JP2005007516A - ボーリング装置、ボーリング方法、これらに使用される清掃装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス管の外周面の補修などの工事が容易にでき、既設管などの長尺体の周りをボーリングでき、長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査でき、補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事が行え、腐食の程度がかなり進行して長尺体の交換が必要な場合でも長尺体の外周面側に形成されたボーリング孔から長尺体を容易に除去して新しいガス管などの長尺体に容易に交換でき、工事コストが大幅に低減でき、しかも新たな貫通孔を建物などの壁に新設することがなく構造上の問題の発生も全くない。
【解決手段】既設管9の外周をボーリングする筒状の刃物10と、既設管に取り付けられて刃物を既設管の軸線方向に沿って案内する案内具20と、案内具により刃物を案内しながら回転させつつ既設管に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成する刃物駆動機構30とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】既設管9の外周をボーリングする筒状の刃物10と、既設管に取り付けられて刃物を既設管の軸線方向に沿って案内する案内具20と、案内具により刃物を案内しながら回転させつつ既設管に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成する刃物駆動機構30とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、コンクリートなどの壁などに埋設された既設管などの長尺体(例えばガス管)の外周面側の壁などに円筒状のボーリング孔を形成するために使用されるボーリング装置、ボーリング方法、これらに使用される清掃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートなどの壁に埋設された長尺体である既設管(例えばガス管)を取り替える方法としては、図19に示すようなものがある。図19(a)に図示するように、既設のガス管2などは、通常コンクリートなどの壁1などを貫通した貫通孔1a内に挿通させられ、貫通孔1aとガス管2との間の間隙にモルタルやコンクリートなどの充填材3を充填して設置されている。このような既設のガス管が埋設後20年以上経過して腐食が進行したなどという理由により当該ガス管2を取り替えるには、図19(b)に示すように、現在使用していたガス管2を使用を中止して廃管として壁際で埋設部分2cとその両側部分2a、2bに切断し、別の場所の壁などに貫通孔4aを形成し当該貫通孔4a内に新しいガス管5を埋設させる施工方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
別の場所に貫通孔4aを形成して新たにガス管5を埋設する方法は新規工事に匹敵する工事費用がかかり、古くなって腐食などが進行した既設ガス管の取り替えが円滑に進まないという問題がある。また、新規にガス管を引き込むために壁などに貫通孔4aなどを貫通して形成させるので建物の構造上の問題(例えば構造物の強度を低下させるなど)がある。
【0004】
ガス管の外周側の補修(更生)工事を行えば、十分使用に耐えられるガス管の場合でもガス管の交換を行うので、補修工事ならば工事費用の大幅なコストダウンができるであろうと推定される場合でも、新規工事と同程度の工事費用がかかってしまう。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ガス管の外周面の補修などの工事を容易に行うことができる装置を提供し、既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成することができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができ、補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができ、腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合でも既設管などの長尺体の外周面側に形成されたボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去して当該ボーリング孔内に新しいガス管などの長尺体を容易に配置することができ、これらにより工事コストを大幅に低減することができ、新たな貫通孔を建物などの壁に新設することがないので構造上の問題も全く生じない、ボーリング装置、ボーリング方法及びこれらに使用される清掃装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のボーリング装置は、既設管などの長尺体の外周をボーリングする筒状の刃物と、前記既設管などの長尺体に取り付けられて前記刃物を前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿って案内する案内具と、当該案内具により前記刃物を案内しながら回転させつつ前記既設管などの長尺体に沿って前進させて前記既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成する刃物駆動機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】
このものでは、案内具によって案内される刃物により既設管などの長尺体の周りを既設管などの長尺体とほぼ同軸にボーリング孔を形成することができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができる。検査の結果、補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができる。腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合には、既設管などの長尺体の外周面側のボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去でき、ボーリング孔内に新しいガス管などの長尺体を容易に配置することができる。これらにより工事コストを大幅に低減することができる。さらに、新たな貫通孔を建物などの壁などに新設することがないので構造上の問題(強度低下など)は全く発生しない。
【0008】
本発明の請求項2記載のボーリング装置は、前記刃物がその周方向に複数に分割された刃物部品からなり、分割された刃物部品のそれぞれの端面には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための結合機構が形成されていることを特徴とする。
【0009】
このものでは、刃物部品は既設管などの長尺体の外周面側から配置されるので、既設管などの長尺体を切断する必要がなく、ガスなどを遮断することなくボーリング孔を形成する工事を行うことができる。
【0010】
本発明の請求項3記載のボーリング装置は、前記刃物の端部に前記刃物駆動機構に係合して駆動される基端部分が形成され、当該基端部分に前記刃物の直径に応じた大きさの孔が形成され、各種の直径を有する刃物のそれぞれに対応して各種の基端部分が用意され前記基端部分を前記各刃物の直径に応じて交換可能としたことを特徴とする。
【0011】
このものでは、既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。なお、刃物駆動機構を基端部分に応じて複数用意しこれらのうち適切なものに交換するようにしてもよい。
【0012】
本発明の請求項4記載のボーリング装置は、前記刃物の端部には前記刃物駆動機構に係合して駆動される基端部分が形成され、当該基端部分に単一の径を有する孔が形成され、当該孔の内周部に前記刃物の直径に応じて前記刃物の外周面との間に形成される隙間を埋めるスペーサ部材が挿入され、各種の直径を有する刃物のそれぞれに対応して各種のスペーサ部材が用意され前記刃物の直径に応じて前記スペーサ部材を交換可能としたことを特徴とする。
【0013】
このものでは、既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分の孔内に埋められるスペーサ部材を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。なお、刃物駆動機構を基端部分に応じて複数用意しこれらのうち適切なものに交換するようにしてもよい。
【0014】
本発明の請求項5記載のボーリング装置は、前記案内具がその周方向に複数に分割された案内具部品からなり、分割された案内具部品のそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための結合機構が形成され、前記案内具は既設管などの長尺体の周りに各案内具部品を取り囲んで配置して組み立てられ、組み立てられた案内具の外周面に前記刃物が挿入されることを特徴とする。
【0015】
このものでは、刃物を案内する案内具部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置でき、案内具部品を取り付ける際に既設管などの長尺体を切断する必要がなく、例えば長尺体がガス管の場合にガスなどを遮断することなく組み立てられた案内具の外周面により刃物を案内してボーリング孔を形成することができる。
【0016】
本発明の請求項6記載のボーリング装置は、前記案内具部品には前記既設管などの長尺体を狭持するために凹部が形成され、当該凹部は前記案内具部品を組み立てた際に前記既設管などの長尺体を同心位置又は偏心位置のいずれかで狭持できる構造となっていることを特徴とする。
【0017】
このものでは、各案内具部品に形成された凹部により案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0018】
本発明の請求項7記載のボーリング装置は、前記案内具部品の凹部と前記既設管などの長尺体の外周面との間にはスペーサ部材が挿入されることを特徴とする。
【0019】
このものでは、案内具部品の凹部により形成される径が既設管などの長尺体の直径よりも大きい場合にはこの隙間をスペーサ部材により埋めることにより案内具を既設管などの長尺体にしっかりと取り付けることができる。
【0020】
本発明の請求項8記載のボーリング装置は、前記案内具の外周面には前記刃物の内周面が接触して摺動する摺動部材が設けられていることを特徴とする。
【0021】
このものでは、刃物が案内具の外周面に設けられた摺動部材により円滑に案内される。なお、摺動部材は案内具の周方向及び軸線方向に複数個並べて設けることが好ましい。
【0022】
本発明の請求項9記載のボーリング装置は、前記案内具がその周方向に複数に分割された案内具部品からなり、分割された案内具部品のそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構が形成され、前記案内具は既設管などの長尺体の周りに各案内具部品を取り囲んで配置して組み立て、組み立てられた案内具の外周面にその軸線方向に沿って形成された案内部に従って前記刃物が案内されることを特徴とする。
【0023】
このものでは、刃物を案内する案内具部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置でき、案内具部品を取り付ける際に既設管などの長尺体を切断する必要がなく、例えば長尺体がガス管の場合にガスなどを遮断することなく組み立てられた案内具の外周面に形成された案内部に従って刃物を案内してボーリング孔を形成することができる。
【0024】
本発明の請求項10記載のボーリング装置は、前記案内具部品には前記既設管などの長尺体が挿入される凹部が形成され、前記案内具部品を組み立てた際に形成された凹部内には前記既設管などの長尺体を狭持して取り付けられたブロック体が前記案内具の径方向に移動可能に組み付けられていることを特徴とする。
【0025】
このものでは、各案内具部品に形成された凹部内に配置されたブロック体を案内具の径方向に移動させることにより案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0026】
本発明の請求項11記載のボーリング装置は、組み立てられた前記案内具が前記刃物の径方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0027】
このものでは、案内具を刃物の径方向に移動させることにより案内具を刃物に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0028】
本発明の請求項12記載のボーリング装置は、前記案内具が既設管などの長尺体の内面側で前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿ってを摺動させられる摺動駒を備え、前記刃物には前記摺動駒の前面にほぼ直角に当接する棒状部材が前記刃物の軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする。
【0029】
このものでは、既設管などの長尺体を途中で切断又は分解されて開放端が形成された場合に、その開放端の内周面にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸なボーリング孔を形成することができる。
【0030】
本発明の請求項13記載のボーリング装置は、前記案内具が、前記既設管などの長尺体の内周面に取り付けられる筒状部材と、当該筒状部材の内周面に筒状部材の軸線方向に沿って摺動自在に取り付けられる摺動駒とを備え、前記刃物には前記摺動駒の前面にほぼ直角に当接する棒状部材が前記刃物の軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする。
【0031】
このものでは、既設管などの長尺体が途中で切断又は分解されて開放端が形成された場合に、その開放端の内周面に筒状部材を取り付け、この筒状部材の内側にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸なボーリング孔を形成させることができる。
【0032】
本発明の請求項14記載のボーリング装置は、前記摺動駒の少なくとも前面には前記棒状部材の先端部が嵌まり込む凹部又は孔が形成されていることを特徴とする。
【0033】
このものでは、摺動駒の前面に設けられた凹部又は孔に刃物に形成した棒状部材の先端を嵌まり込ませることにより棒状部材ひいては刃物を安定して位置決めでき、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に安定して移動させることができる。
【0034】
本発明の請求項15記載のボーリング装置は、前記筒状部材の内周面及び前記摺動駒の側面には互いに係合し合う係合部がこれらの軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする。
【0035】
このものでは、摺動駒が筒状部材と係合部を介して連結され、筒状部材の軸線方向すなわち既設管などの長尺体とほぼ同軸に摺動駒を移動することができ、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができる。
【0036】
本発明の請求項16記載のボーリング装置は、前記筒状部材と摺動駒との間には摺動駒を外側に向かって押圧付勢する付勢機構が配置されていることを特徴とする。
【0037】
このものでは、刃物に形成された棒状部材などにより筒状部材に沿って移動させられた摺動駒を、棒状部材などによる押圧が解除された後に付勢機構により元の外側方向に向かって押圧付勢し復帰させることができる。
【0038】
本発明の請求項17記載の清掃装置は、筒状の刃物によりボーリングされたボーリング孔に露出する既設管などの長尺体の外周面又は前記ボーリング孔の内周面を研磨や研削などにより清掃する清掃装置であって、先端部付近に形成された清掃刃及び後端部に形成された握り部を棒状の連結部により連結した清掃具と、既設管などの長尺体の外周面に取り付けられて前記清掃具の連結部を前記既設管などの長尺体にその軸線方向に往復運動可能に保持する保持具とを備えたことを特徴とする。
【0039】
このものでは、本発明のボーリング装置により既設管などの長尺体の外周面側にボーリング孔を形成した後に、保持具を既設管などの長尺体に取り付け保持具により清掃具の連結部を保持し、清掃具の握り部を握って往復運動させ先端部付近に形成された清掃刃によりボーリング孔に露出する既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に研磨や研削などを施して当該面の清掃を行うことができる。
【0040】
本発明の請求項18記載の清掃装置は、前記保持具には、前記清掃刃が力点、前記握り部が作用点となるように、前記連結部を支持点として保持する支点部が形成されるとともに、当該支点部を介して前記清掃具に対して荷重を付加する荷重付加機構が設けられていることを特徴とする。
【0041】
このものでは、清掃刃を荷重付加機構により支点部を介して既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に押しつけることができ、研磨や研削などを効率良くかつ正確に行うことができる。
【0042】
本発明の請求項19記載の清掃装置は、前記保持具において少なくとも前記支点部が前記清掃具を前記既設管などの長尺体の軸線とほぼ平行に往復運動できるように幅広に形成されていることを特徴とする。
【0043】
このものでは、清掃具はその連結部が幅広の部分で案内されて既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができ、研磨や研削などを既設管などの長尺体とほぼ同軸に正確にかつ確実に行うことができる。
【0044】
本発明の請求項20記載の清掃装置は、前記既設管などの長尺体と保持具との間には前記清掃具と既設管などの長尺体との距離を調整するための距離調整用スペーサ部材が介挿されるを備えたことを特徴とする。
【0045】
このものでは、清掃具として同じものを使用しても、各種の厚みを有する距離調整用スペーサ部材を交換することにより清掃具(特に清掃刃)と既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面との距離を調節することができる。
【0046】
本発明の請求項21記載の清掃装置は、前記清掃具の清掃刃の少なくとも先端部には、清掃すべき既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面の曲率に対応した曲率が付与されていることを特徴とする。
【0047】
このものでは、既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に外周面や内周面に対応した曲率の清掃刃を当てて既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に円弧状の研磨や研削などを施すことができる。
【0048】
本発明の請求項22記載の清掃装置は、前記清掃具の連結部は研磨や研削などために往復運動させた際に前記既設管などの長尺体と干渉し合わないように折り曲げられた形状又は湾曲させられた形状とされていることを特徴とする。
【0049】
このものでは、清掃具が折り曲げ形状や屈曲形状となっており、研磨や研削を行う既設管などの長尺体に連接された既設管などの長尺体との干渉を避けて研磨や研削などの清掃作業を円滑に行うことができる。
【0050】
本発明の請求項23記載の清掃装置は、前記保持具に当該保持具を予め設定された小角度ずつ前記既設管などの長尺体の周方向に回転させるための回転機構を備えたことを特徴とする。
【0051】
このものでは、回転機構により保持具を小角度ずつ回転させて、清掃具により既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面を、前記小角度に対応した幅で研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に順次行うことができる。
【0052】
本発明の請求項24記載の清掃装置は、前記回転機構が、前記既設管などの長尺体に取り付けられる距離調整用スペーサ部材の外周面と、当該距離調整用スペーサ部材の外周に取り付けられる保持具の内周面とに互いに係脱自在に係合し合う係合部を複数形成し当該係合部の係合相手を周方向に変更することにより予め設定された小角度ずつ保持具を回転させて位置決めするものであることを特徴とする。
【0053】
このものでは距離調整用スペーサ部材及び保持具に形成された係合部を噛み合う相手を周方向に順次変更することにより保持具を既設管などの長尺体の周方向に小角度ずつ回転移動して位置決めし研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に順次行うことができる。
【0054】
本発明の請求項25記載のボーリング方法は、既設管などの長尺体の外周面又は内周面に案内具を取り付ける工程と、前記既設管などの長尺体の外周面側に筒状の刃物を取り付ける工程と、前記刃物を回転させつつ前記案内具により案内しつつ前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿って前進させて前記既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成する工程を備えたことを特徴とする。
【0055】
このものでは、案内具によって案内される刃物により既設管などの長尺体の周りを既設管などの長尺体とほぼ同軸にボーリングすることができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができる。検査の結果、補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができる。腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合には、既設管などの長尺体の外周面側のボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去できボーリング孔内に長尺体である新しいガス管などを容易に配置することができる。これらにより工事コストを大幅に低減することができる。さらに、新たな貫通孔を建物などの壁などに新設することがないので構造上の問題(強度低下など)は全く生じない。
【0056】
本発明の請求項26記載のボーリング方法は、ボーリング後に前記既設管などの長尺体の外周面又はボーリングされたボーリング孔の内壁面を清掃具を用いて研磨や研削などにより清掃する工程を有することを特徴とする。
【0057】
このものでは、ボーリング後にボーリング孔に露出した既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に清掃具により研磨や研削などを施して清掃することができる。
【0058】
本発明の請求項27記載のボーリング方法は、ボーリング後又は研磨や研削などの清掃後に、前記既設管などの長尺体の外周面又は前記既設管などの長尺体とボーリング孔との間に保護材又は充填材を塗布又は充填する工程を有することを特徴とする。
【0059】
このものでは、既設管などの長尺体の外周面に腐食などの劣化が認められた場合において補修で足りる場合には既設管などの長尺体の外周面に保護材を塗布した後にボーリング孔との間に充填材を充填することにより、既設管などの長尺体の補修工事を行うことができる。劣化や腐食が進行しておらず補修が必要ない場合などには保護材を塗布しないで充填材のみを充填するだけでもよい。ボーリング孔の内周面と既設管などの長尺体の外周面との間の距離が小さな場合などには保護材のみをボーリング孔と既設管などの長尺体との間に充填してボーリング孔を塞ぎ充填材の充填作業を省略してもよい。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法について説明する。本ボーリング装置及びボーリング方法は、長尺体として既設の中空状のガス管(以下既設管という。)を対象とするものである。
【0061】
本ボーリング装置8は、図1に示すように、既設管9の外周をボーリングしてボーリング孔を形成する筒状の刃物10と、既設管9に取り付けられて刃物10を既設管9の軸線方向に沿って案内する案内具20と、当該案内具20により刃物10を案内しながら回転させつつ既設管9に沿って前進させて既設管9の周りにボーリング孔を形成する刃物駆動機構30とを備えて概略構成される。
【0062】
前記刃物10は、前記案内具20側から軸方向に、ホルソー部11、延長アダプター部12、ベースアダプター部13、ホルソーベース部14に分割されて構成されている。これらホルソー部11、延長アダプター部12、ベースアダプター部13、ホルソーベース部14は、それぞれ周方向に複数(図では2つ)に分割されたそれぞれ本発明の刃物部品であるホルソー部品11a、延長アダプター部品12a、ベースアダプター部品13a、ホルソーベース部品14aからなる。分割されたホルソー部品11a、延長アダプター部品12a、ベースアダプター部品13a、ホルソーベース部品14aのそれぞれの端面には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構が形成されている。
【0063】
接合構造としては、図6に示すようなものが採用される。ここではホルソー部11を例にするが、他の延長アダプター部12、ベースアダプター部13、ホルソーベース部14なども同様である。すなわち、一方のホルソー部品11aの端面に逆テーパー面を有する溝部11bがホルソー部品11aの軸線方向と平行に形成されるとともに、他方のホルソー部品11aの端面に前記溝部11bに嵌まり込む凸条部11cがホルソー部品11aの軸線方向と平行に形成され、溝部11bと凸条部11cとを軸線方向にスライドさせて嵌合させるものである。また、図7に示すような他の接合構造を採用することもできる。すなわち、一方のホルソー部品11aの端面にその軸線方向に延びるテーパー面部11dが形成されるとともに、他方のホルソー部品11aの端面に前記テーパー面部11dに嵌まり込む凸条部11eが形成され、テーパー面部11dと凸条部11eとを嵌合させ、ねじ11fにより一体化させるものである。
【0064】
図1に示すように、ホルソー部11の案内具20側には刃部11gが形成され、後端部にはねじ部11hが形成されている。ホルソー部11の外周面には固定バンド11jが配置され、固定バンド11jに対応してホルソー部11の外周面に形成された周溝内に固定バンド11jを配置させて結束し各ホルソー部品11aを強固に一体化している。延長アダプター部12の先端部には前記ホルソー部11のねじ部11hに螺合されるねじ部12bが形成され、後端部にはねじ部12cが形成されている。ベースアダプター部13の先端部には前記延長アダプター部12のねじ部12cに螺合されるねじ部13bが形成され、後端部にはホルソーベース部14の孔14b内に挿入されるベース部13cが形成されている。ホルソーベース部14の後端部には前記刃物駆動機構30に連携させられる歯車部14cが形成されている。ホルソーベース部14に形成された孔14bは単一の径を有し、前記ベースアダプター部13の一部として一体的に形成されたベース部13cが挿入される。
【0065】
ここで、ベース部13cをベースアダプター部13と一体的に製造せずに、刃物10の直径に応じて刃物10の外周面と前記孔14bの内周面との間に生ずる隙間を埋められる各種の厚さを有するスペーサ部材を用意しておき、このスペーサ部材をベースアダプター部13のベース部13cとして刃物10の直径に応じてベースアダプター部13に嵌合的又は着脱自在に取り付けるようにしてもよい。
【0066】
また、別の形態として刃物10の直径に応じた各種の大きさの孔14bが形成されたホルソーベース部14を刃物10の直径の種類数に応じて複数種類用意しておき、刃物10の直径を変えた場合には刃物の直径に対応した孔14bを備えたホルソーベース部14に交換するようにしてもよい。
【0067】
刃物駆動機構30は、ホルソー部11などと同様に周方向に複数(図では2つ)に分割された刃物駆動部品30aを端面で接合してほぼ円筒形状としている。刃物駆動部品30aの円筒部には、前記ホルソーベース部14の歯車部14cが挿入され、当該歯車部14cは回転ガイド部30b内に収納されている。
【0068】
一方の刃物駆動部品30aには歯車室31が形成され、当該歯車室31内には前記ホルソーベース部14の歯車部14cに噛み合って歯車部14cを回転駆動する歯車(図示せず)が収納されている。歯車室31には歯車室31内の歯車を回転駆動させるための油圧配管32が取り付けられている。油圧配管から供給される油圧により歯車を回転駆動するのでショートが無く安全に作業を行うことができる。なお、ショートなどの対策が施されていれば電動モータにより歯車を駆動するようにしてもよい。
【0069】
また、刃物駆動部品30aのそれぞれには棒状部材33が1本ずつ外方に延出して形成されている。この棒状部材33は刃物駆動部品30aを接合して組み立てて形成された刃物駆動機構30を軸線方向に押圧して移動させるために設けられたものであり、既設管の軸線方向に往復運動させられる往復進退装置(図示せず)の荷重付加部分の加重受け部として機能するものである。
【0070】
前記案内具20は周方向に複数(図では2つ)に分割された案内具部品20aからなる。図2又は図4に示すように、分割された案内具部品20aのそれぞれの両端部付近には凹部20bが形成され、凹部20bの壁部を貫通してねじ部が形成され、このねじ部にボルト21が螺合されて2つの案内具部品20aが互いに接合させられて筒状形状に組み立てられている。案内具20は既設管9の周りに各案内具部品20aを組み立てて取り付け、案内具20の外周面に刃物10が挿入されて、刃物10の内周面が案内される。
【0071】
各案内具部品20aのそれぞれには、図2に示すように、既設管9を狭持する凹部20cが形成されている。凹部20cの内面には断面三角形の突起が複数(図では2つ)形成されており、案内具部品20aを組み立て筒状にした際にこれらの凹部20cにより略楕円状(偏平状)の凹所が形成される。凹部20cに内面の断面三角形の突起のいずれかにより既設管9に噛み合わせるかによって案内具20は既設管9に対して同心位置又は偏心位置のいずれかに取り付けられる。なお、図2に示す状態は既設管9に対して同心状に案内具20を取り付けた状態を示す。
【0072】
図2及び図3に示すように、案内具部品20aの内周面に形成された凹部20cと既設管9の外周面との間にはスペーサ部材22が挿入されている。このスペーサ部材22は周方向に半割りにされたスペーサ部品22aを既設管9の外周面に沿わせて筒状に配置してスペーサ部材22を形成し、このスペーサ部材22の外周面に案内具20が取り付けられる。スペーサ部材22は既設管9の直径が案内具20により狭持できる最小の径の既設管の直径よりも小さい場合に、これらの間に形成される隙間を埋めるために使用されるものである。スペーサ部材22の内面には既設管9に対して移動できないようにしっかりと固定されるように多数の条部(例えばローレットなど)を形成することが好ましい。
【0073】
案内具部品20aの外周面には、刃物10の内周面が接触して摺動する摺動部材23が設けられている。図1及び図4に示すように、摺動部材23は案内具20の周方向に複数個配置されるとともに、案内具20の軸線方向に複数個配置される。また、摺動部材23としては、円筒状のローラーやボールベアリングなどの周知の部材が用いられられるが、図5に示すような合成樹脂又は金属製の筒状部材23aに多数の円形の貫通孔を形成し当該貫通孔内に金属製などのボール23bを回転自在に取り付けたいわゆるメタルブッシュが本ボーリング装置の使用環境を考慮すると最も好適である。
【0074】
次に、本実施の形態に係るボーリング装置8を用いたボーリング方法について説明する。本ボーリング方法は、既設管9を切断したり分解により分断しないで、既設管9の周りにボーリング孔を形成する方法であるが、既設管9が切断されたり分断されたりした場合においても案内具20などの取り付けができれば、ボーリング孔を形成することができる。
【0075】
本ボーリング方法は、既設管9の外周面に案内具20を取り付ける工程と、既設管9の外周面に筒状の刃物10を取り付ける工程と、刃物10を回転させつつ案内具20により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管9の周りをボーリングする工程を備える。さらに必要に応じて、ボーリング後に既設管9の外周面又は既設管9とボーリング孔との間に保護材又は充填材を塗布又は充填する工程を付加してもよい。
【0076】
既設管9の外周面に案内具20を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、図1又は図2に示すように、既設管9の外周面側から案内具部品20aを配置し、ボルト21を螺合させて筒状の案内具20を形成させる。既設管9の直径に対応して既設管9の外周面に2つのスペーサ部品22aを取り囲んで配置し、このスペーサ部材22の外周面から案内具部品20aを取り付ける。既設管9と同心状のボーリング孔を形成する場合には、図2に示すように、案内具20を既設管9に同心状に取り付ける。既設管9の軸線に対して偏心したボーリング孔を形成する必要がある場合には案内具20を既設管9の軸線に対して偏心位置に取り付ける。
【0077】
既設管9の外周面に筒状の刃物10を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、図1に示すように、まず、ホルソー部品11aを端部の接合構造により接合して筒状に形成するとともに、固定バンド11jを外周面に取り付けて筒状のホルソー部11を組み立てる。次に、同様に延長アダプター部品12aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、延長アダプター部12の端部に形成されたねじ部12bをホルソー部11の端部に形成されたねじ部11hに螺合して一体化させる。さらに、ベースアダプター部品13aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、ベースアダプター部13の端部に形成されたねじ部13bを延長アダプター部12の端部に形成されたねじ部12cに螺合して一体化させる。次に、ホルソーベース部品14aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、次いでベースアダプター部13の基端部に形成されたベース部13cをホルソーベース部14の内周に挿入して一体化する。次に刃物駆動機構30の刃物駆動機構部品30aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、その筒状部内に前記ホルソーベース部14を挿入してその基端部に形成された歯車部14cを回転ガイド部30bの内側に位置させるとともに、歯車室31内に配置された歯車と噛み合わせる。
【0078】
刃物10を回転させつつ案内具20により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管9の周りをボーリングする工程は以下のように構成される。すなわち、油圧配管32から供給される油圧により油圧モーターを回転駆動し、この油圧モータにより刃物駆動機構30の歯車室31内の歯車を回転駆動し、この歯車に噛み合ったホルソーベース部14の歯車部14cに回転を伝達して、ホルソーベース部14を回転駆動する。ホルソーベース部14にはベースアダプター部13、延長アダプター部12、ホルソー部11が一体化させられているので、このホルソーベース部14の回転駆動によりホルソー部11が回転駆動され、ホルソー部11の先端部に形成された刃部11gが回転駆動される。往復進退装置の荷重付加部を刃物駆動機構部品30aから突出した棒状部材33に連携させるとともに、前記往復進退装置を駆動して棒状部材33を前記案内具20側に押圧して移動させ、刃物駆動機構30全体を案内具20側に移動させる。
【0079】
これにより、刃物10は既設管9に取り付けられた案内具20の外周面の摺動部材23にその内周面が案内されて前進させられ、コンクリート壁などに埋設された既設管9の外周面側に刃部11gが回転しつつ押圧当接させられて、既設管9と同心状のボーリング孔が形成される。
【0080】
ボーリング後に既設管9の外周面又は既設管9とボーリング孔との間に保護材又は充填材を塗布又は充填する工程は以下のように構成される。すなわち、図8(a)に示すように、ボーリング孔6の形成は室外から行う。これは腐食は室外から室内側に向かって進行するので室外側からボーリングして腐食状態を検査することが実情に適合するからである。図8(a)に示すようにボーリングはコンクリート壁の全厚について総て行わないで、まずは入口付近のみを行う。そして、ボーリング孔6の内面及び既設管9の外周面を露出させて、既設管9の腐食状態を目視などにより検査する。検査の結果、既設管9の表面に腐食が無いと判断されたら、さらにボーリングは行わず充填材(例えばモルタルなど)7bを充填してボーリング孔6を塞ぐ。なお、図中符号7aは既設管9の周りに既に充填されているコンクリート又はモルタルなどの充填材を示す。
【0081】
検査の結果、既設管9の室外側に腐食が認められた場合には当該腐食の程度からみて既設管9の外周面の補修で済むか、若しくは、ガス管の交換を行う必要があるかどうかが判断される。補修で済むと判断された場合には、図8(b)に示すように、さらにボーリングを継続してコンクリート壁部を貫通させてボーリング孔6を形成する。ボーリング孔6の内面及び既設管9の外周面を露出させ、腐食が進行しないように、既設管9の外周面に保護材層7cを塗布又噴霧などにより形成させる。この後、充填材(例えばモルタルなど)を既設管9とボーリング孔6との間に充填してボーリング孔6を塞ぐ。
【0082】
腐食の進行が相当進んでおり補修では無理でガス管自体の交換が必要と判断された場合には、図8(c)に示すように、さらにボーリングを継続してコンクリート壁部を貫通させてボーリング孔6を形成する。既設管9を露出させ、既設管9を切断や分断により除去し、新しいガス管(新設管)9aをボーリング孔6内に設置する。この後、充填材(例えばモルタルなど)を新設管9aとボーリング孔6との間に充填してボーリング孔6を塞ぐ。
【0083】
次に、本発明の実施の他の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法について図面を参照しつつ説明する。図9はボーリング装置の全体を示す側面図であり、図10は図9に示されるボーリング装置の一部の部品を背面から見た図である。なお、前記実施の形態のボーリング装置と同様な構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0084】
図9に示すように、本ボーリング装置は、刃物10及び刃物10を回転させつつ進退駆動する刃物駆動機構35を備えて概略構成される。前記実施の形態のホルソーベース部14の代わりに形状の異なるホルソーベース部34を備えている。ホルソーベース部34は前記ホルソーベース部14と同様に周方向に複数に分割されたホルソーベース部部品からなる。ホルソーベース部部品の外周面に歯車部34cが形成され、ホルソーベース部34の基端部34aは、略筒状の刃物装着部材36の一端部に回転自在に挿入され、刃物装着部材36から抜けないように取り付けられている。刃物装着部材36の外周面には回転駆動装置(例えば電動モータや油圧モータ)36aが取付部材を介して固定されている。回転駆動装置36aの駆動軸36bには歯車36cが固定され、当該歯車36cはホルソーベース部34の外周面に形成された前記歯車部34cに噛み合わされている。刃物装着部材36の内周面側には、刃物10を既設管などの長尺体9の軸線方向に沿って案内する案内具37が配置されて既設管などの長尺体9に連結されて固定されている。
【0085】
案内具37は、図10に示すように、その周方向に複数(図では2つ)に分割された案内具部品37aからなり、分割された案内具部品37aのそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構(ネジ孔とボルトなど)37bが形成され、案内具37は既設管などの長尺体9の周りに各案内具部品37aを取り囲んで配置することにより組み立てられている。組み立てられた案内具の外周面にはその軸線に沿って案内部(ラック部)37cが形成され、この案内部37cは、図9に示すように、前記刃物装着部材36の内周面側に回転自在に取り付けられたピニオンギヤ36dに噛み合っている。ピニオンギヤ36dの回転軸には円板部材36eが同軸状に固定され、円板部材36eには円板部材36eを回転させて同軸状に固定されたピニオンギヤ36dを回転させるための摘まみ部材36fが固定されている。そして、摘まみ部材36fを掴んで円板部材36eを回転させると、ピニオンギヤ36dが案内部37cに噛み合いつつ刃物装着部材36が案内具37に従って案内されて進退させられる。これにより刃物装着部材36には刃物10が取り付けられているので、刃物10が進退させられる。
【0086】
各案内具部品37aには、既設管などの長尺体9が挿入される凹部37dが形成されている。案内具部品37aを組み立てた際に形成された凹部37d内には、立方体状のブロック体38が配置されている。ブロック体38は図中左右二つ割りのブロック体部品38aからなり、これらのブロック体部品38aは既設管などの長尺体9を外周面側から狭持して接合機構(ネジ孔とボルトなど)38bにより互いに一体化されている。一方のブロック体部品38aにはネジ孔38cが貫通して形成されており、他方のブロック体部品38aにはガイド孔38dが貫通して形成されている。ネジ孔38cには案内具部品37aを貫通して配置されたネジ棒38eがねじ込まれ、ガイド孔38dには案内具部品37aを貫通して配置されたガイド棒38fが挿入されている。そして、ネジ棒38eを回転させるとブロック体38はガイド棒38f及びネジ棒38eに案内されて案内具37すなわち刃物10の径方向に移動させられる。これにより、既設管などの長尺体9の軸線を案内具37(刃物10)の軸線に対して同心位置又は偏心位置に位置させることができる。
【0087】
なお、本ボーリング装置では、案内具37に形成された凹部37d内にブロック体38を案内具37の径方向に移動可能に配置しているが、他の実施の形態として、ブロック体38の外表面に案内部(ラック部)を形成し、この案内部に刃物装着部材36に回転自在に取り付けられたピニオンギヤを噛み合わせ、ブロック体38及びピニオンギヤを刃物装着部材36に刃物装着部材36又はこれに取り付けられた刃物の径方向に移動可能とする機構を介して取り付けるようにしてもよい。これによっても、既設管などの長尺体9の軸線を刃物装着部材36やこれに装着された刃物の軸線に対して同心位置又は偏心位置に位置させることができる。
【0088】
次に、本発明の実施の更に他の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法について図面を参照しつつ説明する。
【0089】
上述したボーリング装置8は、切断又は分断されていない既設管9について既設管9の外周面側に同心又は偏心のボーリング孔6を形成する場合に主として使用するものであったが、本実施の形態に係るボーリング装置は既設管9のうちコンクリート壁などから露出した部分を切断又は分解により分断して既設管9の端面を露出させた状態において、埋設された既設管9の外周面側にボーリング孔を形成する場合に使用されるものである。上述したボーリング装置8においては刃物10を既設管9の軸線方向に沿って案内する案内具20は既設管9の外周面に取り付けられたが、本ボーリング装置においては、例えば図11〜図15に示すように、既設管9の内周面側に取り付けられる。
【0090】
本ボーリング装置は、図11に示すように、既設管9の外周面側にボーリング孔を形成させる刃物15と、刃物15を既設管9に対して同心又は偏心させて案内する案内具25とを備えて概略構成される。
【0091】
案内具25は、既設管9の内周面に取り付けられる筒状部材26と、筒状部材26の内周面に摺動自在に取り付けられる摺動駒27とを備える。筒状部材26の内周面には軸線方向とほぼ平行に溝部26aが2本形成され、摺動駒27の側面には前記溝部26a内に摺動自在に収納される凸条27aが2本形成され、溝部26aと凸条27aとが互いに係合し合うことにより摺動駒27が軸線方向に摺動自在に案内される。溝部26aと凸条27aとは本発明の係合部を構成する。摺動駒27の前面には断面円形の貫通孔27bが径方向に多数並べて形成されている。
【0092】
図12又は図14に示すように、前記筒状部材26は、入口付近に形成されたねじ穴にボルト28をねじ込んで既設管9の内面に固定される。図13又は図15に示すように摺動駒27には前記ボルト28を避けるように溝部27cが形成されている。前記貫通孔27bは本発明の棒状部材17の先端部が嵌まり込む凹部又は孔を構成する。筒状部材26の奥側にはフランジ部26bが形成され、このフランジ部26bと摺動駒27の背面との間には摺動駒27を外側に向かって押圧付勢する付勢機構であるバネ29が配置されている。付勢機構は筒状部材26内に収納された油・空圧シリンダーであってもよい。
【0093】
前記刃物15は、ほぼ有底筒状形状のホルソー部16と、ホルソー部16の軸線方向に延びて取り付けられた棒状部材17とを備えている。ホルソー部16の外周面には螺旋状の刃部16aが突出して形成されている。ホルソー部16の底部外面には筒状の取付部材16bが一体化されており、取付部材16bの内周面に形成されたねじ部16cに棒状部材17の基端部に形成されたねじ部17aを螺合させて棒状部材17を固定している。棒状部材17の先端には小径部17bが形成され、当該小径部17bは摺動駒27に多数貫通形成された貫通孔27b内に挿入される。刃物15は往復進退機構(図示せず)により押圧移動されつつ回転させられるようになっている。
【0094】
本実施の形態に係るボーリング装置を用いたボーリング方法について説明する。図12及び図13に示すものは既設管9に対して偏心したボーリング孔を形成する場合を示すものであり、図14及び図15に示すものは既設管9に対して同心状のボーリング孔を形成する場合を示すものである。これらのものでは既設管9はコンクリート壁1を貫通した貫通孔にコンクリート又はモルタルなどの充填材7aを充填することにより埋設されている。この他の態様で埋設された既設管であっても基本的には同様な方法によりボーリング孔を形成することができる。
【0095】
本ボーリング方法は、既設管の内周面に案内具25を取り付ける工程と、既設管9の外周面に筒状の刃物15を取り付ける工程と、刃物15を回転させつつ案内具25により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成する工程を備える。
【0096】
既設管の内周面に案内具25を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、案内具25の筒状部材26をボルト28により既設管9の内面に固定し、筒状部材26の内周面に摺動駒27を筒状部材26と同軸に挿入し、摺動駒27に形成された凸条27aを筒状部材26の内周面に形成された溝部26aに挿入することにより摺動駒27を筒状部材26により安定して案内する。
【0097】
既設管9の外周面に筒状の刃物15を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、ホルソー部16に形成された棒状部材17の先端に形成された小径部17bを摺動駒27を貫通した貫通孔27b内に挿入して収納し、ホルソー部16を既設管9の軸線と軸線がほぼ平行になるように位置決めする。これは、貫通孔27bが摺動駒27の軸線にほぼ平行に形成され、摺動駒27は既設管9の内側に取り付けられた筒状部材26にほぼ同軸に摺動自在に取り付けられているからである。
【0098】
刃物15を回転させつつ案内具25により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成する工程は以下のように構成される。すなわち、往復進退機構を駆動してホルソー部16を回転させつつ既設管9の方向に移動させ、ホルソー部16に形成された棒状部材17により摺動駒27を押圧して摺動駒27を筒状部材26の内面に沿って摺動させる。ホルソー部16は既設管9側に向かって移動させられ、その刃部16aが充填材7aに接触すると刃部16aにより既設管9の外周面側に、既設管9の軸線に対して偏心又は同心状のボーリング孔が形成される。なお、ボーリング孔の深さはホルソー部16の長さにより制限されるので、ボーリングするボーリング孔の深さに応じた長さのホルソー部16を使用する。
【0099】
前記実施の形態に係るボーリング装置では、筒状部材26を既設管9の内面に取り付け、その筒状部材26内に摺動駒27を取り付けるようにしているが、既設管9の内面が平滑でかつ直線状であるなどの条件が整えば、既設管6の内面に筒状部材26を取り付けずに、既設管9の内面側に直接前記したのと同様な形状の摺動駒27を挿入し刃物15に形成した棒状部材17の先端を摺動駒の前面に又は前面に形成された貫通孔27bに収納させてほぼ直角に当接させるものであってもよい。
【0100】
次に上述した本発明の実施の形態に係るのボーリング装置及びボーリング方法と併せて使用することが好適な既設管9の外周面などを清掃する清掃装置(いわゆるチゼル工具・装置)について図16〜図18に基づいて説明する。本清掃装置は、刃物10,15によりボーリングされたボーリング孔に露出する既設管9の外周面又はボーリング孔の内周面を研磨や研削などにより清掃するものである。
【0101】
図16及び図17に示すように、本清掃装置は、先端部付近の清掃刃41aと後端部の握り部41bとを断面正六角形の棒状の連結部41cにより連結した清掃具41を備え、既設管9の外周面に清掃具41を取り付けるための保持具42を備えて概略構成される。保持具42は、清掃具41の連結部41cを既設管9に保持する役目を主として担っており、帯状の部材をほぼ半円弧状に湾曲させた保持具部品42a,42bがその一端でヒンジ部42cにより開閉自在に連結され、既設管9を取り囲むように配置される。
【0102】
保持具42には、清掃刃41aが力点、握り部41bが作用点となるように、連結部41cを支持点として保持するための支点部42dが形成されている。支持部42dは帯状の保持具部品を外方に向けて突出させて形成したもので、既設管9に取り付けた際に既設管9の軸線とほぼ平行となるように幅広に形成されている。幅広部の幅の広さは、支持部42dの内側に収納された清掃具41の連結部41cを既設管9にそって進退移動させた際に、既設管9の軸線とほぼ平行に案内できる程度の幅があればよい。
【0103】
図17に示すように、保持具42には、支点部42dを介して清掃具41に対して荷重を付加するための荷重付加機構43が設けられている。荷重付加機構43は、保持具部品42a,42bの端部にフランジ部42eを形成し、フランジ部42eを貫通させた貫通孔にボルト43aの外周にバネ43cを介在させた状態で挿入し、ボルト43aの端部にナット43bを螺合して締め付ける構造を有している。
【0104】
既設管9と保持具42との間には距離調整用スペーサ部材44が介挿されている。距離調整用スペーサ部材44は、清掃具41と既設管9との距離を調整するために既設管9と保持具42との間に挿入されるものであり、距離調整用スペーサ部材44の厚みを増大させると清掃具41と既設管9との距離が大きくなり、厚みを減少させると清掃具41と既設管9との距離が小さくなる。この距離調整用スペーサ部材44の選択により、ガス管の腐食の程度などに応じて研磨や研削する研削代を調整することができる。
【0105】
清掃具41の清掃刃41aは、図18に示すように、清掃具41の清掃刃41aの先端部に清掃すべき既設管9の外周面の曲率に対応した曲率部41dが形成されている。曲率部41dは清掃刃41aの全体に曲率を持たせても、先端部にのみ曲率部41dを形成するようにしてもよい。
【0106】
清掃具41の連結部には、研磨や研削などの際に往復進退運動させた際に既設管9などと干渉し合わないように適宜の位置で折り曲げられた形状や湾曲させられた形状とすることが好ましい。
【0107】
保持具42を予め設定された小角度ずつ既設管9の周方向に回転させて、支持部42dにより保持された清掃具41を前記小角度ずつ回転させて位置決めするための回転機構を備えている。この回転機構は、例えば図16に示すように、既設管9に取り付けられた距離調整用スペーサ部材44の外周面に軸線とほぼ平行に多数の凸条44aを形成し、距離調整用スペーサ部材44の外周に取り付けられる保持具42の内周面には前記凸条44aに噛み合う形状の凹部(図示せず)を軸線とほぼ平行に形成し、これらの凸条44aと凹部とを互いに係合し合せ、係合相手を周方向に順次変更することにより凸条44a及び凹部(これらは本発明の係合部を構成する。)により予め設定された小角度ずつ保持具を回転させるものである。小角度ずつ回転移動させる目的を達成するものであれば他の形態(例えば距離調整用スペーサ部材にラックを形成し保持具にピニオンギヤを形成するなどの形態)であってもよい。
【0108】
本清掃装置を使用したボーリング方法においては、前記実施の形態に係るボーリング装置8などにより既設管9の外周面側をボーリング後に既設管9の外周面又はボーリングされたボーリング孔の内壁面を清掃具41を用いて研磨や研削などにより清掃する工程が付加されている。
【0109】
この清掃具41による研磨や研削など清掃工程は以下のように構成される。まず既設管9の外周面に距離調整用スペーサ部材44を取り付ける。次いで距離調整用スペーサ部材44の外周面に保持具42を取り囲んで配置しボルト43aとナット43bとにより組み立ててバネ43cや保持具部品42a,42bの弾性復元力により清掃具41の連結部41cに荷重を作用させる。この状態で清掃具41の握り部41bを手で握って保持具42の支持部42dに沿って清掃具41を既設管9の外表面にほぼ平行に往復進退運動させ、清掃具41の先端の清掃刃41aによりボーリング孔内に位置する既設管9の外表面やボーリング孔の内周面を研磨又は研削することにより汚れや腐蝕部分を取り除くいわゆる清掃作業を行う。必要に応じて清掃具41を往復進退運動させる場合に握り部41bを図中上方又は下方に捩じることにより支持部42dを支点として清掃刃41aを既設管9の外周面やボーリング孔の内周面に押し付ける操作を行うことにより清掃効果を高めることができる。なお、ボーリング孔の内周面を研磨する場合には清掃具41の清掃刃の向きは図18に示すものとは逆になったものが使用される。
【0110】
なお、上記実施の形態の刃物駆動機構30,35に限られず、回転させつつ既設管に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成させるものであれば適宜の構造のものを使用することができる。
【0111】
前記実施の形態に係るボーリング装置では、刃物10を案内具20又は案内具37のいずれかにより刃物10を案内する例を示したが、案内具20及び案内具37の両方を既設管などの長尺体9に取り付け、これらの双方の案内具20,37によりいわゆる両持ち状態で刃物10を支持して既設管などの長尺体9の軸線に沿って案内するようにしたものであってもよい。これにより刃物10の保持を確実に行うことができる。
【0112】
また、上記実施の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法では、既設のガス管の外周面側にボーリング孔を形成する場合に使用する例を示したが、例えば道路標識などのパイプ構造物の地面への埋め込み部分をボーリングする場合に使用することができる。この場合においては前記パイプ構造物の撤去や付け替えの場合に最小限の穿孔作業ですむという利点が生ずる。
【0113】
前記実施の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法では、長尺体として中空状の既設管を対象にしたものを例示したが、断面ほぼ円形の中実の棒状部材や断面角形などの異形の中実の棒状部材又は中空の中空部材を対象にして、これらの外周面側にボーリング孔を形成するものであってもよい。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のボーリング装置及びボーリング方法によれば、以下のような効果を奏する。
【0115】
(1)案内具により案内される刃物により既設管の周りを既設管などの長尺体とほぼ同軸にボーリング孔を形成することができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができる。
【0116】
(2)補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができる。
【0117】
(3)腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合には、ボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去でき当該ボーリング孔内に新しいガス管などを容易に配置することができる。
【0118】
(4)以上述べた効果により工事コストを大幅に低減することができる。
【0119】
(5)新たな貫通孔を建物などの壁などに新設することがないので、強度低下などの構造上の問題は全く生じない。
【0120】
(6)刃物が周方向に複数に分割された刃物部品からなるので、刃物部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置することができ、既設管などの長尺体を切断する必要がなく、ガスなどを遮断することなくボーリング孔を形成する工事を行うことができる。
【0121】
(7)既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。
【0122】
(8)既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分の孔内に埋められるスペーサ部材を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。
【0123】
(9)刃物を案内する案内具部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置することができ、案内具部品を取り付ける際に既設管などの長尺体を切断する必要がなく、ガスなどを遮断することなく組み立てられた案内具の外周面により刃物を案内してボーリング孔を形成することができる。
【0124】
(10)各案内具部品に形成された凹部により案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0125】
(11)案内具部品の凹部により形成される径が既設管などの長尺体の直径よりも大きい場合にはこの隙間をスペーサ部材により埋めることにより案内具を既設管などの長尺体にしっかりと取り付けることができる。
【0126】
(12)各案内具部品に形成された凹部内に配置されたブロック体を案内具の径方向に移動させることにより案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0127】
(13)案内具を刃物の径方向に移動させることにより案内具を刃物に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0128】
(14)刃物を案内具の外周面に設けられた摺動部材により円滑に案内することができる。
【0129】
(15)既設管などの長尺体を途中で切断又は分解して開放端が形成された場合において、その開放端の内周面にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸のボーリング孔を形成することができる。
【0130】
(16)既設管などの長尺体を途中で切断又は分解して開放端が形成された場合に、その開放端の内周面に筒状部材を取り付け、この筒状部材の内側にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸のボーリング孔を形成することができる。
【0131】
(17)摺動駒の前面に設けられた凹部又は孔に刃物に形成した棒状部材の先端を嵌まり込ませることにより棒状部材ひいては刃物を安定して位置決めすることができ、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に安定して移動させることができる。
【0132】
(18)摺動駒が筒状部材と係合部を介して連結され、筒状部材の軸線方向すなわち既設管などの長尺体とほぼ同軸に摺動駒を移動することができ、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができる。
【0133】
(19)刃物に形成された棒状部材などにより筒状部材に沿って移動させられた摺動駒を棒状部材などによる押圧が解除された後に付勢機構により元の外側方向に向かって押圧付勢して復帰させることができる。
【0134】
(20)ボーリング後にボーリング孔に露出した既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に清掃具により研磨や研削などを施して清掃することができる。
【0135】
(21)既設管などの長尺体の外周面に腐食などの劣化が認められた場合において補修で足りる場合には既設管などの長尺体の外周面に保護材を塗布した後にボーリング孔との間に充填材を充填することにより、既設管などの長尺体の補修工事を行うことができ、劣化が進行しておらず補修が必要ない場合などには保護材を塗布しないで充填材のみを充填するだけでもよく、ボーリング孔の内周面と既設管などの長尺体の外周面との間の距離が小さな場合などには保護材のみをボーリング孔と既設管などの長尺体との間に充填し充填材の充填を省略することもできる。
【0136】
また、本発明の清掃装置によれば、以下のような効果を奏する。
【0137】
(1)本発明のボーリング装置により既設管などの長尺体の外周面側にボーリング孔を形成した後に、保持具を既設管などの長尺体に取り付け保持具により清掃具の連結部を保持し、清掃具の握り部を握って往復運動させ先端部付近に形成された清掃刃によりボーリング孔に露出する既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に研磨や研削などを当該面の清掃を行うことができる。
【0138】
(2)清掃刃を荷重付加機構により支点部を介して既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に押しつけることができ、研磨や研削などを効率良くかつ正確に行うことができる。
【0139】
(3)清掃具はその連結部が幅広の部分で案内されて既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができ、研磨や研削などを既設管などの長尺体とほぼ同軸にかつ確実に行うことができる。
【0140】
(4)清掃具として同じものを使用しても、各種の厚みを有する距離調整用スペーサ部材に交換することにより清掃具(特に清掃刃)と既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面との距離を調節することができる。
【0141】
(5)既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に当該外周面や内周面に対応した曲率の清掃刃を当てて既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に円弧状の研磨や研削などを施すことができる。
【0142】
(6)清掃具が既設管などの長尺体と干渉しないような折り曲げ形状や屈曲形状とすれば、研磨や研削などを行う場合に既設管などの長尺体に連接された既設管などの長尺体との干渉を避けて研磨や研削などの清掃作業を円滑に行うことができる。
【0143】
(7)回転機構により保持具を小角度ずつ回転させて、清掃具により既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面を小角度に対応した幅で研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に前記小角度に対応した幅で順次行うことができる。
【0144】
(8)距離調整用スペーサ部材及び保持具に形成された係合部を噛み合う相手を周方向に順次変更することにより保持具を既設管などの長尺体の周方向に小角度ずつ回転移動させて、位置決めして研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に前記小角度に対応した幅で順次行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るボーリング装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1のボーリング装置における案内具を示す図である。
【図3】図1のボーリング装置における案内具を示す図である。
【図4】図1のボーリング装置における案内具を示す図である。
【図5】図1のボーリング装置における案内具に使用される摺動部材を示す斜視図である。
【図6】図1のボーリング装置における刃物部品の接合構造の一例を示す図である。
【図7】図1のボーリング装置における刃物部品の接合構造の他の例を示す図である。
【図8】図1のボーリング装置を使用したボーリング方法及びその後の施工方法を示す図である。
【図9】本発明の実施の他の形態に係るボーリング装置を示す側面図である。
【図10】図9のボーリング装置の一部の部品を示す図である。
【図11】本発明の実施の更に他の形態に係るボーリング装置を示す分解斜視図である。
【図12】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図13】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図14】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図15】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図16】本発明の実施の形態に係る清掃装置の使用中の状態を示す図である。
【図17】図16の清掃装置を示す断面図である。
【図18】図16の清掃装置における清掃具の清掃刃付近を拡大した状態を示す図である。
【図19】従来の既設管の取替方法を示す図である。
【符号の説明】
8 ボーリング装置
9 既設管
10,15 刃物
20,25,37 案内具
30,35 刃物駆動機構
【発明が属する技術分野】
本発明は、コンクリートなどの壁などに埋設された既設管などの長尺体(例えばガス管)の外周面側の壁などに円筒状のボーリング孔を形成するために使用されるボーリング装置、ボーリング方法、これらに使用される清掃装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートなどの壁に埋設された長尺体である既設管(例えばガス管)を取り替える方法としては、図19に示すようなものがある。図19(a)に図示するように、既設のガス管2などは、通常コンクリートなどの壁1などを貫通した貫通孔1a内に挿通させられ、貫通孔1aとガス管2との間の間隙にモルタルやコンクリートなどの充填材3を充填して設置されている。このような既設のガス管が埋設後20年以上経過して腐食が進行したなどという理由により当該ガス管2を取り替えるには、図19(b)に示すように、現在使用していたガス管2を使用を中止して廃管として壁際で埋設部分2cとその両側部分2a、2bに切断し、別の場所の壁などに貫通孔4aを形成し当該貫通孔4a内に新しいガス管5を埋設させる施工方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
別の場所に貫通孔4aを形成して新たにガス管5を埋設する方法は新規工事に匹敵する工事費用がかかり、古くなって腐食などが進行した既設ガス管の取り替えが円滑に進まないという問題がある。また、新規にガス管を引き込むために壁などに貫通孔4aなどを貫通して形成させるので建物の構造上の問題(例えば構造物の強度を低下させるなど)がある。
【0004】
ガス管の外周側の補修(更生)工事を行えば、十分使用に耐えられるガス管の場合でもガス管の交換を行うので、補修工事ならば工事費用の大幅なコストダウンができるであろうと推定される場合でも、新規工事と同程度の工事費用がかかってしまう。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ガス管の外周面の補修などの工事を容易に行うことができる装置を提供し、既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成することができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができ、補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができ、腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合でも既設管などの長尺体の外周面側に形成されたボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去して当該ボーリング孔内に新しいガス管などの長尺体を容易に配置することができ、これらにより工事コストを大幅に低減することができ、新たな貫通孔を建物などの壁に新設することがないので構造上の問題も全く生じない、ボーリング装置、ボーリング方法及びこれらに使用される清掃装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のボーリング装置は、既設管などの長尺体の外周をボーリングする筒状の刃物と、前記既設管などの長尺体に取り付けられて前記刃物を前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿って案内する案内具と、当該案内具により前記刃物を案内しながら回転させつつ前記既設管などの長尺体に沿って前進させて前記既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成する刃物駆動機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】
このものでは、案内具によって案内される刃物により既設管などの長尺体の周りを既設管などの長尺体とほぼ同軸にボーリング孔を形成することができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができる。検査の結果、補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができる。腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合には、既設管などの長尺体の外周面側のボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去でき、ボーリング孔内に新しいガス管などの長尺体を容易に配置することができる。これらにより工事コストを大幅に低減することができる。さらに、新たな貫通孔を建物などの壁などに新設することがないので構造上の問題(強度低下など)は全く発生しない。
【0008】
本発明の請求項2記載のボーリング装置は、前記刃物がその周方向に複数に分割された刃物部品からなり、分割された刃物部品のそれぞれの端面には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための結合機構が形成されていることを特徴とする。
【0009】
このものでは、刃物部品は既設管などの長尺体の外周面側から配置されるので、既設管などの長尺体を切断する必要がなく、ガスなどを遮断することなくボーリング孔を形成する工事を行うことができる。
【0010】
本発明の請求項3記載のボーリング装置は、前記刃物の端部に前記刃物駆動機構に係合して駆動される基端部分が形成され、当該基端部分に前記刃物の直径に応じた大きさの孔が形成され、各種の直径を有する刃物のそれぞれに対応して各種の基端部分が用意され前記基端部分を前記各刃物の直径に応じて交換可能としたことを特徴とする。
【0011】
このものでは、既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。なお、刃物駆動機構を基端部分に応じて複数用意しこれらのうち適切なものに交換するようにしてもよい。
【0012】
本発明の請求項4記載のボーリング装置は、前記刃物の端部には前記刃物駆動機構に係合して駆動される基端部分が形成され、当該基端部分に単一の径を有する孔が形成され、当該孔の内周部に前記刃物の直径に応じて前記刃物の外周面との間に形成される隙間を埋めるスペーサ部材が挿入され、各種の直径を有する刃物のそれぞれに対応して各種のスペーサ部材が用意され前記刃物の直径に応じて前記スペーサ部材を交換可能としたことを特徴とする。
【0013】
このものでは、既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分の孔内に埋められるスペーサ部材を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。なお、刃物駆動機構を基端部分に応じて複数用意しこれらのうち適切なものに交換するようにしてもよい。
【0014】
本発明の請求項5記載のボーリング装置は、前記案内具がその周方向に複数に分割された案内具部品からなり、分割された案内具部品のそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための結合機構が形成され、前記案内具は既設管などの長尺体の周りに各案内具部品を取り囲んで配置して組み立てられ、組み立てられた案内具の外周面に前記刃物が挿入されることを特徴とする。
【0015】
このものでは、刃物を案内する案内具部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置でき、案内具部品を取り付ける際に既設管などの長尺体を切断する必要がなく、例えば長尺体がガス管の場合にガスなどを遮断することなく組み立てられた案内具の外周面により刃物を案内してボーリング孔を形成することができる。
【0016】
本発明の請求項6記載のボーリング装置は、前記案内具部品には前記既設管などの長尺体を狭持するために凹部が形成され、当該凹部は前記案内具部品を組み立てた際に前記既設管などの長尺体を同心位置又は偏心位置のいずれかで狭持できる構造となっていることを特徴とする。
【0017】
このものでは、各案内具部品に形成された凹部により案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0018】
本発明の請求項7記載のボーリング装置は、前記案内具部品の凹部と前記既設管などの長尺体の外周面との間にはスペーサ部材が挿入されることを特徴とする。
【0019】
このものでは、案内具部品の凹部により形成される径が既設管などの長尺体の直径よりも大きい場合にはこの隙間をスペーサ部材により埋めることにより案内具を既設管などの長尺体にしっかりと取り付けることができる。
【0020】
本発明の請求項8記載のボーリング装置は、前記案内具の外周面には前記刃物の内周面が接触して摺動する摺動部材が設けられていることを特徴とする。
【0021】
このものでは、刃物が案内具の外周面に設けられた摺動部材により円滑に案内される。なお、摺動部材は案内具の周方向及び軸線方向に複数個並べて設けることが好ましい。
【0022】
本発明の請求項9記載のボーリング装置は、前記案内具がその周方向に複数に分割された案内具部品からなり、分割された案内具部品のそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構が形成され、前記案内具は既設管などの長尺体の周りに各案内具部品を取り囲んで配置して組み立て、組み立てられた案内具の外周面にその軸線方向に沿って形成された案内部に従って前記刃物が案内されることを特徴とする。
【0023】
このものでは、刃物を案内する案内具部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置でき、案内具部品を取り付ける際に既設管などの長尺体を切断する必要がなく、例えば長尺体がガス管の場合にガスなどを遮断することなく組み立てられた案内具の外周面に形成された案内部に従って刃物を案内してボーリング孔を形成することができる。
【0024】
本発明の請求項10記載のボーリング装置は、前記案内具部品には前記既設管などの長尺体が挿入される凹部が形成され、前記案内具部品を組み立てた際に形成された凹部内には前記既設管などの長尺体を狭持して取り付けられたブロック体が前記案内具の径方向に移動可能に組み付けられていることを特徴とする。
【0025】
このものでは、各案内具部品に形成された凹部内に配置されたブロック体を案内具の径方向に移動させることにより案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0026】
本発明の請求項11記載のボーリング装置は、組み立てられた前記案内具が前記刃物の径方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする。
【0027】
このものでは、案内具を刃物の径方向に移動させることにより案内具を刃物に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0028】
本発明の請求項12記載のボーリング装置は、前記案内具が既設管などの長尺体の内面側で前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿ってを摺動させられる摺動駒を備え、前記刃物には前記摺動駒の前面にほぼ直角に当接する棒状部材が前記刃物の軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする。
【0029】
このものでは、既設管などの長尺体を途中で切断又は分解されて開放端が形成された場合に、その開放端の内周面にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸なボーリング孔を形成することができる。
【0030】
本発明の請求項13記載のボーリング装置は、前記案内具が、前記既設管などの長尺体の内周面に取り付けられる筒状部材と、当該筒状部材の内周面に筒状部材の軸線方向に沿って摺動自在に取り付けられる摺動駒とを備え、前記刃物には前記摺動駒の前面にほぼ直角に当接する棒状部材が前記刃物の軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする。
【0031】
このものでは、既設管などの長尺体が途中で切断又は分解されて開放端が形成された場合に、その開放端の内周面に筒状部材を取り付け、この筒状部材の内側にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸なボーリング孔を形成させることができる。
【0032】
本発明の請求項14記載のボーリング装置は、前記摺動駒の少なくとも前面には前記棒状部材の先端部が嵌まり込む凹部又は孔が形成されていることを特徴とする。
【0033】
このものでは、摺動駒の前面に設けられた凹部又は孔に刃物に形成した棒状部材の先端を嵌まり込ませることにより棒状部材ひいては刃物を安定して位置決めでき、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に安定して移動させることができる。
【0034】
本発明の請求項15記載のボーリング装置は、前記筒状部材の内周面及び前記摺動駒の側面には互いに係合し合う係合部がこれらの軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする。
【0035】
このものでは、摺動駒が筒状部材と係合部を介して連結され、筒状部材の軸線方向すなわち既設管などの長尺体とほぼ同軸に摺動駒を移動することができ、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができる。
【0036】
本発明の請求項16記載のボーリング装置は、前記筒状部材と摺動駒との間には摺動駒を外側に向かって押圧付勢する付勢機構が配置されていることを特徴とする。
【0037】
このものでは、刃物に形成された棒状部材などにより筒状部材に沿って移動させられた摺動駒を、棒状部材などによる押圧が解除された後に付勢機構により元の外側方向に向かって押圧付勢し復帰させることができる。
【0038】
本発明の請求項17記載の清掃装置は、筒状の刃物によりボーリングされたボーリング孔に露出する既設管などの長尺体の外周面又は前記ボーリング孔の内周面を研磨や研削などにより清掃する清掃装置であって、先端部付近に形成された清掃刃及び後端部に形成された握り部を棒状の連結部により連結した清掃具と、既設管などの長尺体の外周面に取り付けられて前記清掃具の連結部を前記既設管などの長尺体にその軸線方向に往復運動可能に保持する保持具とを備えたことを特徴とする。
【0039】
このものでは、本発明のボーリング装置により既設管などの長尺体の外周面側にボーリング孔を形成した後に、保持具を既設管などの長尺体に取り付け保持具により清掃具の連結部を保持し、清掃具の握り部を握って往復運動させ先端部付近に形成された清掃刃によりボーリング孔に露出する既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に研磨や研削などを施して当該面の清掃を行うことができる。
【0040】
本発明の請求項18記載の清掃装置は、前記保持具には、前記清掃刃が力点、前記握り部が作用点となるように、前記連結部を支持点として保持する支点部が形成されるとともに、当該支点部を介して前記清掃具に対して荷重を付加する荷重付加機構が設けられていることを特徴とする。
【0041】
このものでは、清掃刃を荷重付加機構により支点部を介して既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に押しつけることができ、研磨や研削などを効率良くかつ正確に行うことができる。
【0042】
本発明の請求項19記載の清掃装置は、前記保持具において少なくとも前記支点部が前記清掃具を前記既設管などの長尺体の軸線とほぼ平行に往復運動できるように幅広に形成されていることを特徴とする。
【0043】
このものでは、清掃具はその連結部が幅広の部分で案内されて既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができ、研磨や研削などを既設管などの長尺体とほぼ同軸に正確にかつ確実に行うことができる。
【0044】
本発明の請求項20記載の清掃装置は、前記既設管などの長尺体と保持具との間には前記清掃具と既設管などの長尺体との距離を調整するための距離調整用スペーサ部材が介挿されるを備えたことを特徴とする。
【0045】
このものでは、清掃具として同じものを使用しても、各種の厚みを有する距離調整用スペーサ部材を交換することにより清掃具(特に清掃刃)と既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面との距離を調節することができる。
【0046】
本発明の請求項21記載の清掃装置は、前記清掃具の清掃刃の少なくとも先端部には、清掃すべき既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面の曲率に対応した曲率が付与されていることを特徴とする。
【0047】
このものでは、既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に外周面や内周面に対応した曲率の清掃刃を当てて既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に円弧状の研磨や研削などを施すことができる。
【0048】
本発明の請求項22記載の清掃装置は、前記清掃具の連結部は研磨や研削などために往復運動させた際に前記既設管などの長尺体と干渉し合わないように折り曲げられた形状又は湾曲させられた形状とされていることを特徴とする。
【0049】
このものでは、清掃具が折り曲げ形状や屈曲形状となっており、研磨や研削を行う既設管などの長尺体に連接された既設管などの長尺体との干渉を避けて研磨や研削などの清掃作業を円滑に行うことができる。
【0050】
本発明の請求項23記載の清掃装置は、前記保持具に当該保持具を予め設定された小角度ずつ前記既設管などの長尺体の周方向に回転させるための回転機構を備えたことを特徴とする。
【0051】
このものでは、回転機構により保持具を小角度ずつ回転させて、清掃具により既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面を、前記小角度に対応した幅で研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に順次行うことができる。
【0052】
本発明の請求項24記載の清掃装置は、前記回転機構が、前記既設管などの長尺体に取り付けられる距離調整用スペーサ部材の外周面と、当該距離調整用スペーサ部材の外周に取り付けられる保持具の内周面とに互いに係脱自在に係合し合う係合部を複数形成し当該係合部の係合相手を周方向に変更することにより予め設定された小角度ずつ保持具を回転させて位置決めするものであることを特徴とする。
【0053】
このものでは距離調整用スペーサ部材及び保持具に形成された係合部を噛み合う相手を周方向に順次変更することにより保持具を既設管などの長尺体の周方向に小角度ずつ回転移動して位置決めし研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に順次行うことができる。
【0054】
本発明の請求項25記載のボーリング方法は、既設管などの長尺体の外周面又は内周面に案内具を取り付ける工程と、前記既設管などの長尺体の外周面側に筒状の刃物を取り付ける工程と、前記刃物を回転させつつ前記案内具により案内しつつ前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿って前進させて前記既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成する工程を備えたことを特徴とする。
【0055】
このものでは、案内具によって案内される刃物により既設管などの長尺体の周りを既設管などの長尺体とほぼ同軸にボーリングすることができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができる。検査の結果、補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができる。腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合には、既設管などの長尺体の外周面側のボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去できボーリング孔内に長尺体である新しいガス管などを容易に配置することができる。これらにより工事コストを大幅に低減することができる。さらに、新たな貫通孔を建物などの壁などに新設することがないので構造上の問題(強度低下など)は全く生じない。
【0056】
本発明の請求項26記載のボーリング方法は、ボーリング後に前記既設管などの長尺体の外周面又はボーリングされたボーリング孔の内壁面を清掃具を用いて研磨や研削などにより清掃する工程を有することを特徴とする。
【0057】
このものでは、ボーリング後にボーリング孔に露出した既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に清掃具により研磨や研削などを施して清掃することができる。
【0058】
本発明の請求項27記載のボーリング方法は、ボーリング後又は研磨や研削などの清掃後に、前記既設管などの長尺体の外周面又は前記既設管などの長尺体とボーリング孔との間に保護材又は充填材を塗布又は充填する工程を有することを特徴とする。
【0059】
このものでは、既設管などの長尺体の外周面に腐食などの劣化が認められた場合において補修で足りる場合には既設管などの長尺体の外周面に保護材を塗布した後にボーリング孔との間に充填材を充填することにより、既設管などの長尺体の補修工事を行うことができる。劣化や腐食が進行しておらず補修が必要ない場合などには保護材を塗布しないで充填材のみを充填するだけでもよい。ボーリング孔の内周面と既設管などの長尺体の外周面との間の距離が小さな場合などには保護材のみをボーリング孔と既設管などの長尺体との間に充填してボーリング孔を塞ぎ充填材の充填作業を省略してもよい。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法について説明する。本ボーリング装置及びボーリング方法は、長尺体として既設の中空状のガス管(以下既設管という。)を対象とするものである。
【0061】
本ボーリング装置8は、図1に示すように、既設管9の外周をボーリングしてボーリング孔を形成する筒状の刃物10と、既設管9に取り付けられて刃物10を既設管9の軸線方向に沿って案内する案内具20と、当該案内具20により刃物10を案内しながら回転させつつ既設管9に沿って前進させて既設管9の周りにボーリング孔を形成する刃物駆動機構30とを備えて概略構成される。
【0062】
前記刃物10は、前記案内具20側から軸方向に、ホルソー部11、延長アダプター部12、ベースアダプター部13、ホルソーベース部14に分割されて構成されている。これらホルソー部11、延長アダプター部12、ベースアダプター部13、ホルソーベース部14は、それぞれ周方向に複数(図では2つ)に分割されたそれぞれ本発明の刃物部品であるホルソー部品11a、延長アダプター部品12a、ベースアダプター部品13a、ホルソーベース部品14aからなる。分割されたホルソー部品11a、延長アダプター部品12a、ベースアダプター部品13a、ホルソーベース部品14aのそれぞれの端面には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構が形成されている。
【0063】
接合構造としては、図6に示すようなものが採用される。ここではホルソー部11を例にするが、他の延長アダプター部12、ベースアダプター部13、ホルソーベース部14なども同様である。すなわち、一方のホルソー部品11aの端面に逆テーパー面を有する溝部11bがホルソー部品11aの軸線方向と平行に形成されるとともに、他方のホルソー部品11aの端面に前記溝部11bに嵌まり込む凸条部11cがホルソー部品11aの軸線方向と平行に形成され、溝部11bと凸条部11cとを軸線方向にスライドさせて嵌合させるものである。また、図7に示すような他の接合構造を採用することもできる。すなわち、一方のホルソー部品11aの端面にその軸線方向に延びるテーパー面部11dが形成されるとともに、他方のホルソー部品11aの端面に前記テーパー面部11dに嵌まり込む凸条部11eが形成され、テーパー面部11dと凸条部11eとを嵌合させ、ねじ11fにより一体化させるものである。
【0064】
図1に示すように、ホルソー部11の案内具20側には刃部11gが形成され、後端部にはねじ部11hが形成されている。ホルソー部11の外周面には固定バンド11jが配置され、固定バンド11jに対応してホルソー部11の外周面に形成された周溝内に固定バンド11jを配置させて結束し各ホルソー部品11aを強固に一体化している。延長アダプター部12の先端部には前記ホルソー部11のねじ部11hに螺合されるねじ部12bが形成され、後端部にはねじ部12cが形成されている。ベースアダプター部13の先端部には前記延長アダプター部12のねじ部12cに螺合されるねじ部13bが形成され、後端部にはホルソーベース部14の孔14b内に挿入されるベース部13cが形成されている。ホルソーベース部14の後端部には前記刃物駆動機構30に連携させられる歯車部14cが形成されている。ホルソーベース部14に形成された孔14bは単一の径を有し、前記ベースアダプター部13の一部として一体的に形成されたベース部13cが挿入される。
【0065】
ここで、ベース部13cをベースアダプター部13と一体的に製造せずに、刃物10の直径に応じて刃物10の外周面と前記孔14bの内周面との間に生ずる隙間を埋められる各種の厚さを有するスペーサ部材を用意しておき、このスペーサ部材をベースアダプター部13のベース部13cとして刃物10の直径に応じてベースアダプター部13に嵌合的又は着脱自在に取り付けるようにしてもよい。
【0066】
また、別の形態として刃物10の直径に応じた各種の大きさの孔14bが形成されたホルソーベース部14を刃物10の直径の種類数に応じて複数種類用意しておき、刃物10の直径を変えた場合には刃物の直径に対応した孔14bを備えたホルソーベース部14に交換するようにしてもよい。
【0067】
刃物駆動機構30は、ホルソー部11などと同様に周方向に複数(図では2つ)に分割された刃物駆動部品30aを端面で接合してほぼ円筒形状としている。刃物駆動部品30aの円筒部には、前記ホルソーベース部14の歯車部14cが挿入され、当該歯車部14cは回転ガイド部30b内に収納されている。
【0068】
一方の刃物駆動部品30aには歯車室31が形成され、当該歯車室31内には前記ホルソーベース部14の歯車部14cに噛み合って歯車部14cを回転駆動する歯車(図示せず)が収納されている。歯車室31には歯車室31内の歯車を回転駆動させるための油圧配管32が取り付けられている。油圧配管から供給される油圧により歯車を回転駆動するのでショートが無く安全に作業を行うことができる。なお、ショートなどの対策が施されていれば電動モータにより歯車を駆動するようにしてもよい。
【0069】
また、刃物駆動部品30aのそれぞれには棒状部材33が1本ずつ外方に延出して形成されている。この棒状部材33は刃物駆動部品30aを接合して組み立てて形成された刃物駆動機構30を軸線方向に押圧して移動させるために設けられたものであり、既設管の軸線方向に往復運動させられる往復進退装置(図示せず)の荷重付加部分の加重受け部として機能するものである。
【0070】
前記案内具20は周方向に複数(図では2つ)に分割された案内具部品20aからなる。図2又は図4に示すように、分割された案内具部品20aのそれぞれの両端部付近には凹部20bが形成され、凹部20bの壁部を貫通してねじ部が形成され、このねじ部にボルト21が螺合されて2つの案内具部品20aが互いに接合させられて筒状形状に組み立てられている。案内具20は既設管9の周りに各案内具部品20aを組み立てて取り付け、案内具20の外周面に刃物10が挿入されて、刃物10の内周面が案内される。
【0071】
各案内具部品20aのそれぞれには、図2に示すように、既設管9を狭持する凹部20cが形成されている。凹部20cの内面には断面三角形の突起が複数(図では2つ)形成されており、案内具部品20aを組み立て筒状にした際にこれらの凹部20cにより略楕円状(偏平状)の凹所が形成される。凹部20cに内面の断面三角形の突起のいずれかにより既設管9に噛み合わせるかによって案内具20は既設管9に対して同心位置又は偏心位置のいずれかに取り付けられる。なお、図2に示す状態は既設管9に対して同心状に案内具20を取り付けた状態を示す。
【0072】
図2及び図3に示すように、案内具部品20aの内周面に形成された凹部20cと既設管9の外周面との間にはスペーサ部材22が挿入されている。このスペーサ部材22は周方向に半割りにされたスペーサ部品22aを既設管9の外周面に沿わせて筒状に配置してスペーサ部材22を形成し、このスペーサ部材22の外周面に案内具20が取り付けられる。スペーサ部材22は既設管9の直径が案内具20により狭持できる最小の径の既設管の直径よりも小さい場合に、これらの間に形成される隙間を埋めるために使用されるものである。スペーサ部材22の内面には既設管9に対して移動できないようにしっかりと固定されるように多数の条部(例えばローレットなど)を形成することが好ましい。
【0073】
案内具部品20aの外周面には、刃物10の内周面が接触して摺動する摺動部材23が設けられている。図1及び図4に示すように、摺動部材23は案内具20の周方向に複数個配置されるとともに、案内具20の軸線方向に複数個配置される。また、摺動部材23としては、円筒状のローラーやボールベアリングなどの周知の部材が用いられられるが、図5に示すような合成樹脂又は金属製の筒状部材23aに多数の円形の貫通孔を形成し当該貫通孔内に金属製などのボール23bを回転自在に取り付けたいわゆるメタルブッシュが本ボーリング装置の使用環境を考慮すると最も好適である。
【0074】
次に、本実施の形態に係るボーリング装置8を用いたボーリング方法について説明する。本ボーリング方法は、既設管9を切断したり分解により分断しないで、既設管9の周りにボーリング孔を形成する方法であるが、既設管9が切断されたり分断されたりした場合においても案内具20などの取り付けができれば、ボーリング孔を形成することができる。
【0075】
本ボーリング方法は、既設管9の外周面に案内具20を取り付ける工程と、既設管9の外周面に筒状の刃物10を取り付ける工程と、刃物10を回転させつつ案内具20により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管9の周りをボーリングする工程を備える。さらに必要に応じて、ボーリング後に既設管9の外周面又は既設管9とボーリング孔との間に保護材又は充填材を塗布又は充填する工程を付加してもよい。
【0076】
既設管9の外周面に案内具20を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、図1又は図2に示すように、既設管9の外周面側から案内具部品20aを配置し、ボルト21を螺合させて筒状の案内具20を形成させる。既設管9の直径に対応して既設管9の外周面に2つのスペーサ部品22aを取り囲んで配置し、このスペーサ部材22の外周面から案内具部品20aを取り付ける。既設管9と同心状のボーリング孔を形成する場合には、図2に示すように、案内具20を既設管9に同心状に取り付ける。既設管9の軸線に対して偏心したボーリング孔を形成する必要がある場合には案内具20を既設管9の軸線に対して偏心位置に取り付ける。
【0077】
既設管9の外周面に筒状の刃物10を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、図1に示すように、まず、ホルソー部品11aを端部の接合構造により接合して筒状に形成するとともに、固定バンド11jを外周面に取り付けて筒状のホルソー部11を組み立てる。次に、同様に延長アダプター部品12aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、延長アダプター部12の端部に形成されたねじ部12bをホルソー部11の端部に形成されたねじ部11hに螺合して一体化させる。さらに、ベースアダプター部品13aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、ベースアダプター部13の端部に形成されたねじ部13bを延長アダプター部12の端部に形成されたねじ部12cに螺合して一体化させる。次に、ホルソーベース部品14aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、次いでベースアダプター部13の基端部に形成されたベース部13cをホルソーベース部14の内周に挿入して一体化する。次に刃物駆動機構30の刃物駆動機構部品30aを端部の接合構造により接合して筒状に形成し、その筒状部内に前記ホルソーベース部14を挿入してその基端部に形成された歯車部14cを回転ガイド部30bの内側に位置させるとともに、歯車室31内に配置された歯車と噛み合わせる。
【0078】
刃物10を回転させつつ案内具20により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管9の周りをボーリングする工程は以下のように構成される。すなわち、油圧配管32から供給される油圧により油圧モーターを回転駆動し、この油圧モータにより刃物駆動機構30の歯車室31内の歯車を回転駆動し、この歯車に噛み合ったホルソーベース部14の歯車部14cに回転を伝達して、ホルソーベース部14を回転駆動する。ホルソーベース部14にはベースアダプター部13、延長アダプター部12、ホルソー部11が一体化させられているので、このホルソーベース部14の回転駆動によりホルソー部11が回転駆動され、ホルソー部11の先端部に形成された刃部11gが回転駆動される。往復進退装置の荷重付加部を刃物駆動機構部品30aから突出した棒状部材33に連携させるとともに、前記往復進退装置を駆動して棒状部材33を前記案内具20側に押圧して移動させ、刃物駆動機構30全体を案内具20側に移動させる。
【0079】
これにより、刃物10は既設管9に取り付けられた案内具20の外周面の摺動部材23にその内周面が案内されて前進させられ、コンクリート壁などに埋設された既設管9の外周面側に刃部11gが回転しつつ押圧当接させられて、既設管9と同心状のボーリング孔が形成される。
【0080】
ボーリング後に既設管9の外周面又は既設管9とボーリング孔との間に保護材又は充填材を塗布又は充填する工程は以下のように構成される。すなわち、図8(a)に示すように、ボーリング孔6の形成は室外から行う。これは腐食は室外から室内側に向かって進行するので室外側からボーリングして腐食状態を検査することが実情に適合するからである。図8(a)に示すようにボーリングはコンクリート壁の全厚について総て行わないで、まずは入口付近のみを行う。そして、ボーリング孔6の内面及び既設管9の外周面を露出させて、既設管9の腐食状態を目視などにより検査する。検査の結果、既設管9の表面に腐食が無いと判断されたら、さらにボーリングは行わず充填材(例えばモルタルなど)7bを充填してボーリング孔6を塞ぐ。なお、図中符号7aは既設管9の周りに既に充填されているコンクリート又はモルタルなどの充填材を示す。
【0081】
検査の結果、既設管9の室外側に腐食が認められた場合には当該腐食の程度からみて既設管9の外周面の補修で済むか、若しくは、ガス管の交換を行う必要があるかどうかが判断される。補修で済むと判断された場合には、図8(b)に示すように、さらにボーリングを継続してコンクリート壁部を貫通させてボーリング孔6を形成する。ボーリング孔6の内面及び既設管9の外周面を露出させ、腐食が進行しないように、既設管9の外周面に保護材層7cを塗布又噴霧などにより形成させる。この後、充填材(例えばモルタルなど)を既設管9とボーリング孔6との間に充填してボーリング孔6を塞ぐ。
【0082】
腐食の進行が相当進んでおり補修では無理でガス管自体の交換が必要と判断された場合には、図8(c)に示すように、さらにボーリングを継続してコンクリート壁部を貫通させてボーリング孔6を形成する。既設管9を露出させ、既設管9を切断や分断により除去し、新しいガス管(新設管)9aをボーリング孔6内に設置する。この後、充填材(例えばモルタルなど)を新設管9aとボーリング孔6との間に充填してボーリング孔6を塞ぐ。
【0083】
次に、本発明の実施の他の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法について図面を参照しつつ説明する。図9はボーリング装置の全体を示す側面図であり、図10は図9に示されるボーリング装置の一部の部品を背面から見た図である。なお、前記実施の形態のボーリング装置と同様な構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0084】
図9に示すように、本ボーリング装置は、刃物10及び刃物10を回転させつつ進退駆動する刃物駆動機構35を備えて概略構成される。前記実施の形態のホルソーベース部14の代わりに形状の異なるホルソーベース部34を備えている。ホルソーベース部34は前記ホルソーベース部14と同様に周方向に複数に分割されたホルソーベース部部品からなる。ホルソーベース部部品の外周面に歯車部34cが形成され、ホルソーベース部34の基端部34aは、略筒状の刃物装着部材36の一端部に回転自在に挿入され、刃物装着部材36から抜けないように取り付けられている。刃物装着部材36の外周面には回転駆動装置(例えば電動モータや油圧モータ)36aが取付部材を介して固定されている。回転駆動装置36aの駆動軸36bには歯車36cが固定され、当該歯車36cはホルソーベース部34の外周面に形成された前記歯車部34cに噛み合わされている。刃物装着部材36の内周面側には、刃物10を既設管などの長尺体9の軸線方向に沿って案内する案内具37が配置されて既設管などの長尺体9に連結されて固定されている。
【0085】
案内具37は、図10に示すように、その周方向に複数(図では2つ)に分割された案内具部品37aからなり、分割された案内具部品37aのそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構(ネジ孔とボルトなど)37bが形成され、案内具37は既設管などの長尺体9の周りに各案内具部品37aを取り囲んで配置することにより組み立てられている。組み立てられた案内具の外周面にはその軸線に沿って案内部(ラック部)37cが形成され、この案内部37cは、図9に示すように、前記刃物装着部材36の内周面側に回転自在に取り付けられたピニオンギヤ36dに噛み合っている。ピニオンギヤ36dの回転軸には円板部材36eが同軸状に固定され、円板部材36eには円板部材36eを回転させて同軸状に固定されたピニオンギヤ36dを回転させるための摘まみ部材36fが固定されている。そして、摘まみ部材36fを掴んで円板部材36eを回転させると、ピニオンギヤ36dが案内部37cに噛み合いつつ刃物装着部材36が案内具37に従って案内されて進退させられる。これにより刃物装着部材36には刃物10が取り付けられているので、刃物10が進退させられる。
【0086】
各案内具部品37aには、既設管などの長尺体9が挿入される凹部37dが形成されている。案内具部品37aを組み立てた際に形成された凹部37d内には、立方体状のブロック体38が配置されている。ブロック体38は図中左右二つ割りのブロック体部品38aからなり、これらのブロック体部品38aは既設管などの長尺体9を外周面側から狭持して接合機構(ネジ孔とボルトなど)38bにより互いに一体化されている。一方のブロック体部品38aにはネジ孔38cが貫通して形成されており、他方のブロック体部品38aにはガイド孔38dが貫通して形成されている。ネジ孔38cには案内具部品37aを貫通して配置されたネジ棒38eがねじ込まれ、ガイド孔38dには案内具部品37aを貫通して配置されたガイド棒38fが挿入されている。そして、ネジ棒38eを回転させるとブロック体38はガイド棒38f及びネジ棒38eに案内されて案内具37すなわち刃物10の径方向に移動させられる。これにより、既設管などの長尺体9の軸線を案内具37(刃物10)の軸線に対して同心位置又は偏心位置に位置させることができる。
【0087】
なお、本ボーリング装置では、案内具37に形成された凹部37d内にブロック体38を案内具37の径方向に移動可能に配置しているが、他の実施の形態として、ブロック体38の外表面に案内部(ラック部)を形成し、この案内部に刃物装着部材36に回転自在に取り付けられたピニオンギヤを噛み合わせ、ブロック体38及びピニオンギヤを刃物装着部材36に刃物装着部材36又はこれに取り付けられた刃物の径方向に移動可能とする機構を介して取り付けるようにしてもよい。これによっても、既設管などの長尺体9の軸線を刃物装着部材36やこれに装着された刃物の軸線に対して同心位置又は偏心位置に位置させることができる。
【0088】
次に、本発明の実施の更に他の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法について図面を参照しつつ説明する。
【0089】
上述したボーリング装置8は、切断又は分断されていない既設管9について既設管9の外周面側に同心又は偏心のボーリング孔6を形成する場合に主として使用するものであったが、本実施の形態に係るボーリング装置は既設管9のうちコンクリート壁などから露出した部分を切断又は分解により分断して既設管9の端面を露出させた状態において、埋設された既設管9の外周面側にボーリング孔を形成する場合に使用されるものである。上述したボーリング装置8においては刃物10を既設管9の軸線方向に沿って案内する案内具20は既設管9の外周面に取り付けられたが、本ボーリング装置においては、例えば図11〜図15に示すように、既設管9の内周面側に取り付けられる。
【0090】
本ボーリング装置は、図11に示すように、既設管9の外周面側にボーリング孔を形成させる刃物15と、刃物15を既設管9に対して同心又は偏心させて案内する案内具25とを備えて概略構成される。
【0091】
案内具25は、既設管9の内周面に取り付けられる筒状部材26と、筒状部材26の内周面に摺動自在に取り付けられる摺動駒27とを備える。筒状部材26の内周面には軸線方向とほぼ平行に溝部26aが2本形成され、摺動駒27の側面には前記溝部26a内に摺動自在に収納される凸条27aが2本形成され、溝部26aと凸条27aとが互いに係合し合うことにより摺動駒27が軸線方向に摺動自在に案内される。溝部26aと凸条27aとは本発明の係合部を構成する。摺動駒27の前面には断面円形の貫通孔27bが径方向に多数並べて形成されている。
【0092】
図12又は図14に示すように、前記筒状部材26は、入口付近に形成されたねじ穴にボルト28をねじ込んで既設管9の内面に固定される。図13又は図15に示すように摺動駒27には前記ボルト28を避けるように溝部27cが形成されている。前記貫通孔27bは本発明の棒状部材17の先端部が嵌まり込む凹部又は孔を構成する。筒状部材26の奥側にはフランジ部26bが形成され、このフランジ部26bと摺動駒27の背面との間には摺動駒27を外側に向かって押圧付勢する付勢機構であるバネ29が配置されている。付勢機構は筒状部材26内に収納された油・空圧シリンダーであってもよい。
【0093】
前記刃物15は、ほぼ有底筒状形状のホルソー部16と、ホルソー部16の軸線方向に延びて取り付けられた棒状部材17とを備えている。ホルソー部16の外周面には螺旋状の刃部16aが突出して形成されている。ホルソー部16の底部外面には筒状の取付部材16bが一体化されており、取付部材16bの内周面に形成されたねじ部16cに棒状部材17の基端部に形成されたねじ部17aを螺合させて棒状部材17を固定している。棒状部材17の先端には小径部17bが形成され、当該小径部17bは摺動駒27に多数貫通形成された貫通孔27b内に挿入される。刃物15は往復進退機構(図示せず)により押圧移動されつつ回転させられるようになっている。
【0094】
本実施の形態に係るボーリング装置を用いたボーリング方法について説明する。図12及び図13に示すものは既設管9に対して偏心したボーリング孔を形成する場合を示すものであり、図14及び図15に示すものは既設管9に対して同心状のボーリング孔を形成する場合を示すものである。これらのものでは既設管9はコンクリート壁1を貫通した貫通孔にコンクリート又はモルタルなどの充填材7aを充填することにより埋設されている。この他の態様で埋設された既設管であっても基本的には同様な方法によりボーリング孔を形成することができる。
【0095】
本ボーリング方法は、既設管の内周面に案内具25を取り付ける工程と、既設管9の外周面に筒状の刃物15を取り付ける工程と、刃物15を回転させつつ案内具25により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成する工程を備える。
【0096】
既設管の内周面に案内具25を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、案内具25の筒状部材26をボルト28により既設管9の内面に固定し、筒状部材26の内周面に摺動駒27を筒状部材26と同軸に挿入し、摺動駒27に形成された凸条27aを筒状部材26の内周面に形成された溝部26aに挿入することにより摺動駒27を筒状部材26により安定して案内する。
【0097】
既設管9の外周面に筒状の刃物15を取り付ける工程は以下のように構成される。すなわち、ホルソー部16に形成された棒状部材17の先端に形成された小径部17bを摺動駒27を貫通した貫通孔27b内に挿入して収納し、ホルソー部16を既設管9の軸線と軸線がほぼ平行になるように位置決めする。これは、貫通孔27bが摺動駒27の軸線にほぼ平行に形成され、摺動駒27は既設管9の内側に取り付けられた筒状部材26にほぼ同軸に摺動自在に取り付けられているからである。
【0098】
刃物15を回転させつつ案内具25により案内しつつ既設管9の軸線方向に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成する工程は以下のように構成される。すなわち、往復進退機構を駆動してホルソー部16を回転させつつ既設管9の方向に移動させ、ホルソー部16に形成された棒状部材17により摺動駒27を押圧して摺動駒27を筒状部材26の内面に沿って摺動させる。ホルソー部16は既設管9側に向かって移動させられ、その刃部16aが充填材7aに接触すると刃部16aにより既設管9の外周面側に、既設管9の軸線に対して偏心又は同心状のボーリング孔が形成される。なお、ボーリング孔の深さはホルソー部16の長さにより制限されるので、ボーリングするボーリング孔の深さに応じた長さのホルソー部16を使用する。
【0099】
前記実施の形態に係るボーリング装置では、筒状部材26を既設管9の内面に取り付け、その筒状部材26内に摺動駒27を取り付けるようにしているが、既設管9の内面が平滑でかつ直線状であるなどの条件が整えば、既設管6の内面に筒状部材26を取り付けずに、既設管9の内面側に直接前記したのと同様な形状の摺動駒27を挿入し刃物15に形成した棒状部材17の先端を摺動駒の前面に又は前面に形成された貫通孔27bに収納させてほぼ直角に当接させるものであってもよい。
【0100】
次に上述した本発明の実施の形態に係るのボーリング装置及びボーリング方法と併せて使用することが好適な既設管9の外周面などを清掃する清掃装置(いわゆるチゼル工具・装置)について図16〜図18に基づいて説明する。本清掃装置は、刃物10,15によりボーリングされたボーリング孔に露出する既設管9の外周面又はボーリング孔の内周面を研磨や研削などにより清掃するものである。
【0101】
図16及び図17に示すように、本清掃装置は、先端部付近の清掃刃41aと後端部の握り部41bとを断面正六角形の棒状の連結部41cにより連結した清掃具41を備え、既設管9の外周面に清掃具41を取り付けるための保持具42を備えて概略構成される。保持具42は、清掃具41の連結部41cを既設管9に保持する役目を主として担っており、帯状の部材をほぼ半円弧状に湾曲させた保持具部品42a,42bがその一端でヒンジ部42cにより開閉自在に連結され、既設管9を取り囲むように配置される。
【0102】
保持具42には、清掃刃41aが力点、握り部41bが作用点となるように、連結部41cを支持点として保持するための支点部42dが形成されている。支持部42dは帯状の保持具部品を外方に向けて突出させて形成したもので、既設管9に取り付けた際に既設管9の軸線とほぼ平行となるように幅広に形成されている。幅広部の幅の広さは、支持部42dの内側に収納された清掃具41の連結部41cを既設管9にそって進退移動させた際に、既設管9の軸線とほぼ平行に案内できる程度の幅があればよい。
【0103】
図17に示すように、保持具42には、支点部42dを介して清掃具41に対して荷重を付加するための荷重付加機構43が設けられている。荷重付加機構43は、保持具部品42a,42bの端部にフランジ部42eを形成し、フランジ部42eを貫通させた貫通孔にボルト43aの外周にバネ43cを介在させた状態で挿入し、ボルト43aの端部にナット43bを螺合して締め付ける構造を有している。
【0104】
既設管9と保持具42との間には距離調整用スペーサ部材44が介挿されている。距離調整用スペーサ部材44は、清掃具41と既設管9との距離を調整するために既設管9と保持具42との間に挿入されるものであり、距離調整用スペーサ部材44の厚みを増大させると清掃具41と既設管9との距離が大きくなり、厚みを減少させると清掃具41と既設管9との距離が小さくなる。この距離調整用スペーサ部材44の選択により、ガス管の腐食の程度などに応じて研磨や研削する研削代を調整することができる。
【0105】
清掃具41の清掃刃41aは、図18に示すように、清掃具41の清掃刃41aの先端部に清掃すべき既設管9の外周面の曲率に対応した曲率部41dが形成されている。曲率部41dは清掃刃41aの全体に曲率を持たせても、先端部にのみ曲率部41dを形成するようにしてもよい。
【0106】
清掃具41の連結部には、研磨や研削などの際に往復進退運動させた際に既設管9などと干渉し合わないように適宜の位置で折り曲げられた形状や湾曲させられた形状とすることが好ましい。
【0107】
保持具42を予め設定された小角度ずつ既設管9の周方向に回転させて、支持部42dにより保持された清掃具41を前記小角度ずつ回転させて位置決めするための回転機構を備えている。この回転機構は、例えば図16に示すように、既設管9に取り付けられた距離調整用スペーサ部材44の外周面に軸線とほぼ平行に多数の凸条44aを形成し、距離調整用スペーサ部材44の外周に取り付けられる保持具42の内周面には前記凸条44aに噛み合う形状の凹部(図示せず)を軸線とほぼ平行に形成し、これらの凸条44aと凹部とを互いに係合し合せ、係合相手を周方向に順次変更することにより凸条44a及び凹部(これらは本発明の係合部を構成する。)により予め設定された小角度ずつ保持具を回転させるものである。小角度ずつ回転移動させる目的を達成するものであれば他の形態(例えば距離調整用スペーサ部材にラックを形成し保持具にピニオンギヤを形成するなどの形態)であってもよい。
【0108】
本清掃装置を使用したボーリング方法においては、前記実施の形態に係るボーリング装置8などにより既設管9の外周面側をボーリング後に既設管9の外周面又はボーリングされたボーリング孔の内壁面を清掃具41を用いて研磨や研削などにより清掃する工程が付加されている。
【0109】
この清掃具41による研磨や研削など清掃工程は以下のように構成される。まず既設管9の外周面に距離調整用スペーサ部材44を取り付ける。次いで距離調整用スペーサ部材44の外周面に保持具42を取り囲んで配置しボルト43aとナット43bとにより組み立ててバネ43cや保持具部品42a,42bの弾性復元力により清掃具41の連結部41cに荷重を作用させる。この状態で清掃具41の握り部41bを手で握って保持具42の支持部42dに沿って清掃具41を既設管9の外表面にほぼ平行に往復進退運動させ、清掃具41の先端の清掃刃41aによりボーリング孔内に位置する既設管9の外表面やボーリング孔の内周面を研磨又は研削することにより汚れや腐蝕部分を取り除くいわゆる清掃作業を行う。必要に応じて清掃具41を往復進退運動させる場合に握り部41bを図中上方又は下方に捩じることにより支持部42dを支点として清掃刃41aを既設管9の外周面やボーリング孔の内周面に押し付ける操作を行うことにより清掃効果を高めることができる。なお、ボーリング孔の内周面を研磨する場合には清掃具41の清掃刃の向きは図18に示すものとは逆になったものが使用される。
【0110】
なお、上記実施の形態の刃物駆動機構30,35に限られず、回転させつつ既設管に沿って前進させて既設管の周りにボーリング孔を形成させるものであれば適宜の構造のものを使用することができる。
【0111】
前記実施の形態に係るボーリング装置では、刃物10を案内具20又は案内具37のいずれかにより刃物10を案内する例を示したが、案内具20及び案内具37の両方を既設管などの長尺体9に取り付け、これらの双方の案内具20,37によりいわゆる両持ち状態で刃物10を支持して既設管などの長尺体9の軸線に沿って案内するようにしたものであってもよい。これにより刃物10の保持を確実に行うことができる。
【0112】
また、上記実施の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法では、既設のガス管の外周面側にボーリング孔を形成する場合に使用する例を示したが、例えば道路標識などのパイプ構造物の地面への埋め込み部分をボーリングする場合に使用することができる。この場合においては前記パイプ構造物の撤去や付け替えの場合に最小限の穿孔作業ですむという利点が生ずる。
【0113】
前記実施の形態に係るボーリング装置及びボーリング方法では、長尺体として中空状の既設管を対象にしたものを例示したが、断面ほぼ円形の中実の棒状部材や断面角形などの異形の中実の棒状部材又は中空の中空部材を対象にして、これらの外周面側にボーリング孔を形成するものであってもよい。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のボーリング装置及びボーリング方法によれば、以下のような効果を奏する。
【0115】
(1)案内具により案内される刃物により既設管の周りを既設管などの長尺体とほぼ同軸にボーリング孔を形成することができ、既設管などの長尺体の外周面の状態をボーリング孔から検査することができる。
【0116】
(2)補修の必要がある場合にはボーリング孔から補修工事を行うことができる。
【0117】
(3)腐食の程度がかなり進行して既設管などの長尺体の交換が必要な場合には、ボーリング孔から既設管などの長尺体を容易に除去でき当該ボーリング孔内に新しいガス管などを容易に配置することができる。
【0118】
(4)以上述べた効果により工事コストを大幅に低減することができる。
【0119】
(5)新たな貫通孔を建物などの壁などに新設することがないので、強度低下などの構造上の問題は全く生じない。
【0120】
(6)刃物が周方向に複数に分割された刃物部品からなるので、刃物部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置することができ、既設管などの長尺体を切断する必要がなく、ガスなどを遮断することなくボーリング孔を形成する工事を行うことができる。
【0121】
(7)既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。
【0122】
(8)既設管などの長尺体の径が異なる場合には、刃物駆動機構は変えないで、基端部分の孔内に埋められるスペーサ部材を既設管などの長尺体の径に応じたものに交換することにより対応することができる。
【0123】
(9)刃物を案内する案内具部品を既設管などの長尺体の外周面側から配置することができ、案内具部品を取り付ける際に既設管などの長尺体を切断する必要がなく、ガスなどを遮断することなく組み立てられた案内具の外周面により刃物を案内してボーリング孔を形成することができる。
【0124】
(10)各案内具部品に形成された凹部により案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0125】
(11)案内具部品の凹部により形成される径が既設管などの長尺体の直径よりも大きい場合にはこの隙間をスペーサ部材により埋めることにより案内具を既設管などの長尺体にしっかりと取り付けることができる。
【0126】
(12)各案内具部品に形成された凹部内に配置されたブロック体を案内具の径方向に移動させることにより案内具を既設管などの長尺体に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0127】
(13)案内具を刃物の径方向に移動させることにより案内具を刃物に対して同心位置又は偏心位置に取り付けることができ、案内具により案内される刃物により既設管などの長尺体の軸線に対して同心又は偏心したボーリング孔を形成させることができる。
【0128】
(14)刃物を案内具の外周面に設けられた摺動部材により円滑に案内することができる。
【0129】
(15)既設管などの長尺体を途中で切断又は分解して開放端が形成された場合において、その開放端の内周面にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸のボーリング孔を形成することができる。
【0130】
(16)既設管などの長尺体を途中で切断又は分解して開放端が形成された場合に、その開放端の内周面に筒状部材を取り付け、この筒状部材の内側にその内周面に沿って移動する摺動駒を挿入し、刃物に形成された棒状部材の先端をほぼ直角に当接させて刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に位置決めして移動させることができ、既設管などの長尺体とほぼ同軸のボーリング孔を形成することができる。
【0131】
(17)摺動駒の前面に設けられた凹部又は孔に刃物に形成した棒状部材の先端を嵌まり込ませることにより棒状部材ひいては刃物を安定して位置決めすることができ、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に安定して移動させることができる。
【0132】
(18)摺動駒が筒状部材と係合部を介して連結され、筒状部材の軸線方向すなわち既設管などの長尺体とほぼ同軸に摺動駒を移動することができ、刃物を既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができる。
【0133】
(19)刃物に形成された棒状部材などにより筒状部材に沿って移動させられた摺動駒を棒状部材などによる押圧が解除された後に付勢機構により元の外側方向に向かって押圧付勢して復帰させることができる。
【0134】
(20)ボーリング後にボーリング孔に露出した既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に清掃具により研磨や研削などを施して清掃することができる。
【0135】
(21)既設管などの長尺体の外周面に腐食などの劣化が認められた場合において補修で足りる場合には既設管などの長尺体の外周面に保護材を塗布した後にボーリング孔との間に充填材を充填することにより、既設管などの長尺体の補修工事を行うことができ、劣化が進行しておらず補修が必要ない場合などには保護材を塗布しないで充填材のみを充填するだけでもよく、ボーリング孔の内周面と既設管などの長尺体の外周面との間の距離が小さな場合などには保護材のみをボーリング孔と既設管などの長尺体との間に充填し充填材の充填を省略することもできる。
【0136】
また、本発明の清掃装置によれば、以下のような効果を奏する。
【0137】
(1)本発明のボーリング装置により既設管などの長尺体の外周面側にボーリング孔を形成した後に、保持具を既設管などの長尺体に取り付け保持具により清掃具の連結部を保持し、清掃具の握り部を握って往復運動させ先端部付近に形成された清掃刃によりボーリング孔に露出する既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に研磨や研削などを当該面の清掃を行うことができる。
【0138】
(2)清掃刃を荷重付加機構により支点部を介して既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面に押しつけることができ、研磨や研削などを効率良くかつ正確に行うことができる。
【0139】
(3)清掃具はその連結部が幅広の部分で案内されて既設管などの長尺体とほぼ同軸に移動させることができ、研磨や研削などを既設管などの長尺体とほぼ同軸にかつ確実に行うことができる。
【0140】
(4)清掃具として同じものを使用しても、各種の厚みを有する距離調整用スペーサ部材に交換することにより清掃具(特に清掃刃)と既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面との距離を調節することができる。
【0141】
(5)既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に当該外周面や内周面に対応した曲率の清掃刃を当てて既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面に円弧状の研磨や研削などを施すことができる。
【0142】
(6)清掃具が既設管などの長尺体と干渉しないような折り曲げ形状や屈曲形状とすれば、研磨や研削などを行う場合に既設管などの長尺体に連接された既設管などの長尺体との干渉を避けて研磨や研削などの清掃作業を円滑に行うことができる。
【0143】
(7)回転機構により保持具を小角度ずつ回転させて、清掃具により既設管などの長尺体の外周面又はボーリング孔の内周面を小角度に対応した幅で研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に前記小角度に対応した幅で順次行うことができる。
【0144】
(8)距離調整用スペーサ部材及び保持具に形成された係合部を噛み合う相手を周方向に順次変更することにより保持具を既設管などの長尺体の周方向に小角度ずつ回転移動させて、位置決めして研磨や研削などを施して清掃作業を周方向に前記小角度に対応した幅で順次行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るボーリング装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1のボーリング装置における案内具を示す図である。
【図3】図1のボーリング装置における案内具を示す図である。
【図4】図1のボーリング装置における案内具を示す図である。
【図5】図1のボーリング装置における案内具に使用される摺動部材を示す斜視図である。
【図6】図1のボーリング装置における刃物部品の接合構造の一例を示す図である。
【図7】図1のボーリング装置における刃物部品の接合構造の他の例を示す図である。
【図8】図1のボーリング装置を使用したボーリング方法及びその後の施工方法を示す図である。
【図9】本発明の実施の他の形態に係るボーリング装置を示す側面図である。
【図10】図9のボーリング装置の一部の部品を示す図である。
【図11】本発明の実施の更に他の形態に係るボーリング装置を示す分解斜視図である。
【図12】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図13】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図14】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図15】図11のボーリング装置の使用中の状態を示す断面図である
【図16】本発明の実施の形態に係る清掃装置の使用中の状態を示す図である。
【図17】図16の清掃装置を示す断面図である。
【図18】図16の清掃装置における清掃具の清掃刃付近を拡大した状態を示す図である。
【図19】従来の既設管の取替方法を示す図である。
【符号の説明】
8 ボーリング装置
9 既設管
10,15 刃物
20,25,37 案内具
30,35 刃物駆動機構
Claims (27)
- 既設管などの長尺体の外周をボーリングする筒状の刃物と、前記既設管などの長尺体に取り付けられて前記刃物を前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿って案内する案内具と、当該案内具により前記刃物を案内しながら回転させつつ前記既設管などの長尺体に沿って前進させて前記既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成する刃物駆動機構とを備えたことを特徴とするボーリング装置。
- 前記刃物がその周方向に複数に分割された刃物部品からなり、分割された刃物部品のそれぞれの端面には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構が形成されていることを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記刃物の端部には前記刃物駆動機構に係合して駆動される基端部分が形成され、当該基端部分には前記刃物の直径に応じた大きさの孔が形成され、各種の直径を有する刃物のそれぞれに対応して各種の基端部分が用意され前記各刃物の直径に応じて前記基端部分を交換可能としたことを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記刃物の端部には前記刃物駆動機構に係合して駆動される基端部分が形成され、当該基端部分には単一の径を有する孔が形成され、当該孔の内周部には前記刃物の直径に応じて前記刃物の外周面との間に形成される隙間を埋めるスペーサ部材が挿入され、各種の直径を有する刃物のそれぞれに対応して各種のスペーサ部材が用意され前記刃物の直径に応じて前記スペーサ部材を交換可能としたことを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記案内具がその周方向に複数に分割された案内具部品からなり、分割された案内具部品のそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構が形成され、前記案内具は既設管などの長尺体の周りに各案内具部品を取り囲んで配置して組み立て、組み立てられた案内具の外周面に前記刃物が挿入されることを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記案内具部品には前記既設管などの長尺体を狭持するための凹部が形成され、当該凹部は前記案内具部品を組み立てた際に前記既設管などの長尺体を同心位置又は偏心位置のいずれかで狭持できる構造となっていることを特徴とする請求項5記載のボーリング装置。
- 前記案内具部品の凹部と前記既設管などの長尺体の外周面との間にはスペーサ部材が挿入されることを特徴とする請求項6記載のボーリング装置。
- 前記案内具の外周面には前記刃物の内周面が接触して摺動する摺動部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記案内具がその周方向に複数に分割された案内具部品からなり、分割された案内具部品のそれぞれの端部付近には互いに接合させて筒状形状に組み立てるための接合機構が形成され、前記案内具は既設管などの長尺体の周りに各案内具部品を取り囲んで配置して組み立て、組み立てられた案内具の外周面にその軸線方向に沿って形成された案内部に従って前記刃物が案内されることを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記案内具部品には前記既設管などの長尺体が挿入される凹部が形成され、前記案内具部品を組み立てた際に形成された凹部内には前記既設管などの長尺体を狭持して取り付けられたブロック体が前記案内具の径方向に移動可能に組み付けられていることを特徴とする請求項9記載のボーリング装置。
- 組み立てられた前記案内具が前記刃物の径方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項9記載のボーリング装置。
- 前記案内具は前記既設管などの長尺体の内面側で前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿って摺動させられる摺動駒を備え、前記刃物には前記摺動駒の前面にほぼ直角に当接する棒状部材が前記刃物の軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記案内具は、前記既設管などの長尺体の内周面に取り付けられる筒状部材と、当該筒状部材の内周面に筒状部材の軸線方向に沿って摺動自在に取り付けられる摺動駒とを備え、前記刃物には前記摺動駒の前面にほぼ直角に当接する棒状部材が前記刃物の軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボーリング装置。
- 前記摺動駒の少なくとも前面には前記棒状部材の先端部が嵌まり込む凹部又は孔が形成されていることを特徴とする請求項12又は13記載のボーリング装置。
- 前記筒状部材の内周面及び前記摺動駒の側面には互いに係合し合う係合部がこれらの軸線とほぼ平行に形成されていることを特徴とする請求項13記載のボーリング装置。
- 前記筒状部材と摺動駒との間には摺動駒を外側に向かって押圧付勢する付勢機構が配置されていることを特徴とする請求項13記載のボーリング装置。
- 筒状の刃物によりボーリングされたボーリング孔に露出する既設管などの長尺体の外周面又は前記ボーリング孔の内周面を研磨や研削などにより清掃する清掃装置であって、先端部付近に形成された清掃刃及び後端部に形成された握り部を棒状の連結部により連結した清掃具と、既設管などの長尺体の外周面に取り付けられて前記清掃具の連結部を前記既設管などの長尺体にその軸線方向に往復運動可能に保持する保持具とを備えたことを特徴とする清掃装置。
- 前記保持具には、前記清掃刃が力点、前記握り部が作用点となるように、前記連結部を支持点として保持する支点部が形成されるとともに、当該支点部を介して前記清掃具に対して荷重を付加する荷重付加機構が設けられていることを特徴とする請求項17記載の清掃装置。
- 前記保持具において少なくとも前記支点部が前記清掃具を前記既設管などの長尺体の軸線とほぼ平行に往復運動できるように幅広に形成されていることを特徴とする請求項18記載の清掃装置。
- 前記既設管などの長尺体と保持具との間には前記清掃具と既設管などの長尺体との距離を調整するための距離調整用スペーサ部材が介挿されることを特徴とする請求項17記載の清掃装置。
- 前記清掃具の清掃刃の少なくとも先端部には、清掃すべき既設管などの長尺体の外周面やボーリング孔の内周面の曲率に対応した曲率が付与されていることを特徴とする請求項17記載の清掃装置。
- 前記清掃具の連結部は研磨や研削などのために往復運動させた際に前記既設管などの長尺体と干渉し合わないように折り曲げられた形状又は湾曲させられた形状とされていることを特徴とする請求項17記載の清掃装置。
- 前記保持具には当該保持具を予め設定された小角度ずつ前記既設管などの長尺体の周方向に回転させるための回転機構を備えたことを特徴とする請求項17記載の清掃装置。
- 前記回転機構が、前記既設管などの長尺体に取り付けられる距離調整用スペーサ部材の外周面と、当該距離調整用スペーサ部材の外周に取り付けられる保持具の内周面とに互いに係脱自在に係合し合う係合部を複数形成し当該係合部の係合相手を周方向に変更することにより予め設定された小角度ずつ保持具を回転させて位置決めするものであることを特徴とする請求項23記載の清掃装置。
- 既設管などの長尺体の外周面又は内周面に案内具を取り付ける工程と、前記既設管などの長尺体の外周面側に筒状の刃物を取り付ける工程と、前記刃物を回転させつつ前記案内具により案内しつつ前記既設管などの長尺体の軸線方向に沿って前進させて前記既設管などの長尺体の周りにボーリング孔を形成する工程を備えたことを特徴とするボーリング方法。
- ボーリング後に前記既設管などの長尺体の外周面又はボーリングされたボーリング孔の内壁面を清掃具を用いて研磨や研削などにより清掃する工程を有することを特徴とする請求項25記載のボーリング方法。
- ボーリング後又は研磨や研削などの清掃後に、前記既設管などの長尺体の外周面又は前記既設管などの長尺体とボーリング孔との間に保護材又は充填材を塗布又は充填する工程を有することを特徴とする請求項22又は26記載のボーリング方法。
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Cited By (3)
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JP2007223165A (ja) * | 2006-02-23 | 2007-09-06 | Osaka Gas Co Ltd | 配管補修用掘削具とその掘削具を使用する配管補修方法 |
CN112739481A (zh) * | 2018-06-12 | 2021-04-30 | 金·基特利 | 孔锯组件 |
CN112775279A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-05-11 | 赣州鑫冠科技股份有限公司 | 一种管件冲孔用的定位机构 |
-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003173988A patent/JP2005007516A/ja active Pending
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