であるモータ47がステッピングモータである場合は、その駆動パルスの単位時間当たりステップ数を、転写体の周速度ずれデータに基づいて変えることにより、中間転写ベルト20の表面の周速度が一定となるように制御する。
【0035】
次に、請求項6記載の発明に対応する実施形態について図4を参照しながら説明する。図4において、中間転写ベルト20、駆動ローラ21、従動ローラ22、23からなる構成は前述の実施形態と同じである。この実施形態の特徴は、中間転写ベルト20の表面に、その1周分にわたって各色トナー像の基準マーク50を順次転写し、各色の基準マーク50のずれを光学式センサー40で検知することにより、転写体の周速度ずれデータを計測し、そのデータをメモリーに格納するようにした点にある。また、転写体交換後に、上記メモリーに格納された周速度ずれデータに基づき色ずれ補正を行う色ずれ補正手段を有している点にある。上記基準マーク50は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーで形成された特定のパターンを一組として、これを転写ベルト20の1周にわたって形成する。また、図示の例では、転写ベルト20の幅方向両端部と中央部に上記パターンを形成している。これに応じてセンサー40も3組配置されている。センサー40は、図2について説明したような、発光素子と受光素子を有してなる光学式センサーで構成することができる。
【0036】
この実施形態によれば、中間転写ドラム1周分の、トナー像によるマーク50を形成するのは、基本的に中間転写ドラム20の交換時のみでよい。そのため、マーク50を形成するために消費されるトナー量はごく僅かであり、トナー消費によるランニングコストは殆ど問題とならない。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、転写体の周方向の速度むらによる色ずれの発生を低減することができるとともに、転写体の交換時においても、各色間の相対的な色ずれを効果的に補正することができ、色ずれの少ない良好なカラー画像を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な転写体の周速ずれ計測手段の一例を示す斜視図である。
【図2】上記転写体の周速ずれ計測手段の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な転写体の周速ずれ計測手段の別の例を示す斜視図である。
【図4】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な転写体の周速ずれ計測手段のさらに別の例を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかるカラー画像形成装置に適用可能な色ずれ補正手段を含む光走査装置と感光体および転写体の例を示す斜視図である。
【図6】上記色ずれ補正手段の側面断面図である。
【図7】上記色ずれ補正手段の正面図である。
【図8】転写体の速度変動と色ずれを示すもので、(a)は転写体上の速度変動を、(b)は転写体上の速度変動補正後の色ずれを示すグラフである。
【図9】タンデム方式カラー画像形成装置の一般的な例を概念的に示す正面図である。
【符号の説明】
3Y 感光体
3M 感光体
3C 感光体
3K 感光体
14 偏向手段としてのポリゴンミラー
20 中間転写ベルト
21 駆動ローラ
24 補正データを表すバーコード
25 センサー
35 ホームポジション検知用マーク
40 センサー
44 色ずれ補正手段としての楔形状プリズム
50 各色トナー像の基準マーク
Claims (6)
- 複数の光ビームを出射する光源と、光源から出射される複数の光ビームを偏向する偏向手段と、偏向された各光ビームが走査することにより露光され潜像が形成される複数の感光体と、各感光体に対してそれぞれ異なる色のトナーを供給して各色に対応する静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、各感光体のトナー像を順次転写して重ね合わせる転写体と、を有するカラー画像形成装置において、
上記転写体上もしくはこの転写体を梱包するケースに、予め計測された周速度ずれを補正するための補正データが記録されていることを特徴とするカラー画像形成装置。 - 請求項1記載のカラー画像形成装置において、転写体はベルトで構成されており、上記補正データは転写体1周当たりの周期と振幅データを含んでいることを特徴とするカラー画像形成装置。
- 請求項1記載のカラー画像形成装置において、転写体は、画像形成領域外の少なくとも一箇所にホームポジションを検知するためのホームポジション検知用マークを有し、上記補正データはホームポジションを基準とするデータを含んでいることを特徴とするカラー画像形成装置。
- 請求項1記載のカラー画像形成装置において、補正データに基づき、感光体上の露光位置を可変する色ずれ補正手段を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 請求項1記載のカラー画像形成装置において、補正データに基づき、転写体の周速を周期的に可変する色ずれ補正手段を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
- 複数の光ビームを出射する光源と、光源から出射される複数の光ビームを偏向する偏向手段と、偏向された各光ビームが走査することにより露光され潜像が形成される複数の感光体と、各感光体に対してそれぞれ異なる色のトナーを供給して各色に対応する静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、各感光体のトナー像を順次転写して重ね合わせる転写体と、を有するカラー画像形成装置において、
感光体交換時に、転写体上の1周分に各色トナー像の基準マークを順次転写し、各色の基準マークずれを検知することにより転写体の周速度ずれデータを計測する計測手段と、
計測手段により計測した上記周速度ずれデータを格納するメモリーと、
転写体交換後に、上記メモリーに格納された周速度ずれデータに基づき色ずれ補正を行う色ずれ補正手段と、を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
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