【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両用スピーカ装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
車両、特に自動車のスピーカは、運転席の左右等にスピーカを配置したもので、そのスピーカ（ダイナミックスピーカ）は、コーン紙を振動させて音を発生させている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、スピーカがそれなりに大きく、専用の設置スペースをとるため自動車車内においてスピーカを配置できる場所は、おのずと決まってくる。このようにスピーカの配置位置が制約を受けるため、車室内の限られた位置でしか複数のスピーカからでる音波を位相がよい状態で聴くことが難しい。
【０００４】
この発明の課題は、限られた車室内のスペースでも、スピーカの配置位置に制約を受けにくく、構造が簡単で省スペース化された車両用スピーカを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
この発明は、車両室内の内装材の裏面または表面に音の電気信号に従う振動を発生する振動装置を固定し、その振動装置を振動源として前記内装材を振動させて音を発生する車両用スピーカ装置である。さらに車両室内の内装材に、前記振動装置をジョイント部材を介して固定し、その振動装置を振動源とし、前記内装材を裏面側から振動させて音を発生することを特徴とする。
【０００６】
車両室内の内装材に振動装置を取り付け、内装材を振動させて音を発生するスピーカとすれば、車両室内の多くの場所をフラットパネルスピーカとすることができる。車両内装材として具体的には、ドア内張材が挙げられる。
【０００７】
すなわち、車両室内のドア内張材に音の電気信号に従う振動を発生する振動装置を固定し、その振動装置を振動源として前記ドア内張材を振動させて音を発生する車両用スピーカ装置とする。例えばドア内張材の裏のスペースに振動装置を取り付け、ドア内張材全体をフラットパネルスピーカとすれば、大きなスピーカがドア部から突出することもなく、体裁がよいばかりではなく、ドア全体から音が響くことになり、臨場感あふれる音を聴くことができる。つまり内装材をスピーカの振動体に利用し、内装材をスピーカの一部として機能させることにより、狭小なスペースでも場所を選ばず、フラット状のスピーカを形成することができ、音の発生範囲を広範に拡げることも可能となる。
【０００８】
さらに車両室内のピラー内張材に前記振動装置を固定し、その振動装置を振動源として前記ピラー内張材を振動させて音を発生する車両用スピーカ装置とすることもできる。さらに同様にして、リヤシェルフカバー、インストルメントパネル、コンソールボックス、座席シート材等にも上述の振動装置を設置し、フラットパネルスピーカとすることができる。このような場所に取り付ければ、様々な方向から音が響き渡ることになり、音に包み込まれているような感じを受けることになる。
【０００９】
具体的な態様において振動装置は、ジョイント部材を介して内装材に固定されており、音の電気的な信号は、配線により外部から振動装置に伝えられることにより、振動装置が振動し、振動装置の振動は、ジョイント部材を介して内装材に伝えられる。この振動は、内装材全体に広がり、内装材全体からは、比較的大きな音が発生することになる。このような原理により音が発生するため、内装材として、様々な材質のものを選択することができ、したがって応用範囲が広いものである。
【００１０】
フラットパネルスピーカを振動させ音を発生させるための振動装置を取り付ける場合、ジョイント部材（連結部材）をパネルに取り付け、そこに振動装置を取り付ける。しかしジョイント部材をパネルに接着した後、さらに振動装置を接着するという方法では、手間がかかる。
【００１１】
容易かつ迅速に振動装置を内装材に取り付ける方法として、内装材（パネル板）上で直接ジョイント部材を成形する直接射出成形を行うことにより、ジョイント部材を内装材に設置することができる。より具体的には、ジョイント部材は、内装材の一部の面と協働してキャビティが形成されるように配置された金型の該キャビティに樹脂が射出されることにより、内装材上に一体に接着成形される。このように内装材上で直接成形することにより、溶融樹脂が固化すると共に内装材に固着するため、迅速にジョイント部材を取り付けることができる。そして上記のような振動装置の取付け可能場所を拡げることにより、従来スピーカが取り付けられなかった範囲にまで、スピーカを形成することができる。
【００１２】
振動装置を取り付けるために、振動装置の取付け形態に合わせて、ジョイント部材の取付け形状を決め、内装材上に形成するものとする。例えば、振動装置に雌ねじが形成されていれば、ジョイント部材には雄ねじを形成することにより、振動装置とジョイント部材との結合を可能とする。またその他の連結形状を採用することも可能である。
【００１３】
例えば、内装材に面状のジョイント部材が固着され、そのジョイント部材は、固着面とは反対側に突出する雄ねじ部を一体に備え、振動装置はその雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有して、これら雄ねじ部と雌ねじ部が螺合されることにより振動装置がジョイント部材を介して内装材に固定される。
【００１４】
前記振動装置は、外部機器と電気的に接続されたコイル部と、磁気回路部と、そのコイル部または磁気回路部と連結しかつ前記振動装置の端面に位置し外部へ振動を伝達する振動伝達部とを含むエキサイタである。外部機器からの音の電気信号がコイル部へ伝達され、コイル部と磁気回路部との相互作用により、コイル部または磁気回路部に振動を生じ、コイル部または磁気回路部の振動が、振動伝達部へ伝達され、振動伝達部の振動がジョイント部材へ伝達される。
【００１５】
振動装置は、小型なものであり、平板上（内装材上）にわずかな空間が存在すれば、ジョイント部材を介して取付けが可能である。したがって従来、スピーカを設置することがスペースの関係上できなかった場所にさえ、比較的薄い板状の部分があれば、振動装置を取り付けることで、これをスピーカとすることができる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。
【００１７】
図１のように自動車１０のドア内張材３２にエキサイタ１を取り付けることもできる。図１は、ドア内張材３２を側面から見た図で、エキサイタ１を上部から見ている。また図２はドアの断面図である。ドア本体３３の室内側には、ドア内張材３２がはめ込まれており、このドア本体３３とドア内張材３２との間には空間があり、エキサイタ１を設置するスペースがある。したがってドア内張材３２の裏面にエキサイタ１を取り付けることができる。エキサイタの取付け方法は、ドア内張材３２にジョイント部材２を直接射出成形により形成し、このジョイント部材２にエキサイタ１を取り付ける。そしてドア内張材３２をドア本体３３へ取り付ける。各ドア内張材３２裏面にエキサイタ１を設置すれば、エキサイタ１の振動により、ドアから音が発生することになる。例えば４ドアの自動車においては、ドア内張材３２全てにエキサイタ１を取り付ければ、どのドアからも音が発生することになり、臨場感あふれるものとなる。
【００１８】
図３にエキサイタの実施例１を示す。このエキサイタ１は、ボイスコイル１３を卷装したボビン部１５およびボイスコイル１３が挿入される磁気ギャップを形成した磁気回路部１４を含む。磁気回路部１４は、永久磁石とヨーク構造とを含む。ボビン部１５は、駆動面１６と連結され、磁気回路部１４とボビン部１５とは、インナーダンパ１７で結合されている。またボイスコイル１３は、配線１８によって外部機器１９と結ばれている。外部機器１９からの電気信号は、配線１８によりボイスコイル１３へ伝達され、磁気回路部１４とボイスコイル１３とにより振動が起こり、ボビン部１５を介して駆動面１６に振動が伝達される。雌ねじ部２２によりエキサイタ１とジョイント部材２とを接続すると、この振動は、振動伝達部としての駆動面１６と密着したジョイント部材２に伝達され、ジョイント部材２に伝達された振動は、内装材３へと伝達される。なお図は、外磁型の磁気回路を構成しているが、内磁型の磁気回路を採用することもできる。
【００１９】
図４にエキサイタの実施例２を示す。このエキサイタ１００は、ジョイント部材２に対して可聴周波数帯域の振動を伝達する駆動面１１６と、ボビン１１５と、ボビン１１５に卷回されたコイル１１３と、磁石１１４とヨーク１１７と、ボビン１１５とヨーク１１７とを結合するインナーダンパ１１８とを有する。コイル１１３は、配線１８により外部機器１９と結ばれており、外部機器１９からコイル１１３へ電気信号が伝達され、コイル１１３と磁石１１４との作用により振動が生じ、この振動は、ボビン１１５から駆動面１１６へと伝達され、振動伝達部としての駆動面１１６と接触設置されるジョイント部材２へと振動が伝達される。
【００２０】
さらにエキサイタの実施例３を図５に示す。エキサイタ２００は、コイル２１３と、コイル２１３に対し同軸に配置された磁石２１４と、磁石２１４がコイル２１３に対して軸方向運動が可能なように磁石を支持する手段（ダイヤフラム）２１５とを含む振動装置であり、外部機器１９と配線１８によって結ばれている。外部機器１９からの音の電気信号は、配線１８からコイル２１３へ流れ、コイルと磁石とが相互作用を起こす。この相互作用により、磁石組支持手段（ダイヤフラム）２１５により支持されている磁石２１４は、コイル２１３に対して軸方向の運動を起こす。この運動は、磁石支持手段であるダイヤフラム２１５と結合し、コイルを支持するキャリヤ２１６に伝達され、振動伝達部としてのキャリヤ２１６からジョイント部材２へと振動が伝達される。
【００２１】
ねじ部の螺合によりエキサイタ１とジョイント部材２とを結合した場合の側面図を図６に示す。点線は、エキサイタ１内部のねじ部を示す。点線に示されているエキサイタ１の雌ねじ２２とジョイント部材２の雄ねじ２１とによって、エキサイタ１とジョイント部材２は連結、固定される。エキサイタ１の下端面は、ジョイント部材２の上面と密着して結合されており、これによりエキサイタ１の振動がジョイント部材２へ伝えられる。ジョイント部材２は、内装材３と密着固定されており、ジョイント部材２の振動はさらに内装材３へ伝えられ、内装材３が振動することによって音を発生する。
【００２２】
図７に振動装置であるエキサイタ１と内装材（板状部材）３と、それらを継ぐジョイント部材２との連結の形態を示す。（ａ）は、内装材３に直接射出成形を行ってジョイント部材２を形成したものである（直接射出成形に関しては後述する）。ジョイント部材２の上部中央には、エキサイタ１との連結が可能となるように、雄ねじ２１が形成されている。（ｂ）は、振動装置としてのエキサイタ１を示す。図に示されたエキサイタ１の中央下部には、雌ねじ２２が形成されている。ジョイント部材２の雄ねじ部２１とエキサイタ１の雌ねじ部２２とを結合することにより、内装材３にエキサイタ１を取り付けることができる。内装材３にエキサイタ１を取付け、エキサイタ１の振動により内装材３を振動させ音を発生するフラットパネルスピーカ１１を形成した例を（ｃ）に示す。エキサイタ１は、配線によって（図では省略されている）外部機器と電気的に結びつけられており、電気信号によりエキサイタ１が振動し、エキサイタ１とジョイント部材２で結びつけられた内装材３が振動する。
【００２３】
振動装置と板状部材である内装材とジョイント部材からなるスピーカを製作するため、ジョイント部材を内装材に直接成形する。直接射出成形の方法を図８に示す。（ａ）は、ジョイント部材を形成する内装材３の側面図である。この内装材３にエキサイタ１が取り付けられることにより、内装材から音が発生するスピーカとなる。この内装材３上にジョイント部材２を形成するため、（ｂ）のように内装材３の一部の面６と協働してキャビティ２８が形成されるように金型２５を置く。この金型２５には、射出成形機２６の先端ノズル２７が当接される。
【００２４】
そして射出成形機２６先端のノズル２７から射出された溶融樹脂が、金型２５と内装材の一部の面６と協働して形成されるキャビティ２８内に排出される。溶融樹脂がキャビティ２８内で固化すれば、金型２５を内装材３から離すことにより、射出成形が完了しジョイント部材２（樹脂ブラケット）が内装材３の一部の面６上に形成される。（ｃ）は、ジョイント部材２である樹脂ブラケットが内装材３に形成された様子を示す。直接射出成形により、ジョイント部材２は、内装材３に接着した状態で形成されるため、改めて接着する必要がない。ジョイント部材２とエキサイタ１とに、ねじ部２１，２２を形成すれば、ねじ部の螺合によりジョイント部材２とエキサイタ１との固定を容易に行うことができる。
【００２５】
車両室内の内装材に前記の方法でエキサイタを設置し、フラットパネルスピーカを形成することができる。具体的には、前述のドア内張材の他、ピラー内張材、リヤシェルフカバー、インストルメントパネル、コンソールボックス、座席シート材などが挙げられる。エキサイタは、小型なものであり、平板上にわずかな空間があれば、前述のように平板上にジョイント部材を直接射出成形して、エキサイタを取り付けることができる。したがってエキサイタ取付けの場所として、多くの場所が考えられる。
【００２６】
図９，１０に他の実施形態として、自動車１０のピラー３６，３７，３８の内張材３９，４０，４１に取り付ける場合を示す。図１０は、ピラー部の断面図である（図には天井部４、ドア部３３も描かれている）。ピラー内張材としてフロントピラー内張材３９、センターピラー内張材４０、リヤピラー内張材４１が挙げられる。図１０に示すように、ピラー３６，３７，３８（車外側）には、車内側にピラー内張材３９，４０，４１が取り付けられており、ピラー３６，３７，３８とピラー内張材３９，４０，４１との間にエキサイタ１を設置できる空間がある。したがってピラー内張材裏面にもエキサイタ１を取り付けることにより、ピラーをフラットパネルスピーカとすることができる。ピラー内張材３９，４０，４１へのエキサイタ１の取付け方法は、前述の場合と同様で、内張材３９，４０，４１へ直接射出成形によりジョイント部材２を形成し、ジョイント部材２へエキサイタ１を取り付ける。エキサイタ１は、外部機器からの電気信号によって振動し、この振動がジョイント部材２を介して、ピラー内張材３９，４０，４１へ伝えられ、ピラー内張材から音が発生する。
【００２７】
また自動車１０の後部座席４５の後方のリヤシェルフカバー４６内にエキサイタ１を取り付けることもできる。図１１は自動車後部座席４５周辺を示す。図１２は、自動車１０の後部の側面図である。後部座席４５後方の後面ガラス４７との間にあるリヤシェルフカバー４６にエキサイタ１を取り付けることができる。図１２に示すようにリヤシェルフカバー４６の裏面には、空間があり、通常ここはトランクルームとなっているが、ここにエキサイタ１を取り付けられる。リヤシェルフカバー４６へのエキサイタ１の取付けは、上述の場合と同様で、リヤシェルフカバー４６にジョイント部材２を直接射出成形により形成し、ジョイント部材２にエキサイタ１を取り付ける。エキサイタ１の振動は、ジョイント部材２を介して、リヤシェルフカバー４６へ伝わり、後部座席４５後方から臨場感のある音を聴くことができる。
【００２８】
自動車１０の室内の様子を図１３に示す。図１４は、自動車１０の側面図である。エキサイタ１は、車両内部の平板のあるところに取り付けることができる。運転席、助手席前方にインストルメントパネル５１，５２があるが、この内部には空間がありこの部分にエキサイタ１を取り付けることができる。このインストルメントパネル５１，５２へのエキサイタ１の取付け方法は上述と同様に行う。エキサイタ１を取り付けたインストルメントパネル５１，５２を設置すれば、運転席、助手席前方から、発生する音を楽しむことができる。
【００２９】
また座席側部にあるコンソールボックス５３にもエキサイタ１を取り付けることができる。図１５は、コンソールボックス５３内にエキサイタ１を取り付けた場合を示す。コンソールボックス５３の収納部を開閉する蓋５５の裏面にエキサイタ１を取り付けたり、側壁５６の内面へ取り付けたりすることもできる。このようにすれば、コンソールボックス５３の上部または側部から車内に音が響きわたることになる。
【００３０】
図１６に座席シート外皮材５４の内面にエキサイタ１を取り付けた場合を示す。座席シート外皮材５４の内面にもエキサイタ１を取り付けることでフラットパネルスピーカを形成することができる。このような場所へエキサイタ１を取り付ければ、座席シート５４から発生する音を鑑賞することができる。エキサイタ１の取付け方法は、前述と同様である。
【００３１】
以上の通り、車両内部において、前述のように多くの部分をフラットパネルスピーカとすることができる。これらのところにエキサイタを取り付けフラットパネルスピーカとすることで、前方、後方、側面などから音が響き渡り、音に包み込まれたような感じを受けることになる。エキサイタの取付けは、内装材裏側（内側）についてのみ述べたが、内装材表側（室内側）に取り付けることもできる。むろんフラットパネルスピーカとできる場所は、前述の場所に限定されない。他の内装材についても振動装置を取り付けスピーカ装置とすることができる。従来スピーカを設置できなかった十分なスペースがない部分にエキサイタを取り付け、フラットパネルスピーカとすることにより、音を発生させることができる。前述の箇所すべてもしくは一部、あるいはそれ以外の箇所をフラットパネルスピーカにすることにより、あらゆる方向から音を聴くことになり、音に包まれて臨場感を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】自動車ドアへのエキサイタの取付けを示す図。
【図２】自動車ドアの断面図。
【図３】エキサイタ内部の実施形態１の概略図。
【図４】エキサイタ内部の実施形態２の概略図。
【図５】エキサイタ内部の実施形態３の概略図。
【図６】フラットパネルスピーカの側面図。
【図７】エキサイタとジョイント部材と内装材（板状部材）との連結を示す図。
【図８】内装材（板状部材）上へのジョイント部材の直接射出成形を示す図。
【図９】エキサイタを取り付ける自動車ピラーを示す図。
【図１０】自動車ピラーの断面図。
【図１１】エキサイタを取り付けるリヤシェルフカバーを示す図。
【図１２】リヤシェルフカバーへのエキサイタの取付けを示す図。
【図１３】エキサイタを取り付ける自動車室内のインストルメントパネル、コンソールボックス、座席シートを示す図。
【図１４】自動車前部の側面図
【図１５】コンソールボックス内へのエキサイタの取付けを示す図。
【図１６】座席シートへのエキサイタの取付けを示す図。
【符号の説明】
１，１００，２００ 振動装置（エキサイタ）
２ ジョイント部材（樹脂ブラケット）
３ 内装材（板状部材）
１１ フラットパネルスピーカ
２１ 雄ねじ部
２２ 雌ねじ部
３２ ドア内張材
３６，３７，３８ ピラー
４６ リヤシェルフカバー
５１，５２ インストルメントパネル
５３ コンソールボックス
５４ 座席シート[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a vehicle speaker device.
[0002]
[Prior art]
A speaker of a vehicle, particularly an automobile, has speakers arranged on the left and right sides of a driver's seat, and the speaker (dynamic speaker) generates sound by vibrating cone paper.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, since the speaker is large as it is and a dedicated installation space is taken, the place where the speaker can be arranged in the automobile is naturally determined. As described above, since the arrangement position of the speakers is restricted, it is difficult to listen to sound waves emitted from a plurality of speakers in a good phase only at a limited position in the passenger compartment.
[0004]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a vehicular speaker that has a simple structure and saves space, which is not easily restricted by the position of the speaker even in a limited vehicle interior space.
[0005]
[Means for Solving the Problems and Effects of the Invention]
The present invention relates to a vehicle speaker that generates a sound by fixing a vibration device that generates vibration according to an electric signal of sound to a back surface or a front surface of an interior material in a vehicle compartment and using the vibration device as a vibration source to vibrate the interior material. Device. Further, the vibration device is fixed to an interior material in a vehicle compartment via a joint member, and the vibration device is used as a vibration source, and the interior material is vibrated from the back side to generate sound.
[0006]
If a vibration device is attached to the interior material in the vehicle interior and the interior material is vibrated to produce a speaker, many places in the vehicle interior can be flat panel speakers. Specific examples of the vehicle interior material include a door lining material.
[0007]
Specifically, a vehicle speaker device that generates a sound by fixing a vibration device that generates vibration according to an electrical signal of sound to a door lining material in a vehicle compartment and vibrates the door lining material using the vibration device as a vibration source; To do. For example, if a vibration device is installed in the space behind the door lining material and the entire door lining material is a flat panel speaker, the large speaker will not protrude from the door part, it will not only look good, but also from the whole door The sound will resonate and you will be able to listen to the sound that is full of realism. In other words, by using the interior material as a speaker vibrating body and allowing the interior material to function as a part of the speaker, a flat speaker can be formed in any narrow space, regardless of location, and the sound generation range can be reduced. It can also be expanded widely.
[0008]
Further, the vibration device may be fixed to a pillar lining material in a vehicle interior, and the vibration device may be used as a vibration source to vibrate the pillar lining material to generate a vehicle speaker device. Further, similarly, the above-described vibration device can be installed on a rear shelf cover, an instrument panel, a console box, a seat sheet material, and the like to form a flat panel speaker. If it is installed in such a place, the sound will reverberate from various directions, and you will feel as if it is enveloped in the sound.
[0009]
In a specific aspect, the vibration device is fixed to the interior material through a joint member, and the vibration device is vibrated by transmitting an electrical signal of sound to the vibration device from the outside through wiring. This vibration is transmitted to the interior material through the joint member. This vibration spreads throughout the interior material, and a relatively loud sound is generated from the entire interior material. Since sound is generated according to such a principle, various interior materials can be selected, and therefore the application range is wide.
[0010]
When attaching a vibration device for vibrating a flat panel speaker to generate sound, a joint member (connecting member) is attached to the panel, and the vibration device is attached thereto. However, the method of bonding the vibration device after bonding the joint member to the panel is troublesome.
[0011]
As a method for easily and quickly attaching the vibration device to the interior material, the joint member can be installed on the interior material by performing direct injection molding that directly molds the joint member on the interior material (panel plate). More specifically, the joint member is formed on the interior material by injecting resin into the cavity of the mold arranged so that the cavity is formed in cooperation with a part of the surface of the interior material. It is adhesively molded together. By directly molding on the interior material in this way, the molten resin solidifies and adheres to the interior material, so that the joint member can be quickly attached. And the speaker can be formed to the range which the speaker was not attached conventionally by expanding the attachment possible place of the above vibration devices.
[0012]
In order to mount the vibration device, the joint member mounting shape is determined according to the mounting mode of the vibration device, and is formed on the interior material. For example, if a female screw is formed on the vibration device, the male screw is formed on the joint member, thereby allowing the vibration device and the joint member to be coupled. It is also possible to adopt other connecting shapes.
[0013]
For example, a planar joint member is fixed to an interior material, and the joint member is integrally provided with a male screw portion that protrudes on the opposite side of the fixing surface, and the vibration device has a female screw portion that is screwed into the male screw portion. The vibration device is fixed to the interior member via the joint member by screwing the male screw portion and the female screw portion.
[0014]
The vibration device includes a coil unit that is electrically connected to an external device, a magnetic circuit unit, and a vibration transmission that is coupled to the coil unit or the magnetic circuit unit and is located on an end surface of the vibration device and transmits vibration to the outside. And an exciter. An electrical signal of sound from an external device is transmitted to the coil unit, and the coil unit or magnetic circuit unit generates vibration due to the interaction between the coil unit and the magnetic circuit unit. The vibration of the coil unit or magnetic circuit unit is transmitted as vibration. The vibration of the vibration transmitting unit is transmitted to the joint member.
[0015]
The vibration device is small, and can be attached via a joint member if a small space exists on the flat plate (on the interior material). Therefore, even if a speaker cannot be installed conventionally due to space limitations, if there is a relatively thin plate-like portion, it can be used as a speaker by attaching a vibration device.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to examples shown in the drawings.
[0017]
As shown in FIG. 1, the exciter 1 can be attached to the door lining material 32 of the automobile 10. FIG. 1 is a view of the door lining material 32 as seen from the side, and the exciter 1 is seen from above. FIG. 2 is a sectional view of the door. A door lining material 32 is fitted on the indoor side of the door main body 33, and there is a space between the door main body 33 and the door lining material 32, and there is a space for installing the exciter 1. Therefore, the exciter 1 can be attached to the back surface of the door lining material 32. The exciter is attached by forming the joint member 2 directly on the door lining material 32 by injection molding, and attaching the exciter 1 to the joint member 2. Then, the door lining material 32 is attached to the door body 33. If the exciter 1 is installed on the back surface of each door lining material 32, sound is generated from the door by the vibration of the exciter 1. For example, in a four-door car, if the exciter 1 is attached to all the door lining materials 32, sound will be generated from any door, and the presence will be full.
[0018]
FIG. 3 shows an embodiment 1 of the exciter. The exciter 1 includes a bobbin portion 15 equipped with a voice coil 13 and a magnetic circuit portion 14 having a magnetic gap into which the voice coil 13 is inserted. The magnetic circuit unit 14 includes a permanent magnet and a yoke structure. The bobbin portion 15 is connected to the drive surface 16, and the magnetic circuit portion 14 and the bobbin portion 15 are connected by an inner damper 17. The voice coil 13 is connected to an external device 19 by wiring 18. An electric signal from the external device 19 is transmitted to the voice coil 13 through the wiring 18, and vibration is generated by the magnetic circuit unit 14 and the voice coil 13, and the vibration is transmitted to the driving surface 16 through the bobbin unit 15. When the exciter 1 and the joint member 2 are connected by the female screw portion 22, this vibration is transmitted to the joint member 2 that is in close contact with the driving surface 16 as a vibration transmitting portion, and the vibration transmitted to the joint member 2 is the interior material 3. Is transmitted to. The figure shows an outer magnet type magnetic circuit, but an inner magnet type magnetic circuit can also be adopted.
[0019]
FIG. 4 shows an embodiment 2 of the exciter. The exciter 100 includes a drive surface 116 that transmits vibrations in an audible frequency band to the joint member 2, a bobbin 115, a coil 113 wound around the bobbin 115, a magnet 114, a yoke 117, a bobbin 115, and a yoke. 117 and an inner damper 118 that is coupled to 117. The coil 113 is connected to the external device 19 by the wiring 18, and an electric signal is transmitted from the external device 19 to the coil 113, and vibration is generated by the action of the coil 113 and the magnet 114. This vibration is driven from the bobbin 115. The vibration is transmitted to the surface 116, and the vibration is transmitted to the joint member 2 installed in contact with the driving surface 116 as a vibration transmitting portion.
[0020]
Further, FIG. 5 shows an embodiment 3 of the exciter. The exciter 200 includes a coil 213, a magnet 214 disposed coaxially with the coil 213, and a vibration (means) that supports the magnet 214 so that the magnet 214 can move in the axial direction with respect to the coil 213. It is a device and is connected to an external device 19 by wiring 18. A sound electric signal from the external device 19 flows from the wiring 18 to the coil 213, and the coil and the magnet interact with each other. Due to this interaction, the magnet 214 supported by the magnet assembly support means (diaphragm) 215 causes the coil 213 to move in the axial direction. This movement is coupled to a diaphragm 215 that is a magnet support means, and is transmitted to a carrier 216 that supports a coil, and vibration is transmitted from the carrier 216 serving as a vibration transmission unit to the joint member 2.
[0021]
FIG. 6 shows a side view when the exciter 1 and the joint member 2 are coupled by screwing of the threaded portion. A dotted line shows the thread part inside the exciter 1. The exciter 1 and the joint member 2 are connected and fixed by the female screw 22 of the exciter 1 and the male screw 21 of the joint member 2 shown by dotted lines. The lower end surface of the exciter 1 is tightly coupled to the upper surface of the joint member 2, whereby the vibration of the exciter 1 is transmitted to the joint member 2. The joint member 2 is tightly fixed to the interior material 3, and the vibration of the joint member 2 is further transmitted to the interior material 3, and the interior material 3 vibrates to generate sound.
[0022]
FIG. 7 shows a form of connection between an exciter 1 that is a vibration device, an interior material (plate-like member) 3, and a joint member 2 that connects them. (A) is obtained by directly injection-molding the interior material 3 to form the joint member 2 (direct injection molding will be described later). A male screw 21 is formed at the upper center of the joint member 2 so as to be connected to the exciter 1. (B) shows the exciter 1 as a vibration device. A female screw 22 is formed at the center lower portion of the exciter 1 shown in the figure. The exciter 1 can be attached to the interior material 3 by connecting the male screw portion 21 of the joint member 2 and the female screw portion 22 of the exciter 1. An example in which the exciter 1 is attached to the interior material 3 and the flat panel speaker 11 that generates sound by vibrating the interior material 3 by the vibration of the exciter 1 is shown in FIG. The exciter 1 is electrically connected to an external device (not shown in the figure) by wiring, and the exciter 1 vibrates by an electric signal, and the interior material 3 connected by the exciter 1 and the joint member 2 vibrates. .
[0023]
In order to manufacture a speaker composed of a vibration device, a plate-like interior material and a joint member, the joint member is directly formed on the interior material. A direct injection molding method is shown in FIG. (A) is a side view of the interior material 3 which forms a joint member. By attaching the exciter 1 to the interior material 3, a speaker that generates sound from the interior material is obtained. In order to form the joint member 2 on the interior material 3, the mold 25 is placed so that the cavity 28 is formed in cooperation with a part of the surface 6 of the interior material 3 as shown in FIG. A tip nozzle 27 of an injection molding machine 26 is brought into contact with the mold 25.
[0024]
The molten resin injected from the nozzle 27 at the tip of the injection molding machine 26 is discharged into a cavity 28 formed in cooperation with the mold 25 and a part of the surface 6 of the interior material. When the molten resin is solidified in the cavity 28, the mold 25 is separated from the interior material 3 to complete the injection molding and the joint member 2 (resin bracket) is formed on a part of the surface 6 of the interior material 3. . (C) shows a state in which the resin bracket as the joint member 2 is formed on the interior material 3. Since the joint member 2 is formed in a state of being bonded to the interior material 3 by direct injection molding, it is not necessary to bond again. If the screw parts 21 and 22 are formed in the joint member 2 and the exciter 1, the joint member 2 and the exciter 1 can be easily fixed by screwing of the screw parts.
[0025]
An exciter can be installed in the interior material of the vehicle interior by the above method to form a flat panel speaker. Specifically, in addition to the door lining material described above, pillar lining materials, rear shelf covers, instrument panels, console boxes, seat seat materials, and the like can be given. The exciter is small, and if there is a small space on the flat plate, the exciter can be attached by directly injection-molding the joint member on the flat plate as described above. Therefore, there are many possible locations for exciter installation.
[0026]
As another embodiment, FIGS. 9 and 10 show a case in which they are attached to the lining materials 39, 40, and 41 of the pillars 36, 37, and 38 of the automobile 10. FIG. FIG. 10 is a cross-sectional view of the pillar part (the ceiling part 4 and the door part 33 are also drawn in the figure). Examples of the pillar lining material include a front pillar lining material 39, a center pillar lining material 40, and a rear pillar lining material 41. As shown in FIG. 10, pillar lining materials 39, 40, 41 are attached to the pillars 36, 37, 38 (vehicle outer side) on the vehicle inner side, and the pillars 36, 37, 38 and the pillar lining material 39 are attached. , 40 and 41 have a space where the exciter 1 can be installed. Therefore, by attaching the exciter 1 to the back surface of the pillar lining material, the pillar can be a flat panel speaker. The exciter 1 is attached to the pillar lining materials 39, 40, 41 in the same manner as described above. The joint member 2 is formed directly on the lining materials 39, 40, 41 by injection molding, and the exciter is applied to the joint member 2. 1 is attached. The exciter 1 is vibrated by an electric signal from an external device, and this vibration is transmitted to the pillar lining materials 39, 40, 41 via the joint member 2, and sound is generated from the pillar lining material.
[0027]
Further, the exciter 1 can be mounted in the rear shelf cover 46 behind the rear seat 45 of the automobile 10. FIG. 11 shows the vicinity of the rear seat 45 of the automobile. FIG. 12 is a side view of the rear part of the automobile 10. The exciter 1 can be attached to the rear shelf cover 46 between the rear glass 47 and the rear glass 47 behind the rear seat 45. As shown in FIG. 12, there is a space on the back surface of the rear shelf cover 46, which is usually a trunk room, but the exciter 1 can be attached here. The exciter 1 is attached to the rear shelf cover 46 in the same manner as described above. The joint member 2 is directly formed on the rear shelf cover 46 by injection molding, and the exciter 1 is attached to the joint member 2. The vibration of the exciter 1 is transmitted to the rear shelf cover 46 via the joint member 2, and a sound with a sense of presence can be heard from the rear of the rear seat 45.
[0028]
FIG. 13 shows the interior of the automobile 10. FIG. 14 is a side view of the automobile 10. The exciter 1 can be attached to a place with a flat plate inside the vehicle. There are instrument panels 51 and 52 in front of the driver's seat and the passenger seat, and there is a space inside this, and the exciter 1 can be attached to this portion. The exciter 1 is attached to the instrument panels 51 and 52 in the same manner as described above. If the instrument panels 51 and 52 to which the exciter 1 is attached are installed, the generated sound can be enjoyed from the front of the driver seat and the passenger seat.
[0029]
The exciter 1 can also be attached to the console box 53 on the side of the seat. FIG. 15 shows a case where the exciter 1 is installed in the console box 53. The exciter 1 can be attached to the back surface of the lid 55 that opens and closes the storage portion of the console box 53, or can be attached to the inner surface of the side wall 56. In this way, the sound reverberates from the top or side of the console box 53 into the vehicle.
[0030]
FIG. 16 shows a case where the exciter 1 is attached to the inner surface of the seat cover 54. A flat panel speaker can be formed by attaching the exciter 1 also to the inner surface of the seat sheet outer skin material 54. If the exciter 1 is attached to such a place, the sound generated from the seat 54 can be appreciated. The method for attaching the exciter 1 is the same as described above.
[0031]
As described above, many parts can be made into a flat panel speaker in the vehicle as described above. By attaching an exciter to these places to make a flat panel speaker, the sound reverberates from the front, back, side, etc., and feels like it is wrapped in the sound. Although the exciter is attached only to the interior material back side (inside), it can also be attached to the interior material front side (interior side). Of course, the place where the flat panel speaker can be made is not limited to the above-mentioned place. For other interior materials, a vibration device can be attached to form a speaker device. A sound can be generated by attaching an exciter to a portion where there is not enough space where a conventional speaker could not be installed, thereby forming a flat panel speaker. By using flat panel speakers for all or part of the above-mentioned portions, or other portions, it is possible to listen to the sound from all directions, and it is possible to enjoy a sense of realism surrounded by the sound.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing attachment of an exciter to an automobile door.
FIG. 2 is a cross-sectional view of an automobile door.
FIG. 3 is a schematic diagram of Embodiment 1 inside an exciter.
FIG. 4 is a schematic diagram of Embodiment 2 inside an exciter.
FIG. 5 is a schematic diagram of Embodiment 3 inside an exciter.
FIG. 6 is a side view of a flat panel speaker.
FIG. 7 is a view showing the connection of an exciter, a joint member, and an interior material (plate-like member).
FIG. 8 is a view showing direct injection molding of a joint member onto an interior material (plate-like member).
FIG. 9 is a view showing an automobile pillar to which an exciter is attached.
FIG. 10 is a cross-sectional view of an automobile pillar.
FIG. 11 is a view showing a rear shelf cover to which an exciter is attached.
FIG. 12 is a view showing attachment of the exciter to the rear shelf cover.
FIG. 13 is a view showing an instrument panel, a console box, and a seat in an automobile room to which an exciter is attached.
FIG. 14 is a side view of the front portion of the automobile. FIG. 15 is a diagram showing the mounting of the exciter in the console box.
FIG. 16 is a diagram showing attachment of the exciter to the seat.
[Explanation of symbols]
1,100,200 Vibration device (exciter)
2 Joint member (resin bracket)
3 Interior materials (plate-like members)
DESCRIPTION OF SYMBOLS 11 Flat panel speaker 21 Male thread part 22 Female thread part 32 Door lining material 36,37,38 Pillar 46 Rear shelf cover 51,52 Instrument panel 53 Console box 54 Seat seat
