【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行可能な車体上に取り付けられたブームと、ブームの先端部に取り付けられた杭打ち装置等からなる作業装置とを有する杭打ち作業車の作業範囲規制装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
軟弱な地盤において鋼管等のような杭状のものを地中深く打ち込んで建物の基礎とする打込作業を行うための杭打ち作業車は、一般に、走行可能な車体上に旋回自在な旋回台を設け、旋回台に起伏および伸縮動が自在なブームを取り付け、ブームに設けられたウィンチ機構やシーブにワイヤを巻き掛けて吊り上げ作業を行う吊り上げ装置や、ブームの先端に取り付けられて打込作業を行う杭打ち装置といった作業装置が備えられている。このような打込作業は、打ち込むための杭部材を地面に向けて下方に延ばした状態で、この杭部材の一端をこの杭打ち装置に取り付け、車体に設けられた油圧モータ等により杭打ち装置内のオーガ減速機を回転駆動させて杭部材を回転させながらブームの倒伏動による押し込み力により地面に打ち込むことで行われる。
【０００３】
このような杭部材の打込作業においては、杭打ち装置に取り付けられた杭部材が地面に対して常に垂直に打ち込まれるようにする必要があるため、特許文献１に記載されているように、杭打ち作業車にはブームの起伏角度を検出する起伏角検出器と、ブームの伸長量を検出する伸長量検出器とを備えられ、これらの検出器による検出値に基いて、杭部材の地面への打込量に応じてブームの伸長量を自動的に制御することで、杭部材を地面に対して常に垂直移動できるようにするための制御装置（垂直誘導装置）が設けられているものがある。
【０００４】
【特許文献１】
特開平８−３２６４５８号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ブームを所定の長さ以上に伸長させて（ブームを杭打ち作業車に対して所定の半径以上に伸ばすことでブームの作業半径が大きくなって）強いブームの押し込み力により打込作業を行う場合に、この押し込み力に応じて杭部材を介してブームに作用する地面からの反力によりブームに作用するブームモーメントが大きくなってブームに掛かる負荷が大きくなり、この負荷がブームの強度を超えるとブームを損傷させるおそれがある、という問題があった。
【０００６】
また、押し込み力はブームの基端部に設けられた起伏シリンダの収縮動に伴うブームの倒伏動により発生するため、ブームが長く伸長すればするほど（ブームの作業半径が大きくなればなるほど）ブームの先端部の杭部材は起伏シリンダからの距離が大きくなって、杭部材に対して強い押し込み力は得られない。このため、所望の強い押し込み力により打込作業を行う場合には、ブームを所定の長さ以上に伸長させないようにブームの作業半径を規制する必要があった。
【０００７】
このような問題を回避するため、従来は、取扱説明書や車体に取り付けられた銘板にブームを作動させることの可能なブーム作業範囲を表示して注意を促したり、ブームが所定の長さに達したか否か（ブームが当該ブーム作業範囲内にあるか否か）を現場の作業者の判断に委ねることで、ブームを所定の長さ以上に伸長させないようにしていた。
【０００８】
以上のような問題に鑑みて、本発明においては杭部材からブームに掛かる過負荷を防止するために、あるいは強い押し込み力により打込作業が行えるように、ブームの作動を所定の作業範囲内に規制する杭打ち作業車の作業範囲規制装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記課題を解決するために本発明に係る杭打ち作業車の作業範囲規制装置は、走行可能な車体上に起伏、旋回、伸縮動自在に取り付けられたブームと、ブームの先端に取り付けられ杭部材の打込作業を行う杭打ち装置とを備えた杭打ち作業車の作業範囲規制装置において、ブームの強度に応じて打込作業を行う杭部材打込モードと所定のブームの押し込み力で打込作業を行う所定押し込み力杭部材打込モードとを切り替える作業モード切替手段（例えば、実施形態における作業モード切替スイッチ５２）と、作業モードに応じてブームの作動が可能なブーム作業範囲を予め設定して記憶した作業範囲記憶手段（例えば、実施形態における作業範囲記憶回路６１）と、作業モード切替手段の切り替え操作により作業モードに応じたブーム作業範囲を切り替え表示する表示手段（例えば、実施形態における表示モニタ６４）とを有することを特徴とする。
【００１０】
上記構成の杭打ち作業車の作業範囲規制装置によれば、打込作業の作業モードに応じたブームの作動が可能な所定の作業範囲を予め設定しておいて、この作業モードに応じた作業範囲を表示手段により表示させることができる。このため、ブームを大きく伸長させて各作業モードにより杭部材の打込作業を行おうとするときに、現場の作業者は、ブームが作業範囲を超える所定の長さに達したか否か（ブームが当該ブーム作業範囲内にあるか否か）を常に確認しながら作業を行うことができる。
【００１１】
また、上記構成の杭打ち作業車の作業範囲規制装置において、ブームの起伏角度を検出する起伏角検出手段（例えば、実施形態における起伏角検出器５４）と、ブームの伸長量を検出する伸長量検出手段（例えば、実施形態における伸長量検出器５５）と、起伏角検出手段および伸長量検出手段による検出値からブームの位置を算出するブーム位置算出手段（例えば、実施形態におけるブーム位置算出回路６２）とを有する。その上で、作業モード切替手段（例えば、実施形態における作業モード切替スイッチ５２）の切り替え操作によりブーム位置算出手段による算出値に基いて作業モードに応じたブーム作業範囲を超える方向へのブームの作動を規制する作業範囲規制手段（例えば、実施形態における作業半径規制回路６３）を有して構成されることを特徴とする。
【００１２】
上記構成の杭打ち作業車の作業範囲規制装置によれば、打込作業時にブームの作動が可能な所定の作業範囲を予め設定しておいて、作業モード切替スイッチの杭部材打込モード側への切り替え操作に応じてブームがこの作業範囲を超える方向へ作動することを規制することができる。従って、誤って作業者が所定の作業範囲を超える方向にブームを伸長させた状態で打込作業を行ってしまうことがないので、ブームに作用する負荷がブームの強度を超えてブームを損傷させるおそれはなく、安全に打込作業を行うことができる。
【００１３】
また、上記構成の杭打ち作業車の作業範囲規制装置によれば、所定のブームの押し込み力で打込作業が行えるようなブームの作業範囲を予め設定しておいて、作業モード切替スイッチの所定押し込み力杭部材打込モード側への切り替え操作に応じてブームがこの作業範囲を超える方向へ作動することを規制することができる。従って、ブームが大きく伸長することが原因で、ブームの押し込み力が小さくなってしまうことはなく、ブームの作業範囲内では所定の押し込み力で打込作業を行うことができる。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について図１から図６を参照して説明する。図１から図３に本発明に係る杭打ち作業車の作業範囲規制装置を備えた杭打ち作業車の一例を示す。図１に示すように、この杭打ち作業車１は、車体２の前後左右に前後輪３ａ，３ｂを有して走行可能であり、車体２の前部に運転キャビン２ａを有したトラック車両をベースに構成される。このトラック車両の車体２上に旋回モータ７１により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台４が配設されている。この旋回台４に基端部が枢結されてブーム５が取り付けられており、このブーム５は起伏シリンダ７２により起伏動されるようになっている。また、ブーム５は、基端ブーム５ａ、中間ブーム５ｂおよび先端ブーム５ｃを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ７３の伸縮動によりブーム５の全体がその長手軸方向に伸縮動可能に構成される。また、起伏シリンダ７２のチューブ側端部において起伏シリンダ７２を旋回台４に揺動自在に接続する接続ピンには、この起伏シリンダ７２の伸縮軸方向に作用する軸負荷を検出するブーム負荷検出器５６が取り付けられている。
【００１５】
先端ブーム５ｃの先端にはブームヘッド６が取り付けられ、ブームヘッド６には図示しないシーブが回転自在に取り付けられている。さらに、基端ブーム５ａの基端部上面にはウィンチ機構７が取り付けられ、ウィンチ機構７から繰り出されたワイヤＷがブームヘッド６の当該シーブに掛け回されてブームヘッド６の下方に垂れ下がり、その先端にフック８が取り付けられている。
【００１６】
また、車体２の前後左右の四カ所には、車体２の左右方向外側への拡幅および車体２の下方に伸縮自在なジャッキ装置９が設けられており、地盤改良作業を行うときには、ジャッキ装置９を車体２の左右に拡幅および下方に張り出し伸長させて、車体２を安定に持ち上げ支持できるようになっている。
【００１７】
先端ブーム５ｃの先端部にはオーガブラケット１０がブーム５に固定可能に取り付けられ、オーガブラケット１０の下部には連結棒１１が車体２の左右方向に揺動自在に取り付けられている。この連結棒１１の先端部には杭打ち装置３０が上下方向に揺動自在に設けられている。なお、フック８を使用して吊り上げ作業を行うときやブーム５を車体２に格納するときは、オーガブラケット１０を基端ブーム５ａの先端部に固定し、杭打ち装置３０をブーム５に対して長手軸方向に平行な状態になるように引き上げて基端ブーム５ａの側面に設けられたオーガ受け１２に格納する。この状態でブーム５は伸長動可能であり、ブーム５を所望の長さに伸長させてウィンチ機構７によりワイヤＷの巻き取り・繰り出しを行って吊り上げ作業を行うことができる。
【００１８】
図２に示すように、杭打ち装置３０は、図示しない油圧ポンプから供給される作動油の油圧により回転駆動するオーガモータ３１と、オーガモータ３１に接続されたオーガ減速機３２と、これらを囲むハウジング３３とを有して構成されている。ハウジング３３の下部にはオーガ減速機３２の駆動軸３２ａが下方へ突出し、この駆動軸３２ａに鋼製で筒状の杭部材４０が接続されるように構成されている。
【００１９】
杭部材４０の上端部にはこれを駆動軸３２ａに接続させるためのホルダ４１が装着されている。ホルダ４１は上部結合部４２と上部結合部４２の下部から下方へ突出する下部結合部４３とを有して構成され、上部結合部４２に駆動軸３２ａの先端部がピン結合される。下部結合部４３には杭部材４０の上端部を装入する図示しない装入凹部が形成され、下部結合部４３の壁面には下方が開口したＴ字状の切り欠き部４４が形成されている。この切り欠き部４４に杭部材４０の上端部に設けられた係止ピン４５を切り欠き部４４上部の杭部材４０の周縁に延びる部分に係止させると、杭部材４０がホルダ４１に装着される。
【００２０】
また、図１および図３に示すように、旋回台４の側部にはブーム５、ウィンチ機構７および杭打ち装置３０の作動を操作するための操作装置５０を備えた操作台１３が配設されている。この操作台１３は旋回台４の側部に取り付けられて旋回台４とともに旋回動する基部１３ａと、基部１３ａの上部に配設されて作業者Ｍがブーム５の先端側（杭部材４０側）に向いた状態で座るための椅子１３ｂと、椅子１３ｂの前方に配設されて中立位置からブーム軸方向に揺動可能に構成された複数の操作レバー５１とを備えて構成されている。これらの操作レバー５１は、操作台１３の幅方向に所定の間隔を有して複数並設されており、それぞれブーム５を起伏動、旋回動、伸縮動させる操作をするためのものや、ウィンチ機構７又は杭打ち装置３０を作動させる操作をするためのものである。
【００２１】
操作装置５０は、操作レバー５１のほか、いずれも旋回台４の側部の操作台１３に配設されスイッチ部を有してブーム５の長手軸方向に揺動可能な作業モード切替スイッチ５２と、通常作業モードスイッチ５３とを有して構成されている。作業モード切替スイッチ５２は、打込作業における作業モードを切り替えるためのスイッチであり、一方の側に倒す操作をすると杭部材打込モードに切り替えることができ、他方の側に倒す操作をすると所定押し込み力杭部材打込モードに切り替えることができる。
【００２２】
また、通常作業モードスイッチ５３は、吊り上げ作業等を行う通常作業モードと打込作業を行う打込作業モードとを切り替えるためのオン・オフスイッチであり、ブーム５に設けられたウィンチ機構７等を用いて吊り上げ作業等を行うときにはオン操作をして通常作業モードにし、杭打ち装置３０を用いて打込作業を行うときにはオフ操作をして打込作業モードにするようになっている。
【００２３】
一方、通常作業モードスイッチ５３がオフ作動の側（打込作業モードの側）に操作されている状態では、作業モード切替スイッチ５２がいずれのモードに切り替えられていても、杭部材４０の地面への打込に応じてブーム５の伸長量を自動的に制御することで、杭部材４０が地面に対して常に垂直に打ち込まれるようにするための制御装置（垂直誘導装置）を作動させることができる。
【００２４】
そして、通常作業モードスイッチ５３および作業モード切替スイッチ５２が上記のような状態のときに、杭打ち装置３０を作動させるための操作レバー５１を操作して杭打ち装置３０を作動させ、ブーム５を起伏動させるための操作レバー５１を操作してブーム５の起伏下げ作動をさせることで、杭部材４０を地面に対して垂直に打ち込ませることができる。また、作業モード切替スイッチ５２を所定押し込み力杭部材打込モードの側に切り替えると、当該垂直誘導装置を作動させるほか、ブーム５を所定の押し込み力（例えば３トンの押し込み力）により打ち込む打込作業を行うことができる。
【００２５】
ここで、本発明に係る杭打ち作業車の作業範囲規制装置について図４から図７を用いて説明する。この作業範囲規制装置は、ブーム５を大きく伸長させた状態で杭打ち装置３０により打込作業を行ったときに、杭部材４０を介してブームに作用する地面からの反力によりブーム５に作用するブームモーメントが大きくなることでブーム５に作用する負荷が過負荷とはならないように、ブーム５等の強度に応じて予め設定されたブーム作業範囲を超える方向へのブーム５の作動を規制するものである。また、この作業範囲規制装置は、所定のブーム５の押し込み力で杭打ち装置３０により打込作業を行うことができるように、予め設定されたブーム作業範囲を超える方向へのブーム５の作動を規制するものである。
【００２６】
図４に示すように、この作業範囲規制装置９０は、操作レバー５１、作業モード切替スイッチ５２、通常作業モードスイッチ５３からなる操作装置５０のほか、ブーム５の起伏角度を検出する起伏角検出器５４と、ブーム７の伸長量を検出する伸長量検出器５５と、起伏シリンダ７２を介して車体２に作用するブーム負荷を検出するブーム負荷検出器５６と、コントローラ６０と、表示モニタ６４とを有して構成されている。
【００２７】
コントローラ６０は、旋回モータ７１による旋回台４の旋回動、起伏シリンダ７２によるブーム５の起伏動、伸縮シリンダ７３によるブーム５の伸縮動、およびオーガモータ３１による杭打ち装置３０の回転駆動を制御する。また、油圧ユニット８０内の旋回制御バルブ８１、起伏制御バルブ８２、伸縮制御バルブ８３およびオーガ回転制御バルブ８４は、操作レバー５１の操作による操作信号がコントローラ６０に入力されると、その開度が制御される電磁制御バルブであり、起伏シリンダ７２等の作動は車体２に配設された図示しない油圧ポンプから供給される作動油を各制御バルブ８１，８２，８３，８４が給排制御することで行われる。
【００２８】
作業モード切替スイッチ５２をいずれかのモードに操作すると、起伏角検出器５４および伸長量検出器５５によりブーム５の起伏角度と伸長量とが検出され、この検出値に基いてコントローラ６０内の垂直誘導装置が杭部材４０の地面への打込量に応じてブーム５の伸長量を自動的に制御する。このため、この垂直誘導装置により杭打ち装置３０に取り付けられた杭部材４０を地面に対して常に垂直に打ち込まれるように制御することができる。
【００２９】
また、コントローラ６０は、作業範囲記憶回路６１と、ブーム位置算出回路６２と、作業半径規制回路６３とを有している。ブーム５を起伏動等させて吊り上げ作業を行うときは、吊上対象の荷重や車体２に対するブーム５の作業半径に応じてブーム５側から車体２側に作用するブームモーメントが変化する。このブームモーメントは車体２を転倒させようとする作用を有するため、ブームモーメントが増加すると車体２の安定性が悪化する。このため、作業範囲記憶回路６１には、ブーム５が作動するときに車体２に作用する安全なブームモーメントの上限値が許容モーメントとして予め設定して記憶されている。
【００３０】
通常作業モードスイッチ５３がオン作動の側（通常作業モードの側）に操作されると、ブーム位置算出回路６２は、起伏角検出器５４および伸長量検出器５５による検出値からブーム位置算出回路６２によって算出されるブーム５の先端部の位置と、ブーム負荷検出器５６によって検出されるブーム負荷の検出値とから車体２に作用するブームモーメントを算出する。そして、作業半径規制回路６３は、算出されるブームモーメントが許容モーメントを超えるような方向のブーム５の作動を規制する。
【００３１】
また、作業範囲記憶回路６１には、作業モード切替スイッチ５２を杭部材打込モードの側に操作して作業を行う場合にブーム５の作動を規制するために、ブーム５の作動可能なブーム作業範囲（移動可能領域）が予め設定して記憶されている。この作業範囲は、ブーム５を伸長させて打込作業を行うときに、杭部材４０を介してブーム５に作用する地面からの反力がブーム５に過負荷とはならないときのブーム５の先端部の位置（杭打ち装置３０の位置）である。
【００３２】
さらに、コントローラ６０内の作業範囲記憶回路６１には、作業モード切替スイッチ５２を所定押し込み力杭部材打込モードの側に操作して打込作業を行う場合に、ブーム５の作動を規制するためのブーム作業範囲（移動可能領域）が予め設定して記憶されている。この作業範囲は、所定以上（例えば押し込み力３トン）のブーム５の押し込み力で杭打ち装置３０により打込作業を行うことができるような、ブーム５の先端部の位置である。
【００３３】
図５に、ブーム５の先端部（杭打ち装置３０の取り付け位置）が車体２の右方を向く位置に旋回台４を位置させた場合に、作業モード切替スイッチ５２を杭部材打込モードの側に操作したときにおける、ブーム作業範囲（図で、点Ａ、点Ｂ、点Ｃ、点Ｄおよび点Ｅで囲まれる領域Ｓ）の一例を示す。図で横軸はブーム５の作業半径で、縦軸はその地上揚程である。作業範囲Ｓの外側限界線（点Ａと点Ｂとを結ぶ線）Ｌ１および内側限界線（点Ｃと点Ｄとを結ぶ線）Ｌ２は、それぞれブーム５を全伸状態及び全縮状態に作動させたときのブーム５の先端部の軌跡に等しい。また、図で外側限界線（点Ｂと点Ｅとを結ぶ線）Ｌ３はその旋回角度において許容されるブーム５の先端部の外側移動限界を示しており、この外側限界線Ｌ３を超えてブーム５の先端部が伸長したときに打込作業を行うと、地面からの反力によりブーム５に過負荷が作用してブーム５が損傷するおそれがある。このため、旋回台４から外側限界線Ｌ３までの距離を規制作業半径Ｒ１としてこの規制作業半径Ｒ１を超える方向へのブーム５の作動が規制される。
【００３４】
そして、作業モード切替スイッチ５２を杭部材打込モードの側に操作することによる操作信号がコントローラ６０に入力されると、コントローラ６０は、杭打ち作業車１が打込作業を行うものと判断し、図６に示すように表示モニタ６４にブーム５の規制作業半径Ｒ１が表示される。また、表示モニタ６４には、起伏角検出器５４と伸長量検出器５５とによる検出値からブーム位置算出回路６２によって算出されるブーム５の先端部の位置（作業半径および地上揚程）が座標（ｒ，ｈ）として刻々と表示され、さらに打込作業時には、ブーム５の押し込み力Ｆが表示される。このため、打込作業を行おうとする作業者Ｍは、ブーム５の規制作業半径Ｒ１と、ブーム５の先端部の実際の位置とを常に確認しながらブーム５の伸長作動の操作を行うことができる。
【００３５】
また、作業モード切替スイッチ５２を杭部材打込モードの側に操作することによる操作信号がコントローラ６０に入力されると、作業半径規制回路６３は、起伏角検出器５４と伸長量検出器５５とによる検出値からブーム位置算出回路６２によって算出されるブーム５の先端部の位置と、作業範囲記憶回路６１に予め設定して記憶されたブーム作業範囲とを比較して、当該作業範囲を超える方向への（規制作業半径Ｒ１を超えるような）ブーム５の作動を規制する。
【００３６】
一方、作業モード切替スイッチ５２を所定押し込み力杭部材打込モードの側に操作したときにおける、ブーム作業範囲を、図５の領域Ｓに重ねて示す。この場合の外側限界線Ｌ３´は点Ｂ´と点Ｅ´とを結ぶ線で表され、外側限界線Ｌ３よりも車体２上の旋回台４に近い側に位置している。この外側限界線Ｌ３´を超えてブーム５の先端部が伸長したときに打込作業を行うと、ブーム５の先端部の杭部材４０と起伏シリンダ７２との距離が大きくなって、所定の押し込み力（例えば押し込み力３トン）で打込作業を行うことができない。このため、旋回台４から外側限界線Ｌ３´までの距離を規制作業半径Ｒ２としてこの規制作業半径Ｒ２を超える方向へのブーム５の作動が規制される。
【００３７】
そして、作業モード切替スイッチ５２を所定押し込み力杭部材打込モードの側に操作することによる操作信号がコントローラ６０に入力されると、コントローラ６０は、杭打ち作業車１が所定以上（例えば押し込み力３トン）のブーム５の押し込み力で打込作業を行うことができるように、ブーム５の作業範囲を規制する必要があるものと判断し、図７に示すように表示モニタ６４にブーム５の規制作業半径Ｒ２が表示される。また、表示モニタ６４には、起伏角検出器５４と伸長量検出器５５とによる検出値からブーム位置算出回路６２によって算出されるブーム５の先端部の位置（作業半径および地上揚程）が座標（ｒ，ｈ）として刻々と表示され、さらに打込作業時には、ブーム５の押し込み力Ｆが表示される。このため、打込作業を行おうとする作業者Ｍは、ブーム５の規制作業半径Ｒ２と、ブーム５の先端部の実際の位置とを常に確認しながらブーム５の伸長作動の操作を行うことができる。
【００３８】
また、作業モード切替スイッチ５２を所定押し込み力杭部材打込モードの側に操作することによる操作信号がコントローラ６０に入力されると、作業半径規制回路６３は、起伏角検出器５４と伸長量検出器５５とによる検出値からブーム位置算出回路６２によって算出されるブーム５の先端部の位置と、作業範囲記憶回路６１に予め設定して記憶されたブーム作業範囲とを比較して、当該作業範囲を超える方向への（規制作業半径Ｒ２を超えるような）ブーム５の作動を規制する。
【００３９】
ここで、作業モード切替スイッチ５２の操作による操作信号のコントローラ６０への入力により作業半径規制回路６３がブーム５の作動の規制を行う代わりに、オーガ位置検出器により杭打ち装置３０がその格納位置から外れたことを検出したときに、作業半径規制回路６３がブーム５の作動の規制を行うように構成してもよい。このオーガ位置検出器は、基端ブーム５ａの側面に設けられて打込作業を行わないときに杭打ち装置３０を格納するためのオーガ受け１２に取り付けられた、例えばリミットスイッチからなるものであり、杭打ち装置３０が格納位置にあるか否かを検出することができる。
【００４０】
このような検出器を用いれば、打込作業を行うために杭打ち装置３０が基端ブーム５ａの側面の当該格納位置から外れたときに、リミットスイッチが作動して検出信号をコントローラ６０へ出力し、作業半径規制回路６３が打込作業時のブーム作業範囲を超える方向への（作業範囲記憶回路６１に記憶された規制作業半径Ｒ１を超えるような）ブーム５の作動を規制することができる。
【００４１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に関する杭打ち作業車の作業範囲規制装置によれば、打込作業の作業モードに応じたブームの作動が可能な所定の作業範囲を予め設定しておいて、この作業モードに応じた作業範囲を表示手段により表示させることができる。このため、ブームを大きく伸長させて各作業モードによる杭部材の打込作業を行おうするときに、現場の作業者は、ブームが作業範囲を超える所定の長さに達したか否か（ブームが当該ブーム作業範囲内にあるか否か）を常に確認しながら作業を行うことができる。
【００４２】
また、打込作業時にブームの作動が可能な所定の作業範囲を予め設定しておいて、作業モード切替スイッチの杭部材打込モード側への切り替え操作に応じてブームがこの作業範囲を超える方向へ作動することを規制することができる。従って、誤って作業者が所定の作業範囲を超える方向にブームを伸長させた状態で打込作業を行ってしまうことがないので、ブームに作用する負荷がブームの強度を超えてブームを損傷させるおそれはなく、安全に打込作業を行うことができる。
【００４３】
さらに、所定のブームの押し込み力で打込作業が行えるようなブームの作業範囲を予め設定しておいて、作業モード切替スイッチの所定押し込み力杭部材打込モード側への切り替え操作に応じてブームがこの作業範囲を超える方向へ作動することを規制することができる。従って、ブームが大きく伸長することが原因で、ブームの押し込み力が小さくなってしまうことはなく、ブームの作業範囲内では所定の押し込み力で打込作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る杭打ち作業車の作業範囲規制装置を備える杭打ち作業車の側面図を示す。
【図２】上記杭打ち作業車に設けられた杭打ち装置と杭打ち装置に装着された杭部材をを示す。
【図３】上記杭打ち作業車における操作装置周辺の側面図を示す。
【図４】本発明に係る杭打ち作業車の作業範囲規制装置を説明するブロック図を示す。
【図５】ブームの作業範囲を表した杭打ち作業車の背面図を示す。
【図６】上記杭打ち作業車に設けられた表示装置の表示例を示す。
【図７】上記杭打ち作業車に設けられた表示装置の表示例を示す。
【符号の説明】
１ 杭打ち作業車
２ 車体
５ ブーム
３０ 杭打ち装置
４０ 杭部材
５２ 作業モード切替スイッチ（作業モード切替手段）
５４ 起伏角検出器（起伏角検出手段）
５５ 伸長量検出器（伸長量検出手段）
６１ 作業範囲記憶回路（作業範囲記憶手段）
６２ ブーム位置算出回路（ブーム位置算出手段）
６３ 作業半径規制回路（作業範囲規制手段）
６４ 表示モニタ（表示手段）
９０ 作業範囲規制装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a working range regulating device for a pile driving vehicle having a boom attached to a travelable vehicle body and a working device including a pile driving device attached to a tip portion of the boom.
[0002]
[Prior art]
In general, a pile driving vehicle for driving a pile foundation such as a steel pipe deep into the ground by using a soft ground to make a foundation for a building is generally a swivel that can be swung on a travelable vehicle body. A boom that can be raised and lowered and attached to the swivel base, and a lifting device that winds the wire around the winch mechanism and sheave provided on the boom, and a driving device that is attached to the tip of the boom A working device such as a pile driving device is provided. Such a driving operation is carried out by attaching a pile member for driving into the pile driving device with one end of the pile member extending downward toward the ground, and a hydraulic driving device provided on the vehicle body. This is done by driving the inner auger decelerator and driving it into the ground by the pushing force generated by the boom lying down while rotating the pile member.
[0003]
In such a pile member driving operation, since it is necessary to drive the pile member attached to the pile driving device always perpendicular to the ground, as described in Patent Document 1, The pile driving vehicle is provided with a hoisting angle detector for detecting the hoisting angle of the boom and an extension amount detector for detecting the extension amount of the boom, and based on the detection values by these detectors, A control device (vertical guidance device) is provided so that the pile member can always move vertically relative to the ground by automatically controlling the amount of boom extension according to the amount of driving There is.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-8-326458
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, by extending the boom beyond the predetermined length (by extending the boom beyond the predetermined radius with respect to the pile driving vehicle, the working radius of the boom is increased), the driving work is performed by the strong pushing force of the boom. When performing, the boom moment acting on the boom increases due to the reaction force from the ground acting on the boom via the pile member according to this pushing force, and the load applied to the boom increases, and this load increases the strength of the boom. There was a problem that the boom could be damaged if exceeded.
[0006]
In addition, the pushing force is generated by the falling of the boom accompanying the retracting movement of the hoisting cylinder provided at the base end of the boom. Therefore, the longer the boom extends (the larger the working radius of the boom), The pile member at the front end of the slab has a large distance from the undulating cylinder, and a strong pushing force cannot be obtained with respect to the pile member. For this reason, when the driving work is performed with a desired strong pushing force, it is necessary to regulate the working radius of the boom so as not to extend the boom beyond a predetermined length.
[0007]
In order to avoid such problems, conventionally, the boom operating range where the boom can be operated is displayed on the instruction manual or on the nameplate attached to the vehicle body to alert the user, or the boom has a predetermined length. Whether or not the boom has been reached (whether or not the boom is within the boom work range) is left to the judgment of the worker on site, so that the boom is not extended beyond a predetermined length.
[0008]
In view of the above problems, in the present invention, in order to prevent an overload from being applied to the boom from the pile member, or to perform a driving operation with a strong pushing force, the operation of the boom is within a predetermined working range. An object of the present invention is to provide a working range regulating device for a pile driving vehicle to be regulated.
[Means for Solving the Problems]
[0009]
In order to solve the above-mentioned problems, a working range regulating device for a pile driving vehicle according to the present invention includes a boom mounted on a travelable vehicle body so as to be able to undulate, turn, and extend and retract, and a pile member attached to the tip of the boom. In a working range control device for a pile driving vehicle equipped with a pile driving device that performs the driving operation of the pile member, the pile member driving mode for performing the driving operation according to the strength of the boom and driving with a predetermined boom pushing force A work mode switching means (for example, a work mode switching switch 52 in the embodiment) for switching between a predetermined pushing force pile member driving mode for performing work and a boom work range in which the boom can be operated according to the work mode are set in advance. The work range storage means (for example, the work range storage circuit 61 in the embodiment) stored and the boom work range corresponding to the work mode by the switching operation of the work mode switching means. The switching display means for displaying (e.g., a display monitor 64 in the embodiment) and having a.
[0010]
According to the work range regulating device for a pile driving work vehicle having the above-described configuration, a predetermined work range capable of operating the boom according to the work mode of the driving work is set in advance, and work corresponding to the work mode is set. The range can be displayed by the display means. For this reason, when the boom is greatly extended and the pile member is driven in each work mode, the worker on site confirms whether the boom has reached a predetermined length exceeding the work range (the boom It is possible to work while always confirming whether or not is within the boom work range.
[0011]
Further, in the work range regulating device for a pile driving work vehicle having the above-described configuration, an undulation angle detecting means for detecting the undulation angle of the boom (for example, an undulation angle detector 54 in the embodiment), and an extension amount for detecting the extension amount of the boom. A boom position calculation means (for example, a boom position calculation circuit 62 in the embodiment) that calculates the position of the boom from the detection means (for example, the extension amount detector 55 in the embodiment) and the detected values by the undulation angle detection means and the extension amount detection means. ). Then, the operation of the boom in a direction exceeding the boom work range corresponding to the work mode based on the value calculated by the boom position calculation means by the switching operation of the work mode switching means (for example, the work mode changeover switch 52 in the embodiment). It is characterized by having a work range restricting means (eg, work radius restricting circuit 63 in the embodiment) for restricting.
[0012]
According to the working range control device for a pile driving work vehicle having the above-described configuration, a predetermined working range in which the boom can be operated at the time of driving work is set in advance, and the working mode changeover switch is moved to the pile member driving mode side. In response to the switching operation, the boom can be restricted from operating in a direction exceeding the working range. Therefore, since the operator does not accidentally perform the driving work with the boom extended in a direction exceeding the predetermined work range, the load acting on the boom exceeds the strength of the boom and damages the boom. There is no fear and the driving operation can be performed safely.
[0013]
Further, according to the working range control device for a pile driving work vehicle having the above-described configuration, a working range of the boom is set in advance so that the driving work can be performed with a predetermined pushing force of the boom. It is possible to restrict the boom from operating in a direction exceeding the working range in accordance with the switching operation to the pushing force pile member driving mode side. Therefore, the pushing force of the boom does not decrease due to the boom extending greatly, and the driving operation can be performed with a predetermined pushing force within the working range of the boom.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A preferred embodiment of the present invention will be described below with reference to FIGS. 1 to 6 with reference to the drawings. FIG. 1 to FIG. 3 show an example of a pile driving vehicle equipped with a working range control device for a pile driving vehicle according to the present invention. As shown in FIG. 1, this pile driving vehicle 1 is capable of traveling with front and rear wheels 3 a and 3 b on the front and rear and left and right sides of a vehicle body 2, and a truck vehicle having a driving cabin 2 a at the front portion of the vehicle body 2. Configured to base. On the vehicle body 2 of this truck vehicle, there is disposed a turntable 4 that is driven by a turn motor 71 and configured to be able to turn horizontally. The base 5 is pivotally connected to the swivel 4 and a boom 5 is attached. The boom 5 is moved up and down by a hoisting cylinder 72. In addition, the boom 5 is configured such that the base boom 5a, the intermediate boom 5b, and the tip boom 5c are combined in a nested manner, and the entire boom 5 can be expanded and contracted in the longitudinal axis direction by the expansion and contraction of the built-in telescopic cylinder 73. The A boom load detector for detecting a shaft load acting in the direction of the telescopic axis of the hoisting cylinder 72 is connected to a connecting pin that swingably connects the hoisting cylinder 72 to the swivel 4 at the tube side end of the hoisting cylinder 72. 56 is attached.
[0015]
A boom head 6 is attached to the tip of the tip boom 5c, and a sheave (not shown) is rotatably attached to the boom head 6. Further, a winch mechanism 7 is attached to the upper surface of the base end portion of the base end boom 5a, and the wire W fed out from the winch mechanism 7 is hung around the sheave of the boom head 6 and hangs down below the boom head 6. A hook 8 is attached to the tip.
[0016]
In addition, at four locations on the front, rear, left and right of the vehicle body 2, there are provided jack devices 9 which are widened outward in the left-right direction of the vehicle body 2 and retractable below the vehicle body 2. When performing ground improvement work, the jack device 9 is provided. Is widened to the left and right of the vehicle body 2 and extended and extended downward to support the vehicle body 2 stably.
[0017]
An auger bracket 10 is fixed to the boom 5 at the distal end of the distal boom 5c, and a connecting rod 11 is attached to the lower portion of the auger bracket 10 so as to be swingable in the left-right direction of the vehicle body 2. A pile driving device 30 is provided at the tip of the connecting rod 11 so as to be swingable in the vertical direction. When the lifting work is performed using the hook 8 or when the boom 5 is stored in the vehicle body 2, the auger bracket 10 is fixed to the distal end portion of the proximal boom 5 a and the pile driving device 30 is attached to the boom 5. It is pulled up so as to be parallel to the longitudinal axis direction and stored in an auger receiver 12 provided on the side surface of the proximal boom 5a. In this state, the boom 5 can be extended, and the boom 5 can be extended to a desired length, and the wire W can be wound and unwound by the winch mechanism 7 to perform the lifting work.
[0018]
As shown in FIG. 2, the pile driving device 30 includes an auger motor 31 that is rotated by hydraulic pressure of hydraulic oil supplied from a hydraulic pump (not shown), an auger speed reducer 32 connected to the auger motor 31, and a housing 33 that surrounds them. And is configured. A drive shaft 32a of the auger reduction gear 32 protrudes downward from the lower portion of the housing 33, and a steel pile-shaped pile member 40 is connected to the drive shaft 32a.
[0019]
A holder 41 is connected to the upper end portion of the pile member 40 to connect it to the drive shaft 32a. The holder 41 includes an upper coupling portion 42 and a lower coupling portion 43 that protrudes downward from the lower portion of the upper coupling portion 42, and the tip end portion of the drive shaft 32 a is pin-coupled to the upper coupling portion 42. An insertion recess (not shown) for inserting the upper end portion of the pile member 40 is formed in the lower coupling portion 43, and a T-shaped cutout portion 44 having an open bottom is formed on the wall surface of the lower coupling portion 43. . When the locking pin 45 provided at the upper end of the pile member 40 is locked to the notch 44 at a portion extending to the periphery of the pile member 40 above the notch 44, the pile member 40 is attached to the holder 41. The
[0020]
As shown in FIGS. 1 and 3, an operation table 13 including an operation device 50 for operating the boom 5, the winch mechanism 7, and the pile driving device 30 is disposed on the side of the swivel table 4. Has been. The operation table 13 is attached to a side portion of the swivel base 4 so as to swivel together with the swivel base 4, and is disposed on an upper part of the base portion 13 a so that the operator M can move the tip of the boom 5 (pile member 40 side). And a plurality of operation levers 51 disposed in front of the chair 13b and configured to be swingable in the boom axis direction from the neutral position. A plurality of these operating levers 51 are arranged in parallel with a predetermined interval in the width direction of the operating table 13, and are used for operating the boom 5 to move up and down, turn, and extend and retract, respectively. This is for operating the mechanism 7 or the pile driving device 30.
[0021]
In addition to the operation lever 51, the operation device 50 is provided on the operation table 13 on the side of the swivel base 4, and has a work mode changeover switch 52 that has a switch part and can swing in the longitudinal axis direction of the boom 5. The normal operation mode switch 53 is included. The work mode change-over switch 52 is a switch for switching the work mode in the driving work, and can be switched to the pile member driving mode when the operation is tilted to one side, and the predetermined pushing is performed when the operation is tilted to the other side. It is possible to switch to force pile member driving mode.
[0022]
The normal work mode switch 53 is an on / off switch for switching between a normal work mode for performing a lifting work or the like and a driving work mode for performing a driving work, and the winch mechanism 7 provided on the boom 5 or the like. When performing a lifting work or the like, an on operation is performed to set the normal work mode, and when a driving work is performed using the pile driving device 30, an off operation is performed to enter the driving work mode.
[0023]
On the other hand, in a state in which the normal work mode switch 53 is operated to the off-operation side (the driving work mode side), the ground of the pile member 40 can be obtained regardless of which mode the work mode switch 52 is switched to. By automatically controlling the extension amount of the boom 5 in accordance with the driving of the pile, it is possible to operate a control device (vertical guidance device) for causing the pile member 40 to be driven vertically with respect to the ground. it can.
[0024]
Then, when the normal work mode switch 53 and the work mode changeover switch 52 are in the state as described above, the operation lever 51 for operating the pile driving device 30 is operated to operate the pile driving device 30, and the boom 5 is The pile member 40 can be driven vertically with respect to the ground by operating the operation lever 51 for raising and lowering to raise and lower the boom 5. Further, when the work mode changeover switch 52 is switched to the predetermined pushing force pile member driving mode side, the vertical guiding device is operated, and the boom 5 is driven with a predetermined pushing force (for example, a pushing force of 3 tons). Work can be done.
[0025]
Here, the working range regulating device for a pile driving work vehicle according to the present invention will be described with reference to FIGS. This work range regulating device acts on the boom 5 by the reaction force from the ground acting on the boom via the pile member 40 when the pile driving device 30 performs the driving work with the boom 5 greatly extended. The operation of the boom 5 in the direction exceeding the boom working range set in advance according to the strength of the boom 5 or the like is restricted so that the load acting on the boom 5 does not become an overload due to the boom moment being increased. Is. In addition, the work range regulating device operates the boom 5 in a direction exceeding a preset boom work range so that the pile driving device 30 can perform the driving work with the pushing force of the predetermined boom 5. It is something to regulate.
[0026]
As shown in FIG. 4, the work range restricting device 90 includes an operation device 50 including an operation lever 51, a work mode switch 52, and a normal work mode switch 53, and a undulation angle detector that detects the undulation angle of the boom 5. 54, an extension amount detector 55 for detecting the extension amount of the boom 7, a boom load detector 56 for detecting a boom load acting on the vehicle body 2 via the hoisting cylinder 72, a controller 60, and a display monitor 64. It is configured.
[0027]
The controller 60 controls the turning movement of the turntable 4 by the turning motor 71, the raising / lowering movement of the boom 5 by the raising / lowering cylinder 72, the expansion / contraction movement of the boom 5 by the telescopic cylinder 73, and the rotation driving of the pile driving device 30 by the auger motor 31. In addition, when the operation signal by the operation of the operation lever 51 is input to the controller 60, the opening degree of the turning control valve 81, the undulation control valve 82, the expansion / contraction control valve 83, and the auger rotation control valve 84 in the hydraulic unit 80 is adjusted. The control valve 81, 82, 83, 84 controls the supply of hydraulic fluid supplied from a hydraulic pump (not shown) disposed in the vehicle body 2. Done in
[0028]
When the work mode changeover switch 52 is operated to any one of the modes, the undulation angle detector 54 and the extension amount detector 55 detect the undulation angle and extension amount of the boom 5, and the vertical direction in the controller 60 is based on the detected value. The guidance device automatically controls the extension amount of the boom 5 according to the driving amount of the pile member 40 into the ground. For this reason, it is possible to control so that the pile member 40 attached to the pile driving device 30 is always driven perpendicular to the ground by this vertical guidance device.
[0029]
The controller 60 includes a work range storage circuit 61, a boom position calculation circuit 62, and a work radius restriction circuit 63. When the lifting work is performed by moving the boom 5 up and down, the boom moment acting from the boom 5 side to the vehicle body 2 side changes according to the load to be lifted and the work radius of the boom 5 with respect to the vehicle body 2. Since this boom moment has an effect of causing the vehicle body 2 to fall, the stability of the vehicle body 2 deteriorates when the boom moment increases. For this reason, the upper limit value of the safe boom moment that acts on the vehicle body 2 when the boom 5 operates is preset and stored in the work range storage circuit 61 as the allowable moment.
[0030]
When the normal work mode switch 53 is operated to the on-operation side (normal work mode side), the boom position calculation circuit 62 uses the detected values of the undulation angle detector 54 and the extension amount detector 55 to detect the boom position calculation circuit 62. The boom moment acting on the vehicle body 2 is calculated from the position of the tip of the boom 5 calculated by the above and the detected value of the boom load detected by the boom load detector 56. Then, the work radius regulation circuit 63 regulates the operation of the boom 5 in such a direction that the calculated boom moment exceeds the allowable moment.
[0031]
Further, the work range storage circuit 61 includes a boom work that can operate the boom 5 in order to restrict the operation of the boom 5 when the work mode changeover switch 52 is operated to the pile member driving mode side. A range (movable region) is preset and stored. This work range is that when the boom 5 is extended to perform the driving work, the reaction force from the ground acting on the boom 5 via the pile member 40 does not overload the boom 5. Part position (position of the pile driving device 30).
[0032]
Further, the work range storage circuit 61 in the controller 60 is for restricting the operation of the boom 5 when the work mode changeover switch 52 is operated to the predetermined pushing force pile member driving mode side to perform the driving work. The boom work range (movable area) is preset and stored. This work range is the position of the tip of the boom 5 where the driving operation can be performed by the pile driving device 30 with the pushing force of the boom 5 of a predetermined value or more (for example, pushing force 3 tons).
[0033]
In FIG. 5, when the swivel 4 is positioned at a position where the tip of the boom 5 (attachment position of the pile driving device 30) faces the right side of the vehicle body 2, the work mode changeover switch 52 is set to the pile member driving mode. An example of the boom work range (in the figure, a region S surrounded by points A, B, C, D, and E) when operated to the side is shown. In the figure, the horizontal axis represents the working radius of the boom 5, and the vertical axis represents the ground lift. The outer limit line (line connecting point A and point B) L1 and the inner limit line (line connecting point C and point D) L2 of the working range S operate the boom 5 in the fully extended state and the fully contracted state, respectively. It is equal to the locus of the tip of the boom 5 when it is made to move. Further, in the figure, an outer limit line (line connecting point B and point E) L3 indicates the outer limit of movement of the tip of the boom 5 permitted at the turning angle, and the boom exceeds the outer limit line L3. If the driving operation is performed when the front end portion of the boom 5 is extended, the boom 5 may be damaged due to an overload acting on the boom 5 due to a reaction force from the ground. Therefore, the operation of the boom 5 in the direction exceeding the restriction work radius R1 is restricted with the distance from the turntable 4 to the outer limit line L3 as the restriction work radius R1.
[0034]
And when the operation signal by operating the work mode changeover switch 52 to the pile member driving mode side is input to the controller 60, the controller 60 determines that the pile driving work vehicle 1 performs the driving work. As shown in FIG. 6, the restriction work radius R <b> 1 of the boom 5 is displayed on the display monitor 64. The display monitor 64 has coordinates (the working radius and the head lift) of the tip of the boom 5 calculated by the boom position calculation circuit 62 based on the detection values of the undulation angle detector 54 and the extension amount detector 55. r, h), and the pushing force F of the boom 5 is displayed during the driving operation. For this reason, the worker M who intends to perform the driving operation can perform the operation of extending the boom 5 while always confirming the regulating work radius R1 of the boom 5 and the actual position of the tip of the boom 5. it can.
[0035]
When an operation signal generated by operating the work mode changeover switch 52 to the pile member driving mode side is input to the controller 60, the work radius regulation circuit 63 includes the undulation angle detector 54, the extension amount detector 55, and the like. The position of the tip of the boom 5 calculated by the boom position calculation circuit 62 from the detected value by the boom is compared with the boom work range preset and stored in the work range storage circuit 61, and the direction exceeding the work range is compared. The operation of the boom 5 (such as exceeding the restriction work radius R1) is restricted.
[0036]
On the other hand, the boom work range when the work mode changeover switch 52 is operated to the side of the predetermined pushing force pile member driving mode is shown overlapping the area S of FIG. The outer limit line L3 ′ in this case is represented by a line connecting the point B ′ and the point E ′, and is located closer to the swivel 4 on the vehicle body 2 than the outer limit line L3. If the driving operation is performed when the tip of the boom 5 extends beyond the outer limit line L3 ′, the distance between the pile member 40 and the hoisting cylinder 72 at the tip of the boom 5 increases, and a predetermined push-in is performed. The driving operation cannot be performed with a force (for example, a pushing force of 3 tons). Therefore, the operation of the boom 5 in the direction exceeding the restriction work radius R2 is restricted with the distance from the turntable 4 to the outer limit line L3 ′ as the restriction work radius R2.
[0037]
And if the operation signal by operating the work mode changeover switch 52 to the side of the predetermined pushing force pile member driving mode is input to the controller 60, the controller 60 indicates that the pile driving vehicle 1 is not less than a predetermined value (for example, pushing force). It is determined that it is necessary to regulate the work range of the boom 5 so that the driving operation can be performed with the pushing force of the boom 5 of 3 tons), and the boom monitor 5 is displayed on the display monitor 64 as shown in FIG. The regulated work radius R2 is displayed. The display monitor 64 has coordinates (the working radius and the head lift) of the tip of the boom 5 calculated by the boom position calculation circuit 62 based on the detection values of the undulation angle detector 54 and the extension amount detector 55. r, h), and the pushing force F of the boom 5 is displayed during the driving operation. For this reason, the worker M who intends to perform the driving operation can perform the operation of extending the boom 5 while always confirming the regulating work radius R2 of the boom 5 and the actual position of the tip of the boom 5. it can.
[0038]
When an operation signal is input to the controller 60 by operating the work mode changeover switch 52 to the predetermined pushing force pile member driving mode side, the work radius regulating circuit 63 detects the undulation angle detector 54 and the extension amount detection. The position of the tip of the boom 5 calculated by the boom position calculation circuit 62 from the detection value by the instrument 55 is compared with the boom work range preset and stored in the work range storage circuit 61, and the work range The operation of the boom 5 in a direction exceeding (the control work radius R2 is exceeded) is restricted.
[0039]
Here, instead of the work radius regulating circuit 63 regulating the operation of the boom 5 by the operation signal input to the controller 60 by the operation of the work mode changeover switch 52, the pile driving device 30 is moved to its storage position by the auger position detector. It may be configured such that the work radius regulating circuit 63 regulates the operation of the boom 5 when it is detected that the boom 5 is off. This auger position detector comprises a limit switch, for example, attached to the auger receiver 12 for storing the pile driving device 30 provided on the side surface of the proximal boom 5a when the driving operation is not performed. It is possible to detect whether or not the pile driving device 30 is in the storage position.
[0040]
When such a detector is used, the limit switch is activated to output a detection signal to the controller 60 when the pile driving device 30 moves out of the storage position on the side surface of the proximal boom 5a in order to perform the driving operation. Then, the operation of the boom 5 can be restricted in such a direction that the work radius restriction circuit 63 exceeds the boom work range at the time of driving work (such as exceeding the restriction work radius R1 stored in the work range storage circuit 61). .
[0041]
【The invention's effect】
As described above, according to the working range restriction device for a pile driving work vehicle according to the present invention, a predetermined working range in which the boom can be operated according to the working mode of the driving work is set in advance. The work range corresponding to the work mode can be displayed by the display means. Therefore, when the pile member is driven by each work mode by extending the boom greatly, the worker on site confirms whether the boom has reached a predetermined length exceeding the work range (the boom It is possible to work while always confirming whether or not is within the boom work range.
[0042]
In addition, a predetermined work range in which the boom can be operated at the time of driving work is set in advance, and the boom exceeds the working range in accordance with the switching operation of the work mode switching switch to the pile member driving mode side. It is possible to regulate the operation. Therefore, since the operator does not accidentally perform the driving work with the boom extended in a direction exceeding the predetermined work range, the load acting on the boom exceeds the strength of the boom and damages the boom. There is no fear and the driving operation can be performed safely.
[0043]
Further, a boom working range is set in advance so that the driving operation can be performed with a predetermined pushing force of the boom, and the boom is set according to the switching operation of the working mode changeover switch to the predetermined pushing force pile member driving mode side. Can be controlled to operate in the direction beyond this working range. Therefore, the pushing force of the boom does not decrease due to the boom extending greatly, and the driving work can be performed with a predetermined pushing force within the working range of the boom.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a side view of a pile driving work vehicle equipped with a working range regulating device for a pile driving work vehicle according to the present invention.
FIG. 2 shows a pile driving device provided in the pile driving work vehicle and a pile member attached to the pile driving device.
FIG. 3 is a side view of the periphery of the operating device in the pile driving work vehicle.
FIG. 4 is a block diagram illustrating a working range regulating device for a pile driving work vehicle according to the present invention.
FIG. 5 is a rear view of a pile driving vehicle showing a work range of a boom.
FIG. 6 shows a display example of a display device provided in the pile driving work vehicle.
FIG. 7 shows a display example of a display device provided in the pile driving work vehicle.
[Explanation of symbols]
1 Pile driver
2 body
5 Boom
30 Pile driver
40 Pile members
52 Work mode changeover switch (work mode changeover means)
54 Relief angle detector (relief angle detecting means)
55 Extension amount detector (Extension amount detection means)
61 Work range storage circuit (work range storage means)
62 Boom position calculation circuit (boom position calculation means)
63 Working radius regulating circuit (working range regulating means)
64 Display monitor (display means)
90 Working range regulating device
