JP2005000960A - Rocker arm and its production method - Google Patents
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- B21K1/20—Making machine elements valve parts
- B21K1/205—Making machine elements valve parts rocker arms
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カムシャフトの回転を弁体(吸気弁及び排気弁)の往復運動に変換する為、エンジンの動弁機構に組み込んだ状態で使用する、ロッカーアーム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レシプロエンジン(往復ピストンエンジン)には、一部の2サイクルエンジンを除き、クランクシャフトの回転と同期して開閉する吸気弁及び排気弁を設けている。この様なレシプロエンジンでは、上記クランクシャフトの回転と同期して(4サイクルエンジンの場合には1/2の回転速度で)回転するカムシャフトの動きを、ロッカーアームにより、上記吸気弁及び排気弁に伝達し、これら吸気弁及び排気弁をそれぞれの軸方向に往復運動させる場合がある。
【0003】
この様なエンジンの動弁機構に組み込むロッカーアームとして従来一般的には、鋳造品(鋳鉄品或はアルミニウムダイキャスト品)を使用していた。又、近年、鋼板等の金属板にプレス加工を施す事により上記ロッカーアームを造る事も考えられ、一部で実施されている。但し、この様な鋳造品のロッカーアームや、金属板製のロッカーアームの場合には、製造作業に要する時間が長くなったり、材料の無駄が多くなる事により、コストが嵩むと言った問題がある。
【0004】
これに対して、特許文献1に記載されている様に、金属線材を所定長さに切断して得た素材(ブランク)に冷間鍛造を施す事によりロッカーアームを製造する方法が提案されている。特許文献1によると、金属線材から成る素材に冷間鍛造を施す事によりロッカーアームを造れば、亀裂の発生がなく高精度に製造でき、作業性を良好にできるとしている。又、ロッカーアームをこの様な冷間鍛造により造れば、熱間鍛造により造る場合に比べて、形状精度及び寸法精度を高くできる。図22〜28は、上記特許文献1に記載された、ロッカーアームとその製造方法とに関する発明を表している。尚、このロッカーアームの製造方法に就いては、上記特許文献1に詳しく記載されている為、ここでは簡単に説明する。ロッカーアーム1は、図22に示す様に、互いにほぼ平行な1対の側壁部2、2と、これら両側壁部2、2の長さ方向両端部同士を連結する第一の連結部3及び第二の連結部4とを有する。これら第一の連結部3及び第二の連結部4のうち、第一の連結部3は、弁体の基端部を突き当てる為の第一の係合部6を、第二の連結部4は、ラッシュアジャスタ等の揺動支持部材の先端部を突き当てる為の第二の係合部7を、それぞれ有する。
【0005】
又、特許文献1には記載されていないが、実際に使用するロッカーアームの場合には、上記両側壁部2、2の長さ方向中間部に1対の円孔を、互いに同心に形成し、これら両円孔に、カムと係合するローラを回転自在に支持する為の支持軸の両端部を支持自在とする。
【0006】
上述の様なロッカーアーム1を造る作業は、次の様にして行なう。先ず、図23に示す様に、回転支持装置8にコイル状に巻回した金属線材9の端部を、冷間鍛造成形機10に設けたローラ式線材供給機構11により引き出して、この冷間鍛造成形機10の内部に導入する。上記金属線材9は、断面が矩形状である。又、この金属線材9を予めリン酸亜鉛等の潤滑液槽に漬け込み、この金属線材9の外周面に潤滑皮膜層を形成する。そして、第一工程として、図24に示す様に、上記冷間鍛造成形機10に設けた切断機構12で、上記金属線材9を所定長さに切断する事により、直方体状の素材(ブランク)13を造る。尚、上記冷間鍛造成形機10は、横型多段式鍛造成形機と呼ばれるもので、内側に固設されたダイブロック14と、このダイブロック14に対し接近又は離隔(遠近動)する様に水平方向に往復運動するラム15とを備える。このうちのダイブロック14には、複数の固定型16a〜16dを、水平方向に互いに間隔をあけて配置している。又、上記ラム15の一部で、これら固定型16a〜16dと対向する位置に、複数の可動型17a〜17dを、それぞれ型ホルダ18a〜18dを介して配置している。そして、これら各固定型16a〜16dと各可動型17a〜17dとを配置した部分に、第一の鍛造ステーション19と第一の打ち抜きステーション20と第二の鍛造ステーション21と第二の打ち抜きステーション22とを、それぞれ設けている。上記第一工程により得られた直方体状の素材13は、上記冷間鍛造成形機10に設けた素材旋回供給機構23により、この素材13の向きを90度変えつつ、上記第一の鍛造ステーション19に供給する。
【0007】
この第一の鍛造ステーション19では、第二工程として、図25に詳示する様に、可動型17aにより固定型16aに、上記素材13を水平方向に打ち込む事で、この素材13に冷間鍛造を施して、ロッカーアーム1の大まかな形状及び寸法を有する第一中間素材24を造る。この第一中間素材24は、1対の側壁部2(図22)と、これら両側壁部2の幅方向中間部同士を連結する基部51とを備えた、断面H字形である。又、上記第一中間素材24の厚さ方向中間部外周面にバリ25が、全周に亙り形成される。この様な冷間鍛造を行なう上記素材13の外周面には予め潤滑皮膜層を形成している為、上記固定型16a及び可動型17aの内面と、この素材13の外面との間に作用する摩擦を小さく抑えられる。そして、この構成により、上記第一中間素材24の成形作業性及び形状精度を良好にできる。この様な第二工程により得られた第一中間素材24は、上記固定型16aと可動型17aとの間から取り出して、図26に詳示する様な、第一の打ち抜きステーション20に供給する。
【0008】
この第一の打ち抜きステーション20では、第三工程として、固定型16bの通孔26内に設けた筒状の押し出し部材27の先端面と、筒状の可動型17bの先端面との間で、上記第一中間素材24のうち、上記バリ25を除いた本体部分を挟持する。そして、上記通孔26内にこの本体部分を押し込む事により、このバリ25を、この通孔26の開口端周縁部で除去する。これと同時に、上記押し出し部材27の内側に設けた孔あけ用パンチ28により、上記第一中間素材24に設けた基部51(図25)の中間部を打ち抜いて、透孔29を有する第二中間素材30を造る。この透孔29を形成する事により、この第二中間素材30には、1対の側壁部2(図22)の長さ方向両端部同士を連結する第一、第二の両連結部3、4が形成される。この様な第三工程により得られた第二中間素材30は、上記固定型16bと可動型17bとの間から取り出して、図27に詳示する様な、第二の鍛造ステーション21に供給する。
【0009】
この第二の鍛造ステーション21では、第四工程として、可動型17cにより固定型16cに、上記第二中間素材30を水平方向に打ち込む事により、この第二中間素材30に冷間鍛造を施して、完成品に近い寸法及び形状を有する第三中間素材31を造る。この際、この第三中間素材31の厚さ方向中間部外周面と透孔29の内周面とに、それぞれバリ25a、25bが形成される。この様な冷間鍛造を施す上記第二中間素材30の外面には、予め潤滑皮膜層を形成している為、上記固定型16c及び可動型17cの内面と、上記第二中間素材30の外面との間に作用する摩擦を小さく抑えられる。そして、この構成により、上記第三中間素材31の成形作業性及び形状精度を良好にできる。この様な第四工程が終了したならば、上記固定型16cと可動型17cとの間から上記第三中間素材31を取り出して、この第三中間素材31を、図28に詳示する様な、第二の打ち抜きステーション22に供給する。
【0010】
この第二の打ち抜きステーション22では、第五工程として、前記第三工程の場合と同様にして、上記第三中間素材31の外周面に形成されたバリ25aを除去する。これと同時に、この第三中間素材31の透孔29の内周面に形成されたバリ25bも除去して、ロッカーアーム1の完成品とする。このロッカーアーム1は、上記第二の打ち抜きステーション22の固定型16dと可動型17dとの間から、例えば図示しない取り出し用チャックにより所定位置に取り出す。又、特許文献1には記載されていないが、実際に使用するロッカーアームの場合には、別の加工機械を用いて、各側壁部2(図22)の中間部で互いに整合する位置に1対の円孔を形成する為の孔あけ加工を行なう事もある。
【0011】
上述の様に構成する特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合には、ロッカーアーム1を多段式の冷間鍛造機により製造する為、製造作業に要する時間を或る程度短縮でき、作業性を良好にできる。又、各可動型17a〜17dを水平方向に移動させる為、可動型を上下方向に移動させる事により鍛造作業を行なう場合に比べて、各可動型17a〜17dを往復移動させる為の駆動機構に加わる負担を小さくできる。この為、ロッカーアーム1を得る為の冷間鍛造作業の高速化を図り易くできる。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−328778号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合には、次の▲1▼〜▲3▼の点で、得られるロッカーアーム1を組み込んだエンジンの性能向上の為の改良の余地がある。
▲1▼ ロッカーアーム1を得る為の鍛造工程である、第二、第四工程の総てで、素材13(又は第二中間素材30)を、互いに同方向である、軸方向(長さ方向)に対し直交する方向(基部51又は各連結部3、4の厚さ方向)の両側から加圧する事により、この素材13(又は第二中間素材30)に冷間鍛造を施している。この為、上記第二、第四工程で、素材13及び第二中間素材30のうち、得られるロッカーアーム1の同じ部分に対応する一部に、過大な応力が集中し易くなり、得られるロッカーアーム1で強度を十分に確保する事が難しくなる。
【0014】
又、上記素材13は直方体状であり、軸方向(長さ方向)に関して断面積が一様である。これに対して、上記第二中間素材30は、軸方向に関して断面積が一様ではない(大きく変化している)。故に、この第二中間素材30を上記素材13から直ちに冷間鍛造により得る事はできず、バリ25を伴った第一中間素材24を冷間鍛造により造り、その後の打ち抜き工程でこのバリ25を除去して、上記第二中間素材30を造らなければならない。
この様に、バリ25を伴う冷間鍛造を行なうと、上記第二中間素材30の内部の組織状の組織の流れである、ファイバーフローが、このバリ25の流動方向に沿って新たに創製される。これに伴って、元の第一中間素材24に形成されていたファイバーフローが、上記バリ25部分で乱れて不連続になってしまう。又、後工程でこのバリ25を除去する事により、この部分のファイバーフローが分断(切断)される。この様にファイバーフローが分断されると、得られるロッカーアーム1の完成品(製品)の強度が低下する傾向になる。又、バリを分断すると、これに伴い、剪断面や破断面が生じて、欠陥発生のおそれが生じるし、又、形状精度が悪化する原因となる。又、鍛造荷重が増大する為、大きな鍛造能力を有する設備が必要になる。又、当然ながら、バリ25の為に、材料の損失量が多くなり、コストの増大を招く原因となる。
引用文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合には、同様の事が第四、第五工程で繰り返される、即ち、バリ25a、25bを伴う冷間鍛造を施した後、これら各バリ25a、25bを除去する為、製品の強度低下や精度悪化が、ますます生じ易くなる。
又、冷間鍛造に伴って形成されるバリ25、25a、25bのうちでも、外周側に生じるバリ(外バリ)25、25aは、周囲に形成される為、容積が大きくなる。この為、内周側に生じるバリ(内バリ)25bに比べて、材料の損失量が多くなる事が顕著になる。尚、内バリ25bに就いては、発生させない事が望ましいが、やむを得ない場合には、ロッカーアーム1の完成品の使用に対し影響が少ない部分に設ける必要がある。
特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合には、この様な点で、得られるロッカーアーム1を組み込んだエンジンの性能である、耐久性を向上できる余地がある。
【0015】
▲2▼ 実際に使用するロッカーアーム1の場合には、前記各側壁部2(図22)に、中間部にローラを支持した支持軸の両端部を支持する為の円孔を形成するが、これら各円孔が全長に亙って単なる円筒面である場合には、この支持軸の両端部をこれら各円孔に十分な結合強度を持って結合固定する事ができない。この為、ロッカーアーム1にローラを組み付けて構成した、カムフォロアの耐久性を十分に確保する事が難しくなる。即ち、上記各円孔を上述の様に単なる円筒面とした場合には、上記支持軸の両端部をこれら各円孔に、単なる圧入、接着、焼き嵌め等により固定しなければならず、上記カムフォロアの耐久性を十分に確保する事が難しくなる。特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合には、上記各側壁部2に円孔を形成する事は記載されておらず、勿論、この円孔に対する支持軸の両端部の結合強度を向上させる事は考慮されていない。特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合には、この様な点で、得られるロッカーアーム1を組み込んだエンジンの性能である、耐久性を向上できる余地がある。
【0016】
▲3▼ 前記第二の鍛造ステーション21等で、弁体又は揺動支持部材を突き当てる為の第一、第二の各係合部部6、7(図22)を形成すべく冷間鍛造を行なう際に、第二中間素材30等の一部で、これら第一、第二の各係合部6、7の近くに材料の余肉部の逃げ部を設ける事は考慮されていない。この為、これら第一、第二の各係合部6、7の形成の為に上記第二中間素材30等の余肉部を効果的に逃がす事ができず、これら第一、第二の各係合部部6、7の形状精度及び寸法精度を良好にする事ができない。この為、ロッカーアーム1の所定位置に弁体又はラッシュアジャスタを、精度良く係合させる事が難しくなる。特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合には、この様な点で、得られるロッカーアーム1を組み込んだエンジンの性能を向上できる余地がある。
本発明のロッカーアーム及びその製造方法は、この様な事情に鑑みて、金属線材製の素材に冷間鍛造を施す事によりロッカーアームを造る場合で、このロッカーアームを組み込んだエンジンの性能向上を図るベく発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のロッカーアームは何れも、金属線材を所定長さに切断する事で得られた素材に冷間鍛造を施す事により造られ、互いに間隔をあけて設けられた1対の側壁部と、これら両側壁部の長さ方向両端寄り部分同士を連結する第一、第二の連結部と、これら両側壁部の互いに整合する位置に形成された互いに同心の1対の通孔とを備え、これら第一、第二の各連結部が、弁体又は揺動支持部材と係合する係合部を有するものである。
【0018】
特に、請求項1に記載したロッカーアームに於いては、上記素材を長さ方向両側から加圧する事によりこの素材に冷間鍛造を施して第一中間素材を造る工程と、この第一中間素材を上記長さ方向に対し直交する方向の両側から加圧する事によりこの第一中間素材に冷間鍛造を施して第二中間素材を造る工程とを備えた工程により造られている。
【0019】
又、請求項4に記載したロッカーアームに於いては、上記各側壁部に上記各通孔を形成する際に、これら各通孔の外側開口端部に面取りを同時に形成している。
【0020】
又、請求項6に記載したロッカーアームに於いては、上記素材又この素材から得られた中間素材に冷間鍛造を施す事により上記第一の係合部又は第二の係合部を形成した、中間素材又は別の中間素材を造る際に、この中間素材又は別の中間素材の一部で、上記1対の側壁部よりも幅方向内側に外れた部分のうち、長さ方向に関して上記第一の係合部又は第二の係合部を形成すべき部分と同位置の少なくとも一部を、上記冷間鍛造に使用する型を当てない逃げ部としている。
【0021】
又、請求項8に記載したロッカーアームに於いては、内部の繊維状の組織の流れであるファイバーフローが、全体的にロッカーアームの長さ方向に流れており、このファイバーフローが、少なくともこの長さ方向の両端縁と、上記第一、第二の各連結部の間に形成された透孔の内周面とを除いた部分で切断されていない。
【0022】
又、請求項2に記載したロッカーアームの製造方法は、上述の請求項1に記載したロッカーアームの製造方法であって、上記素材を長さ方向両側から加圧する事によりこの素材に冷間鍛造を施して第一中間素材を造る工程と、この第一中間素材を上記長さ方向に対し直交する方向の両側から加圧する事によりこの第一中間素材に冷間鍛造を施して第二中間素材を造る工程とを備える。
【0023】
又、請求項3に記載したロッカーアームの製造方法は、上述の請求項1に記載したロッカーアームの製造方法であって、上記素材を長さ方向両側から加圧する事によりこの素材に冷間鍛造を施して、得るべきロッカーアームの長さ方向に関する、この長さ方向に対し直交する方向の断面積の変化に対応してその断面積を長さ方向に関して変化させた第一中間素材を造る工程と、この第一中間素材を上記長さ方向に対し直交する方向の両側から加圧する事によりこの第一中間素材に冷間鍛造を施して、外周側でのバリを発生させない工程とを備える。
【0024】
又、請求項5に記載したロッカーアームの製造方法は、上述の請求項4に記載したロッカーアームの製造方法であって、各側壁部に各通孔を形成する際に、これら各通孔の外側開口端部に面取りを同時に形成する。
【0025】
又、請求項7に記載したロッカーアームの製造方法は、上述の請求項6に記載したロッカーアームの製造方法であって、上記素材又この素材から得られた中間素材に冷間鍛造を施す事により第一の係合部又は第二の係合部を形成した、中間素材又は別の中間素材を造る際に、この中間素材又は別の中間素材の一部で、1対の側壁部よりも幅方向内側に外れた部分のうち、長さ方向に関して上記第一の係合部又は第二の係合部を形成すべき部分と同位置の少なくとも一部を、上記冷間鍛造に使用する型を当てない逃げ部とする。
【0026】
【作用】
上述の様に構成される本発明のロッカーアーム及びその製造方法によれば、金属線材製の素材に冷間鍛造を施す事によりロッカーアームを造る場合で、このロッカーアームを組み込んだエンジンの性能向上を図れる。
即ち、請求項1に記載したロッカーアームの場合には、素材及び第一中間素材での冷間鍛造の際の加圧方向が90度異なる。この為、総ての冷間鍛造工程で素材及び中間素材を同方向の両側から加圧する場合に比べて、得られるロッカーアームの一部に、過大な応力が集中する事を抑える事ができる。又、金属線材を押し出し成形により造った場合には、上記素材の内部の組織の繊維状の流れ(ファイバーフロー)が、この素材の長さ方向にほぼ一致する。そして、この素材から得られた第一中間素材のファイバーフローの多くを、この第一中間素材の長さ方向に対しほぼ平行にし、又は平行に近づける事ができる。請求項1に記載したロッカーアームの場合には、この様な第一中間素材を長さ方向に対し直交する方向に加圧する事によりこの第一中間素材に冷間鍛造を施している為、この第一中間素材を長さ方向両側から加圧する事によりこの第一中間素材に冷間鍛造を施す場合に比べて、得られるロッカーアームのファイバーフローをこのロッカーアームの全体形状に対応した滑らかな流れとする事ができる。これらの結果、得られたロッカーアームの強度を向上でき、このロッカーアームを組み込んだエンジンの耐久性の向上を図れる。
又、請求項3に記載したロッカーアームの製造方法の場合には、第一中間素材に冷間鍛造を施す際に外周側でのバリ(外バリ)を発生させない様にしている為、前述の特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合と異なり、外バリ部分にファイバーフローが創製される事がない。この為、ファイバーフローを、この外バリ部分で乱される事もなく、この外バリの除去に伴って分断される事もない。この為、ロッカーアームの完成品(製品)の強度向上を図れる。又、外バリの除去に伴う剪断面や破断面に起因する欠陥が生じる事もなく、ロッカーアームの形状精度を良好にできる。更に、鍛造荷重を小さくできると共に、材料費の低減を図り易くなる。
尚、内周側に生じるバリ(内バリ)はない事が好ましいが、内バリが形成される場合でも、この内バリは、ロッカーアームの使用に対し影響を及ぼさない位置に設ける事が好ましい。
【0027】
又、請求項4に記載したロッカーアームの場合には、各側壁部に形成した通孔の外側開口端周縁部に、ローラを支持する支持軸の両端部を(径方向外方に塑性変形させた部分と面取り部とを係合させる状態に)かしめ固定する事ができる。この為、ロッカーアームにローラを組み付けて成るカムフォロアで、上記各側壁部に上記支持軸の両端部を、十分な結合強度で結合固定でき、上記ロッカーアームを組み込んだエンジンの耐久性の向上を図れる。更に、この支持軸の端部を通孔に挿入する作業を容易に行なえる。この為、支持軸を結合したロッカーアームのコスト低減を図れる。
【0028】
又、請求項6に記載したロッカーアームの場合には、第一の係合部又は第二の係合部を冷間鍛造により形成した、中間素材又は別の中間素材を造る際に、素材又は中間素材のうち、この第一の係合部又は第二の係合部を形成すべき部分の近い位置に存在する余肉部を、円滑に逃がす事ができる。この為、この第一の係合部又は第二の係合部の形状精度及び寸法精度を良好にでき、得られたロッカーアームの使用時に、このロッカーアームの所定位置に弁体又は揺動支持部材を精度良く係合させる事ができる。従って、このロッカーアームを組み込んだエンジンの性能向上を図れる。更に、上記冷間鍛造に使用する型に過大な荷重が加わる事を防止でき、この型の耐久性の向上を図れる。この為、ロッカーアームの量産時での単品のコストを低減できる。
【0029】
又、請求項8に記載したロッカーアームの場合には、成形作業性を良好にできると共に、強度及び形状精度の向上を図れる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1〜21は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、金属線材製の素材32(図6)に冷間鍛造を施す事によりロッカーアーム1a(図1〜4)を造る場合に、得られるロッカーアーム1aを組み込んだエンジンの性能向上を図るべく、上記素材32及びこの素材32から得られる第一中間素材33(図7)に冷間鍛造を施す際の加圧方向と、各側壁部2a、2aに通孔5、5を形成する際の打ち抜き作業と、それぞれが第一、第二の各係合部である第一、第二の各凹部36、40を形成する際の冷間鍛造作業とを、それぞれ工夫した点にある。ロッカーアーム1aの製造装置に就いては、前述の図22〜28に示した製造装置とほぼ同様である為、重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0031】
本例のロッカーアームの製造方法により得るロッカーアーム1aは、図1〜4に示す様に、互いにほぼ平行でそれぞれ略三角形に形成した1対の側壁部2a、2aと、これら両側壁部2a、2aの長さ方向(図1、2の上下方向)両端部同士を連結する第一の連結部3a及び第二の連結部4aとを有する。又、これら両側壁部2、2の長さ方向中間部に1対の円孔5、5を、互いに同心に形成し、これら両円孔5、5に、カムと係合するローラ35を回転自在に支持する為の支持軸の両端部を支持固定自在としている。
【0032】
又、弁体の基端部を突き当てる為、上記第一の連結部3aの片面(図1、3の右側面、図2の表側面)に、第一の係合部である第一の凹部36を形成している。又、ラッシュアジャスタの先端部を突き当てる為、上記第二の連結部4aの片面(図1の右側面、図2の表側面)に、第二の係合部である、半球面状の第二の凹部40を形成している。尚、本例の場合には、第二の係合部に揺動支持部材としてラッシュアジャスタの先端部を係合する例を示しているが、第二の連結部4aにねじ孔を形成し、このねじ孔部分にアジャストねじを螺着する構造に関しても、本発明を適用できる。又、図4に示す様に、上記各側壁部2aに形成した、上記支持軸の両端を支持する為の円孔5の軸方向外側(図4の下側)の開口端周縁部に、母線が直線である、摺鉢状の面取り37を形成している。
【0033】
更に、本例のロッカーアームの製造方法により造られるロッカーアーム1aの場合には、上記第一、第二の連結部3a、4aを形成する為の打ち抜き加工により、上記各側壁部2a、2aの幅方向一端寄り部分(図1、4の右端寄り部分)の内面に、図1に梨地で示す様に、剪断面が生じる。上記ロッカーアーム1aでは、この剪断面全体を、前記ローラ35の両端面と、この両端面と外周面との連続部に形成した面取り52(図2)との何れにも対向させない。但し、この面取り52部分は、上記各側壁部2a、2aの内面と擦れ合う事はないので、この面取り52と上記剪断面とが対向する事は、差し支えない。尚、図1ではローラ35を、2本の二点鎖線の同心円で示しているが、これら同心円のうちの外側の円はローラ35の外周面(面取り52の外周縁)を、内側の円はローラ35の端面(面取り52の内周縁)を、それぞれ表している(後述する図13、18で同じ)。又、本例の場合には、上記剪断面のうちの上記ローラ35側(図1の左側)の端縁で、最も幅方向片側(図1の右側)に寄った部分(点P)が、第一、第二の各連結部3a、4aの片面(図1の右側面)のうちの第一、第二の各凹部36、40から外れた部分よりも幅方向片側(図1の右側)に位置する様にしている。又、本例の場合には、ロッカーアーム1aの内部の繊維状の組織の流れであるファイバーフローが全体的にロッカーアーム1aの長さ方向に流れている。又、このファイバーフローが、少なくともこの長さ方向の両端縁と、上記第一、第二の各連結部3a、4aの間に形成された透孔45の内周面を除いた部分で切断されていない。尚、上記各側壁部2a、2aは、略三角形に形成している。これら各側壁部2a、2aをこの様な形状に形成する理由は、これら各側壁部2a、2aの中間部に所定の大きさの円孔5を形成する事と、ロッカーアーム1aの軽量化を図る事との両立を図る為である。又、上記各側壁部2a、2aの一部で、第一、第二の各連結部3a、4aと幅方向(図1の左右方向、図2の表裏方向)にほぼ同じ位置に円孔5、5を形成する等の場合には、上記各側壁部2a、2aを、軽量化を図る事を考慮して、略菱形に形成する場合もある。この場合にも、本発明の製造方法を採用する事により、適切に工程及び中間素材の形状を設定すれば、所望の形状を有するロッカーアームを製造する事が可能となる。
【0034】
上述の様に構成するロッカーアーム1aは、図5に示す様にして製造する。次に、このロッカーアーム1aの製造方法を詳しく説明する。先ず、回転支持装置8にコイル状に巻回した金属線材の端部を、冷間鍛造成形機10に設けたローラ式線材供給機構11(図23参照)等により、この冷間鍛造成形機10の内側に導入する。又、本例の場合には、上記金属線材の断面を円形としている。又、この金属線材は、予めリン酸亜鉛等の潤滑化成液槽に漬け込む事により、その外周面にリン酸亜鉛皮膜等の潤滑皮膜層を形成しておく。又、この金属線材は、押し出し成形により造っている。この為、この金属線材の内部の組織の繊維状の流れ(ファイバーフロー)の方向は、この金属線材の長さ方向にほぼ一致している。そして、第一工程として、上記冷間鍛造成形機10に設けた切断機構12(図24参照)で、上記金属線材を所定長さに切断する事により、図6に示す様な円柱状の素材(ブランク)32を造る。尚、本例でロッカーアームを製造する為に使用する冷間鍛造成形機10は、公知の多段式冷間鍛造機を用いれば良い。例えば、前述の図23〜28に示した、従来から知られているロッカーアームの製造方法で使用するものとほぼ同様のものを使用する事もできる。この為、以下の説明では、上記冷間鍛造成形機10の具体的構造は省略若しくは簡略にする。又、本例で使用する冷間鍛造成形機10は、前述の図23〜28に示したものとは異なり、ロッカーアーム1aの製造工程で、少なくとも外周側のバリ(外バリ)は発生させない。
【0035】
上記第一工程で得られた円柱状の素材32は、上記冷間鍛造成形機10に設けた第一の鍛造ステーションに、向きを変える事なく移動する。そして、第二工程として、上記素材32を、可動型により固定型に、水平方向に打ち込んで、この素材32を軸方向(長さ方向)に圧縮しつつ径方向に膨らませる第一の冷間鍛造(予備成形)を施し、図7に示す様な形状を有する第一中間素材33を造る。即ち、この第一の冷間鍛造では、上記素材32の軸方向両側から、可動型及び固定型により、この素材32を加圧する。この様にして得られた第一中間素材33は、直径が軸方向中間部で最大となった樽状の形状を有する。即ち、この第一中間素材33は、中間部に設けた、直径が最大となった最大直径部38から軸方向両端に向かう程、直径が小さくなっている。又、この第一中間素材33の軸方向両端面を、ほぼ平坦面としている。尚、上記最大直径部38の軸方向位置は、前記1対の側壁部2a、2aの位置に合わせて規制し、軸方向中間部であるが、必ずしも軸方向中央部ではない。又、樽状の第一中間素材33の軸方向に対し直交する方向の各断面積は、後述する第二中間素材34bの長さ方向に対し直交する方向の各断面積にほぼ対応している。この第一中間素材33の形状は、鍛造時の材料の流動等を考慮して、慎重に設定しなければならない。
【0036】
上記第一中間素材33を形成したならば、続いて、上記冷間鍛造成形機10に設けた素材旋回供給装置23(図24参照)により、図8に示す様に、上記第一中間素材33の向きを90度変えつつ、この第一中間素材33を、上記第一の鍛造ステーションから第二の鍛造ステーションに供給する。
【0037】
次いで、第三工程として、この第二の鍛造ステーションの可動型により固定型に、上記第一中間素材33を水平方向に打ち込む事により、この第一中間素材33の長さ方向に対し直交する方向である径方向両側から、この第一中間素材33を加圧する第二の冷間鍛造(第二の予備成形)を施す。そして、図9〜10に示す様な、ロッカーアーム1a(図1〜4)の大まかな形状及び寸法を有する第二中間素材34aを造る。この第二中間素材34aは、1対の側壁部2a、2aと、これら両側壁部2a、2aの幅方向一端縁{図9(a)、図10の右端縁}同士を連結する基部39とを備える。又、この基部39の長さ方向中間部を、上記各側壁部2a、2aと反対側{図9(a)、図10の右側}に少しだけ突出させている。又、本例の場合には、上記第一中間素材33の最大直径部38に対応する位置で、上記第二中間素材34aを構成する各側壁部2a、2aの幅方向{図9(a)、図10の左右方向}の寸法が最大となる様にしている。この様な第二の冷間鍛造を施す第一中間素材33の外周面には予め潤滑皮膜層を形成している為、上記固定型及び可動型の内面と、この第一中間素材33の外面との間に作用する摩擦を小さく抑えられる。そして、この構成により、第二中間素材34aの成形作業性及び形状精度を良好にできる。この様な第三工程により得られた第二中間素材34aは、上記固定型と可動型との間から取り出して、第三の鍛造ステーションに供給する。
【0038】
次いで、第四工程として、この第三の鍛造ステーションの可動型44{図11(a)、図15}により固定型43(図15)に、上記第二の冷間鍛造と同様にして、上記第二中間素材34aを水平方向に打ち込む。そして、この第二中間素材34aを、上記第二の冷間鍛造の場合と同方向から加圧して、この第二中間素材34aに第三の冷間鍛造(本成形)を施し、図11〜15に示す様な、ロッカーアーム1aの完成品に少し近づいた形状及び寸法を有する、第二中間素材34bを造る。この第二中間素材34bは、前記基部39の長さ方向中間部を、各側壁部2a、2aと反対側に大きく突出させている。又、上記基部39の片面{図11(a)の右側面、図11(b)の表側面}の長さ方向両端部を、前記第一、第二の各凹部36、40の大まかな形状及び寸法に形成している。又、上記第三の冷間鍛造では、上記各側壁部2a、2aの形状及び寸法が完成品とほぼ同じになる様に調整する。
【0039】
更に、本例の場合には、上記基部39の長さ方向一端部(図11の下端部)の両側面で、長さ方向に関して弁体の先端部を突き当てる為の第一の凹部36と同位置で、この第一の凹部36から幅方向{図11(a)の表裏方向、図11(b)の左右方向、図15の上下方向}に外れた両端部を、上記第三の冷間鍛造を施す際の材料の逃げ部41、41としている。そして、これら各逃げ部41、41に、前記固定型43及び可動型44が当たらない様にしている。
【0040】
又、上記基部39の長さ方向他端部(図11の上端部)の他面{図11(a)の左側面、図11(b)の裏側面}で、長さ方向に関してラッシュアジャスタの先端部を突き当てる為の第二の凹部40と同位置で、この第二の凹部40と反対側位置を、上記第三の冷間鍛造を施す際の材料の第二の逃げ部42としている。そして、この第二の逃げ部42にも、上記固定型43及び可動型44が当たらない様にしている。
【0041】
更に、本例の場合には、この第二中間素材34bの内側で、得るべきロッカーアーム1a(図1〜4)でのローラ35の配置位置に対応する位置に、これら第二中間素材34bとロッカーアーム1aとを図示しない支持軸を介して組み合わせたと仮定した場合にも、上記ローラ35と上記基部39とが干渉しない様に、上記第二中間素材34bの形状及び寸法を規制している。具体的には、図14に詳示する様に、上記第二中間素材34bの長さ方向中間部の内面を、前記各側壁部2aの内面である平滑な平面部53の奥端縁と、上記基部39の中間部の内面を構成する円筒面部54とが、曲面部55により連続した形状とする。そして、上記第二中間素材34bの内側に上記ローラ35を、上述の様に組み付けたと仮定した場合に、このローラ35が、上記平面部53と円筒面部54と曲面部55との何れにも干渉しない様に、上記第二中間素材34bの内面の形状及び寸法を規制する。又、上記ローラ35の前記面取り52を除く両端面が、上記各側壁部2aの内面を構成する平面部53の奥端縁(図14の点Q)よりも外側(図14の左側)に位置する様にする。この様な第四工程により得られた第二中間素材34bは、上記第三の鍛造ステーションの固定型43と可動型44との間から取り出して、第一の打ち抜きステーションに供給する。
【0042】
次いで、この第一の打ち抜きステーションで行なう孔あけ工程である、第五工程として、固定型と可動型との間で、上記第二中間素材34bのうち、基部39の長さ方向中間部以外の部分を挟持しつつ、この固定型又は可動型の内側に設けた孔あけ用パンチにより、この中間部に打ち抜き加工を施す。好ましくはこの孔あけ用パンチを、前記両側壁部2a、2aの間側から挿入し、打ち抜き廃材(目抜き材)を、これら両側壁部2a、2aと反対側に排出する。この理由は、打ち抜き加工に伴って生じるバリが、上記ローラ35を配置する側に向かない様にする為である。そしてこの打ち抜き加工により、図16〜19に示す様な、厚さ方向に貫通する透孔45をその中間部に形成した、第三中間素材46を造る。又、この透孔45の加工により、各側壁部2a、2aの長さ方向両端部同士を連結する第一、第二の両連結部3a、4aが形成される。更に、上記第五工程では、上記打ち抜き加工と同時に、上記各側壁部2a、2aの幅方向一端部{図16(a)、図17の右端部、図16(b)の表側端部}の形状及び寸法を調整する為の鍛造加工を施す。尚、図17では、上記第三中間素材46と共に、上記打ち抜き加工により上記基部39を打ち抜く事により生じた小片(目抜き材)50を合わせて示している。
【0043】
又、上記透孔45を形成する事により、上記各側壁部2a、2aの幅方向一端寄り部分{図16(a)、図14、17〜19の右端寄り部分}を含む、上記透孔45の内周面で上記小片50の外周縁と連続していた部分(図16、18に梨地で示す部分、図19に矢印aでその範囲を示す部分)に、剪断面及び破断面が形成される。この様な第五工程により得られた第三中間素材46は、上記第一の打ち抜きステーションの可動型と固定型との間から取り出して、第四の鍛造ステーションに供給する。
【0044】
この第四の鍛造ステーションでは、第六工程として、図20〜21に示す様に、可動型48により固定型47に、上記第三中間素材46を前記第二、第三の冷間鍛造と同様に水平方向に打ち込む事により、この第三中間素材46に第四の冷間鍛造(サイジング)を施し、第一、第二の各凹部36、40を所定の形状及び寸法に精度良く調整した、図20〜21に示す様な、第四中間素材49を造る。この様な第四の冷間鍛造の場合も、前記第二、第三の冷間鍛造の場合と同方向から上記第三中間素材46を加圧する。
【0045】
又、上記第四の冷間鍛造の場合も、上記第三の冷間鍛造の場合と同様に、第一連結部3aの両側面で、上記第一の凹部36から幅方向{図20(a)の表裏方向、図20(b)の左右方向、図21の上下方向}に外れた両端部を、上記第四の冷間鍛造を施す際の材料の逃げ部41、41として、これら各逃げ部41、41に固定型47及び可動型48が突き当たらない様にしている。更に、第二の連結部4aの他面{図20(a)の左側面、図20(b)の裏側面}で、第二の凹部40と反対側位置を、上記第四の冷間鍛造を施す際の材料の第二の逃げ部42としている。
【0046】
尚、上記第四の鍛造ステーションでは、可動型48により固定型47に、上記第三中間素材46を水平方向に打ち込む工程を、必要に応じて繰り返す事により、上記第一、第二の各凹部36、40の形状及び寸法を調整するのと同時に、上記各側壁部2a、2aの平行度の調整や、これら各側壁部2a、2aの内側面同士の間隔及び外側面同士の間隔の調整を行なう事もできる。又、これら各側壁部2a、2aの幅方向一端部にかえりが生じた場合に、若干の面押しを行なう事で、このかえりを低減、若しくは解消する事もできる。この様な第六工程が終了したならば、上記第四の鍛造ステーションの固定型47と可動型48との間から上記第四中間素材49を取り出して、この第四中間素材49を第二の打ち抜きステーションに供給する。
【0047】
この第二の打ち抜きステーションでは、第七工程として、上記第四中間素材49の各側壁部2a、2aの一部に第二の打ち抜き加工を施して、前述の図1〜4に示したロッカーアーム1aの完成品を造る。本例の場合には、この第二の打ち抜き加工を、前記冷間鍛造成形機10の内部で行なう。この為の方法の一つとして、第四の鍛造ステーションから第二の打ち抜きステーションに上記第四中間素材49を供給する際に、この第二の打ち抜きステーションの固定型及び可動型の先端面と上記各側壁部2a、2aの外側面とが対向する様に、上記第四中間素材49の向きを90度変える方法が考えられる。そして、上記第二の打ち抜きステーションの固定型と可動型との間で、上記第四中間素材49を挟持すると共に、この固定型又は可動型の内側に設けた孔あけ用パンチにより前記各円孔5、5を形成する方法が考えられる。又、別の方法として、第四の鍛造ステーションから第二の打ち抜きステーションに上記第四中間素材49を、向きを変更する事なくそのまま供給し、第一〜第四の鍛造ステーションの各可動型44、48を往復移動させる為の駆動機構(スライド機構)の動きを、両側に設けたカム型によりこの往復移動方向と90度異なる方向に変換し、このカム型に取り付けた孔あけ用パンチにより上記各円孔5、5を形成する方法もある。又、本例の場合には、これら各円孔5、5の軸方向外側の開口端周縁部に面取り37(図4)を、これら各円孔5、5の孔あけ加工と同時に、鍛造加工により形成する。この様にして得られたロッカーアーム1aの完成品は、上記第二の打ち抜きステーションから、取り出し用チャックにより所定位置に取り出す。
【0048】
上述の様に構成する本例のロッカーアームの製造方法の場合には、金属線材製の素材32に冷間鍛造を施す事によりロッカーアーム1aを造る場合で、このロッカーアーム1aを組み込んだエンジンの性能向上を図れる。
即ち、本例の場合には、第二工程として、上記素材32を軸方向(長さ方向)両側から加圧する事によりこの素材32に第一の冷間鍛造を施し、第三、第四工程として、この素材32から得られた第一、第二中間素材33、34aを長さ方向に対し直交する方向(基部39又は各連結部3a、4aの厚さ方向)の両側から加圧する事により、この第一、第二中間素材33、34aに第二、第三の冷間鍛造を施している。この様に、第一の冷間鍛造と、第二、第三の各冷間鍛造とで、素材32と第一、第二各中間素材33、34aとを互いに90度異なる方向の両側から加圧するので、総ての冷間鍛造で素材及び中間素材を同方向の両側から加圧する場合に比べ、得られるロッカーアーム1aの一部に、過大な応力が集中する事を抑える事ができる。
【0049】
又、本例の様に、金属線材を押し出し成形により造った場合には、上記素材32のファイバーフローが、この素材32の長さ方向にほぼ一致する。そして、この素材32から得られた第一中間素材33のファイバーフローの多くを、この第一中間素材33の長さ方向に対しほぼ平行にし、又は平行に近づける事ができる。本例の場合には、上記第三工程等で、この様な第一中間素材33等を長さ方向に対し直交する方向の両側から加圧する事によりこの第一中間素材33等に冷間鍛造を施している為、この第一中間素材33等を長さ方向両側から加圧する事によりこの第一中間素材33等に冷間鍛造を施す場合に比べて、得られるロッカーアーム1aのファイバーフローをこのロッカーアーム1aの全体形状に対応した滑らかな流れとする事ができる。これらの結果、得られたロッカーアーム1aの強度を十分に確保でき、このロッカーアーム1aを組み込んだエンジンの耐久性の向上を図れる。又、本例の場合には、上記第三、四、六工程で、第一〜第三中間素材33、34a、46を長さ方向に対し直交する方向の両側から加圧する事によりこれら各中間素材33、34a、46に冷間鍛造を施す際に、外周側でのバリ(外バリ)を全く発生させない様に工程を設定している。この為、前述の特許文献1に記載されたロッカーアームの製造方法の場合と異なり、外バリ部分にファイバーフローが創製される事がない。従って、ファイバーフローを、この外バリ部分で乱される事もなく、この外バリの除去の伴って分断される事もない。この為、ロッカーアーム1aの完成品(製品)の強度向上を図れる。又、外バリの除去に伴う剪断面や破断面に起因する欠陥が生じる事もなく、ロッカーアーム1aの形状精度を良好にできる。勿論、材料損失を抑えて、材料費の低減を図り易くなる。
【0050】
又、上記ファイバーフローの多くに対しほぼ直交する方向又はこの方向に近い方向の両側から、上記第一中間素材33等を加圧する事によりこの第一中間素材33等に冷間鍛造を施す際に、外バリを全く発生させない様に工程を設定している為、可動型及び固定型と第一中間素材33等との接触面積が小さくなり、この第一中間素材33等に加わる力を小さくできる。この為、ロッカーアーム1aの成形性を良好にできると共に、冷間鍛造に使用する固定型及び可動型に過大な荷重が加わる事を防止でき、これら固定型及び可動型の寿命向上を図れる。従って、ロッカーアーム1aの量産時での単品のコストを低減できる。更に、各部の変形量を小さくして、加工硬化を抑え易くなる。
【0051】
更に、図7に示した第一中間素材33を得る為の第二工程で、上記素材32を軸方向(長さ方向)両側から加圧する事により、この素材32に第一の冷間鍛造を施している。この為、金属線材の直径を大きくする事なく、得られる第一中間素材33を、本例の様な、軸方向中間部で直径が最大になった樽状に形成し易くできる。この為、この樽状の第一中間素材33により、本例の様な、長さ方向中間部で幅方向寸法が最大になった略三角形の1対の側壁部2a、2aを有する、第二中間素材34aを造り易くできる。しかも、発生する外バリをなくす事ができる。又、内バリは、発生する場合でも、製品の使用に対する影響を及ぼさない位置で少なく抑える事ができる。従って、軽量なロッカーアーム1aを安価に造れる。又、本例の場合には、ロッカーアーム1aのファイバーフローが全体的にこのロッカーアーム1aの長さ方向に流れている。又、このファイバーフローが、少なくともこの長さ方向の両端縁と、上記第一、第二の各連結部3a、4aの間に形成された透孔45の内周面とを除いた部分で切断されていない。この為、成形作業性を良好にできると共に、強度及び形状精度の向上を図れる。
【0052】
更に、本例の場合には、各側壁部2a、2aに形成した通孔5、5の外側開口端周縁部に形成した面取り37(図4)に、ローラ35を支持した支持軸の両端部をかしめ付ける事ができる。具体的には、この支持軸の両端部を径方向外方に塑性変形させて成る鍔状部分と上記面取り37とを係合させる事ができる。この為、上記各通孔5、5にこの支持軸の両端部を、十分な結合強度で結合固定する事ができる。この結果、ロッカーアーム1aにローラ35を組み付けて成るカムフォロアで、各側壁部2a、2aに支持軸の両端部を、十分な結合強度で結合固定でき、上記ロッカーアーム1を組み込んだエンジンの耐久性の向上を図れる。更に、上記支持軸の端部を何れか1個の通孔5の内側に、上記面取り37により案内しつつ挿入できる為、この通孔5内へのこの支持軸の挿入作業を容易に行なえる。この為、この支持軸及びローラ35とロッカーアーム1aとを組み合わせたカムフォロアのコスト低減を図れる。
【0053】
更に、本例の場合には、図11に示す様な第二の中間素材34bを得る為の前記第四工程で、前記第一、第二の各凹部36、40を冷間鍛造により形成する際に、この第二中間素材34bの基部39の長さ方向に関して上記第一、第二の各凹部36、40と同位置と、これら第一、第二の各凹部36、40の近くに、材料の逃げ部41又は第二の逃げ部42を設けている。又、図16に示した第三中間素材46から図20に示した第四中間素材49を得る為の前記第六工程で、前記第一、第二の各凹部36、40を冷間鍛造により形成する際に、上記第三中間素材46のうちの、1対の側壁部2a、2aよりも幅方向内側に外れた部分で、長さ方向に関して上記第一、第二の各凹部36、40を形成すべき部分と同位置と、これら第一、第二の各凹部36、40の近くに、材料の逃げ部41又は第二の逃げ部42を設けている。従って、上記第一、第二の各凹部36、40を形成する場合に、第二中間素材34b及び第三中間素材46の余肉部の逃げを円滑に行なわせ、これら第一、第二の各凹部36、40を所定の形状及び寸法に精度良く加工し易くできる。この為、これら第一、第二の各凹部36、40の形状精度及び寸法精度を良好にでき、得られたロッカーアーム1aの使用時に、このロッカーアーム1aの所定位置に弁体の基端部及びラッシュアジャスタの先端部を精度良く係合させて、このロッカーアーム1aを組み込んだエンジンの性能向上を図れる。しかも、上記第二の逃げ部42は、上記基部39又は第二の連結部4aのうち、上記第二の凹部40と反対側位置としている為、この第二の凹部40を所定の形状及び寸法に、より精度良く加工し易くできる。更に、鍛造に使用する固定型43、47及び可動型44、48に過大な荷重が加わる事を防止でき、これら各型43、47、44、48の寿命向上を図れる。この為、ロッカーアーム1aの量産時での単品のコストを、より低減できる。
【0054】
又、本例の場合には、第一、第二の連結部3a、4aを形成する為の打ち抜き加工により各側壁部2a、2aの内面に形成された剪断面全体がローラ35の両端面に対向しない、ロッカーアーム1aを造れる。そして、この様にして得られたロッカーアーム1aによれば、上記ローラ35の両端面と、粗い剪断面とが接触する(擦れ合う)事を防止できる。この為、上記ローラ35を上記ロッカーアーム1aに組み付けた状態で、このローラ35を円滑に回転させる事ができる。又、このローラ35の両端面に異常摩耗が発生する事を防止できると共に、当該接触部での摩耗に基づく摩耗粉の発生を抑える事ができる。従って、上記ロッカーアーム1aを組み込んだエンジンの出力向上、耐久性向上等、性能の向上を図れる。この様な性能向上の為に、上記打ち抜き加工後の工程で、上記剪断面を面押し等により平滑化する面倒な作業を行なう必要がなくなる。
【0055】
又、本例の場合には、第五、第六工程として、基部39の打ち抜き加工と、第一、第二の各凹部36、40を所定の形状及び寸法に精度良く調整する為の鍛造加工とを、別工程で行なっている。この為、これら各凹部36、40の形状及び寸法の精度の向上を図り易くなる。
【0056】
尚、本例の場合には、各側壁部2a、2aに設ける各円孔5、5を打ち抜き加工により形成しているが、本発明では、これら各円孔5、5を、この打ち抜き加工の代わりに、シェービング加工や、切削加工により形成する事もできる。但し、このうちの切削加工を採用する場合には、ロッカーアーム1aのコストが上昇する原因となる。この為、このロッカーアーム1aのコストの低減を図る面からは、上記各円孔5、5を、打ち抜き加工又はシェービング加工により形成する事が好ましく、より好ましくは、このうちの打ち抜き加工により上記各円孔5、5を形成する。又、冷間鍛造成形機10から取り出した中間素材を別のプレス加工機に搬送して、この別のプレス加工機で上記各円孔5、5の打ち抜き加工を行なう事もできる。
【0057】
又、本例の場合には、金属線材に予めリン酸亜鉛皮膜等の潤滑皮膜層を形成している。但し、冷間鍛造成形機10の金型の内面に潤滑剤を塗布したり、冷間鍛造成形機10の内部に潤滑油を供給する等により、素材32及び第一〜第四中間素材33、34a、34b、46、49の外面と金型の内面との間での摩擦を抑える事もできる。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、ロッカーアームを組み込んだエンジンの性能向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例のロッカーアームの完成品を、一部を省略して示す断面図。
【図2】図1の右方から見た図。
【図3】図1のA−A断面図。
【図4】同B−B断面図。
【図5】第1例のロッカーアームの製造方法を示すフローチャート。
【図6】第1例の製造方法の第一工程により得られる素材を示しており、(a)は正面図、(b)は(a)の側方から見た図。
【図7】第二工程により得られる第一中間素材を示しており、(a)は正面図、(b)は(a)のC−C断面図。
【図8】第一の鍛造ステーションから第二の鍛造ステーションへ第一中間素材を移動する際にこの第一中間素材の向きを90度変える状態を示す図。
【図9】第三工程により得られる第二中間素材を示しており、(a)は断面図、(b)は(a)の右方から見た図。
【図10】図9(a)のD−D断面図。
【図11】第四工程により得られる第二中間素材を示しており、(a)は断面図、(b)は(a)の右方から見た図。
【図12】図11(a)のE−E断面図。
【図13】同部分拡大図。
【図14】図12のF部拡大断面図。
【図15】第四工程の鍛造作業の途中の状態を、図11(a)のG−G断面部分で示す図。
【図16】第五工程により得られる第三中間素材を示しており、(a)は断面図、(b)は(a)の右方から見た図。
【図17】同第三中間素材と、第五工程の打ち抜き加工時に生じた小片とを、図16(a)のH−H断面部分で示す図。
【図18】図16(a)の部分拡大断面図。
【図19】図17のI部拡大断面図。
【図20】第六工程により得られる第四中間素材を示しており、(a)は断面図、(b)は(a)の右方から見た図。
【図21】第六工程の鍛造作業の途中の状態を、図20(a)のJ−J断面部分で示す図。
【図22】従来から知られたロッカーアームの製造方法により得られたロッカーアームを示しており、(a)は正面図、(b)は(a)の左方から見た図。
【図23】従来から知られたロッカーアームの製造方法によりロッカーアームを製造する状態を示す略斜視図。
【図24】同製造方法に使用する冷間鍛造成形機の部分断面図。
【図25】冷間鍛造成形機の第一の鍛造ステーションを示す、図24の部分拡大断面図。
【図26】同第一の打ち抜きステーションを示す、図24の部分拡大断面図。
【図27】同第二の鍛造ステーションを示す、図24の部分拡大断面図。
【図28】同第二の打ち抜きステーションを示す、図24の部分拡大断面図。
【符号の説明】
1、1a ロッカーアーム
2、2a 側壁部
3、3a 第一の連結部
4、4a 第二の連結部
5 円孔
6 第一の係合部
7 第二の係合部
8 回転支持装置
9 金属線材
10 冷間鍛造成形機
11 ローラ式線材供給機構
12 切断機構
13 素材
14 ダイブロック
15 ラム
16a〜16d 固定型
17a〜17d 可動型
18a〜18d 型ホルダ
19 第一の鍛造ステーション
20 第一の打ち抜きステーション
21 第二の鍛造ステーション
22 第二の打ち抜きステーション
23 素材旋回供給機構
24 第一中間素材
25、25a、25b バリ
26 通孔
27 押し出し部材
28 孔あけ用パンチ
29 透孔
30 第二中間素材
31 第三中間素材
32 素材
33 第一中間素材
34a、34b 第二中間素材
35 ローラ
36 第一の凹部
37 面取り
38 最大直径部
39 基部
40 第二の凹部
41 逃げ部
42 第二の逃げ部
43 固定型
44 可動型
45 透孔
46 第三中間素材
47 固定型
48 可動型
49 第四中間素材
50 小片
51 基部
52 面取り
53 平面部
54 円筒面部
55 曲面部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rocker arm and a method for manufacturing the same used in a state where the camshaft is incorporated in a valve operating mechanism of an engine in order to convert the rotation of a camshaft into a reciprocating motion of a valve body (intake valve and exhaust valve).
[0002]
[Prior art]
The reciprocating engine (reciprocating piston engine) is provided with an intake valve and an exhaust valve that open and close in synchronization with the rotation of the crankshaft except for some two-cycle engines. In such a reciprocating engine, the movement of the camshaft that rotates in synchronization with the rotation of the crankshaft (in the case of a four-cycle engine, at half the rotational speed) is caused to move the intake valve and the exhaust valve by the rocker arm. The intake valve and the exhaust valve may be reciprocated in the respective axial directions.
[0003]
Conventionally, a cast product (a cast iron product or an aluminum die cast product) has been used as a rocker arm incorporated in such a valve mechanism of an engine. In recent years, it has been considered that the rocker arm is made by pressing a metal plate such as a steel plate, and some of them are implemented. However, in the case of such a rocker arm made of a cast product or a rocker arm made of a metal plate, there is a problem that the cost is increased due to a longer time required for the manufacturing work and an increase in waste of materials. is there.
[0004]
On the other hand, as described in
[0005]
In addition, although not described in
[0006]
The operation of making the
[0007]
In this
[0008]
In the
[0009]
In the
[0010]
In the
[0011]
In the case of the rocker arm manufacturing method described in
[0012]
[Patent Document 1]
JP-A-10-328778
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
In the case of the rocker arm manufacturing method described in
(1) The material 13 (or the second intermediate material 30) is the same direction in the axial direction (length direction) in all of the second and fourth steps, which are forging steps for obtaining the
[0014]
The
As described above, when cold forging with the
In the case of the rocker arm manufacturing method described in the cited
Also, of the
In the case of the rocker arm manufacturing method described in
[0015]
(2) In the case of the
[0016]
(3) Cold forging to form first and second engaging portions 6 and 7 (FIG. 22) for abutting the valve body or the swing support member at the second forging
In view of such circumstances, the rocker arm and the manufacturing method thereof according to the present invention improve the performance of an engine incorporating the rocker arm when the rocker arm is manufactured by cold forging a metal wire material. Invented.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
Each of the rocker arms of the present invention is produced by cold forging a material obtained by cutting a metal wire into a predetermined length, and a pair of side wall portions provided at intervals from each other, The first and second connecting portions that connect the portions near both ends in the length direction of both side wall portions, and a pair of concentric through holes formed at positions where the both side wall portions are aligned with each other, Each of the first and second connecting portions has an engaging portion that engages with the valve body or the swing support member.
[0018]
In particular, in the rocker arm according to
[0019]
In the rocker arm according to the fourth aspect of the present invention, when the through holes are formed in the side wall portions, chamfering is simultaneously formed at the outer opening end portions of the through holes.
[0020]
Further, in the rocker arm according to claim 6, the first engagement portion or the second engagement portion is formed by cold forging the material or an intermediate material obtained from the material. When the intermediate material or another intermediate material is made, the intermediate material or a part of the other intermediate material, the portion of the intermediate material or the portion separated from the pair of side wall portions inward in the width direction, the above-mentioned in the length direction. At least a part of the same position as the portion where the first engagement portion or the second engagement portion is to be formed is a relief portion where a die used for the cold forging is not applied.
[0021]
Further, in the rocker arm according to
[0022]
A rocker arm manufacturing method according to
[0023]
The rocker arm manufacturing method according to
[0024]
A rocker arm manufacturing method according to
[0025]
The rocker arm manufacturing method according to
[0026]
[Action]
According to the rocker arm of the present invention configured as described above and the manufacturing method thereof, the performance of an engine incorporating the rocker arm is improved when the rocker arm is made by cold forging a metal wire material. Can be planned.
That is, in the case of the rocker arm according to the first aspect, the pressurizing directions at the time of cold forging with the material and the first intermediate material differ by 90 degrees. For this reason, compared with the case where a raw material and an intermediate raw material are pressurized from both sides of the same direction in all the cold forging processes, it can suppress that an excessive stress concentrates on a part of rocker arm obtained. When a metal wire is made by extrusion molding, the fibrous flow (fiber flow) of the internal structure of the material substantially coincides with the length direction of the material. And much of the fiber flow of the first intermediate material obtained from this material can be made substantially parallel to the length direction of the first intermediate material, or close to parallel. In the case of the rocker arm described in
Further, in the case of the rocker arm manufacturing method according to the third aspect, when the first intermediate material is cold forged, the burr on the outer peripheral side (outside burr) is not generated. Unlike the case of the rocker arm manufacturing method described in
In addition, it is preferable that there is no burr (inner burr) generated on the inner peripheral side, but even when the inner burr is formed, it is preferable to provide the inner burr at a position that does not affect the use of the rocker arm.
[0027]
In the case of the rocker arm according to the fourth aspect, both end portions of the support shaft supporting the roller are plastically deformed radially outwardly at the outer opening end peripheral portion of the through hole formed in each side wall portion. And the chamfered portion can be fixed by caulking. For this reason, the cam follower in which the roller is assembled to the rocker arm, the both end portions of the support shaft can be coupled and fixed to each side wall portion with sufficient coupling strength, and the durability of the engine incorporating the rocker arm can be improved. . Further, the operation of inserting the end portion of the support shaft into the through hole can be easily performed. For this reason, the cost reduction of the rocker arm which couple | bonded the support shaft can be aimed at.
[0028]
Further, in the case of the rocker arm according to claim 6, when the intermediate material or another intermediate material in which the first engaging portion or the second engaging portion is formed by cold forging is used, Of the intermediate material, it is possible to smoothly escape the surplus portion present at a position near the portion where the first engagement portion or the second engagement portion is to be formed. For this reason, the shape accuracy and dimensional accuracy of the first engagement portion or the second engagement portion can be improved, and when the obtained rocker arm is used, the valve body or swing support is provided at a predetermined position of the rocker arm. The members can be engaged with high accuracy. Therefore, the performance of an engine incorporating this rocker arm can be improved. Furthermore, it is possible to prevent an excessive load from being applied to the die used for the cold forging, and to improve the durability of the die. For this reason, the cost of the single item at the time of mass production of the rocker arm can be reduced.
[0029]
In the case of the rocker arm according to the eighth aspect, the molding workability can be improved and the strength and shape accuracy can be improved.
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 to 21 show an example of an embodiment of the present invention. The feature of this example is that an engine incorporating the rocker arm 1a obtained when the rocker arm 1a (FIGS. 1 to 4) is manufactured by cold forging the material 32 (FIG. 6) made of metal wire. In order to improve the performance, the pressure direction when cold forging the material 32 and the first intermediate material 33 (FIG. 7) obtained from the material 32, and the through
[0031]
As shown in FIGS. 1 to 4, the rocker arm 1a obtained by the method of manufacturing the rocker arm of this example includes a pair of
[0032]
Further, in order to abut the base end portion of the valve body, the first engaging portion is a first engaging portion on one side of the first connecting
[0033]
Further, in the case of the rocker arm 1a manufactured by the method of manufacturing the rocker arm of this example, the
[0034]
The rocker arm 1a configured as described above is manufactured as shown in FIG. Next, the manufacturing method of this rocker arm 1a will be described in detail. First, the end of the metal wire wound around the
[0035]
The columnar material 32 obtained in the first step moves to the first forging station provided in the cold forging
[0036]
Once the first
[0037]
Next, as a third step, the first
[0038]
Next, as a fourth step, the
[0039]
Furthermore, in the case of this example, a
[0040]
The other end of the
[0041]
Further, in the case of this example, inside the second
[0042]
Next, as a fifth step, which is a drilling step performed at the first punching station, between the fixed die and the movable die, the second
[0043]
Further, by forming the through-
[0044]
In the fourth forging station, as the sixth step, as shown in FIGS. 20 to 21, the third
[0045]
Also in the case of the fourth cold forging, as in the case of the third cold forging, the width direction from the
[0046]
In the fourth forging station, the step of driving the third
[0047]
In this second punching station, as a seventh step, the second punching process is performed on a part of each
[0048]
In the case of the method of manufacturing the rocker arm of the present example configured as described above, the rocker arm 1a is manufactured by cold forging the material 32 made of metal wire, and the engine incorporating the rocker arm 1a is used. Improve performance.
That is, in the case of this example, as a second step, the material 32 is subjected to first cold forging by pressurizing the material 32 from both sides in the axial direction (length direction), and the third and fourth steps. By pressing the first and second
[0049]
Further, as in this example, when a metal wire is made by extrusion molding, the fiber flow of the material 32 substantially coincides with the length direction of the material 32. Then, most of the fiber flow of the first
[0050]
Also, when cold forging the first
[0051]
Further, in the second step for obtaining the first
[0052]
Further, in the case of this example, both end portions of the support shaft that supports the
[0053]
Further, in the case of this example, the first and
[0054]
Further, in the case of this example, the entire shearing surface formed on the inner surface of each
[0055]
In the case of this example, as the fifth and sixth steps, punching of the
[0056]
In this example, the
[0057]
In the case of this example, a lubricating film layer such as a zinc phosphate film is previously formed on the metal wire. However, the material 32 and the first to fourth
[0058]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured and operates as described above, the performance of an engine incorporating a rocker arm can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a finished rocker arm as an example of an embodiment of the present invention with a part thereof omitted.
FIG. 2 is a diagram viewed from the right side of FIG.
3 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 4 is a sectional view taken along the line BB in FIG.
FIG. 5 is a flowchart showing a method for manufacturing the rocker arm of the first example.
6A and 6B show materials obtained by the first step of the manufacturing method of the first example, where FIG. 6A is a front view, and FIG. 6B is a side view of FIG.
FIGS. 7A and 7B show a first intermediate material obtained by the second step, in which FIG. 7A is a front view, and FIG.
FIG. 8 is a diagram showing a state in which the orientation of the first intermediate material is changed by 90 degrees when the first intermediate material is moved from the first forging station to the second forging station.
FIGS. 9A and 9B show a second intermediate material obtained by the third step, where FIG. 9A is a cross-sectional view and FIG. 9B is a view as viewed from the right side of FIG.
FIG. 10 is a cross-sectional view taken along the line DD of FIG.
11A and 11B show a second intermediate material obtained by the fourth step, where FIG. 11A is a cross-sectional view, and FIG. 11B is a view as viewed from the right side of FIG.
FIG. 12 is a cross-sectional view taken along line EE in FIG.
FIG. 13 is an enlarged view of the same part.
14 is an enlarged cross-sectional view of a portion F in FIG.
FIG. 15 is a diagram showing a state in the middle of the forging operation in the fourth step, along a GG cross-section portion in FIG.
FIGS. 16A and 16B show a third intermediate material obtained by the fifth step, where FIG. 16A is a cross-sectional view, and FIG. 16B is a view as viewed from the right side of FIG.
FIG. 17 is a view showing the third intermediate material and a small piece generated at the time of the punching process in the fifth step in the HH cross-section portion of FIG. 16 (a).
18 is a partial enlarged cross-sectional view of FIG.
FIG. 19 is an enlarged cross-sectional view of a portion I in FIG.
20A and 20B show a fourth intermediate material obtained by the sixth step, where FIG. 20A is a cross-sectional view, and FIG. 20B is a view as viewed from the right side of FIG.
FIG. 21 is a diagram showing a state in the middle of the forging operation in the sixth step, taken along the line JJ in FIG. 20 (a).
22A and 22B show a rocker arm obtained by a conventionally known rocker arm manufacturing method, where FIG. 22A is a front view, and FIG. 22B is a view seen from the left side of FIG.
FIG. 23 is a schematic perspective view showing a state in which a rocker arm is manufactured by a conventionally known rocker arm manufacturing method.
FIG. 24 is a partial cross-sectional view of a cold forging machine used in the manufacturing method.
25 is a partially enlarged cross-sectional view of FIG. 24 showing a first forging station of the cold forging machine.
26 is a partially enlarged sectional view of FIG. 24 showing the first punching station. FIG.
FIG. 27 is a partially enlarged cross-sectional view of FIG. 24 showing the second forging station.
FIG. 28 is a partially enlarged sectional view of FIG. 24 showing the second punching station.
[Explanation of symbols]
1, 1a Rocker arm
2, 2a Side wall
3, 3a First connecting part
4, 4a Second connecting part
5 round holes
6 First engaging part
7 Second engaging part
8 Rotating support device
9 Metal wire
10 Cold forging machine
11 Roller wire supply mechanism
12 Cutting mechanism
13 materials
14 die block
15 lamb
16a-16d fixed type
17a-17d Movable type
18a-18d type holder
19 First forging station
20 First punching station
21 Second forging station
22 Second punching station
23 Material turning supply mechanism
24 First intermediate material
25, 25a, 25b Bali
26 through holes
27 Extruded member
28 Hole punch
29 Through-hole
30 Second intermediate material
31 Third intermediate material
32 materials
33 First intermediate material
34a, 34b Second intermediate material
35 Laura
36 First recess
37 Chamfer
38 Maximum diameter
39 Base
40 Second recess
41 Escape
42 Second relief
43 Fixed type
44 Movable type
45 Through hole
46 Third intermediate material
47 Fixed type
48 Movable type
49 Fourth Intermediate Material
50 small pieces
51 base
52 Chamfer
53 Plane section
54 Cylindrical surface
55 Curved surface
Claims (8)
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