JP2005002029A - ピラゾールスルホニルウレア化合物及びこれを用いるals抵抗性雑草の防除方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、 ピラゾールスルホニルウレア化合物及びこれを用いるALS抵抗性雑草の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スルホニルウレア系除草剤などのいわゆるALS阻害型除草剤によって防除することが困難な、ALS阻害型除草剤抵抗性雑草(本明細書ではALS抵抗性雑草と称する)が問題となっており、ALS抵抗性雑草を防除するための除草剤を見いだすための努力が行われており、例えば、特許文献1記載のベンゼンスルホニル系除草剤が知られている。一方、ピラゾールスルホニルウレア系除草剤(例えば、特許文献2、特許文献3)がALS抵抗性雑草に効果があるということは知られていない。また、ピラゾール環上の3位がメチル基で、4位にエステル基を持つN−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−1H−ピラゾール−5−スルホンアミドとして、4位がメチルエステル体及びエチルエステル体のみが具体的に記載されている(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】国際特許出願公開WO02/062768号パンフレット
【0004】
【特許文献2】特開昭59−122488号公報
【0005】
【特許文献3】特開昭60−78980号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規なALS抵抗性雑草防除剤を見いだすことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意努力検討した結果、4位にエステル基を持つピラゾール−5−スルホニルレア系除草剤において、ピラゾールの3位にメチル基を導入することで、ALS抵抗性雑草に対する効果が飛躍的に向上することを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔2〕に関する。
〔1〕 式(1):
【0008】
【化2】
【0009】
[式中、R1は、水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった置換基によって置換されてもよい)C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表し、
R2は、C1〜C4アルコキシ基によって置換されてもよいC1〜C4アルキル基又はフェニル基を表す。]で示されるピラゾールスルホニルウレア化合物および農薬として許容されるその塩から選ばれる1種以上を用いるALS抵抗性雑草の防除方法。
〔2〕 前記式(1)において、R2がC2〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基によって置換されたC1〜C4アルキル基又はフェニル基のとき、R1が水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった1以上の置換基によって置換されてもよい)C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表し、R2がメチル基のとき、R1が水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった1以上の置換基によって置換された)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表す〔1〕記載のピラゾールスルホニルウレア化合物または農薬として許容されるその塩。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願記載のピラゾールスルホニルウレア化合物(以下、本願記載の化合物と称する。)には、置換基の種類によってはE−体及びZ−体の幾何異性体が存在する場合があるが、本願記載の化合物はこれらE−体、Z−体又はE−体及びZ−体を任意の割合で含む混合物を包含するものである。また、本願記載の化合物のうちには、1個又は2個以上の不斉炭素原子の存在に起因する光学活性体が存在する場合があるが、本願記載の化合物は全ての光学活性体又はラセミ体を包含する。また、結晶多形が存在する場合も、いかなる結晶型またはそれらの混合物も本願記載の化合物に含まれる。
【0011】
本願記載の化合物のうちで、常法に従って酸付加塩にすることができるものは、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸等のハロゲン化水素酸の塩、硝酸、硫酸、燐酸、塩素酸、過塩素酸等の無機酸の塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸の塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、酒石酸、蓚酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、マンデル酸、アスコルビン酸、乳酸、グルコン酸、クエン酸等のカルボン酸の塩又はグルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸の塩とすることができる。
【0012】
或いは、本願記載の化合物のうちで、常法に従って金属塩にすることができるものは、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属の塩、カルシウム、バリウム、マグネシウムといったアルカリ土類金属の塩又はアルミニウムの塩とすることができる。
【0013】
次に、本明細書において示した各置換基の具体例を以下に示す。なお、本願明細書の表および文章中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、n−Prはノルマルプロピル基を、i−Prはイソプロピル基を、n−Buはノルマルブチル基を、s−Buはセカンダリーブチル基を、i−Buはイソブチル基を、t−Buはターシャリーブチル基を、n−Penはノルマルペンチル基を、n−Hexはノルマルヘキシル基を、c−Prはシクロプロピル基を、c−Buはシクロブチル基を、c−Penはシクロペンチル基を、c−Hexはシクロヘキシル基を、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
【0014】
R1としては、例えばH、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、s−Bu、i−Bu、t−Bu、n−Pen、n−Hex、c−Pr、c−Bu、c−Pen、c−Hex、CH2CH=CH2、CH2C(Me)=CH2、CH2C≡CH、CH2C≡CMe、CH2C≡CCl、CH2CH2C≡CH、CH(F)Me、CH(F)Et、CH2CHF2、CH2CF3、CH2CH2CH2F、CH2OMe、CH2SMe、CH2SO2Me、CH2CN、CH2c−Pr、CH2c−Pen、CH2C(F)Me2、CH2CH2OMe、CH2CH2SMe等の置換基が挙げられる。
【0015】
R2としては、例えばMe、Et、CH2OMe、Ph等が挙げられる。
【0016】
本願記載の化合物は、例えば下記の反応式で示される方法に従って製造することができる。なお、式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表わす。
【0017】
【化3】
【0018】
ピラゾールスルホンアミド化合物(2)とピリミジンカーバメート化合物(3)とをアセトニトリルなどの不活性溶媒中、DBU、すなわち1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン存在下で反応させることにより、本願記載の化合物(1)を製造することができる。
【0019】
本願記載の化合物としては具体的に、例えば第1表に示す化合物が挙げられる。但し、第1表の化合物は例示のためのものであって、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
〔第1表〕
【0020】
【化4】
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例】
以下に本願記載の化合物の合成例、試験例を実施例として具体的に述べることで、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−1,3−ジメチル−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−5−スルホンアミド(化合物No.2)
1,3−ジメチル−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−5−スルホンアミド0.37g、4,6−ジメトキシ−2−アミノフェノキシカルボニルピリミジン0.41gのアセトニトリル5ml混合物中に、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン0.23gを加え、室温にて一晩攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、不溶物を濾過した。濾液を希塩酸にて中和したところ、結晶が得られた。結晶を濾過し、水、次いで石油エーテルで洗浄することにより、目的物(化合物No.2)0.49gを白色結晶として得た。
【0023】
本願記載の化合物は、前記製造法及び実施例に準じて製造することができる。そのような化合物の例を第2表に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、表中、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、s−Bu、i−Bu、t−Bu、n−Pen、n−Hex、c−Pr、c−Bu、c−Pen、c−HexおよびPhはそれぞれ前記と同様の意味を表わす。
〔第2表〕
【0024】
【化5】
【0025】
【表2】
本願記載の化合物のALS抵抗性雑草防除剤としての施用薬量は適用場面、施用時期、施用方法、対象雑草および栽培作物等により差異はあるが、一般には有効成分量としてヘクタール(ha)当たり0.001ないし50kg程度、好ましくは0.01ないし10kg程度が適当である。
【0026】
本願記載の化合物によって防除することができるALS阻害型除草剤抵抗性雑草としては、ALS阻害型除草剤抵抗性のホタルイ、アゼナ、キカシグサ等の雑草が挙げられる。
【0027】
本願記載の化合物は水田用の除草剤として、湛水下の土壌処理および茎葉処理のいずれの処理方法においても使用できる。水田雑草としては、例えば、ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)等に代表されるヒルムシロ科(Potamogetonaceae)雑草、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)およびオモダカ(Sagittaria trifolia)等に代表されるオモダカ科(Alismataceae)雑草、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)およびタイヌビエ(Echinochloa oryzicola)等に代表されるイネ科(Gramineae)雑草、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、シズイ(Scirpus nipponicus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)およびタマガヤツリ(Cyperus difformis)等に代表されるカヤツリグサ科(Cyperaceae)雑草、ウキクサ(Spirodela polyrhiza)およびアオウキクサ(Lemna paucicostata)等に代表されるウキクサ科(Lemnaceae)雑草、イボクサ(Murdannia keisak)等に代表されるツユクサ科(Commelinaceae)雑草、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)およびコナギ(Monochoria vaginalis)等に代表されるミズアオイ科(Pontederiaceae)雑草、ミゾハコベ(Elatine triandra)等に代表されるミゾハコベ科(Elatinaceae)雑草、ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)およびキカシグサ(Rotala indica)等に代表されるミソハギ科(Lythraceae)雑草、チョウジタデ(Lidwigia epilobioides)等に代表されるアカバナ科(Oenotheraceae)雑草、アブノメ(Dopatrium junceum)、アゼナ(Lindernia pyxidaria)およびアメリカアゼナ(Lindernia dubia)等に代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、並びにアメリカセンダングサ(Bidens frondosa)およびタウコギ(Bidens tripartita)等に代表されるキク科(Compositae)雑草等があげられる。
【0028】
また、本願記載の化合物は、畑地用の除草剤として、土壌処理、土壌混和処理および茎葉処理のいずれの処理方法においても使用でき、水田、畑地および果樹園などの農園芸分野以外に運動場、空地および線路端など非農耕地における各種雑草の防除にも適用することができる。
【0029】
本願記載の化合物は必要に応じて製剤または散布時に他種の除草剤、各種殺虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤または共力剤などと混合施用しても良い。
【0030】
特に、他の除草剤と混合施用することにより、施用薬量の減少による低コスト化、混合薬剤の相乗作用による殺草スペクトラムの拡大や、より高い殺草効果が期待できる。この際、同時に複数の公知除草剤との組み合わせも可能である。
【0031】
本願記載の化合物と混合使用されるのに好ましい除草剤としては、例えば、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron−ethyl/一般名)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron−methyl/一般名)、シノスルフロン(cinosulfuron/一般名)、イマゾスルフロン(imazosulfuron/一般名)、アジムスルフロン(azimsulfuron/一般名)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron−methyl/一般名)、プレチラクロール(pretilachlor/一般名)、エスプロカルブ(esprocarb/一般名)、ピラゾレート(pyrazolate/一般名)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen/一般名)、ベンゾフェナップ(benzofenap/一般名)、ダイムロン(daimuron/一般名)、ブロモブチド(bromobutide/一般名)、ナプロアニリド(naproanilide/一般名)、クロメプロップ(clomeprop/一般名)、CNP(一般名)、クロメトキシニル(chlomethoxynil/一般名)、ビフェノックス(bifenox/一般名)、オキサジアゾン(oxadiazon/一般名)、オキサジアルギル(oxadiargyl/一般名)、カフェンストロール(cafenstrole/一般名)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone/一般名)、インダノファン(indanofan/一般名)、ペントキサゾン(pentoxazone/一般名)、ピリミノバックメチル(pyriminobac−methyl/一般名)、シハロホップブチル(cyhalofop−butyl/一般名)、フェントラザミド(fentrazamide/一般名)、メフェナセット(mefenacet/一般名)、ブタクロール(butachlor/一般名)、ブテナクロール(butenachlor/一般名)、ジチオピル(dithiopyl/一般名)、ベンフレセート(benfuresate/一般名)、ピリブチカルブ(pyributicarb/一般名)、ベンチオカーブ(benthiocarb/一般名)、ジメピペレート(dimepiperate/一般名)、モリネート(molinate/一般名)、ブタミフォス(butamifos/一般名)、キンクロラック(quinclorac/一般名)、シンメスリン(cinmethylin/一般名)、シメトリン(simetryn/一般名)、ベンスリド(bensulide/一般名)、ジメタメトリン(dimethametryn/一般名)、MCPA、MCPB、エトベンズアニド(etobenzanid)、クミルロン(cumyluron/一般名)、テニルクロール(thenylchlor/一般名)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron/一般名)、キノクラミン(quinoclamine/一般名)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon/一般名)、ピリフタリド(pyriftalid/一般名),ビスピリバック(bispyribac)、HSA−961(試験名)、アニロホス(anilofos/一般名)、OK−701(試験名)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron/一般名)、DASH−001(試験名)およびAVH−301(試験名)等があげられる。
【0032】
本願記載の化合物をALS抵抗性雑草防除剤として施用するにあたっては、一般には適当な固体担体または液体担体と混合して、更に所望により界面活性剤、浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防止剤または分解防止剤等を添加し、液剤、乳剤、水和剤、ドライフロアブル剤、フロアブル剤、粉剤または粒剤等任意の剤型にて実用に供することができる。
【0033】
また、省力化および安全性向上の観点から、上記任意の剤型の製剤を水溶性包装体に封入して供することもできる。
【0034】
固体担体としては、例えばカオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、タルク、ベントナイト、酸性白土、アタパルジャイト、ゼオライトおよび珪藻土等の天然鉱物質類、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、合成珪酸、並びに合成珪酸塩等が挙げられる。
【0035】
液体担体としては、例えば水、アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノール等)、芳香族炭化水素類(キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等)、エーテル類(ブチルセロソルブ等)、ケトン類(シクロヘキサノン等)、エステル類(γ−ブチロラクトン等)、酸アミド類(N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン等)および植物油(大豆油、ナタネ油、綿実油、ヒマシ油等)等が挙げられる。
【0036】
これら固体および液体担体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0037】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、並びにアルキルベンゼンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸または燐酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸または燐酸塩およびアルキルアミン塩等のイオン性界面活性剤が挙げられる。
【0038】
これら界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、本発明の製剤100重量部に対し、通常0.05ないし20重量部の範囲が望ましい。また、これら界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0039】
次に本願記載の化合物を用いる場合の製剤の配合例を示す。但し、配合例はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。
水和剤
本願記載の化合物 0.1ないし80部
固体担体 5ないし98.9部
界面活性剤 1ないし10部
その他 0ないし 5部
その他として、例えば固結防止剤、分解防止剤等があげれらる。
乳 剤
本願記載の化合物 0.1ないし30部
液体担体 55ないし95部
界面活性剤 4.9ないし15部
フロアブル剤
本願記載の化合物 0.1ないし70部
液体担体 15ないし98.89部
界面活性剤 1ないし12部
その他 0.01ないし30部
その他として、例えば凍結防止剤、増粘剤等が挙げられる。
ドライフロアブル剤
本願記載の化合物 0.1ないし90部
固体担体 0ないし98.9部
界面活性剤 1ないし20部
その他 0ないし10部
その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられる。
液 剤
本願記載の化合物 0.01ないし30部
液体担体 0.1ないし50部
水 50ないし99.89部
その他 0ないし10部
その他として、例えば凍結防止剤等、展着剤等が挙げられる。
粒 剤
本願記載の化合物 0.01ないし10部
固体担体 90ないし99.99部
その他 0ないし10部
その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられる。
【0040】
使用に際しては上記製剤をそのままで、または、水で1ないし10000倍に希釈して散布する。
【0041】
製剤例
次に具体的に本願記載の化合物を有効成分とする農薬製剤例を示すがこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。
【0042】
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0043】
以上を均一に混合して乳剤とする。
【0044】
以上を均一に混合した後、湿式粉砕してフロアブル剤とする。
【0045】
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて撹拌混合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥してドライフロアブル剤とする。
【0046】
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて撹拌混合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤とする。
【0047】
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて撹拌混合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤とする。
【0048】
次に、本願記載の化合物のALS抵抗性雑草防除剤としての有用性を以下の試験例において具体的に説明する。
〔試験例1〕 湛水条件における雑草発生前処理によるスルホニルウレア系除草
剤抵抗性雑草に対する除草効果試験1
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土壌を入れた後、水を入れて混和し水深4cmの湛水条件とした。スルホニルウレア系除草剤に抵抗性のホタルイおよびアゼナを上記のポットに混播した。また別のポットにはスルホニルウレア系除草剤に感受性のホタルイおよびアゼナを混播した。播種当日に水面へ有効成分が所定の薬量になるように、配合例1に準じて調製した本願記載の化合物の水和剤を水で希釈して滴下処理した。処理3週間後に、各種雑草に対する除草効果の調査を下記の判定基準に従い調査した。結果を第1表に示す。
【0049】
〔試験例2〕 湛水条件における雑草発生前処理によるスルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草に対する除草効果試験2
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土壌を入れた後、水を入れて混和し水深4cmの湛水条件とした。スルホニルウレア系除草剤に抵抗性のコナギを上記のポットに混播して,別のポットには感受性スルホニルウレア系除草剤に感受性のコナギを混播した。ポットを25〜30℃の温室内において植物を育成し、播種翌日に水面へ有効成分が所定の薬量になるように、配合例1に準じて調製した本願記載の化合物の水和剤を水で希釈して滴下処理した。処理3週間後に、各種雑草に対する除草効果を試験例1の判定基準に従って調査を行った。結果を第4表に示す。
〔試験例3〕 湛水条件における雑草生育期処理によるスルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草に対する除草効果試験
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土壌を入れた後、水を入れて混和し水深4cmの湛水条件とした。スルホニルウレア系除草剤に抵抗性のホタルイおよびアゼナを上記のポットに混播して,別のポットにはスルホニルウレア系除草剤に感受性のホタルイおよびアゼナを混播した. ポットを25〜30℃の温室内において植物を育成し、ホタルイが1.5葉期、アゼナが子葉期に達したときに、水面へ有効成分が所定の薬量になるように、配合例1に準じて調製した本願記載の化合物の水和剤を水で希釈して滴下処理した。処理4週間後に、各種雑草に対する除草効果を試験例1の判定基準に従って調査を行った。結果を第5表に示す。
【0050】
なお、第3表から第5表中の記号は次の意味を示す。
A−R:抵抗性ホタルイ、:A−S:感受性ホタルイ、B−R:抵抗性アゼナ、B−S:感受性アゼナ、C−R:抵抗性コナギ、C−S:感受性コナギ
また、表中、比較化合物1はピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron−ethyl/一般名)、比較化合物2はハロスルフロンメチル(halosulfuron−methyl/一般名)を表す。
〔第3表〕
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】
本願記載のピラゾールスルホニルウレア化合物により、ALS阻害型除草剤抵抗性雑草を効果的に防除することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、 ピラゾールスルホニルウレア化合物及びこれを用いるALS抵抗性雑草の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スルホニルウレア系除草剤などのいわゆるALS阻害型除草剤によって防除することが困難な、ALS阻害型除草剤抵抗性雑草(本明細書ではALS抵抗性雑草と称する)が問題となっており、ALS抵抗性雑草を防除するための除草剤を見いだすための努力が行われており、例えば、特許文献1記載のベンゼンスルホニル系除草剤が知られている。一方、ピラゾールスルホニルウレア系除草剤(例えば、特許文献2、特許文献3)がALS抵抗性雑草に効果があるということは知られていない。また、ピラゾール環上の3位がメチル基で、4位にエステル基を持つN−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−1H−ピラゾール−5−スルホンアミドとして、4位がメチルエステル体及びエチルエステル体のみが具体的に記載されている(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】国際特許出願公開WO02/062768号パンフレット
【0004】
【特許文献2】特開昭59−122488号公報
【0005】
【特許文献3】特開昭60−78980号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規なALS抵抗性雑草防除剤を見いだすことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意努力検討した結果、4位にエステル基を持つピラゾール−5−スルホニルレア系除草剤において、ピラゾールの3位にメチル基を導入することで、ALS抵抗性雑草に対する効果が飛躍的に向上することを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔2〕に関する。
〔1〕 式(1):
【0008】
【化2】
【0009】
[式中、R1は、水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった置換基によって置換されてもよい)C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表し、
R2は、C1〜C4アルコキシ基によって置換されてもよいC1〜C4アルキル基又はフェニル基を表す。]で示されるピラゾールスルホニルウレア化合物および農薬として許容されるその塩から選ばれる1種以上を用いるALS抵抗性雑草の防除方法。
〔2〕 前記式(1)において、R2がC2〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基によって置換されたC1〜C4アルキル基又はフェニル基のとき、R1が水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった1以上の置換基によって置換されてもよい)C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表し、R2がメチル基のとき、R1が水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった1以上の置換基によって置換された)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表す〔1〕記載のピラゾールスルホニルウレア化合物または農薬として許容されるその塩。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願記載のピラゾールスルホニルウレア化合物(以下、本願記載の化合物と称する。)には、置換基の種類によってはE−体及びZ−体の幾何異性体が存在する場合があるが、本願記載の化合物はこれらE−体、Z−体又はE−体及びZ−体を任意の割合で含む混合物を包含するものである。また、本願記載の化合物のうちには、1個又は2個以上の不斉炭素原子の存在に起因する光学活性体が存在する場合があるが、本願記載の化合物は全ての光学活性体又はラセミ体を包含する。また、結晶多形が存在する場合も、いかなる結晶型またはそれらの混合物も本願記載の化合物に含まれる。
【0011】
本願記載の化合物のうちで、常法に従って酸付加塩にすることができるものは、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸等のハロゲン化水素酸の塩、硝酸、硫酸、燐酸、塩素酸、過塩素酸等の無機酸の塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸の塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、酒石酸、蓚酸、マレイン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、マンデル酸、アスコルビン酸、乳酸、グルコン酸、クエン酸等のカルボン酸の塩又はグルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸の塩とすることができる。
【0012】
或いは、本願記載の化合物のうちで、常法に従って金属塩にすることができるものは、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムといったアルカリ金属の塩、カルシウム、バリウム、マグネシウムといったアルカリ土類金属の塩又はアルミニウムの塩とすることができる。
【0013】
次に、本明細書において示した各置換基の具体例を以下に示す。なお、本願明細書の表および文章中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、n−Prはノルマルプロピル基を、i−Prはイソプロピル基を、n−Buはノルマルブチル基を、s−Buはセカンダリーブチル基を、i−Buはイソブチル基を、t−Buはターシャリーブチル基を、n−Penはノルマルペンチル基を、n−Hexはノルマルヘキシル基を、c−Prはシクロプロピル基を、c−Buはシクロブチル基を、c−Penはシクロペンチル基を、c−Hexはシクロヘキシル基を、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
【0014】
R1としては、例えばH、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、s−Bu、i−Bu、t−Bu、n−Pen、n−Hex、c−Pr、c−Bu、c−Pen、c−Hex、CH2CH=CH2、CH2C(Me)=CH2、CH2C≡CH、CH2C≡CMe、CH2C≡CCl、CH2CH2C≡CH、CH(F)Me、CH(F)Et、CH2CHF2、CH2CF3、CH2CH2CH2F、CH2OMe、CH2SMe、CH2SO2Me、CH2CN、CH2c−Pr、CH2c−Pen、CH2C(F)Me2、CH2CH2OMe、CH2CH2SMe等の置換基が挙げられる。
【0015】
R2としては、例えばMe、Et、CH2OMe、Ph等が挙げられる。
【0016】
本願記載の化合物は、例えば下記の反応式で示される方法に従って製造することができる。なお、式中、R1およびR2は前記と同じ意味を表わす。
【0017】
【化3】
【0018】
ピラゾールスルホンアミド化合物(2)とピリミジンカーバメート化合物(3)とをアセトニトリルなどの不活性溶媒中、DBU、すなわち1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン存在下で反応させることにより、本願記載の化合物(1)を製造することができる。
【0019】
本願記載の化合物としては具体的に、例えば第1表に示す化合物が挙げられる。但し、第1表の化合物は例示のためのものであって、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
〔第1表〕
【0020】
【化4】
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例】
以下に本願記載の化合物の合成例、試験例を実施例として具体的に述べることで、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−1,3−ジメチル−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−5−スルホンアミド(化合物No.2)
1,3−ジメチル−4−(エトキシカルボニル)−1H−ピラゾール−5−スルホンアミド0.37g、4,6−ジメトキシ−2−アミノフェノキシカルボニルピリミジン0.41gのアセトニトリル5ml混合物中に、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデク−7−エン0.23gを加え、室温にて一晩攪拌した。その後、反応混合物に水を加え、不溶物を濾過した。濾液を希塩酸にて中和したところ、結晶が得られた。結晶を濾過し、水、次いで石油エーテルで洗浄することにより、目的物(化合物No.2)0.49gを白色結晶として得た。
【0023】
本願記載の化合物は、前記製造法及び実施例に準じて製造することができる。そのような化合物の例を第2表に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、表中、Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu、s−Bu、i−Bu、t−Bu、n−Pen、n−Hex、c−Pr、c−Bu、c−Pen、c−HexおよびPhはそれぞれ前記と同様の意味を表わす。
〔第2表〕
【0024】
【化5】
【0025】
【表2】
本願記載の化合物のALS抵抗性雑草防除剤としての施用薬量は適用場面、施用時期、施用方法、対象雑草および栽培作物等により差異はあるが、一般には有効成分量としてヘクタール(ha)当たり0.001ないし50kg程度、好ましくは0.01ないし10kg程度が適当である。
【0026】
本願記載の化合物によって防除することができるALS阻害型除草剤抵抗性雑草としては、ALS阻害型除草剤抵抗性のホタルイ、アゼナ、キカシグサ等の雑草が挙げられる。
【0027】
本願記載の化合物は水田用の除草剤として、湛水下の土壌処理および茎葉処理のいずれの処理方法においても使用できる。水田雑草としては、例えば、ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)等に代表されるヒルムシロ科(Potamogetonaceae)雑草、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)およびオモダカ(Sagittaria trifolia)等に代表されるオモダカ科(Alismataceae)雑草、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)およびタイヌビエ(Echinochloa oryzicola)等に代表されるイネ科(Gramineae)雑草、クログワイ(Eleocharis kuroguwai)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、シズイ(Scirpus nipponicus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)およびタマガヤツリ(Cyperus difformis)等に代表されるカヤツリグサ科(Cyperaceae)雑草、ウキクサ(Spirodela polyrhiza)およびアオウキクサ(Lemna paucicostata)等に代表されるウキクサ科(Lemnaceae)雑草、イボクサ(Murdannia keisak)等に代表されるツユクサ科(Commelinaceae)雑草、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)およびコナギ(Monochoria vaginalis)等に代表されるミズアオイ科(Pontederiaceae)雑草、ミゾハコベ(Elatine triandra)等に代表されるミゾハコベ科(Elatinaceae)雑草、ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)およびキカシグサ(Rotala indica)等に代表されるミソハギ科(Lythraceae)雑草、チョウジタデ(Lidwigia epilobioides)等に代表されるアカバナ科(Oenotheraceae)雑草、アブノメ(Dopatrium junceum)、アゼナ(Lindernia pyxidaria)およびアメリカアゼナ(Lindernia dubia)等に代表されるゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)雑草、並びにアメリカセンダングサ(Bidens frondosa)およびタウコギ(Bidens tripartita)等に代表されるキク科(Compositae)雑草等があげられる。
【0028】
また、本願記載の化合物は、畑地用の除草剤として、土壌処理、土壌混和処理および茎葉処理のいずれの処理方法においても使用でき、水田、畑地および果樹園などの農園芸分野以外に運動場、空地および線路端など非農耕地における各種雑草の防除にも適用することができる。
【0029】
本願記載の化合物は必要に応じて製剤または散布時に他種の除草剤、各種殺虫剤、殺菌剤、植物生長調節剤または共力剤などと混合施用しても良い。
【0030】
特に、他の除草剤と混合施用することにより、施用薬量の減少による低コスト化、混合薬剤の相乗作用による殺草スペクトラムの拡大や、より高い殺草効果が期待できる。この際、同時に複数の公知除草剤との組み合わせも可能である。
【0031】
本願記載の化合物と混合使用されるのに好ましい除草剤としては、例えば、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron−ethyl/一般名)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron−methyl/一般名)、シノスルフロン(cinosulfuron/一般名)、イマゾスルフロン(imazosulfuron/一般名)、アジムスルフロン(azimsulfuron/一般名)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron−methyl/一般名)、プレチラクロール(pretilachlor/一般名)、エスプロカルブ(esprocarb/一般名)、ピラゾレート(pyrazolate/一般名)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen/一般名)、ベンゾフェナップ(benzofenap/一般名)、ダイムロン(daimuron/一般名)、ブロモブチド(bromobutide/一般名)、ナプロアニリド(naproanilide/一般名)、クロメプロップ(clomeprop/一般名)、CNP(一般名)、クロメトキシニル(chlomethoxynil/一般名)、ビフェノックス(bifenox/一般名)、オキサジアゾン(oxadiazon/一般名)、オキサジアルギル(oxadiargyl/一般名)、カフェンストロール(cafenstrole/一般名)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone/一般名)、インダノファン(indanofan/一般名)、ペントキサゾン(pentoxazone/一般名)、ピリミノバックメチル(pyriminobac−methyl/一般名)、シハロホップブチル(cyhalofop−butyl/一般名)、フェントラザミド(fentrazamide/一般名)、メフェナセット(mefenacet/一般名)、ブタクロール(butachlor/一般名)、ブテナクロール(butenachlor/一般名)、ジチオピル(dithiopyl/一般名)、ベンフレセート(benfuresate/一般名)、ピリブチカルブ(pyributicarb/一般名)、ベンチオカーブ(benthiocarb/一般名)、ジメピペレート(dimepiperate/一般名)、モリネート(molinate/一般名)、ブタミフォス(butamifos/一般名)、キンクロラック(quinclorac/一般名)、シンメスリン(cinmethylin/一般名)、シメトリン(simetryn/一般名)、ベンスリド(bensulide/一般名)、ジメタメトリン(dimethametryn/一般名)、MCPA、MCPB、エトベンズアニド(etobenzanid)、クミルロン(cumyluron/一般名)、テニルクロール(thenylchlor/一般名)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron/一般名)、キノクラミン(quinoclamine/一般名)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon/一般名)、ピリフタリド(pyriftalid/一般名),ビスピリバック(bispyribac)、HSA−961(試験名)、アニロホス(anilofos/一般名)、OK−701(試験名)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron/一般名)、DASH−001(試験名)およびAVH−301(試験名)等があげられる。
【0032】
本願記載の化合物をALS抵抗性雑草防除剤として施用するにあたっては、一般には適当な固体担体または液体担体と混合して、更に所望により界面活性剤、浸透剤、展着剤、増粘剤、凍結防止剤、結合剤、固結防止剤または分解防止剤等を添加し、液剤、乳剤、水和剤、ドライフロアブル剤、フロアブル剤、粉剤または粒剤等任意の剤型にて実用に供することができる。
【0033】
また、省力化および安全性向上の観点から、上記任意の剤型の製剤を水溶性包装体に封入して供することもできる。
【0034】
固体担体としては、例えばカオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、タルク、ベントナイト、酸性白土、アタパルジャイト、ゼオライトおよび珪藻土等の天然鉱物質類、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、合成珪酸、並びに合成珪酸塩等が挙げられる。
【0035】
液体担体としては、例えば水、アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロパノール等)、芳香族炭化水素類(キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン等)、エーテル類(ブチルセロソルブ等)、ケトン類(シクロヘキサノン等)、エステル類(γ−ブチロラクトン等)、酸アミド類(N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン等)および植物油(大豆油、ナタネ油、綿実油、ヒマシ油等)等が挙げられる。
【0036】
これら固体および液体担体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0037】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、並びにアルキルベンゼンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物の塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸または燐酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸または燐酸塩およびアルキルアミン塩等のイオン性界面活性剤が挙げられる。
【0038】
これら界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、本発明の製剤100重量部に対し、通常0.05ないし20重量部の範囲が望ましい。また、これら界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0039】
次に本願記載の化合物を用いる場合の製剤の配合例を示す。但し、配合例はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。
水和剤
本願記載の化合物 0.1ないし80部
固体担体 5ないし98.9部
界面活性剤 1ないし10部
その他 0ないし 5部
その他として、例えば固結防止剤、分解防止剤等があげれらる。
乳 剤
本願記載の化合物 0.1ないし30部
液体担体 55ないし95部
界面活性剤 4.9ないし15部
フロアブル剤
本願記載の化合物 0.1ないし70部
液体担体 15ないし98.89部
界面活性剤 1ないし12部
その他 0.01ないし30部
その他として、例えば凍結防止剤、増粘剤等が挙げられる。
ドライフロアブル剤
本願記載の化合物 0.1ないし90部
固体担体 0ないし98.9部
界面活性剤 1ないし20部
その他 0ないし10部
その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられる。
液 剤
本願記載の化合物 0.01ないし30部
液体担体 0.1ないし50部
水 50ないし99.89部
その他 0ないし10部
その他として、例えば凍結防止剤等、展着剤等が挙げられる。
粒 剤
本願記載の化合物 0.01ないし10部
固体担体 90ないし99.99部
その他 0ないし10部
その他として、例えば結合剤、分解防止剤等が挙げられる。
【0040】
使用に際しては上記製剤をそのままで、または、水で1ないし10000倍に希釈して散布する。
【0041】
製剤例
次に具体的に本願記載の化合物を有効成分とする農薬製剤例を示すがこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の配合例において「部」は重量部を意味する。
【0042】
以上を均一に混合粉砕して水和剤とする。
【0043】
以上を均一に混合して乳剤とする。
【0044】
以上を均一に混合した後、湿式粉砕してフロアブル剤とする。
【0045】
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて撹拌混合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥してドライフロアブル剤とする。
【0046】
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて撹拌混合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤とする。
【0047】
以上を均一に混合粉砕した後、少量の水を加えて撹拌混合捏和し、押出式造粒機で造粒し、乾燥して粒剤とする。
【0048】
次に、本願記載の化合物のALS抵抗性雑草防除剤としての有用性を以下の試験例において具体的に説明する。
〔試験例1〕 湛水条件における雑草発生前処理によるスルホニルウレア系除草
剤抵抗性雑草に対する除草効果試験1
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土壌を入れた後、水を入れて混和し水深4cmの湛水条件とした。スルホニルウレア系除草剤に抵抗性のホタルイおよびアゼナを上記のポットに混播した。また別のポットにはスルホニルウレア系除草剤に感受性のホタルイおよびアゼナを混播した。播種当日に水面へ有効成分が所定の薬量になるように、配合例1に準じて調製した本願記載の化合物の水和剤を水で希釈して滴下処理した。処理3週間後に、各種雑草に対する除草効果の調査を下記の判定基準に従い調査した。結果を第1表に示す。
【0049】
〔試験例2〕 湛水条件における雑草発生前処理によるスルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草に対する除草効果試験2
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土壌を入れた後、水を入れて混和し水深4cmの湛水条件とした。スルホニルウレア系除草剤に抵抗性のコナギを上記のポットに混播して,別のポットには感受性スルホニルウレア系除草剤に感受性のコナギを混播した。ポットを25〜30℃の温室内において植物を育成し、播種翌日に水面へ有効成分が所定の薬量になるように、配合例1に準じて調製した本願記載の化合物の水和剤を水で希釈して滴下処理した。処理3週間後に、各種雑草に対する除草効果を試験例1の判定基準に従って調査を行った。結果を第4表に示す。
〔試験例3〕 湛水条件における雑草生育期処理によるスルホニルウレア系除草剤抵抗性雑草に対する除草効果試験
1/10000アールのプラスチック製ポットに沖積土壌を入れた後、水を入れて混和し水深4cmの湛水条件とした。スルホニルウレア系除草剤に抵抗性のホタルイおよびアゼナを上記のポットに混播して,別のポットにはスルホニルウレア系除草剤に感受性のホタルイおよびアゼナを混播した. ポットを25〜30℃の温室内において植物を育成し、ホタルイが1.5葉期、アゼナが子葉期に達したときに、水面へ有効成分が所定の薬量になるように、配合例1に準じて調製した本願記載の化合物の水和剤を水で希釈して滴下処理した。処理4週間後に、各種雑草に対する除草効果を試験例1の判定基準に従って調査を行った。結果を第5表に示す。
【0050】
なお、第3表から第5表中の記号は次の意味を示す。
A−R:抵抗性ホタルイ、:A−S:感受性ホタルイ、B−R:抵抗性アゼナ、B−S:感受性アゼナ、C−R:抵抗性コナギ、C−S:感受性コナギ
また、表中、比較化合物1はピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron−ethyl/一般名)、比較化合物2はハロスルフロンメチル(halosulfuron−methyl/一般名)を表す。
〔第3表〕
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】
本願記載のピラゾールスルホニルウレア化合物により、ALS阻害型除草剤抵抗性雑草を効果的に防除することができる。
Claims (2)
- 式(1):
R2は、C1〜C4アルコキシ基によって置換されてもよいC1〜C4アルキル基又はフェニル基を表す。]で示されるピラゾールスルホニルウレア化合物および農薬として許容されるその塩から選ばれる1種以上を用いるALS抵抗性雑草の防除方法。 - 前記式(1)において、R2がC2〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基によって置換されたC1〜C4アルキル基又はフェニル基のとき、R1が水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった1以上の置換基によって置換されてもよい)C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表し、R2がメチル基のとき、R1が水素原子、(ハロゲン原子、シアノ基、C1〜C4アルコキシ基、C3〜C8シクロアルキル基、C1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基から選ばれる同一又は異なった1以上の置換基によって置換された)C1〜C6アルキル基、C3〜C6アルキル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルケニル基、ハロゲン原子によって置換されてもよいC2〜C6アルキニル基又はC3〜C8シクロアルキル基を表す請求項1記載のピラゾールスルホニルウレア化合物または農薬として許容されるその塩。
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