JP2005000001U - 回転ポンプ - Google Patents

Abstract

【課題】ポートプレートを前記中央ポンプハウジングおよび前記ブレード部材に対して密封するためには、総ての構成部材を精密に加工する必要がある。本考案はこのような欠点のない回転ポンプを提供する。
【解決手段】本回転ポンプはポンプハウジングと、該ポンプハウジング内に位置し、かつ駆動軸によって回転せしめられる回転子と、該回転子の周囲に設けられた溝の中を摺動し得るように配置され、かつ固定カム面と密封的に共働するブレード部材とを有している。ポンプハウジングは相互に堅く連結された三つのポンプハウジング部分よりなり、中央ポンプハウジング部分はカム面を有している。ハウジングを簡単にするために、供給ポートおよび吐出しポートを有するポートプレートが、中央ポンプハウジング部分内に配置される。ブレード部材はその側面により、外方ポンプハウジング部分の内向き面によって形成された端面に触圧するようにされる。
【選択図】図２

Description

本考案は回転ポンプにおいて、ポンプハウジングと、該ポンプハウジング内に位置し、かつ駆動軸によって回転せしめられる回転子と、該回転子の周囲に設けられた溝の中を摺動し、かつ固定カム面と共働するブレード部材とを有し、前記ポンプハウジングが相互に堅く連結された三つのポンプハウジング部分よりなり、中央ポンプハウジング部分がカム面を含んでいる回転ポンプに係る。

このような回転ポンプは US-A-2766700 によって公知である。このポンプの外方ポンプハウジング部分の一つは供給ポートまたは吐出しポートを備えたポートプレートを有している。これらポートプレートは共に、中央ポンプハウジング部分と、該中央ポンプハウジング部分内に含まれるブレード部材とに対して触座している。前記中央ポンプハウジング部分およびブレード部材に対して、ポートプレートを適当に密封するためには、すべての構成部材を精密に加工する必要がある。これは製造費を増加せしめると共に、組立てを複雑にする原因となる。

したがって本考案の目的は、前記の如き欠点を有しない回転ポンプを提供することである。

前記目的は、ポートプレートに供給ポートおよび吐出しポートを設け、かつこのポートプレートを中央ポンプハウジング内に配置することによって達成される。この時ポートプレートおよびブレード部材を、中央ポンプハウジング部分内に配置することにより、所要の精度を得るためのこれら部材の加工を簡単にすることができる。

特に本考案による回転ポンプは、ブレード部材がその側面の一つにより、外方ポンプハウジングの内向き面によって形成された端面に触圧するように設計される。これはブレード部材の前記の側にポートプレートを配置する必要のないことを意味する。さらに、ポートプレートから遠い方の側に位置する外方ポンプハウジング部分内の、ポートまたはブレード部材の加工も不必要となる。他の側においてはブレード部材は、供給ポートおよび吐出しポートを有するポートプレートに対して触座する。

経済的な変型においては、ポートプレート内の供給ポートおよび吐出しポートに対応する供給孔および吐出し孔は、少なくともポートプレートが位置する側のポンプハウジング部分内に設けられる。この場合は、他の外方ポンプハウジングの内面は、完全に平らにすることができ、したがって製造を相当簡単に行い得るようになる。

前記実施例の場合は、ポンプ室内の回転子、カム面およびブレード部材間の空洞の充填は該ブレード部材の片側からだけによって行われる。多くの場合ポンプはこれだけで十分に作動する。しかもポンプの設計を比較的簡単にして、容量を増加させることができる。この場合は、少なくとも一つの吐出し孔と、一つの供給孔とはポートプレートから遠い方の外方ポンプハウジング部分内に設けられる。前記孔と駆動軸との半径方向距離は、なるべくはポートプレート内のポートの対の、外方ポートの距離に対応せしめられる。

半径方向最外方に位置する空洞の充填は両側から行われる。遠い方に位置する空洞の充填は、片側に起こる。しかしながらこれは容量を増加させる時の障害とはならない。その理由はこの場合、充填がポンプの作動時に生じる遠心力によって良い影響を受けるからである。

駆動軸から半径方向に離れた二つの個所で、ポートプレートから遠い方の側に供給孔および吐出し孔を設けることも可能であるが、これは製造の観点からはそれほど有利ではない。

本考案による回転ポンプは、特に連続可変伝達を行う場合に滴している。

次ぎに添付図面によって本考案の実施例を説明する。

図１において、内方ポンプハウジング部分は１によって示されている。このポンプハウジング部分１の中には、カムリング２が配置され、かつ錠止ピン３または他の固定装置によって回転しないように固定されている。ハウジングを通って延びるボルト通路１０の一つも固定装置として使用することができる。回転子４はカムリング２内に回転自在に取り付けられている。この回転子４は駆動軸５によって駆動される。

回転子４は複数の溝６を有し、各溝の中にはローラ７の形をなしたブレード部材が、摺動し、かつ回転し得るように配置されている。ローラ７はなおカムリング２の内面に触座し、かつ回転子４が回転する時に、常に前記内面の曲率に従って、大きな、または小さな外向き距離を有する位置の間を摺動する。

図２に示される如く、ポンプハウジングは中央ポンプハウジング部分１と、その両側に位置する外方ポンプハウジング部分８、９とよりなっている。これら三つのポンプハウジング部分１、８、９は、通路１０を通し得るボルト（図示せず）によって相互に固く締着される。ボルト通路１０の設けられている、ポンプの外周部分には他の通路４０、４１、例えばこのポンプが部分を含む、液圧系の液圧管に対する十分な空間が設けられている。したがってこのポンプは、複雑な機械作業を行うことなく、複雑な液圧系に使用することができ、例えば連続可変伝達装置（ＣＶＴ）に使用される系に適している。このポンプをＣＶＴに使用すれば、ポンプハウジングを通して、例えばクラッチ圧力、エンジンパイロット圧力の一次圧力および潤滑油圧力を伝達することができる。

中央ポンプハウジング部分１は、ポンプによって送給すべき媒体に対する供給孔１１と、吐出し孔１２とを有している。これらの孔は壁１３内に設けられ、該壁は中央ポンプハウジング部分１の片側において、その内部に位置するポンプ室１４を画定している。

ポートプレート１６は、なるべくはある程度の隙間が生じるように、前記壁１３を画定し、その凹欠された縁１５に対して触座する。このポートプレート１６はさらに、供給孔１１に対応する供給ポート１７、１８と、吐出し孔１２に対応する吐出しポート１９、２０とを有している。前記供給ポート１７、１８および吐出しポート１９、２０の位置は図１に略図的に示されている。

ポートプレート１６はガスケット２１、２２により、壁１３に対して密封されている。ローラ７はその片側においてはポートプレート１６に対して位置し、他の側においてはポンプハウジング部分８の内壁２３に対して位置している。したがって前記壁２３は完全に平らである。ポンプによって送給すべき媒体の供給および吐出しは、この場合総て外方ポンプハウジング部分９の側で行われる。このポンプハウジング部分は、前記目的のために供給チャネル２４および吐き出しチャネル２５を有している。これらチャネル２４、２５はさらに、ポンプハウジングの外側に位置する連結部材（図示せず）に連結されている。

図３に示された変型の場合は、外方ポンプハウジング部分の内壁２６は完全に平らとはなっていない。この壁２６は供給チャネル２７を有し、該チャネルは中央ポンプハウジング部分１内の通路２８によって、外方ポンプハウジング部分９内の供給チャネル２４に連結されている。チャネル２７は、通路２８と通じる内壁２６の孔２９において開口し かつローラ７のレベルにおいて供給孔３０として開口している。この供給孔３０は、ポンプによって送給すべき媒体に対する追加的供給を行うもので、供給孔１８と同じ半径方向高さの所に設けられている。もちろんこれに対応して追加吐出し孔が設けられ、該孔は吐出しチャネルと共に、対応する通路を通して吐出しチャネルに連結される。しかしながら図には排出チャネルは示されていない。ポートプレートの場合と同様に、幾つかの吐出し孔および／または供給孔を設けることができる。

内方ポンプハウジング部分の正面図。 図１の線ＩＩ−ＩＩに沿って取られた、ポンプハウジング全体の断面図。 図２に対応する断面によって示された変型。

符号の説明

１ 中央ポンプハウジング部分
２ カム面
４ 回転子
５ 駆動軸
６ 溝
７ ブレード部材
８、９ 外方ポンプハウジング部分
１１ 供給孔
１２ 吐出し孔
１６ ポートプレート
１７、１８ 供給ポート
１９、２０ 吐出しポート
２３ 内向き面
２４ 供給チャネル
２５ 吐出しチャネル
２８ 通路
３０ 供給孔

Claims (6)

1. ポンプハウジングと、該ポンプハウジング内に位置し、かつ駆動軸（５）によって回転せしめられる回転子（４）と、該回転子（４）の周囲に設けられた溝（６）の中に摺動するように収容され、かつ固定カム面（２）と密封的に相互作用するブレード部材（７）とを備え、前記ポンプハウジングは互いに堅く結合された三つのポンプハウジング部分（１、８、９）よりなり、中央ポンプハウジング部分（１）がカム面（２）と、供給ポート（１７、１８）および吐出しポート（１９、２０）を備えたポートプレートとを含んでいる回転ポンプにおいて、前記ブレード部材（７）は一方の摺動面を外方ポンプハウジング部分（８）の内向き面（２３）によって形成された端面に対して触座し、前記中央ポンプハウジング部分（１）は前記ポートプレート（１６）における供給ポート（１７、１８）および吐出しポート（１９、２０）に対応する供給孔（１１）および吐出し孔（１２）を含む端壁（１３）を有し、前記ポートプレートは前記ブレード部材（７）から遠い方の側において前記端壁（１３）に隣接し、ポートプレート（１６）の側に位置する外方ポンプハウジング部分（９）は、中央ハウジング部分（１）内の供給孔（１１）に連結された供給チャンネル（２４）と前記ハウジング部分（１）内の吐出し孔（１２）に連結された吐出しチャンネル（１５）とを含んでいることを特徴とする回転ポンプ。
2. ポートプレート（１６）および端壁（１３）の間にガスケット（２２）が設けられ、該ガスケットが単数または複数のポート孔（１１、１２）を囲繞している請求項１に記載の回転ポンプ。
3. ポートプレート（１６）から離れる方向に面する中央ポンプハウジング部分（１）内に、少なくとも一つの吐出し孔および供給孔（３０）が設けられている請求項１または２に記載の回転ポンプ。
4. ポートプレート（１６）から遠い方に位置する中央ポンプハウジング部分（１）内の吐き出し孔および供給孔（３０）が、駆動軸（５）から半径方向に或る距離を有し、該距離がポートプレート（１６）内の、対をなすポートの外方ポート（１８、２０）の距離に対応している請求項３に記載の回転ポンプ。
5. ポートプレート（１６）から遠い方の側に位置する外方ポンプハウジング部分（８）が、中央ポンプハウジング部分（１）内の通路（２８）を通して、他の外方ポンプハウジングポート（９）内の供給孔（３０）および供給チャネル（２４）に連結された供給チャネル（２７）と、中央ポンプハウジング部分（１）内の通路を通して、前記他の外方ポンプハウジング部分（９）内の吐出し孔および吐出しチャネル（２５）に連結された吐出しチャネルを含んでいる請求項４に記載の回転ポンプ。
6. ポンプハウジング部分（１、８、９）が単数または複数のボルトによって連結され、これらボルトの少なくとも一つが、カム面を画定するカムリングを、中央ポンプハウジング部分内に回転し得ないように固定している、前記請求項の何れか一つに記載の回転ポンプ。

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