JP2005017131A - 微粒子分離デバイス、微粒子分離選別装置、微粒子分離方法 - Google Patents

微粒子分離デバイス、微粒子分離選別装置、微粒子分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第1通路と第2通路とが結合する交差域において微粒子が詰まるおそれを低減または回避させることができる微粒子分離デバイス、微粒子分離選別装置、微粒子分離方法を提供する。
【解決手段】微粒子分離デバイスは、多数の微粒子7を含む微粒子含有液体10を流す第1通路1と、第1通路1にこれと交差する交差域5を介して連通すると共に第1通路1の微粒子含有液体10の流れを交差域5において分断させ、微粒子7を含有する多数の液滴70を形成する分断用液状物20を流す第2通路2とを具備する。第1通路1を流れる微粒子7を第1通路1の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流す微粒子寄せ手段3が設けられている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微粒子含有液体の微粒子を分離する微粒子分離デバイス、微粒子分離デバイスを搭載するまたは搭載可能な微粒子分離選別装置、微粒子分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液滴を生成させる技術として、特許文献1には、微粒子を含有する微粒子含有液体を流すノズル部にヒータを装備し、ヒータの発熱によりノズル内で気泡を発生させ、気泡圧により、微粒子含有液体の一部を分断させて液滴としてノズル部の先端から吐出させる粒子測定装置が開示されている。このものによれば、生成された液体に含有される微粒子にレーザビームを照射し、微粒子に関する情報を検知する。
【0003】
更に、液滴を生成させる技術として、非特許文献1には、水系の液体を流す第1通路と、第1通路にこれと交差域を介して交差するように連通する第2通路とを具備するものが知られている。このものによれば、水系の液体を第1通路に流すと共に、疎水性を有する油系の分断用液状物を第2通路に流す。これにより油系の分断用液状物によって交差域における水系の液体にせん断力を与える。この結果、第1通路の水系の液体の流れを交差域において分断し、以て水系の多数の液滴を油系の分断用液状物の内部に分散させた状態で生成する技術が開示されている。非特許文献1によれば、生成される多数の液滴はすべて液成分であり、微粒子を含むものではない。
【0004】
【特許文献1】特開平3−122548号公報の第1図
【非特許文献1】『Formation of Liquid Droplets in a MicrochannelNetwork for Microreactor Applications 』, PROCEEDINGS OF THE 19THSENSOR SYMPOSIUM, 2002. PP.131−134
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特許文献1に係る粒子測定装置によれば、第1通路と第2通路との交差域において、せん断力により微粒子含有液体の流れを分断させて液滴を生成する分断方式を採用するものではない。また、上記した非特許文献1によれば、前述したように、生成される液滴はすべて液成分であり、微粒子を含むものではない。
【0006】
本出願人は、近年、微粒子を含有する液滴を生成させる際に、上記した非特許文献1に係る技術を適用することを試みている(本出願時に未公知)。このものによれば、微粒子を含有する液滴を良好に生成することができる。しかしながら非特許文献1に係る技術を適用するだけでは、微粒子を含有する液滴を安定的に生成するのは容易ではない。
【0007】
図11は、微粒子を含有する液滴の生成において非特許文献1に係る技術を適用した状態を模式的に示す。図11に示すように、微粒子7Xを含む水系の液体10Xを第1通路1Xに矢印B3方向に流すと共に、疎水性を有する分断用液状物20Xを第2通路2Xに矢印A1方向に流す。これにより分断用液状物20Xによって、交差域5X付近の水系の液体10Xにせん断力を与える。このように第1通路1Xを流れる微粒子含有液体10Xの流れを交差域5Xにおいて分断させるため、微粒子7Xを含有する液滴70Xが生成されるはずである。
【0008】
しかしながら生成条件の如何によっては、第1通路1Xと第2通路2Xとが結合する交差域5Xにおいて、微粒子7Xの詰まりが発生する頻度が高くなる。この場合、微粒子7Xを含有する液滴70Xを良好に生成させるには好ましくない。微粒子7Xに関する情報を後工程で検知すること等を考慮すると、1個の液滴70Xには1個の微粒子7Xを含有させることが好ましい。しかし上記したように交差域5Xにおいて微粒子7Xの詰まりが生じると、液滴70Xの生成に支障を来たしたり、更に、1個の液滴70Xに1個の微粒子7Xを含有させることは困難となる。
【0009】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、第1通路と第2通路との交差域において微粒子含有液体の流れをせん断力で分断させる分断方式を前提としつつ、第1通路と第2通路とが結合する交差域において微粒子が詰まるおそれを低減または回避させることができる微粒子分離デバイス、微粒子分離選別装置、微粒子分離方法を提供することを課題とするにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した課題のもとに微粒子分離デバイス、微粒子分離選別装置、微粒子分離方法について鋭意開発を進めている。そして、(a)第1通路と第2通路とが結合する交差域において微粒子が詰まるのは、交差域付近において、微粒子含有液体の液体成分と分断用液状物との界面の挙動の影響で、微粒子の旋回が発生し易いこと、(b)交差域付近における微粒子の旋回が発生すると、旋回する微粒子と、後から流れてくる微粒子とが衝突しやすくなり、この衝突により詰まりが発生すること、(c)第1通路を流れる微粒子含有液体に含まれている微粒子が交差域に到達するまでに、第1通路を流れる微粒子を第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流せば、上記した交差域付近における微粒子の旋回が抑制され、ひいては交差域において微粒子が詰まる確率を低減またはなくすことができることを知見し、試験で確認した。本発明は上記した試験に基づいてなされたものである。
【0011】
(1)第1発明に係る微粒子分離デバイスは、多数の微粒子を含む微粒子含有液体を流す第1通路と、第1通路にこれと交差する交差域を介して連通すると共に前記第1通路の微粒子含有液体の流れを交差域において分断させ、微粒子を含有する多数の液滴を形成する分断用液状物を流す第2通路とを具備する微粒子分離デバイスにおいて、
第1通路を流れる微粒子を第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流す微粒子寄せ手段を具備することを特徴とするものである。
【0012】
第1通路を流れる微粒子は、微粒子寄せ手段により第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられる。これにより第1通路と第2通路とが結合する交差域の付近において、微粒子の旋回が抑制される。この結果、第1通路を流れる微粒子は第2通路内に円滑に吐出されることになる。このため、交差域の付近において微粒子が詰まるおそれは低減または回避される。これにより微粒子を含有する液滴が良好に生成され、ひいては微粒子が良好に分離される。
【0013】
(2)第2発明に係る微粒子分離選別装置は、多数の微粒子を含む微粒子含有液体を分断させて微粒子を間隔を隔てて流す分断部と、
分断部で分断された微粒子を選別する選別部とを具備する微粒子分離選別装置において、
分断部は、多数の微粒子を含む微粒子含有液体を流す第1通路と、第1通路にこれと交差する交差域を介して連通すると共に第1通路の微粒子含有液体の流れを交差域において分断させ、微粒子を含有する多数の液滴を形成する分断用液状物を流す第2通路とを具備し、更に、
第1通路を流れる微粒子を第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流す微粒子寄せ手段を具備することを特徴とするものである。
【0014】
第1通路を流れる微粒子は、微粒子寄せ手段により第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられる。これにより第1通路と第2通路とが結合する交差域の付近において、微粒子の旋回が抑制される。この結果、第1通路を流れる微粒子は第2通路内に円滑に吐出されることになる。このため、交差域の付近において微粒子が詰まるおそれは低減または回避される。これにより微粒子を含有する液滴が良好に生成され、ひいては微粒子が良好に分離される。
【0015】
(3)第3発明に係る微粒子分離方法は、第1通路と、第1通路にこれと交差する交差域を介して連通する第2通路とを用い、微粒子含有液体を第1通路に流すと共に分断用液状物を第2通路に流し、交差域において分断用液状物により微粒子含有液体を分断させ、微粒子を含有する多数の液滴を生成する微粒子分離方法であり、
微粒子含有液体が第1通路を流れるとき、微粒子含有液体に含まれている微粒子を、微粒子寄せ手段により、第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流すことを特徴とするものである。
【0016】
微粒子含有液体が第1通路を流れるとき、第1通路を流れる微粒子は第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられる。これにより第1通路と第2通路とが結合する交差域の付近において、微粒子の旋回が抑制される。この結果、第1通路を流れる微粒子は第2通路内に円滑に吐出されることになる。このため、交差域の付近において微粒子が詰まるおそれは低減または回避される。これにより微粒子を含有する液滴が良好に生成され、ひいては微粒子が良好に分離される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、第2通路は第1通路に交差する。交差するとは、第1通路と第2通路とが交わるように連通するという意味である。第1通路と、第2通路のうち交差域よりも上流域の通路部分との交差角度は適宜選択できるが、一般的には90度、または、90度近傍とすることができるが、これに限定されるものでなく、90度以下、90度以上でも良い。第1通路及び第2通路はT字形状に交差していても良いし、場合によっては、十文字形状に交差していても良いし、Y形状に交差していても良い。
【0018】
第1通路及び第2通路は溝状または密閉通路状とすることができる。即ち、第1通路及び第2通路は通路の流れ方向と直交する方向に切断した断面において、第1通路及び第2通路は、第1通路及び第2通路を包囲する包囲蓋部で覆われている形態を例示することができる。この場合、第1通路及び第2通路における流路面積が安定化し、第1通路及び第2通路における流れの安定性が確保され、液滴の分断性が向上する。更に、流れの安定性が確保されるため、微粒子を第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せる操作を安定させることができる。
【0019】
微粒子寄せ手段は、第1通路を流れる微粒子を第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せる機能を有するものである。微粒子寄せ手段は、第1通路に合流すると共に、第1通路を流れる微粒子を合流後に第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せる寄せ用液体を流す第3通路を有することができる。第3通路を流れる寄せ用液体により、第1通路を流れる微粒子含有液体は、第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられる。第3通路を流れる寄せ用液体の材質としては、多数の微粒子を含む微粒子含有液体の液体成分と同一または同系のものを採用することができる。この場合、微粒子含有液体の液体成分と寄せ用流体との拡散を抑えることができ、微粒子の挙動を安定化させるのに有利である。場合によっては、寄せ用液体の材質としては、微粒子含有液体の液体成分と異なる系統の液体とすることもできる。
【0020】
また、微粒子寄せ手段は、第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に設けられ、第1通路を流れる微粒子を電圧の印加に伴い第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せる電極を有することができる。ここで、第1通路を流れる微粒子含有液体は微粒子と液体成分とを有する。微粒子含有液体を構成する微粒子の誘電率とこの液体成分の誘電率との差が大きく、且つ、微粒子の誘電率が液体成分の誘電率よりも大きいとき、誘電率が大きい微粒子は電極に引き寄せられる。この結果、第1通路を流れる微粒子を電圧の印加に伴い電極側に寄せることができ、つまり、第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せることができる。
【0021】
また、微粒子が磁性体である場合には、微粒子寄せ手段は、第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に設けられた磁石装置(電磁石または永久磁石)で形成することもできる。この場合、第1通路を流れる微粒子は、磁石装置により第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられて流れる。
【0022】
本発明の対象とする微粒子としては、粉末微粒子、細胞類のいずれかである形態を例示することができる。粉末微粒子としては、樹脂系、金属系、セラミックス系等を例示できる。細胞類としては、細胞自体の他に、細胞構成物質、細胞関連物質、オルガネラも含み、血球細胞(白血球、赤血球、血小板等)、動物細胞(培養細胞、単離組織等)、植物細胞、微生物(細菌、原虫、菌類等)、海洋生物(プランクトン等)、精子、酵母、ミトコンドリア、核、蛋白質、DNAやRNA等の核酸、抗体等が例示される。
【0023】
第1通路を流れる微粒子含有液体は、多数の微粒子を含有する液体であり、細胞懸濁液を例示することができる。細胞懸濁液は細胞を含有する液の意味であり、液体成分と、液体成分に含有された多数の細胞とを有する。この液体成分としては細胞緩衝液、生理食塩水、細胞等張液、培養液等を例示できるが、詰まりにくいものが好ましい。一般的に、細胞は親水性をもつので、細胞懸濁液を構成する液体成分としては、親水性をもつものを採用することができる。
【0024】
第2通路に流す分断用液状物は、第1通路の微粒子含有液体にせん断力を与えて、微粒子含有液体を細かく分断させるものである。分断用液状物としては、微粒子含有液体を形成する液体成分に対して溶解性が低い液体である形態を例示することができる。従って、微粒子含有液体を構成する液体成分が水系であるときには、第2通路を流れる液状物は、水に対して溶解性が低い油系とすることができる。従って、分断用液状物としては油等が例示される。油としてはひまわり油、オリーブ油、きり油、あまに油、シリコーンオイル、ミネラルオイル等を例示できる。油は潤滑性に富むため、第2通路における微粒子の通過性を向上させることができる。
【0025】
分断により生成される液滴の平均径としては、微粒子の種類によっても相違するものの、1〜800μm、殊に2〜200μm、4〜100μmを例示することができるが、これに限定されるものではない。
【0026】
本発明に係る微粒子分離デバイスは、好ましくは、第1通路及び第2通路は、共通基部に形成されている形態を例示することができる。第3通路が設けられているときには、第3通路も共通基部に形成されている形態を例示することができる。共通基部の材質としては、アクリル樹脂等の樹脂、ガラス、シリコン、金属(例えば鉄系、アルミ系、チタン系)等が例示される。微粒子に関する情報を検知するために、レーザビーム等の電磁波を液滴に照射するときには、レーザビーム等の電磁波を良好に透過させ得る材料が好ましく、例えば透明材料が好ましい。
【0027】
第1通路の通路幅は、細胞含有液滴等の微粒子含有液体が通過できる大きさである必要があり、微粒子の種類によっても相違するものの、1〜900μm、殊に2〜500μm、5〜300μmを例示することができるが、これに限定されるものではない。なお、第1通路及び第2通路の形成にあたり、成形型部分で一体成形しても良いし、切削可能な材質のときにはエンドミル等の工具により切削加工しても良いし、エッチング可能な材質のときにはエッチング処理で形成しても良いし、レーザビーム等の高エネルギビームにより加工しても良い。
【0028】
本発明に係る微粒子分離選別装置は、多数の微粒子を含む微粒子含有液体を分断させて微粒子を間隔を隔てて流す分断部と、分断部で分断された微粒子を選別する選別部とを備える。選別部は分断させた細胞等の微粒子を選別するものである。本発明によれば、好ましくは、分断部で分断された微粒子に対して検知処理を行って微粒子に関する情報を検知する情報検知部を有することができる。情報検知部としては、第2通路を流れる微粒子を含有する液滴に電磁波を当て、微粒子を含有する液滴に含まれている微粒子に関する情報を検知する形態を採用することができる。電磁波としては光を採用することができる。光としては、指向性に優れたレーザビームが好ましい。光の方向、波長、強度の一定性が高いためである。レーザビームとしては、アルゴンレーザ、ヘリウムネオンレーザ、ヘリウム・ネオンレーザ、ヘリウム・カドミウムレーザ、ガリウム・アルミニウムレーザ等を例示できる。微粒子に関する情報としては、電磁波を当てることにより検知できるどのような情報でも良い。例えば、電磁波を当ててその散乱光を受光するような場合には、微粒子の密度や寸法等の情報が得られる。電磁波を励起光として当ててそれらによる蛍光状態を見るような場合には、細胞等の微粒子の発現状況等の情報が得られ易い。従って、情報検知部としては、好ましくは、第2通路を流れる細胞含有液滴等の微粒子を含有する液滴にレーザビーム等の電磁波を当て、細胞含有液滴等の微粒子を含有する液滴に含まれている細胞等の微粒子からの蛍光等を検出し、細胞等の微粒子に関する情報を蛍光等に基づいて検知する形態を採用することができる。この場合、励起されると蛍光を発する物質を細胞等の微粒子に予め担持させておくことができる。
【0029】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を参照して具体的に説明する。本実施例に係る微粒子分離デバイスは、多数の微粒子7を含む微粒子含有液体10を流す第1通路1と、第1通路1にこれとT字形状をなすように交差する交差域5を介して連通する第2通路2とを備えている。第1通路1の下流域の先端部11と第2通路2とはほぼ直交状態に交差しているが、直交状態に限定されるものではない。
【0030】
微粒子分離デバイスには、第1通路1を流れる微粒子7を第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に寄せて流す微粒子寄せ手段3が設けられている。微粒子寄せ手段3は第3通路4で形成されている。第3通路4は、第1通路1よりも第2通路2の上流側に配置されており、第1通路1の途中にある合流域6で第1通路1に合流する。
【0031】
本実施例によれば、第1通路1のうち合流域6よりも上流域の基端部13は、円弧状に曲走されている。これにより第1通路1を流れる微粒子含有液体10の流れは円滑化される。第1通路1の基端部13の始端13a側では、第2通路2を流れる液状物20の流れと逆向き(矢印B1方向)に微粒子含有液体10が供給される。第3通路4のうち合流域6よりも上流域の基端部43は、円弧状に曲走されている。これにより第3通路4を流れる寄せ用液体40の流れは円滑化される。第3通路4の基端部43の始端43a側では、第2通路2を流れる分断用液状物20の流れと同じ向き(矢印D1方向)に寄せ用流体40が供給される。
【0032】
ここで、第1通路1のうち合流域6よりも上流域の基端部13の流路断面積をS1とし、第3通路4のうち交差域5よりも上流域の基端部43の流路断面積をS3とし、第1通路1のうち合流域6よりも下流域の流路断面積をSとすると、S=S1+S3の関係、またはS≒S1+S3の関係、またはS<S1+S3の関係となるように設定されている。
【0033】
使用の際には、分断用液状物20を第2通路2に矢印A1方向に流しつつ、第1通路1に微粒子含有液体10を矢印B1方向,矢印B2方向に流す。微粒子含有液体10としては、微粒子7として機能できる細胞類を含む水を主要成分とする細胞懸濁液を採用することができる。分断用液状物20としては疎水性を有する液状物、例えば油類、フルオロカーボンを採用することができる。
【0034】
第1通路1を流れる微粒子含有液体10の流れが交差域5に到達すると、微粒子含有液体10は、第2通路2の分断用液状物20によりせん断力によって交差域5において分断される。これにより微粒子7が封入された液滴70が連続的に生成される。微粒子7を含有する液滴70の液体成分は水系であり、分断用液状物20は疎水性を有するため、微粒子7を含有する液滴70はいわゆるwater−in−oil型の液滴となる。生成された液滴70は、第2通路2を下流に向けて矢印A2方向に流れる。液滴70と液滴70との間は、分断用液状物20が存在する。分断用液状物20は疎水性を有するため、水を主要成分とする液滴70に混じることが抑えられ、液滴70は安定して下流側に流れる。
【0035】
本実施例によれば、寄せ用液体40(図1においてハッチングに示す領域)が第3通路4に第1通路1との合流域6に向けて矢印D1方向に供給されると、合流域6の以降において、第3通路4を流れる寄せ用液体40は、第1通路1を流れる微粒子含有液体10と合流し、合流域6の以降においては微粒子含有液体10と並走する。このとき、第3通路4の寄せ用液体40は、第1通路1を流れる微粒子含有液体10を、第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に寄せる作用を果たす。この結果、第1通路1の合流域6の以降においては、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7は、第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に寄せられた状態で交差域5に向けて流れる。従って、交差域5に微粒子7が到達したとき、従来技術とは異なり、微粒子7が交差域5において旋回することは低減または回避される。
【0036】
このため、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7は、交差域5から円滑に第2通路2に吐出されることになり、微粒子7を含有する液滴70が良好に生成される。上記したように本実施例によれば、交差域5における微粒子7の旋回が低減または回避されるため、微粒子を含有する液滴70が良好に且つ安定的に生成される。よって、1個の液滴あたり1個の微粒子7を含ませる1液滴・1微粒子7の方式を実現することができる。このため後処理において、液滴70に含まれる微粒子7に関する情報を個別に検知したり、液滴70に含まれる微粒子7を個別に判別したりするのに有利である。
【0037】
なお本実施例によれば、寄せ用液体40としては、微粒子含有液体10の液体成分と寄せ用液体40との拡散を抑え、円滑な流れを得るため等には、微粒子含有液体10の液体成分(水系)と同一または同系のものを採用することが好ましい。
【0038】
本実施例によれば、微粒子含有液体10が第1通路1を流れるとき、寄せ用液体40が第3通路4を流れるとき、層流の度合が高いことが好ましい。これを考慮し、微粒子含有液体10が第1通路1を流れるときにおけるレイノルズ数、寄せ用液体40が第3通路4を流れるときにおけるレイノルズ数を設定することが好ましい。
【0039】
図2に示すように、微粒子分離デバイスはアクリル樹脂等の樹脂またはガラスで形成されている。微粒子分離デバイスは、第1通路1,第2通路2,第3通路4を有する共通基部80と、共通基部80を閉鎖する包囲蓋部82とを有する。第1通路1,第2通路2,第3通路4の流れ方向と直交する方向に切断した断面において、第1通路1,第2通路2,第3通路4の上面開口は、包囲蓋部82により覆われている。これにより第1通路1,第2通路2,第3通路4の各流路面積は安定化し、ひいては第1通路1,第2通路2,第3通路4の各流れは安定化する。このため交差域5における液滴生成条件の安定化が図られ、液滴70を安定したサイズで良好に生成させることができる。故に、1個の液滴あたり1個の微粒子7を含ませる操作が容易となる。更に本実施例によれば、包囲壁部82により第2通路2,第3通路4の各流れは安定化するため、第3通路4の寄せ用液体40は、第1通路1を流れる微粒子含有液体10を第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に安定的に寄せることができる効果を奏し、1個の液滴70あたり1個の微粒子7を含ませる操作が一層容易となる。
【0040】
第2通路2を流れる分断用液状物20としては、微粒子含有液体10を構成する液体成分(水系)に対して溶解性が低い液体とされている。これにより微粒子含有液体10を形成する液体と分断用液状物20との混合や拡散が抑制され、微粒子7を含有する液滴70を良好に生成させることができる。なお、微粒子含有液体10を形成する液体が水または水系であるときには、第2通路2を流れる分断用液状物20は油系、フルオロカーボン等とすることができる。
【0041】
本発明者は上記した第1実施例に基づいて試験を行い、第2通路2の分断用液状物20により第1通路1の微粒子含有液体10が交差域5において分断され、多数の液滴70が良好に且つ安定的に生成されることを確認した。交差域5において微粒子7の旋回が抑えられていることも確認した。
【0042】
この試験によれば、微粒子含有液体10として、樹脂製の微粒子7(平均サイズ:約1.84μm)を水に含有させたものを用いた。分断用液状物20としてシリコーンオイルを用いた。第3通路4に供給される寄せ用液体40として水系の細胞培養液を用いた。そして、第1通路1のうち合流域6よりも上流の基端部13の流路断面積(S1)のサイズを140μm幅×160μm深さとし、第3通路4のうち合流域6よりも上流の基端部43の流路断面積(S3)のサイズを140μm幅×160μm深さとし、第1通路1のうち合流域6よりも下流の流路断面積(S)のサイズを140μm幅×160μm深さとした。単位時間あたりの微粒子含有液体10の流量を10マイクロリットル/分とした。単位時間あたりの分断用液状物20の流量を10マイクロリットル/分とした。
【0043】
(第2実施例)
図3は本発明の第2実施例を示す。本実施例は前記した第1実施例と基本的には同様の構成、作用効果を有する。同一機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、異なる部分を中心として説明する。本実施例に係る微粒子分離デバイスによれば、図3に示すように、第3通路4の配置は第1実施例の場合と逆にされている。つまり、第3通路4は、第1通路1よりも第2通路2の下流側に位置している。第3通路4は、第1通路1を流れる微粒子7を第1通路1の通路幅方向において他方側(矢印C2方向)に寄せて流す。
【0044】
本実施例によれば、第3通路4に寄せ用液体40が第1通路1との合流域6に向けて矢印B1方向に供給されると、合流域6の以降において、第3通路4の寄せ用液体40は、第1通路1を流れる微粒子含有液体10と合流し、微粒子含有液体10と並走する。このとき、第3通路4の寄せ用液体40は、第1通路1を流れる微粒子含有液体10を、第1通路1の通路幅方向において他方側(矢印C2方向)に寄せる。この結果、第1通路1の合流域6の以降においては、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7は、第1通路1の通路幅方向において他方側(矢印C2方向)に寄せられた状態で交差域5に向けて流れる。従って、交差域5に微粒子7が到達したとき、微粒子7が交差域5において旋回することは、低減または回避される。
【0045】
このため、微粒子7は交差域5から第2通路2に円滑に吐出されることになり、微粒子7を含有する液滴70が良好に且つ安定的に生成される。よって、1個の液滴あたり1個の微粒子7を含ませる1液滴・1微粒子7の方式を実現することができる。
【0046】
(第3実施例)
図4,図5は本発明の第3実施例を示す。本実施例は前記した第1実施例と基本的には同様の構成、作用効果を有する。同一機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、異なる部分を中心として説明する。本実施例に係る微粒子分離デバイスは、図4に示すように、第1通路1を流れる微粒子7を第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に寄せて流す微粒子寄せ手段3Cが設けられている。微粒子寄せ手段3Cは電極9Cを有する。図4に示すように、電極9Cは、第1通路1の上流側では第1通路1の通路幅方向の全体にわたって設けられており、第1通路1の下流側では第1通路1の通路幅方向の一方側に設けられている。電極9Cは互いに対向するように2個1組とされており、第1通路1の上下に絶縁膜90を介して配置されている。
【0047】
使用の際には、分断用液状物20を第2通路2に矢印A1方向に流しつつ、第1通路1に微粒子含有液体10を矢印B3方向に流す。第1通路1を流れる微粒子含有液体10の流れが、第2通路2の液状物20によりせん断力によって交差域5において分断され、微粒子7を含有する液滴70が生成される。生成された液滴70は第2通路2を下流に向けて矢印A2方向に流れる。
【0048】
本実施例によれば、微粒子含有液体10に含まれている液体成分の誘電率と微粒子7の誘電率との間に所定以上の差があり、且つ、微粒子含有液体10に含まれている液体成分の誘電率よりも微粒子7の誘電率が高いときには、電極9Cに電圧を印加すると、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7は、電極9C間を電極9Cの形状にほぼ沿って流される。この結果、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7は、第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に寄せられて流れることになる。従って、第1通路1と第2通路2とを連通させる交差域5に微粒子7が到達したときにおいて、微粒子7が交差域5において旋回することは、低減または回避される。
【0049】
このため、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7は、交差域5から第2通路2に円滑に吐出されることになり、微粒子7を含有する液滴70が良好に生成される。上記したように本実施例によれば、交差域5における微粒子7の旋回が低減または回避されるため、微粒子7を含有する液滴70が良好に且つ安定的に生成される。よって、1個の液滴あたり1個の微粒子7を含ませる1液滴・1微粒子7の方式を実現することができる。電極9Cに印加する電圧としては直流でも良いが、交流が好ましい。なお、微粒子寄せ手段3Cを構成する電極9Cには、第1通路1の通路幅方向において他方側に設けられていても良い。
【0050】
(適用例)
図6は前記した第1実施例を適用した適用例を示す。図6に示すように、この微粒子分離選別装置は、多数の微粒子7を含む微粒子含有液体10を分断させ、微粒子7を含有する液滴70を間隔を隔てて下流(矢印A2方向)に向けて流す分断部100と、分断部100で分断された液滴70を検知してカウントする液滴カウント部200と、液滴カウント部200でカウントされた液滴70に含まれている微粒子7に対して検知処理を行って微粒子7に関する情報を検知する情報検知部300と、情報検知部300で検知された情報に基づいて液滴70の微粒子7を選別する選別部400とを有する。分断部100は、第1実施例に係る微粒子分離デバイスと基本的に同様であるため、説明を省略する。同一機能を奏する部位には共通の符号を付する。
【0051】
情報検知部300は第2通路2の検知位置2r付近に設けられている。情報検知部300は光学的検知方式を採用しており、先端部が第2通路2の検知位置2rに対面する光ファイバ301と、光ファイバ301の他端部に電磁波としての励起用のレーザビーム(検査光)を投光するレーザ素子を有する投光部302と、レーザビームにより細胞で励起されて発光した蛍光を受光する受光部303と、受光部303における受光信号に基づいて細胞に関する情報を検知する検知部304とを有する。このように光ファイバ301の先端部を検知位置2rの微粒子7を含有する液滴70に接近状態で対面させるため、光学系の情報検知部300の本体を、邪魔にならないように液滴70から離れた位置に設けることができる。
【0052】
選別部400は、第2通路2のうち検知位置2rよりも下流側に設けられている。この選別部400は、第2通路2を下流(矢印A2方向)に向けて流れる微粒子7を含有する液滴70に電荷を付与する帯電部410と、電荷を付与した液滴70を選別するソータ部450とで形成されている。ソータ部450は、第2通路2の通路幅方向に間隔を隔てて配置された第1選別用電極451と第2選別用電極452とで形成されている。情報検知部300で微粒子7に対する情報が検知された微粒子7を含有する液滴70は、帯電部410に到達すると、当該情報に基づいて、帯電部410により液滴70は正または負に帯電される。即ち、ある特性をもつ微粒子7を含有する液滴70は負に帯電される。あるいは、別の特性をもつ微粒子7を含有する液滴70は正に帯電される。
【0053】
帯電された微粒子7を含有する液滴70がソータ部450に到達すると、微粒子7を含有する液滴70は第1分岐通路24または第2分岐通路25に区分けされる。微粒子7を含有する液滴70が負に帯電されている場合、液滴70を第1分岐通路24に移行させるときには、第1選別用電極451に正の電圧を印加させる。これにより微粒子7を含有する液滴70は第1選別用電極451側に吸引され、ひいては第1分岐通路24に流れる。また微粒子7を含有する液滴70を第2分岐通路25に移行させるときには、第2選別用電極452に正の電圧を印加させる。これにより微粒子7を含有する液滴70は第2選別用電極452側に吸引され、ひいては第2分岐通路25に流れる。
【0054】
また微粒子7を含有する液滴70が正に帯電されている場合、その微粒子7を含有する液滴70を第1分岐通路24に移行させるときには、第1選別用電極451に負の電圧を印加させる。これにより微粒子7を含有する液滴70は第1選別用電極451側に吸引され、ひいては第1分岐通路24に流れる。また微粒子7を含有する液滴70を第2分岐通路25に移行させるときには、第2選別用電極452を負の電圧を印加させる。これにより微粒子7を含有する液滴70は第2選別用電極452側に吸引され、ひいては第2分岐通路25に流れる。これにより微粒子7の判別を行うことができる。
【0055】
従って、微粒子含有液体10が細胞懸濁液である場合には、液滴70としての細胞含有液滴が分断部100において生成され、その細胞含有液滴が情報検知部300の集光位置に到達すると、情報検知部300の投光部302から光ファイバ301を経て投光された検知光としてのレーザビームは、細胞含有液滴の細胞に集光する。この結果、レーザビームが照射された細胞に予め担持されている蛍光物質が励起される。励起されて発する蛍光は、光ファイバ301を介して受光部303に受光される。これにより検知位置2rに到達している細胞含有液滴の細胞が目標細胞であるか否か、情報検知部300によって検知される。検知した細胞含有液滴の細胞が目標細胞である場合には、制御系は目標細胞信号を出力し、細胞含有液滴を帯電部410によって適宜帯電させる。検知した細胞含有液滴の細胞が目標細胞でない場合には、制御系は非目標細胞信号を出力する。
【0056】
(第4実施例)
図7,図8は本発明の第4実施例を示す。本実施例は前記した第1実施例と基本的には同様の構成、作用効果を有する。同一機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、異なる部分を中心として説明する。本実施例に係る微粒子分離デバイスは、図7,図8に示すように、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7を第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に寄せて流す微粒子寄せ手段3Dが設けられている。微粒子寄せ手段3Dは、第1通路1の通路幅方向において一方側に設けられた電極9Dで構成されている。電極9Dは互いに対向するように2個1組とされており、第1通路1の上下に絶縁膜90を介して配置されている。
【0057】
本実施例によれば、第1通路1を流れる微粒子含有液体10に含まれている微粒子7は予め帯電しているか、前処理としての帯電処理により帯電されている。微粒子7の電荷と逆の極性をもつ電圧を電源98から電極9Dに印加すると、第1通路1を流れる微粒子7はクーロン力により電極9D側に引き寄せられる。つまり、第1通路1を流れる微粒子7は、微粒子7の流れ方向と交差する方向に引き寄せられる。この結果、第1通路1を流れる微粒子7は、第1通路1の通路幅方向において一方側(矢印C1方向)に寄せられて流れる。従って、交差域5に微粒子7が到達したときにおいて、微粒子7が交差域5において旋回することは、低減または回避される。このため、第1通路1を流れる微粒子7は、交差域5から円滑に第2通路2に吐出され、微粒子7を含有する液滴70が良好に且つ安定的に生成される。よって、1個の液滴あたり1個の微粒子7を含ませる1液滴・1微粒子7の方式を実現することができる。なお、微粒子寄せ手段3Dを構成する電極9Dは、第1通路1の通路幅方向において他方側に設けられていても良い。
【0058】
(第5実施例)
図9,図10は本発明の第5実施例を示す。本実施例は前記した第1実施例と基本的には同様の構成、作用効果を有する。同一機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、異なる部分を中心として説明する。本実施例に係る微粒子分離デバイスによれば、図9,図10に示すように、第1通路1の通路幅のほぼ中央域に案内壁16が仕切のように第1通路1に沿って形成されている。案内壁16は第1通路1において合流域6よりも下流の通路方向に沿って矢印Y1,Y2方向にスライド可能に延設されている。微粒子含有液体10の流れと寄せ用流体40の流れが安定しにくく、層流化が高くないときには、案内壁16を突出方向(矢印Y1方向)に変位させ、微粒子含有液体10の流れと寄せ用流体40の流れとの仕切性を高める。これに対して、微粒子含有液体10の流れと寄せ用流体40の流れが安定したときには、案内壁16を退避方向(矢印Y2方向)に退避させて仕切性を低下させることができる。
【0059】
(その他)
上記した実施例、適用例によれば、分断用液状物20としては、油に限らず、フッ素系不活性液体(登録商標:フロリナート)を用いることもできる。適用例によれば、情報検知部300は、光ファイバ301と、光ファイバ301にレーザビームを投光するレーザ素子を有する投光部302と、蛍光を受光する受光部303と、受光部303における受光信号に基づいて細胞に関する情報を検知する検知部304とを有する形態されているが、これに限定されるものではない。
【0060】
上記した実施例及び適用例によれば、1個の微粒子7を含有する微粒子を含有する液滴70は、分断用液状物20と共に、均等間隔で一列に整列して第2通路2の下流に向けて流れるが、場合によっては、液滴70は複数の微粒子7を含有する形態でも良い。1個の細胞を含有する細胞含有液滴は、分断用液状物20と共に、均等間隔で一列に整列して第2通路2の下流に向けて流れるが、場合によっては、細胞含有液滴は複数の細胞を含有する形態でも良い。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように第1発明に係る微粒子分離デバイスによれば、第1通路を流れる微粒子は、微粒子寄せ手段により第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられる。これにより交差域の付近において微粒子の旋回が抑制される。この結果、第1通路を流れる微粒子は第2通路内に円滑に吐出されることになる。このため、交差域の付近において微粒子が詰まるおそれは低減または回避される。これにより微粒子を含有する液滴が良好に且つ安定的に生成され、ひいては微粒子が良好に分離される。更に1個の液滴に含まれている微粒子を1個にする1液滴・1微粒子の方式を実現させるのに有利となる。
【0062】
第2発明に係る微粒子分離選別装置によれば、第1通路を流れる微粒子は、微粒子寄せ手段により第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられる。これにより交差域の付近において微粒子の旋回が抑制される。この結果、第1通路を流れる微粒子は第2通路内に円滑に吐出されることになる。このため、交差域の付近において微粒子が詰まるおそれは低減または回避される。これにより微粒子を含有する液滴が良好に且つ安定的に生成され、ひいては微粒子が良好に分離される。更に1個の液滴に含まれている微粒子を1個にする1液滴・1微粒子の方式を実現させるのに有利となる。これにより情報検知部で微粒子に関する情報を検知する際に、微粒子に関する情報を良好に検知することができる。
【0063】
第3発明に係る微粒子分離デバイスによれば、微粒子含有液体が第1通路を流れるとき、第1通路を流れる微粒子は第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せられる。これにより交差域の付近において微粒子の旋回が抑制される。この結果、第1通路を流れる微粒子は第2通路内に円滑に吐出されることになる。このため、交差域の付近において微粒子が詰まるおそれは低減または回避される。これにより微粒子を含有する液滴が良好に且つ安定的に生成され、ひいては微粒子が良好に分離される。更に、1個の液滴に含まれている微粒子を1個にする1液滴・1微粒子の方式を実現させるのに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す構成図である。
【図2】第1実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す断面図である。
【図3】第2実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す構成図である。
【図4】第3実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す構成図である。
【図5】第3実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す部分断面図である。
【図6】適用例を示し、微粒子分離選別装置を模式的に示す平面図である。
【図7】第4実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す構成図である。
【図8】第4実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す断面図である。
【図9】第5実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す構成図である。
【図10】第5実施例の微粒子分離デバイスを模式的に示す断面図である。
【図11】先行技術を適用した液滴生成デバイス(本出願時に未公知)を模式的に示す構成図である。
【符号の説明】
図中、1は第1通路、10は微粒子含有液体、2は第2通路、20は分断用液状物、3は微粒子寄せ手段、4は第3通路、40は寄せ用液体、5は交差域、6は合流域、7は微粒子、70は微粒子を含有する液滴、100は分断部、300は情報検知部、400は選別部を示す。

Claims (8)

  1. 多数の微粒子を含む微粒子含有液体を流す第1通路と、前記第1通路にこれと交差する交差域を介して連通すると共に前記第1通路の微粒子含有液体の流れを前記交差域において分断させ、前記微粒子を含有する多数の液滴を形成する分断用液状物を流す第2通路とを具備する微粒子分離デバイスにおいて、
    前記第1通路を流れる前記微粒子を前記第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流す微粒子寄せ手段を具備することを特徴とする微粒子分離デバイス。
  2. 請求項1において、前記微粒子寄せ手段は、
    前記第1通路に合流させると共に前記第1通路を流れる微粒子を合流後に前記第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せる寄せ用液体を流す第3通路を有することを特徴とする微粒子分離デバイス。
  3. 請求項1において、前記微粒子寄せ手段は、
    前記第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に設けられ、前記第1通路を流れる微粒子を電圧の印加に伴い前記第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せる電極を有することを特徴とする微粒子分離デバイス。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、第1通路の流れ方向と直交する方向に切断した断面において、前記第1通路及び前記第2通路は、前記第1通路及び前記第2通路を包囲する包囲蓋部で覆われていることを特徴とする微粒子分離デバイス。
  5. 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、前記微粒子は細胞類であり、前記分断用液状物は、前記微粒子含有液体を生成する液体成分に対して溶解性が低い液体であることを特徴とする微粒子分離デバイス。
  6. 多数の微粒子を含む微粒子含有液体を分断させて微粒子を間隔を隔てて流す分断部と、
    前記分断部で分断された微粒子を選別する選別部とを具備する微粒子分離選別装置において、
    前記分断部は、
    多数の微粒子を含む微粒子含有液体を流す第1通路と、前記第1通路にこれと交差する交差域を介して連通すると共に前記第1通路の微粒子含有液体の流れを前記交差域において分断させ、前記微粒子を含有する多数の液滴を形成する分断用液状物を流す第2通路とを具備し、更に、
    前記第1通路を流れる前記微粒子を前記第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流す微粒子寄せ手段を具備することを特徴とする微粒子分離選別装置。
  7. 請求項6において、前記分断部で分断された前記微粒子に対して検知処理を行って前記微粒子に関する情報を検知する情報検知部を有することを特徴とする微粒子分離選別装置。
  8. 第1通路と、前記第1通路にこれと交差する交差域を介して連通する第2通路とを用い、微粒子含有液体を前記第1通路に流すと共に分断用液状物を前記第2通路に流し、前記交差域において前記分断用液状物により前記微粒子含有液体を分断させ、微粒子を含有する多数の液滴を生成する微粒子分離方法であり、
    前記微粒子含有液体が前記第1通路を流れるとき、前記微粒子含有液体に含まれている前記微粒子を、微粒子寄せ手段により、前記第1通路の通路幅方向において一方側または他方側に寄せて流すことを特徴とする微粒子分離方法。
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