JP2005003237A - 振動燃焼抑制型燃焼器 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼ノズルが単一の場合でも、燃焼振動周波数が変動または未知の場合でも振動燃焼の発生を効果的に抑制でき、かつ周方向の燃焼状態も同一化できる振動燃焼抑制型燃焼器を提供する。
【解決手段】燃焼室2と、燃焼室に設けられた中空の予混合管4と、予混合管内に同心に配置され軸線方向に延びる燃料ノズル6とを備える。燃料ノズル6は、内部に加圧燃料が供給される中空の多孔管又は多孔質管であり、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔6aを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃焼室2と、燃焼室に設けられた中空の予混合管4と、予混合管内に同心に配置され軸線方向に延びる燃料ノズル6とを備える。燃料ノズル6は、内部に加圧燃料が供給される中空の多孔管又は多孔質管であり、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔6aを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン用の燃焼器に係わり、更に詳しくは、振動燃焼を抑制できる振動燃焼抑制型燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来のガスタービン用低NOx燃焼器の全体構成図である。この図に示すように、従来の低NOx燃焼器は、中央部に配置されたパイロットバーナー18と、そのまわりに配置された複数(図には1つのみを示す)のメインバーナー19とを備える。なお、この図において、11はスクロール部、12は燃焼器ライナ、13はケーシング、14は点火栓(イグナイタ)であり、空気16がケーシング13とライナ12の間を流れてバーナー18、19に達し、このバーナーとその他の部分を通ってライナ12内に流入して火炎17a,17bを形成し、発生した燃焼ガスがスクロール部11を通って図示しないガスタービンに導かれ、これを駆動するようになっている。
【0003】
図3において、メインバーナー19は、互いに同軸に配置された主噴射弁19aと予混合管19bとからなる。主噴射弁19aには、ケーシング13を通して外部から燃料Fが供給される。予混合管19bは、この図で下端部が開口した円筒形の筒であり、内部で燃料と空気が互いに混合しやすくなっている。すなわち、メインバーナー19は、主噴射弁19aと予混合管19bで構成された予混合希薄バーナーである。この構成により、主噴射弁19aにより予混合管19b内に燃料Fを噴射し、予混合管19b内で燃料Fを十分な空気量と予混合しこれを希薄燃焼させることができる。
かかる予混合燃焼方式の燃焼器では、燃料を十分な空気量と予混合しこれを希薄燃焼させるものであり、このためホットスポットがなく、高温火炎の発生をなくし低NOx化を実現することができる。
【0004】
しかし、上述した予混合燃焼方式の燃焼器では、振動燃焼が問題となることがあった。振動燃焼が発生すると、燃焼位置や発熱量が激しく変動し、燃焼器全体が振動して騒音を発生するばかりでなく、燃焼器における燃焼も不安定となり、安定運転が困難になる。そのため、ガスタービンにおける振動燃焼を抑制する燃焼器が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0005】
特許文献1の「ガスタービン燃焼器」は、図4に示すように、予混合器26に設置され、仕切り板21によって仕切られ、予混合器26内の混合気の流れ方向に延びる円柱型をしており、その根元部は燃焼器外部の燃料供給系に繋がる燃料マニホールド19に連絡され、先端部には燃料を噴出する燃料噴出孔20を設置している。この予混合燃焼用燃料ノズルにおいて、例えば、隣接する2個の予混合燃焼用燃料ノズル27a,27bにおける、それらの燃料ノズルの軸方向長さを調整することによって、燃料噴出孔20から予混合火炎の形成位置までの距離La,Lbを異なるようにし、隣接する燃料ノズルの軸方向距離を変化させて燃料供給位置を不揃いにし、燃料噴出孔から火炎までの距離を異なるようにして燃焼振動を抑制するものである。
【0006】
また、特許文献2の「振動燃焼抑制型低NOx燃焼器」は、図5に示すように、複数の予混合燃料噴射弁を備えた低NOx燃焼器において、各予混合燃料噴射弁は直列に連結された単一の主噴射弁と予混合管10とからなり、該予混合管は、出口流速が異なるように設定された通常予混合管10aと特殊予混合管10bとからなり、燃料噴射位置と火炎との距離Lを相違させて熱発生の位相を変化させることにより、燃焼室内の圧力変動を抑制するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平08−135970号公報、「ガスタービン燃焼器」
【特許文献2】
特開2003−106527号公報、「振動燃焼抑制型低NOx燃焼器」
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の燃焼器では、以下の問題点があった。
(1)複数の燃料ノズルが必要であり、隣接するノズル同士で最適化する必要がある。そのため、燃焼ノズルが単一の場合には、振動燃焼の抑制ができない。
(2)複数の燃料ノズルを用いる場合でも、周方向の燃焼状態を同一にできない。
(3)火炎の変動が逆位相となるように燃焼振動周波数にあわせてノズルの位置を決定する必要があるため、燃焼振動周波数が変動または未知の燃焼器には適用できない。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、燃焼ノズルが単一の場合でも、燃焼振動周波数が変動または未知の場合でも振動燃焼の発生を効果的に抑制でき、かつ周方向の燃焼状態も同一化できる振動燃焼抑制型燃焼器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、燃焼室と、該燃焼室に設けられた中空の予混合管と、該予混合管内に同心に配置され軸線方向に延びる燃料ノズルとを備え、該燃料ノズルは、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔を有する、ことを特徴とする振動燃焼抑制型燃焼器が提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記燃料ノズルは、内部に加圧燃料が供給される中空の多孔管又は多孔質管である。
【0012】
上記本発明の構成によれば、燃料ノズルが例えば中空の多孔管又は多孔質管であり、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔を有するので、燃料の供給位置を連続的に分散させることができる。各噴射孔(ノズルの各燃料噴射位置)から火炎までの距離は異なるため、燃料が火炎に到達するまでの時間は分布を持つ。この結果、火炎位置での燃料濃度変動がなくなり、燃焼振動を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明による振動燃焼抑制型燃焼器の模式図である。この図に示すように、本発明の振動燃焼抑制型燃焼器は、燃焼室2、予混合管4、及び燃料ノズル6を備える。
燃焼室2は、内部で燃料が燃焼する従来と同様の燃焼室である。この燃焼室は、アニュラータイプでも、カンタイプでもよい。予混合管4は、中空の円筒形又は切頭円錐形であり、その下流端が燃焼室2に開口して燃焼室2に設けられている。
【0015】
燃料ノズル6は、予混合管4内に予混合管4と同心に配置され、軸線方向に延びる。この燃料ノズル6は、内部に加圧燃料が供給される中空の円筒形又は切頭円錐形であり、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔6aを有する。燃料ノズル6は、好ましくは焼結金属からなる多孔質管である。また、多数の孔をランダムに有する多孔管であってもよい。
焼結金属の粒子間隙間、又は多孔管の孔は、十分小さく設定され、内部に供給される燃料の圧力をほぼ一定に保持するようになっている。また、燃料ノズル6は、燃料噴射領域は、好ましくは振動燃焼による伝搬圧力波の影響を緩和できるように軸方向に十分長く設定するのがよい。
【0016】
図2は、本発明の振動燃焼抑制型燃焼器の作動説明図である。この図において、(A)は周囲の圧力変化による燃料供給量の変化、(B)は複数の噴射孔6aから噴射された燃料の濃度変動、(C)は火炎位置までの燃料濃度変動、(D)は火炎位置での燃料濃度変動を示す模式図である。
以下、この図を用いて本発明の燃焼器の作動を説明する。
【0017】
上述したガスタービンの燃焼器内では、以下の条件が成り立つ。
(1)燃料の供給量は周囲の圧力と燃料供給圧の差により決定される。
(2)圧力変動は音速で伝搬する。
(3)ガスタービン内の流れは音速と比較すると十分遅い。
【0018】
従って、同一の燃料ノズル6に設けられた複数(この例では5つ)の噴射孔6aから噴射される燃料の供給量は、燃焼室で振動燃焼が生じている場合でも、燃料ノズル6の周囲圧力が実質的に同一であることから、図2(A)のように燃料ノズルのどの位置からも同じ量だけ燃料が供給される。すなわち、ある時刻tの時に燃料ノズルの各噴射位置から供給される燃料量はどこも同じである。
【0019】
一方、燃焼室に供給される空気量は振動燃焼の影響で周期的に変動する。この結果、ある時刻における燃料濃度変動の空間分布は、図2(B)のようになり、変動しながら空間的に伝搬される。この場合、火炎位置に各燃料が到達する時間は、供給位置によって異なる。
火炎位置では、図2(C)に示すように、異なる位相の燃料変動が重ね合わせられる。その結果、図2(D)に示すように、火炎位置では、燃料供給量の変動が打ち消される。
従って、燃焼室で振動燃焼が生じている場合でも、火炎位置に到達する燃料濃度は変動がほとんどなく、その結果、振動燃焼を抑制することができる。
【0020】
なお本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明を図3〜5に示した複数の予混合管を有する低NOx燃焼器にも同様に適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、ガスタービン燃焼器などで発生する燃焼振動を抑制するものである。本発明では、燃焼振動を抑制するために、多孔管又は多孔質管でできた燃焼ノズルを用いることで、燃料供給位置を連続的に分散させ、これにより、燃料が火炎まで到達する時間も分散し、燃焼振動が抑制されることになる。
【0022】
従って、本発明の振動燃焼抑制型燃焼器は、燃焼ノズルが単一の場合でも、燃焼振動周波数が変動または未知の場合でも振動燃焼の発生を効果的に抑制でき、かつ周方向の燃焼状態も同一化できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動燃焼抑制型燃焼器の模式図である。
【図2】本発明の振動燃焼抑制型燃焼器の作動説明図である。
【図3】従来のガスタービン用低NOx燃焼器の構成図である。
【図4】特許文献1の「ガスタービン燃焼器」の構成図である。
【図5】特許文献2の「振動燃焼抑制型低NOx燃焼器」の構成図である。
【符号の説明】
2 燃焼室、4 予混合管、6 燃料ノズル、6a 噴射孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン用の燃焼器に係わり、更に詳しくは、振動燃焼を抑制できる振動燃焼抑制型燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来のガスタービン用低NOx燃焼器の全体構成図である。この図に示すように、従来の低NOx燃焼器は、中央部に配置されたパイロットバーナー18と、そのまわりに配置された複数(図には1つのみを示す)のメインバーナー19とを備える。なお、この図において、11はスクロール部、12は燃焼器ライナ、13はケーシング、14は点火栓(イグナイタ)であり、空気16がケーシング13とライナ12の間を流れてバーナー18、19に達し、このバーナーとその他の部分を通ってライナ12内に流入して火炎17a,17bを形成し、発生した燃焼ガスがスクロール部11を通って図示しないガスタービンに導かれ、これを駆動するようになっている。
【0003】
図3において、メインバーナー19は、互いに同軸に配置された主噴射弁19aと予混合管19bとからなる。主噴射弁19aには、ケーシング13を通して外部から燃料Fが供給される。予混合管19bは、この図で下端部が開口した円筒形の筒であり、内部で燃料と空気が互いに混合しやすくなっている。すなわち、メインバーナー19は、主噴射弁19aと予混合管19bで構成された予混合希薄バーナーである。この構成により、主噴射弁19aにより予混合管19b内に燃料Fを噴射し、予混合管19b内で燃料Fを十分な空気量と予混合しこれを希薄燃焼させることができる。
かかる予混合燃焼方式の燃焼器では、燃料を十分な空気量と予混合しこれを希薄燃焼させるものであり、このためホットスポットがなく、高温火炎の発生をなくし低NOx化を実現することができる。
【0004】
しかし、上述した予混合燃焼方式の燃焼器では、振動燃焼が問題となることがあった。振動燃焼が発生すると、燃焼位置や発熱量が激しく変動し、燃焼器全体が振動して騒音を発生するばかりでなく、燃焼器における燃焼も不安定となり、安定運転が困難になる。そのため、ガスタービンにおける振動燃焼を抑制する燃焼器が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0005】
特許文献1の「ガスタービン燃焼器」は、図4に示すように、予混合器26に設置され、仕切り板21によって仕切られ、予混合器26内の混合気の流れ方向に延びる円柱型をしており、その根元部は燃焼器外部の燃料供給系に繋がる燃料マニホールド19に連絡され、先端部には燃料を噴出する燃料噴出孔20を設置している。この予混合燃焼用燃料ノズルにおいて、例えば、隣接する2個の予混合燃焼用燃料ノズル27a,27bにおける、それらの燃料ノズルの軸方向長さを調整することによって、燃料噴出孔20から予混合火炎の形成位置までの距離La,Lbを異なるようにし、隣接する燃料ノズルの軸方向距離を変化させて燃料供給位置を不揃いにし、燃料噴出孔から火炎までの距離を異なるようにして燃焼振動を抑制するものである。
【0006】
また、特許文献2の「振動燃焼抑制型低NOx燃焼器」は、図5に示すように、複数の予混合燃料噴射弁を備えた低NOx燃焼器において、各予混合燃料噴射弁は直列に連結された単一の主噴射弁と予混合管10とからなり、該予混合管は、出口流速が異なるように設定された通常予混合管10aと特殊予混合管10bとからなり、燃料噴射位置と火炎との距離Lを相違させて熱発生の位相を変化させることにより、燃焼室内の圧力変動を抑制するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平08−135970号公報、「ガスタービン燃焼器」
【特許文献2】
特開2003−106527号公報、「振動燃焼抑制型低NOx燃焼器」
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の燃焼器では、以下の問題点があった。
(1)複数の燃料ノズルが必要であり、隣接するノズル同士で最適化する必要がある。そのため、燃焼ノズルが単一の場合には、振動燃焼の抑制ができない。
(2)複数の燃料ノズルを用いる場合でも、周方向の燃焼状態を同一にできない。
(3)火炎の変動が逆位相となるように燃焼振動周波数にあわせてノズルの位置を決定する必要があるため、燃焼振動周波数が変動または未知の燃焼器には適用できない。
【0009】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、燃焼ノズルが単一の場合でも、燃焼振動周波数が変動または未知の場合でも振動燃焼の発生を効果的に抑制でき、かつ周方向の燃焼状態も同一化できる振動燃焼抑制型燃焼器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、燃焼室と、該燃焼室に設けられた中空の予混合管と、該予混合管内に同心に配置され軸線方向に延びる燃料ノズルとを備え、該燃料ノズルは、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔を有する、ことを特徴とする振動燃焼抑制型燃焼器が提供される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記燃料ノズルは、内部に加圧燃料が供給される中空の多孔管又は多孔質管である。
【0012】
上記本発明の構成によれば、燃料ノズルが例えば中空の多孔管又は多孔質管であり、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔を有するので、燃料の供給位置を連続的に分散させることができる。各噴射孔(ノズルの各燃料噴射位置)から火炎までの距離は異なるため、燃料が火炎に到達するまでの時間は分布を持つ。この結果、火炎位置での燃料濃度変動がなくなり、燃焼振動を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明による振動燃焼抑制型燃焼器の模式図である。この図に示すように、本発明の振動燃焼抑制型燃焼器は、燃焼室2、予混合管4、及び燃料ノズル6を備える。
燃焼室2は、内部で燃料が燃焼する従来と同様の燃焼室である。この燃焼室は、アニュラータイプでも、カンタイプでもよい。予混合管4は、中空の円筒形又は切頭円錐形であり、その下流端が燃焼室2に開口して燃焼室2に設けられている。
【0015】
燃料ノズル6は、予混合管4内に予混合管4と同心に配置され、軸線方向に延びる。この燃料ノズル6は、内部に加圧燃料が供給される中空の円筒形又は切頭円錐形であり、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔6aを有する。燃料ノズル6は、好ましくは焼結金属からなる多孔質管である。また、多数の孔をランダムに有する多孔管であってもよい。
焼結金属の粒子間隙間、又は多孔管の孔は、十分小さく設定され、内部に供給される燃料の圧力をほぼ一定に保持するようになっている。また、燃料ノズル6は、燃料噴射領域は、好ましくは振動燃焼による伝搬圧力波の影響を緩和できるように軸方向に十分長く設定するのがよい。
【0016】
図2は、本発明の振動燃焼抑制型燃焼器の作動説明図である。この図において、(A)は周囲の圧力変化による燃料供給量の変化、(B)は複数の噴射孔6aから噴射された燃料の濃度変動、(C)は火炎位置までの燃料濃度変動、(D)は火炎位置での燃料濃度変動を示す模式図である。
以下、この図を用いて本発明の燃焼器の作動を説明する。
【0017】
上述したガスタービンの燃焼器内では、以下の条件が成り立つ。
(1)燃料の供給量は周囲の圧力と燃料供給圧の差により決定される。
(2)圧力変動は音速で伝搬する。
(3)ガスタービン内の流れは音速と比較すると十分遅い。
【0018】
従って、同一の燃料ノズル6に設けられた複数(この例では5つ)の噴射孔6aから噴射される燃料の供給量は、燃焼室で振動燃焼が生じている場合でも、燃料ノズル6の周囲圧力が実質的に同一であることから、図2(A)のように燃料ノズルのどの位置からも同じ量だけ燃料が供給される。すなわち、ある時刻tの時に燃料ノズルの各噴射位置から供給される燃料量はどこも同じである。
【0019】
一方、燃焼室に供給される空気量は振動燃焼の影響で周期的に変動する。この結果、ある時刻における燃料濃度変動の空間分布は、図2(B)のようになり、変動しながら空間的に伝搬される。この場合、火炎位置に各燃料が到達する時間は、供給位置によって異なる。
火炎位置では、図2(C)に示すように、異なる位相の燃料変動が重ね合わせられる。その結果、図2(D)に示すように、火炎位置では、燃料供給量の変動が打ち消される。
従って、燃焼室で振動燃焼が生じている場合でも、火炎位置に到達する燃料濃度は変動がほとんどなく、その結果、振動燃焼を抑制することができる。
【0020】
なお本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明を図3〜5に示した複数の予混合管を有する低NOx燃焼器にも同様に適用することができる。
【0021】
【発明の効果】
上述したように、本発明は、ガスタービン燃焼器などで発生する燃焼振動を抑制するものである。本発明では、燃焼振動を抑制するために、多孔管又は多孔質管でできた燃焼ノズルを用いることで、燃料供給位置を連続的に分散させ、これにより、燃料が火炎まで到達する時間も分散し、燃焼振動が抑制されることになる。
【0022】
従って、本発明の振動燃焼抑制型燃焼器は、燃焼ノズルが単一の場合でも、燃焼振動周波数が変動または未知の場合でも振動燃焼の発生を効果的に抑制でき、かつ周方向の燃焼状態も同一化できる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動燃焼抑制型燃焼器の模式図である。
【図2】本発明の振動燃焼抑制型燃焼器の作動説明図である。
【図3】従来のガスタービン用低NOx燃焼器の構成図である。
【図4】特許文献1の「ガスタービン燃焼器」の構成図である。
【図5】特許文献2の「振動燃焼抑制型低NOx燃焼器」の構成図である。
【符号の説明】
2 燃焼室、4 予混合管、6 燃料ノズル、6a 噴射孔
Claims (2)
- 燃焼室と、該燃焼室に設けられた中空の予混合管と、該予混合管内に同心に配置され軸線方向に延びる燃料ノズルとを備え、
該燃料ノズルは、軸線方向の異なる位置に複数の噴射孔を有する、ことを特徴とする振動燃焼抑制型燃焼器。 - 前記燃料ノズルは、内部に加圧燃料が供給される中空の多孔管又は多孔質管である、ことを特徴とする請求項1に記載の振動燃焼抑制型燃焼器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003164925A JP2005003237A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 振動燃焼抑制型燃焼器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003164925A JP2005003237A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 振動燃焼抑制型燃焼器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005003237A true JP2005003237A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34091564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003164925A Pending JP2005003237A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 振動燃焼抑制型燃焼器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005003237A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114353120A (zh) * | 2021-12-17 | 2022-04-15 | 中国北方发动机研究所(天津) | 一种适用于多孔径喷嘴的起伏面导流型燃烧室 |
-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003164925A patent/JP2005003237A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114353120A (zh) * | 2021-12-17 | 2022-04-15 | 中国北方发动机研究所(天津) | 一种适用于多孔径喷嘴的起伏面导流型燃烧室 |
CN114353120B (zh) * | 2021-12-17 | 2023-04-25 | 中国北方发动机研究所(天津) | 一种适用于多孔径喷嘴的起伏面导流型燃烧室 |
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